JP3823737B2 - 鋼板の処理設備及び鋼板の製造方法 - Google Patents

鋼板の処理設備及び鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の処理設備、特に連続ラインにおいて、微細粒子を鋼板に噴射して表面粗度、表面硬度等を調整する場合に、鋼板の清浄度を向上させる処理設備、鋼板の表面性状を均一に調整する設備に関するものであり、さらに、このような設備を用いた鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷延鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板等のプレス成形性や塗装後の鮮映性を向上させるためには、鋼板の表面粗さを適切に制御することが重要である。例えば、鋼板の平均粗さRaやピークカウントPPIは、プレス成形における金型との間の保油性を向上させ、型かじりを防止するために重要な因子である。また、塗装後の鮮映性を向上させるためには、長周期の凸凹の高さを表すうねりWcaを低くすることが必要とされている。
【0003】
一般に、冷延鋼板や亜鉛めっき鋼板への表面粗さ等の付与は、調質圧延によって行われており、圧延ロールの表面の粗度を転写させることで、鋼板の粗さを調整する方法がとられている。例えば、冷延鋼板の製造では、熱間圧延工程、酸洗工程、冷間圧延工程、焼鈍工程を経た後に調質圧延が行われ、表面粗さ等の調整が行われる。
【0004】
なお、焼鈍及び調質圧延は連続焼鈍ラインで連続的に行われるのが通常であるが、焼鈍後、バッチ式の調質圧延機で処理される場合もある。また、溶融めっき鋼板の製造では、熱間圧延工程、酸洗工程、冷間圧延工程、焼鈍工程、めっき工程を経た後に調質圧延が行われ、表面粗さ等が調整される。ここで焼鈍工程、めっき工程、調質圧延工程は、溶融めっきラインで連続的に行われるのが通常であるが、めっき後の鋼板をバッチ式の調質圧延機で処理する場合もある。
【0005】
しかしながら、調質圧延は、鋼板に0.5〜2.0%程度の塑性ひずみを付与することによって、焼鈍時に生じる鋼板の降伏点伸びを除去するなど、機械的性質を調整することが本来の機能である。また、圧延ロールに曲げ変形を与えて、鋼板の形状をフラットに矯正することも必要とされており、単一の工程で複数の機能が要求される。
【0006】
したがって、鋼板に適切な表面粗さ等を付与する場合にも、一定の制約が存在し、自在に表面粗さ等を制御することが困難である。例えば、調質圧延において、鋼板の平均粗さを大きくしたい場合には、圧下力を増加させることによりロール粗度の転写を大きくすることが可能であるが、圧下力を増加させることは、鋼板の伸長率を増加させることにつながるため、製品の降伏応力の増加、伸びの低下をもたらして目標とする機械的特性が得られなくなる場合がある。
【0007】
また、調質圧延におけるロールバイトの圧力は、鋼板の降伏応力の数倍程度となるため、そのような高面圧下で圧延ロールと鋼板とが摺動する場合には、圧延ロールの摩耗が生じ、鋼板の表面粗度が経時的に変化する。したがって、初期の圧延ロールによって製造された鋼板と、摩耗が進行した段階で製造した鋼板とで、表面粗さが大きく異なるのが通常であり、一定の表面粗さの鋼板を連続的に得ることができない。
【0008】
このような問題点に対して、調質圧延によることなく、固体粒子を鋼板に直接投射して、表面粗さを付与する方法が、特開平3−294418号公報に開示されている。これは、プレス成形性と塗装後鮮映性に優れた冷延鋼板の製造方法に関するものであり、平均粒子径が30〜100μmの固体粒子を鋼板に投射して、表面粗さを調整する方法である。これによって、調質圧延によることなく鋼板の表面粗さを調整することができるため、経時的な表面粗さの変化が生じないという利点がある。
【0009】
一方、亜鉛めっき鋼板に対して、固体粒子を鋼板表面に投射する方法が、特開昭59−6363号公報に開示されている。これは、溶融めっきした鋼板に固体粒子を投射して、しかる後に圧力水若しくは圧縮空気を噴射して、めっき皮膜表面を洗浄する方法である。
【0010】
ところで、連続的に搬送される鋼板に固体粒子を投射する設備は、熱延鋼板の脱スケールを目的とする酸洗設備で実用化されている。特に、化学的処理による脱スケールが困難なステンレス鋼板の製造設備に用いられるのが通常である。このようなショットブラスト設備において、鋼板に投射される固体粒子としては、粒子径が300μm〜数mm程度で、粒子の形状も球形ではなく、角張った形状のグリットが使用されている。
【0011】
このような製造設備は、例えば特開平9−193018号公報に開示されている。ただし、これは脱スケールを主目的とするものであるから、鋼板に衝突する固体粒子の運動エネルギーが高いほど効果的であり、粒子径が大きいほど有利となる。また、酸化層を除去するために、研掃効果を高めることが可能なグリット粒子が使用される。この点で、前述の冷延鋼板や亜鉛めっき鋼板の表面粗さを調整するための従来技術である特開平3−294418号公報や特開昭59−6363号公報に記載される技術とは投射すべき粒子の大きさや形状が大きく異なる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平3−294418号公報や特開昭59−6363号公報には、微粒子を鋼板に投射するための設備については、具体的な内容が開示されていない。また、実施例では実験室レベルの切板に固体粒子を投射する条件が記載されているものの、通常の鉄鋼製品として必要とされる広幅のコイルを連続的に製造するための設備は記載されていない。
【0013】
特開平9−193018号公報に記載されている技術は、鋼板の脱スケールを目的とするものであるから、大きな衝突エネルギーを得るために、粒子として大きいものが適しており、さらに酸化層を除去するための研掃作用を発揮させるために角張った形状のものが適している。研掃作用を有するグリットを使用すると、めっき鋼板のめっき皮膜に損傷を与え、皮膜を剥離させることとなって、本来のめっきによる防食作用が得られなくなるなどの問題点が生じる。
【0014】
なお、このような酸洗工程に配置されたショットブラスト設備では、通常鋼板に投射された固体粒子は自重によってブラスト室下部に落下し、回収された後、循環して再使用される。したがって、投射した固体粒子の回収をはじめとして、循環・分級設備などもそうした大きさの粒子を対象とするものであり、微粒子を投射して適切な表面粗さ等を付与するというような目的に対しては、直接適用できるものではない。
【0015】
従来のショットブラスト装置では、鋼板に固体粒子を投射した後に、鋼板上に残留する粒子を除去するために、ブラスト室内の下流側位置において圧縮空気を鋼板に噴射して、固体粒子を除去するのが通常である。従来の酸洗ラインにおけるショットブラスト装置のように粒子径が大きい場合には、エアパージによって容易に固体粒子を落下させることができ、広い範囲にわたって固体粒子が飛散することはない。
【0016】
ところが、本発明に係る設備が対象とする平均粒子径が300μmを下回る固体粒子の場合には、鋼板上に残留する固体粒子を除去するために圧縮空気を噴射した場合に、鋼板上に乗っている粒子は容易に飛散するものの、ブラスト室内の下部になかなか落下することがなく、空気の流れに乗って長時間浮遊する。このような微粒子は空中を浮遊した後に再び鋼板上に落下し、堆積するために、効果的に鋼板上の微粒子を除去することが困難である。
【0017】
一方、鋼板へ微粒子を投射した後に、ブラスト室内ではエアパージを行わず、鋼板がブラスト室を出た後に、エアパージを行う方法を用いる場合には、鋼板上に残留している微粒子は、より空間に飛散するため、再び鋼板上に堆積することはなくなるが、周囲に飛散した微粒子が、製造ラインの各部に付着する。特に、搬送ロールに付着した微粒子は、鋼板へスリ疵を生じさせる原因となるほか、機械部品の潤滑油等へ容易に混入して、機械部品の故障の原因となる。さらに、微粒子が系外に持ち出されることによって、本来循環使用されるべき微粒子の歩留が低下して、製造コストを上昇させる。
【0018】
さらに、表面粗さ付与装置の下流側に鋼板の表面粗さの計測器や表面欠陥計を配置する場合には、飛散した微粒子あるいは鋼板上に残留している微粒子の影響によって、これらの計測器が誤動作するという問題も生じる。
また、亜鉛めっき鋼板に微粒子を用いてブラスト処理を行い、その後に圧力水または圧縮空気を噴射する方法は、特開昭59−6363号公報に開示されているものの、単に圧力水や圧縮空気によって容易に微粒子を除去できるとされているのみで、上記のような問題を考慮したものではない。
【0019】
微粒子を鋼板表面に投射して表面粗さを付与する設備として、従来の酸洗ラインにおけるショットブラスト設備を適用した場合には、以下のような問題点がある。第一に、固体粒子の平均粒子径が300μmを下回る場合には、粒子1個あたりの比表面積が拡大して、表面の活性度が上昇する。特に、粒子径が100μm以下の場合には、固体「粒子」というよりも、「粉末」という表現に感覚的に合致する。
【0020】
したがって、固体粒子が湿気を含む場合に粒子同士は容易に凝集し、固まりとなってしまう。このような凝集した微粒子を鋼板に投射する場合には、局所的に大きな凹部が生じ、均一な表面粗さを得ることが不可能である。また、鋼板に投射した微粒子は循環使用する必要があり、微粒子の循環装置の配管内に凝集した微粒子が付着して、循環効率が低下する。粒子径が大きい場合には、多少固体粒子が湿っていても容易に凝集することはなく、たとえ凝集しても圧縮空気を噴射する程度で容易に分離することができるが、微粒子の場合には一旦凝集したものを完全に乾燥させなければ分離できない。
【0021】
第二に、鋼板に水等が付着している場合の問題として以下のものが挙げられる。一般に冷延鋼板や亜鉛めっき鋼板の製造ラインでは、鋼板を冷却したり、調質圧延時の摩耗粉を除去するために水や調質圧延液等の液体を鋼板に噴射する場合がある。微粒子の投射装置を連続ラインに配置する場合には、このような液体が鋼板上に残留したまま、微粒子が投射されることになる。この場合、鋼板上の液膜によって固体粒子の衝突速度が緩和され、効果的な表面粗さの付与が困難になる。また、部分的に液残りが生じていると、乾燥している部分とで表面粗さが異なるため、外観上のむらが生じる。
【0022】
一方、微粒子が凝集して鋼板上に付着すると、それをエアパージ等で除去するのは困難である。例えば、鋼板の一部分に水滴が残留している状態で、微粒子を投射すると、その水滴部に微粒子が付着する。この状態で鋼板に圧縮空気を噴射すると、水滴部以外の乾燥している部分に残留している微粒子が吹き上げられ落下する微粒子が、水滴部に付着する場合があり、エアパージをすることでさらに多くの微粒子が鋼板に付着することもある。
【0023】
さらに、鋼板表面の液残り部分に付着した微粒子は、鋼板に付着したままブラスト室の系外に持ち出されることになる。したがって、循環装置における微粒子の歩留りが大幅に悪化し、生産コストの増大が生じる。(従来の酸洗ラインにおけるショットブラスト装置のように粒子径が大きい場合には、圧縮空気を噴射することで容易に固体粒子を鋼板上から落下させることができ、ブラスト室の室内でエアパージを行えば、系内に固体粒子が落下して、このような問題は生じない。)
【0024】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、連続的に搬送される鋼板の表面に微細な固体粒子を投射する装置であって、固体粒子が鋼板の表面に残留することを防止し、清浄な鋼板を得ると共に、固体粒子を効率的に回収し、その歩留を向上させることが可能な設備を提供すること、固体粒子を鋼板の表面に投射した場合に、均一な表面状態を得ることができる設備を提供すること、及びこのような設備を用いた鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、連続的に搬送される鋼板の表面に、平均粒径300μm以下の固体粒子を投射する固体粒子投射装置と、その下流側に設けられた鋼板の洗浄装置を有してなり、前記洗浄装置の下流側に、鋼板の強制乾燥装置が配置されていて、前記強制乾燥装置の下流側に、鋼板のエアワイピング装置が配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備である。
【0026】
本手段においては、投射する固体粒子の大きさを平均粒子径300μm以下に限定している。これは、冷延鋼板や亜鉛めっき鋼板の表面粗等の機能を付与するためには、平均粗さRaが0.3〜2μm程度と比較的大きな粗度を付与しながら、凸凹のピッチをより小さくして、緻密な凸凹を付与するのが望ましいためである。すなわち、平均粒子径が300μmを超えると冷延鋼板や亜鉛めっき鋼板に適する緻密な表面粗さ等を得ることができない。さらに、固体粒子の大きさが300μmを超える場合には、鋼板上に残っている水滴等によって、固体粒子が鋼板に付着しても、エアワイパ等で容易に除去できるので、本手段を必要としない。すなわち、本手段は、微粒子を鋼板に投射することに特有の問題点を解決するためのものであり、酸洗ラインのショットブラスト装置のように、粒子径が300μmを超えるものは対象としない。
【0027】
本手段において、微粒子を投射する方式としては、圧縮空気をノズルから噴射して固体粒子を加速させる空気式投射装置、あるいはインペラーの回転によって固体粒子に遠心力を与えて投射する機械式投射装置を用いることができる。いずれにしても、乾式の微粒子投射装置を前提とする。
【0028】
本発明に係る設備では、鋼板表面に微粒子を投射した後に、ブラスト室から出る鋼板に対して、圧縮空気を噴射することなく、洗浄装置を通過させる。これにより、鋼板上に残留する微粒子が周囲に吹き上げられて、鋼板上に落下したり、周辺に飛散した微粒子が搬送ロールに付着して鋼板にキズを発生させることがなく、その他の機械部品に悪影響を与えることもない。すなわち、洗浄液と共に微粒子が鋼板上から洗い流されて、鋼板を清浄化させると共に、周囲に微粒子を飛散させることがない。
【0029】
ここでの洗浄装置としては、鋼板を水洗する程度のものでよく、鋼板上の微粒子を洗い流す程度の流量でかまわない。ただし、圧力水を鋼板に噴射することで微粒子の除去効率が向上するので、圧力10kgf/cm以下の圧力水を用いれば充分である。また、洗浄水には界面活性剤を含有させて、微粒子を洗い流す効果を高めることも有効である。
【0030】
さらに、洗浄液とともに洗い流された微粒子を、洗浄液ピットにためて、フィルター等で微粒子のみを捕捉することができる。このようにして捕捉された微粒子は、乾燥させた後に、再度固体粒子投射装置のホッパーに補給されて、再使用が可能となる。したがって、ブラスト室外に持ち出された微粒子の再使用も可能となるため、微粒子の歩留を大幅に向上させることができる。
【0032】
本手段においては、洗浄装置の下流側に、鋼板を強制乾燥させる装置を配置しているので、鋼板の清浄度を高めることが可能となる。すなわち、洗浄装置によって洗浄された鋼板上からは、ほとんどの微粒子が除去されているものの、極微量の微粒子が鋼板上に残留する場合もある。特に、鋼板の板端部には微少な亀裂が生じている場合があり、そのような部分に洗浄液とともに微量の微粒子が捕捉されることがある。この場合には、液体の表面張力が働くため、微粒子を容易に除去することができないが、一旦鋼板を乾燥させて、洗浄液の液残りを蒸発させることで、容易に微粒子を取り除くことができる。
【0033】
なお、強制乾燥装置は、洗浄で残留している鋼板表面の洗浄液を蒸発させる能力を有すれば十分であり、温風ドライヤあるいは電熱ドライヤ等を用いることができる。したがって、鋼板の乾燥と後に述べるエアワイピングとを強制乾燥装置において、同時に行うことも可能である。
【0035】
乾燥させた後に微粒子を除去するためには、圧縮空気を噴射すれば充分であり、このようにしても、ごく微量の微粒子しか残留していないので、前述したような微粒子の浮遊の問題は生じない。よって、エアワイピング装置としてはエアノズルを配置するだけで十分である。
【0036】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記エアワイピング装置においては、鋼板の幅方向板端部の周辺において、空気流が鋼板の中央部から板端部に向かうように空気ノズルが配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備である。
本手段においては、鋼板の板端部に見られる微小な亀裂部に洗浄液と共に捕捉された微量の微粒子を容易に除去することが可能となり、鋼板の清浄度が向上する。
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記固体粒子投射装置の上流側に、鋼板の強制乾燥装置が配置されていることを特徴とするものである
【0037】
前工程等で残留した鋼板の液体膜を、予め強制乾燥させて液残りを蒸発させておくことで、引き続いて微粒子を鋼板表面に投射しても、微粒子が鋼板に付着するという問題が生じない。したがって、鋼板に付着した微粒子が系外に持ち出されて歩留りが大幅に悪化するという問題や、濡れた部分の緩衝作用によって微粒子の衝突速度が低下して適切な表面粗さ等が付与できないという問題などが生じない。また、微粒子自体も湿気を含まない状態で循環されることになるので、配管内部等での微粒子の詰りが生じない。
【0038】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第3の手段であって、前記鋼板の強制乾燥装置の上流側に、鋼板の洗浄装置が配置されていることを特徴とするものである
【0039】
微粒子を鋼板に投射して表面粗さ等を付与する場合に、鋼板の表面に摩耗分などの異物が付着していると、効果的に表面粗さ等を付与することができない。したがって、予め鋼板に残留している異物などを除去するために洗浄し、その後に鋼板を乾燥させることによって、微粒子を投射する前の鋼板を清浄化することができる。洗浄装置としては、水を鋼板に噴射する方法が経済的であり、噴射圧力としては通常10kgf/cm以下で充分である。ただし、強固に鋼板表面に付着している異物を除去するためにさらに大きな圧力水を噴射する場合もある。
【0040】
前記課題を解決するための第5の手段は、連続的に搬送される鋼板の表面に、平均粒径300μm以下の固体粒子を投射する固体粒子投射装置と、その上流側に配置された鋼板の強制乾燥装置とを有してなることを特徴とする鋼板の処理設備である
【0041】
平均粒径300μm以下の固体粒子を投射する理由は、前記第1の手段で述べた理由と同じであり、その前に強制乾燥装置を設ける理由は、前記第4の手段の説明で述べた理由と同じである。
【0042】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第5の手段であって、前記強制乾燥装置の上流側に、鋼板の洗浄装置が配置されていることを特徴とするものである
【0043】
前記強制乾燥装置の上流側に、鋼板の洗浄装置を設ける理由は、前記第4の手段の説明で述べた理由と同じである。
【0044】
前記課題を解決するための第7の手段は、溶融めっきラインを有し、当該溶融めっきラインにおけるめっき浴後の冷却装置又は合金化炉よりも下流側に、前記第1の手段から第6の手段のいずれかの装置が配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備である
【0045】
溶融めっき鋼板の表面粗さ等を調整するためには、めっき前の鋼板の表面粗さ等を調整するよりもめっき後の表面粗さ等を調整したほうが正確に表面粗さ等を調整することができる。よって、第1の手段から第6の手段のいずれかに記載されているそれぞれの設備を、めっき浴後の冷却装置又は合金化炉よりも下流側に設けることにより、固体粒子噴射装置の機能を十分に生かすことができると共に、前記第1の手段から第6の手段が有する効果を奏することができる。
【0046】
前記課題を解決するための第8の手段は、連続焼鈍ラインを有し、当該連続焼鈍ラインにおける焼鈍炉よりも下流側に、前記第1の手段から前記第6の手段のうちいずれかの装置が配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備である
【0047】
連続焼鈍ラインにおいて鋼板の表面粗さ等を調整するためには、焼鈍炉前の鋼板の表面粗さ等を調整するよりも焼鈍炉後で表面粗さ等を調整したほうが正確に表面粗さ等を調整することができる。よって、第1の手段から第6の手段のいずれかに記載されているそれぞれの設備を、焼鈍炉よりも下流側に設けることにより、固体粒子噴射装置の機能を十分に生かすことができると共に、前記第1の手段から第6の手段が有する効果を奏することができる。
【0048】
また、連続焼鈍ライン、溶融めっきラインのいずれにおいても、そのライン中に調質圧延機が設けられていることが多い。微粒子を投射する固体粒子投射装置をこれらの連続ラインに配置する場合、予め調質圧延によって機械的性質を調整した後に、表面粗さ等を付与するのが望ましい。このとき、調質圧延において、水を供給しながら調質圧延を行うことで、調質圧延によって生じる鋼板あるいは亜鉛皮膜の摩耗粉または圧延ロールの摩耗粉を除去することが可能であり、圧延ロールにそれらが噛みこんで、キズが生じるのを防止することができる。さらに、調質圧延において鋼板に水が噴射されることで、先の洗浄装置と同様の効果を得ることが可能であり、独立した洗浄設備を配置する必要がない。
【0049】
ただし、調質圧延では、安定的に伸長率を付与するために乾式の調質圧延を行う場合もある。特に冷延鋼板の連続焼鈍設備に調質圧延機を配置する場合には、乾式の調質圧延機が配置されることがある。このとき、調質圧延機の下流側に、鋼板の洗浄装置を配置し、さらにその下流側に強制乾燥装置及び固体粒子投射装置を配置する。これによって、調質圧延で生じた摩耗粉等の異物を予め洗浄装置で除去し、しかる後に液残りを蒸発させ、乾燥させることで、効果的に表面粗さ等を付与することができ、外観上のむらなどが生じない。
【0050】
前記課題を解決するための第9の手段は、連続的に搬送される鋼板の表面に、平均粒径300μm以下の固体粒子を投射した後、鋼板の洗浄と乾燥とを行い、その後、乾燥後の鋼板に残留した固体粒子を圧縮空気により除去する工程を有することを特徴とする鋼板の製造方法である。
【0051】
本手段においては、前記第1の手段において説明した作用効果を奏することができる。
【0052】
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第9の手段であって、鋼板に固体粒子を投射する前に、鋼板の表面を強制乾燥させる工程を有することを特徴とするものである。
【0053】
本手段においては、前記第3の手段で説明した作用効果を奏することができる。
【0054】
前記課題を解決するための第11の手段は、前記第10の手段であって、鋼板の表面を強制乾燥させる前に、鋼板を洗浄する工程を有することを特徴とするものである。
【0055】
本手段においては、前記第4の手段で説明した作用効果を奏することができる。
【0056】
前記課題を解決するための第12の手段は、連続的に搬送される鋼板の表面を強制乾燥させる工程と、その後に、平均粒径300μm以下の固体粒子を鋼板に投射する工程とを有することを特徴とする鋼板の製造方法である
【0057】
本手段においては、前記第5の手段で説明した作用効果を奏することができる。
【0058】
前記課題を解決するための第13の手段は、前記第12の手段であって、鋼板を強制乾燥させる前に、鋼板を洗浄することを特徴とするものである
【0059】
本手段においては、前記第6の手段で説明した作用効果を奏することができる。
【0060】
前記課題を解決するための第14の手段は、鋼板に溶融めっきを施し、めっき層を冷却して凝固させた後、又はめっき層を合金化させた後に、前記第9の手段から第13の手段のうちいずれかに記載された工程を行うことを特徴とする鋼板の製造方法である。
【0061】
本手段においては、前記第7の手段で説明した作用効果を奏することができる。
【0062】
前記課題を解決するための第15の手段は、鋼板を焼鈍した後に、前記第9の手段から第13の手段のうちいずれかに記載された工程を行うことを特徴とする鋼板の製造方法である。
【0063】
本手段においては、前記第8の手段で説明した作用効果を奏することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の例を示す図であり、鋼板1を連続的に搬送しながら、表面粗さ付与装置5によって表面粗さを調整するための設備列を示している。鋼板1は、冷延鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板が通常用いられ、冷延鋼板の場合には、冷間圧延、連続焼鈍後に調質圧延を行い、機械的特性が調整されたものが望ましい。また、溶融めっき鋼板に表面粗さを付与する場合には、冷間圧延、焼鈍、亜鉛めっきが施され、調質圧延を行ったものが適している。ただし、調質圧延を施す前に本ラインを通過させ、表面粗さを付与して、その後調質圧延を行ってもよい。また、鋼板1は、冷延鋼板や亜鉛めっき鋼板に限定されるものではなく、他の表面処理鋼板などを対象としてもよい。
【0065】
図1に示される設備においては、そのような鋼板をペイオフリール30に装入し、テンションリール31で巻き取っている。このとき入側ブライドルロール11と出側ブライドルロール13との間で張力が付与された状態で、鋼板1が連続的に搬送される。
【0066】
表面粗さ付与装置5は、チャンバーで囲われたブラスト室と投射機3a、3b、3c、3dから構成される。ブラスト室の内側には、鋼板の表面および裏面に固体粒子を投射するための投射機3a、3b、3c、3dが配置されており、固体粒子の供給装置6から一定量の固体粒子が供給される。投射機の形式としては、図8に示す空気式投射機あるいは図9に示す機械式投射機を使用することができる。
【0067】
空気式投射機の場合には、固体粒子40をホッパー41に貯蔵し、コンプレッサー43で圧縮された空気をブラストノズル42に供給する。ブラストノズルでは、圧縮空気が加速されると共に、固体粒子41を巻き込んで固体粒子を加速させ、鋼板に向けて噴射される。
【0068】
一方、機械式投射機の場合には、固体粒子40をホッパー41に貯蔵し、モーター45によってインペラー44を回転させる。固体粒子40は、インペラーによる遠心力によって加速され鋼板に向けて投射される。
【0069】
なお、空気式投射機の場合には、平均粒径が小さい場合でも固体粒子を大きく加速させることができるが、投射面積を大きくすることが難しいため、鋼板の板幅方向あるいは長手方向に複数のブラストノズルを配置する必要がある。一方、機械式投射機の場合には、エネルギー効率が高く、投射面積を大きくとることができるが、固体粒子の速度は空気式投射機に比べて小さい。ただし、固体粒子の粒子径が30μm以上であれば、機械式投射機であっても、冷延鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板の表面粗さを調整するために十分な投射速度を得ることができる。
【0070】
図1に示す投射機3a、3b、3c、3dは、機械式投射機を示しており、固体粒子の供給装置6から供給された固体粒子は、モーター4a〜4dによって回転するインペラーに送られ、投射機3a〜3dによって加速され鋼板1に投射される。機械式投射機では、インペラーの回転数あるいは供給装置6から送られる固体粒子の供給量を変更することで、固体粒子の投射速度および投射量を変更することができる。また、投射機3a、3b、3c,3dは、鋼板の幅方向での投射密度が一定になるように複数配置する必要がある。
【0071】
図1では、表面、裏面それぞれに2列ずつの投射ノズルが配置される形態が示されているが、鋼板の進行方向には、ライン速度に応じて鋼板への投射密度が、一定範囲になるように単独あるいは複数配置される。ただし、鋼板に対する固体粒子の投射は、必ずしも表裏面にする必要はなく、目的に応じて片面のみに投射しても構わない。
【0072】
表面粗さ付与装置5の内部では、鋼板に投射された固体粒子は周囲に飛散して浮遊するが、ブラスト室の下部から吸引され、再び供給装置6に送られ循環使用される。通常、固体粒子の供給装置6には、セパレータが備えられ、固体粒子に混じった亜鉛粉末や、破砕され微細になった固体粒子が分離され集塵機8に送られる。これによって、経時的に固体粒子の平均粒径が変化するのを防止し、固体粒子の状態が一定に保持される。
【0073】
一方、ブラスト室内部で、下部から吸引されずに、浮遊している微細な粒子はクリーナーブロア7によって捕捉され集塵機8で処理される。ただし、固体粒子の平均粒径が300μm以下と小さい場合には、連続的にブラスト室から搬送される鋼板の随伴流と共に、固体粒子がブラスト室系外へ持ち出されるのを完全に防止することはできない。
【0074】
さらに、本発明では亜鉛めっき鋼板の表面形態を調整するために、ブライドルロール13の下流側に表面形態の測定器を配置して、その測定結果に基づいて、固体粒子の投射速度および投射量を変更してもよい。表面形態の測定器としては、平均粗さRa、あるいはピークカウントPPIの測定器、さらにはCCDカメラ等によって鋼板の表面を撮影し、固体粒子の圧痕の大きさを画像処理によって判定する装置でもよい。
【0075】
図1の実施の形態では、表面粗さ付与装置5の下流側に、鋼板の洗浄装置21、出側強制乾燥装置22が連続的に配置されており、ブラスト室から出側洗浄装置21までの間にエアワイピング等で、鋼板上に残留する微粒子を除去しないのが特徴である。
【0076】
ここで、出側洗浄装置21は、水を鋼板に噴射する方式を用いている。洗浄水、鋼板上の微粒子を洗い流す程度の流量でかまわない。ただし、圧力水を鋼板に噴射することで微粒子の除去効率が向上するので、圧力10kgf/cm以下の圧力水を用いれば充分である。また、洗浄水には界面活性剤を含有させて、微粒子を洗い流す効果を高めることも有効である。
【0077】
なお、出側洗浄装置21の下部には廃液ピット26が配置され、流体サイクロン等で固体粒子が分離され、回収される。このようにして回収された固体粒子は水分を含むため、固体粒子を乾燥させた後に、表面粗さ付与装置5の粒子循環系に補給される。したがって、ブラスト室外に固体粒子が持ち出されることで歩留が悪化するという問題点を解決することができる。
【0078】
また、出側強制乾燥装置22は、温風ドライヤを使用して鋼板を乾燥させる装置であり、出側洗浄装置21で鋼板に付着した水分を蒸発させる。ただし、洗浄ままの鋼板上の水分をすべて温風ドライヤで除去するためには、大容量の装置が必要となるため、出側洗浄装置21と出側強制乾燥装置22との間には、圧縮空気を鋼板に噴射するエアワイピングが可能なエアワイパを配置するのが望ましい。これによって、大部分の水分は鋼板上から除去することができ、さらに残留する水分を出側強制乾燥装置22で蒸発させればよい。
【0079】
さらに、出側強制乾燥装置22の下流側には、圧縮空気を鋼板に噴射するエアワイピングが可能なエアワイパ24a、24bが配置される。これは、鋼板の全面に圧縮空気を噴射してもよいが、鋼板の板端部の周辺に対して、空気流が板中央部から板端部に向かうように空気ノズルを配置すれば充分である。特に、鋼板の板端部にみられる微少な亀裂部に洗浄液とともに捕捉された微量の微粒子を容易に除去することが可能となり、鋼板の清浄度が向上する。
【0080】
図2は、本発明の実施の第2の実施の形態の例を示す図であり、溶融亜鉛めっきラインのめっき浴34の下流側に、調質圧延機20が配置され、その入側に水を噴射するノズル25a、25bを配置し、その下流側に入側強制乾燥装置27、さらにその下流側に鋼板の表面粗さ付与装置5と出側洗浄装置21を配置したものである。以下の図においては、前出の図に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付して、その詳細な作動の説明を省略することがある。同じ符号を付された構成要素は、各実施の形態において、同じ作動を行い、同じ効果を奏する。
【0081】
溶融亜鉛めっきラインでは、冷間圧延後の鋼板をペイオフリール30に装入し、入側の洗浄装置32を通過させた後に、焼鈍炉33において再結晶焼鈍が行われる。その後、めっき浴34において亜鉛めっき皮膜を形成した後、エアワイパ35で膜厚調整が行われる。その後、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には合金化炉36を作動させ、合金化処理を行う。ただし、これを使用せずに製造する皮膜が主としてη層からなる亜鉛めっき鋼板も同一のラインで製造される。
【0082】
通常の溶融亜鉛めっきラインでは、調質圧延機20による調質圧延が行われた後に、化成処理装置37により化成皮膜が付与される場合と、防錆油が塗布されて、そのまま巻き取られる場合がある。一方、図2の実施の形態では、調質圧延の入側に水あるいは調質圧延液を噴射するノズル25a、25bを配置し、さらにその下流側に表面粗さ付与装置5を配置し、さらに鋼板の出側洗浄装置21を配置する。
【0083】
ここでは、調質圧延に鋼板および圧延ロールに水を供給しながら調質圧延を行う、いわゆるウエット調圧を実施する。鋼板上に噴射された水は、調質圧延で生じる摩耗粉などの異物を洗い流す作用があるものの、その状態で固体粒子を投射すると、鋼板上に固体粒子が残留するため、多量の固体粒子が鋼板とともに持ち出されて、固体粒子の歩留りが悪化する。したがって、表面粗さ付与装置5の上流側に入側強制乾燥装置27を配置して、鋼板を予め乾燥させておくのが望ましい。
【0084】
ところで、表面粗さ付与装置5を通過した鋼板は出側洗浄装置21を通過することで鋼板表面に残留する固体粒子を洗い流すことができる。この微粒子は廃液ピット26に回収されて、流体サイクロン等で固体粒子が分離される。このようにして回収された固体粒子は乾燥して、再度表面粗さ付与装置5の粒子循環系に補給されることで歩留りの悪化が生じない。
【0085】
以上のような設備列に配置することで、めっき工程と、材料の機械的特性を調整する調質圧延、および適切な表面粗さ付与する表面粗さ付与装置5を同一ラインに配置することができ、図1に示すバッチ式の表面粗さの調整設備に比べて、大幅な生産性の向上を図ることができる。
【0086】
図3は、本発明の実施の第3の実施の形態の例を示す図であり、連続焼鈍ラインの焼鈍炉33の下流側に、調質圧延機20を配置し、さらにその下流側に表面粗さ付与装置5、出側洗浄装置21、出側強制乾燥装置22を連続的に配置した設備列である。
【0087】
連続焼鈍ラインでは、冷間圧延後の鋼板をペイオフリール30に装入し、焼鈍炉33において再結晶焼鈍が行われる。通常の連続焼鈍ラインでは、調質圧延機20による調質圧延が行われた後に、防錆油が塗布されてテンションリール31で巻き取られる。一方、図3の実施の形態では、調質圧延機20の下流側に表面粗さ付与装置5、出側洗浄装置21及び出側強制乾燥装置22が配置されている。
【0088】
通常の連続焼鈍ラインに配置される調質圧延機は、乾式で行われるドライ調圧と、湿式のウエット調圧とがあるが、図3ではドライ調圧の場合を示している。この場合、調質圧延で生じた摩耗粉等の異物が鋼板上に残留するので、予めエアワイピング等で異物を除去しておくのが望ましい。
【0089】
以上のような設備列に配置することで、焼鈍工程と、材料の機械的特性を調整する調質圧延、および適切な表面粗さ付与する表面粗さ付与装置5を同一ラインに配置することができ、図1に示すバッチ式の表面粗さの調整設備に比べて、大幅な生産性の向上を図ることができる。
【0090】
図4は、本発明の第4の実施の形態の例を示す図である。図4は、鋼板1を連続的に搬送しながら、表面粗さ付与処置5によって表面粗さを調整するための設備列を示している。鋼板1は、冷延鋼板あるいは亜鉛めっき鋼板が通常用いられ、冷延鋼板の場合には、冷間圧延、連続焼鈍後に調質圧延を行い、機械的特性が調整されたものが望ましい。また、溶融亜鉛めっき鋼板に表面粗さを付与する場合には、冷間圧延、焼鈍、亜鉛めっきが施され、調質圧延を行ったものが適している。ただし、調質圧延を施す前に本ラインを通過させ、表面粗さを付与して、その後調質圧延を行ってもよい。また、鋼板1は、冷延鋼板や亜鉛めっき鋼板に限定されるものではなく、他の表面処理鋼板などを対象としてもよい。
【0091】
図1は、そのような鋼板をペイオフリール30に装入し、テンションリール31で巻き取る形式を示している。このとき入側ブライドルロール11と出側ブライドルロール13との間で張力が付与された状態で、鋼板が連続的に搬送される。
【0092】
表面粗さ付与処置5は、チャンバーで囲われたブラスト室と投射機3a、3b、3c、3dから構成される。ブラスト室の内側には、鋼板の表面および裏面に固体粒子を投射するための投射機3a、3b、3c、3dが配置されており、固体粒子の供給装置6から一定量の固体粒子が供給される。投射機の形式としては、前述したような、図8に示す空気式投射機あるいは図9に示す機械式投射機を使用することができる。
【0093】
図4に示す投射機は、機械式投射機を示しており、固体粒子の供給装置6から供給された固体粒子は、モーター4a〜4dによって回転するインペラーに送られ、投射機3a〜3dによって加速され鋼板1に投射される。機械式投射機では、インペラーの回転数あるいは供給装置6から送られる固体粒子の供給量を変更することで、固体粒子の投射速度および投射量を変更することができる。また、投射機3a、3b、3c、3dは、鋼板の幅方向での投射密度が一定になるように複数配置する必要がある。図4では、表面、裏面それぞれに2列ずつの投射ノズルが配置される形態が示されているが、鋼板の進行方向には、ライン速度に応じて鋼板への投射密度が、一定範囲になるように単独あるいは複数配置される。ただし、鋼板に対する固体粒子の投射は、必ずしも表裏面にする必要はなく、目的に応じて片面のみに投射しても構わない。
【0094】
表面粗さ付与処置5の内部では、鋼板に投射された固体粒子は周囲に飛散し、浮遊するがブラスト室の下部から吸引され、再び供給装置6に送られ循環使用される。通常、固体粒子の供給装置6には、セパレータが備えられ、固体粒子に混じった亜鉛粉末や、破砕され微細になった固体粒子が分離され集塵機8に送られる。これによって、経時的に固体粒子の平均粒径が変化するのを防止し、固体粒子の状態が一定に保持される。一方、ブラスト室内部で、下部から吸引されずに、浮遊している微細な粒子はクリーナーブロア7によって捕捉され集塵機8で処理される。
【0095】
さらに、本発明では亜鉛めっき鋼板の表面形態を調整するために、ブライドルロール13の下流側に表面形態の測定器を配置して、その測定結果に基づいて、固体粒子の投射速度および投射量を変更してもよい。表面形態の測定器としては、平均粗さRa、あるいはピークカウントPPIの測定器、さらにはCCDカメラ等によって鋼板の表面を撮影し、固体粒子の圧痕の大きさを画像処理によって判定する装置でもよい。
【0096】
図4の実施の形態では、表面粗さ付与処置5の上流側に、鋼板の入側強制乾燥装置27、入側洗浄装置28が連続的に配置されている。ペイオフリール30に装入される鋼板は、前工程で調質圧延等を施した鋼板であり、その表面には金属粉や調質圧延液の液残りが残留している。この場合であっても、入側洗浄装置28によってそのような異物や液残りを洗い流すことができ、さらに入側強制乾燥装置27によって鋼板を乾燥させる。したがって、表面粗さ付与処置5を通過した鋼板に固体粒子が強固に付着することはないため、固体粒子の歩留り低下が発生せず、下流側の表面形態の測定器において誤検出を生じることがない。
【0097】
ここで、入側洗浄装置28は、水を鋼板に噴射する方式を用いており、循環して使用されるものである。ただし、鋼板1に油脂成分が付着している場合には、洗浄剤を含有させた洗浄水を使用してもよい。さらに、鋼板1に圧延油等の油脂成分が多量に付着している場合にはアルカリ脱脂設備を配置してもよい。
【0098】
また、入側強制乾燥装置27は、温風ドライヤを使用して鋼板を乾燥させる装置であり、入側洗浄装置28によって鋼板に付着している水分を蒸発させる。ただし、洗浄したままの鋼板上の水分をすべて温風ドライヤで除去するためには、大容量の装置が必要となるため、入側洗浄装置28と入側強制乾燥装置27との間には、圧縮空気を鋼板に噴射するエアワイピングが可能なエアワイパを配置するのが望ましい。これによって、大部分の水分は鋼板上から除去することができ、さらに残留する水分を入側強制乾燥装置28で蒸発させればよい。
【0099】
図5は、本発明の第5の実施の形態の例を示す図であり、溶融亜鉛めっきラインのめっき浴34の下流側に、調質圧延機20、その入側と出側に水を噴射するノズル25a〜25dを配置し、さらにその下流側に入側強制乾燥装置27、表面粗さ付与処置5を配置した設備列である。溶融亜鉛めっきラインでは、冷間圧延後の鋼板をペイオフリール30に装入し、入側の洗浄装置32を通過させた後に、焼鈍炉33において再結晶焼鈍が行われる。その後、めっき浴34において亜鉛めっき皮膜を形成した後、エアワイパ35で膜厚調整が行われる。その後、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には合金化炉36を作動させ、合金化処理を行う。ただし、これを使用せずに製造する皮膜が主としてη層からなる亜鉛めっき鋼板も同一のラインで製造される。
【0100】
通常の溶融亜鉛めっきラインでは、調質圧延機20による調質圧延が行われた後に、化成処理装置37により化成皮膜が付与される場合と、防錆油が塗布されて、そのまま巻き取られる場合がある。一方、図5の実施の形態では、調質圧延の入側および出側に水あるいは調質圧延液を噴射するノズル25a〜25dを配置し、さらにその下流側に入側強制乾燥装置27、表面粗さ付与処置5を配置する。
【0101】
ここでは、調質圧延に鋼板および圧延ロールに水を供給しながら調質圧延を行う、いわゆるウエット調圧を実施する。鋼板上に噴射された水は、調質圧延で生じる摩耗粉などの異物を洗い流す作用があるため、表面粗さ付与処置5を通過するまえに、独立した洗浄装置を配置する必要がない。したがって、表面粗さ付与処置の上流側に入側強制乾燥装置27を配置して、鋼板に付着している水分を蒸発させるだけでよい。
【0102】
以上のような設備列に配置することで、めっき工程と、材料の機械的特性を調整する調質圧延、および適切な表面粗さを付与する表面粗さ付与処置5を同一ラインに配置することができ、図4に示すバッチ式の表面粗さの調整設備に比べて、大幅な生産性の向上を図ることができる。
【0103】
図6は、本発明の第6の実施の形態の例を示す図であり、連続焼鈍ラインの焼鈍炉33の下流側に、調質圧延機20を配置し、さらにその下流側に入側洗浄装置28、入側強制乾燥装置27、表面粗さ付与処置5を連続的に配置した設備列である。連続焼鈍ラインでは、冷間圧延後の鋼板をペイオフリール30に装入し、焼鈍炉33において再結晶焼鈍が行われる。
【0104】
通常の連続焼鈍ラインでは、調質圧延機20による調質圧延が行われた後に、防錆油が塗布されてテンションリール31で巻き取られる。一方、図6の実施の形態では、調質圧延機20の下流側に入側側洗浄装置28及び入側強制乾燥装置27、表面粗さ付与処置5を配置する。
【0105】
通常の連続焼鈍ラインに配置される調質圧延機は、乾式で行われるドライ調圧と、湿式のウエット調圧とがあるが、図6ではドライ調圧の場合を示している。この場合、調質圧延で生じた摩耗粉等の異物が鋼板上に残留するので、予め入側洗浄装置28で鋼板を洗浄するのが望ましい。したがって、鋼板に付着している水分を蒸発させるための強制乾燥装置22をその下流側に配置して、表面粗さ付与処置5によって鋼板の表面粗さを調整する。
【0106】
以上のような設備列に配置することで、焼鈍工程と、材料の機械的特性を調整する調質圧延、および適切な表面粗さを付与する表面粗さ付与処置5を同一ラインに配置することができ、図4に示すバッチ式の表面粗さの調整設備に比べて、大幅な生産性の向上を図ることができる。
【0107】
図7は、本発明の第7の実施の形態の例を示す図である。ペイオフリール30から巻き戻された鋼板1は、ブライドルロール11を通過した後、入側洗浄装置28で表面を洗浄された後、入側強制乾燥装置27により、その表面に残留している水分を蒸発して除去される。その後、表面粗さ付与装置5により、表面に固体微粒子を投射することにより表面粗さが調整される。その後、出側洗浄装置21により、表面に残留した固体微粒子を洗い流される。
【0108】
さらに、出側乾燥装置22により、残留している水分が蒸発除去される。その後、エアワイピングノズル24a、24bにより、出側洗浄装置21で除去し切れなかった固体微粒子が吹き飛ばされて、鋼板1の表面から除去される。鋼板1は、その後、検査台23で検査を受けた後、テンションリール31に巻き取られる。
【0109】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例として、板厚0.5〜1.8mm、板幅750〜1850mmの冷延鋼板を下地とした溶融亜鉛めっき鋼板に対して、調質圧延にて0.8%の伸長率を付与した鋼板を使用し、図1に示した設備によって表面粗さを調整した結果について説明する。なお、調質圧延における伸長率の付与は、材質調整を目的としたものであり、ブライトロールを使用して調質圧延を行っている。また、本実施例では、めっき皮膜が主としてη相からなる亜鉛めっき鋼板を対象とした。
【0110】
図1に示す設備のライン速度は最大100mpmで操業を実施した。表面粗さ付与処置5において使用した固体粒子は、平均粒子径55μmのステンレス鋼の微細粒子である。投射機としては、機械式投射機を使用し、インペラーの直径は330mm、回転速度3000rpmにて鋼板に投射した。固体粒子の投射密度は、鋼板に対して2kg/mとし、平均粗さRaが1.3μm、ピークカウントPPIが400の自動車用亜鉛めっき鋼板を製造した。
【0111】
出側洗浄装置21では、噴射ノズルから流量5L/minで水を鋼板に噴射して洗浄を行った。出側強制乾燥装置22では、温風ドライヤを用いて、温風温度100℃、温風噴射速度100m/sで運転した。また、強制乾燥装置22の下流側にはエアワイピングノズルを配置している。
【0112】
その結果、表面粗さ付与処置5から鋼板上に残留してブラスト室から持ち出される固体粒子の大部分は、洗浄装置によって洗い流されて、出側洗浄装置21を配置しなかった場合に比べて、原単位すなわち、固体粒子の補給量が30%削減された。また、周辺の機械部品へ微粒子が付着する量も大幅に低減して、デフレクターロールの軸受け等の故障率が大幅に低減した。
【0113】
(実施例2)
本発明の実施例として、板厚0.5〜1.8mm、板幅750〜1850mmの冷延鋼板を下地とした溶融亜鉛めっき鋼板に対して、調質圧延にて0.8%の伸長率を付与した鋼板を使用し、図4の設備によって表面粗さを調整した結果について説明する。なお、調質圧延における伸長率の付与は、材質調整を目的としたものであり、ブライトロールを使用して調質圧延を行っている。また、本実施例では、めっき皮膜が主としてη相からなる亜鉛めっき鋼板を対象とした。
【0114】
図4に示す設備のライン速度は最大100mpmで操業を実施した。表面粗さ付与処置5において使用した固体粒子は、平均粒子径55μmのステンレス鋼の微細粒子である。投射機としては、機械式投射機を使用し、インペラーの直径は330mm、回転速度3000rpmにて鋼板に投射した。固体粒子の投射密度は、鋼板に対して2kg/mで投射し、平均粗さRaが1.3μm、ピークカウントPPIが400の自動車用亜鉛めっき鋼板を製造した。
【0115】
入側洗浄装置28では、噴射ノズルから流量10L/minで水を鋼板に噴射して洗浄を行った。入側強制乾燥装置27では、温風ドライヤを用いて、温風温度100℃、温風噴射速度100m/sで運転した。なお、入側洗浄装置28と入側強制乾燥装置27との間にはエアワイピングノズルを配置して、洗浄水の大部分は除去した後に乾燥させる方式とした。
【0116】
その結果、表面粗さ付与処置5から鋼板上に残留してブラスト室から持ち出される固体粒子の量が大幅に低減して、入側強制乾燥装置27および入側洗浄装置28を配置しなかった場合に比べて、原単位すなわち、固体粒子の補給量が60%削減された。また、ブラスト室内への異物の混入量が大幅に低減し、セパレータで分離しきれなかった異物が投射機から投射され、鋼板にキズを生じさせる頻度が、35%低減するという顕著な効果が得られた。
【0117】
(実施例3)
本発明の実施例として、板厚0.5〜1.8mm、板幅750〜1850mmの冷延鋼板を下地とした溶融亜鉛めっき鋼板に対して、調質圧延にて0.8%の伸長率を付与した鋼板を使用し、図7に示した設備によって表面粗さを調整した結果について説明する。なお、調質圧延における伸長率の付与は、材質調整を目的としたものであり、ブライトロールを使用して調質圧延を行っている。また、本実施例では、めっき皮膜が主としてη相からなる亜鉛めっき鋼板を対象とした。
【0118】
図7に示す設備において、ライン速度は最大100mpmで操業を実施した。表面粗さ付与処置5において使用した固体粒子は、平均粒子径55μmのステンレス鋼の微細粒子である。投射機としては、機械式投射機を使用し、インペラーの直径は330mm、回転速度3600rpmにて鋼板に投射した。固体粒子の投射密度は、鋼板に対して5kg/mで投射し、平均粗さRaが1.3μm、ピークカウントPPIが400の自動車用亜鉛めっき鋼板を製造した。
【0119】
入側洗浄装置28では、噴射ノズルから流量10L/minで水を鋼板に噴射して洗浄を行った。入側強制乾燥装置27では、温風ドライヤを用いて、温風温度100℃、温風噴射速度100m/sで運転した。なお、入側洗浄装置28と入側強制乾燥装置27との間にはエアワイピングノズルを配置して、洗浄水の大部分は除去した後に乾燥させる方式とした。
【0120】
また、表面粗さ付与処置5の下流側の出側洗浄装置21では、噴射ノズルから流量5L/minで水を鋼板に噴射して洗浄を行った。出側強制乾燥装置22では、温風ドライヤを用いて、温風温度100℃、温風噴射速度100m/sで運転した。また、出側強制乾燥装置22の下流側にはエアワイピングノズル24a、24bを配置している。
【0121】
その結果、表面粗さ付与処置5から鋼板上に残留してブラスト室から持ち出される固体粒子の量が大幅に低減して、入側強制乾燥装置27、入側洗浄装置28、出側強制乾燥装置22、出側洗浄装置21を配置しなかった場合に比べて、原単位すなわち、固体粒子の補給量が75%削減された。また、ブラスト室内への異物の混入量が大幅に低減し、セパレータで分離しきれなかった異物が投射機から投射され、鋼板にキズを生じさせる頻度が、35%低減するという顕著な効果が得られた。さらに、周辺の機械部品へ微粒子が付着する量も大幅に低減して、デフレクターロールの軸受け等の故障率が大幅に低減した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の例を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の例を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の例を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の例を示す図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態の例を示す図である。
【図6】本発明の第7の実施の形態の例を示す図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態の例を示す図である。
【図8】空気式投射機の概要を示す図である。
【図9】機械式投射機の概要を示す図である。
【符号の説明】
1…鋼板、3a,3b,3c,3d…固体粒子の投射機、4a,4b,4c,4d…モーター、5…表面粗さ付与処置、6…固体粒子の供給装置、7…クリーナーブロア、8…集塵機、10,11,13…ブライドルロール、20…調質圧延機、21…出側洗浄装置、22…出側強制乾燥装置、23…検査台、24a,24b…エアワイピングノズル、25a,25b…水または調質圧延液の噴射ノズル、26…廃液ピット、27…入側強制乾燥装置、28…入側洗浄装置、30…ペイオフリール、31…テンションリール、32…入側洗浄装置、33…焼鈍炉、34…めっき浴、35…エアワイパ、36…合金化炉、40…固体粒子、41…ホッパー、42…ブラストノズル、43…コンプレッサー、44…インペラー、45…モーター

Claims (15)

  1. 連続的に搬送される鋼板の表面に、平均粒径300μm以下の固体粒子を投射する固体粒子投射装置と、その下流側に設けられた鋼板の洗浄装置を有してなり、前記洗浄装置の下流側に、鋼板の強制乾燥装置が配置されていて、前記強制乾燥装置の下流側に、鋼板のエアワイピング装置が配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備。
  2. 請求項1に記載の鋼板の処理設備であって、前記エアワイピング装置においては、鋼板の幅方向板端部の周辺において、空気流が鋼板の中央部から板端部に向かうように空気ノズルが配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の鋼板の処理設備であって、前記固体粒子投射装置の上流側に、鋼板の強制乾燥装置が配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備。
  4. 請求項3に記載の鋼板の処理設備であって、前記鋼板の強制乾燥装置の上流側に、鋼板の洗浄装置が配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備。
  5. 連続的に搬送される鋼板の表面に、平均粒径300μm以下の固体粒子を投射する固体粒子投射装置と、その上流側に配置された鋼板の強制乾燥装置とを有してなることを特徴とする鋼板の処理設備。
  6. 請求項5に記載の鋼板の処理設備であって、前記強制乾燥装置の上流側に、鋼板の洗浄装置が配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備。
  7. 溶融めっきラインを有し、当該溶融めっきラインにおけるめっき浴後の冷却装置又は合金化炉よりも下流側に、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載された装置が配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備。
  8. 連続焼鈍ラインを有し、当該連続焼鈍ラインにおける焼鈍炉よりも下流側に、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載された装置が配置されていることを特徴とする鋼板の処理設備。
  9. 連続的に搬送される鋼板の表面に、平均粒径300μm以下の固体粒子を投射した後、鋼板の洗浄と乾燥とを行い、その後、乾燥後の鋼板に残留した固体粒子を圧縮空気により除去する工程を有することを特徴とする鋼板の製造方法。
  10. 請求項9に記載の鋼板の製造方法であって、鋼板に固体粒子を投射する前に、鋼板の表面を強制乾燥させる工程を有することを特徴とする鋼板の製造方法。
  11. 請求項10に記載鋼板の製造方法であって、鋼板の表面を強制乾燥させる前に、鋼板を洗浄する工程を有することを特徴とする鋼板の製造方法。
  12. 連続的に搬送される鋼板の表面を強制乾燥させる工程と、その後に、平均粒径300μm以下の固体粒子を鋼板に投射する工程とを有することを特徴とする鋼板の製造方法。
  13. 請求項12に記載の鋼板の製造方法であって、鋼板を強制乾燥させる前に、鋼板を洗浄することを特徴とする鋼板の製造方法。
  14. 鋼板に溶融めっきを施し、めっき層を冷却して凝固させた後、又はめっき層を合金化させた後に、請求項9から請求項13のうちいずれか1項に記載された工程を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
  15. 鋼板を焼鈍した後に、請求項9から請求項13のうちいずれか1項に記載された工程を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
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