JP2003305740A - 新規な金型とそれを用いた筒状体の製造方法 - Google Patents

新規な金型とそれを用いた筒状体の製造方法

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JP2003305740A
JP2003305740A JP2002109182A JP2002109182A JP2003305740A JP 2003305740 A JP2003305740 A JP 2003305740A JP 2002109182 A JP2002109182 A JP 2002109182A JP 2002109182 A JP2002109182 A JP 2002109182A JP 2003305740 A JP2003305740 A JP 2003305740A
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Tomohiro Ozuru
智博 大づる
正美 ▲柳▼田
Masami Yanagida
Yoshio Sakata
嘉男 坂田
Hitoshi Nojiri
仁志 野尻
Koji Sezaki
好司 瀬崎
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便かつ安価に作成でき、冷却機構を備える
ことが可能な筒状体成型用の筒状の金型の提供、およ
び、樹脂製の筒状体を製造する上で、金型を高温から冷
却する際に短時間で冷却できる方法、成形体を金型から
容易に取り外す方法を提供する。 【解決手段】 筒状体成型用の筒状型であり、複数の金
属リングまたは1本以上の金属線材からなる螺旋状部材
を有し、該複数の金属リングを連続的に並べて形成され
る筒状の外周面または該螺旋状部材の外周面が筒状型の
外面をなし、隣り合う金属リングまたは螺旋において隣
り合う金属線材が互いに固定されていることを特徴とす
る筒状の金型、および、この金型を用いた筒状体の成形
方法により上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筒状体の新規金型に
関し、さらには、同金型を用いた筒状体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】複写機やレーザービームプリンターなど
のハードコピー機器では、感光体や転写ベルト、定着ベ
ルト、搬送ベルトなどに、樹脂製の筒状体が使用されて
いる。筒状体を作成する方法には、特開昭60−170
862号公報に見られる回転成形法により型の内周面に
成形する方法、特開平7−178741号公報に見られ
る円柱金型の外面に樹脂前駆体を塗布する方法、また、
特開平5−77252号公報に見られる遠心キャスト
法、特開平11−277639号公報に見られる円筒状
金型の外面に融着性のあるフィルム状物を2周以上捲き
回し、これを加熱することで一体化し、ベルト化する方
法などが挙げられる。筒状体はその寸法、特に円周が正
確に規定される必要があるため、これらの手法に例示さ
れるまでも無く、円筒型もしくは円柱型の表面に樹脂を
接触させ、しかる後に加熱や冷却、または溶媒除去など
の方法で筒状に加工することが必須である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、円筒型
もしくは円柱型の金型を加熱直後に取り扱うことはでき
ず、樹脂の状態が安定するまで、例えば樹脂のガラス転
移点以下の温度にまで冷却した後に、金型より筒状体を
取り外す必要がある。溶媒の除去や樹脂前駆体の硬化の
ためには高い温度が必要であり、高温になった金型を冷
却するためには空冷では時間を要し、サイクルタイムの
増大が起こる。それを補うために金型個数を増やすと、
仕掛品が増加するという問題が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、筒状体を簡
便に製造できる金型及び工業的に極めて有用な、生産性
に優れた手法での筒状体の製造方法を確立するに至っ
た。
【0005】具体的には、本発明は、筒状体成型用の筒
状型であり、複数の金属リングまたは1本以上の金属線
材からなる螺旋状部材を有し、該複数の金属リングを連
続的に並べて形成される筒状の外周面または該螺旋状部
材の外周面が筒状型の外面をなし、隣り合う金属リング
または螺旋において隣り合う金属線材が互いに固定され
ていることを特徴とする筒状の金型を提供する。
【0006】ここで、前記隣り合う金属リング間または
前記螺旋において隣り合う金属線材間の隙間は0を越え
て1mm以下であることが好ましい。
【0007】また、前記金属線材の断面積は0.25m
2以上で2500mm2以下が好ましい。
【0008】一つの好ましい実施態様では、前記螺旋状
部材を構成する金属線材は金属管である。そして、この
金属管の外周の断面積は9mm2以上で2500mm2
下であることが好ましい。
【0009】上述した本発明の筒状の金型は、その外面
に、厚み30μm以上500μm以下の金属製円筒が配
設されても良く、この金属製円筒には1μm以上20μ
m以下の平均径の貫通空孔が形成されている。
【0010】なお、本発明の筒状の金型は、特に前記筒
状体にポリイミドを含有する樹脂が用いられている場合
に好ましく適用されうる。
【0011】さらに、本発明は、上記筒状の金型を用い
た筒状体の製造方法を提供し、該製造方法は、少なくと
も該金型を冷却する工程を含み、その際、該金型を形成
している前記金属管に冷却媒体を流すことを特徴とす
る。
【0012】本発明は、さらにまた、上記筒状の金型を
用いた筒状体の製造方法を提供し、該製造方法は、少な
くとも該金型の外表面に形成された筒状体を該金型から
取り外す工程を含み、その際、該筒状の金型の筒の内部
を加圧することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の新規な金型及び
同金型を用いた筒状体の製造方法の実施態様を詳しく説
明する。
【0014】本発明は、筒状体成型用の筒状型であり、
複数の金属リングまたは1本以上の金属線材からなる螺
旋状部材を有し、該複数の金属リングを連続的に並べて
形成される筒状の外周面または該螺旋状部材の外周面が
筒状型の外面をなし、隣り合う金属リングまたは螺旋に
おいて隣り合う金属線材が互いに固定されていることを
特徴とする筒状の金型を内容とする。
【0015】図1は本発明の一例を示した図であり、金
属線材(金属配管2および3)からなる螺旋状部材を有
し、該螺旋状部材の外周面が筒状の金型1の外面をな
し、螺旋において隣り合う金属線材(金属配管2および
3)が互いに固定されている。
【0016】金属配管同士の固定方法としては溶接が適
当であり、電気溶接が好ましく適用される。また、外面
の平坦度を向上させるためには、固定後さらに機械加工
を行って平滑化を行えば良い。できるだけ平滑化する為
には金属配管同士を密着させて隙間を無くす方が好まし
いが、成型された筒状体を取り出す際に後述する筒状の
金型の筒の内部を加圧する方法を適用する場合には、金
属配管同士が密着せずに隙間があいている必要がある。
金型の筒状の面が通気性を有する程度に隙間をあければ
良く、例えば、可燃性のスペーサーや水溶性のスペーサ
ーをはさんで金属配管同士を密着させ固定し、固定後に
スペーサーを焼き払ったり、高圧水洗してスペーサーを
熔解させれば、極めて微少な隙間をあけることも可能で
あり、この方法を採用すれば配管同士を30μm程度の
隙間で固定することも比較的容易である、また可燃性の
コーティング層や水溶性のコーテイング層をスペーサー
代わりにすると10μm程度の隙間を形成させることも
可能である。一方、あまりに大きな隙間をあけると、硬
化前の樹脂溶液等が筒の内部に流入したり、金型の外面
の平滑性が悪くなりすぎるため、1mm以下、好ましく
0.5mm以下の隙間が好ましい。
【0017】図1では、金属配管を用いているが、金属
配管を用いるだけではなく、管状でない金属の線材を同
様に用いることができる。また、図2に例示したように
溶接を容易にするためにくさび状の支持材を金属筒の内
面に溶接することで金属線材(金属管を含む)同士を溶
接せしめる方法もある。また、図3に例示するような金
属リング(環状の金属板)を積み重ねて、それを溶接す
ることで本発明の金型を作成する方法もある。
【0018】これらのいずれの構成であっても、本発明
の金型の作成は簡便に行うことが出来る。特に、筒状の
面が通気性ある金型は、従来多孔質のセラミックス等で
形成されていたが、そのような多孔質の金型に比べて、
本発明の金型は低コストで作成することができる。
【0019】上記の金型の構成中で、管状でない金属線
材を螺旋状にしたものや、金属リングを積み重ねたもの
に比べて、金属線材が金属管(金属配管)であるもの
は、この配管中に金型冷却用の冷却媒体を通すことが出
来るために特に好ましい態様である。金属管の形状につ
いては螺旋状に成形可能であれば特に制限はないが、断
面積が小さい(金型の厚みが薄い)ものは実用上冷却に
関しては空冷で必要十分であり、断面積が大きい(金型
の厚みが厚い)ものについては湾曲加工時の強度的な問
題でその大きさにはおのずと限界がある。従って金属管
の場合はその外周の断面積が9mm2以上で2500m
2以下であることが好ましく、さらに断面形状は、金
型の外表面を平滑に仕上げやすいので四角形が好まし
い。
【0020】一方、管状でない金属の線材の場合は金属
管と必ずしも同じ大きさである必要はなく、その断面の
外形が0.25mm2以上で2500mm2以下であるこ
とが好ましく、さらに断面形状は、金型の外表面を平滑
に仕上げやすいので四角形が好ましい。
【0021】筒状体の製造工程では上述したように溶媒
の除去、樹脂前駆体や接着剤の硬化のために高温で筒状
体を加熱する工程がある。必要とされる温度は筒状体に
よってさまざまであるが、次の工程に移るためには高温
状態から速やかに冷却される必要がある。金属管を用い
た金型の場合には、金属管を冷却用の媒体を流すための
配管として機能せしめることが可能になる。すなわち高
温になった金型を、それを構成している金属管に冷却用
の媒体を流すことによって、次の工程に移るために十分
な温度域にまで冷却させる。また、このような配管は加
熱用と冷却用と複数設けても良く、2重螺旋構造や4重
螺旋構造とすることも可能である。
【0022】また、本発明の金型の筒状の面が通気性で
あれば、次のような製造方法に好適に用いられる。すな
わち、筒状体の製造工程において、成形せしめた筒状体
を、次に示す手法で金型から取り外す。先ず、金型の両
端を密封する、又は両端から、もしくはどちらか一端を
密封した他端から、内部の圧力を制御する装置に繋がる
機構を設ける。次に、金型の筒の内部の圧力を上昇させ
ることで、筒状体の内側と外側に圧力差を生じさせ、外
面に成形された筒状体を拡張させることにより金型から
筒状体を抜き出すことができる。圧力を上昇せしめる手
段としては、エアコンプレッサによる圧縮空気の導入が
好ましい。
【0023】上記の筒状体の製造方法において、筒状体
は樹脂を主成分とすることが重要であるが、樹脂として
は、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリエステ
ル、ポリエーテルスルホン、ポリエステルイミド、熱硬
化性ブタジエン、ポリベンゾイミダゾール、ビスマレイ
ミドトリアジン樹脂などの耐熱性樹脂及びその前駆体が
挙げられるが、樹脂であれば特に制限はない。これらの
樹脂の中では、筒状体に要求される機械的強度の点で、
筒状体の成分の一つにポリイミド含むものが、本発明の
効果を十分に発揮できるため好ましい。
【0024】先にも述べたように、通常、これらの樹脂
を円筒型や円柱型の外面や内面に塗布して筒状体を成形
するが、次に述べるような別の成形方法もある。すなわ
ち、樹脂をフィルム状に成形したものを材料として用
い、接着剤等で貼りあわせて筒状に成形する手法であ
る。この場合の一例は以下の通りである。
【0025】まず、樹脂をフィルム状に成形し、このフ
ィルムの少なくとも片面に接着または熱融着可能な樹脂
層を形成する。元のフィルム自体が接着性や熱融着性を
有する場合には、この層の形成は省略することが出来
る。次に、このフィルムを本発明の筒状の金型に複数回
巻き付けて装着する。フィルムを装着する際には、ニッ
プロールによりフィルム間の空気を追い出して、できる
限り、空気を巻き込むこと無く巻くことが望ましい。こ
の際、熱融着フィルムが交互に積層されるように複数の
フィルムを用いてもよく、この場合も樹脂への接着層や
熱融着層の形成を省略することができる。また、巻き終
わりのフィルム端部を仮接着すると筒状の積層フィルム
の取り扱いが容易になって好ましい。このように、本発
明の筒状の金型の外面に幾層ものフィルムが巻き廻され
た状態とする。ここで、樹脂フィルム巻付けは、金型を
回転させて行うと簡単であり、速度制御可能な駆動装置
を本発明の金型に装着することが好ましい。次にフィル
ムが巻かれた金型を耐熱性ゴムでできた外装筒に挿入す
る。さらに、両端部を金属バンドで固定し、オートクレ
ーブにいれて圧力かけつつ加熱する。その後、本発明の
筒状の金型の金属配管に冷却水を流すことにより室温ま
で冷却する。外装筒を抜き取ったあと、筒状の金型の筒
の内部に圧力をかけて、成形体を取り出す。成形体は積
層構造となっているが、接着層や熱融着層が加熱された
結果、一体化されたものとなる。
【0026】いずれの方法で筒状体を成形するにして
も、その表面性に要求される水準が高い場合、通気性を
持たせるために設けた隣り合う金属リング間の隙間や螺
旋において隣り合う金属線材間の隙間が問題となること
がある。その場合、金型外面に1μm以上20μm以下
の平均径を有する貫通空孔が形成された、厚み30μm
以上500μm以下の金属製円筒を取り付けることも有
効な手段である。金属管同士のすき間が大きい場合は筒
状体にその痕が転写される場合があり、金属製円筒によ
りそのような表面性の悪化を抑えることができる。ま
た、貫通空孔があるので筒状体を拡張させるのになんら
支障はない。
【0027】
【実施例】(実施例1)攪拌翼がついた容器に、モレキ
ュラーシーブにて十分に脱水したジメチルホルムアミド
(DMF)を1500g入れ、4、4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル200gを加え、完全に溶解するまで攪
拌した。この系を約0℃に冷却し、ピロメリット酸二無
水物218gを徐々に加え、よく攪拌した。系の粘度が
約300Pa・sになったところで攪拌を停止し、ポリ
イミド前駆体溶液を得た。
【0028】次に大塚化学社製金属フィラーTM−20
0 60gとDMF300gを別の容器に入れ、よく攪
拌し、さらに超音波分散機にかけることで分散液中の金
属フィラーを均一に分散させた。また、さらに別の容器
に三菱化学社製カーボンブラック3030Bを15gと
DMF300gを入れよく攪拌し、超音波分散機にかけ
た。
【0029】上記で得られた金属フィラー分散液とカー
ボンブラック分散液を、同一のビーカー中にそれぞれ9
8gおよび45g採取し、よく攪拌した。このビーカー
中に、上記で得られたポリイミド前駆体溶液300gを
溶かし入れ、さらによく攪拌した。このようにして、ポ
リイミド前駆体樹脂の乾燥重量100重量部に対して、
金属フィラー約25重量部、カーボンブラック約3重量
部含有する混合溶液を得た。さらにこの溶液に、15g
のイソキノリンを混ぜ入れることで、液状原料を調製し
た。
【0030】このようにして得られた液状原料を長さ4
00mm、内径82mmの円筒型ガラス型の内側に一様
に塗布した。次にガラス型の内径とのクリアランスを
0.7mmに調整された金型をガラス型の中を移動させ
ることで、ガラス型の内側に0.7mmの厚さを有する
液状原料層を形成した。該ガラス型を真空乾燥機に封入
し、100Paの真空度で3時間乾燥させた。このよう
にして大部分の溶媒が揮発除去されたポリイミド前駆体
を、圧縮空気をガラス型と該ポリイミド前駆体の間に噴
射することで、ガラス型から取り外した。
【0031】次に、該ポリイミド前駆体からなる筒状体
を、本発明の金型の外表面に装着した。該金型は、8m
m×8mmのSUS製の角パイプを螺旋状に湾曲させ
て、溶接後研磨されたものである。該金型は長さ400
mm、外径80mmである。両端部にねじが溶接されて
おり、密閉できるような蓋とエア導入口のついた蓋が取
り付け可能なものである。なお、螺旋において隣り合う
角パイプ間の隙間は約0.05〜0.1mmである。
【0032】この筒状体を、金型ごとオーブンに封入
し、100℃から380℃まで約30分の時間をかけて
連続的に温度を上昇させることで、イミド化反応を進行
せしめた。次に金型の角パイプに冷却水を最初の5分間
は200mL/分、そのあとの5分間は5L/分の流量
で流すことにより室温まで冷却した。オーブンより取り
出した金型をSUS製の蓋で密閉し、筒状の金型の筒の
内部にエアコンプレッサから圧力0.3MPaで加圧エ
アを導入した。圧力差により金型から筒状体が浮き上が
り、容易に取り出すことができた。
【0033】(比較例1)金型として通気性金属(例え
ば株式会社神戸製鋼所製のヒポラス)をもちいた外径8
0mm×内径64mm×長さ440mmの筒状のものを
採用したことを除いて、実施例1と同様の手順で筒状体
を形成した。オーブンで380℃の状態から室温まで冷
却するのに空冷で1時間必要であった。
【0034】(比較例2)金型として、外装筒と支持筒
の二重構造からなる金属筒をもちいた。該外装筒は長さ
400mm、外径80mm、厚さ0.1mmのNi製で
あり、貫通孔を有し、その平均径は10μm、貫通孔の
面密度は100個/cm2であった。該支持筒は、長さ
420mm、外径79.9mm、厚さ7mmのSUS製
であり、貫通孔を有し、その平均径は100μm、貫通
孔の面密度は25個/cm2であった。該金型を採用し
たことを除いて、実施例1と同様の手順で筒状体を形成
した。オーブンで380℃の状態から室温まで冷却する
のに空冷で1時間必要であった。
【0035】(実施例2)25μmのPIフィルムの片
面に8μmの厚さでエポキシ層を設けて総厚33μmと
した積層フィルムを巻き回して前記金型に装着した。次
いで、最外層のカバー層用として、粒径2μm以下のチ
タン酸バリウムをフィラーとして約12%添加した厚さ
20μm、ガラス転移温度Tg130℃のフッソ系樹脂
フィルムを巻き回して装着した。装着の際には、ニップ
ロールによりフィルム間の空気を追い出して、できる限
り、空気を巻き込まないようにした。また、巻き終わり
のフィルム端部は、その後の取り扱いが容易なように仮
接着した。なお、金型には回転可能なように速度制御可
能な駆動装置を取り付けて巻き回し作業を行った。次に
フィルムが巻かれた金型を外径105mm×内径85m
m長さ440mmの耐熱性ゴムでできた筒に挿入した。
両端部を金属バンドで固定し、オートクレーブにいれて
圧力を0.6MPa温度を200℃にした。5分間20
0℃でホールドしたのちオートクレーブを常温常圧にも
どし、さらに金型の角パイプに冷却水を5L/分の流量
で流すことにより室温まで冷却した。冷却水を5分流す
ことで金型は室温まで冷却され、金属バンドを取り外
し、ゴムを抜いた後、エアコンプレッサから圧力0.3
MPaで加圧エアを導入した。圧力差により金型から筒
状体が浮き上がり、容易に取り出すことができた。
【0036】このようにして得られた無端ベルト成形体
は、外径約φ80mm、厚さ約200μmの無端ベルト
であり、厚みムラが約10μmと十分な精度を有するも
のであった。また、無端ベルトの外表面は、フッソ系樹
脂が熱で溶融し、且つ平滑な表面をもつ耐熱性ゴムによ
って加圧されて巻き付け終端部も滑らかな面となってい
る他、フィルム間の気泡がなく、幅方向端部の樹脂流れ
もなくて十分に実用可能なものであった。
【0037】(比較例3)金型として通気性金属(例え
ば株式会社神戸製鋼所製のヒポラス)をもちいた外径8
0mm×内径64mm×長さ440mmの筒状のものを
採用したことを除いて、実施例2と同様の手順で筒状体
を形成した。オートクレーブから取り出した後から人が
素手で触れる状態になるまでまで冷却するのに空冷で3
0分必要であった。
【0038】以上、本発明に係る新規な金型および同金
型を用いた製造方法の実施例について説明したが、本発
明は上述の形態に限定されるものではない。
【0039】例えば、金型の形状は、実施例1または実
施例2で例示されたものだけでなく、多種多様なものが
任意の金属のパイプや線材で製作される。また、例示す
るまでもなく、本発明は既に記述した範囲内で、種々な
る変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る新規な金型は、従来の通気
性金型よりも簡便かつ安価に作成できるものである上
に、金属管を螺旋状にした構造の金型の場合冷却用の媒
体を通すことによって、強制的に冷却できるため、サイ
クルタイムの短縮が可能となる。冷却速度は冷却機構を
有していない他の金型に比べて圧倒的に速く、実用上好
適である。さらに金型の内周面から外周面に向かって、
空気を放出することにより、外周面に成形された筒状体
を取り外すことが容易であり工業的に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金型の一実施形態を示す説明図で
ある。
【図2】本発明に係る金型の製造法(溶接の方法)を説
明するための説明図である。
【図3】本発明に係る金型の材料を説明するための説明
図である。
【符号の説明】
1 :金型 2 :金属配管(冷却媒体入口) 3 :金属配管(冷却媒体出口) 4 :金属線材 5 :くさび状の支持体 6 :リング状の金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬崎 好司 滋賀県大津市鳥居川町6−35−1412 Fターム(参考) 4F202 AA40 AG08 AJ02 AJ08 AK02 CA03 CA27 CB01 CD30 CM08 CN05 CN13 CN21 4F205 AA40 AG08 AG16 AH12 AH33 AJ02 AJ08 GA06 GB01 GC01 GN18 GN28 GN29 GW05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状体成型用の筒状型であり、複数の金
    属リングまたは1本以上の金属線材からなる螺旋状部材
    を有し、該複数の金属リングを連続的に並べて形成され
    る筒状の外周面または該螺旋状部材の外周面が筒状型の
    外面をなし、隣り合う金属リングまたは螺旋において隣
    り合う金属線材が互いに固定されていることを特徴とす
    る筒状の金型。
  2. 【請求項2】 前記隣り合う金属リング間または前記螺
    旋において隣り合う金属線材間の隙間が0を越えて1m
    m以下であることを特徴とする請求項1に記載の筒状の
    金型。
  3. 【請求項3】 前記金属線材の断面積が0.25mm2
    以上で2500mm2以下であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の筒状の金型。
  4. 【請求項4】 前記螺旋状部材を構成する金属線材が金
    属管であることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の筒状の金型
  5. 【請求項5】 前記金属管の外周の断面積が9mm2
    上で2500mm2以下であることを特徴とする請求項
    4に記載の筒状の金型。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の筒状の金型の外面に、厚み30μm以上500μm
    以下の金属製円筒が配設され、該金属製円筒には1μm
    以上20μm以下の平均径の貫通空孔が形成されている
    ことを特徴とする筒状の金型。
  7. 【請求項7】 前記筒状体にポリイミドを含有する樹脂
    が用いられている、請求項1ないし請求項6のいずれか
    1項に記載の筒状の金型。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし請求項7のいずれかに記
    載の筒状の金型を用いた筒状体の製造方法であって、少
    なくとも該金型を冷却する工程を含み、その際、該金型
    を形成している前記金属管に冷却媒体を流すことを特徴
    とする筒状体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載の筒状の金型を用いた筒状体の製造方法であって、少
    なくとも該金型の外表面に形成された筒状体を該金型か
    ら取り外す工程を含み、その際、該筒状の金型の筒の内
    部を加圧することを特徴とする筒状体の製造方法。
JP2002109182A 2002-04-11 2002-04-11 新規な金型とそれを用いた筒状体の製造方法 Pending JP2003305740A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013082582A (ja) * 2011-10-11 2013-05-09 Jfe Steel Corp 溶融スラグ処理用双ロール冷却装置

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