JP2003305738A - 回転成形体及びその製造方法 - Google Patents

回転成形体及びその製造方法

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JP2003305738A JP2003032689A JP2003032689A JP2003305738A JP 2003305738 A JP2003305738 A JP 2003305738A JP 2003032689 A JP2003032689 A JP 2003032689A JP 2003032689 A JP2003032689 A JP 2003032689A JP 2003305738 A JP2003305738 A JP 2003305738A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転成形体本体とインサート部との接合面にク
ラックが発生するのを回避すると共に、両者間で融着強
度不足になることを回避することを課題とする。 【解決手段】熱溶融性フッ素樹脂を型内で回転成形して
得られる回転成形体4であり、内部が空洞である熱溶融
性フッ素樹脂からなる回転成形体本体1と、この回転成
形体本体1と一体化した変成四フッ化エチレン樹脂から
なるインサート部2,3とを具備することを特徴とする
回転成形体4。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転成形体及びその
製造方法に関し、特に半導体分野の製造装置に使用され
る洗浄槽、秤量槽、薬液容器、あるいは過激な振動状態
で使用される容器等に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体分野の製造装置において
は、例えば洗浄槽が使用されている。こうした洗浄槽
は、薬品の純粋性、耐薬品性、耐熱性等の点で優れた特
性を有するフッ素樹脂材料例えば四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)を用いて製造されている。また、最近で
は、回転成形技術を利用した四フッ化エチレンパーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)ボ
ックスが多く使用されている。
【0003】この中で、PFAボックスの成形法とし
て、その成形体にボス部あるいはネジ部等を設ける必要
がある場合、機械的強度を上げるために、他の部分より
も厚肉にする必要があるが、回転成形法では特定の部分
のみ厚肉にすることは困難である。
【0004】この対策として、ボス部あるいはネジ部を
インサート部として予め成形し、このインサート部を金
型にセットした状態で回転成形を行い、インサート部と
回転成形体本体部とを一体化させて回転成形体を製造す
る成形法が用いられている(特許文献1参照)。
【0005】この成形法の場合、インサート部としては
四フッ化エチレン樹脂(PTFE)が用いられ、回転成
形体本体部としては熱溶融性フッ素樹脂が用いられてい
る。
【0006】
【特許文献1】特公平7−118992号公報(第3頁
左欄2〜32行及び第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の場合、回転成形体本体部とインサート部との熱膨張
差等に起因して両者の接合面でのせん断力によるクラッ
クが発生する場合がある。また、インサート部と回転成
形体本体部との相溶性に起因して接合面で融着強度不足
になる恐れがある。
【0008】本発明は、こうした事情を考慮してなされ
たもので、内部が空洞である熱溶融性フッ素樹脂からな
る回転成形体本体と、この回転成形体本体と一体化した
変成四フッ化エチレン樹脂からなるインサート部とを備
えた構成とすることにより、回転成形体本体とインサー
ト部との接合面にクラックが発生するのを回避すると共
に、両者間で融着強度不足になることを回避しえる回転
成形体を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、変成四フッ化エチレン樹
脂からなるインサート部を予め型内にセットする工程
と、熱溶融性フッ素樹脂を型内に供給する工程と、回転
成形により、熱溶融性フッ素樹脂からなる回転成形体本
体を形成すると共に、前記インサート部と前記回転成形
体本体とを一体化する工程とを有することにより、回転
成形体本体とインサート部との接合面にクラックが発生
するのを回避すると共に、両者間で融着強度不足になる
ことを回避しえる回転成形体を製造しえる回転成形体の
製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、熱溶
融性フッ素樹脂を型内で回転成形して得られる回転成形
体であり、内部が空洞である熱溶融性フッ素樹脂からな
る回転成形体本体と、この回転成形体本体と一体化した
変成四フッ化エチレン樹脂からなるインサート部とを具
備することを特徴とする回転成形体である。
【0011】第1の発明において、前記回転成形体本体
と前記インサート部との接合部に融着助剤を設けること
が好ましい。この融着助剤の存在により、回転成形体本
体とインサート部との接合をより強固にすることができ
る。
【0012】本願第2の発明は、熱溶融性フッ素樹脂を
型内で回転成形することにより回転成形体を製造する方
法であり、変成四フッ化エチレン樹脂からなるインサー
ト部を予め型内にセットする工程と、熱溶融性フッ素樹
脂を型内に供給する工程と、回転成形により、熱溶融性
フッ素樹脂からなる回転成形体本体を形成すると共に、
前記インサート部と前記回転成形体本体とを一体化する
工程とを具備することを特徴とする回転成形体の製造方
法である。
【0013】第2の発明において、前記インサート部を
予め型内にセットする前に、回転成形体本体との接合予
定部に融着助剤を塗布しておくことが好ましい。こうし
た塗布を行うことにより、回転成形体本体とインサート
部との接合をより強固にすることができる。また、成型
は、前記型の軸方向と交差する第1の方向を軸にして自
転させるとともに、前記型の軸方向及び前記第1の方向
に夫々交差する第2の方向に公転させながら成型を行う
ことが好ましい。これにより、安定した厚みを有する回
転成形体本体を得ることができる。
【0014】本発明において、熱溶融性フッ素樹脂とし
ては、例えば四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂(PFEP)、四フッ化エチレン−エチレン
共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(P
CTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)が挙げ
られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明において、本発明に係る変成四フッ化
エチレン樹脂とは、変成コモノマーが1質量%以下変成
している場合を意味する(日本工業規格K6935−1
参照)。変成四フッ化エチレン樹脂としては、例えばダ
イキン工業(株)製の商品名:M−111、M−112
等が挙げられるが、これに限定されない。
【0016】本発明において、回転成形体本体とインサ
ート部とは回転成形法により一体化される。ところで、
回転成形法としては、ロックンロール法、ハイスラー
法、二軸回転成形法が挙げられるが、本発明では二軸回
転成形法を用いることが好ましい。この二軸回転成形法
とは、中空金型に成形樹脂原料を充填し、炉内で加熱し
ながら二軸回転させ、金型壁面に溶融した樹脂を付着さ
せ、冷却させることにより中空成形物を得る方法であ
る。二軸回転成型法は、具体的には例えば図5に示すよ
うに行う。
【0017】図中の符番11は中空金型を示し、該中空
金型11の軸方向に沿う中心部が回転軸12に固定され
ている。また、前記回転軸12の両端は、内枠13の対
向する側部に軸支されて内枠13とともに矢印X方向に
回転できるように軸支されている。また、前記内枠13
は矢印Y方向に回転可能な外枠14の内側に配置され、
前記回転軸12の一端は内枠13の一側部から延出して
外枠14の一端側に軸支され、回転軸12の他端も内枠
13の他側部から延出して第1のスプロケット15を介
して外枠14の他端側に軸支されている。
【0018】前記第1のスプロケット15は、チェーン
16により別の第2のスプロケット17と連動するよう
になっている。ここで、第2のスプロケット17は、駆
動モーター18からの駆動力が回転軸19、第1のかさ
歯車20a及び第2のかさ歯車20bを順次介して回転
するようになっている。なお、図示しないが、図5の成
形装置は電熱線やガスバーナーのような加熱装置の中に
配置されて任意の温度で加熱処理されるようになってい
る。
【0019】図5において、駆動モーター18の回転軸
19がY軸方向に回転することにより、外枠14が矢印
Y方向に回転する(中空金型の公転)。また、回転軸1
9の回転により、第1のかさ歯車20a、第2のかさ歯
車20b、第2のスプロケット17、チェーン16及び
第1のスプロケット15を介して回転軸12に固定され
た中空金型11も内枠13とともにX軸方向に回転(自
転)する。つまり、駆動モーター18の駆動により、中
空金型11が自転及び公転する。
【0020】本発明方法において、前記インサート部を
予め型内にセットする前に、回転成形体本体との接合予
定部に融着助剤を塗布しておくことが好ましい。融着助
剤の塗布は、回転成形体本体との融着部分を溶剤で洗浄
した後、筆あるいはガーゼで融着部分に薄く塗ることに
より行う。融着助剤の作業工程は、融着助剤の塗布、乾
燥、更に所定の温度で熱風により焼き付けを行うことに
より完了する。融着助剤の塗布により、回転成形体本体
とインサート部の接合をより強固にすることができる。
【0021】本発明方法において、回転成形の際には、
金型の材質に銅、亜鉛及びニッケルからなる合金を用い
ることが好ましい。これにより、脱泡効果が得られると
ともに、成形時間を短縮できる。また、銅,亜鉛及びニ
ッケル合金を使用した場合、金型の錆の転写や離型性の
点で優れている。
【0022】本発明方法において、インサート部におけ
る予備加熱後のインサート部及び成形体本体部の加熱条
件は、焼成時間幅150〜250分、温度幅330〜4
00℃が好ましい。焼成時間と温度は互いに密接な関係
を有し、温度が高ければ時間を短く(又、温度が低けれ
ば時間を長く)する。上記のように温度範囲を設定した
のは、温度が400℃を超えると熱分解が起きて樹脂が
ガス化し、330℃未満では樹脂の溶融が不完全となっ
て、溶融樹脂の流動性が低下し、インサート部と成形体
本体部との融着不良、成形体本体部の肉厚が不均一にな
る等の不具合を起こす恐れがあるからである。
【0023】本発明において、回転成形体は、半導体分
野の製造装置に使用される洗浄槽、秤量槽、薬液容器、
過激な振動状態で使用される容器、あるいは化学薬品液
等を流す配管等に使用される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例に係る回転成形体につ
いて、その製造方法を併記して説明する。図1(A),
(B)及び図2(A),(B)を参照する。ここで、図
1(A)は回転成形体の上面図、図1(B)は図1
(A)の正面図を示す。また、図2(A)は図1の回転
成形体を製造するための金型の説明図、図2(B)は図
2(A)の部分拡大図を示す。
【0025】図中の符番1は、内部が空洞部になってい
る熱溶融性フッ素樹脂(PFA)からなる回転成形体本
体を示し、二軸回転成形により得られる。この回転成形
体本体1の上下には、夫々融着性が高い変成四フッ化エ
チレン樹脂(変成PTFE)からなる円柱状のインサー
ト部2,3が図2(A),(B)に示すように溶接助剤
層6を介して一体的に取り付けられている。なお、イン
サート部2,3は圧縮成形によって予め成形したものを
用い、内側面には雌ネジが切られている。また、融着助
剤として、例えば溶接助剤としてのPFA系ディスパー
ジョン(商品名:A−306、三井デュポンフロロケミ
カル(製))を用いる。
【0026】前記溶接助剤層6は、次のようにして形成
する。まず、回転成形体本体1との融着部分を溶剤で洗
浄した後、筆あるいはガーゼで融着部分に溶接助剤を薄
く塗る。次に、塗布した溶接助剤を乾燥させる。つづい
て、溶接加工用ホットガンを用いて390〜420℃の
熱風により焼き付けを行う。
【0027】このように、上記実施例に係る回転成形体
4は、PFAからなる回転成形体本体1の上下に、変成
PTFE樹脂からなる円柱状のインサート部2,3を溶
接助剤層6を介して一体的に取り付けた構成となってい
る。こうした構成の回転成形体4によれば、回転成形体
本体1とインサート部2,3との接合面にせん断力によ
るクラックが発生するのを回避できるとともに、両者間
で融着強度が不足になるのを回避できる。また、回転成
形体本体1とインサート部2,3との接合部に溶接助剤
層6を介在させることにより、回転成形体本体1とイン
サート部2,3との接合をより一段と強化することがで
きる。
【0028】次に、上記回転成形体の製造方法について
図2を参照して説明する。まず、図2に示すように、上
型5a,中型5b及び下型5cからなる金型5を準備す
る。ここで、金型5の材質は、銅、亜鉛及びニッケルか
らなる合金で、板厚は約2mmである。次に、前記金型
5に、変成四フッ化エチレン樹脂(商品名:M−11
2、ダイキン工業(株)製)からなるインサート部2,
3をセットした。次に、金型5内に、粉末状のスーパー
PFA(商品名:TE−9738JN、三井デュポンフ
ロロケミカル(株)製)を型内に供給した。つづいて、
金型5を図5のように二軸回転成形により、熱溶融性フ
ッ素樹脂からなる回転成形体本体1を形成すると共に、
前記インサート部2,3と前記回転成形体本体1とを一
体化して、回転成形体4を製造した。
【0029】ここで、予め成形しておくインサート部の
成形条件は下記の通りである。 (1)インサート部予備成形条件 ・成形法:圧縮成形 ・圧力:10〜20MPa ・保持時間:5〜10min (2)インサート部焼成条件 ・最高温度370℃にて5時間以上 ここで、二軸回転成形の条件は次のとおりである。 (3)回転成形加熱条件 ・温度:330℃〜400℃ ・時間:250分〜250分 ・金型材質:銅、亜鉛、ニッケル合金 ・金型のサイズ:φ150mm(D)×220mm
(H)(図2参照) 事実、上記方法により得られた回転成形体(本発明)及
び従来の回転成形体について、回転成形体本体とインサ
ート部との融着部破断強度を調べたところ、下記表1の
結果が得られた。
【0030】
【表1】
【0031】但し、表1において、本発明は回転成型体
本体部が三井デュポンフロロケミカル(株)製のスーパ
ーPFA(商品名:TE−9738JN)、インサート
部がダイキン工業(株)製の変成PTFE(商品名:M
−112)の場合の回転成形体であり、その間に溶接助
剤を塗布し、成形している事を示している。また、比較
例1は回転成形体本体部が三井デュポンフロロケミカル
(株)製のスーパーPFA(商品名:TE−9738J
N)、インサート部がダイキン工業(株)製のPTFE
(商品名:M−15)の場合の回転成形体である事を示
す。更に、比較例2は回転成形体本体部が三井デュポン
フロロケミカル(株)製のスーパーPFA(商品名:T
E−9738JN)、インサート部がダイキン工業
(株)製のPTFE(商品名:M−112)の場合の回
転成形体である事を示す。
【0032】上記表1より、本発明品の常温の場合にお
ける融着部破断強度は、比較例1,2に対して大きな差
は見られないが、100℃の高温下になると強度の低下
はあるものの、比較例1,2に対して低下率は明らかに
少なく回転成形体とインサート部との融着強度は向上し
ていることは明らかであった。
【0033】また、本発明のインサート部(材質:M−
112)、従来のインサート部(材質:M−12,M−
15)について引張り伸びをJIS6891−5−3に
基づいて測定したところ、下記表2に示す結果が得られ
た。
【0034】
【表2】
【0035】上記表2より、本発明の場合の方が大きな
引張り伸びを有し、従来と比べて柔軟性に優れることが
確認された。引張り伸びが大きいのは、例えば図4
(A),(B)に示すように、インサート部としてのつ
ば部2を有する回転成形体(配管)4同士をつば部2で
接合治具を用いて接続する場合に効果的である。
【0036】更に、本発明のインサート部(材質:M−
112)、従来のインサート部(材質:M−12,M−
15)について、圧縮クリープ特性をASTM D62
1に準拠して測定したところ、下記表3に示す結果が得
られた。
【0037】
【表3】
【0038】上記表3より、本発明の場合の方が従来と
比べて、全変形及び永久変形のいずれの場合でも圧縮ク
リープが小さいことが明らかである。これにより、本発
明の場合、特にインサート部に雄ネジを螺合するような
場合に、インサート部が変形しにくいので有効であるこ
とが明らかである。
【0039】更には、本発明のインサート部(材質:M
−112)、従来のインサート部(材質:M−12,M
−15)について、屈曲寿命をMIT試験(ASTMD
2178)に基づいて測定したところ、下記表4に示す
結果が得られた。
【0040】
【表4】
【0041】上記表4より、本発明の場合の方が従来と
比べて屈曲寿命が著しくよいことが確認された。屈曲寿
命がよいのは、例えば図4(A),(B)に示すよう
に、インサート部としてのつば部2を有する回転成形体
(配管)4同士をつば部2で接合治具を用いて接続する
場合に効果的である。
【0042】また、本発明のインサート部(材質:M−
112)及び従来のインサート部(材質:M−15)に
ついて、表面平滑性について調べたところ、下記表5に
示すように従来のインサートの場合は平均粗さRa(μ
m)は1.8であったが、本発明のRa(μm)は1.
2であった。これにより、本発明の方が平均粗さが小さ
いので、液がインサート部に残存しにくく、薬品の汚染
が回避できることが明らかである。これにより、本発明
が従来と比べて優れていることが明らかである。
【0043】
【表5】
【0044】更に、回転成形体本体の表面平滑性が樹脂
の種類によって異なることを調べたところ、下記表6の
結果が得られた。
【0045】
【表6】
【0046】上記表6より、従来のTE−9738J、
AC−5810に対して、TE−9738JN(本願)
の場合の最大粗さがが著しく小さく、より表面平滑性に
優れていることが明らかである。また、TE−9738
JNの場合、球晶を極小化することにより表面平滑性が
向上し、更に樹脂の結晶化度を促進し薬液の透過や浸透
が少なくなる。更に、表面平滑性が向上することによ
り、得られた回転成形体の洗浄回数を低減することがで
きる。
【0047】上述したように、金型の材質として銅,亜
鉛及びニッケルからなる合金を用いて回転成形をするこ
とにより、脱泡効果が得られるとともに、成形時間を短
縮できる。なお、一般的な鋼板を使用しても成形は可能
であるが、脱泡させるために時間が長くなる。また、
銅,亜鉛及びニッケルからなる合金を使用した場合、金
型の錆の転写や離型性の点で優れている。
【0048】事実、銅,亜鉛及びニッケルからなる合金
を使用した場合には3時間程度で済んだが、一般的な鋼
板、例えばSS400(JIS−G−3101)を使用
した場合、最低4.5時間程度は必要であり、ステンレ
ス鋼板(SUS304)の場合は更に長く時間がかかる
ことが確認できた。
【0049】なお、回転成形体は、上記実施例に述べた
構成のものに限らず、例えば、図3(A),(B)のよ
うに断面形状が傾斜した構成のもの、あるいは図4
(A),(B)のように断面形状がパイプ状の構成のも
のでもよい。なお、図3(A)は図3(B)の上面図、
図4(B)は図4(A)の正面図を示す。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
内部が空洞である熱溶融性フッ素樹脂からなる回転成形
体本体と、この回転成形体本体と一体化した変成四フッ
化エチレン樹脂からなるインサート部とを備えた構成と
することにより、回転成形体本体とインサート部との接
合面にクラックが発生するのを回避すると共に、両者間
で融着強度不足になることを回避しえる回転成形体を提
供できる。
【0051】また、本発明によれば、変成四フッ化エチ
レン樹脂からなるインサート部を予め型内にセットする
工程と、熱溶融性フッ素樹脂を型内に供給する工程と、
回転成形により、熱溶融性フッ素樹脂からなる回転成形
体本体を形成すると共に、前記インサート部と前記回転
成形体本体とを一体化する工程とを有することにより、
回転成形体本体とインサート部との接合面にクラックが
発生するのを回避すると共に、両者間で融着強度不足に
なることを回避しえる回転成形体を製造しえる回転成形
体の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る回転成形体の説明
図。
【図2】 図1の回転成形体を製造するための金型の説
明図。
【図3】 本発明の他の実施例に係る回転成形体の説明
図。
【図4】 本発明の更に他の実施例に係る回転成形体の
説明図。
【図5】 回転成型法の説明図。
【符号の説明】
1…回転成形体本体、 2,3…インサート部、 4
…回転成形体、5…金型、 6…溶接
助剤層、 11…中空金型、12,19…回転軸、
13…内枠、 14…外枠、15,17…スプ
ロケット、16…チェーン、 18…駆動モーター、
20a,20b…かさ歯車。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今里 英雄 長崎県松浦市調川町平尾免字潮入200番地 中興化成工業株式会社内 (72)発明者 吉田 博和 長崎県松浦市調川町平尾免字潮入200番地 中興化成工業株式会社内 (72)発明者 加々良 壽之 東京都港区虎ノ門2丁目8番10号 中興化 成工業株式会社内 Fターム(参考) 3E033 AA20 BA30 FA10 GA02 4F205 AA16 AA16J AD05 AD34 AG07 AG23 AH55 GA03 GB01 GB12 GB20 GC04 GN01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱溶融性フッ素樹脂を型内で回転成形し
    て得られる回転成形体であり、 内部が空洞である熱溶融性フッ素樹脂からなる回転成形
    体本体と、この回転成形体本体と一体化した変成四フッ
    化エチレン樹脂からなるインサート部とを具備すること
    を特徴とする回転成形体。
  2. 【請求項2】 前記回転成形体本体と前記インサート部
    との接合部に融着助剤を設けることを特徴とする請求項
    1記載の回転成形体。
  3. 【請求項3】 熱溶融性フッ素樹脂を型内で回転成形す
    ることにより回転成形体を製造する方法であり、 変成四フッ化エチレン樹脂からなるインサート部を予め
    型内にセットする工程と、熱溶融性フッ素樹脂を型内に
    供給する工程と、回転成形により、熱溶融性フッ素樹脂
    からなる回転成形体本体を形成すると共に、前記インサ
    ート部と前記回転成形体本体とを一体化する工程とを具
    備することを特徴とする回転成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記インサート部を予め型内にセットす
    る前に、回転成形体本体との接合予定部に融着助剤を塗
    布しておくことを特徴とする請求項3記載の回転成形体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記型の軸方向と交差する第1の方向を
    軸にして自転させるとともに、前記型の軸方向及び前記
    第1の方向に夫々交差する第2の方向に公転させながら
    成型を行うことを特徴とする請求項3記載の回転成形体
    の製造方法。
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