JP2010085621A - 画像表示装置 - Google Patents

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英哲 山田
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Abstract

【課題】画像を光学的に表示する装置であって、それの光学的部分の構造の単純化を図りつつ、画像を各部位ごとに奥行きが表現されるように表示可能なものを提供する。
【解決手段】網膜走査型ディスプレイ装置を、(a)画像を形成するための画像光が入射し、その入射した画像光を反射するDMD(Digital Micro-mirror Device)52であって、前記入射した画像光を、各マイクロミラー70に入射した部分光ごとに、各マイクロミラーの角度に応じた角度で反射するものと、(b)各マイクロミラーから出射した各部分光が選択的に入射する複数の光学素子74,76を有する光学系54であって、各光学素子ごとに、それに入射した部分光の波面曲率の変調量が互いに異なるものとを含み、各マイクロミラーの角度を個別に制御し、それにより、各マイクロミラーに入射した部分光ごとに、前記複数の光学素子のうち、各部分光が通過すべきものを選択するものとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像を光学的に表示する技術に関するものであり、特に、表示される画像の各部位ごとに奥行きを表現する技術の改良に関するものである。
画像を光学的に表示する技術として、例えば、表示すべき画像を表す画像光を直接的に観察者の網膜上に投影し、それにより、観察者が画像を虚像として観察することを可能にする技術が存在する。
さらに、光源からの光を、表示すべき画像を表す画像光に変換する技術として、例えば、光源から一斉に入射した面状の光を、LCD等、空間変調素子を用いて、各画素ごとにまたは画素グループごとに空間的に変調し、それにより、面状の画像光を形成する技術や、光源から入射したビーム状の光であって各画素ごとに強度変調されたものを、スキャナを用いて、2次元方向に走査することによって面状の画像光に変換する技術が存在する。
特許文献1は、複数のオブジェクトを有する画像を、各オブジェクトごとに、それの奥行きが個別に表現されるように、立体的に表示する立体画像表示システムを開示している。この立体画像表示システムによれば、表示される画像の各部位ごとに奥行きを変更することが可能である。
その目的を達成するために、この立体画像表示システムは、具体的には、一つの画像を構成する複数のオブジェクトをそれぞれ表現する複数の画像光を順次生成するために複数の発光部を光軸が互いに異なるように有している。この立体画像表示システムは、さらに、順次生成される各画像光が順次入射する複数の凸レンズを焦点距離が互いに異なるように有している。それら凸レンズは、複数のオブジェクトを奥行きが互いに異なるように表現するために設けられている。
この立体画像表示システムは、さらに、それら画像光に共通の接眼レンズと、その接眼レンズと前記複数の発光部との間に形成された複数の光路であって光軸が互いに異なるものとを有している。
この立体画像表示システムは、さらにまた、それら光路に幾何学的に関連付けて複数のDMD(Digital Micro-mirror Device)を有している。それらDMDは、それら光路のうちのいずれかを、順次生成される各画像光が進行する光路として、順次選択するために設けられている。
この立体画像表示システムにおいては、各DMDは、フラットな鏡面を有するミラーを複数有している。それらミラーは、全体的に、互いに同じ角度で、かつ、互いに同じ向きに傾くように、駆動される。したがって、各DMDは、それに入射した画像光を、全体的に、同じ向きに反射する。
特開2006−17871号公報
このように、特許文献1に記載の立体画像表示システムでは、複数の画像光を生成するために、光軸が互いに異なる複数の発光部を使用するとともに、複数の各画像光ごとに選択される複数の光路が互いに異なる光軸を有するため、システム全体の光路設計が複雑になり易いうえに、それら光路を選択するために使用することが必要なDMDの数が2以上になり易い。
以上説明した知見に基づき、本発明は、画像を光学的に表示する画像表示装置であって、それの光学的部分の構造の単純化を図りつつ、画像を各部位ごとに奥行きが表現されるように表示することが可能なものを提供することを課題としてなされたものである。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 画像を光学的に表示する画像表示装置であって、
入力された画像データに基づき、その画像データにより表される画像を形成するための画像光を少なくとも最終的に2次元的に発生させる画像光発生部と、
その発生させられた画像光が入射し、その入射した画像光を反射するDMD(Digital Micro-mirror Device)であって、複数の可動マイクロミラーの2次元アレイを有し、かつ、前記入射した画像光を、各マイクロミラーに入射した部分光ごとに、各マイクロミラーの角度に応じた角度で反射するものと、
各マイクロミラーの角度を個別に変更可能なドライバと、
前記複数のマイクロミラーからそれぞれ出射した複数の部分光が選択的に入射する複数の光学素子を有する光学系であって、各光学素子ごとに、それに入射した部分光の波面曲率の変調量が互いに異なるとともに、前記複数の部分光は、それぞれが実現すべき目標波面曲率を有するものと、
前記ドライバに接続されたコントローラであって、前記複数のマイクロミラーの角度を個別に制御し、それにより、各マイクロミラーに入射した部分光ごとに、各部分光が実現すべき目標波面曲率を実現するために、前記複数の光学素子のうち、各部分光が通過すべきものを選択するものと
を含む画像表示装置。
この画像表示装置によれば、同じDMDに属する複数のマイクロミラーが、同じ画像内の各部位ごとに奥行きを表現するために、互いに異なる傾きを有するように制御される。それにより、同じ画像光発生部(すなわち、一つの発光部)から出射した画像光が、実現すべき波面曲率すなわち奥行きが最終的に互いに異ならせられるべき複数の部分光に分割される。
したがって、この画像表示装置によれば、奥行きが互いに異なる複数の部分光を画像光発生部において生成せずに済み、その結果、光軸が互いに異なる複数の発光部を使用せずに済む。「画像光発生部」の一例は、実現すべき目標波面曲率が互いに異なる複数の部分光が合成された全体画像光を、一つの光軸のもとに、それら部分光に分割することなく出射するものである。
ここに、「全体画像光」なる用語は、各瞬間ごとに、1枚の画像全体を一斉に表示する光を意味する場合があるが、それに限定されず、各瞬間ごとに、1枚の画像内の1つの画素を表示する光(1枚の画像全体を一斉に表示する光が各画素ごとに分解された光であると考えることができる)であって、その光で画像が2次元的に走査されることにより、結果的に、1枚の画像全体を表示する光を意味する場合もある。すなわち、各瞬間ごとには、1つの画素しか表示しないが、幅を有する時間領域で見ると、1枚の画像全体を表示する光を意味する場合もあるのである。
よって、この画像表示装置によれば、それの光学的部分の構造の単純化を図りつつ、画像を各部位ごとに奥行きが表現されるように表示することが可能となる。
本項において、「入射した部分光の波面曲率の変調量」なる文言は、ある部分光が、複数の光学素子のうち対応するものに入射するときにおけるその部分光の波面曲率と、同じ部分光が同じ光学素子から出射するときにおけるその部分光の波面曲率との差を意味する。
本項における「光学素子」は、凸レンズを含むように構成したり、凹レンズを含むように構成したり、凸面鏡を含むように構成したり、凹面鏡を含むように構成したり、液晶光学デバイスを含むように構成することが可能である。
また、「光学素子」は、それの焦点距離(波面曲率の変調量に影響を及ぼす光学的ファクタ)が固定であるように構成したり、可変であるように構成することが可能である。
(2) 前記光学系は、前記複数の光学素子の1次元アレイとして構成され、
前記DMDは、各マイクロミラーに入射して各マイクロミラーから出射する部分光の進行方向を1次元的に変化させる(1)項に記載の画像表示装置。
(3) 前記光学系は、前記複数の光学素子の2次元アレイとして構成され、
前記DMDは、各マイクロミラーに入射して各マイクロミラーから出射する部分光の進行方向を2次元的に変化させる(1)項に記載の画像表示装置。
この画像表示装置によれば、DMDの数が1個でありながら、各部分光の波面曲率すなわち奥行きを3以上の数で段階的に変更することが容易となる。
(4) 前記DMDは、各マイクロミラーの角度を段階的に変化させる(1)ないし(3)項のいずれかに記載の画像表示装置。
(5) 前記光学系は、前記複数の光学素子が互いに共通する1つの光軸を有するように構成され、
前記DMDは、その1つの光軸に幾何学的に関連付けて配置される(1)ないし(4)項のいずれかに記載の画像表示装置。
この画像表示装置によれば、DMDから出射する複数の部分光が、それぞれ、光軸が互いに共通する複数の光学素子のうち対応するものに入射する。したがって、この画像表示装置によれば、一つのDMDを、複数の光学素子が共有する一つの光軸に関連付けて、すなわち、例えば、その光軸上に位置するように、配置することが可能となる。
よって、この画像表示装置によれば、複数の部分光のそれぞれと、複数の光学素子のうち対応するものとの間における光路を、部分光ごとに切り換えるために、一つのDMDさえ用いれば足りることになり、その結果、この画像表示装置のうちの光学的部分の構造をさらに簡単化することが容易となる。
(6) 前記複数の光学素子は、屈折力が互いに異なる複数のレンズである(1)ないし(5)項のいずれかに記載の画像表示装置。
(7) 前記複数のレンズは、互いに共通する1つの光軸を有する(6)項に記載の画像表示装置。
(8) さらに、前記画像を観察するために観察者の瞳孔が取るべき位置と前記光学系との間に、前記複数の光学素子に共通するリレーレンズを含む(1)ないし(7)項のいずれかに記載の画像表示装置。
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のうちの1つを図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置(以下、単に「RSD」という。)10のハードウエア構成がブロック図で概念的に表されている。この種のディスプレイ装置の一例が米国特許出願公開公報第2003/0142086号に開示されており、この公報は、全体的に、引用により、本明細書に合体させられる。
このRSD10は、光学系として、複数の光源20,22,24を備えている。それら光源20,22,24は、赤色のレーザ光を発生させるR光源20と、緑色のレーザ光を発生させるG光源22と、青色のレーザ光を発生させるB光源24とを備えている。
それら光源20,22,24は、光源制御回路30によって制御される。具体的には、各光源20,22,24ごとに、発光タイミングと、発光時におけるレーザ光の輝度(強度)とが制御され、それにより、表示すべき画像を表す画像光(目標画像光)が3原色のレーザ光の合成によって生成される。
それら光源20,22,24からそれぞれ発生させられた3原色のレーザ光は、それらに共通の合波部34に入射し、その合波部34は、それら3原色のレーザ光を単一のレーザ光に合成する。これにより、3原色の成分レーザ光が単一の合成レーザ光に変換される。その合波部34は、単一の光軸を有する。
合波部34から出射したレーザ光は、スキャナ40に入射し、そのスキャナ40は、それに入射したレーザ光を2次元的に走査する。これにより、合波部34から出射したレーザ光が走査光に変換される。スキャナ40は、スキャナ駆動回路42によって駆動される。
スキャナ40から出射した走査光は、結像光学系50に入射する。その結像光学系50からの出射光は、DMD52に入射し、そのDMD52からの出射光は、波面曲率変調光学系54に入射する。それらDMD52および波面曲率変調光学系54のそれぞれの構造および作動は、後に詳述する。
波面曲率変調光学系54からの出射光は、接眼光学系56に入射する。その接眼光学系56は、図示しないリレーレンズを有している。そのリレーレンズは、2個のレンズ74,76に共通に設けられている。
接眼光学系56からの出射光は、観察者の眼60の瞳孔62を通過して網膜64上に達し、やがてその網膜64上に結像する。したがって、このRSD10は、表示すべき画像を表す画像光を直接的に観察者の網膜64上に投影し、それにより、観察者が画像を虚像として観察することを可能にする。
図2に示すように、DMD52は、よく知られているように、複数の可動マイクロミラー70の2次元アレイを有する。RSD10は、観察者の各眼60につき、1個のDMD52しか備えていない。
このDMD52は、それに全体的に入射した画像光(2次元走査光)を、各マイクロミラー70に入射した部分光ごとに、各マイクロミラー70の角度に応じた角度で反射する。DMD52については、後に詳述するが、各マイクロミラー70の角度が個別に制御され、それにより、各部分光の出射角度も個別に制御される。その結果、このDMD52は、画像光を、すべてについて向きが互いに一致するとは限らない複数の部分光に分割する機能を果たす。
DMD52の一例が、特開2006−17871号公報に開示されており、この公報は、全体的に、引用によって本明細書に合体させられる。
各マイクロミラー70は、フラットな鏡面を有している。各マイクロミラー70は、中立位置と、その中立位置から一方向に一定角度だけ傾斜した第1の傾斜位置と、その中立位置から逆方向に同じ角度だけ傾斜した第2の傾斜位置とに選択的に位置させられる。
このDMD52は、さらに、各マイクロミラー70を駆動するアクチュエータ(図示しない)を有し、各アクチュエータには、DMD駆動回路72が電気的に接続されている。このDMD駆動回路72は、各マイクロミラー70の角度を個別に変更することが可能である。
図2に示すように、波面曲率変調光学系54は、複数のマイクロミラー70からそれぞれ出射した複数の部分光が選択的に入射する第1および第2のレンズ(焦点距離が固定の凸レンズ)74,76を有している。それらレンズ74,76は、屈折力が互いに異なり、ひいては焦点距離が互いに異なる。具体的には、屈折力は、第2のレンズ76の方が第1のレンズ74より大きい。その結果、それらレンズ74,76は、各レンズ74,76に入射した部分光の波面曲率の変調量が互いに異なる。
図3に示す例においては、ある瞬間において、DMD52から出射した複数の部分光のうち第1のレンズ74(第2のレンズ76より屈折力が小さい)に入射したもの、すなわち、第1の部分光群78は、網膜64上に結像する一方、前記複数の部分光のうち第2のレンズ76(第1のレンズ74より屈折力が大きい)に入射したもの、すなわち、第2の部分光群79は、網膜64上に結像せず、ピントがぼけている。
したがって、観察者は、画像のうち、第1の部分光群78によって形成される部分を、ピントが合った状態で観察する一方、同じ画像のうち、第2の部分光群79によって形成される部分を、ピントがぼけている状態で観察する。
図4(a)に示す例においては、画像が、近くに位置する1本の木である第1オブジェクトと、遠くに位置する山である第2オブジェクトを有するように構成されている。図4(a)に示す画像が観察者によって実際に知覚される2種類の画像が、図4(b)および(c)にそれぞれ示されている。
図4(b)においては、上記第1オブジェクトが、第2の部分光群79によって形成され、その結果、観察者は、その第1オブジェクトをピントが合った状態で観察する一方、上記第2オブジェクトは、第1の部分光群78によって形成され、その結果、観察者は、その第2オブジェクトをピントがぼけた状態で観察する。
これに対し、次の瞬間、例えば、観察者が、そのピントを、第1オブジェクトではなく、第2オブジェクトに合わせると、図4(c)に示すように、観察者は、第2オブジェクトをピントが合った状態で観察する一方、第1オブジェクトをピントがぼけた状態で観察する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、DMD52と波面曲率変調光学系54との組合せの採用により、観察者は、1枚の画像を、各部位の奥行きの違い(遠近感)を認識しつつ、自然な状態で、すなわち、高い現実感を伴って観察することが可能となる。
なお付言するに、本明細書の全体を通じ、「レンズ」なる用語は、屈折力が0であるレンズ、すなわち、通常のガラス板を含み得る用語として使用する。レンズが通常のガラス板として構成される場合には、波面曲率の変調量は0となる。
図3に示すように、各レンズ74,76は、レンズ本来の形状(すなわち、完全な円形状)のうちの半分、すなわち、半円形状のレンズセグメントとして形成されている。それら半円形状のレンズセグメントが、光軸が互いに共通するように、互いに結合されることにより、波面曲率変調光学系54が構成されている。このように、この波面曲率変調光学系54は、2個のレンズ74,76の1次元アレイとして構成されている。
この波面曲率変調光学系54におけるレンズ74,76の数は、マイクロミラー70の数、すなわち、部分光の数より少ない。したがって、複数の部分光のすべてが第1および第2のレンズ74,76のうちのいずれかに入射する場合と、複数の部分光のうちの一部は第1のレンズ74に入射し、残りは第2のレンズ76に入射する場合とがある。
図3に示すように、この波面曲率変調光学系54においては、2個のレンズ74,76が、同じ光軸を共有する。また、結像光学系50からDMD52に入射する画像光の光軸も1つのみであり、もちろん、DMD52から出射する画像光の光軸も1つのみである。したがって、1個のDMD52から出射した複数の部分光は、同じ光軸を共有する状態で、1つの光軸のみを有する接眼光学系56に入射することになる。
なお、念のために付言するに、このRSD10は、DMD52上で一旦、結像が行われる構造になっているため、DMD52の各マイクロミラー70の角度が変わっても、網膜64までの光路の位置が変わるのみで、網膜64上での結像点の位置は変わらない。ただし、そのため、DMD52へ入射する光束の開口数NAが、DMD52の各マイクロミラー70の振れ角より小さくなっていて、分離ができるようになっている。
以上、このRSD10のうちの光学系を説明したが、次に、電気系を説明する。
図1に示すように、このRSD10は、画像処理回路80を備えている。その画像処理回路80は、コンピュータ82を主体として構成されている。そのコンピュータ82は、よく知られているように、図示しないが、プロセッサとメモリとがバスによって互いに接続されることによって構成されている。
画像処理回路80は、映像信号入力部86に接続されている。その映像信号入力部86は、外部装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)90に有線または無線で接続されている。PC90は、RSD10によって表示すべき画像を定義するための映像信号(前述の「画像信号」の一例である。)を映像信号入力部86に供給する。その映像信号は、各々輝度信号であるR信号、G信号およびB信号と、Z信号(すなわち、奥行き信号)と、SYNC信号(例えば、水平同期信号、垂直同期信号等)とを含んでいる。映像信号入力部86は、PC90から供給された映像信号を画像処理回路80に転送する。
画像処理回路80は、光源制御回路30とスキャナ駆動回路42とDMD駆動回路72とに電気的に接続されている。画像処理回路80は、映像信号のうちのR信号、G信号およびB信号、すなわち、輝度信号を光源制御回路30に、各色に関連付けて出力する。光源制御回路30は、入力された各輝度信号に基づき、3つの光源20,22,24のうち対応するものを駆動する。
さらに、画像処理回路80は、映像信号のうちのSYNC信号を、上述の輝度信号と同期するように、スキャナ駆動回路42に出力する。その結果、スキャナ40から出射する走査光が、再現すべき映像を光学的に表現する画像光として機能することになる。
さらに、画像処理回路80には、映像信号のうちのZ信号を処理することにより、DMD駆動回路72に出力すべき指令信号を生成する。その生成された指令信号に基づき、DMD駆動回路72は、駆動信号を生成してそれをDMD52に出力し、それにより、DMD52における複数のマイクロミラー70を個々に、前述の第1の傾斜位置と第2の傾斜位置とのいずれかに傾くように、駆動する。
図5には、画像処理回路80においてZ信号から指令信号を生成するためにコンピュータ82によって実行される信号処理プログラムが概念的にフローチャートで表されている。
まず、概略的に説明すれば、この信号処理プログラムは、DMD52における複数のマイクロミラー70の角度を個別に制御し、それにより、各マイクロミラー70に入射した部分光ごとに、各部分光が実現すべき目標波面曲率を実現するために、第1および第2のレンズ74,76のうち、各部分光が通過すべきものを選択するために実行される。
具体的に説明すれば、この信号処理プログラムは繰返し実行される。各回の実行が開始されると、まず、ステップS1において、映像信号入力部86から、Z信号が、1枚の画像フレーム分、取り込まれる。次に、ステップS2において、画像を構成する複数の画素のうち今回注目される画素の番号nが1にセットされる。
続いて、ステップS3において、前記取り込まれたZ信号に基づき、第n画素について実現すべき目標奥行き(目標波面曲率に相当する)Z(焦点距離(m))が求められる。その後、ステップS4において、その求められた目標奥行きZがしきい値Zthより小さいか否か、すなわち、第n画素を、近い位置においてピントが合うように表示すべきか否かが判定される。
今回は、目標奥行きZがしきい値Zthより大きいと仮定すると、ステップS4の判定がYESとなり、ステップS5において、複数のマイクロミラー70のうち第n画素に対応するものの目標駆動位置として、前述の第1の傾斜位置(マイクロミラー70から出射した部分光が第1のレンズ74に入射することを可能にする傾斜位置)が選択される。
これに対し、今回は、目標奥行きZがしきい値Zthより大きくはないと仮定すると、ステップS4の判定がNOとなり、ステップS6において、複数のマイクロミラー70のうち第n画素に対応するものの目標駆動位置として、前述の第2の傾斜位置(マイクロミラー70から出射した部分光が第2のレンズ76に入射することを可能にする傾斜位置)が選択される。
いずれの場合にも、その後、ステップS7において、前述の指令信号が生成される。続いて、ステップS8において、画素番号nの現在値が、1枚の画像フレームを構成する全画素数nmax以上であるか否かが判定される。今回は、画素番号nの現在値が全画素数nmax以上ではないと仮定すると、ステップS8の判定がNOとなり、ステップS9において、画像番号nが1だけインクリメントされた後、ステップS3に戻る。
これに対し、今回は、画素番号nの現在値が全画素数nmax以上であると仮定すると、ステップS8の判定がYESとなり、ステップS10において、今回の画像フレーム全体について最終的に生成された指令信号がDMD駆動回路72に出力される。その結果、今回の画像フレームの複数の画素についての奥行きが個々に実現されるように、DMD52が駆動される。
以上で、この信号処理プログラムの実行が今回の画像フレームについて終了し、次に、この信号処理プログラムの実行が次回の画像フレームについて開始される。
ここで、各画素の位置と各マイクロミラー70の位置との対応関係について説明するに、1つの画素が、1つのマイクロミラー70に対応するとは限らず、一般に、通常の画素の大きさと通常のマイクロミラー70の大きさとの関係から、互いに隣接した複数の画素から成る1つの画素グループが、1つのマイクロミラー70に対応する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、説明の便宜上、RSD10が、前記(1)項に係る「画像表示装置」の一例を構成し、R光源20、G光源22およびB光源24、合波部34ならびにスキャナ40が互いに共同して、同項における「画像光発生部」の一例を構成し、DMD駆動回路72が同項における「ドライバ」の一例を構成し、波面曲率変調光学系54が同項における「光学系」の一例を構成し、コンピュータ82のうち、図5に示す信号処理プログラムを実行する部分が、同項における「コントローラ」の一例を構成していると考えることが可能である。
なお付言するに、本実施形態においては、波面曲率変調光学系54が、2個のレンズ74,76として例示された複数の光学素子の1次元アレイとして構成されているとともに、DMD52が、各マイクロミラー70に入射して各マイクロミラー70から出射する部分光の進行方向を1次元的に変化させるように構成されている。
これに代えて、波面曲率変調光学系54が、複数の光学素子の2次元アレイとして構成されているとともに、DMD52が、各マイクロミラー70に入射して各マイクロミラー70から出射する部分光の進行方向を2次元的に変化させるように構成される態様で本発明を実施することが可能である。この態様を採用すれば、DMD52の数が1個でありながら、各部分光の波面曲率すなわち奥行きを3以上の数で段階的に変更することが容易となる。
例えば、3個のレンズの2次元アレイとして波面曲率変調光学系54を構成するためには、各レンズを、レンズ本来の形状(すなわち、完全な円形状)を角度的に三等分したものに相当するレンズセグメントとして形成すればよい。また、4個のレンズの2次元アレイとして波面曲率変調光学系54を構成するためには、各レンズを、レンズ本来の形状(すなわち、完全な円形状)を角度的に四等分したものに相当するレンズセグメントとして形成すればよい。
以上、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
本発明の一実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ装置(RSD)10の構成を概念的に表すブロック図である。 図1におけるスキャナ40、DMD52、波面曲率変調光学系54および観察者の眼60の間に形成される光路を示す光路図である。 図2におけるDMD52、波面曲率変調光学系54および観察者の眼60の間に形成される光路を示す光路図である。 図4(a)は、図1に示すRSD10によって観察される画像の一例の構成を示す図であり、図4(b)および(c)は、図4(a)に示す画像が観察者によって実際に知覚される2種類の画像であって観察者に対する見え方が互いに異なるものをそれぞれ示す図である。 図1に示す画像処理回路80のコンピュータ82によって実行される信号処理プログラムを概念的に表すフローチャートである。
符号の説明
10 網膜走査型ディスプレイ装置(RSD)
20 R光源
22 G光源
24 B光源
40 スキャナ
52 DMD(Digital Micro-mirror Device)
54 波面曲率変調光学系
70 マイクロミラー
72 DMD駆動回路
74 第1のレンズ
76 第2のレンズ
78 第1の部分光群
79 第2の部分光群
80 画像処理回路
82 コンピュータ

Claims (8)

  1. 画像を光学的に表示する画像表示装置であって、
    入力された画像データに基づき、その画像データにより表される画像を形成するための画像光を少なくとも最終的に2次元的に発生させる画像光発生部と、
    その発生させられた画像光が入射し、その入射した画像光を反射するDMD(Digital Micro-mirror Device)であって、複数の可動マイクロミラーの2次元アレイを有し、かつ、前記入射した画像光を、各マイクロミラーに入射した部分光ごとに、各マイクロミラーの角度に応じた角度で反射するものと、
    各マイクロミラーの角度を個別に変更可能なドライバと、
    前記複数のマイクロミラーからそれぞれ出射した複数の部分光が選択的に入射する複数の光学素子を有する光学系であって、各光学素子ごとに、それに入射した部分光の波面曲率の変調量が互いに異なるとともに、前記複数の部分光は、それぞれが実現すべき目標波面曲率を有するものと、
    前記ドライバに接続されたコントローラであって、前記複数のマイクロミラーの角度を個別に制御し、それにより、各マイクロミラーに入射した部分光ごとに、各部分光が実現すべき目標波面曲率を実現するために、前記複数の光学素子のうち、各部分光が通過すべきものを選択するものと
    を含む画像表示装置。
  2. 前記光学系は、前記複数の光学素子の1次元アレイとして構成され、
    前記DMDは、各マイクロミラーに入射して各マイクロミラーから出射する部分光の進行方向を1次元的に変化させる請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記光学系は、前記複数の光学素子の2次元アレイとして構成され、
    前記DMDは、各マイクロミラーに入射して各マイクロミラーから出射する部分光の進行方向を2次元的に変化させる請求項1に記載の画像表示装置。
  4. 前記DMDは、各マイクロミラーの角度を段階的に変化させる請求項1ないし3のいずれかに記載の画像表示装置。
  5. 前記光学系は、前記複数の光学素子が互いに共通する1つの光軸を有するように構成され、
    前記DMDは、その1つの光軸に幾何学的に関連付けて配置される請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示装置。
  6. 前記複数の光学素子は、屈折力が互いに異なる複数のレンズである請求項1ないし5のいずれかに記載の画像表示装置。
  7. 前記複数のレンズは、互いに共通する1つの光軸を有する請求項6に記載の画像表示装置。
  8. さらに、前記画像を観察するために観察者の瞳孔が取るべき位置と前記光学系との間に、前記複数の光学素子に共通するリレーレンズを含む請求項1ないし7のいずれかに記載の画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111474813A (zh) * 2020-04-29 2020-07-31 Oppo广东移动通信有限公司 投影光机及电子设备
US11666212B2 (en) 2016-11-25 2023-06-06 Nederlandse Organisatie voor toegepast-nataurwetenschappelijk onderzoek TNO Quantitative retinal imaging

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