JP2003304743A - 接苗の事前順化方法、及び該方法により得られた接苗、並びに前記方法に使用する装置 - Google Patents

接苗の事前順化方法、及び該方法により得られた接苗、並びに前記方法に使用する装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手間で失敗の恐れの多い植込み苗の順化手続
きの1部又は全てを省略できる接苗の事前順化方法、及
び該方法により得られる事前順化接苗、並びに前記方法
に用いる事前順化装置を提供する。 【解決手段】 接苗を低温、高湿、遮光ないし微弱光線
の活着又は貯蔵の条件下に次いで、高湿条件を2〜3日
をかけて気象外気環境湿度へ向けて段階的又は連続的に
変化させて、事前順化手続きを行う方法。及び該方法に
より得られる事前順化接苗、並びに前記方法に用いる事
前順化装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、挿接又は切接ぎに
よる接苗を接ぎ木し、活着させて後、特殊な順化手続
(以下、事前順化と呼ぶ)を行うことにより植込み後に
行われている従来より植込み後に行なわれている通常の
順化手続きの1部又は全てを省略することができる接苗
の事前順化方法、及び該方法により得られた接苗、並び
に前記事前順化方法に使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、本発明者等の研究開発によって、
断根接木法と称し、根のない接苗が生成され、販売され
るようになってきた。この一例としては、例えば特開平
11−313544号公報(接木育苗法)に示されてい
るものの例がある。この断根苗の接木育苗法は、その特
許請求の範囲に示されているように、苗木の不必要な
枝、葉及び芽を切り取った接穂を、根の無い台木に接合
し、これを蓄冷剤と保湿シート入りの遮光した断熱材容
器内に入れ、低温高湿雰囲気中で接合部分の活着を行う
というものである。活着には、2〜3日を要する。活着
後の接苗は、直接農家に出荷され、ハウス内に植込みさ
れるか、又は苗木メーカでポットに植込みされ、育苗さ
れて後、農家に出荷される。
【0003】農家又はメーカで植込みされた接苗には、
順化(acclimatization)の手続きが必要である。即
ち、活着は低温、高湿、遮光下で行われるのに対し、植
込み場所における気象外気環境条件は大きく異なる。活
着終了時点では、葉の気孔が開いたままで、多量の水分
を発散し、勢い弱り、しおれ、枯れる可能性が高いので
ある。
【0004】従来の順化手続きは、農家において、ハウ
ス内に植込まれた接苗を、又はメーカにおいてポットに
植込まれた接苗をビニールで覆い、1週間から10日を
かけて、次第にビニール開放時間を多くして行くという
ものである。併せて初期に遮光シートで覆うこともあ
る。ビニール開放時間は、例えば初日は、1回、数秒
間、2日目は2回、十数秒間、3日目は数分、数回、と
いうように、次第に時間及び回数を増していく態様であ
る。ビニール開放手順について完全なマニュアルは無
い。しかし、季節、気候、天候に応じ、接苗に大きな負
荷が掛からぬよう、適切に開放手順を定めなければなら
ない。定めた開放手順は正確に実施されなければなら
ず、長期に亘って多くの手間を必要としていた。
【0005】一方、近時、本発明者等は、根の無い接苗
の貯蔵方法を発明した。これは、根の無い台木に接穂を
接木し、接木直後の根の無い接苗を培地に立て又は挿し
て垂直に立て、湿潤空気中、微弱光線を照射しながら低
温で保存することにより、1ヶ月以上の貯蔵が可能にな
るというものである。また、この貯蔵中に接合部分の活
着を行うこともできる。これにより、活着及び発根条件
を整えるための手続き及び設備を他に必要とせず、貯蔵
に次いで即出荷でき、高品質で付加価値の高い苗を出荷
できる。また、貯蔵可能期間は1ヶ月以上と長く、その
間いつでも出荷できるので、所要の接苗を前月中に準備
しておくことができ、季節変動の激しい需要に対し平準
化された生産体制で対応可能となる。
【0006】しかしながら、このような貯蔵を行っての
接苗にあっても、植込み後は、前述同様の順化手続きを
踏まねばならなかった。植込み後の順化手続きは、長期
に亘って確実に実行されなければならない。途中で手続
きを失敗すると、全植込み苗が枯れてしまう可能性も有
る。例えば、農家においてハウス内に植込まれた苗の順
化手続き中、ビニールを閉鎖し忘れたり、開放を怠ると
全植込み苗が枯れてしまうことが有る。簡略法、あるい
は容易な実施法等が期待されるところである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑みて、現在、農家又は苗木メーカが行っている、
植込み苗の順化手続きを皆無か又は相当簡略化できる接
苗の事前順化方法、及び該方法により得られた接苗、並
びに前記事前順化方法に使用する装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできる本発明の接苗の事前順化方法は、挿接ぎ又は切
接ぎによる接苗を適宜培地に挿して垂直に立て、5〜1
5℃の低温、70〜100%の高湿、光合成有効光量子
束密度0〜30μmol/(m2・s)での微弱光線照
射の条件下で活着させ、次いで前記条件の内少なくとも
前記高湿条件を気象外気環境湿度へ向け2〜3日をかけ
て段階的又は連続的に変化させ、前記接苗を前記気象外
気環境に事前に順化させ、その後の植込み及び育苗にお
ける本順化の手続きの1部又は全てを省略することを特
徴とする。
【0009】活着の手続きでは、接苗を垂直に立てるこ
と、5〜15℃の低温下に置くこと、相対湿度70〜1
00%の高湿化に置くこと、光合成有効光量子束密度0
〜30μmol/(m2・s)の微弱光線を照射するこ
とを条件とする。
【0010】培地は、必ずしも必要条件で無い。培地と
しては、2%アガロースゲル等を用いることができる。
光合成有効光量子束密度が0μmol/(m2・s)を
含むのは、活着手続きは遮光下でも可能であることを示
す。垂直に立てるのは、極自然な安眠状態を保ち、接苗
のもつ養分が枝、葉、芽の成長に使われることが無いよ
うにするためである。
【0011】活着に次ぐ事前順化の手続きでは、特に湿
度を活着時の高湿条件から気象外気環境湿度へ向け、2
〜3日をかけて段階的又は連続的に変化させる。これに
より本来の順化手続の1部又は全てを省略できる事前順
化ができる。気象外気環境温度とは、当該季節における
予定外気温度を示す。他の条件も連れて変化させても良
いが必要条件では無い。湿度が高い状態では活着済みの
接苗の葉の気孔が完全に開いている。そこで湿度を気象
外気環境温度へ向けて変化させることにより、開いた気
孔に活を入れ、閉じた状態で外気に順化できると考えら
れる。
【0012】本発明によれば、接苗を事前順化させるこ
とができるので、植込み苗の順化手続きの1部又は全て
を省略できる。1部とは、真夏の日照りの強い、乾燥し
たような条件下では、やはり、1〜2日の短時間の養生
的順化手続きを行った方がよいと考えられるからであ
る。基本的には、養生は必要であるものの、植込み苗の
順化手続きは、略全て省略することができる。従来の1
0日前後必要としていた順化手続きと比べれば全体的に
略100%省略できる。
【0013】前記活着及び前記事前順化の間に、前記活
着条件と類似の条件で制御される1〜30日以上の貯蔵
手続きを含めることもできる。即ち、活着、事前順化、
並びに貯蔵条件は、いずれも垂直姿勢、培地、温度、湿
度、光の5条件を1部変化させて行われるものであり、
同一室内で連続して実施できる。従って、活着及び事前
順化の間の貯蔵手続きを含めて、出荷調整しながらの活
着、順化手続きの実施が可能である。活着及び貯蔵並び
に順化についての前記5条件の変化を示すと次表1の通
りである。
【0014】
【表1】 表1に示すように、姿勢については、いずれも垂直とし
なければならない。培地については、貯蔵では、必要条
件でなる。培地は、例えばアガロースゲルに挿すことが
できるが、根の無い接苗では、根の切断部に直径3〜8
mmのアガロースゲルの玉を付着させることができる。
また、水培地とすることもできる。活着及び順化では、
培地は必要条件では無い。従って、貯蔵と組合わせて手
続きする場合には培地を必要条件とし、そうで無い場合
には培地不要であるといえる。光は、活着では、遮光状
態でも良いが、貯蔵では2〜30μmol/(m2
s)の微弱光線下の方が良い。事前順化では、貯蔵のと
きのままでも良く、より高照度へ変化させても良い。
【0015】以上により、挿接ぎ又は切接ぎによる接苗
を適宜培地に挿して垂直に立て、5〜15℃の低温、7
0〜100%の高湿、光合成有効光量子東密度0〜30
μmol/(m2・s)での微弱光線照射の条件下で活
着させ、適宜貯蔵し、次いで前記条件の内少なくとも前
記高湿条件を気象外気環境湿度へ向け2〜3日をかけて
段階的又は連続的に変化させ、前記接苗を前記気象外気
環境に順化させて得たことを特徴とする事前順化接苗に
よれば、植込み後の順化手続きの1部又は全てを省略し
て育苗できる。
【0016】本発明の接苗の事前順化装置は、上記方法
を実施するためのコンテナ型又は倉庫型の装置であっ
て、前記接苗を収納するトレーと、該トレーを収納する
棚と、各棚毎に設けられ前記接苗に光合成有効光量子束
密度0〜30μmol/(m2・s)の微弱光線を照射
する照明器具と、前記条件を満足する温度及び湿度並び
に微弱光線光量を制御する電気制御装置を備えたことを
特徴とする。
【0017】本装置は、接苗の活着及び事前順化、又は
活着及び貯蔵並びに事前順化の手続きを表1に従って制
御し、事前順化済みの接苗を製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図1及び図2は接苗の作り方
の説明図、図3は事前順化装置の説明図、図4は湿度制
御方法の説明図、図5は生産販売方式の説明図である。
【0019】図1に示すように、挿接ぎは、2枚の葉を
残した台木1の頂部に針状物で穴を明け、ここに接穂2
を差し込むことで行われる。
【0020】図2に示すように、切り接ぎは、根を切り
取った台木3の上端を斜めに切り取り、数枚の葉を付け
た接穂4の下端を斜めに切り取り、両者をウィッズ(商
品名)と呼ばれる弾性接合材5で接合したものである。
【0021】図3は、図1及び図2の如くして作った接
苗6の接ぎ木部分を活着させ、貯蔵し、事前順化するこ
とのできる倉庫型又はコンテナ型の保育装置7の概要、
構成を示す説明図である。保育装置7は、活着、貯蔵、
事前順化の手続きを夫々単独で実施することができるも
の(U型、S型、A型)と、貯蔵を中心として、これに
活着又は事前順化を組合わせて実施できるもの(US
型、SA型)と、全てを組合わせて実施できUSA型と
がある。図3に示すものは、USA型の例である。
【0022】保育装置7は、室内8の左右に多段の棚9
を有し、各棚9に図1及び図2で示した接苗6をアガロ
ースゲル中に挿したトレー10を出し入れ自在の形で収
納できるようになっている。各棚9の上部には、接苗6
に微弱な光合成有効光量子束密度の光を照射できる照明
器具11が設けられている。一方、保育装置7の一側、
例えば上部には制御ボックス12が設けられている。制
御ボックス12は、湿度調整装置13と、温度調整装置
14と、室内空気の循環を行う循環ファン15と、これ
らの制御装置16とを有している。
【0023】制御装置16は、一般的なコンピュータで
構成され、制御内容の操作を行うための操作部と、指令
の内容を記憶する記憶部と、各機器や装置11,13,
14,15に制御信号を送る制御部を有している。湿度
調整は、霧吹き装置を主体として構成される。温度調整
装置14は、エアコンで構成される。低温高湿度を作る
ときには、エアコン吸気の霜取りが問題となるので、エ
アコンによる温度調節は、直接室内温度調節を行わず、
別の乾燥空気を吸気させて、2重槽の室内外装部を冷却
する構造とする。以上の構成により、循環空気中で温度
3〜35℃、相対湿度0〜100%の温湿度制御を行う
ことができる。
【0024】図3で示した保育装置7を用いての接苗6
の活着、貯蔵、事前順化の手続き制御の概要は表1に示
した通りである。表1に示すように、姿勢については、
いずれも垂直としなければならない。培地については、
貯蔵では、必要条件である。培地は、例えばアガロース
ゲルに挿すことができるが、根の無い接苗では、根の切
断面に直径3〜8mmのアガロースゲルの玉を付着させ
ることができる。また、水培地とすることができる。活
着及び順化では、培地は必要条件では無い。従って、貯
蔵と組合わせて手続きする場合には培地を必要条件と
し、そうで無い場合には、培地不要であるといえる。光
は、活着では、遮光状態でも良いが、貯蔵では2〜30
μmol/(m2・s)の微弱光線下の方が良い。事前
順化では、活着や貯蔵のときのままでも良く、より高照
度へ変化させても良い。
【0025】図4に示すように、事前順化の手続きで
は、相対湿度を活着又は貯蔵の高湿度70〜100%、
例えば90%から気象外気環境湿度、例えば40%へ向
け、2〜3日かけて段階的又は連続的に変化させる。変
化のさせ方は、直線制御線図17と、段階制御線図18
と、放物線制御線図19に従う例がある。気象外気環境
湿度は、季節により異なり、その時期の平均的外気湿度
で定める。事前順化は、本来の順化とは異なり、接苗6
を外気環境に順応させるというものでは無く、保育装置
7から出し、植込みを行ったときの順化手続きの1部又
は全てを省略できるという新規の手法である。従って、
事前順化手続きにおいて、温度、及び光の条件について
は、外気環境条件に変化させるのは必ずしも好ましく無
い。変化させるにしても2〜3日の手続き期間中、極後
半の半日分において僅か外気環境に近づける程度であ
り、可であるが寧ろ大きく変化させない方が良い。その
理由は、いわば事前順化手続きは貯蔵の延長上で行われ
るべき手続きであり、手続き中に例えば30℃の高温、
或いは、高照度の光を照射すると、その時点で接苗6が
活性化し、気孔を開け、しおれてしまう恐れの方が大だ
からである。
【0026】以上の手続きにより生産された事前順化手
続き済みの接苗(事前順化接苗)20は、気孔が閉じた
状態の接苗である。この事前順化接苗20を土壌、又は
ポット中に植込み育苗すると、即発根し、先に水分蒸発
して枯れてしまうようなことが無い。従って、従来必要
にした1週間ないし10日の長期に亘る順化手続きは不
要となり、養生として、夏の日差しの強い日に遮光シー
トをかける程度で十分育成できるようになる。
【0027】図5に接苗6を活着及び貯蔵並びに事前順
化して農家に出荷する生産及び貯蔵のルートを示した。
第1のルートR1は、苗木メーカ側で、接木し、保育装
置7を用いた活着及び貯蔵し、保冷容器を用いて農家の
所在する農業協同組合等販売店に送り、そこで事前順化
手続きを行って農家に事前順化接苗20を渡し、農家で
植込み育苗するというものである。農家は、事前順化接
苗20を植込みするので季節に合った養生をするのみ
で、順化手続きは不要である。
【0028】第2のルートR2は、メーカ側で、接木
し、保育装置7を用いて活着及び貯蔵並びに事前順化
し、それをペーパーポット21のような培地へ植込み、
通常の順化手続き無しで容易に育苗し、それを段ボール
等に詰め、農家へ供給しようとするものである。順化手
続きが不要であるので、その分安価な苗を提供できる。
【0029】第3のルートは、メーカ側で接木した接苗
6を、前記USA型の保育装置と同様構造のコンテナ2
2に入れ、ここで活着及び事前順化を行いつつ農家へ向
けて輸送するというものである。事前順化は、到着予定
日の2〜3日前から開始される。本ルートR3は、外国
への輸出等、長期輸送が必要なとき利用されるものであ
り、活着及び事前順化を除く日々は、貯蔵されて輸送さ
れる。農家に到着した接苗20は、事前順化手続き済み
ものであるので、植込み後、通常の順化手続きを省略で
き、容易、確実に育苗できる。
【0030】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のでは無く、本発明の要旨を逸脱することのない範囲で
適宜設計的変更を加え、各種態様で実施できる。
【0031】
【発明の効果】以上の通り本発明は、接苗を低温、高
湿、遮光ないし微弱光線の活着又は貯蔵の条件下に次い
で、高湿条件を2〜3日をかけて気象外気環境湿度へ向
けて段階的又は連続的に変化させて事前順化手続きを行
うものである。従って、これにより得られた事前順化接
苗は、植込み後の通常順化手続きの1部又は全てを省略
することができる。
【0032】事前順化接苗は、通常順化手続きが不要と
なるので、手間を省略でき、順化失敗による立枯れ事故
を防ぎ、育苗率を格別向上することができる。
【0033】また、本発明の事前順化を行うことのでき
る保育装置によれば、光、温度、湿度等を基本的にはそ
のままとして湿度条件を変化させるのみで簡易に事前順
化できる。また、活着及び貯蔵並びに事前順化を行うこ
とのできる保育装置を用いて、活着及び又は貯蔵に次い
で事前順化を行うことができる。さらに、これら保育装
置を接木メーカと接苗使用農家の間に形成される各種ル
ートに対応させ、接苗のゆりかご的役割を持たせること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】挿接ぎによる接苗の説明図である。
【図2】切接ぎによる接苗の説明図である。
【図3】事前順化手続きを行うことのできる保育装置の
内部構成を示す説明図である。
【図4】上記保育装置が行う事前順化手続きの湿度制御
状況を示す時間及び湿度の線図である。
【図5】接苗を活着及び貯蔵並びに事前順化して農家に
出荷するルートで示す事前順化接苗の生産及び販売方式
の説明図である。
【符号の説明】
1、3 台木 2,4 接穂 5 弾性接合材 6,20 接苗 7 保育装置 8 保育装置の室内 9 棚 10 トレー 11 照明器具 12 制御ボックス 13 湿度調節装置 14 温度調節装置 15 循環ファン 16 制御装置 17 直線制御線図 18 段階制御線図 19 放物制御線図 20 事前順化接苗 21 ペーパーポット(培地) 22 コンテナ R1,R2,R3 生産及び販売のルート
フロントページの続き (72)発明者 丸雄 かほり 愛媛県北宇和郡津島町北灘甲88−1 ベル グアース株式会社内 Fターム(参考) 2B022 DA08 DA17 DA19 DA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿接ぎ又は切接ぎによる接苗を適宜培地
    に挿して垂直に立て、5〜15℃の低温、70〜100
    %の高湿、光合成有効光量子束密度0〜30μmol/
    (m2・s)での微弱光線照射の条件下で活着させ、次
    いで前記条件の内少なくとも前記高湿条件を気象外気環
    境湿度へ向け2〜3日をかけて段階的又は連続的に変化
    させ、前記接苗を前記気象外気環境に事前に順化させ、
    その後の植込み及び育苗における通常順化の手続きの1
    部又は全てを省略することを特徴とする接苗の事前順化
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の事前順化方法におい
    て、前記活着及び前記事前順化の手続きの間に、前記活
    着条件と類似条件で制御される1〜30日以上の貯蔵の
    手続きを含むことを特徴とする接苗の事前順化方法。
  3. 【請求項3】 挿接ぎ又は切接ぎによる接苗を適宜培地
    に挿して垂直に立て、5〜15℃の低温、70〜100
    %の高湿、光合成有効光量子東密度0〜30μmol/
    (m2・s)での微弱光線照射の条件下で活着させ、適
    宜貯蔵し、次いで前記条件の内少なくとも前記高湿条件
    を気象外気環境湿度へ向け2〜3日をかけて段階的又は
    連続的に変化させ、前記接苗を前記気象外気環境に順化
    させて得たことを特徴とする事前順化接苗。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の方法を実施する
    ためのコンテナ型又は倉庫型の装置であって、前記接苗
    を収納するトレーと、該トレーを収納する棚と、各棚毎
    に設けられ前記接苗に光合成有効光量子束密度0〜30
    μmol/(m2・s)の微弱光線を照射する照明器具
    と、前記条件を満足する温度及び湿度並びに微弱光線光
    量を制御する電気制御装置を備えたことを特徴とする接
    苗の事前順化装置。
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