JP2003305410A - 超音波振動器具 - Google Patents

超音波振動器具

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JP2003305410A
JP2003305410A JP2002145438A JP2002145438A JP2003305410A JP 2003305410 A JP2003305410 A JP 2003305410A JP 2002145438 A JP2002145438 A JP 2002145438A JP 2002145438 A JP2002145438 A JP 2002145438A JP 2003305410 A JP2003305410 A JP 2003305410A
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JP
Japan
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electrodes
vibration
elastic diaphragm
piezoelectric element
plate
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JP2002145438A
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Takao Kusuda
隆男 楠田
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SERATEKKU KK
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SERATEKKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械加工などで繰り返し動作を利用する振動
器具において、超音波領域で大きな力の振動を発生させ
る。 【解決手段】 弾性振動板1の表面に、全面厚み方向に
分極され、しかも横振動の1/2波長で分割された電極
3a、3b、3c、3dを有する圧電素子板2aを張り
合わせる。電極3aと3cと電極3bと3dの間に高周
波交番電圧を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波により工具
を振動させて加工などに用いる超音波振動器具に関する
もので、機械加工、食品加工、医療などの分野で利用さ
れる。
【0002】
【従来の技術】従来、金属板と圧電セラミック板を貼り
合わせたバイモルフが圧電アクチュエータとして、広く
利用されている。これは矩形板の屈曲モード(横振動)
を用いるため、低い電圧で大きな変位量が得られる。ま
た、変形バイモルフとして、特開平6−328042号
に記載されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このバイモル
フにおいては、機械加工など応用するには発生する振動
の力が弱い。また、それをカバーするために振動体を大
型にすると共振周波数が低くなって、超音波領域での共
振駆動ができないなどの欠点をもっている。
【0004】本発明は、機械加工、食品加工または医療
に適する超音波領域で発生する振動の力の大きな超音波
振動器具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は請求項1の発明に係る超音波振動器具にお
いては、長方形の弾性振動板の先端に工具を取り付ける
とともに、弾性振動板とほぼ同等の大きさで、長方形の
短辺と平行に複数に区切られた電極をもった圧電素子板
を貼り付けた構成とし、圧電素子板の複数の電極に高周
波交番電圧を印加したものである。
【0006】請求項2の発明に係る超音波振動器具にお
いては、前記弾性振動板の横振動の共振周波数を定める
板の厚みと、これと同一方向の縦振動の共振周波数を定
める板の長さを調節し、両者の共振周波数の値を一致さ
せたものである。
【0007】請求項3の発明に係る超音波振動器具にお
いては、前記弾性振動板に複数の相隣り合う電極の領域
で厚み方向に逆の極性に分極した圧電素子板を貼り付け
た構成とし、これらの複数の電極の全てに同位相の高周
波交番電圧を印加したものである。
【0008】請求項4の発明に係る超音波振動器具おい
ては、前記弾性振動板に複数の全ての電極の領域で厚み
方向に同一の極性に分極し、かつ相隣り合う電極を一つ
置きに電気的に接続して二つの電極群とした圧電素子板
を貼り付けた構成とし、これら二つの電極群に高周波交
番電圧を印加したものである。
【0009】請求項5の発明に係る超音波振動器具おい
ては、前記弾性振動板に複数の電極の振動方向の幅が両
端で他より小さい圧電素子板を貼り付けた構成としたも
のである。
【0010】
【作用】これにより、前記弾性板には高次の振動モード
の強力な横振動が生じることと、それに加えてより低い
次数の振動モードの縦振動が共存した共振状態が生じる
ことで、前期弾性板の先端に取り付けられた工具には強
い横振動と、さらには縦振動が合成された強い楕円運動
の振動が作用する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、弾性振動板と、該弾性振動板の少なくとも一面に貼
り付けた圧電素子板と、前期弾性振動板の一辺に平行に
分割した複数の電極を有する圧電素子板と、前期弾性振
動板の端部に取り付けた工具から構成し、前記圧電素子
板の複数の電極に高周波交番電圧を印加して前記工具を
超音波振動させるとしたものであり、前記弾性板には高
次の振動モードの強い横振動共振が生じ、加えてより低
い次数の振動モードの縦振動が共存した共振状態が生
じ、前期弾性振動板の先端に取り付けられた工具には強
い横振動と、さらに縦振動が合成された強い楕円運動の
振動が作用する。以下、本発明の実施の形態について、
図1から図10を用いて説明する。
【0012】(実施の形態1)図1は本発明の請求項
1、請求項2、請求項4および請求項5に係る超音波振
動器具の一実施例の外観図を示す。
【0013】図1において1はステンレス鋼製の長方形
薄板状の弾性振動板で、両端自由の5次の横振動(曲げ
振動)共振と1次の縦振動共振が同時に生じるように板
の厚みtと長さlの比t/l=0.025〜0.035
に設定し、ここではt=2.5mmでl=80mmなる
寸法となっている。
【0014】弾性振動板1の一面にはほぼ同じ大きさの
全面に厚み方向に同一に分極したPZT圧電セラミック
ス製の圧電素子板2aをエポキシ系熱硬化型接着剤で接
着されている。
【0015】圧電素子板2の表面(図の上面)の電極3
a、3b、3c、3dは弾性振動板1の短辺に平行に横
振動の1/2波長の長さに絶縁帯4aで分割され、接着
面となっている裏面の電極(図示せず)は全面電極とな
っている。このとき弾性振動板1の両端近くの電極3
a、3dの長さ(振動方向の幅)は、内側の電極3b、
3cより数ミリ短くなっている。また相隣り合う電極3
a、3bはそれぞれ一つ置きの電極3c、3dとパター
ン結線5a、5bで接続し、二つの電極群としている。
これらの電極群を代表する電極3a、3bの表面にはそ
れぞれリード線6a、6bがハンダ付けされていて、高
周波交番電圧の入力端となっている。そして、リード線
6a、6bを入力端とする二つの電極群は、裏面の全面
電極を介して二つの電気容量コンデンサを直列に結線し
た直列配線となっている。
【0016】弾性振動板1の端部の短辺には、先端にカ
ッター刃7を装着した工具8がビスのねじ締めによって
強固に取り付けられている。この工具8は、弾性振動板
1の厚み方向に厚みtの数倍という相当な大きさの厚み
を有して、振動が先端のカッター刃7に良く伝達するよ
うに厚み方向の剛性を高めている。
【0017】弾性振動板1は、長辺の側面に開けられた
穴に二対の支持具9a、9bのピンを挿入することによ
って両側を保持されている。この支持具9aの位置は5
次の横振動共振と1次の縦振動共振の節が一致する弾性
振動板1の長辺の真中付近、支持 具9bでは工具7の
取り付けられた端部とは反対側の横振動の節の付近であ
る。支持具9bは縦振動の節には位置しないので、弾性
振動板1の側面の穴は長手方向に長穴にし、長手方向の
変位を阻害しない支持方法となっている。
【0018】このような構成の超音波振動器具におい
て、リード線6a、6bに約30kHzで60Vの正弦
波形の高周波交番電圧を印加すると、弾性振動板1には
5次の横振動共振と1次の縦振動共振が同時に生じる。
このとき横振動と縦振動の共通の腹に位置する振動板1
の端部では大きな振動変位(振幅)が生じ、端部に取り
付けられた工具8は強く振られる。そのため、工具8の
先端に取り付けられたカッター刃7は超音波の繰り返し
振動して、ゴムなどの柔らかくて弾性のある材料も大き
な抗力を受けずに切ることができる。
【0019】(実施の形態2)図2は、本発明の請求項
1、請求項3および請求項5に係る超音波振動器具の一
実施例の弾性振動板と圧電素子板の接合前を裏側から見
た部分図を示す。
【0020】図2において1は、実施の形態1と同じく
ステンレス鋼製の長方形薄板の弾性振動板である。ここ
では両端自由の5次の横振動共振のみ利用するとして、
弾性振動板1の厚みと長さの関係は規定しない。
【0021】2bはPZT圧電セラミックス製の圧電素
子板で、接着面である裏面(図の上面)では電極3e、
3f、3g、3hが弾性振動板1の短辺に平行に横振動
の1/2波長の長さに絶縁帯4bで分割されている。ま
た、表面の電極(図の下面)は全面電極となっている。
このとき弾性振動板1の両端近くの電極3e、3hの長
さ(振動方向の幅)は、内側の電極3f、3gより数ミ
リ短くなっている。ここで相隣り合う電極3eと3f、
3fと3gおよび3g、3hは、図中書き込みのよう
に、それぞれ+と−の逆の極性に分極されている。
【0022】これらの弾性振動板1と圧電素子板2b
は、エポキシ系熱硬化型接着剤で接着して一体とされて
いる。その後、弾性振動板1にはリード線6cをハンダ
付けしてアースとし、圧電素子板2bの表面の全面電極
(図の下面)にはリード線6dをハンダ付けしてもう一
方の入力端としている。
【0023】この弾性振動板1に実施の形態1に示した
工具8(図1と同様の構成で図示せず)を取り付けた構
成の超音波振動器具において、リード線6c、6dに約
30kHzで30Vの正弦波形の高周波交番電圧を印加
すると、弾性振動板1には5次の横振動共振が生じる。
このとき横振動の腹に位置する振動板1の端部では大き
な振動変位(振幅)が生じ、端部に取り付けられた工具
8は大きく振られる。そのため、工具8の先端に取り付
けられたカッター刃7は超音波の繰り返し振動して、ゴ
ムなどの柔らかくて弾性のある材料も、大きな抗力を受
けずに切ることができる。
【0024】なお、以上の2実施例の説明では、カッタ
ー刃7を稼動させるために大きな厚みの寸法にした高剛
性の工具8で構成した例で説明したが、薄ぺらいヘラ状
の工具を取り付けてさらに振動を拡大した先端で塗料な
ど均一塗布を可能とする場合もある。
【0025】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したように構成さ
れ、複数に分割された電極を持つ圧電素子板に高周波交
番電圧を印加することにより、弾性振動板に高次で超音
波の強力な横振動の共振を生じさせる。したがって、弾
性振動板の先端に取り付けられた工具は超音波で振動
し、加工対象物に繰り返しの仕事をする。
【0026】また、弾性振動板の厚みと長さの比を規定
値の範囲に設定することにより、弾性振動板に横振動に
加えて縦振動の共振を共存させ、弾性振動板の端部では
横振動と縦振動の合成された楕円運動の強力な超音波振
動を工具に与える。
【0027】さらに、横振動の振動方向における圧電素
子板の電極の幅を波長に合わせることにより無効振動の
少なくなり、エネルギー効率が向上した。
【0028】また電極を直列配線にすることにより、ま
た分極方向を隣り合う電極で逆にすることにより、内部
配線が単純化された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1、請求項2、請求項4および
請求項5に係る超音波振動器具の一実施例の外観図を示
す。
【図2】本発明の請求項1、請求項3および請求項5に
係る超音波振動器具の一実施例の弾性振動板と圧電素子
板の接合前を裏側から見た部分図を示す。
【符号の説明】
1 ・・・弾性振動板 2a、2b ・・・圧電素子板 3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h ・
・・電極 4a、4b ・・・絶縁帯 5a、5b ・・・パターン結線 6a、6b、6c、6d ・・・リード線 7 ・・・カッター刃 8 ・・・工具 9a、9b ・・・支持具

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長方形薄板状の弾性振動板と、該弾性振
    動板の少なくとも一面に貼り付けた前記弾性振動板の短
    辺と平行に分割した複数の電極を有する圧電素子板と、
    前記弾性振動板の端部に取り付けた工具から構成し、前
    記圧電素子板の複数の電極に高周波交番電圧を印加して
    前記弾性振動板に2次以上の共振モードの横振動を生じ
    させ、前記工具を超音波振動させる超音波振動器具。
  2. 【請求項2】 前記弾性振動板の厚さをtおよび長さを
    lとしたとき、それらの比t/lを0.025から0.
    035の範囲に規定し、前記弾性振動板に縦振動の共振
    と横振動の共振を共存させ、かつそれらの共振周波数一
    致させる請求項1記載の超音波振動器具。
  3. 【請求項3】 前記圧電素子板の複数の電極において、
    相隣り合う電極の領域で厚み方向に逆の極性に分極し、
    前記圧電素子板の複数の電極に同位相の高周波交番電圧
    を印加する請求項1記載の超音波振動器具。
  4. 【請求項4】 前記圧電素子板の複数の電極において、
    全ての電極の領域で厚み方向に同一の極性に分極し、か
    つ相隣り合う電極を一つ置きに電気的に接続して二つの
    電極群とし、該二つの電極群に高周波交番電圧を印加し
    た請求項1記載の超音波振動器具。
  5. 【請求項5】 前記圧電素子板の複数の電極において、
    振動方向の電極の幅が少なくとも両端で他より小さくす
    る請求項1、請求項3および請求項4記載の超音波振動
    器具。
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