JP2003305648A - 金属板の表面処理設備、及び金属板の製造方法 - Google Patents

金属板の表面処理設備、及び金属板の製造方法

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雅康 植野
Yukio Kimura
幸雄 木村
Yasuhiro Sotani
保博 曽谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体粒子投射機を複数配列した場合でも、効
率的に所望の表面粗さを付与することができる金属板の
表面処理設備を提供する。 【解決手段】 鋼板の上下面に各3台設けられた遠心ロ
ーター式投射装置14は、鋼板(金属板)6の幅方向、
進行方向に対して位置をずらして設けられており、各遠
心ローター式投射装置14が、鋼板6の最大幅の1/3ず
つをカバーするようにされている。進行方向に対して位
置をずらしているのは、各々の干渉を避けるためであ
る。すなわち、各々の遠心式投射装置14のベーン幅内
における、ローター回転軸5を法線とする平面と鋼板6
表面の交線によって形成される面領域が、互いに重なら
ないように、各々の遠心式投射装置14が、進行方向に
対して位置をずらして配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心式投射装置に
よって固体粒子を投射して金属板の表面粗さを調整する
金属板の表面処理設備、及びその金属板の表面処理設備
を使用した金属板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛めっき鋼板や冷延鋼板等のプレス成
形が行われる薄鋼板に対しては、鋼板の表面粗さを適切
に調整することが必要とされている。これは、一定の表
面粗さを付与することによって、プレス成形時の金型と
の間の保油性を高め、型かじりや鋼板の破断等のトラブ
ルを防止するためである。例えば、鋼板と金型との摺動
抵抗が増大すると、パンチ面における鋼板の破断、ある
いはビード面近傍での鋼板の破断が生じ易くなる。
【0003】これら鋼板をはじめとする金属板の表面粗
さを調整するためには、従来、調質圧延工程において圧
延ロールの表面に一定の微視的凹凸を付与して、その凹
凸を金属板に転写させるという手段が用いられている。
しかし、調質圧延工程においてロールの表面粗さを転写
させる方法では、緻密な凹凸を付与することができず、
またロール摩耗等による経時的なロール粗さの変化によ
って金属板の表面粗さが変化してしまうなどの問題が生
じていた。
【0004】本発明者らは、従来の調質圧延による手段
とは異なる手段として、微細な固体粒子を直接金属板表
面に投射して、金属板の表面粗さを調整する方法を見出
した。この方法は、球状の固体粒子を金属板表面に衝突
させることによって、いわゆるディンプル状の微視的な
凹み部を多数形成するものである。
【0005】このようなディンプル状の微視的な凹み部
が多数形成された表面形態は、特にプレス成形における
金型との間の保油性を向上させる効果に優れており、プ
レス成形性を大幅に向上させることが可能となってい
る。また、投射する固体粒子の粒子径が小さいほど、金
属板表面には短ピッチの緻密な凹凸が付与されること
で、塗装後の鮮映性も向上し、自動車外板用途等にも適
する金属板を得ることが可能となる。
【0006】上述の微細な固体粒子を金属板表面に投射
することで表面粗さを付与する方法を、熱延鋼板、冷延
鋼板、表面処理鋼板などの鉄鋼製造プロセスに適用する
場合、高い生産性を確保するためには高速で連続的に搬
送される板幅1000〜2000mm程度の鋼板を短時間で処理し
なければならず、大量の固体粒子を短時間で大面積に投
射する必要がある。
【0007】このような固体粒子の投射手段としては、
遠心式投射装置が代表的である。図6に遠心式投射装置
の構造の概要を示す。図6において、(a)は平面図、
(b)側面図である。遠心式投射装置では、モーター1
と接続された回転するローター2の中心に固体粒子3を
供給し、ローターに取り付けられたベーン4上を遠心力
によって固体粒子3を加速する。加速された固体粒子3
はある初速度を持って被加工物(金属板)6に向かって
投射される。
【0008】1台の遠心式投射装置で数百kg/minの固体
粒子3を投射することが可能であり、また投射された固
体粒子3はローター回転軸5を法線とする平面内におい
て扇状に広がるため、広範囲にわたって固体粒子3を投
射することができる。通常、この平面は、被加工物(金
属板)の板幅方向に平行(即ち被加工物(金属板)の長
さ方向である進行方向に垂直)になるようにされる。し
たがって複数台の遠心式投射装置を配置することによ
り、広幅の被加工物(金属板)6を高速処理することが
可能となる。
【0009】なお、図6において正面図は被加工物(金
属板)6の進行方向から見た図であり、被加工物(金属
板)6の幅方向が図の左右方向にあらわれている。側面
図は被加工物(金属板)6の側面から見た図であり、被
加工物(金属板)6の進行方向(長さ方向)が図の左右
方向にあらわれている。これら正面図と側面図を比較す
ると分かるように、被加工物(金属板)6の幅方向にお
いては表面粗さ付与領域が広く、長さ方向においては表
面粗さ付与領域が狭くなっている。
【0010】遠心式投射装置を用いて、金属板の表面に
固体粒子を投射する設備および方法は、特開平9−14
59号公報に開示されている。この方法においては、熱
延鋼板のデスケーリングを目的とし、遠心式投射装置の
ローター回転軸と搬送される金属板表面を含む平面とが
平行となるように遠心式投射装置を設置している。また
遠心式投射装置は金属板進行方向および板幅方向に複数
台配置されており、処理される金属板の板幅が変更され
た場合に、コントロールゲージの回動位置を制御するこ
とによって、固体粒子の投射方向を板幅方向において変
更し、効率的にデスケーリングを行うことができるよう
にされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術を本発明の目的である、高速で搬送される広幅の
金属板の表面粗さ調整に適用する場合には、複数台の遠
心式投射装置によって投射された固体粒子同士の干渉に
より表面粗さ付与能力が低下するという問題点が発生す
る。遠心式投射装置では、固体粒子は扇状に広がりなが
ら金属板表面に投射されるため、金属板表面からロータ
ー回転中心までの距離(以下、「投射距離」と称するこ
とがある)を大きくすれば1台の投射装置で処理できる
面積は大きくなる。しかし投射距離をあまりに大きくす
ると、空気抵抗によって粒子速度が減衰してしまい、金
属板表面に衝突する際の運動エネルギーが小さくなる。
速度の減衰は粒子径が小さいほど大きくなる。このた
め、微細な固体粒子を用いて広幅の金属板の表面処理を
行うためには複数台の遠心式投射装置を用いるのが一般
的である。
【0012】このように複数台の遠心式投射装置を用い
て金属板表面に固体粒子を投射する場合、各投射装置で
投射される粒子同士の干渉を考慮しなければならない。
例えば、特開平9−1459号公報に記載される技術で
は、金属板の全幅を処理するために板幅方向に並列に配
置した2台の遠心式投射装置を、金属板進行方向に3組
配置しているが、この場合、隣り合う投射装置間におい
て投射された固体粒子同士が衝突する領域が生じる。固
体粒子は衝突によって、運動エネルギーが低下するとと
もに、運動方向が変化する。
【0013】特開平9−1459号公報に記載される技
術のようにデスケーリングを目的とした場合には、金属
板表面への衝突力を(固体粒子の運動エネルギー)を大
きくすべく、固体粒子の大きさとして500μm〜2mm程度
と比較的大きな固体粒子を使用して研掃作用を高めるの
が通常であり、また効果として酸化層の剥離が十分でき
ていればよいため、このような粒子同士の衝突による運
動エネルギーの変化はさほど大きな問題にはならない。
【0014】それに対して、本発明では粒子径が300μm
以下の微細な固体粒子の投射によって金属板の表面粗さ
を調整することを目的としており、各投射装置で投射さ
れた粒子同士の干渉によって、運動エネルギーが低下し
た場合には、その部分の表面粗さが低下する。そのた
め、投射粒子が干渉する領域では、所望の表面粗さを得
ることができない。
【0015】さらに運動エネルギーが減少するとともに
運動方向が変化した固体粒子の一部は投射機入側の金属
板表面上に堆積する場合もある。この場合、金属板表面
上に堆積した固体粒子は金属板表面を保護する形とな
り、固体粒子が堆積した部分では局所的に圧痕が形成さ
れない領域が生じる。このような領域は所望の表面粗さ
が得られていないことはもちろん、その部分がムラとな
って観察されるため、品質上も大きな問題となる。
【0016】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、固体粒子投射機を複数配列した場合でも、
効率的に所望の表面粗さを付与することができる金属板
の表面処理設備、及びその金属板の表面処理設備を使用
した金属板の製造方法を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、連続的に搬送される金属板の表面に、
平均粒子径が10〜300μmの固体粒子を複数台の遠心式投
射装置によって投射して、表面粗さを調整する設備であ
って、各々の遠心式投射装置の投射幅内における、ロー
ター回転軸を法線とする平面と金属板表面の交線によっ
て形成される面領域が、互いに重ならないように、遠心
式投射装置が配置されていることを特徴とする金属板の
表面粗さ調整設備(請求項1)である。
【0018】遠心式投射装置によって投射された固体粒
子は、図6に示されるようにベーン4の幅内のローター
回転軸5を法線とする平面内を扇上に広がりながら運動
する。そのため、投射された固体粒子によって表面粗さ
が付与される領域は、ベーン4の幅内のローター回転軸
5を法線とする平面と金属板6の表面との交線によって
形成される面領域となる。各遠心式投射装置におけるこ
の面領域同士が重なるということは、各投射装置によっ
て投射された固体粒子同士が金属板表面に達する前に衝
突する可能性があることを示している。衝突が生じた領
域では、固体粒子の運動エネルギーの低下や運動方向が
変化するため、所望の表面粗さを得ることができなくな
る可能性がある。
【0019】また金属板表面に衝突した後の反射粒子
3’は、金属板6表面に対して垂直な方向な速度成分
(運動エネルギー)は圧痕を形成するための塑性仕事に
費やされ小さくなるが、ローター回転軸5を法線とする
平面内の速度成分はそれほど小さくならず、衝突後もロ
ーター回転軸5を法線とする平面内を運動する。このよ
うな反射粒子3’同士が衝突した場合、運動方向が変化
するとともに、運動エネルギーの低下によって金属板上
に固体粒子が堆積する。堆積した粒子は金属板6表面を
保護する層となるため、粒子が堆積した位置では局所的
に圧痕が形成されない。
【0020】つまり、均一な表面粗さを金属板の全幅に
わたって安定的に調整するためには、複数台の遠心式投
射装置によって投射された固体粒子3、および反射した
粒子3’が干渉しないように、遠心式投射装置の配置を
規定する必要がある。前述した通り、遠心式投射装置に
よって投射された粒子3、および金属板表面で反射され
た粒子3’は投射幅内におけるローター回転軸を法線と
する平面内を運動する。 従って、各遠心式投射装置の
ローター回転軸を法線とする平面と金属板表面とがなす
交線によって形成される面領域が、互いに重ならないよ
うに遠心式投射装置を配置してやれば、板幅内で粒子が
干渉することなく、金属板の全幅にわたって均一な表面
粗さを調整することが可能となる。
【0021】前記課題を解決するための第2の手段は、
金属板の製造工程中に、前記第1の手段である金属板の
表面処理設備を使用して、金属板の表面処理を行うこと
を特徴とする金属板の製造方法(請求項2)である。
【0022】本手段によれば、板幅内で粒子が干渉する
ことなく、金属板の全幅にわたって均一な表面粗さを有
する金属板を製造することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。図1に本発明の実施の形態で
ある金属板の表面処理設備を鋼板の表面処理ラインに設
置した例を示す。金属板は鋼板であるので、符号6は鋼
板とする。鋼板6はペイオフリール7から払いだされ、
鋼板6に加わる張力を検出する張力計8と鋼板速度を検
出する板速度計9の検出結果に基づき、一定の張力、速
度に制御されながらテンションリール10に巻き取られ
る。ペイオフリール7とテンションリール10間には投
射室11が設置されており、固体粒子は投射室内11に
て、鋼板6の表面に投射される。
【0024】固体粒子はストレージタンクに12に蓄え
られており、定量供給装置13を通して一定量に制御さ
れた固体粒子が投射装置に送られる。定量供給装置13
はゲート開閉方式であり、粒子搬送管の断面積を変化さ
せることで粒子流量を制御する。鋼板6の搬送速度が変
化した場合においても粒子流量を変化させることで単位
面積あたりに投射される粒子量を一定に制御することが
可能である。
【0025】ここでは投射装置として、遠心ローター式
投射装置14が鋼板の上下面に対して、各3台ずつ配置
されている。遠心ローター式投射装置14は、図6に示
されたような構造を有するものである。ローターと連結
したモーターの回転数を変化させることによって、投射
粒子の速度を制御することが可能である。
【0026】投射室11の上部には吸引口15が設置さ
れており、投射室内で飛散した固体粒子を吸引する。ま
た投射室11の下部は粒子の安息角以上の傾斜が付与さ
れており、投射された固体粒子は投射室11の下部に集
められ、スクリューコンベア16によって回収される。
スクリューコンベア16で回収された粒子および吸引口
15から吸引された固体粒子は、分級装置17に送ら
れ、ここで微粉や混入した異物が除去され集塵機18で
処理される。
【0027】また分級によって得られた所定の粒径の固
体粒子はストレージタンク17へと戻され循環使用され
る構造となっており、連続的に鋼板の表面粗さを調整す
ることが可能である。
【0028】図2は、複数台の遠心式投射装置の配置の
例を詳しく示した図であり、(a)は平面図、(b)側
面図である。平面図に示すように、鋼板の上下面に各3
台設けられた遠心ローター式投射装置14は、鋼板6の
幅方向、進行方向に対して位置をずらして設けられてお
り、各遠心ローター式投射装置14が、鋼板6の最大幅
の1/3ずつをカバーするようにされている。
【0029】進行方向に対して位置をずらしているの
は、各々の干渉を避けるためである。すなわち、各々の
遠心式投射装置14の投射幅内における、ローター回転
軸5を法線とする平面と鋼板6表面の交線によって形成
される面領域が、互いに重ならないように、各々の遠心
式投射装置14が、進行方向に対して位置をずらして配
置されている。
【0030】以上に示したような本発明の鋼板の表面処
理設備は、鋼板の製造ライン中に配置され、表面特性に
優れた鋼板の製造に応用される。例えば、溶融めっき鋼
板製造ラインの後段や連続焼鈍ラインの後段にある調質
圧延機の上流側、下流側の少なくとも一方に配置され、
表面特性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板や冷延鋼板を製造
するのに使用される。
【0031】このように、本願発明の表面処理設備を調
質圧延機と組み合わせて用いることが好ましいが、溶融
めっき鋼板製造ラインや連続焼鈍ライン中には調質圧延
機のみを配置し、本願発明の金属板の表面処理設備は別
ラインに設けてバッチ処理により表面処理を行ってもよ
い。
【0032】なお、ここに示す溶融めっき鋼板とは、溶
融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、溶融Al
-Zn合金めっき鋼板、溶融Zn-Al合金めっき鋼板等であ
る。また、表面特性とは、プレス成形生、塗装後鮮映性
等、金属板の品質に及ぼす表面の特性をいう。
【0033】
【実施例】<実施例1>図6に示すような遠心式投射装
置14を、図2に示すような配置として、鋼板6の表面
に表面粗さの付与を行った。同時に、比較例として同じ
投射装置14を図3に示すような配置(従来技術に相
当)として、同一の条件で鋼板6の表面に表面粗さの付
与を行った。なお、図3において、(a)は平面図、
(b)側面図である。対象とした鋼板は、板厚0.8mm、
板幅1200mmの溶融亜鉛めっき鋼板である。遠心式投射装
置のローター直径は330mmであり、ローター回転数を390
0rpmに設定した。投射する固体粒子としてSUS304製の平
均粒子径85μmの球形粒子を用いた。鋼板はライン速度
10mpmで搬送し、このとき鋼板の単位面積あたりに投射
する固体粒子重量が10kg/mとなるように投射量を設定
した。
【0034】このとき鋼板の板幅方向の平均粗さRa(JI
SB0601)を100mmピッチで測定した結果を図4に示す。
図3で示されるように、隣り合う遠心式投射装置14の
ローター回転軸を法線とする平面と鋼板表面の交線が交
差する面領域が重なるように投射装置14を配置した場
合(従来技術)、板幅方向において急激に平均粗さRaが
低下する領域が発生していることがわかる。一方、図2
で示されるように隣り合う遠心式投射装置14の投射幅
内における、ローター回転軸5を法線とする平面と鋼板
表面の交線によって形成される面領域が、互いに重なら
ないように、遠心式投射装置14を配置した場合(本発
明)、全幅にわたって均一な表面粗さが得られているこ
とがわかる。
【0035】なお、図3に示すような遠心式投射装置1
4の配置でも、各遠心式投射装置14がカバーする幅方
向の領域を狭くすれば、隣り合う遠心式投射装置14の
投射幅内における、ローター回転軸5を法線とする平面
と鋼板表面の交線によって形成される面領域が、互いに
重ならないようにすることができるが、このようにする
と、鋼板6上に固体粒子が投射されない領域が発生する
ので、実用上このような配置を採用することはできな
い。
【0036】<実施例2>図1に示される設備におい
て、投射装置の配置を図5で示されるケース1〜4の4
通りの配置に変更して、板厚0.8mm、板幅1200mmの溶融
亜鉛めっき鋼板の表面粗さを調整した結果を示す。遠心
式投射装置のローター直径は330mmであり、ローター回
転数を900rpmに設定した。投射する固体粒子としてSUS3
04製の平均粒子径85μmの球形粒子を用いた。鋼板はラ
イン速度10mpmで搬送し、このとき鋼板の単位面積あた
りに投射する固体粒子重量が10kg/mとなるように投射
量を設定した。
【0037】ケース1とケース2は本発明で規定される
投射機配置となっておらず、各々の遠心式投射装置14
の投射幅内における、ローター回転軸を法線とする平面
と鋼板表面の交線によって形成される面領域が、互いに
重ならないようにされていない比較例である。
【0038】一方、ケース3とケース4では本発明で規
定する通り、各々の遠心式投射装置14の投射幅内にお
ける、ローター回転軸を法線とする平面と鋼板表面の交
線によって形成される面領域が、互いに重ならないよう
にされている。
【0039】このとき、各配置において鋼板表面の目視
観察を行った結果を表1に示す。ケース1とケース2で
は鋼板表面上にムラが発生しているのに対し、ケース3
とケースではムラは観察されず、本発明を適用すること
により、均一な表面粗さを付与することができることが
わかる。 (表1)
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固体粒子投射機を複数配列した場合でも、効率的に所望
の表面粗さを付与することができる金属板の表面処理設
備、及びその金属板の表面処理設備を使用した金属板の
製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である鋼板の表面処理設備
を鋼板の表面処理ラインに設置した例を示す図である。
【図2】複数台の遠心式投射装置の配置の例を詳しく示
した図である。
【図3】比較例である複数台の遠心式投射装置の配置の
例を示した図である。
【図4】本発明の実施例と比較例における鋼板の板幅方
向の平均粗さRaの分布を示す図である。
【図5】本発明の実施例と比較例における複数台の遠心
式投射装置の配置の例を示す図である。
【図6】遠心式投射装置の構造の概要を示す図である。
【符号の簡単な説明】
1:モーター、2:ローター、3:固体粒子、3’:反
射粒子、4:ベーン、5:ローター回転軸、6:被加工
物(金属板、鋼板)、7:ペイオフリール、8:張力
計、9:板速度計、10:テンションリール、11:投
射室、12:ストレージタンク、13:定量供給装置、
14:遠心式投射装置、15:吸引口、16:スクリュ
ーコンベア、17:分級装置、18:集塵機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽谷 保博 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に搬送される金属板の表面に、平
    均粒子径が10〜300μmの固体粒子を複数台の遠心式投射
    装置によって投射して、表面粗さを調整する設備であっ
    て、各々の遠心式投射装置の投射幅内における、ロータ
    ー回転軸を法線とする平面と金属板表面の交線によって
    形成される面領域が、互いに重ならないように、遠心式
    投射装置が配置されていることを特徴とする金属板の表
    面粗さ調整設備。
  2. 【請求項2】 金属板の製造工程中に、請求項1に記載
    の金属板の表面処理設備を使用して、金属板の表面処理
    を行うことを特徴とする金属板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012042991A1 (ja) * 2010-09-30 2012-04-05 新東工業株式会社 ショット処理装置

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