JP2003305710A - 無機質板の製造方法 - Google Patents

無機質板の製造方法

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JP2003305710A JP2002113879A JP2002113879A JP2003305710A JP 2003305710 A JP2003305710 A JP 2003305710A JP 2002113879 A JP2002113879 A JP 2002113879A JP 2002113879 A JP2002113879 A JP 2002113879A JP 2003305710 A JP2003305710 A JP 2003305710A
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Hideo Saito
日出夫 斉藤
Masaaki Horie
正昭 堀江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然石のような質感を有する高い意匠性
を示し、長期にわたり高い耐水性と塗膜密着性を保持で
きる無機質板の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくともセメント成分を固形分として
含有する原料スラリーを抄造して得られる抄造シート
に、少なくともセメント成分を主成分とする表層材を散
布した後、骨材を散布し、プレス成形する無機質板の製
造方法において、プレス成形して得られる基材に、浸透
性撥水剤を塗布量20〜200 g/m2で塗布することを特徴と
する無機質板の製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、耐水性と
意匠性の高い無機質板の製造方法に関するものである。
さらに詳しくは、この出願の発明は、少なくともセメン
ト成分を固形分として含有する原料スラリーを抄造して
得られる抄造シートに、少なくともセメント成分を主成
分とする表層材を散布した後、骨材を散布し、プレス成
形する無機質板の製造方法において、プレス成形して得
られる基材に、浸透性撥水剤を塗布量20〜200 g/m2で塗
布する無機質板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】セメント系の無機質板は、外
壁材、屋根材等の外装材として広く用いられており、表
面に柄、目地等の凹凸模様、着色、塗装等の施された多
種多様の意匠を有するものが提供されている。
【0003】従来の無機質板の製造方法では、無機質板
は、通常、少なくともセメントを主成分とし、補強繊維
や無機充填材を添加してなる原料スラリーを、抄造によ
り積層させ、抄造シートとした後、プレス機によって脱
水成形して模様付けし、次いで成形された基板を養生し
て得られる。また、得られた無機質板には、上塗り塗装
を施して表面化粧仕上げを行い、化粧塗膜が形成されて
いる。
【0004】近年はとくに、重厚感や高級感を与える鉄
平石、割石、砂岩(サンドストーン)等の天然石に近い
質感を有する外装材への要望が高まっている。しかし、
プレス成形により凹凸模様を施し、化粧塗膜を形成した
無機質板では、ざらつきや光沢等の天然石特有の質感が
得られなかった。そこで、転写印刷や複数色による塗装
などが検討されたものの、外装材として施工した場合に
も、平坦な仕上がりしか得られず、天然石風の重厚感は
十分とは言い難かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、天然石に近い
質感を有する無機質板を製造する方法として、前記のと
おりに原料スラリーを抄造して得られる抄造シートに、
少なくともセメント成分を固形分として有する表層材を
散布し、さらに骨材を散布した後にプレス成形を行い、
この基材にクリアー塗装を施して骨材の落下を防止する
とともに、耐水性を高める方法が提案され、実施されて
いる。
【0006】しかしながら、上記のような方法で製造さ
れる意匠性の高い無機質板においては、耐水性が不十分
であったために、降雨等により水が無機質板内部に浸透
して濡れ染みが発生し、意匠性が著しく損なわれるとい
う問題があった。また、水が無機質板内部に浸透するこ
とにより、無機質板が劣化しやすくなるという問題もあ
った。
【0007】このような問題を解決するべく、基材に撥
水塗料を塗布し、無機質板に撥水性を付与することが検
討された。しかし、撥水塗料は基材表面に撥水性を付与
できるものの、骨材には浸透しないため、無機質板を長
期使用するうちに、多孔質で吸湿性の高い骨材部から水
が浸透するという問題が発生した。また、撥水塗料によ
り基材表面に形成される撥水層と、表面化粧仕上げによ
り形成される化粧塗膜との密着性が低く、化粧塗膜の剥
離が起こりやすくなるという新たな問題も発生した。
【0008】そこで、この出願の発明は、以上のとおり
の事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点
を解消し、天然石のような質感を有する高い意匠性を示
し、長期にわたり高い耐水性と塗膜密着性を保持できる
無機質板の製造方法を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、まず第1には、少なくと
もセメント成分を固形分として含有する原料スラリーを
抄造して得られる抄造シートに、少なくともセメント成
分を主成分とする表層材を散布した後、骨材を散布し、
プレス成形する無機質板の製造方法において、プレス成
形して得られる基材に、浸透性撥水剤を塗布量20〜200
g/m2で塗布することを特徴とする無機質板の製造方法を
提供する。
【0010】第2には、この出願の発明は、浸透性撥水
剤を塗布した後、紫外線カット剤を含有する水系クリア
ー塗料を塗布することを特徴とする前記の無機質板の製
造方法を提供する。
【0011】また、この出願の発明は、第3には、浸透
性撥水剤を塗布した後、マイカを含有する水系クリアー
塗料を塗布することを特徴とする前記の無機質板の製造
方法を提供する。
【0012】そして、第4には、この出願の発明は、浸
透性撥水剤を塗布した後、紫外線カット剤およびマイカ
を含有する水系クリアー塗料を塗布することを特徴とす
る前記の無機質板の製造方法をも提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】この出願の発明の無機質板の製造
方法の概略模式図を図1に示した。
【0014】この出願の発明の無機質板の製造方法で
は、図1に示すように、(a)セメント成分を固形分と
して含有する原料スラリー(100)を抄造し、(b)得
られる抄造シート(10)に、セメントを主成分とする表
層材(110)を散布し、(c)所望の大きさに合わせて
カッター(20)等で切断し、(d)表層(11)に骨材
(120)を散布し(e)これをプレス機(30)にてプレ
ス成形し、(f)得られた基材(12)に浸透性撥水剤
(130)を塗布して無機質板(1)が得られる。
【0015】この出願の発明の無機質板の製造方法は、
以上の(a)〜(f)の工程を有するものであればよい
が、もちろん、これら以外に、乾燥、室温養生、オート
クレーブ養生、シーラー塗装、上塗り塗装等の工程を有
していてもよい。具体的には、前記(f)工程の後、
(f’)紫外線カット剤およびマイカの一方または両方
を含有する水系クリアー塗料(140)を塗布してクリア
ー塗膜(14)を形成し、(g)この基材(12)を積載
(40)し、室温および/または高温高圧(オートクレー
ブ)下で養生することにより、無機質板(1)が得られ
る。
【0016】以上のとおりのこの出願の発明の無機質板
の製造方法において、各工程についてより詳細に説明す
る。
【0017】前記(a)工程では、原料スラリー(10
0)は固形分としてセメント成分を含有するものであれ
ばよく、その組成や粘度はとくに限定されない。抄造法
による無機質板の製造において一般的に用いられる組成
の原料スラリー(100)として、セメントとともに補強
繊維や無機充填材を含有するものが例示される。
【0018】前記(b)工程では、(a)工程において
得られる抄造シート(10)に、表層材(110)を散布す
るが、このとき使用される表層材(110)は、原料スラ
リー(100)と同様に、セメントを主成分とするもので
あればよく、その組成や粘度はとくに限定されない。例
えば、固形分の組成を原料スラリー(100)と同じもの
とし、含水率のみを低下させたものが表層材(110)と
して好ましく例示される。具体的には、原料スラリー
(100)の含水率が50〜70 wt%のとき、表層材(110)の
含水率を10〜15 wt%とする半乾式や水をほとんど含有し
ない乾式の表層材(110)が適用される。
【0019】このような表層材(110)を散布すること
により、抄造シート(10)表面に流動性の低い層が形成
されることから、後の(d)工程において散布される骨
材(120)が、プレス成形時に抄造シート(10)中に埋
没することなく、かつ抄造シート(10)から脱落するこ
ともなく、天然石風の質感を有する無機質板(1)が得
られるのである。また、表層材(110)を使用すること
により、無機質板(1)表面に強固な表層(11)が形成
され、無機質板(1)の強度が高まる。このとき、散布
される表層材(110)の量は、表層材(110)の粘度や組
成によって適宜選択でき、とくに限定されない。好まし
くは、形成される表層(11)の厚みが1〜5mmとなるよう
に表層材(110)の散布量を調整する。
【0020】この出願の発明の無機質板の製造方法にお
いて、前記の(d)工程で散布される骨材(120)は、
無機質板(1)表面に適度な凹凸を形成でき、天然石の
ような質感を醸し出すものであればよく、とくに限定さ
れない。例えば、多孔質材料の珪砂、パーライト、ある
いはシラスバルーン等は軽量で入手も容易であり好まし
い。このような骨材(120)の大きさや散布量はとくに
限定されないが、例えば、粒径0.5〜3 mm程度のものを
0.5〜2 kg/m2散布することにより、無機質板(1)表面
に適度な凹凸が形成され、天然石風の質感を有する無機
質板(1)が得られる。
【0021】そして、この出願の発明の無機質板の製造
方法では、前記(e)工程として、表層材(110)と骨
材(120)を散布した抄造シート(10)をプレス成形
し、さらに、(f)工程として、得られた基材に浸透性
撥水剤(130)を塗布することにより、天然石のような
質感と高い耐水性を有する無機質板(1)が得られる。
【0022】このとき使用される浸透性撥水剤(130)
とは、基材(12)のセメント成分や補強繊維、無機充填
剤等に深く浸透し、かつ、基材(12)内部を被覆して撥
水性を付与できるものであればよく、どのような組成を
有するものであってもよい。例えば、市販品としては、
シリカを主原料とし、基材(12)に深く浸透した後ゲル
化して耐水層を形成するRCガード(日本RCG株式会
社)、基材(12)内部に深く浸透し、浸透した基材(1
2)の内部領域を無水化するハイパーロック(BRS株
式会社)、あるいはアクリル系樹脂等の防水成分と石油
系溶剤からなり、基材(12)への深い浸透性を有し、化
学反応によりゲル化して防水塗膜を形成するケミストッ
プ(三井化学産資株式会社)等が知られている。もちろ
ん、浸透性撥水剤(130)はこれらに限定されず、様々
な公知あるいは新規のものが適用できる。
【0023】この出願の発明の無機質板の製造方法にお
いて使用される浸透性撥水剤(130)は、また、基材(1
2)のみならず、骨材(120)にも浸透することから、骨
材(120)にも耐水性を付与する。さらに、浸透性撥水
剤(130)は、基材(12)内部に浸透して耐水性を付与
することから、基材(12)表面の塗膜密着性を低下させ
るようなことがない。したがって、従来の撥水塗料を塗
布した場合と比較しても、長期にわたり無機質板(1)
の高い耐水性が持続される。
【0024】この出願の発明の無機質板の製造方法にお
いて、以上のとおりの浸透性撥水剤(130)の塗布量
は、20〜200 g/m2とする。浸透性撥水剤(130)の塗布
量が20 g/m2未満の場合には、基材(12)に十分な撥水
性が付与されず、200 g/m2より多ければ、基材(12)表
面が著しく撥水性となるため、後に水系クリアー塗料
(140)等の上塗り塗装を施した際に、塗膜密着性が低
下してしまう。
【0025】この出願の発明の無機質板の製造方法は、
前記(f)工程として、浸透性撥水剤(130)を20〜200
g/m2塗布することを特徴とするものであるが、さら
に、(f’)工程として、紫外線カット剤を含有する水
系クリアー塗料(140)を塗布する工程を有していても
よい。この場合、水系クリアー塗料(140)の種類や組
成はとくに限定されない。また、水系クリアー塗料(14
0)に含有される紫外線カット剤は、紫外線による下塗
り塗装や基材(12)内部の浸透性撥水被膜(13)の劣化
を防止するものであり、その種類や添加量もとくに限定
されない。例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタ
クリルオキシエチルフェニル−2H−ベンゾトリアゾー
ル等のベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノール
等のベンゾフェノン系化合物等の有機系紫外線吸収剤
や、酸化亜鉛、酸化チタンなどの無機系紫外線散乱剤を
紫外線カット剤として用いることができる。好ましく
は、水系クリアー塗料(140)全体に対して1〜10 wt%の
紫外線カット剤を含有させたものとすることができる。
紫外線カット剤の量が1 wt%未満では、無機質板(1)に
十分な耐候性が付与されず、長期使用により下塗り塗装
や浸透性撥水被膜(13)の劣化が生じ、無機質板(1)
に若干の変色等が生じる恐れがある。一方、紫外線カッ
ト剤の量が10 wt%よりも多い場合には、水系クリアー塗
料(140)への分散性が悪くなったり、クリアー塗膜(1
4)が不均一となり、塗膜強度が低下したりする恐れが
あり、好ましくない。
【0026】また、この出願の発明の無機質板の製造方
法では、水系クリアー塗料(140)中にマイカを含有さ
せ、塗布することにより、無機質板(1)にマイカ特有
の光沢を付与することができる。したがって、さらに天
然石に近い質感や光沢感を有する無機質板(1)を得る
ことが可能となる。このとき、使用されるマイカの種類
や平均粒径は、所望の無機質板(1)の意匠に応じて適
宜選択すればよく、とくに限定されない。例えば、白雲
母、金雲母、黒雲母等について、平均粒径が10μm〜10
mm程度のものが好ましく選択される。マイカの粒径が10
μm未満の細かいものの場合には、マイカ添加の効果が
現れ難くなり、10 mmより大きな粒径のものとすれば、
クリアー塗膜(14)が不均一なものとなったり、クリア
ー塗膜(14)の硬度が低下したりするため、好ましくな
い。
【0027】また、この出願の発明の無機質板の製造方
法では、水系クリアー塗料(140)中に上記紫外線カッ
ト剤およびマイカの両者を含有させて塗布してもよいこ
とはもちろんである。
【0028】以上のとおりのこの出願の発明の無機質板
の製造方法により、耐水性が高く、長期にわたり美麗さ
を維持できる天然石風の質感や光沢を有する無機質板が
得られる。
【0029】以下、添付した図面に沿って実施例を示
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。もちろん、この発明は以下の例に限定されるもので
はなく、細部については様々な態様が可能であることは
言うまでもない。
【0030】
【実施例】<実施例1>表1に示した配合で原料スラリ
ーを調製し、抄造機により抄造を行い(a)、抄造シー
ト(10)を得た。抄造シート(10)に、表1に示した配
合の表層材(110)を散布し(b)、切断(c)した
後、骨材(120)として粒径0.5〜3 mmの珪砂を0.5〜2 k
g/m2散布し(d)、プレス機(30)にて圧縮成形(e)
した。得られた基材(12)に、シーラー(水系アクリル
シーラー、100g/m2)塗装を施し、浸透性撥水剤(130)
(シラン系撥水剤)20 g/m2を塗布した(f)。
【0031】次に、水系クリアー塗料(140)として、
水系アクリルシリコンクリアー塗料を100 g/m2塗布し
(中塗り塗装)、さらに、同じ条件で上塗り塗装を施し
(f’)、養生して無機質板(1)を得た(g)。
【0032】
【表1】
【0033】<実施例2>実施例1と同様の方法で得ら
れた基材(12)に、シーラー(水系アクリルシーラー、
100g/m2)塗装を施し、実施例1と同様に浸透性撥水剤
(130)(シラン系撥水剤)20 g/m2を塗布した。さら
に、水系クリアー塗料(140)として、酸化チタン10 wt
%を含有する水系アクリルシリコンクリアー塗料を20 g/
m2塗布し、同じ条件で上塗り塗装を施し、無機質板
(1)を得た。 <実施例3>実施例1と同様の方法で得られた基材(1
2)に、シーラー(水系アクリルシーラー、100g/m2)塗
装を施し、実施例1と同様に浸透性撥水剤(130)(シ
ラン系撥水剤)100 g/m2を塗布した。さらに、水系クリ
アー塗料(140)として、マイカ25 wt%を含有する水系
アクリルシリコンクリアー塗料を100 g/m2塗布し、同じ
条件で上塗り塗装を施し、無機質板(1)を得た。 <実施例4>実施例1と同様の方法で得られた基材(1
2)に、シーラー(水系アクリルシーラー、100g/m2)塗
装を施し、実施例1と同様に浸透性撥水剤(130)(シ
ラン系撥水剤)200 g/m2を塗布した。さらに、水系クリ
アー塗料(140)として、ベンゾフェノール10 wt%とマ
イカ10 wt%を含有する水系アクリルシリコンクリアー塗
料を200 g/m2塗布し、同じ条件で上塗り塗装を施し、無
機質板(1)を得た。 <比較例1>実施例1と同様の方法で得られた基材(1
2)に、シーラー(水系アクリルシーラー、100g/m2)塗
装を施した後、浸透性撥水剤(130)を塗布せずに、水
系クリアー塗料(140)として、水系アクリルシリコン
クリアー塗料を20 g/m2塗布し、同じ条件で上塗り塗装
を施し、無機質板(1)を得た。 <比較例2>実施例1と同様の方法で得られた基材(1
2)に、シーラー(水系アクリルシーラー、100g/m2)塗
装を施し、実施例1と同様に浸透性撥水剤(シラン系撥
水剤)15 g/m2を塗布した。さらに、水系クリアー塗料
(140)として、酸化チタン10wt%を含有する水系アクリ
ルシリコンクリアー塗料を100 g/m2塗布し、同じ条件で
上塗り塗装を施し、無機質板(1)を得た。 <比較例3>実施例1と同様の方法で得られた基材(1
2)に、シーラー(水系アクリルシーラー、100g/m2)塗
装を施し、実施例1と同様に浸透性撥水剤(シラン系撥
水剤)250 g/m2を塗布した。さらに、水系クリアー塗料
(140)として、水系アクリルシリコンクリアー塗料を1
00 g/m2塗布し、同じ条件で上塗り塗装を施し、無機質
板(1)を得た。
【0034】以上の実施例1〜4および比較例1〜3に
おいて得られた無機質板について、次の評価を行った。
【0035】(1)耐透水性試験:得られた無機質板を
各々200 mm角に切断し、表面に200×200 mmの枠を固定
し、枠内に水を張り、24時間透水試験を行った。
【0036】透水量は、次式より求めた。
【0037】[24時間後の基材重量(g)−初期基材重
量(g)]/切削部面積(m2)また、評価結果は、300 g
/m2未満(○)、300〜10,000 g/m2(×)とした。
【0038】(2)密着性試験:粘着テープによる剥離
試験を行った。なお、評価結果は、密着性良好(○)、
密着せず(×)とした。
【0039】(3)耐候性試験:無機質板試験片をスー
パーUV試験機に設置し、400サイクル後の無機質板の
変色の有無を評価した。なお、評価結果は、着色なし
(○)、若干着色あり(△)、着色(×)とした。
【0040】結果を表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】表2より、基材に20〜200 g/m2の浸透性撥
水剤を塗布した後に水系クリアー塗料を塗布した無機質
板において、高い耐水性と塗膜密着性が得られることが
確認された(実施例1〜4)。
【0043】また、水系クリアー塗料において、塗料中
に無機系の紫外線散乱剤、または有機系の紫外線吸収剤
を添加した場合には、長期使用時にも高い耐候性が得ら
れることが確認された(実施例2、4)。
【0044】一方、基材に浸透性撥水剤を塗布せずに得
た無機質板や基材に20 g/m2未満の浸透性撥水剤を塗布
して得た無機質板では、塗膜密着性は高いものの、耐水
性が低くなることが示された(比較例1、2)。
【0045】また、紫外線カット剤を含まない水系クリ
アー塗料を塗布した場合には、耐候性試験後に着色が見
られ、長期使用時における耐候性がやや低下することが
確認された(実施例1、3および比較例1、3)。
【0046】さらに、基材に200 g/m2より多くの浸透性
撥水剤を塗布した場合には、無機質板の耐水性は高くな
るものの、塗膜密着性が悪化することが確認された(比
較例4)。
【0047】そして、マイカを含む水系クリアー塗料を
塗布した場合には、とくに雲母特有の光沢感を有する意
匠性の高い無機質板が得られた(実施例3、4)。
【0048】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明の無機質板の製造方法により、高い耐水性と塗膜密
着性を有し、長期にわたり美麗さを維持できる天然石風
の質感や光沢を有する無機質板が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この出願の発明の無機質板の製造方法の概要
を説明する概略模式図である。
【符号の説明】
1 無機質板 10 抄造シート 11 表層 12 基材 13 浸透性撥水被膜 14 クリアー塗膜 100 原料スラリー 110 表層材 120 骨材 130 浸透性撥水剤 140 水系クリアー塗料 20 カッター 30 プレス機 40 積載

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともセメント成分を固形分として
    含有する原料スラリーを抄造して得られる抄造シート
    に、少なくともセメント成分を主成分とする表層材を散
    布した後、骨材を散布し、プレス成形する無機質板の製
    造方法において、プレス成形して得られる基材に、浸透
    性撥水剤を塗布量20〜200 g/m2で塗布することを特徴と
    する無機質板の製造方法。
  2. 【請求項2】 浸透性撥水剤を塗布した後、紫外線カッ
    ト剤を含有する水系クリアー塗料を塗布することを特徴
    とする請求項1の無機質板の製造方法。
  3. 【請求項3】 浸透性撥水剤を塗布した後、マイカを含
    有する水系クリアー塗料を塗布することを特徴とする請
    求項1の無機質板の製造方法。
  4. 【請求項4】 浸透性撥水剤を塗布した後、紫外線カッ
    ト剤およびマイカを含有する水系クリアー塗料を塗布す
    ることを特徴とする請求項1の無機質板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009013680A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Yoshio Ito 屋根土

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