JP2003303942A - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置

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JP2003303942A
JP2003303942A JP2002110746A JP2002110746A JP2003303942A JP 2003303942 A JP2003303942 A JP 2003303942A JP 2002110746 A JP2002110746 A JP 2002110746A JP 2002110746 A JP2002110746 A JP 2002110746A JP 2003303942 A JP2003303942 A JP 2003303942A
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signal
filter
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Tatsuya Kunikiyo
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    • G11C16/06Auxiliary circuits, e.g. for writing into memory
    • G11C16/08Address circuits; Decoders; Word-line control circuits
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    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H11/00Networks using active elements
    • H03H11/02Multiple-port networks
    • H03H11/04Frequency selective two-port networks
    • H03H11/12Frequency selective two-port networks using amplifiers with feedback
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
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    • H03H11/02Multiple-port networks
    • H03H11/04Frequency selective two-port networks
    • H03H11/12Frequency selective two-port networks using amplifiers with feedback
    • H03H11/1204Distributed RC filters

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタや増幅器等を含むアナログ回路にお
いて、製造工程時の加工ばらつきに起因する各素子の値
のばらつきを補正できるアナログ回路を提供する。 【解決手段】 フィルタFT1は、磁気トンネル抵抗M
RとキャパシタCとがL字型に接続されたローパスフィ
ルタである。なお、フィルタFT1においては、端子T
1およびT2が入力端子となり、端子T3およびT4が
出力端子となる。また、磁気トンネル抵抗MRの磁化の
方向を変える電流は、電流源IPを介して供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアナログ回路に関
し、特に抵抗素子として磁気トンネル抵抗素子を含むア
ナログ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、一般的なフィルタの構成について
説明する。 <L型1次フィルタ>図39および図40に、抵抗Rと
キャパシタCとがL字型に接続されたローパスフィルタ
(Low Pass Filter:以下LPFと呼称)およびハイパ
スフィルタ(High Pass Filter:以下HPFと呼称)を
示す。
【0003】図39において、端子T1とT3との間に
抵抗Rが介挿され、端子T2とT4とを結ぶ配線と抵抗
Rの端子T3側の端部との間にキャパシタCが介挿され
ている。
【0004】図40において、端子T1とT3との間に
キャパシタCが介挿され、端子T2とT4とを結ぶ配線
とキャパシタCの端子T3側の電極との間に抵抗Rが介
挿されている。ここで、端子T1およびT2が入力端子
であり、端子T3およびT4が出力端子である。
【0005】なお、図41に示すように、インピーダン
スZ1およびZ2がL字型に接続されたフィルタをL型
1次フィルタと呼称し、図39および図40はこれに含
まれる。
【0006】フィルタの特性は、フィルタの出力信号の
入力信号に対する比を表す伝達関数で記述され、下記の
数式(1)で表される。
【0007】
【数1】
【0008】上記数式(1)において、s=jωで、j
は虚数単位、ωは角周波数である。
【0009】減衰特性は、下記の数式(2)で表され
る。
【0010】
【数2】
【0011】上記数式(2)より、1桁減衰すると、2
0dB下がる(20dB/dec)ことが判る。
【0012】ここで、図41のフィルタを1次フィルタ
と呼称するのは、当該フィルタの伝達関数の分母、ある
いは、分子が、s(=jω)の1次関数で記述されるか
らである。
【0013】例えば、図39および図40のフィルタの
場合、伝達関数HLPF(s)およびHHPF(s)はそれぞ
れ、下記の数式(3)および数式(4)で表される。
【0014】
【数3】
【0015】
【数4】
【0016】図42および図43に、それぞれ、LPF
およびHPFのボーデ(ボード)線図(Bode diagram)
を模式的に示す。図42および図43においては、横軸
に周波数を対数表示で、縦軸に減衰率を対数表示で示
す。
【0017】図42に示すLPFの周波数特性は、低周
波数領域では入力信号が減衰せずに出力され、高周波数
領域では入力信号が減衰してほとんど出力されないこと
を示している。
【0018】一方、図43に示すHPFの周波数特性
は、高周波数領域では入力信号が減衰せずに出力され、
低周波数領域では入力信号が減衰してほとんど出力され
ないことを示している。
【0019】<L型2次フィルタ>図44にL型2次フ
ィルタと呼称されるフィルタの一例を示す。図44にお
いて、端子T1とT3との間に抵抗Rおよびインダクタ
Lが直列に介挿され、端子T2とT4とを結ぶ配線とイ
ンダクタLの端子T3側の端部との間にキャパシタCが
介挿されている。
【0020】ここで、図44のフィルタを2次フィルタ
と呼称するのは、当該フィルタの伝達関数の分母、ある
いは、分子が、s(=jω)の2次関数で記述されるか
らである。
【0021】図44のフィルタはLPFであり、その伝
達関数H(s)は下記の数式(5)で表される。
【0022】
【数5】
【0023】ここで、下記の数式(6)および数式
(7)と、s=jωpの関係から、伝達関数H(s)は
数式(8)のように変形される。
【0024】
【数6】
【0025】
【数7】
【0026】
【数8】
【0027】数式(8)に着目すると、ω=ωpのとき
に共振特性を示すことが判る。そのときの伝達関数の絶
対値はQ値(選択度)に等しくなる。すなわち、共振を
抑えるためには、Q値をなるべく小さくすることが望ま
しい。
【0028】図44に示すLPFのボーデ線図の模式図
を図45に示す。図45においては、横軸に数式(6)
で示される角周波数を、縦軸に減衰率を示し、Q値が
0.8、2、および10の場合のボーデ線図を示してい
る。
【0029】図45に示すように、Q値が大きいほど、
共振周波数ωpの近傍でフィルタの特性が歪むことが判
る。
【0030】図44に示すLPFは、図46に示すよう
に、インピーダンスZ1、Z2およびZ3を用いて示さ
れ、これらのインピーダンスにアサインする受動素子
(抵抗、キャパシタ、インダクタ)の組み合わせを変え
ることにより、LPFやHPFを形成することができ
る。
【0031】一般的に各種の2次フィルタの伝達関数
は、以下の数式(9)、(10)、(11)および(1
2)で表される。
【0032】
【数9】
【0033】
【数10】
【0034】
【数11】
【0035】
【数12】
【0036】ここで、数式(9)および(10)は、そ
れぞれLPFおよびHPFの伝達関数を表し、数式(1
1)および(12)は、それぞれバンドパスフィルタ
(BandPass Filter:以下BPFと呼称)およびバンド
リジェクトフィルタ(Band Reject Filter:以下BRF
と呼称)の伝達関数を表す。
【0037】L型2次フィルタの他の例としては、図4
1に示すL型1次フィルタを2つ接続した図47に示す
ような構成がある。
【0038】図47に示すように、端子T1とT3との
間にインピーダンスZ1が介挿され、端子T2とT4と
を結ぶ配線とインピーダンスZ1の端子T3側の端部と
の間にインピーダンスZ2が介挿されている。また、端
子T3とT5との間にインピーダンスZ3が介挿され、
端子T4とT6とを結ぶ配線とインピーダンスZ3の端
子T5側の端部との間にインピーダンスZ4が介挿され
ている。ここで、端子T1およびT2が入力端子であ
り、端子T5およびT6が出力端子である。
【0039】図47に示すフィルタも伝達関数の分母、
および、分子が2次関数で記述されるので、L型2次フ
ィルタと呼ばれている。
【0040】例えば、Z1=R1、Z2=1/sC2、
Z3=R3、Z4=1/sC4となるように受動素子を
アサインするとLPFが形成される。ここで、R1およ
びR3は抵抗値、C2およびC4は容量値、s=jωで
ある。
【0041】また、Z1=1/sC1、Z2=R2、Z
3=1/sC3、Z4=R4となるように受動素子をア
サインするとHPFが形成される。ここで、R2および
R4は抵抗値、C1およびC3は容量値である。
【0042】さらに,Z1=1/sC1、Z2=R2、
Z3=1/sC3、Z4=R4となるように受動素子を
アサインすると、前段のL型フィルタがHPFとなり、
後段のL型フィルタがLPFとなる。この場合のボーデ
線図を図48に示す。
【0043】図48においては、横軸に周波数を対数表
示で、縦軸に減衰率を対数表示で示す。図48に示すよ
うに、一定の周波数領域のみ、入力信号が出力される。
このような機能を有するフィルタがバンドパスフィルタ
(BPF)である。
【0044】なお、図47において、Z1=R2、Z2
=1/sC1、Z3=1/sC4,Z4=R3となるよ
うに受動素子をアサインしても、同様なBPFを実現す
ることができる。
【0045】<T型ブリッジ2次フィルタ>図49にT
型ブリッジ2次フィルタと呼称されるフィルタの一例を
示す。図49に示すように、端子T1とT3との間にイ
ンピーダンスZ1およびZ3が直列に介挿され、端子T
2とT4とを結ぶ配線とインピーダンスZ1およびZ3
を結ぶ配線との間にインピーダンスZ2が介挿されてい
る。また、端子T1とT3との間には、インピーダンス
Z1およびZ3に平行するようにインピーダンスZ4が
接続されている。
【0046】この構成において、例えば、Z1=1/s
C1、Z2=R2、Z3=1/sC3、Z4=R4とな
るように受動素子をアサインすると、インピーダンスZ
1、Z2およびZ3がHPFを形成し、インピーダンス
Z4がLPFを形成する。
【0047】すなわち、入力信号が高周波数のときは、
インピーダンスZ1、Z2およびZ3で形成されるHP
Fを通って入力信号が出力され、入力信号が低周波数の
ときは、インピーダンスZ4を経由して入力信号が出力
される。換言すれば、インピーダンスZ1、Z2、Z3
がHPFとして機能し、インピーダンスZ4がLPFと
して機能する。その結果、入力信号が全く出力されない
周波数領域が存在する。この場合のボーデ線図を図50
に示す。
【0048】図50においては、横軸に周波数を対数表
示で、縦軸に減衰率を対数表示で示す。図50に示すよ
うに、一定の周波数領域のみ入力信号を出力しない特性
となる。このような機能を有するフィルタがバンドリジ
ェクトフィルタ(BRF)である。
【0049】なお、Z1=R1、Z2=1/sC2、Z
3=R3、Z4=1/sC4となるように受動素子をア
サインしても、同様な機能を有するBRFを形成するこ
とができる。
【0050】<ツインT型ブリッジ2次フィルタ>図5
1にツインT型ブリッジ2次フィルタと呼称されるフィ
ルタの一例を示す。図51に示すように、入力端子であ
る端子T10と出力端子である端子T20の間に、イン
ピーダンスZ4およびZ6が直列に介挿され、またイン
ピーダンスZ1およびZ3が直列に介挿されている。そ
して、インピーダンスZ4およびZ6を結ぶ配線と接地
電位との間にはインピーダンスZ5が介挿され、インピ
ーダンスZ1およびZ3を結ぶ配線と接地電位との間に
はインピーダンスZ2が介挿されている。
【0051】この構成において、例えば、Z1=R1、
Z2=1/sC2、Z3=R3、Z3=1/sC4、Z
5=R5、Z6=1/sC6、かつ、C1=C3=C5
/2、R2=2R4=2R6となるように受動素子をア
サインすると、図51に示すフィルタはBRFとして機
能する。
【0052】<2次のアクティブ・フィルタ(Sallen ke
y型)>トランジスタ、オペアンプ、負性抵抗素子、ジャ
イレータ(gyrator)などの能動素子を含むフィルタを
アクティブ・フィルタと呼称する。図52に、Sallenke
y型2次フィルタと呼称されるアクティブ・フィルタの
一例を示す。
【0053】図52に示すように、入力端子である端子
T10と、オペアンプ(演算増幅器)OPの非反転入力
端子との間に、インピーダンスZ1およびZ2が直列に
介挿され、オペアンプの出力端子が、端子T20に接続
されている。
【0054】そして、インピーダンスZ2と非反転入力
端子とを結ぶ配線と接地電位との間にインピーダンスZ
3が介挿され、インピーダンスZ1とZ2との接続ノー
ドとオペアンプOPの出力端子との間にインピーダンス
Z4が介挿されている。
【0055】また、オペアンプOPの出力端子と接地電
位との間には、抵抗R2およびR1が直列に介挿され、
抵抗R2とR1との接続ノードはオペアンプOPの反転
入力端子に接続されている。
【0056】この構成において、インピーダンスZ1〜
Z4に対して下記の表1に示す組み合わせのように受動
素子をアサインすることにより、LPF、HPF、BP
Hを実現することができる。
【0057】
【表1】
【0058】ここで、LPFの場合、1+R2/R1=
Kとした場合のK値が3に近づくとQ値が大きくなるの
で、Q値の調整が難しくなる。
【0059】図53に、LPFの場合のK値とQ値との
関係を示す。図53に示すように、K値が3に近づくと
Q値が限りなく増大することが判る。そして、先に説明
したように、Q値が大きいほど共振周波数の近傍でフィ
ルタの特性が歪むので、K値が3に近づかないように抵
抗R1およびR2の値を設定することが望ましい。
【0060】<2次のアクティブ・フィルタ(無限帰還
型)>アクティブ・フィルタの他の例として、図54に
無限帰還型2次フィルタの構成を示す。
【0061】図53に示すように、入力端子である端子
T10と、オペアンプ(演算増幅器)OPの反転入力端
子との間に、インピーダンスZ1およびZ3が直列に介
挿され、オペアンプの出力端子が、端子T20に接続さ
れている。なお、オペアンプOPの非反転入力端子は接
地電位に接続されている。
【0062】そして、インピーダンスZ1とZ3との接
続ノードとオペアンプOPの出力端子との間にインピー
ダンスZ2が介挿され、インピーダンスZ1とZ3との
接続ノードと接地電位との間には、インピーダンスZ4
が介挿されている。
【0063】また、インピーダンスZ2とオペアンプの
出力端子とを結ぶ配線と、インピーダンスZ3とオペア
ンプの反転入力端子とを結ぶ配線との間には、インピー
ダンスZ5が介挿されている。
【0064】この構成において、インピーダンスZ1〜
Z5に対して下記の表2に示す組み合わせのように受動
素子をアサインすることにより、LPF、HPF、BP
Hを実現することができる。
【0065】
【表2】
【0066】<2次のアクティブ・フィルタ(Biquad)>
アクティブ・フィルタの他の例として、図55に、3個
のオペアンプを用いたBiquadratic circuit(略称:Biq
uad)の一種である、Tow-Thomas biquad 回路を示す。
【0067】図55において、入力端子である端子T1
0と出力端子である端子T20との間に、オペアンプO
P1、OP2およびOP3が直列に接続されている。
【0068】そして、端子T10とオペアンプOP1の
反転入力端子との間には抵抗R1が介挿され、オペアン
プOP1の出力端子とオペアンプOP2の反転入力端子
との間には抵抗R2が介挿され、オペアンプOP2の出
力端子とオペアンプOP3の反転入力端子との間には抵
抗R3が介挿されている。なお、オペアンプOP1〜O
P3の非反転入力端子は接地電位に接続されている。
【0069】また、オペアンプOP1の反転入力端子と
出力端子との間には、キャパシタC1および抵抗R4が
並列に介挿され、オペアンプOP2の反転入力端子と出
力端子との間にはキャパシタC2が介挿され、オペアン
プOP3の反転入力端子と出力端子との間には抵抗R5
が介挿され、オペアンプOP1の反転入力端子とオペア
ンプOP3の出力端子との間には抵抗R6が介挿されて
いる。
【0070】このようなフィルタの特徴としては、高い
Q値の実現が可能であること、素子感度が小さく、調整
が容易であること、同一回路で、BPF、LPF、BP
F出力が得られること、等が挙げられる。
【0071】例えば、オペアンプOP1の出力端子は、
入力信号に対してBPFの出力を行い、オペアンプOP
2の出力端子は、入力信号に対してLPFの出力を行
う。
【0072】また、図56に、3個のオペアンプを用い
たBiquadの一種であるKHNBiquad回路を示す。
【0073】図56において、入力端子である端子T1
0と出力端子である端子T20との間に、オペアンプO
P1、OP2およびOP3が直列に接続されている。
【0074】そして、端子T10とオペアンプOP1の
反転入力端子との間には抵抗R1が介挿され、オペアン
プOP1の出力端子とオペアンプOP2の反転入力端子
との間には抵抗R2が介挿され、オペアンプOP2の出
力端子とオペアンプOP3の反転入力端子との間には抵
抗R3が介挿されている。なお、オペアンプOP2およ
びOP3の非反転入力端子は接地電位に接続されてい
る。
【0075】また、オペアンプOP1の反転入力端子と
出力端子との間には、抵抗R4が介挿され、オペアンプ
OP2の反転入力端子と出力端子との間にはキャパシタ
C1が介挿され、オペアンプOP3の反転入力端子と出
力端子との間にはキャパシタC2が介挿され、オペアン
プOP1の非反転入力端子とオペアンプOP2の出力端
子との間には抵抗R5が介挿され、オペアンプOP1の
反転入力端子とオペアンプOP3の出力端子との間には
抵抗R6が介挿されている。
【0076】KHNBiquad回路は、Kerwin、Huelsman、
Newcombの頭文字を取って名付けられており、オペアン
プOP1の出力端子は、入力信号に対してHPFの出力
を行い、オペアンプOP2の出力端子は、入力信号に対
してBPFの出力を行い、オペアンプOP3の出力端子
は、入力信号に対してLPFの出力を行う。
【0077】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
フィルタには抵抗素子が用いられるが、従来の抵抗素子
には、金属、ドープトポリシリコン、スイッチドキャパ
シタ、OTA(operational transconductance amplifie
r)等が用いられていた。
【0078】しかしながら、抵抗を構成する構造が何で
あれ、製造工程時の加工ばらつきに起因する抵抗値のば
らつきは避けられないため、同じフィルタを製造して
も、その周波数特性にばらつきが生じるという問題点が
あった。
【0079】また、フィルタの周波数特性のばらつきを
抑えるため、可変抵抗を用いることも考えられるが、微
小なサイズの可変抵抗を形成することが困難であるた
め、事実上、実現できなかった。これはフィルタ以外の
半導体集積回路においても同様であった。
【0080】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
もので、フィルタや増幅器等を含むアナログ回路におい
て、製造工程時の加工ばらつきに起因する各素子の値の
ばらつきを補正できるアナログ回路を提供することを目
的とする。
【0081】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の半導体記憶装置は、複数の磁気トンネル抵抗素子で
構成され、前記複数の磁気トンネル抵抗素子を単独でお
よびまたは組み合わせて、単独およびまたは組み合わせ
ごとに抵抗値を変更することで複数種類の抵抗値を得る
可変抵抗部を有し、複数の制御信号により、前記複数の
磁気トンネル抵抗素子の抵抗値を、単独およびまたは組
み合わせごとに変更可能なアナログ回路と、前記複数の
制御信号を出力する制御部と、メモリセルアレイとを少
なくとも備える半導体記憶装置であって、前記半導体記
憶装置は、アドレス端子を時分割で使い分けるアドレス
信号多重化方式の半導体記憶装置であり、前記制御部
は、前記メモリセルアレイのアドレスデコーダを前記少
なくとも1つの磁気トンネル抵抗素子の抵抗値制御のた
めのデコーダとして兼用し、前記アドレスデコーダは、
前記少なくとも1つの磁気トンネル抵抗素子の抵抗値制
御に際しては、前記アドレス端子に時分割で与えられる
磁気トンネル抵抗素子制御信号に基づいて制御される。
【0082】本発明に係る請求項2記載の半導体記憶装
置は、アドレスデコーダが、ワード線デコーダである。
【0083】本発明に係る請求項3記載の半導体記憶装
置は、アドレスデコーダが、ビット線デコーダである。
【0084】本発明に係る請求項4記載の半導体記憶装
置は、前記アナログ回路が入力信号をフィルタリングす
るフィルタであり、キャパシタおよびインダクタの少な
くとも1方をさらに備え、前記可変抵抗部は、前記キャ
パシタおよび前記インダクタの少なくとも1方に接続さ
れる。
【0085】本発明に係る請求項5記載の半導体記憶装
置は、前記アナログ回路が入力信号を増幅する増幅装置
であり、増幅器をさらに備え、前記可変抵抗部は、前記
増幅器の入力に電気的に接続されている。
【0086】本発明に係る請求項6記載の半導体記憶装
置は、前記アナログ回路が差動増幅器であり、演算増幅
器をさらに備え、前記可変抵抗部は、前記演算増幅器の
非反転入力と出力との間、およびまたは、前記演算増幅
器の反転入力と出力との間に接続されている。
【0087】本発明に係る請求項7記載の半導体記憶装
置は、前記アナログ回路が比較器であり、演算増幅器を
さらに備え、前記可変抵抗部は、前記演算増幅器の非反
転入力と出力との間、およびまたは、前記演算増幅器の
非反転入力に接続されている。
【0088】本発明に係る請求項8記載の半導体記憶装
置は、前記アナログ回路が入力電圧を電流に変換して出
力する電圧/電流変換回路であり、増幅器と、前記増幅
器の入力と出力との間に接続された負荷抵抗とをさらに
備え、前記可変抵抗部は、前記増幅器の前記入力に電気
的に接続されている。
【0089】本発明に係る請求項9記載の半導体記憶装
置は、前記アナログ回路が加算器、積分器、乗算器およ
び微分器の少なくとも何れかを含み、それらがループ状
に接続されたアナログ計算機であり、前記可変抵抗部
が、前記加算器、前記積分器、前記乗算器および前記微
分器の少なくとも何れかを構成する抵抗素子として機能
する。
【0090】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、フィルタおよび
増幅器において、少なくとも1つの磁気トンネル抵抗素
子を含むことにある。そこで、まず、磁気トンネル抵抗
素子について説明する。
【0091】<磁気トンネル抵抗素子>図1に、一般的
な磁気トンネル抵抗素子MRの断面構造を模式的に示
す。図1に示すように、磁気トンネル抵抗素子MRは、
絶縁体3の上部に強磁性体2および1を順に積層し、絶
縁体3の下部に強磁性体4を配設した構造を有してい
る。このように、強磁性体で絶縁体を挟んだ構造を磁気
トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)と
呼称する。
【0092】なお、強磁性体4の下部には反強磁性体5
が配設されている。反強磁性体5は、強磁性体4の磁化
の方向を固定するためのもので、この構造をスピンバル
ブ型磁気トンネル接合と呼ぶ。
【0093】そして、強磁性体1および2のうち、強磁
性体1の方が保磁力が小さい材料で構成することで、外
部磁場によって、強磁性体1の磁化の方向が反転しやす
くなっている。その結果、強磁性体2の磁化の方向は強
磁性体1の磁化の方向に伴って反転する。
【0094】磁気トンネル抵抗素子MRは、層間絶縁膜
SZ内に埋め込まれており、強磁性体1上には配線プラ
グPG1が配設され、配線プラグPG1の上端面が層間
絶縁膜SZの主面において露出している。この配線プラ
グPG1の上端面に接するように、層間絶縁膜SZ上に
配線WR1が配設されている。
【0095】また、反強磁性体5の下部には金属層6が
配設され、金属層6は、金属層7に接続されている。金
属層7の下部には、配線WR2が配設され、その延在方
向は配線WR1の延在方向と平面視的に直交する方向で
ある。
【0096】配線WR2の下方には配線WR3が配設さ
れ、金属層7は、層間絶縁膜SZ中を垂直方向に延在す
る配線プラグPG2を介して、配線WR3と電気的に接
続されている。また、配線WR3は、NチャネルMOS
トランジスタTRに電気的に接続されている。
【0097】なお、図1においては、配線WR1と配線
プラグPG1との接続ノードをノードND1、配線WR
2と金属層7との接続ノードをノードND2、配線WR
3と配線プラグPG2との接続ノードをノードND3と
している。
【0098】このような構成において、配線WR1から
配線WR3に向けて電流を流すと、強磁性体1および2
の磁化の方向と強磁性体3の磁化の方向とが同一な場合
と、同一でない場合とで、絶縁体3をトンネルする電流
が異なる。
【0099】すなわち、磁化の方向が同一であれば、抵
抗は低く、異なれば、抵抗は高くなり、磁気トンネル接
合は、強磁性体の磁化の方向の向きに応じて、2つの磁
気トンネル抵抗を持つことになる。これを磁気トンネル
抵抗効果と呼称する。
【0100】磁気トンネル抵抗の変化率は約30%〜5
0%程度である。磁気トンネル抵抗の値は、強磁性体の
磁場の方向の他に、強磁性体の間に挟む絶縁体の物性や
膜厚等により変化する。なお、強磁性体1から反強磁性
体5までの積層構造の上下を逆にしても、同様の効果を
得ることができる。
【0101】磁気トンネル抵抗を変えるには、具体的に
は強磁性体1、2の磁化の方向を変えれば良い。これに
は、配線WR2に電流を流し、その周りに発生する磁場
が、磁化の方向を変えるのに必要な臨界磁場よりも大き
ければ良い。このとき、強磁性体4も同じ磁場の影響を
受けるが、反磁性体に5の存在により、強磁性体4から
放出される磁束は反強磁性体5内に入り、強磁性体4の
磁化の方向は変化しない。なお、図1においては配線W
R2に流れる電流Iの方向を双方向として矢印で示して
いるが、これはどちらかの方向に電流を流せば良いこと
を示している。
【0102】ここで、反強磁性体5には、例えばIr
(イリジウム)を20〜30atom.%含むIrMnが用
いられ、強磁性体4および2は保磁力が大きなCoFe
が用いられ、トンネルバリア層となる絶縁体3として
は、Al23を用い、強磁性体1には保磁力とスピン分
極率が小さなNi80Fe20(パーマロイ)を使用する。
【0103】図2に、磁気トンネル抵抗素子MRを表す
記号を示す。ここで、MRとはMagnetic Resistivityの
略である。
【0104】図2の記号は、配線WR2に電流を流して
発生する磁場により、ノードND1と、ノードND3と
の間の抵抗が変化する抵抗素子であることを意味してい
る。従って、この特徴を備えている磁気トンネル抵抗素
子の全てを図2の記号が包括しているのであり、図1の
構造のみに限定されるものではない。
【0105】図3に、強磁性体の磁化の方向が変化する
のに必要な磁場の大きさとその方向を示す。図3におい
ては、磁化の方向を反転させるのに必要な磁場(臨界磁
場)Hkを、磁場HxとHyとの結合磁場で形成する場
合の上記3磁場の関係を示し、上記3磁場の関係はアス
テロイド曲線と呼称される曲線で表される。
【0106】ここで、強磁性体の磁化の容易な方向をイ
ージーアクシス(easy axis)、磁化が困難な方向をハ
ードアクシス(hard axis)と呼称し、図3において
は、横軸にイージーアクシスを、縦軸にハードアクシス
示し、また、x軸方向の磁場の成分をHx、y軸方向の
磁場の成分をHyとして示している。
【0107】図3に示すように、Hx+Hy<Hkの範
囲では、磁化の方向は変化しない。一方、Hx+Hy>
Hkの範囲では、磁化の方向は変化することになる。
【0108】図4に、スピンバルブ型磁気トンネル接合
構造におけるトンネル磁気抵抗(Tunnel Magnetic Resi
stance:TMR)の実測特性を示す。
【0109】図4においては、横軸に磁場(1エルステ
ッド=約79A/mで換算)、縦軸にトンネル磁気抵抗
率(Tunnel Magnetic Resistance Rate:TMRR)を
示している。図4からは、TMRRが約36%変化する
ことを示し、磁化の方向の反転に必要な磁場が約30
(×79A/m)程度と低いこと、磁場の方向に対して
対称なヒステリシスが得られていることが判る。
【0110】<A.実施の形態1>本発明に係る実施の
形態1として、磁気トンネル抵抗素子を有する種々のフ
ィルタの構成および動作について説明する。
【0111】<A−1.フィルタの第1の例>フィルタ
の第1の例として、図5および図6を用いてフィルタF
T1の構成および動作について説明する。
【0112】図5に示すようにフィルタFT1は、磁気
トンネル抵抗MRとキャパシタCとがL字型に接続され
たローパスフィルタ(Low Pass Filter:以下LPFと
呼称)である。なお、フィルタFT1においては、端子
T1およびT2が入力端子となり、端子T3およびT4
が出力端子となる。また、磁気トンネル抵抗MRの磁化
の方向を変える電流は、電流源IPを介して供給され
る。
【0113】ここで、磁気トンネル抵抗素子MRとし
て、絶縁体を挟む2つの強磁性体の磁化の方向が同一の
場合の磁気トンネル抵抗が1MΩ、磁化の方向が異なる
場合の磁気トンネル抵抗が1.4MΩである素子を用い
た場合の、フィルタFT1の周波数特性を図6に示す。
【0114】図6においては、横軸に周波数(Hz)
を、縦軸にゲイン(dB)を示し、磁気トンネル抵抗素
子MRの磁気トンネル抵抗が1MΩの場合と、1.4M
Ωの場合の周波数特性を、それぞれ、白抜き丸および塗
り潰し丸で示している。なお、キャパシタCの静電容量
は1pFである。
【0115】図6に示すように減衰率が−100dBに
なる周波数は、抵抗値に応じて、それぞれ約17MHz
と約22MHzになる。すなわち、磁気トンネル抵抗素
子MRを用いることで約5MHzの周波数調整が可能と
なることを表している。
【0116】さらに、微調整を望む場合は、複数の磁気
トンネル抵抗素子を直列、並列あるいは格子状に組み合
わせた回路により、磁気抵抗値を組み合わせて用いるよ
うにすれば良い。
【0117】<A−2.フィルタの第2の例>フィルタ
の第2の例として、図7および図8を用いてフィルタF
T2の構成および動作について説明する。
【0118】図7に示すようにフィルタFT2は、磁気
トンネル抵抗MRとキャパシタCとがL字型に接続され
たハイパスフィルタ(High Pass Filter:以下HPFと
呼称)である。その他、図5に示すフィルタFT1と同
一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は
省略する。
【0119】ここで、磁気トンネル抵抗素子MRは、図
5に示すフィルタFT1と同様に、磁気トンネル抵抗を
1MΩおよび1.4MΩの2つに可変でき、それぞれの
磁気トンネル抵抗の場合のフィルタFT2の周波数特性
を図8に示す。
【0120】図8においては、横軸に周波数(Hz)
を、縦軸にゲイン(dB)を示し、磁気トンネル抵抗素
子MRの磁気トンネル抵抗が1MΩの場合と、1.4M
Ωの場合の周波数特性を、それぞれ、白抜き丸および塗
り潰し丸で示している。なお、キャパシタCの静電容量
は1pFである。
【0121】図8に示すように減衰率が−100dBの
場合の周波数は、抵抗値に応じて、それぞれ約1.7k
Hzと約0.78kHzになり、磁気トンネル抵抗素子
MRを用いることで約500Hzの周波数調整が可能と
なることを表している。
【0122】<A−3.フィルタの第3の例>フィルタ
の第3の例として、図9〜図11を用いてフィルタFT
3の構成および動作について説明する。
【0123】図9に示すようにフィルタFT3は、L型
1次のLPFであるが、LPFの抵抗部分を複数の磁気
トンネル抵抗素子で構成し、可変抵抗RZとしている。
すなわち、端子T1と端子T3との間に、端子T1側か
ら順に磁気トンネル抵抗素子MR6、MR5、MR4、
MR3およびMR2を直列に接続して配設し、磁気トン
ネル抵抗素子MR2およびMR3に並列に磁気トンネル
抵抗素子MR1を接続して構成される可変抵抗RZを有
し、端子T2とT4とを結ぶ配線と磁気トンネル抵抗素
子MR2の端子T3側の端部との間にキャパシタCが介
挿されている。
【0124】磁気トンネル抵抗素子MR1〜MR6の抵
抗値は、デコーダDCから与えられる制御信号D0、D
1、D2およびD3により設定される。すなわち、制御
信号D0〜3により磁気トンネル抵抗素子MR1〜MR
6の磁化の方向が制御される。
【0125】デコーダDCにはコントロールロジック部
CLからプログラム信号が与えられ、それをデコードす
ることで制御信号D0〜D3が生成される。なお、デコ
ーダDCは、可変抵抗RZの抵抗値を制御する制御部と
言うことができる。
【0126】ここで、制御信号D3は磁気トンネル抵抗
素子MR5およびMR6に与えられ、制御信号D2は磁
気トンネル抵抗素子MR4に与えられ、制御信号D1は
磁気トンネル抵抗素子MR2およびMR3に与えられ、
制御信号D0は磁気トンネル抵抗素子MR1に与えられ
る。なお、磁気トンネル抵抗素子MR2およびMR3、
磁気トンネル抵抗素子MR5およびMR6は、それぞれ
制御信号D1、D3で共通して制御されるので、磁気ト
ンネル抵抗素子直列体と呼称し、磁気トンネル抵抗素子
MR1およびMR4は、それぞれ制御信号D1およびD
3で独立して制御されるので、独立磁気トンネル抵抗素
子と呼称する。
【0127】図10には、制御信号D0〜D3の組み合
わせと、それに対応する磁気トンネル抵抗素子MR1〜
MR6の全体の磁気トンネル抵抗値との対応の一覧表を
示す。
【0128】ここで、磁気トンネル抵抗素子MR1〜M
R6の抵抗値は、何れも低い抵抗RLと高い抵抗RHの
2種類から選択可能である。
【0129】図10に示すように、例えば、制御信号D
0〜D3が0の場合には、磁気トンネル抵抗素子MR1
〜MR6のそれぞれは、何れも低い抵抗RLに設定され
るように、強磁性体の磁化の方向を設定するための電流
が流れ、制御信号D0〜D3が1の場合には、何れも高
い抵抗RHが設定されるように、強磁性体の磁化の方向
を設定するための電流が流れる。
【0130】図11に、制御信号(D3,D2,D1,
D0)=(0,0,0,0)、(0,1,1,1)、
(1,1,1,1)の場合のフィルタFT3の周波数特
性を示す。図11においては、横軸に周波数(Hz)
を、縦軸にゲイン(dB)を示し、(D3,D2,D
1,D0)=(0,0,0,0)、(0,1,1,
1)、(1,1,1,1)の場合のフィルタFT3の周
波数特性を、それぞれ白抜き丸、塗り潰し丸、塗り潰し
四角で示している。なお、抵抗RLは1MΩ、抵抗RH
は1.4MΩ、でありキャパシタCの静電容量は1pF
である。
【0131】図11において減衰率が−3dBになる周
波数は、制御信号D3,D2,D1,D0の組み合わせ
が(0,0,0,0)、(0,1,1,1)、(1,
1,1,1)の場合において、それぞれ約27kHz、
約23kHZ、約19kHZとなる。これは、制御信号
D3,D2,D1,D0の16通りの組み合わせによ
り、16種類の周波数特性が設定できることを意味して
いる。
【0132】なお、図9においては、磁気トンネル抵抗
素子直列体と独立磁気トンネル抵抗素子とが直列に接続
された構成および、磁気トンネル抵抗素子直列体と独立
磁気トンネル抵抗素子とが並列に接続された構成を併せ
て備える例を示したが、どちらか一方の構成だけで可変
抵抗を構成しても良いし、磁気トンネル抵抗素子1つだ
けで可変抵抗を構成しても良い。
【0133】<A−4.フィルタの第4の例>フィルタ
の第4の例として、図12〜図14を用いてフィルタF
T4の構成および動作について説明する。
【0134】図12に示すようにフィルタFT4は、端
子T1と端子T3との間に抵抗RZおよびインダクタL
が直列に接続され、端子T2と端子T4とを結ぶ配線と
インダクタLの端子T3側の端部との間にキャパシタC
が介挿されL型2次のLPFとなっている。
【0135】フィルタFT4における抵抗RZは、図9
を用いて説明したフィルタFT3と同様に、磁気トンネ
ル抵抗素子MR1〜MR6によって構成されている。そ
して、磁気トンネル抵抗素子MR1〜MR6の抵抗値
が、デコーダDCから与えられる制御信号D0、D1、
D2およびD3により設定される点もフィルタFT3と
同様である。
【0136】図13に、制御信号(D3,D2,D1,
D0)=(0,0,0,0)、(0,0,1,1)、
(0,1,1,1)、(1,1,1,1)の場合のフィ
ルタFT4の周波数特性を示す。
【0137】図13においては、横軸に周波数(Hz)
を、縦軸にゲイン(dB)を示し、(D3,D2,D
1,D0)=(0,0,0,0)、(0,0,1,
1)、(0,1,1,1)、(1,1,1,1)の場合
のフィルタFT3の周波数特性を、それぞれ白抜き丸、
塗り潰し丸、白抜き四角、白抜き三角で示している。な
お、磁気トンネル抵抗素子MR1〜MR6の磁気トンネ
ル抵抗は、何れも8.0kΩおよび11.2kΩの2種
類から選択可能であり、キャパシタCの静電容量は6.
25pF、インダクタンスは4.05mHである。
【0138】図13に示すように、(D3,D2,D
1,D0)=(0,0,0,0)、(0,0,1,1)
の場合には、周波数が1×106Hzの近傍において共
振が発生し、特性曲線が歪むことが判る。
【0139】ここで、制御信号(D3,D2,D1,D
0)=(0,0,0,0)、(0,0,1,1)、
(0,1,1,1)、(1,1,1,1)の場合のQ値
を図14に一覧表で示す。
【0140】図14に示すように、フィルタFT4はQ
値を制御信号D3〜D0の組み合わせにより調整するこ
とができる。例えば、Q値を0.734に設定したい場
合には、(D3、D2、D1、D0)=(0、1、1、
1)となるようにコントロールロジック部CLのプログ
ラム信号を設定しておけば良い。このように、製造工程
に起因するインダクタLやキャパシタCの値のばらつき
を磁気トンネル抵抗値によって補正して、Q値が0.8
以下の、周波数特性曲線の歪みがない、特性を実現する
ことができる。
【0141】<A−5.フィルタの第5の例>フィルタ
の第5の例として、図15および図16を用いてフィル
タFT5の構成および動作について説明する。
【0142】図15に示すようにフィルタFT5は、端
子T1とT3との間に抵抗RZ1が介挿され、端子T2
とT4とを結ぶ配線と抵抗RZ1の端子T3側の端部と
の間にキャパシタC1が介挿されている。また、端子T
3とT5との間にキャパシタC2が介挿され、端子T4
とT6とを結ぶ配線とキャパシタC2の端子T5側の電
極との間に抵抗RZ2が介挿され、バンドパスフィルタ
(Band Pass Filter:以下BPFと呼称)となってい
る。
【0143】フィルタFT5における抵抗RZ1は、図
9を用いて説明したフィルタFT3の抵抗RZと同様
に、磁気トンネル抵抗素子MR1〜MR6によって構成
されている。そして、磁気トンネル抵抗素子MR1〜M
R6の抵抗値が、デコーダDCから与えられる制御信号
D0、D1、D2およびD3により設定される点もフィ
ルタFT3の抵抗RZと同様である。
【0144】磁気トンネル抵抗素子MR1〜MR6の抵
抗値は、デコーダDC1から与えられる制御信号D0、
D1、D2およびD3により設定され、デコーダDC1
にはコントロールロジック部CLからプログラム信号が
与えられ、それをデコードすることで制御信号D0〜D
3が生成される。ここで、制御信号D3は磁気トンネル
抵抗素子MR5およびMR6に与えられ、制御信号D2
は磁気トンネル抵抗素子MR4に与えられ、制御信号D
1は磁気トンネル抵抗素子MR2およびMR3に与えら
れ、制御信号D0は磁気トンネル抵抗素子MR1に与え
られる。
【0145】また、抵抗RZ2は、直列に接続された磁
気トンネル抵抗素子MR8、MR9、MR10、MR1
1およびMR12と、磁気トンネル抵抗素子MR8およ
びMR9に並列に接続された磁気トンネル抵抗素子MR
7とを有して構成されている。
【0146】磁気トンネル抵抗素子MR7〜MR12の
抵抗値は、デコーダDC2から与えられる制御信号D
4、D5、D6およびD7により設定され、デコーダD
C2にはコントロールロジック部CLからプログラム信
号が与えられ、それをデコードすることで制御信号D4
〜D7が生成される。ここで、制御信号D7は磁気トン
ネル抵抗素子MR11およびMR12に与えられ、制御
信号D6は磁気トンネル抵抗素子MR10に与えられ、
制御信号D5は磁気トンネル抵抗素子MR8およびMR
9に与えられ、制御信号D4は磁気トンネル抵抗素子M
R7に与えられる。
【0147】図16に、制御信号(D3,D2,D1,
D0)=制御信号(D7,D6,D5,D4)=(0,
0,0,0)および(1,1,1,1)の場合のフィル
タFT5の周波数特性を示す。
【0148】図16においては、横軸に周波数(Hz)
を、縦軸にゲイン(dB)を示し、(D3,D2,D
1,D0)=(D7,D6,D5,D4)=(0,0,
0,0)および(1,1,1,1)の場合のフィルタF
T5の周波数特性を、それぞれ塗り潰し丸および白抜き
四角で示している。
【0149】なお、磁気トンネル抵抗素子MR1〜MR
6の磁気トンネル抵抗は、何れも1kΩおよび1.4k
Ωの2種類から選択可能であり、磁気トンネル抵抗素子
MR7〜MR12の磁気トンネル抵抗は、何れも1MΩ
および1.4MΩの2種類から選択可能であり、キャパ
シタC1の静電容量は1pF、キャパシタC2の静電容
量は100pFである。
【0150】図16に示すように、フィルタFT5はバ
ンドパスさせる周波数領域を、磁気トンネル抵抗素子で
構成される抵抗RZ1およびRZ2の値を変えることに
より微調整することができる。
【0151】<A−6.作用効果>以上、フィルタの第
1〜第5の例を用いて説明したように、磁気トンネル抵
抗素子を用いて構成したフィルタにおいては、複数の磁
気トンネル抵抗素子を組み合わせて使用し、各抵抗素子
の制御信号の組み合わせを変える(プログラムする)こ
とで、磁気トンネル抵抗の値を任意に設定することがで
きるので、各素子の製造上のばらつきを、磁気トンネル
抵抗値によって補正し、所望の周波数特性を有するフィ
ルタを実現できる。
【0152】<B.実施の形態2>本発明に係る実施の
形態2として、磁気トンネル抵抗素子を有する増幅器の
構成および動作について説明する。
【0153】<B−1.構成および動作>図17〜図2
0を用いて増幅器AP1の構成および動作について説明
する。図17に示すように増幅器AP1は、減算回路C
T1と、その前段回路CT2との2つから構成されてい
る。まず、減算回路CT1について説明する。
【0154】減算回路の入力電圧V1およびV2が入力
される端子をそれぞれ、端子T13およびT14とし、
端子T13とオペアンプ(演算増幅器)OPの反転入力
端子との間に抵抗R1が介挿され、端子T14と演算増
幅器OPの非反転入力端子との間に抵抗R2が介挿さ
れ、演算増幅器OPの出力端子が、端子T15に接続さ
れている。
【0155】そして、演算増幅器OPの反転入力端子と
演算増幅器OPの出力端子とは、抵抗Rfを介して電気
的に接続され、演算増幅器OPの非反転入力端子は抵抗
Rgを介して接地電位に接続されている。ここで、抵抗
R1およびRfに流れる電流をi1とし、演算増幅器O
Pの反転入力端子および非反転入力端子の入力電圧を、
それぞれVb1およびVb2とし、減算回路CT1の出
力電圧をVoutとする。
【0156】このような構成の減算回路CT1におい
て、演算増幅器OPの開ループ利得を無限大と仮定し、
演算増幅器OPの2つの入力の差が0に限りなく近い仮
想接地の状態を仮定する。それゆえ、演算増幅器OPの
入力電圧はVb1=Vb2と仮定すると、キルヒホッフ
の法則より、下記の数式(13)、(14)、(15)
が得られる。
【0157】
【数13】
【0158】
【数14】
【0159】
【数15】
【0160】上記の数式(13)、(14)、(15)
より、減算回路CT1の出力電圧Voutは下記の数式
(16)で与えられる。
【0161】
【数16】
【0162】また、抵抗R1およびR2、抵抗Rfおよ
びRgの関係を、それぞれ下記の数式(17)および
(18)のように仮定する。
【0163】
【数17】
【0164】
【数18】
【0165】以上の数式(16)〜(18)より、減算
回路CT1の出力電圧Voutは、下記の数式(19)で
与えられる。
【0166】
【数19】
【0167】数式(19)から、減算回路CT1の入力
電圧の差が増幅されて出力電圧圧Voutが得られること
が判る。
【0168】次に前段回路CT2について説明する。前
段回路CT2は、図17に示すように、入力端子T11
およびT12を有し、入力端子T11は減算回路CT1
の端子T13に直結され、入力端子T12は、抵抗Rx
を介して減算回路CT1の端子T14に接続されてい
る。そして、入力端子T12はキャパシタC1を介して
接地電位に接続される構成となっている。
【0169】ここで、入力端子T11およびT12に与
えられる入力電圧を、それぞれVin1およびVin2
とし、キャパシタC1に流れる電流をi2(t)とし、抵
抗Rxに流れる電流をi3(t)とすると、端子T13の
電圧V1と入力電圧Vin1とは同電圧となり、入力電
圧Vin2および端子T14の電圧V2は、それぞれ下
記の数式(20)および(21)で表される。
【0170】
【数20】
【0171】
【数21】
【0172】また、電流i2(t)は下記の数式(22)
で表される。
【0173】
【数22】
【0174】そして、入力電圧Vin2と端子T14の
電圧V2との関係は、下記の数式(23)で表される。
【0175】
【数23】
【0176】また、電流i2(t)と電流i3(t)との関係
は、下記の数式(24)で表される。
【0177】
【数24】
【0178】上記数式(21)、(22)、(23)よ
り、下記の数式(25)が得られる。
【0179】
【数25】
【0180】そして、数式(25)より、利得H(j
ω)は、下記の数式(26)で与えられる。
【0181】
【数26】
【0182】数式(19)に上記数式(26)を代入す
ると、下記の数式(27)が得られる。
【0183】
【数27】
【0184】ここで、Vin1=Vin2=Vinとす
ると、増幅器AP1の利得H(jω)が下記の数式(2
8)で与えられる。
【0185】
【数28】
【0186】数式(28)から、図17に示される増幅
器AP1は、利得がRfCRx/R1の大きさの増幅器
として動作し、この利得は演算増幅器OP1の利得に依
存せず、抵抗Rf、R1、Rxの抵抗値およびキャパシ
タC1の静電容量値で決まることが判る。
【0187】以上説明した増幅器AP1においては、実
際には、抵抗R1およびR2の抵抗値のミスマッチがあ
るので、周波数特性が設計値からずれる場合があるが、
ここで、例えば、抵抗Rxを磁気トンネル抵抗素子で構
成することで、周波数特性を微調整することができる。
【0188】図18に抵抗Rxを複数の磁気トンネル抵
抗素子で構成する例を示す。図18に示すように、抵抗
Rxは、端子T10と端子T20との間に、端子T10
側から順に磁気トンネル抵抗素子MR6、MR5、MR
4、MR3およびMR2を直列に接続して配設し、磁気
トンネル抵抗素子MR2およびMR3に並列に磁気トン
ネル抵抗素子MR1を接続して構成される。
【0189】磁気トンネル抵抗素子MR1〜MR6の抵
抗値は、デコーダDCから与えられる制御信号D0、D
1、D2およびD3により設定される。すなわち、制御
信号D0〜3により磁気トンネル抵抗素子MR1〜MR
6の磁化の方向が制御される。
【0190】デコーダDCにはコントロールロジック部
CLからプログラム信号が与えられ、それをデコードす
ることで制御信号D0〜D3が生成される。
【0191】ここで、制御信号D3は磁気トンネル抵抗
素子MR5およびMR6に与えられ、制御信号D2は磁
気トンネル抵抗素子MR4に与えられ、制御信号D1は
磁気トンネル抵抗素子MR2およびMR3に与えられ、
制御信号D0は磁気トンネル抵抗素子MR1に与えられ
る。
【0192】なお、抵抗Rxは図9を用いて説明した抵
抗RZと構成的に同じであり、図10を用いて説明した
ように、制御信号D0〜D3の組み合わせにより、16
通りの抵抗値を得ることができる。
【0193】図19に、制御信号(D3,D2,D1,
D0)=(0,0,0,0)、(1,1,1,1)の場
合の増幅器AP1の周波数特性を示す。
【0194】図19においては、横軸に周波数(Hz)
を、縦軸にゲイン(dB)を示し、(D3,D2,D
1,D0)=(0,0,0,0)、(1,1,1,1)
の場合の増幅器AP1の周波数特性を、それぞれ白抜き
丸、塗り潰し丸で示している。なお、抵抗RLは1M
Ω、抵抗RHは1.4MΩ、でありキャパシタCの静電
容量は1pFである。
【0195】図20は、図19の部分詳細図であり、図
19より制御信号D3〜D0の値により周波数特性を微
調整できることが明確に判る。
【0196】<B−2.作用効果>以上説明したよう
に、増幅器において、複数の磁気トンネル抵抗素子を組
み合わせて使用し、各抵抗素子の制御信号の組み合わせ
を変える(プログラムする)ことで、磁気トンネル抵抗
の値を任意に設定することができるので、各素子の製造
上のばらつきを、磁気トンネル抵抗値によって補正し、
所望の周波数特性を有する増幅器を実現できる。
【0197】<B−3.補足>以下、図17に示す増幅
器AP1について補足的に説明する。回路中での電圧の
変化をA点からB点に伝送しようとする場合には、その
両方の点を配線で接続する。各点の電圧は共通の基準点
すなわち接地点を基準にして測定される。両点の間の距
離が短ければ、両接地点の電位は等しいと考えることが
できる。
【0198】しかしながら、もし両点の基準点間に電位
差があれば、信号にはその電圧差に等しい雑音が重畳さ
れることになる。両地点がかなり近く、両方の接地点が
銅やアルミなどの金属配線で接続されている場合でも、
接地を通して大電流が流れる場合には、銅線の抵抗によ
る電圧降下が無視できなかったり、電流が急速に変化す
る場合には、銅線のインダクタンスで電圧が生じ、雑音
が発生する場合がある。接地と信号線で形成されるルー
プ内を通る磁束が変化する場合には、磁束の変化に比例
した雑音が生じる。特に、A点とB点とが遠く隔たって
いる場合には、この雑音によって信号伝送の品質は著し
く低下する。
【0199】この問題を回避するために、図17に示す
増幅器AP1のように、非反転入力端子側(+側)およ
び反転入力端子側(−側)の2本の配線を使用して信号
を伝送する。
【0200】また、送信側の回路(図17の前段回路C
2)と受信側の回路(図17の減算回路C1)には接地
点(GND)を有している。この場合、+側の線と−側
の線には、上記原因で共に同一の雑音(同相雑音(commo
n mode noise))が与えられるとすると、受信側で両方
の信号の差をとることによって、雑音を除去することが
できる。このような伝送方式を平衡伝送(balanced tran
smission)と呼ぶ。平衡伝送では、生じる雑音が両方の
配線に等しく現れるようになっていることが望ましく、
2本の配線はできれば、撚り合わせることが望ましい。
【0201】<C.実施の形態3>以上説明した、本発
明に係る実施の形態1および2においては、フィルタお
よび増幅器において、複数の磁気トンネル抵抗素子を組
み合わせて使用し、各抵抗素子の制御信号の組み合わせ
を変える(プログラムする)ことで、磁気トンネル抵抗
の値を任意に変更し、各素子の製造上のばらつきを、磁
気トンネル抵抗値によって補正する構成について示し
た。
【0202】現実の半導体集積回路において、フィルタ
あるいは増幅器を組み込む場合、磁気トンネル抵抗の制
御のための専用のデコーダやコントロールロジック部を
設けることは、半導体集積回路の大型化を招くことにな
る。
【0203】本発明に係る実施の形態3として、磁気ト
ンネル抵抗素子の抵抗値制御のための構成について図2
1を用いて説明する。
【0204】<C−1.装置構成>図21は、メモリセ
ルアレイMCAを有する半導体記憶装置100の、メモ
リセルアレイMCAとその周辺の構成を示すブロック図
である。なお、メモリセルアレイMCAは、SRAM
(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)、MRAM(Ma
gnetic Random Access Memory)、フラッシュメモリ
等、どのようなメモリであっても良い。
【0205】図21において、メモリセルアレイMCA
の一辺に沿って、行ドライバRD、が配設され、当該一
辺に直交する他の一辺に沿ってビット検知回路BDCが
配設され、ビット検知回路BDCの出力は出力バッファ
OTに接続されている。
【0206】行ドライバRDには行デコーダRDC(ワ
ード線デコーダ)が電気的に接続され、ビット検知回路
BDCは、列ドライバCDに電気的に接続され、列ドラ
イバCDには列デコーダCDC(ビット線デコーダ)が
電気的に接続されている。
【0207】行デコーダRDCには磁気トンネル抵抗素
子を駆動するMTJ駆動回路MJDが電気的に接続さ
れ、MTJ駆動回路MJDには、アナログ回路AL1、
AL2およびAL3が電気的に接続され配設されてい
る。アナログ回路AL1〜AL3中に磁気トンネル抵抗
素子を有するフィルタや増幅器が配設されている。
【0208】そして、アドレスバッファとして、メモリ
セルアレイの行(ワード線)を選択するための行(ro
w)アドレスバッファRABと、列(データ線)を選択
するための列(column)アドレスバッファCAB
とを有している。
【0209】そして、行アドレスバッファRABおよび
列アドレスバッファCABは、1個のアドレス端子XT
を兼用し、2つの外部同期クロック信号、バーRAS信
号およびバーCAS信号が時系列に与えられる構成とな
っている。
【0210】このように、アドレス端子XTを時分割で
使い分ける方式をアドレス信号多重化方式と呼称する。
大容量になるとアドレス端子数が増大するため、大きな
パッケージが必要となり、システムの実装密度が上がら
ない問題が生じるが、アドレス信号多重化方式は、これ
を解決することができる。特に携帯機器に搭載されるメ
モリには、アドレス信号多重化方式が使用されている。
【0211】なお、図21に示すように、バーRAS信
号およびバーCAS信号は、それぞれバッファBF1お
よびBF2を介して、行アドレスバッファRABおよび
列アドレスバッファCABに与えられる。
【0212】また、行アドレスバッファRABの出力は
行デコーダRDCに与えられ、列アドレスバッファCA
Bは、列アドレスが遷移したことを検出するATD(Ad
dress Transition Detector)回路ATおよび列デコー
ダCDCに接続されている。
【0213】ATD回路ATの出力は、AND回路G1
およびG2を介してMTJ駆動回路MJDおよび列ドラ
イバCDに与えられ、AND回路G1にはバッファBF
3から制御信号YExが与えられ、AND回路G2には
バッファBF1から信号YEが与えられる構成となって
いる。なお、バッファBF2からは出力制御信号Dout
が出力バッファOTに与えられる構成となっている。
【0214】また、アドレス端子XTにはMTJ信号バ
ッファMJBが接続され、MTJ信号バッファMJBの
出力は行デコーダRDCに与えられる構成となってい
る。なお、MTJ信号バッファMJBには、バッファB
F3を介してバーMTJ信号が与えられる構成となって
いる。
【0215】<C−2.動作>次に、半導体記憶装置1
00の基本動作について説明する。外部からアドレス端
子XTに入力した2進数Nビットのアドレス信号A
iは、まずバーRAS信号によって行アドレス信号とし
て行アドレスバッファRABに取り込まれ、行デコーダ
RDCに送られる。
【0216】行デコーダRDCは、16Mビットでは、
12ビット(ai、バーaiの12組)の論理情報を入力
とした212(=4096)の論理ゲートを用いて、212
個の中から1個の論理ゲートを選択する。
【0217】また、行アドレスバッファRABで行アド
レスのラッチが完了すると、列アドレスバッファCAB
にラッチ完了信号LCH1が与えられ、列アドレスバッ
ファCABにおいて列アドレスがラッチされる。
【0218】列アドレス信号は、列デコーダCDCとA
TD回路ATに送られる。そして、ある1個の行デコー
ダが選択されると、それに接続された行(ワード)ドラ
イバが活性化されるが、1つの行アドレスにつき、1つ
のワード線(Word Line)WLが接続しており、該当す
るアドレスが選択されると活性化される。
【0219】また、行アドレスのラッチ完了信号LCH
1を受け付けた以降なら、列アドレスバッファCABは
バーCAS信号に規制されずに列アドレス信号をいつで
も受け付けられる状態となる。
【0220】従って、バーRAS信号が入力から、一定
時刻経過後のアドレス信号が有効な列アドレス信号とみ
なされ、その後はバーCAS信号に規制されずに列デコ
ーダが選ばれ、ビット検知回路BDCで検知された信号
は出力バッファOTに送られる。この最終段階で、はじ
めてバーCAS信号に同期して、ビット線対(データ線
対)の出力としてDout1およびDout2が出力される。
【0221】このように、列系回路の初段でバーCAS
信号と同期をとるために従来必要であった時間は不要と
なるので、この分だけ列アドレス印加からデータ出力ま
でのアクセス時間は短くなる。
【0222】また、バーCAS信号の機能は列ラッチ信
号CCHをバッファBF2から列アドレスバッファCA
Bに与えて列アドレスをラッチするだけであり、バーC
AS信号の制御は最終段で行われるので、アクセス時間
には直接影響を与えない。
【0223】ただし、列アドレスが遷移したことを検出
するATD回路ATが必須になり、このATD回路AT
からの出力パルスバーEQが列系回路を制御することに
なる。ATD回路ATは、列アドレスが変わるたびにバ
ーEQを発する。このパルスをもとに発生した各種のパ
ルスで列系回路が制御される。
【0224】なお、バッファBF1から出力されるセル
増幅完了信号YEと、バーEQとのAND信号により、
列ドライバが動作を開始する。
【0225】以下、半導体記憶装置100を用いた、磁
気トンネル抵抗素子の抵抗値制御について説明する。
【0226】半導体記憶装置100においては、メモリ
セルアレイMCA用の行デコーダRDCを磁気トンネル
抵抗素子の抵抗値制御のためのデコーダとして兼用し、
磁気トンネル抵抗素子の抵抗値を制御する信号をデコー
ドし、MTJ駆動回路MJDにより、磁気トンネル抵抗
素子の抵抗値を制御することができる。
【0227】すなわち、半導体記憶装置100において
は、1個のアドレス端子を行アドレスバッファRAB、
列アドレスバッファCABおよびMTJ信号バッファの
3つで兼用し、外部同期クロックとして、バーRAS信
号、バーCAS信号およびバーMTJ信号(磁気トンネ
ル抵抗素子制御信号およびアナログ回路駆動信号を含
む)を時系列に与えて時分割で使い分けるものである。
【0228】ここで、磁気トンネル抵抗素子制御信号
(MTJ制御信号)とは、例えば、図9を用いて説明し
たフィルタFT3の可変抵抗RZを構成する磁気トンネ
ル抵抗素子に、デコーダDCから与えられる制御信号D
0、D1、D2およびD3のようなビット情報にデコー
ドされる前の信号である。
【0229】また、アナログ回路駆動信号とは、アナロ
グ回路に対する電源電圧(Vcc)および接地電圧(V
ss)の供給および遮断を制御する信号である。これら
の電圧は、アナログ回路を選択する信号が与えられ、ア
ナログ回路が駆動するときにのみ与えられるようにする
ことで、消費電力を節減することができる。
【0230】以下、図22に示すタイミングチャートを
用いて、半導体記憶装置100の磁気トンネル抵抗素子
の抵抗値制御について説明する。
【0231】図22に示すように、バーMTJ信号が低
電位(Low)状態になると、MTJ制御信号が図21
のMTJ信号バッファMJBに送られる。
【0232】メモリセルアレイMCAの行アドレスは行
デコーダRDCでデコードされ、指定のアドレスの行を
アクティブにする。そのための駆動回路が行ドライバR
Dである。
【0233】一方、行アドレスのラッチが完了すると、
列アドレスバッファCABで列アドレスをラッチする。
ATD回路ATは列アドレスが遷移したことを確認する
と、バーEQ信号を出力する。バーRASバッファBF
1から出力されたセル増幅完了信号YEとバーEQ信号
とのAND出力(AND回路G2の出力)で、列ドライ
バCDが駆動され、ビット線の情報が読み出される。そ
の後、ビット線対(データ線対)の出力として出力バッ
ファOTからビット情報(Dout1およびDout2)が出
力される。
【0234】ビット情報が出力される間、セル増幅完了
信号YEは高電位(High)状態である。一方、バー
MTJバッファBF3から出力される制御信号YEx
は、行アドレスと列アドレスをラッチする間にはLow
となり、MTJ駆動回路MJDを不活性にする。なお、
図21に示すように、MTJ駆動回路はMJDは、バー
EQ信号と制御信号YExとのAND出力(AND回路
G1の出力)で制御され、行デコーダRDCに送られた
MTJ制御信号が、デコードされてアナログ回路中AL
1〜AL3中の磁気トンネル抵抗素子に送られ、抵抗値
を制御することになる。
【0235】MTJ信号バッファBF3でラッチされた
信号は、行デコーダRDCでデコードされ、例えば、図
9に示す制御信号D0、D1、D2およびD3に相当す
る信号に変換される。このとき、制御信号YExは、H
ighであるので、バーYEx信号で制御される行ドラ
イバRDは不活性になる。従って、MTJ制御信号がデ
コードされてワード線をドライブすることはない。
【0236】ここで、列アドレスラッチ完了信号LCH
2を受け付けた以降なら、バッファBF3はバーMTJ
信号に規制されずにMTJ信号をいつまでも受け付けら
れる。
【0237】従って、バーCAS信号が入力されてか
ら、一定時刻経過後のアドレス信号が有効なMTJ信号
とみなされ、その後は、バーMTJに規制されずに行デ
コーダが選ばれ、信号はMTJ駆動回路MJDに送られ
る。この最終段階ではじめて制御信号YExとバーMT
Jとの同期がとられて、アナログ回路AL1〜AL3に
磁気トンネル抵抗素子の抵抗値を制御する信号が送られ
る。
【0238】なお、アナログ回路AL1〜AL3の出力
は、A/Dコンバータ〈図示せず)で変換後、メモリセ
ルアレイMCAに書き込むことで、情報を記録すること
ができる。
【0239】また、図22においては、アドレス信号
に、行アドレス、列アドレス、MTJ制御信号の順に多
重化した構成を示したが、この順番の組み合わせは6通
りあり、どの順番で多重化しても良いことは言うまでも
ない。
【0240】次に、図23を用いてMTJ駆動回路MJ
Dの動作について、さらに説明する。図23に示すよう
に、MTJ駆動回路MJDは、複数のアナログ回路(符
号AL1、AL2、AL3・・・ALNで示す)から、
少なくとも一つを選択して駆動することができ、そのた
めに、選択したアナログ回路の可変抵抗を構成する磁気
トンネル抵抗素子の抵抗値の設定を行う。
【0241】ここで、アナログ回路AL1〜ALNは、
それぞれ、Pチャネル型のMOSトランジスタQ1およ
びNチャネル型のMOSトランジスタQ2の組を備え、
MOSトランジスタQ1およびQ2を介して、電源電圧
供給線PWCおよび接地電圧供給線Vssに電気的に接
続される構成となっている。なお、MOSトランジスタ
Q1およびQ2は、各アナログ回路に対する電源電圧V
ccおよび接地電圧Vssの供給/遮断スイッチとして
機能する。
【0242】例えば、制御信号Row0、Row1、R
ow2、Row3、Row4、Row5によって制御さ
れるアナログ回路AL1を選択する場合、制御信号Ro
w0にはLow信号を、制御信号Row5にはHigh
信号を与えることで、アナログ回路AL1にVccとV
ssが供給される。そして、アナログ回路AL1に含ま
れる可変抵抗を構成する磁気トンネル抵抗素子の抵抗値
の設定には、制御信号Row1、Row2、Row3、
Row4の4ビットの情報を用いる。
【0243】例えば、図9に示した可変抵抗RZに与え
られる制御信号D0、D1、D2およびD3が、制御信
号Row1、Row2、Row3、Row4に相当す
る。
【0244】<C−3.作用効果>以上説明したよう
に、半導体記憶装置100においては、アドレス信号に
バーRAS信号、バーCAS信号およびバーMTJ信号
を多重してアドレス端子に与え、時分割して使用するの
で、メモリセルアレイの動作のうち、ビット情報の読み
書きが終了している時間を利用してMTJ制御信号をア
ドレス多重化方式で送信し、行デコーダをMTJ制御信
号のデコーダとして兼用し、デコードされた制御信号
で、アナログ回路の選択および該アナログ回路に含まれ
る磁気トンネル抵抗素子の抵抗値の設定を行うので、ア
ナログ回路の配設領域とデジタル回路の配設領域とを区
別するとともに、それぞれの制御信号線を区別していた
従来のアナログ回路を有する半導体記憶装置に比べて、
占有面積を低減できる効果を奏する。
【0245】また、磁気トンネル抵抗値の制御のための
専用のデコーダやコントロールロジック部を設ける必要
がなく、磁気トンネル抵抗素子を用いたアナログ回路を
組み込んだ半導体記憶装置において大型化を抑制するこ
とができる。
【0246】<C−4.変形例>以上説明した半導体記
憶装置100においては、行デコーダをMTJ制御信号
のデコーダとして兼用する構成を示したが、列デコーダ
をMTJ制御信号のデコーダとして兼用しても良い。
【0247】以下、半導体記憶装置100の変形例とし
て、半導体記憶装置100Aの構成について、図24を
用いて説明する。
【0248】なお、半導体記憶装置100Aにおいて
は、図21に示した半導体記憶装置100と同一の構成
については同一の符号を付し、重複する説明は省略す
る。
【0249】図24に示すように、ビット検知回路BD
Cは列ドライバCDに電気的に接続され、列ドライバC
Dは、コンバータ部CVPを介してMTJ駆動回路MJ
Dに電気的に接続され、MTJ駆動回路MJDには列デ
コーダCDCが電気的に接続されている。ここで、コン
バータ部CVPは、A/DコンバータおよびD/Aコン
バータを備え、外部に対するアナログ入出力信号ASI
Oの授受を行う機能を有している。なお、AMTJ信号
バッファMJBの出力は列デコーダCDCに与えられる
構成となっている。
【0250】このような構成の半導体記憶装置100A
においては、例えば、外部から入力されたアナログ信号
をデジタル信号に変換する場合、少なくとも1つの行ア
ドレスと少なくとも1つの列アドレスとMTJ制御信号
とがこの順番に多重化されたアドレス信号Aiが与えら
れ、各バッファに情報がラッチされる。
【0251】列アドレスが遷移すると、列ドライバCD
がオン状態になる。列デコーダCDCでは、時系列的に
列アドレスがデコードされ、つぎに、MTJ制御信号が
デコードされる。MTJ制御信号に含まれるのは、図2
3に示したように、アナログ回路に対する、電源電圧V
ccおよび接地電圧Vssの供給/遮断を制御する制御
信号Row0およびRow5や、アナログ回路に含まれ
る可変抵抗を構成する磁気トンネル抵抗素子の抵抗値を
設定する制御信号Row1〜Row4である。
【0252】MTJバッファBF3から制御信号YEx
が出力されると、列アドレスが遷移するたびにATD回
路ATからバーEQ信号が出力される。そして、バーE
Q信号と制御信号YExとのAND信号により、MTJ
駆動回路MJDがオン状態になり、列デコーダCDCで
デコードされたMTJ制御信号が、コンバータ部CVP
に含まれる可変抵抗を構成する磁気トンネル抵抗素子に
与えられ、抵抗値が設定される。
【0253】従って、列アドレスで指定されたビット列
が列ドライバCDで駆動状態にある場合、例えば、コン
バータ部CVPにアナログ信号が入力されると、A/D
コンバータでデジタル信号に変換されて、メモリセルア
レイMCAに書き込まれる。また逆にメモリセルアレイ
MCAに格納されている指定のアドレスのデジタル情報
を読み出し、コンバータ部CVPに含まれるD/Aコン
バータでデジタル信号をアナログ信号に変換し、アナロ
グ信号を出力することができる。
【0254】以上説明したように、半導体記憶装置10
0Aにおいては、コンバータ部CVPに含まれる可変抵
抗の抵抗値を調整することで、アナログ−デジタル変換
速度、およびデジタル−アナログ変換速度を、ビット列
間で一様にすることができる。
【0255】<D.実施の形態4>以上説明した本発明
に係る実施の形態1および2においては、フィルタおよ
び増幅器に磁気トンネル抵抗素子を適用した構成を示し
たが、これらは一例であり、以下に示すような種々のア
ナログ回路に磁気トンネル抵抗素子を適用しても良く、
実施の形態4として、磁気トンネル抵抗素子を適用可能
な種々のアナログ回路について説明する。
【0256】<D−1.差動増幅器への適用>図25
に、演算増幅器を利用した差動増幅器の構成を示す。図
25に示す差動増幅器は、同相雑音Vnを平衡伝送する
場合の受信回路を示しており、演算増幅器OPの反転入
力端子(−側)に接続される配線には電圧V -が、非反
転入力端子(+側)に接続される配線には電圧V+が与
えられる。
【0257】そして、演算増幅器OPの反転入力端子
は、直列に接続された抵抗R1およびRfの接続ノード
に接続され、抵抗Rfは演算増幅器OPの出力端子T2
0に接続されている。また、演算増幅器OPの非反転入
力端子は、直列に接続された抵抗R2およびR3の接続
ノードに接続され、抵抗R3は接地電位に接続されてい
る。
【0258】なお、反転入力端子には電圧V1が、非反
転入力端子には電圧V2が与えられるものとする。ま
た、抵抗R1に流れる電流をI1、抵抗Rfに流れる電
流をIfとする。
【0259】図25に示すように、演算増幅器OPの+
側には、(Vn+V+)の電圧が与えられるので、電圧
V2は、下記の数式(29)で与えられる。
【0260】
【数29】
【0261】また、I1=If、V2=V1であるから
(なぜならば、差動増幅器の入力インピーダンスは、理
想的には無限大である)、電流I1およびIfは、下記
の数式(30)で与えられる。
【0262】
【数30】
【0263】上記数式(29)および(30)を組み合
わせると、下記の数式(31)が得られる。
【0264】
【数31】
【0265】ここで、同相雑音Vnにかかわる第1項を
0にするには、Rf/R1=R3/R2であれば良い。
もし、この条件が成立すれば、Vnは出力に無関係とな
り、上記数式(31)から下記の数式(32)が得られ
る。
【0266】
【数32】
【0267】ここで、数式(31)の第1項、第2項、
第3項の係数をそれぞれ、Gn、G+、G-とすること
で、下記の数式(33)、(34)、(35)が得られ
る。
【0268】
【数33】
【0269】
【数34】
【0270】
【数35】
【0271】ここで、係数Gnに対する(G+−G-)の
比を同相成分除去比(common mode rejection ratio)と
呼び、CMRと略記する。CMRは下記の数式(36)
で与えられる。
【0272】
【数36】
【0273】CMRは大きいほど望ましく、CMRを大
きくするには、Gnを0にする、すなわちRf/R1=
R3/R2を満たすようにすれば良いが、この条件を正
確に満たすように、例えば、抵抗Rf、あるいは、抵抗
R3を図18を用いて説明した複数の磁気トンネル抵抗
素子による可変抵抗Rxで実現し、プログラムにより抵
抗を調整して、Rf/R1=R3/R2を満たすように
することができる。
【0274】<D−2.比較器への適用>図26に、差
動増幅器を利用した比較器の構成を示す。図26は差動
増幅器DAの−端子と+端子を利用して、一方の入力が
他方の入力より大であるか、小であるかを判定する比較
器を示している。
【0275】図26において、差動増幅器DAの−端子
は入力端子T10に接続され、入力電圧Vinが与えら
れ、差動増幅器DAの出力は、抵抗R3を介して出力端
子T20に出力電圧Voutで与えられる構成となってい
る。
【0276】また、差動増幅器DAの+端子には抵抗R
1を介して0V電位に接続され、+端子と出力端子T2
0との間には、抵抗R2が接続されている。また、抵抗
R3およびR2の出力端子T20側の端部は、ツェナー
ダイオードZD(ブレークダウン電圧Vzボルト)のカ
ソードにも接続され、ツェナーダイオードZDのアノー
ドは接地電位に接続されている。
【0277】図26に示す比較器においては、差動増幅
器DAの+端子に与える0Vの電圧をスレッショルド値
として、入力がこれより高ければ、出力は0Vに、入力
が低ければ、出力は−Vzボルトになるようになってい
る。
【0278】入力がスレッショルド値である0Vの付近
で雑音等により微小な変化を生じると、比較器の出力に
は、意味のない変化が生じる恐れがある。これを防止す
るためには、スレッショルド値に幅を持たせ、入力が低
電圧から高電圧に変化するときには、スレッショルド値
より若干高い電圧になるまで、その逆の場合にはスレッ
ショルド値より若干低い電圧になるまで、出力が変化し
ないようにする。
【0279】この変化点をそれぞれ、上の変化点(upper
trip point:UTP)、および、下の変化点(lower trip
point:LTP)と呼ぶ。これは、出力はその時点に入力
のみならず、今までの出力によって決まることを意味し
ており、比較器はヒステリシスを持つことになる。
【0280】図27に比較器のヒステリシス特性を示
す。図27において横軸に入力電圧Vinを示し、縦軸に
出力電圧Voutを示す。
【0281】図26に示す比較器においては、抵抗R2
およびR1が、上記ヒステリシス特性を与えるものであ
る。
【0282】ここで、ツェナーダイオードのブレークダ
ウン電圧Vz、順方向の電圧降下をVFとすると、入力
が十分正の場合、ツェナーダイオードZDには逆バイア
スがかかり、やがて差動増幅器DAの帰還電圧がかかっ
て出力電圧がVzになる。出力電圧がVzになると、ツ
ェナーダイオードZDがブレークダウンし、ブレークダ
ウンしながら出力電圧をVzに保つような動作を行う。
【0283】従って差動増幅器DAの+端子には電圧V
zを抵抗R1およびR2で分割した電圧が与えられ、入
力がこれを越えるときに出力が反転するので、UTPは
下記の数式(37)で与えられる。
【0284】
【数37】
【0285】また、入力が十分負の場合、ツェナーダイ
オードZDには順バイアスがかかり、その場合の電圧降
下はVFであるので、接地電位を基準にすると出力電圧
は−VFボルトになり、演算増幅器DAの+側の端子電
圧は変化して、UTPより低いLTPを与える。LTP
は下記の数式(38)で与えられる。
【0286】
【数38】
【0287】図26に示す比較器においては、例えば、
抵抗R1、R2を少なくとも1つの磁気トンネル抵抗素
子を含む可変抵抗(例えば図18を用いて説明した可変
抵抗Rx)で形成しておけば、プログラムにより、LT
PとUTPの電圧を制御することができる。
【0288】<D−3.アナログ計算機への適用>演算
増幅器を利用すれば、加算、積分を容易に行うことがで
きる。図28、図29および図30はアナログ計算機の
主要な演算要素の記号を示している。
【0289】すなわち、図28は、入力されたx1、x
2、x3を加算して負の値yとして出力する加算器を示
し、図29は入力されたxを積分して積分値yとして出
力する積分器を示し、図30は、入力されたxを所定の
係数k倍した値yを出力する抵抗分圧器あるいは増幅器
等の乗算器を示す。
【0290】以下、これらの演算要素を組み合わせて、
高次の微分方程式を効率よく解くことができるアナログ
計算機の構成を例示する。
【0291】<D−3−1.アナログ計算機の第1の例
>図31は、下記の数式(39)で与えられる微分方程
式を解くアナログ計算機である。
【0292】
【数39】
【0293】図31に示すアナログ計算機は、d2y/
dt2を積分する積分器IG1および−dy/dtを積
分する積分器IG2、係数ω2の乗算を行う乗算器DG
および−1倍増幅器IVが順に接続されてループをな
し、数式(39)の解として下記の数式(40)を与え
る。
【0294】
【数40】
【0295】数式(40)から、yには正弦波の出力が
得られることになる。この振幅と位相は初期条件で決ま
り、例えば、t=0、y=A、dy/dt=0であれ
ば、下記の数式(41)で与えられる。
【0296】
【数41】
【0297】この初期条件を与えるためには、図32に
示すように、各積分器に使用されるキャパシタの両端子
間の電圧を所望の電圧とする回路を設けるのが便利であ
る。
【0298】すなわち、図32において、入力端子T1
0と演算増幅器OPの入力との間には抵抗R1が介挿さ
れ、演算増幅器OPの入力端子と出力端子T20との間
にキャパシタCが介挿され、キャパシタCの一方の電極
には可変抵抗R2を介して直流電源PSの正極が接続さ
れ、直流電源PSの負極は演算増幅器OPの入力に接続
されている。また、キャパシタCの他方の電極には可変
抵抗R2を切り換えるスイッチが接続されている。
【0299】このような回路においては、アナログ計算
機が動作を開始するまではスイッチSWを閉じておき、
アナログ計算機の動作開始後にこれを開くことで、積分
器が動作開始時点での電圧を初期値として動作すること
になる。
【0300】そして、可変抵抗R2を少なくとも1つの
磁気トンネル抵抗素子を含む可変抵抗(例えば図18を
用いて説明した可変抵抗Rx)で形成しておけば、積分
器の初期条件をプログラムできる。
【0301】なお、図31示すアナログ計算機を構成す
る乗算器DG(抵抗分圧器あるいは増幅器等で構成され
る)を、少なくとも1つの磁気トンネル抵抗素子を含む
可変抵抗を用いて構成することで、出力される正弦波の
周波数をプログラムできる。
【0302】<D−3−2.アナログ計算機の第2の例
>図33は、下記の数式(42)で与えられる微分方程
式を解くアナログ計算機である。
【0303】
【数42】
【0304】図33に示すアナログ計算機は、加算器A
G、d2y/dt2を積分する積分器IG1、−dy/d
tを積分する積分器IG2、係数k/mの乗算を行う乗
算器DG1が順に接続されてループをなしている。ま
た、積分器IG1の出力は、係数r/mの乗算を行う乗
算器DG2に与えられ、乗算器DG2の出力は−1倍増
幅器IVに与えられ、−1倍増幅器IVの出力は加算器
AGに与えられる構成となっている。なお、加算器AG
の入力には、別途に設けた発振器から−fcosωt/
mが与えられる構成となっている。
【0305】ここで、外力Fは、F=fcosωtなる正弦
波状に変化する力であるとすると、上記数式(42)
は、下記の数式(43)に変形できる。
【0306】
【数43】
【0307】図33に示すアナログ計算機においては、
上記数式(43)の右辺にマイナスを付けたものを用意
し、これらを加算器AGで加算してd2y/dt2を得
る。これを積分器IG1に通し、dy/dtと信号yを
得る。
【0308】このようにして得た信号yを観測すれば、
微分方程式の解(ここでは、質量mの物体の運動)を知
ることができる。
【0309】ここで、図33に示すアナログ計算機を構
成する加算器、積分器および乗算器(抵抗分圧器あるい
は増幅器等)を構成する抵抗を、少なくとも1つの磁気
トンネル抵抗素子を含む可変抵抗を用いて構成すること
で、プログラムにより、任意の係数の微分方程式を解く
ことができる。これは、上記以外に微分器を含むアナロ
グ計算機においても同様である。
【0310】なお、図34に加算器の構成例を示す。図
34に示すように、複数の入力端子T1〜Tnと、演算
増幅器OPの反転入力端子との間には、それぞれ抵抗R
1〜Rnが介挿され、演算増幅器OPの反転入力端子と
出力端子T20との間に帰還抵抗Rfが介挿されてい
る。なお演算増幅器OPの非反転入力端子は、接地電位
に接続されている。
【0311】このような構成の加算器は、演算増幅器O
Pのゲインが十分に大きければ、反転入力端子への入力
電圧Viを0にでき、また、演算増幅器OPの入力イン
ピーダンスは高いので、入力電流の和は、帰還抵抗Rf
を流れる電流に等しいことにより、出力電圧Voは、下
記の数式(44)で表すことができる。
【0312】
【数44】
【0313】すなわち、回路の出力電圧は入力電圧の加
重和となる。ここで、図34における各抵抗を、少なく
とも1つの磁気トンネル抵抗素子を含む可変抵抗を用い
て構成することで、プログラム制御により、さまざまな
値の加重和を実現することができる。
【0314】図35に積分器の構成例を示す。図35に
示す積分器においては、入力端子T10と、演算増幅器
OPの反転入力端子との間には抵抗Rが介挿され、演算
増幅器OPの反転入力端子と出力端子T20との間には
キャパシタCが介挿されている。なお演算増幅器OPの
非反転入力端子は、接地電位に接続されている。
【0315】図35に示す積分器の出力電圧Voは、入
力端子T10への入力電圧をViとすれば、下記の数式
(45)で表すことができる。
【0316】
【数45】
【0317】このように、積分器の出力電圧は入力電圧
の積分となる。ここで、各抵抗を少なくとも1つの磁気
トンネル抵抗素子を含む可変抵抗を用いて構成すること
で、プログラム制御により、さまざまな積分を実現する
ことができる。
【0318】図36に微分器の構成例を示す。図36に
示す微分器においては、入力端子T10と、演算増幅器
OPの反転入力端子との間にはキャパシタCが介挿さ
れ、演算増幅器OPの反転入力端子と出力端子T20と
の間にはキャパシタ抵抗Rが介挿されている。なお演算
増幅器OPの非反転入力端子は、接地電位に接続されて
いる。
【0319】図36に示す微分器の出力電圧Voは、入
力端子T10への入力電圧をViとすれば、下記の数式
(46)で表すことができる。
【0320】
【数46】
【0321】このように、積分器の出力電圧は入力電圧
の積分となる。ここで、各抵抗を少なくとも1つの磁気
トンネル抵抗素子を含む可変抵抗を用いて構成すること
で、プログラム制御により、さまざまな係数が掛かった
微分を実現することができる。
【0322】<D−4.電圧・電流変換回路への適用>
演算増幅器を利用すれば、信号源のインピーダンス、あ
るいは、負荷のインピーダンスには無関係に信号源電圧
に比例した電流や、信号源電流に比例した出力電圧を得
ることができる。これらの動作を行う回路を電圧・電流
変換回路と呼称する。
【0323】図37には電圧から電流への変換回路を示
す。図37においては、電源PWの出力電圧Vsが、演
算増幅器OPの非反転入力端子に抵抗Rsを介して与え
られ、演算増幅器OPの反転入力端子と出力端子との間
に負荷インピーダンスZLが接続されている。また、演
算増幅器OPの反転入力端子は抵抗R1を介して接地電
位に接続されている。
【0324】ここで、負荷インピーダンスZLを流れる
負荷電流ILと抵抗R1を流れる電流I1とが等しいと
すると、演算増幅器OPの入力端子間の電圧差は理想的
には0であるから、下記の数式(47)が成り立つ。
【0325】
【数47】
【0326】従って、負荷電流ILは下記の数式(4
8)で表すことができる。
【0327】
【数48】
【0328】数式(48)から、負荷電流ILは、抵抗
Rs、および負荷インピーダンスZLに無関係に決まる
ことが判る。
【0329】ここで、抵抗R1を、少なくとも1つの磁
気トンネル抵抗素子を含む可変抵抗(例えば図18を用
いて説明した可変抵抗Rx)を用いて構成することで、
任意の大きさの負荷電流ILを得ることができる。
【0330】図38には電流から電圧への変換回路を示
す。図38においては、入力端子T10が演算増幅器O
Pの反転入力端子に接続され、演算増幅器OPの反転入
力端子と出力端子T20との間には帰還抵抗Rfが介挿
され、演算増幅器OPの非反転入力端子は、接地電位に
接続されている。
【0331】ここで、入力電流Isと帰還抵抗Rfを流
れる電流Ifとが等しいとすると、出力電圧Voは下記
の数式(49)、(50)で表される。
【0332】
【数49】
【0333】
【数50】
【0334】数式(49)および(50)から、出力電
圧Voは負荷のインピーダンス、信号源のインピーダン
スに無関係に、入力電流Isと帰還抵抗Rfだけによっ
て決まることが判る。
【0335】帰還抵抗Rf、少なくとも1つの磁気トン
ネル抵抗素子を含む可変抵抗(例えば図18を用いて説
明した可変抵抗Rx)を用いて構成することで、任意の
大きさの出力電圧Voを得ることができる。
【0336】なお、本発明に係る実施の形態1、2およ
び本発明の適用例において説明した磁気トンネル抵抗素
子は、半導体チップ上やマザーボード、電気回路を焼き
付けた有機フィルム等に形成されるものである。
【0337】また、半導体装置の形成には、シリコン基
板やSOI(Silicon On Insulator)基板、SON(Silic
on On Nothing)等の従来の基板が用いられる。
【0338】また、本発明に係る実施の形態1、2およ
び本発明の適用例においては、増幅器として、演算増幅
器を例示して説明したが、演算増幅器の他に、非反転増
幅器、反転増幅器、差動増幅器などを単独、あるいは、
組み合わせて使用しても良い。
【0339】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載の半導体記憶
装置によれば、アナログ回路が複数種類の抵抗値を得る
ことができる可変抵抗部を備えるので、可変抵抗部の抵
抗値を変更することで、回路特性を調整することができ
る。また、メモリセルアレイのアドレスデコーダを磁気
トンネル抵抗素子の抵抗値制御のためのデコーダとして
兼用し、アドレスデコーダを磁気トンネル抵抗素子制御
信号に基づいて制御するので、磁気トンネル抵抗を用い
たアナログ回路を組み込んだ半導体記憶装置において大
型化を抑制することができる。
【0340】本発明に係る請求項2記載の半導体記憶装
置によれば、ワード線デコーダを少なくとも1つの磁気
トンネル抵抗素子の抵抗値制御のためのデコーダとして
兼用するので、磁気トンネル抵抗素子を用いたアナログ
回路を組み込んだ半導体記憶装置において大型化を抑制
することができる。
【0341】本発明に係る請求項3記載の半導体記憶装
置によれば、ビット線デコーダを少なくとも1つの磁気
トンネル抵抗素子の抵抗値制御のためのデコーダとして
兼用するので、磁気トンネル抵抗素子を用いたアナログ
回路を組み込んだ半導体記憶装置において大型化を抑制
することができる。また、例えば、外部との間でアナロ
グ信号を授受するコンバータ部を可変抵抗部を備えるア
ナログ回路とし、可変抵抗部の抵抗値を調整すること
で、アナログ−デジタル変換速度、およびデジタル−ア
ナログ変換速度を、ビット列間で一様にすることができ
る。
【0342】本発明に係る請求項4記載の半導体記憶装
置によれば、可変抵抗部をフィルタの抵抗素子として用
いることで、各素子の製造上のばらつきを、可変抵抗部
の抵抗値によって補正し、所望の周波数特性を有するフ
ィルタを実現できる。
【0343】本発明に係る請求項5記載の半導体記憶装
置によれば、可変抵抗部を増幅装置の入力抵抗として用
いることで、所望の周波数特性を有する増幅装置を実現
できる。
【0344】本発明に係る請求項6記載の半導体記憶装
置によれば、可変抵抗部を差動増幅器に用いることで、
平衡伝送方式で送られる信号の同相成分除去比を調整す
ることができる。
【0345】本発明に係る請求項7記載の半導体記憶装
置によれば、可変抵抗部を比較器に用いることで、ヒス
テリシスを有する比較器の、上の変化点および下の変化
点を調整することができる。
【0346】本発明に係る請求項8記載の半導体記憶装
置によれば、可変抵抗部を電圧/電流変換回路の電流変
換用抵抗素子として用いることで、任意の大きさの出力
電流を得ることができる。
【0347】本発明に係る請求項9記載の半導体記憶装
置によれば、加算器、積分器、乗算器および微分器の少
なくとも何れかを備えるアナログ計算機において、可変
抵抗部を、加算器、積分器、乗算器および微分器を構成
する抵抗素子として用いることで、任意の係数の微分方
程式を解くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な磁気トンネル抵抗素子の断面構造を
模式的に示す図である。
【図2】 磁気トンネル抵抗素子の記号表記を説明する
図である。
【図3】 強磁性体の磁化の方向が変化するのに必要な
磁場の大きさとその方向を示す図である。
【図4】 スピンバルブ型磁気トンネル接合構造におけ
るトンネル磁気抵抗の実測特性を示す図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態1のローパスフィル
タの構成を示す図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態1のローパスフィル
タの特性を示す図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態1のハイパスフィル
タの構成を示す図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態1のハイパスフィル
タの特性を示す図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態1のローパスフィル
タの可変抵抗の構成を具体的に示す図である。
【図10】 制御信号の組み合わせと、それに対応する
可変抵抗の抵抗値との対応を示す図である。
【図11】 本発明に係る実施の形態1のローパスフィ
ルタの特性を示す図である。
【図12】 本発明に係る実施の形態1のL型2次のロ
ーパスフィルタの構成を示す図である。
【図13】 本発明に係る実施の形態1のL型2次のロ
ーパスフィルタの特性を示す図である。
【図14】 制御信号の組み合わせと、それに対応する
Q値の関係を示す図である。
【図15】 本発明に係る実施の形態1のバンドパスフ
ィルタの構成を示す図である。
【図16】 本発明に係る実施の形態1のバンドパスフ
ィルタの特性を示す図である。
【図17】 本発明に係る実施の形態2の増幅器の構成
を示す図である。
【図18】 本発明に係る実施の形態2の増幅器の可変
抵抗の構成を具体的に示す図である。
【図19】 本発明に係る実施の形態2の増幅器の特性
を示す図である。
【図20】 本発明に係る実施の形態2の増幅器の特性
を示す図である。
【図21】 磁気トンネル抵抗素子の抵抗値制御のため
の構成を備える半導体記憶装置の構成を示す図である。
【図22】 磁気トンネル抵抗素子の抵抗値制御のため
の構成を備える半導体記憶装置の動作を説明するタイミ
ングチャートである。
【図23】 MTJ駆動回路の動作を説明する図であ
る。
【図24】 半導体記憶装置の他の構成例を示す図であ
る。
【図25】 差動増幅器の構成を示す図である。
【図26】 比較器の構成を示す図である。
【図27】 比較器のヒステリシス特性を示す図であ
る。
【図28】 加算器を示す図である。
【図29】 積分器を示す図である。
【図30】 乗算器を示す図である。
【図31】 アナログ計算機の構成を示す図である。
【図32】 積分器の具体的構成を示す図である。
【図33】 アナログ計算機の構成を示す図である。
【図34】 加算器の具体的構成を示す図である。
【図35】 積分器の具体的構成を示す図である。
【図36】 微分器の具体的構成を示す図である。
【図37】 電圧/電流変換回路の具体的構成を示す図
である。
【図38】 電流/電圧変換回路の具体的構成を示す図
である。
【図39】 一般的なローパスフィルタの構成を示す図
である。
【図40】 一般的なハイパスフィルタの構成を示す図
である。
【図41】 L型1次フィルタの構成を示す図である。
【図42】 L型1次フィルタの特性を示す図である。
【図43】 L型1次フィルタの特性を示す図である。
【図44】 一般的なL型2次のローパスフィルタの構
成を示す図である。
【図45】 一般的なL型2次のローパスフィルタの特
性を示す図である。
【図46】 L型2次フィルタの構成を示す図である。
【図47】 L型2次フィルタの構成を示す図である。
【図48】 L型2次フィルタの特性を示す図である。
【図49】 T型ブリッジ2次フィルタの構成を示す図
である。
【図50】 T型ブリッジ2次フィルタの特性を示す図
である。
【図51】 ツインT型ブリッジ2次フィルタの構成を
示す図である。
【図52】 アクティブ・フィルタの構成を示す図であ
る。
【図53】 アクティブ・フィルタの動作を説明する図
である。
【図54】 無限帰還型2次フィルタの構成を示す図で
ある。
【図55】 アクティブ・フィルタの構成を示す図であ
る。
【図56】 アクティブ・フィルタの構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
MR 磁気トンネル抵抗素子、RZ,Rx 可変抵抗
MCA メモリセルアレイ、XT アドレス端子、ZL
負荷抵抗。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の磁気トンネル抵抗素子で構成さ
    れ、前記複数の磁気トンネル抵抗素子を単独でおよびま
    たは組み合わせて、単独およびまたは組み合わせごとに
    抵抗値を変更することで複数種類の抵抗値を得る可変抵
    抗部を有し、複数の制御信号により、前記複数の磁気ト
    ンネル抵抗素子の抵抗値を、単独およびまたは組み合わ
    せごとに変更可能なアナログ回路と、 前記複数の制御信号を出力する制御部と、 メモリセルアレイとを少なくとも備える半導体記憶装置
    であって、 前記半導体記憶装置は、アドレス端子を時分割で使い分
    けるアドレス信号多重化方式の半導体記憶装置であり、 前記制御部は、 前記メモリセルアレイのアドレスデコーダを前記少なく
    とも1つの磁気トンネル抵抗素子の抵抗値制御のための
    デコーダとして兼用し、 前記アドレスデコーダは、前記少なくとも1つの磁気ト
    ンネル抵抗素子の抵抗値制御に際しては、前記アドレス
    端子に時分割で与えられる磁気トンネル抵抗素子制御信
    号に基づいて制御される、半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記アドレスデコーダは、ワード線デコ
    ーダである、請求項1記載の半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 前記アドレスデコーダは、ビット線デコ
    ーダである、請求項1記載の半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 前記アナログ回路は、入力信号をフィル
    タリングするフィルタであり、 キャパシタおよびインダクタの少なくとも1方をさらに
    備え、 前記可変抵抗部は、前記キャパシタおよび前記インダク
    タの少なくとも1方に接続される、請求項1記載の半導
    体記憶装置。
  5. 【請求項5】 前記アナログ回路は、入力信号を増幅す
    る増幅装置であり、 増幅器をさらに備え、 前記可変抵抗部は、前記増幅器の入力に電気的に接続さ
    れる、請求項1記載の半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記アナログ回路は差動増幅器であり、 演算増幅器をさらに備え、 前記可変抵抗部は、前記演算増幅器の非反転入力と出力
    との間、およびまたは、前記演算増幅器の反転入力と出
    力との間に接続される、請求項1記載の半導体記憶装
    置。
  7. 【請求項7】 前記アナログ回路は比較器であり、 演算増幅器をさらに備え、 前記可変抵抗部は、前記演算増幅器の非反転入力と出力
    との間、およびまたは、前記演算増幅器の非反転入力に
    接続される、請求項1記載の半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 前記アナログ回路は、入力電圧を電流に
    変換して出力する電圧/電流変換回路であり、 増幅器と、 前記増幅器の入力と出力との間に接続された負荷抵抗
    と、をさらに備え、 前記可変抵抗部は、前記増幅器の前記入力に電気的に接
    続される、請求項1記載の半導体記憶装置。
  9. 【請求項9】 前記アナログ回路は、 加算器、積分器、乗算器および微分器の少なくとも何れ
    かを含み、それらがループ状に接続されたアナログ計算
    機であり、 前記可変抵抗部は、前記加算器、前記積分器、前記乗算
    器および前記微分器の少なくとも何れかを構成する抵抗
    素子として機能する、請求項1記載の半導体記憶装置。
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