JP2003302601A - 波面曲率変調装置及び波面曲率変調装置を備えた画像表示装置 - Google Patents

波面曲率変調装置及び波面曲率変調装置を備えた画像表示装置

Info

Publication number
JP2003302601A
JP2003302601A JP2003028909A JP2003028909A JP2003302601A JP 2003302601 A JP2003302601 A JP 2003302601A JP 2003028909 A JP2003028909 A JP 2003028909A JP 2003028909 A JP2003028909 A JP 2003028909A JP 2003302601 A JP2003302601 A JP 2003302601A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
wavefront curvature
wavefront
light flux
virtual projection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003028909A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4045432B2 (ja
Inventor
Mitsuyoshi Watanabe
光由 渡▲なべ▼
Yoshiharu Yamada
祥治 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2003028909A priority Critical patent/JP4045432B2/ja
Publication of JP2003302601A publication Critical patent/JP2003302601A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4045432B2 publication Critical patent/JP4045432B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源から出射される光束を異なる波面曲率を
有する複数の光束に分離し、分離された光束のうち少な
くとも1つを選択的に出射する波面曲率変調装置及び波
面曲率変調装置を備えた画像表示装置を提供する。 【解決手段】 波面曲率変調装置1の光束発生手段10
では、光源11より発生された光束が光束A発生部2に
入射される。光束A発生部2で光束は分離され、一方は
光束B発生部3に入射され、他方はレンズ列によって波
面曲率aを有する光束Aに変調され光束発生手段10よ
り出射される。同様に、光束B発生部3,光束C発生部
4,光束D発生部5から、それぞれ異なる波面曲率b〜
dを有する光束B〜Dが出射される。光束選択手段20
では、強度変調器によって光強度が変調または遮断され
た光束A〜Dが、合成ミラー等で1つの光束に合成さ
れ、光束選択手段20より出射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光束の波面曲率を
変調し、その波面曲率が変調された光束を走査して眼の
網膜に直接画像を投影する波面曲率変調装置及び波面曲
率変調装置を備えた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年レーザ、LED等の光源が発する微
弱な光束を2次元光走査装置で走査して観察者の瞳孔に
投入することにより網膜上に直接描画を行う、いわゆる
網膜走査型ディスプレイと呼ばれる装置が知られている
(例えば、特許文献1参照。)。この網膜走査型ディス
プレイは、例えば、眼鏡と同様に観察者の頭部に装着し
て使用するように構成されており、高精細で画角の大き
な画像を提供することができる。このような網膜走査型
ディスプレイには、観察者の眼に入射する画像の奥行き
を表現する手段として、発生された光束の波面曲率を変
調する波面曲率変調装置が設けられている。
【0003】ここで、波面曲率について説明する。光源
から発した光は、光源を中心とした全方位に等速、同位
相で進む光の波、いわゆる等位球面波として伝搬される
が、光源と観察者との距離に応じてその球面波の持つ曲
率半径が異なってくる。光源が近ければ曲率半径の小さ
い像として、また、光源が遠ければ曲率半径の大きい像
として観察者の眼に入射される。観察者はピント合わせ
動作を介してこの曲率半径のずれを認識し、遠近感を感
じることができる。波面曲率変調装置は、光源が任意の
距離に存在するかのように観察者の眼に入射することが
でき、自然な立体視を可能としている。
【0004】上記特許文献1に記載の波面曲率変調装置
(波面曲率変調手段)では、圧電板へ制御電圧を印加し
て圧電板を変形し、圧電板に設けられている反射膜にお
ける光束の反射の前後で、その光束の波面曲率を変化さ
せていた。
【0005】
【特許文献1】特許第2874208号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成による波面曲率変調装置よりも、より高い動作周波数
で波面曲率の変調を行うことができる波面曲率変調装置
が求められていた。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、高速な波面曲率の変調を行うことのでき
る波面曲率変調装置及び波面曲率変調装置を備えた画像
表示装置を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の波面曲率変調装置は、互いに
異なる波面曲率を有する光束を発生する複数の光束発生
手段と、当該複数の光束発生手段によって発生された複
数の光束のうち少なくとも1つの光束を選択する光束選
択手段とを備えている。
【0009】この構成の波面曲率変調装置では、複数の
光束発生手段が、互いに異なる波面曲率を有する光束を
それぞれ発生し、光束選択手段が、発生された複数の光
束のうち少なくとも1つの光束を選択することができ
る。
【0010】また、請求項2に係る発明の波面曲率変調
装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記光束
選択手段は、前記複数の光束発生手段によって発生され
た複数の光束をそれぞれ独立に強度変調もしくは遮断す
る光束強度変調手段を備えている。
【0011】この構成の波面曲率変調装置では、請求項
1に係る発明の作用に加え、光束選択手段の光束強度変
調手段が、複数の光束発生手段によって発生された複数
の光束をそれぞれ独立に強度変調もしくは遮断すること
ができる。
【0012】また、請求項3に係る発明の波面曲率変調
装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前
記複数の光束発生手段によって発生された複数の光束を
同軸上に合成する光束合成手段を備えている。
【0013】この構成の波面曲率変調装置では、請求項
1又は2に係る発明の作用に加え、光束合成手段が、複
数の光束発生手段によって発生された複数の光束を同軸
上に合成することができる。
【0014】また、請求項4に係る発明の波面曲率変調
装置は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の構成に
加え、前記光束選択手段は前記複数の光束の選択を行う
光スイッチを備えたことを特徴とする構成となってい
る。
【0015】この構成の波面曲率変調装置では、請求項
1乃至3の何れかに係る発明の作用に加え、光束選択手
段の光スイッチが、複数の光束の選択を行うことができ
る。
【0016】また、請求項5に係る発明の波面曲率変調
装置は、請求項1乃至4の何れかに記載の発明の構成に
加え、前記複数の光束の波面曲率をそれぞれ独立に調整
もしくは変調可能な波面曲率調整手段を備えている。
【0017】この構成の波面曲率変調装置では、請求項
1乃至4の何れかに係る発明の作用に加え、波面曲率調
整手段が、複数の光束の波面曲率をそれぞれ独立に調整
もしくは変調することができる。
【0018】また、請求項6に係る発明の波面曲率変調
装置は、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記波面
曲率調整手段は、前記複数の光束によって波面の曲率半
径を無限大から約10cmまでの領域に変調もしくは調
整可能であることを特徴とする構成となっている。
【0019】この構成の波面曲率変調装置では、請求項
5に係る発明の作用に加え、波面曲率調整手段は、発生
された互いに異なる波面曲率を有する複数の光束によっ
て、波面の曲率半径を無限大から約10cmまでの領域
に変調もしくは調整することができる。
【0020】また、請求項7に係る発明の波面曲率変調
装置は、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の構成に
加え、前記異なる波面曲率を有する複数の光束のそれぞ
れが、複数の波長の光束の集合体であることを特徴とす
る構成となっている。
【0021】この構成の波面曲率変調装置では、請求項
1乃至6の何れかに係る発明の作用に加え、異なる波面
曲率を有する複数の光束のそれぞれが、複数の波長の光
束の集合体であるので、複数の波長からなる光束の波面
曲率を調整もしくは変調することができる。
【0022】また、請求項8に係る発明の波面曲率変調
装置は、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の構成に
加え、前記光束発生手段は、少なくとも1つの光源から
出射される光束を複数の光束に分離する光束分離手段
と、当該分離された複数の光束をそれぞれ異なる波面曲
率を有する光束に変換する光束変換手段とを備えてい
る。
【0023】この構成の波面曲率変調装置では、請求項
1乃至7の何れかに係る発明の作用に加え、光束発生手
段の光束分離手段が、少なくとも1つの光源から出射さ
れる光束を複数の光束に分離し、光束変換手段が、分離
された複数の光束をそれぞれ異なる波面曲率を有する光
束に変換することができる。
【0024】また、請求項9に係る発明の波面曲率変調
装置は、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の構成に
加え、前記光束発生手段は、複数の光束をそれぞれ発生
する複数の光源と、当該複数の光源によって発生された
複数の光束を、それぞれ異なる波面曲率を有する光束に
変換する複数の光束変換手段とを備えている。
【0025】この構成の波面曲率変調手段では、請求項
1乃至7の何れかに係る発明の作用に加え、複数の光源
からそれぞれ発生された光束を、その各光束にそれぞれ
対応した光束変換手段によってそれぞれ異なる波面曲率
を有する光束に変換することができる。
【0026】また、請求項10に係る発明の画像表示装
置は、請求項1乃至9の何れかに記載の波面曲率変調装
置を備えている。
【0027】この構成の画像表示装置では、請求項1乃
至9の何れかに記載の波面曲率変調装置を備えているの
で、光束の波面曲率を変調できる。
【0028】また、請求項11に係る発明の画像表示装
置は、請求項10に記載の発明の構成に加え、前記波面
曲率変調装置から出射される光束を走査する光走査手段
と、当該光走査手段によって走査された光束を観察者の
瞳孔に入射させる光学手段とを備えている。
【0029】この構成の画像表示装置では、請求項10
に係る発明の作用に加え、光走査手段が、波面曲率変調
装置から出射される光束を走査し、光学手段が、光走査
手段によって走査された光束を観察者の瞳孔に入射させ
ることができる。
【0030】また、請求項12に係る発明の画像表示装
置は、請求項10又は11に記載の発明の構成に加え、
観察者の視点を想定した仮想視点からの距離が異なる複
数の仮想投影面上にそれぞれ2次元画像を投影すること
で3次元画像を表現する仮想投影手段を備えている。
【0031】この構成の画像表示装置では、請求項10
又は11に係る発明の作用に加え、仮想投影手段が、観
察者の視点を想定した仮想視点からの距離が異なる複数
の仮想投影面上にそれぞれ2次元画像を投影することで
3次元画像を表現することができる。
【0032】また、請求項13に係る発明の画像表示装
置は、請求項12に記載の発明の構成に加え、前記複数
の仮想投影面の任意の1つに観察者のピント調整がされ
た場合、前記仮想視点からみた前記仮想投影面の前後に
位置する2つの前記仮想投影面のそれぞれのピントのず
れの差に基づくボケ量がほぼ同一となるように仮想投影
面間の距離が設定されていることを特徴とする構成とな
っている。
【0033】この構成の画像表示装置では、請求項12
に係る発明の作用に加え、複数の仮想投影面の任意の1
つに観察者のピント調整がされた場合、仮想視点からみ
た仮想投影面の前後に位置する2つの仮想投影面のそれ
ぞれのピントのずれの差に基づくボケ量がほぼ同一とな
るように仮想投影面間の距離が設定されているので、そ
れぞれの仮想投影面間の遠近感の差を自然に表現するこ
とができる。
【0034】また、請求項14に係る発明の画像表示装
置は、請求項12に記載の発明の構成に加え、前記複数
の仮想投影面の任意の1つに観察者のピント調整がされ
た場合、当該仮想投影面に隣接する仮想投影面のボケ量
が観察者の視覚分解能とほぼ一致するように仮想投影面
間の距離が設定されていることを特徴とする構成となっ
ている。
【0035】この構成の画像表示装置では、請求項12
に係る発明の作用に加え、複数の仮想投影面の任意の1
つに観察者のピント調整がされた場合、仮想投影面に隣
接する仮想投影面のボケ量が観察者の視覚分解能とほぼ
一致するように仮想投影面間の距離が設定されているの
で、表現したい遠近感にあわせて効率よく仮想投影面の
配置を設定することができる。
【0036】また、請求項15に係る発明の画像表示装
置は、請求項12乃至14の何れかに記載の発明の構成
に加え、前記仮想投影手段は、前記複数の仮想投影面上
に投影される2次元画像に加え、奥行き情報を含む画像
データもしくはポリゴンデータに基づく画像を前記仮想
投影面上に投影することを特徴とする構成となってい
る。
【0037】この構成の画像表示装置では、請求項12
乃至14の何れかに係る発明の作用に加え、仮想投影手
段が、複数の仮想投影面上に投影される2次元画像に加
え、奥行き情報を含む画像データもしくはポリゴンデー
タに基づく画像を仮想投影面上に投影することができ
る。
【0038】また、請求項16に係る発明の画像表示装
置は、請求項12乃至15の何れかに記載の発明の構成
に加え、前記仮想視点から観察した3次元画像の任意の
部位を、当該任意の部位と前記仮想視点との間の距離に
対応したそれぞれの前記仮想投影面上に投影することを
特徴とする構成となっている。
【0039】この構成の画像表示装置では、請求項12
乃至15の何れかに係る発明の作用に加え、仮想視点か
ら観察した3次元画像の任意の部位を、任意の部位と仮
想視点との間の距離に対応したそれぞれの仮想投影面上
に投影することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る波面曲率変調
装置の一実施の形態について、図面を参照して説明す
る。まず、本発明に係る波面曲率変調装置1の構成につ
いて、図1乃至図5を参照して説明する。図1は、波面
曲率変調装置1の構成を示す構成図である。図2は、光
束発生手段10の構成を示す構成図である。図3は、第
1の実施の形態の光束選択手段20の構成を示す構成図
である。図4は、第2の実施の形態の光束選択手段20
の構成を示す構成図である。図5は、第3の実施の形態
の光束選択手段20の構成を示す構成図である。
【0041】まず、図1に示すように、波面曲率変調装
置1は、4種類のそれぞれ波面曲率の異なる光束を発生
する光束発生手段10と、光束発生手段10で発生され
た光束が入射され、入射された光束のうち少なくとも1
つを選択して外部に出射する光束選択手段20とから構
成される。光束発生手段10は、略平行な光束を発生す
る光源11と、波面曲率aの光束Aを発生する光束A発
生部2と、波面曲率bの光束Bを発生する光束B発生部
3と、波面曲率cの光束Cを発生する光束C発生部4
と、波面曲率dの光束Dを発生する光束D発生部5とで
構成される。光束発生手段10から出射された光束A〜
Dは光束選択手段20に入射され、そのうちの少なくと
も1つ、例えば波面曲率bの光束Bが、光束選択手段2
0から選択的に出射される構成となっている。
【0042】次に、図2に示すように、光束発生手段1
0には、略平行な光束を発生する光源11と、光源11
から発せられた光束の一部を透過し一部を反射する部分
透過ミラー12と、部分透過ミラー12によって透過さ
れた光束の波面曲率を変調するレンズ列13とが、それ
ぞれX軸方向の同軸上に設けられており、光束A発生部
2は、部分透過ミラー12とレンズ列13とで構成され
ている。また、部分透過ミラー12に反射される光束の
光軸上(Y軸方向)には、部分透過ミラー14と、部分
透過ミラー16と、全反射ミラー18とが設けられてい
る。さらに、部分透過ミラー14,16にそれぞれ反射
される光束の光軸上(X軸方向)には、光束の波面曲率
を変調するレンズ列15,17がそれぞれ設けられてい
る。光束B発生部3は、部分透過ミラー14とレンズ列
15とで、光束C発生部4は、部分透過ミラー16とレ
ンズ列17とでそれぞれ構成されている。また、全反射
ミラー18が反射する光束の光軸上には、光束の波面曲
率を変調するレンズ列19が設けられている。光束D発
生部5は、全反射ミラー18とレンズ列19とで構成さ
れている。尚、部分透過ミラー12,14,16と、全
反射ミラー18とが、本発明における光束分離手段であ
り、レンズ列13,15,17,19が、本発明の請求
項8における光束変換手段である。
【0043】部分透過ミラー12,14,16は、入射
した光束の一部を透過し、一部を反射するハーフミラー
である。部分透過ミラー12は、−X方向から入射する
光束の一部を+X方向に透過し、一部を−Y方向に反射
する向きに、また、部分透過ミラー14,16は、+Y
方向から入射する光束の一部を−Y方向に透過し、一部
を+X方向に反射する向きにそれぞれ設けられている。
また、全反射ミラー18は、+Y方向から入射する光束
を+X方向に反射する向きに設けられている。
【0044】また、レンズ列13,15,17,19
は、それぞれ焦点距離がfの2つの凸レンズから構成さ
れており、それぞれの凸レンズの主点間の距離がfa+
f,fb+f,fc+f,fd+fとなるように固定さ
れている。そして、fa〜fdの関係が、以下の式を満
たすように、それぞれの凸レンズは光束発生手段10に
設けられている。 f=fa ・・・(1) fa>fb>fc>fd>0・・・(2)
【0045】光源11として利用するには、略平行な光
束であるレーザ光を発することのできるレーザ光源が適
しているが、LED等のその他の光源を利用することも
できる。
【0046】次に、図3に示すように、第1の実施の形
態の光束選択手段20には、入射される光束Aの光強度
を変調する強度変調器21と、強度変調器21によって
変調された光束Aを全反射する全反射ミラー25とが、
光束Aの光軸上(X軸方向)に設けられている。同様に
入射される光束B,C,Dの光強度をそれぞれ変調する
強度変調器22,強度変調器23,強度変調器24と、
変調された光束B,C,Dをそれぞれ反射または透過す
る合成ミラー26,合成ミラー27,合成ミラー28と
が、光束B,C,Dの光軸上(X軸方向)にそれぞれ設
けられている。さらに、全反射ミラー25に反射された
光束Aと、合成ミラー26〜28に反射された光束B〜
Dとが合成されるように、全反射ミラー25及び合成ミ
ラー26〜28の位置が、Y軸方向の同軸上に整列され
ている。尚、強度変調器21〜24が、本発明における
光束強度変調手段であり、全反射ミラー25と、合成ミ
ラー26〜28とが、本発明における光束合成手段であ
る。
【0047】強度変調器21〜24は、光変調器であ
り、光変調器は、電気信号を変換回路を介して光信号に
変換するデバイスである。光変調器には、半導体レーザ
等を用いて変調信号の変化をそのレーザ光の強度変化に
変調する方式や、デバイスに入射した光束を変調し、変
調した光束を出射する方式等がある。例えば強度変調器
21〜24として後者の方式の音響光学効果を利用した
AOM(Acousto-OpticModulator:音響光学変調器)等
を用いれば、数百MHzの駆動周波数での光束の高速な
変調が可能である。
【0048】合成ミラー26〜28は、その表面から入
射した光束の一部を反射し、その裏面から入射した光束
の一部を透過する。合成ミラー26,27は、+Y方向
から入射した光束の一部を−Y方向に透過し、−X方向
から入射した光束の一部を−Y方向に反射する向きにそ
れぞれ設けられている。また、合成ミラー28は、+Y
方向から入射した光束の一部を+X方向に反射し、−X
方向から入射した光束の一部を+X方向に透過する向き
に設けられている。全反射ミラー25は、−X方向から
入射した光束を−Y方向に反射する向きに設けられてい
る。
【0049】次に、図4に示すように、第2の実施の形
態の光束選択手段20には、入射される光束A〜Dのそ
れぞれの光軸上(X軸方向)に、光束A〜Dの反射方向
をそれぞれ変更する光スイッチ31、光スイッチ32、
光スイッチ33、及び光スイッチ34が設けられてい
る。また、光スイッチ31,32,33,34で反射さ
れたそれぞれの光束の光軸上(Y軸方向)には、全反射
ミラー35,合成ミラー36,合成ミラー37,合成ミ
ラー38が設けられている。さらに、光束A〜Dが、反
射または透過して合成され、光束選択手段20の光束の
出射部位に設けられたスリット39を介して出射される
ように、全反射ミラー35、合成ミラー36〜38、及
びスリット39の位置が、X軸方向の同軸上に整列され
ている。
【0050】光スイッチ31〜34には、例えばシリコ
ンマイクロミラーアレイを用いることができ、その生産
においてシリコン微細加工などの半導体プロセスによる
生産が可能であり、光束選択手段20の小型化、ひいて
は波面曲率変調装置1の小型化を図ることができる。
【0051】光スイッチ31〜34は、−X方向から入
射した光束を−Y方向に反射する向きにそれぞれ設けら
れている。また、光スイッチ31〜34は可動すること
ができ、入射する光束の反射方向を変更することができ
る。また、全反射ミラー35は、+Y方向から入射した
光束を+X方向に反射する向きに設けられている。合成
ミラー36〜38は、その表面から入射した光束の一部
を反射し、その裏面から入射した光束の一部を透過する
ことができ、それぞれ+Y方向から入射した光束の一部
を+X方向に反射し、−X方向から入射した光束の一部
を+X方向に透過する向きに設けられている。スリット
39は、全反射ミラー35及び合成ミラー36〜38に
よって合成される光束の光軸と同軸となる光束のみが通
過できるようになっており、光スイッチ31〜34によ
って反射方向をずらされた光束は、このスリット39を
通過することができないようになっている。
【0052】次に、図5に示すように、第3の実施の形
態の光束選択手段20には、入射される光束A〜Dのそ
れぞれの光軸上(X軸方向)に、固定ミラー44、固定
ミラー45,固定ミラー46、及び固定ミラー47がそ
れぞれ設けられている。また、固定ミラー44,45が
それぞれ反射する光束A,Bの光軸が同軸上(Y軸方
向)で重なるように固定ミラー44,45は整列され、
さらにその同軸上に光スイッチ41が設けられている。
同様に、固定ミラー46,47と光スイッチ42も、Y
軸方向の同軸上に整列されている。
【0053】光スイッチ41,42及び光スイッチ43
は、前述のシリコンマイクロミラーアレイ等で形成され
ており、高速な光束のスイッチングを可能としている。
光スイッチ41,42はそれぞれ光束AまたはBのいず
れか一方,光束CまたはDのいずれか一方を選択的に反
射するようになっている。さらに、光スイッチ41,4
2のX軸方向の同軸上には、固定ミラー48,固定ミラ
ー49がそれぞれ設けられている。そして、固定ミラー
48,49がそれぞれ反射する光束の光軸が同軸上(Y
軸方向)で重なるように固定ミラー48,49は整列さ
れ、さらにその同軸上に光スイッチ43が設けられてい
る。光スイッチ43もまた、固定ミラー48または49
を介して入射された光束のうちいずれか一方を選択的に
反射するようになっている。
【0054】固定ミラー44,46,48は、−X方向
から入射した光束を−Y方向に反射する向きに、また、
固定ミラー45,47,49は、−X方向から入射した
光束を+Y方向に反射する向きにそれぞれ設けられてい
る。光スイッチ41〜43は、+Y方向または−Y方向
から入射される光束のうちいずれか一方を選択的に+X
方向に出射するように、その反射面の角度を変更するこ
とができるようになっている。
【0055】次に、図1乃至図5を参照して、各実施の
形態の波面曲率変調装置1の動作について説明する。ま
ず、第1の実施の形態の波面曲率変調装置1の動作につ
いて、図1乃至図3を参照して説明する。図2に示すよ
うに、光源11で発生された光束は+X方向に出射さ
れ、光束A発生部2の部分透過ミラー12に入射され
る。部分透過ミラー12は、入射した光束の一部を+X
方向に透過し、一部を−Y方向に反射する。+X方向に
透過された光束はレンズ列13に入射し、その波面曲率
を変調され、+X方向に出射される。
【0056】レンズ列13を構成する焦点距離fの2つ
の凸レンズは、その主点間の距離がfa+fとなってお
り、数式(1)においてfaがfと等しくなるように定
義されている。すなわち、2つの凸レンズの主点間の距
離は凸レンズの焦点距離fの2倍であり、−X方向から
1の凸レンズに入射した光束はその中間位置で焦点を結
び、2の凸レンズに入射する。2つの凸レンズの仕様は
同一であり、1の凸レンズを通過し距離fで焦点を結ん
だ光束がその収束角度と同じ広がり角度をもって距離f
の2の凸レンズに入射すると、2の凸レンズを通過した
光束は1の凸レンズに入射する前の光束と同じ広がり幅
の光束(光束A)となって光束A発生部2から出射され
る。この場合、光源11から発せられた光束が略平行な
光束であるので、その波面曲率aは平行光の場合の値
(ほぼ0に等しい)をとる。
【0057】ところで、波面曲率は、曲率半径の逆数で
ある。平行光の曲率半径はほぼ無限大に等しいので、そ
の逆数である波面曲率はほぼ0に等しくなる。
【0058】また、部分透過ミラー12で反射された光
束は−Y方向に進み、光束B発生部3の部分透過ミラー
14に入射される。部分透過ミラー14は、入射した光
束の一部を+X方向に反射し、一部を−Y方向に透過す
る。+X方向に反射された光束はレンズ列15に入射
し、その波面曲率が変調され、+X方向に出射される。
【0059】レンズ列15を構成する焦点距離fの2つ
の凸レンズは、その主点間の距離がfb+fとなってお
り、数式(2)においてfbは、fより小さく0より大
きい値として定義されているので、2つの凸レンズの主
点間の距離は凸レンズの焦点距離fより大きく2fより
小さい。−X方向から1の凸レンズに入射した光束は、
1の凸レンズから距離fの位置で焦点を結び、2の凸レ
ンズに入射する。1の凸レンズを通過し距離fで焦点を
結んだ光束がその収束角度と同じ広がり角度をもって距
離fより近い距離fbの位置にある2の凸レンズに入射
すると、2の凸レンズはその光束を1の凸レンズに入射
する前の光束と同じ平行光に屈折することができず、広
がり角度を有する波面曲率bの光束Bとして光束B発生
部3から出射される。光束Bは広がり角度をもち、ほぼ
平行光の光束Aより曲率半径が小さいので、波面曲率b
は波面曲率aより大きい値となる。
【0060】また、部分透過ミラー14で透過された光
束は−Y方向に進み、光束C発生部4の部分透過ミラー
16に入射される。部分透過ミラー16は、部分透過ミ
ラー14と同様に、入射した光束の一部を+X方向に反
射し、一部を−Y方向に透過する。さらに、部分透過ミ
ラー16で透過された光束は−Y方向に進み、光束D発
生部5の全反射ミラー18に入射される。全反射ミラー
18は、+Y方向から入射した光束を+X方向に反射す
る。部分透過ミラー16,全反射ミラー18で+X方向
に反射された光束は、それぞれレンズ列17,19に入
射し、その波面曲率が調整され、+X方向に出射され
る。
【0061】光束C発生部4,光束D発生部5は、入射
した光束の波面曲率をレンズ列17,19を利用してそ
れぞれ調整している。その調整の方法は前述の光束B発
生部3の場合と同様であり、それぞれのレンズ列17,
19に入射した光束は、各々が有する2つの凸レンズの
間の距離fc+f,距離fd+fに応じて波面曲率cの
光束C,波面曲率dの光束Dにそれぞれ調整され、光束
C発生部4,光束D発生部5より各々出射される。ま
た、数式(1),(2)より、 波面曲率a<波面曲率b<波面曲率c<波面曲率d の関係が満たされ、光束発生手段10からは、それぞれ
が異なる波面曲率を有する4つの光束として出射される
こととなる。
【0062】ところで、網膜上に投影されたピンボケ像
の眼のピント調整機能による検出能力を考慮すると、波
面曲率による表現が無段階に行われる必要はない。例え
ば、曲率半径が10cm,50cm,3m,無限遠とい
った4段階程度の対数的に異なる波面曲率の光束を表現
するだけでも、実質的に十分な波面曲率の変調の効果を
得ることができる。
【0063】次に、図3に示すように、光束選択手段2
0には、光束発生手段10から出射された4つの光束A
〜Dが、−X方向より強度変調器21〜24にそれぞれ
入射される。強度変調器21〜24は、図7に示す、光
束選択手段駆動回路63からの信号に基づいて動作さ
れ、通過する光束A〜Dの光強度をそれぞれ変調する。
強度変調器21〜24を通過して変調された光束A〜D
は+X方向に出射され、光束Aは全反射ミラー25に、
光束B,Cは合成ミラー26,27にそれぞれ−Y方向
へ反射され、さらに同軸上で合成され、この合成された
光束が、合成ミラー28によって+X方向に反射され
る。光束Dは合成ミラー28を透過し、この合成された
光束にマージされ、光束選択手段20からの出射光、す
なわち、図1に示す、波面曲率変調装置1からの出射光
として+X方向に出射される。
【0064】図3に示す例の場合、−X方向から入射す
る波面曲率aの光束A,波面曲率cの光束C,波面曲率
dの光束Dが、図7に示す、光束選択手段駆動回路63
からの信号に基づき、強度変調器21,23,24によ
ってそれぞれ遮断され、+X方向に出射されない。一
方、波面曲率bの光束Bは、強度変調器22に遮断され
ず、強度変調器22から+X方向に出射される。さら
に、合成ミラー26で反射されて−Y方向に進み、合成
ミラー28で+X方向に反射され、光束選択手段20に
よって選択された波面曲率bの光束Bとして波面曲率変
調装置1から出射される。
【0065】強度変調器21〜24は、入射する光束A
〜Dの光強度を遮断及び変調するが、それぞれ光強度の
異なる光束としても出射できる。この場合、1つの光束
に複数の異なる波面曲率を有する光束を合成して、波面
曲率変調装置1から出射することができる。例えば、波
面曲率bの光束Bと、波面曲率cの光束Cとを、その光
強度を1対1として合成して出射すると、観察者は、光
束B及びCの波面曲率に対応した2つの仮想投影面の中
間に仮想投影面があるかのように認識することができ
る。さらに、合成する光束の光強度の比率を任意に設定
することで、任意の位置に仮想投影面があるかのように
観察者に認識させることができる。従って、光束A〜D
の光強度の比率を強度変調器21〜24によってそれぞ
れ調整し、変調された光束を合成して出射することによ
って、波面曲率の変化を実質無段階に調整するのと同じ
効果が得られる。
【0066】尚、強度変調器の中には、前述のAOMの
ように波面曲率に影響を与える可能性のあるものもあ
る。この場合は、光束発生手段10で発生された光束の
波面曲率がAOMを通過することによって乱されてしま
う。これを防止するために、強度変調器21〜24を、
光束発生手段10中のレンズ列13,15,17,19
と部分透過ミラー12,14,16及び全反射ミラー1
8との間に設置することもできる。この配置において
も、異なった波面曲率を持つ光束を選択するための光束
選択手段として同様の効果が得られる。また、強度変調
器として、半導体レーザの直接変調を用いる場合におい
ては、半導体レーザ光源自体が強度変調機能を持つた
め、必然的にレンズ列13,15,17,19の前段で
強度変調を行う配置となる。
【0067】また、上記形態の他にも、図9に示すよう
に、光源として4つの半導体レーザ光源11a,11
b,11c,11dを、それぞれ光束発生手段10中の
レンズ列13,15,17,19の光路上流側に配置す
ることも可能である。すなわち、光束発生手段10にお
いて、光束A発生部2の光源として半導体レーザ光源1
1aを設け、これより出射される光束の光軸上にレンズ
列13を設ける。同様に、光束B発生部3,光束C発生
部4,光束D発生部5のそれぞれに、半導体レーザ光源
11b,11c,11dと、レンズ列14,17,19
とを光軸が同じとなるように各々設ける。そして、前記
同様、各半導体レーザ光源11a,11b,11c,1
1dより出射される光束の波面曲率を各レンズ列13,
15,17,19で変調し、それぞれ波面曲率aの光束
A,波面曲率bの光束B,波面曲率cの光束C,波面曲
率dの光束Dとして光束発生手段10より出射させ、光
束選択手段20に入射させる。この場合、各半導体レー
ザ光源11a〜11dより出射される光束の光強度をそ
れぞれ調節することで、光束選択手段20における強度
変調器21〜24(図3参照)の構成を省いても、光束
選択手段20からの出力は、上記同様の効果を得ること
ができる。尚、半導体レーザ光源11a,11b,11
c,11dが、本発明の請求項9における光源であり、
レンズ列13,15,17,19が、本発明の請求項9
における光束変換手段である。
【0068】次に、第2の実施の形態の波面曲率変調装
置1について、図4を参照して説明する。第2の実施の
形態の波面曲率変調装置1において、光束発生手段10
によって、光束が発生され、それぞれが異なる波面曲率
を有する4つの光束に分離され、光束選択手段20に対
して出射されるまでの動作に関しては、前述の実施の形
態の場合と同様である。
【0069】図4に示すように、光束選択手段20に
は、光束発生手段10から出射された4つの光束A〜D
が、−X方向より光スイッチ31〜34にそれぞれ入射
される。光スイッチ31〜34は、図7に示す、光束選
択手段駆動回路63からの信号に基づいて動作され、入
射される光束A〜Dの反射方向をそれぞれ調整する。光
スイッチ31〜34に反射された光束A〜Dは−Y方向
に進み、光束Aは全反射ミラー35に、光束B〜Dは合
成ミラー36〜38によって、+X方向にそれぞれ反射
され、同軸上で合成される。この合成された光束はスリ
ット39を通過して、光束選択手段20からの出射光、
すなわち、図1に示す、波面曲率変調装置1からの出射
光として+X方向に出射される。
【0070】ここで、光スイッチ31〜34によって光
束A〜Dのいずれかの反射方向が変化された場合、その
光束は、同軸上に整列されている全反射ミラー35、合
成ミラー36〜38、及びスリット39と同じ軸上を通
過できなくなる。スリット39はこれら軸のずれた光束
が通過されないように設けられているので、図7に示
す、光束選択手段駆動回路63からの信号に基づく光ス
イッチ31〜34による光束の反射方向の調整によっ
て、光束選択手段20から出射される光束を選択するこ
とができる。
【0071】図4に示す例の場合、−X方向から入射す
る波面曲率aの光束A,波面曲率cの光束C,波面曲率
dの光束Dの−Y方向への反射方向が、図7に示す、光
束選択手段駆動回路63からの信号に基づいて可動され
る光スイッチ31,33,34によって変化される。さ
らに、全反射ミラー35,合成ミラー37,38で+X
方向にそれぞれ反射された光束は、その光路がスリット
39を通過できる光束の軸とずれるため、スリット39
に遮られて光束選択手段20から出射されない。一方、
波面曲率bの光束Bは、その光路がスリット39を通過
できる光束の軸と同軸上で重なる方向に合成ミラー36
で反射されるように、光スイッチ32によって−Y方向
に反射される。従って、光束Bはスリット39を通過す
ることができ、光束選択手段20によって選択された波
面曲率bの光束Bとして波面曲率変調装置1から出射さ
れる。
【0072】スリット39は、通過する光束の軸がわず
かにずれただけでもその通過を遮断することができるの
で、光スイッチ31〜34は、大きく可動する必要はな
い。また、全反射ミラー35及び合成ミラー36〜38
によって光束A〜Dを合成することができるので、第1
の実施の形態の場合と同様に、波面曲率変調装置1は合
成した光束の波面曲率を表現することができる。
【0073】次に、第3の実施の形態の波面曲率変調装
置1について、図5を参照して説明する。第3の実施の
形態の波面曲率変調装置1において、光束発生手段10
によって、光束が発生され、それぞれが異なる波面曲率
を有する4つの光束に分離され、光束選択手段20に対
して出射されるまでの動作に関しては、前述の実施の形
態の場合と同様である。
【0074】図5に示すように、光束選択手段20に
は、光束発生手段10から出射された4つの光束A〜D
が、−X方向より固定ミラー44〜47にそれぞれ入射
される。固定ミラー44,46は、光束A,Cを−Y方
向にそれぞれ反射し、固定ミラー45,47は、光束
B,Dを+Y方向にそれぞれ反射する。光スイッチ41
は、固定ミラー44,45にそれぞれ反射された光束
A,Bのうちいずれか一方を+X方向に反射するよう
に、図7に示す、光束選択手段駆動回路63からの信号
に基づいて動作され、その選択された光束が、光スイッ
チ41によって反射され、固定ミラー48に入射され
る。同様に、光束C,Dのうちいずれか一方の選択され
た光束が光スイッチ42によって反射され、固定ミラー
49に入射される。固定ミラー48,49は、−X方向
から入射される光束を−Y方向,+Y方向にそれぞれ反
射する。そして、光スイッチ43が、図7に示す、光束
選択手段駆動回路63からの信号に基づいて動作し、固
定ミラー48,49にそれぞれ反射された光束のうち選
択されたいずれか一方の光束を+X方向に反射する。こ
のように、光スイッチ41〜43によって選択的に光束
選択手段20を通過した光束は、光束選択手段20から
の出射光、すなわち、図1に示す、波面曲率変調装置1
からの出射光として+X方向に出射される。
【0075】図5に示す例の場合、−X方向から入射す
る波面曲率aの光束A,波面曲率dの光束Dは、光スイ
ッチ41,42によってそれぞれ光路を絶たれ、光束選
択手段20を通過できない。また、光スイッチ42で反
射された波面曲率cの光束Cは、光スイッチ43によっ
て光路を絶たれ、光束選択手段20を通過できない。一
方、波面曲率bの光束Bは、光スイッチ41,43で反
射され光路を進むことができ、光束選択手段20によっ
て選択された波面曲率bの光束Bとして波面曲率変調装
置1から出射される。
【0076】以上説明したように、第1、第2及び第3
の実施の形態の波面曲率変調装置1は、光束発生手段1
0において、光源11で発した光束を部分透過ミラー1
2,14,16及び全反射ミラー18によって4つの光
束に分離し、レンズ列13,15,17,19によって
それぞれが異なる波面曲率a〜dを有する光束A〜Dに
変調する。さらに、第1の実施の形態の光束選択手段2
0の場合、光束A〜Dは、強度変調器21〜24によっ
てそれぞれ変調され、全反射ミラー25及び合成ミラー
26〜28によって同軸上に光軸が重なった光束となる
ように合成され、光束A〜Dのいずれかの光束が、光束
選択手段20から出射される。
【0077】また、第2の実施の形態の光束選択手段2
0の場合、光束A〜Dは、光スイッチ31〜34によっ
てそれぞれその光路が変化され全反射ミラー35及び合
成ミラー36〜38によって合成される光束は、その変
化された光路が、スリット39を通過できる光束と同軸
上で重なる光路であった場合にのみ、光束A〜Dのいず
れかの光束が、光束選択手段20から出射される。
【0078】また、第3の実施の形態の光束選択手段2
0の場合、光束A〜Dは、固定ミラー44〜49及び光
スイッチ41〜43によってそれぞれの光路が決定さ
れ、その光路が光スイッチ41〜43に遮断されなかっ
た場合にのみ、光束A〜Dのいずれかの光束が、光束選
択手段20から出射される。
【0079】尚、第2及び第3の実施の形態において
は、まず光束を複数に分離した後、それぞれを異なる波
面曲率を持つ光束とし、さらに光スイッチによって特定
の光束を選択するという構成をとったが、必ずしもこの
順番に限られるものではない。例えば、光スイッチを、
異なる波面曲率を持った光束を発生する手段の前方に配
置することも可能である。光ファイバーにカップリング
された光スイッチのように、波面曲率を維持したままス
イッチングすることが困難なものも存在する。このよう
な形式の光スイッチを用いる場合は、波面曲率を調整す
る手段よりも前方に配置することが必須となる。
【0080】尚、本発明の波面曲率変調装置1は、前記
第1、第2及び第3の実施の形態に限定されるものでは
なく、各種の変形が可能である。例えば、光束発生手段
10によって分離される光束は4つに限定する必要はな
い。また、光束発生手段10は光源11を有せず、外部
で発生された光束を分離し、異なる波面曲率の光束に変
調する手段であっても良い。
【0081】また、光束発生手段10の各レンズ列1
3,15,17,19の変形例について、図6を参照し
て説明する。図6は、光束発生手段10のレンズ列50
の変形例を示す図である。図6に示すように、光束発生
手段10のレンズ列50は、焦点距離がfの2つの凸レ
ンズ51,凸レンズ53と、凸レンズ51がX軸方向に
変動可能になるように設けられた圧電アクチュエータ5
2とからなる。凸レンズ51は圧電アクチュエータ52
の駆動によって、その位置をX軸方向に移動することが
できるので、凸レンズ53との間の距離を調整すること
ができる。凸レンズ51と凸レンズ53との間の距離f
e+fは、 0<fe≦f となる範囲で変動可能となるように定義されており、ほ
ぼ平行光の入射光として−X方向から凸レンズ51に入
射する光束は、レンズ列50を通過して凸レンズ53か
ら出射される場合、レンズ列13,15,17,19で
説明したのと同様に、距離fe+fに応じて波面曲率が
変調された光束として出射される。例えばfeがfと等
しい場合は、レンズ列50を通過して出射される光束
は、入射光と同じ波面曲率を有する光束となる。また、
feの値が小さくなるに従い、出射される光束の波面曲
率は大きくなる。尚、このレンズ列50が、本発明にお
ける波面曲率調整手段である。
【0082】レンズ列13,15,17,19としてレ
ンズ列50を利用することで、光束発生手段10によっ
て発生され変調される4つの光束は、その利用形態に合
わせて波面曲率を変調することができるようになる。例
えば、近距離のみからなる画像を提供する場合には、曲
率半径が10cm,30cm,50cm,1mの4つの
光束を、また、遠距離が中心の画像を提供する場合に
は、曲率半径が1m,3m,5m,無限大の4つの光束
を発生させることで、きめ細かな遠近感の表現が実現で
きる。
【0083】次に、本発明に係る波面曲率変調装置を備
えた画像表示装置の一実施の形態について、図面を参照
しながら説明する。図7は、画像表示装置80の構成を
示す構成図である。
【0084】まず、図7を参照して、画像表示装置80
の構成について説明する。図7に示すように、画像表示
装置80には、3次元の立体画像を解析してその奥行き
に合わせて異なる2次元の平面画像を合成する仮想投影
手段77からの映像信号78に基づいて、画像信号6
8、奥行き信号67、水平同期信号69、及び垂直同期
信号70を発生する映像信号供給手段71が設けられて
いる。この映像信号供給手段71からの画像信号68、
奥行き信号67、水平同期信号69及び垂直同期信号7
0を受信して、波面曲率変調装置1の光束発生手段10
(図2参照)、波面曲率変調装置1の光束選択手段20
(図3参照)、水平走査光学系60、及び垂直走査光学
系61をそれぞれ駆動する駆動電圧を発生する、光束発
生手段駆動回路64、光束選択手段駆動回路63、水平
走査系駆動回路65、及び垂直走査系駆動回路66がそ
れぞれ設けられている。
【0085】水平走査光学系60には、入射した光束を
水平方向に走査するポリゴンミラー(図示外)が設けら
れ、垂直走査光学系61には、入射した光束を垂直方向
に走査するガルバノミラー(図示外)が設けられてい
る。また、水平走査光学系60で走査された光束を垂直
走査光学系61に入射するための第1リレー光学系75
と、垂直走査光学系61で走査された光束を観察者の眼
62に入射するための第2リレー光学系76とが設けら
れている。波面曲率変調装置1と、水平走査光学系60
と、第1リレー光学系75と、垂直走査光学系61と、
第2リレー光学系76とは、波面曲率変調装置1で発生
された光束が、水平走査光学系60によって走査され、
第1リレー光学系75を介して入射した垂直走査光学系
61によって走査され、第2リレー光学系76を介して
観察者の眼62に入射するようにそれぞれ配置されてい
る。尚、水平走査光学系60、及び垂直走査光学系61
が、本発明における光走査手段であり、第1リレー光学
系75、及び第2リレー光学系76が、本発明における
光学手段である。
【0086】次に、図7を参照して、画像表示装置80
の動作について説明する。図7に示すように、仮想投影
手段77からの映像信号78を受信した映像信号供給手
段71は、受信した映像信号78に基づいて、観察者の
眼62に入射する画像を形成するための各信号、すなわ
ち奥行き信号67、画像信号68、水平同期信号69及
び垂直同期信号70を発生する。光束発生手段駆動回路
64は、画像信号68を受信すると、波面曲率変調装置
1の光束発生手段10(図2参照)を駆動するための駆
動電圧を発生し、光束発生手段10に印加する。光束発
生手段10は、この駆動電圧に基づいて光源11より光
束を発生し、前述のように、それぞれが異なる波面曲率
を有する4つの光束に分離する。
【0087】次に、光束選択手段駆動回路63は、奥行
き信号67を受信すると、波面曲率変調装置1の光束選
択手段20(図3参照)を駆動するための駆動電圧を発
生し、光束選択手段20に印加する。前述のように、光
束選択手段20はこの駆動電圧に基づいて強度変調器等
を駆動し、光束発生手段10より入射された4つの光束
のうち少なくとも1つを選択し、波面曲率変調装置1か
らの出射光として水平走査光学系60に対して出射す
る。
【0088】さらに、水平走査光学系60は、波面曲率
変調装置1より入射された光束を、ポリゴンミラー(図
示外)で水平方向に走査する。ポリゴンミラーは水平走
査系駆動回路65で発生された駆動電圧に基づいて回転
され、水平走査系駆動回路65は、水平同期信号69に
基づいてポリゴンミラーの回転速度を調整するようにそ
の駆動電圧を発生する。ポリゴンミラーで水平方向に走
査された光束は、垂直走査光学系61のガルバノミラー
(図示外)に対して出射される。
【0089】次に、垂直走査光学系61は、水平走査光
学系60より第1リレー光学系75を介して入射された
光束を、ガルバノミラーで垂直方向に走査する。ガルバ
ノミラーは垂直走査系駆動回路66で発生された駆動電
圧に基づいて上下方向に振幅運動され、垂直走査系駆動
回路66は、垂直同期信号70に基づいてガルバノミラ
ーの振幅運動の速度を調整するようにその駆動電圧を発
生する。ガルバノミラーで垂直方向に走査された光束
は、第2リレー光学系76を介して観察者の眼62に対
して出射され、その網膜上で結像することによって、観
察者に画像の提供が行われる。
【0090】次に、図8を参照して、仮想投影手段77
における立体画像の処理について説明する。図8は、仮
想投影手段77において、3次元立体画像を仮想投影面
に投影することで、画像提示位置の異なる2次元の画像
情報の集合体を作成する情報処理を説明するための図で
ある。尚、図8において、紙面の上下方向をZ軸方向、
左右方向をX軸方向、表裏方向をY軸方向とする。
【0091】図8に示すように、画像表示装置80(図
7参照)で立体画像を観察者の網膜上に投影するため
に、仮想投影手段77(図7参照)では3次元物体モデ
ル90の解析が行われる。仮想投影手段77では、例え
ば、3次元物体モデル90の奥行き方向(Z軸方向)に
合わせて、Z軸方向における、3つの仮想投影面a,仮
想投影面b,仮想投影面cが設定される。仮想投影面a
〜cはZ軸方向に垂直な平面(XY平面)であり、仮想
投影面a,bのほぼ中間位置に設定された仮想分割面d
と、仮想投影面b,cのほぼ中間位置に設定された仮想
分割面eとで3次元物体モデル90をZ軸方向に3分割
する。
【0092】次に、仮想投影手段77は、仮想視点82
からXY平面に投影した3次元物体モデル90を想定す
る。仮想視点82は、観察者の網膜上に3次元物体モデ
ル90を投影する場合の、観察者が3次元物体モデル9
0を見る位置として仮に想定する位置である。この仮想
視点82と3次元物体モデル90との位置関係を再現し
た画像を観察者の眼に入射させることで、観察者に、あ
たかも仮想視点82位置で3次元物体モデル90を観察
しているかのような錯覚をおこさせることができる。仮
想投影手段77は、仮想分割面eより仮想視点82側に
位置する3次元物体モデル90の部分を、仮想視点82
から3次元物体モデル90のその部分を仮想投影面c上
に投影した画像、すなわち投影された2次元画像81c
を作成する。同様に、仮想投影手段77は、仮想分割面
eと仮想分割面dとの間に位置する3次元物体モデル9
0の部分を仮想投影面b上に、また、仮想分割面dより
+Z側に位置する3次元物体モデル90の部分を仮想投
影面a上に、それぞれ投影した画像、すなわち投影され
た2次元画像81b、投影された2次元画像81aを作
成する。
【0093】さらに、仮想投影手段77は、投影された
2次元画像81a〜81cを、3つの異なる奥行きをも
った1つの画像として処理し、処理内容に基づいて映像
信号78(図7参照)を発生し、映像信号供給手段71
(図7参照)に伝達する。以降、この映像信号78が処
理され観察者の網膜上に3次元物体モデル90が投影さ
れるまでの画像表示装置80の動作については、前述の
通りである。
【0094】尚、仮想投影面a〜cは3つでなくともよ
く、2つ、あるいは4つ以上の仮想投影面を設定しても
よい。また、仮想投影面a〜cの位置は、3次元物体モ
デル90のZ軸方向の大きさに合わせて設定されるが、
それぞれの仮想投影面間の距離は、この仮想投影面a〜
cを合成した画像を観察者の網膜上に投影した場合、そ
のボケ量がピントのずれの差に基づいてほぼ同一となる
ように、3次元物体モデル90の奥行き位置に合わせて
設定してもよい。また、例えば、Z軸方向において仮想
投影面bの前後の仮想投影面a,cの、仮想投影面bに
対する前記ボケ量が観察者の視覚分解能に基づいてほぼ
一致するように設定してもよい。また、仮想投影手段7
7からの映像信号78と、外部からの映像信号(図示
外)を映像信号供給手段71においてマージして、その
マージされた映像信号に基づいた画像表示を行ってもよ
い。また、このマージする画像信号は、奥行き信号を含
まない画像データに限られず、奥行き情報を含む画像デ
ータやポリゴンデータであってもよい。また、この画像
表示装置80に複数、例えば、赤(R),緑(G),青
(B)の3色を発生する3つの波面曲率変調装置1を設
けてもよく、この場合、観察者の網膜上にカラーの画像
を投影することができる。
【0095】尚、一般的な画像においては、各画素ごと
ではR,G,Bの3色の波面曲率は等しいので、R,
G,Bの3色の光束を合成した後、波面曲率変調装置1
に入射するという構成をとることも可能である。この構
成においては波面曲率変調装置1を各色ごとに3つ用意
する必要はなく、単色の場合と同様に1つでカラー画像
の波面曲率変調を行うことができる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明の波面曲率変調装置では、複数の光束発生手段が、互
いに異なる波面曲率を有する光束をそれぞれ発生し、光
束選択手段が、発生された複数の光束のうち少なくとも
1つの光束を選択することができる。従って、異なる波
面曲率を有する光束を出射することができる。
【0097】また、請求項2に係る発明の波面曲率変調
装置では、請求項1に係る発明の効果に加え、光束選択
手段の光束強度変調手段が、複数の光束発生手段によっ
て発生された複数の光束をそれぞれ独立に強度変調もし
くは遮断することができる。従って、異なる強度及び異
なる波面曲率を有する光束を、任意に出射することがで
きる。
【0098】また、請求項3に係る発明の波面曲率変調
装置では、請求項1又は2に係る発明の効果に加え、光
束合成手段が、複数の光束発生手段によって発生された
複数の光束を同軸上に合成することができる。従って、
異なる波面曲率を有する光束を合成して同時に出射する
ことができる。
【0099】また、請求項4に係る発明の波面曲率変調
装置では、請求項1乃至3の何れかに係る発明の効果に
加え、光束選択手段の光スイッチが、複数の光束の選択
を行うことができる。従って、光束の選択を高速に行う
ことができる。
【0100】また、請求項5に係る発明の波面曲率変調
装置では、請求項1乃至4の何れかに係る発明の効果に
加え、波面曲率調整手段が、複数の光束の波面曲率をそ
れぞれ独立に調整もしくは変調することができる。従っ
て、任意の波面曲率を有する光束を出射することができ
る。
【0101】また、請求項6に係る発明の波面曲率変調
装置では、請求項5に係る発明の効果に加え、波面曲率
調整手段は、発生された互いに異なる波面曲率を有する
複数の光束によって、波面の曲率半径を無限大から約1
0cmまでの領域に変調もしくは調整することができ
る。従って、出射する光束の波面曲率を、観察者が遠近
感を認識できる範囲にすることができる。
【0102】また、請求項7に係る発明の波面曲率変調
装置では、請求項1乃至6の何れかに係る発明の効果に
加え、異なる波面曲率を有する複数の光束のそれぞれ
が、複数の波長の光束の集合体であるので、複数の波長
からなる光束の波面曲率を調整もしくは変調することが
できる。従って、任意の波面曲率及び任意の色調を有す
る光束を出射することができる。
【0103】また、請求項8に係る発明の波面曲率変調
装置では、請求項1乃至7の何れかに係る発明の効果に
加え、光束発生手段の光束分離手段が、少なくとも1つ
の光源から出射される光束を複数の光束に分離し、光束
変換手段が、分離された複数の光束をそれぞれ異なる波
面曲率を有する光束に変換することができる。従って、
複数の互いに異なる波面曲率を有する光束を発生するこ
とができる。
【0104】また、請求項9に係る発明の波面曲率変調
手段では、請求項1乃至7の何れかに係る発明の効果に
加え、複数の光源からそれぞれ発生された光束を、その
各光束にそれぞれ対応した光束変換手段によってそれぞ
れ異なる波面曲率を有する光束に変換することができ
る。従って、各光源を制御すれば、各光束変換手段から
出力される各光束を、それぞれ独立に強度変調もしくは
遮断することができる。
【0105】また、請求項10に係る発明の画像表示装
置では、請求項1乃至9の何れかに記載の波面曲率変調
装置を備えているので、光束の波面曲率を変調できる。
従って、異なる波面曲率を有する光束によって画像を形
成することができる。
【0106】また、請求項11に係る発明の画像表示装
置では、請求項10に係る発明の効果に加え、光走査手
段が、波面曲率変調装置から出射される光束を走査し、
光学手段が、光走査手段によって走査された光束を観察
者の瞳孔に入射させることができる。従って、異なる波
面曲率を有する光束によって形成された画像を観察者の
網膜上に投影することができる。
【0107】また、請求項12に係る発明の画像表示装
置では、請求項10又は11に係る発明の効果に加え、
仮想投影手段が、観察者の視点を想定した仮想視点から
の距離が異なる複数の仮想投影面上にそれぞれ2次元画
像を投影することで3次元画像を表現することができ
る。従って、観察者の眼に入射した画像によって、遠近
感を表現することができる。
【0108】また、請求項13に係る発明の画像表示装
置では、請求項12に係る発明の効果に加え、複数の仮
想投影面の任意の1つに観察者のピント調整がされた場
合、仮想視点からみた仮想投影面の前後に位置する2つ
の仮想投影面のそれぞれのピントのずれの差に基づくボ
ケ量がほぼ同一となるように仮想投影面間の距離が設定
されているので、それぞれの仮想投影面間の遠近感の差
を自然に表現することができる。従って、観察者はそれ
ほど違和感を感じることもなく、それぞれの仮想投影面
間のピント移動を行うことができる。
【0109】また、請求項14に係る発明の画像表示装
置では、請求項12に係る発明の効果に加え、複数の仮
想投影面の任意の1つに観察者のピント調整がされた場
合、仮想投影面に隣接する仮想投影面のボケ量が観察者
の視覚分解能とほぼ一致するように仮想投影面間の距離
が設定されているので、表現したい遠近感にあわせて効
率よく仮想投影面の配置を設定することができる。従っ
て、仮想投影面数を少なくしても違和感の少ない遠近感
を表現することができる。
【0110】また、請求項15に係る発明の画像表示装
置では、請求項12乃至14の何れかに係る発明の効果
に加え、仮想投影手段が、複数の仮想投影面上に投影さ
れる2次元画像に加え、奥行き情報を含む画像データも
しくはポリゴンデータに基づく画像を仮想投影面上に投
影することができる。従って、異なるソースからの画像
を合成して、観察者の網膜上に投影することができる。
【0111】また、請求項16に係る発明の画像表示装
置では、請求項12乃至15の何れかに係る発明の効果
に加え、仮想視点から観察した3次元画像の任意の部位
を、任意の部位と仮想視点との間の距離に対応したそれ
ぞれの仮想投影面上に投影することができる。従って、
観察者の網膜上に違和感の少ない3次元画像を投影する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、波面曲率変調装置1の構成を示す構成
図である。
【図2】図2は、光束発生手段10の構成を示す構成図
である。
【図3】図3は、第1の実施の形態の光束選択手段20
の構成を示す構成図である。
【図4】図4は、第2の実施の形態の光束選択手段20
の構成を示す構成図である。
【図5】図5は、第3の実施の形態の光束選択手段20
の構成を示す構成図である。
【図6】図6は、光束発生手段10のレンズ列50の変
形例を示す図である。
【図7】図7は、画像表示装置80の構成を示す構成図
である。
【図8】図8は、仮想投影手段77において、3次元立
体画像を仮想投影面に投影することで、画像提示位置の
異なる2次元の画像情報の集合体を作成する情報処理を
説明するための図である。
【図9】図9は、光束発生手段10の変形例の構成を示
す構成図である。
【符号の説明】
1 波面曲率変調装置 2 光束A発生部 3 光束B発生部 4 光束C発生部 5 光束D発生部 10 光束発生手段 11 光源 12,14,16 部分透過ミラー 18 全反射ミラー 13,15,17,19,50 レンズ列 20 光束選択手段 21〜24 強度変調器 25 全反射ミラー 26〜28 合成ミラー 31〜34 光スイッチ 35 全反射ミラー 36〜38 合成ミラー 39 スリット 41〜43 光スイッチ 60 水平走査光学系 61 垂直走査光学系 75 第1リレー光学系 76 第2リレー光学系 80 画像表示装置

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる波面曲率を有する光束を発
    生する複数の光束発生手段と、 当該複数の光束発生手段によって発生された複数の光束
    のうち少なくとも1つの光束を選択する光束選択手段と
    を備えた波面曲率変調装置。
  2. 【請求項2】 前記光束選択手段は、前記複数の光束発
    生手段によって発生された複数の光束をそれぞれ独立に
    強度変調もしくは遮断する光束強度変調手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の波面曲率変調装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の光束発生手段によって発生さ
    れた複数の光束を同軸上に合成する光束合成手段を備え
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載の波面曲率変
    調装置。
  4. 【請求項4】 前記光束選択手段は前記複数の光束の選
    択を行う光スイッチを備えたことを特徴とする請求項1
    乃至3の何れかに記載の波面曲率変調装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の光束の波面曲率をそれぞれ独
    立に調整もしくは変調可能な波面曲率調整手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の波面
    曲率変調装置。
  6. 【請求項6】 前記波面曲率調整手段は、前記複数の光
    束によって波面の曲率半径を無限大から約10cmまで
    の領域に変調もしくは調整可能であることを特徴とする
    請求項5に記載の波面曲率変調装置。
  7. 【請求項7】 前記異なる波面曲率を有する複数の光束
    のそれぞれが、複数の波長の光束の集合体であることを
    特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の波面曲率変
    調装置。
  8. 【請求項8】 前記光束発生手段は、 少なくとも1つの光源から出射される光束を複数の光束
    に分離する光束分離手段と、 当該分離された複数の光束をそれぞれ異なる波面曲率を
    有する光束に変換する光束変換手段とを備えたことを特
    徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の波面曲率変調
    装置。
  9. 【請求項9】 前記光束発生手段は、 複数の光束をそれぞれ発生する複数の光源と、 当該複数の光源によって発生された複数の光束を、それ
    ぞれ異なる波面曲率を有する光束に変換する複数の光束
    変換手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至7の
    何れかに記載の波面曲率変調装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の何れかに記載の波面
    曲率変調装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記波面曲率変調装置から出射される
    光束を走査する光走査手段と、 当該光走査手段によって走査された光束を観察者の瞳孔
    に入射させる光学手段とを備えたことを特徴とする請求
    項10に記載の画像表示装置。
  12. 【請求項12】 観察者の視点を想定した仮想視点から
    の距離が異なる複数の仮想投影面上にそれぞれ2次元画
    像を投影することで3次元画像を表現する仮想投影手段
    を備えたことを特徴とする請求項10又は11に記載の
    画像表示装置。
  13. 【請求項13】 前記複数の仮想投影面の任意の1つに
    観察者のピント調整がされた場合、前記仮想視点からみ
    た前記仮想投影面の前後に位置する2つの前記仮想投影
    面のそれぞれのピントのずれの差に基づくボケ量がほぼ
    同一となるように仮想投影面間の距離が設定されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像表示装置。
  14. 【請求項14】 前記複数の仮想投影面の任意の1つに
    観察者のピント調整がされた場合、当該仮想投影面に隣
    接する仮想投影面のボケ量が観察者の視覚分解能とほぼ
    一致するように仮想投影面間の距離が設定されているこ
    とを特徴とする請求項12に記載の画像表示装置。
  15. 【請求項15】 前記仮想投影手段は、前記複数の仮想
    投影面上に投影される2次元画像に加え、奥行き情報を
    含む画像データもしくはポリゴンデータに基づく画像を
    前記仮想投影面上に投影することを特徴とする請求項1
    2乃至14の何れかに記載の画像表示装置。
  16. 【請求項16】 前記仮想視点から観察した3次元画像
    の任意の部位を、当該任意の部位と前記仮想視点との間
    の距離に対応したそれぞれの前記仮想投影面上に投影す
    ることを特徴とする請求項12乃至15の何れかに記載
    の画像表示装置。
JP2003028909A 2002-02-06 2003-02-05 波面曲率変調装置及び波面曲率変調装置を備えた画像表示装置 Expired - Fee Related JP4045432B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003028909A JP4045432B2 (ja) 2002-02-06 2003-02-05 波面曲率変調装置及び波面曲率変調装置を備えた画像表示装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002029037 2002-02-06
JP2002-29037 2002-02-06
JP2003028909A JP4045432B2 (ja) 2002-02-06 2003-02-05 波面曲率変調装置及び波面曲率変調装置を備えた画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003302601A true JP2003302601A (ja) 2003-10-24
JP4045432B2 JP4045432B2 (ja) 2008-02-13

Family

ID=29404865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003028909A Expired - Fee Related JP4045432B2 (ja) 2002-02-06 2003-02-05 波面曲率変調装置及び波面曲率変調装置を備えた画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4045432B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005157329A (ja) * 2003-10-30 2005-06-16 Brother Ind Ltd 画像表示装置
JP2006091072A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Brother Ind Ltd 画像表示装置
JP2006292782A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Olympus Corp 外部レーザ導入装置
JP2007178943A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Brother Ind Ltd 画像表示装置
JP2008070817A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Brother Ind Ltd ヘッドマウントディスプレイ
US8089506B2 (en) 2003-12-25 2012-01-03 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image display apparatus and signal processing apparatus

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04285993A (ja) * 1991-03-14 1992-10-12 Sony Corp 直視型画像表示装置
JP2001281594A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Denso Corp 網膜走査ディスプレイ装置及び光走査装置
JP2002529801A (ja) * 1998-11-09 2002-09-10 ユニバーシティ・オブ・ワシントン 調節可能な遠近調節を備える走査ビームディスプレイ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04285993A (ja) * 1991-03-14 1992-10-12 Sony Corp 直視型画像表示装置
JP2002529801A (ja) * 1998-11-09 2002-09-10 ユニバーシティ・オブ・ワシントン 調節可能な遠近調節を備える走査ビームディスプレイ
JP2001281594A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Denso Corp 網膜走査ディスプレイ装置及び光走査装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005157329A (ja) * 2003-10-30 2005-06-16 Brother Ind Ltd 画像表示装置
US8089506B2 (en) 2003-12-25 2012-01-03 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image display apparatus and signal processing apparatus
JP2006091072A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Brother Ind Ltd 画像表示装置
JP2006292782A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Olympus Corp 外部レーザ導入装置
JP2007178943A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Brother Ind Ltd 画像表示装置
JP2008070817A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Brother Ind Ltd ヘッドマウントディスプレイ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4045432B2 (ja) 2008-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7398131B2 (ja) 画像プロジェクタ
JPH01211794A (ja) 三次元カラー表示システム
JP2021517269A (ja) 導波路ディスプレイのための単一チップ超高輝度発光ダイオードアレイ
WO2011046034A1 (ja) 画像投射装置、画像投射方法および画像表示装置
JP5685689B2 (ja) 映像表示装置
JP4935607B2 (ja) 画像表示装置
KR20050083548A (ko) 입체화상표시장치
US9236028B2 (en) Image display apparatus
WO2014077032A1 (ja) 表示装置
CN108702495B (zh) 用于基于激光的投影仪显示器的多条形激光器
US7497574B2 (en) Retinal image display device
JP4045432B2 (ja) 波面曲率変調装置及び波面曲率変調装置を備えた画像表示装置
JP4747635B2 (ja) 画像表示装置
US7210784B2 (en) Image projecting device
CN111913339A (zh) 光源装置、光扫描装置、显示系统以及移动体
JP4107102B2 (ja) 画像表示装置
JP2011075953A (ja) ヘッドマウントディスプレイ
JP6737370B2 (ja) 投影装置
CN116057446A (zh) 具有pic输入的射束扫描器以及基于射束扫描器的显示设备
JP2010085621A (ja) 画像表示装置
JPH11103474A (ja) 立体映像表示装置
JP2016099477A (ja) 投影装置、投影方法、プログラムおよび記憶媒体
US11586091B2 (en) Augmented reality device
JP2000310748A (ja) 映像表示装置
JP5883725B2 (ja) 浮遊体表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071106

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4045432

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees