JP2010085785A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回折素子などの光分岐素子により瞳拡大したときであっても、利用者の眼が焦点調節を正しく行うことができる画像表示装置を提供すること。
【解決手段】画像光を複数に分岐してX軸方向に射出瞳を拡大する第1分岐部と、画像光を複数に分岐してX軸方向と交差するY軸方向に射出瞳を拡大する第2分岐部とを有する光分岐素子を、X軸方向及びY軸方向が共に画素配列の行方向及び列方向に対して0度より大きく45度より小さい角度になるように設定する。
【選択図】図16
【解決手段】画像光を複数に分岐してX軸方向に射出瞳を拡大する第1分岐部と、画像光を複数に分岐してX軸方向と交差するY軸方向に射出瞳を拡大する第2分岐部とを有する光分岐素子を、X軸方向及びY軸方向が共に画素配列の行方向及び列方向に対して0度より大きく45度より小さい角度になるように設定する。
【選択図】図16
Description
本発明は、画像表示装置に関し、更に詳細には、複数の画素を行列状に配列した2次元画像を形成する光(画像光)を生成する画像光生成部と、この画像光生成部で生成した画像光を投射対象に投射する投射部と、画像光生成部と投射部との間にある中間像面に配置される光分岐素子とを備えた画像表示装置に関する。
従来より、複数の画素を行列状に配列した2次元画像を形成する画像光を生成して利用者の網膜などに投射する画像表示装置が知られている。
この種の画像表示装置として、2次元画像の各画素に応じた光を3原色(R,G,B)のレーザ光源から出射させ、走査部によって2次元走査して画像光を生成して利用者の眼の網膜に投射する、所謂網膜走査型画像表示装置がある。
このような網膜走査型画像表示装置においては、入射する画像光の指向性が高いことから射出瞳が小さく、利用者の眼球運動によって画像光が利用者の瞳孔になかなかうまく入射せず、利用者が画像を視認できないことがよくある。
そこで、特許文献1に示すように、回折格子を光路上に配置して画像光を回折して分岐させることにより射出瞳を拡大して利用者の眼の瞳孔に画像光を入り易くしている。
特開2006−98570号公報
利用者が画像表示装置の表示画像を観察する際に表示画像に対して利用者の眼の焦点が合っていないとき、利用者の眼は焦点が合うように水晶体を調節することになるが、画像表示装置の表示画像によっては利用者の眼が焦点調節を正しく行うことができないことがあった。
かかる問題は、画像表示装置の表示画像に横線や縦線がある場合に発生しており、利用者には1本の横線や縦線が複数本の横線や縦線として視認されることになっていた。
そこで、本発明は、回折素子などの光分岐素子により瞳拡大したときであっても、利用者の眼が焦点調節を正しく行うことができる画像表示装置を提供することを目的とする。
そこで、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の画素を行列状に配列した2次元画像を形成する画像光を生成する画像光生成部と、前記画像光生成部で生成した画像光を投射対象に投射する投射部と、前記画像光生成部と前記投射部との間にある中間像面に配置される光分岐素子と、を備えた画像表示装置において、前記光分岐素子は、前記画像光を複数に分岐して第1方向に射出瞳を拡大する第1分岐部と、前記画像光を複数に分岐して前記第1方向と交差する第2方向に射出瞳を拡大する第2分岐部とから構成され、前記第1方向及び第2方向は共に前記画素配列の行方向及び列方向に対して0度より大きく45度より小さい角度に設定されているものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記第1方向と前記行方向とがなす角度又は第1方向と前記列方向とがなす角度が18〜19度であるものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記第2方向と前記行方向とがなす角度又は第2方向と前記列方向とがなす角度が33〜34度であるものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記第1分岐部及び前記第2分岐部は回折素子から構成されており、回折により前記画像光を複数に分岐するものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像表示装置において、前記第1分岐部及び前記第2分岐部は、回折により前記画像光を0次回折光と±1次回折光とに分岐するものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の画像表示装置において、前記第1方向と前記第2方向とは略直交する関係であり、前記第1分岐部と前記第2分岐部とはそれぞれ回折方向が相互に略直交する回折素子から構成されるものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の画像表示装置において、前記第1方向と前記第2方向とは略直交する関係であり、前記第1分岐部と前記第2分岐部とが回折方向が略直交する2次元回折素子で形成されるものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記画像光生成部は、前記2次元画像に関する画像信号に応じて変調された光を発する光源部と、前記光源部からの光を第1走査方向及び当該第1走査方向と略直交する第2走査方向に走査することによって前記画像光を生成する走査部と、を備えたものである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記投射部は、前記画像光生成部で生成した画像光を利用者の眼に投射するものである。
本発明によれば、画像光を複数に分岐して第1方向に射出瞳を拡大する第1分岐部と、画像光を複数に分岐して第1方向と交差する第2方向に射出瞳を拡大する第2分岐部とを有する光分岐素子を、第1方向及び第2方向が共に画素配列の行方向及び列方向に対して0度より大きく45度より小さい角度になるように設定するので、光分岐素子により瞳拡大したときであっても、利用者の眼が焦点調節を正しく行うことができる画像表示装置を提供することができる。
以下に、本発明の画像表示装置について好適な実施形態について説明する。ここでは、画像表示装置の一例として、走査した画像光を利用者の少なくとも一方の眼の網膜に投射して利用者に画像を視認させる網膜走査型画像表示装置について説明する。
〔1.網膜走査型画像表示装置の全体構成〕
以下、本実施形態における網膜走査型画像表示装置について図面を参照して説明する。図1は本実施形態における網膜走査型画像表示装置の構成を示す説明図である。
以下、本実施形態における網膜走査型画像表示装置について図面を参照して説明する。図1は本実施形態における網膜走査型画像表示装置の構成を示す説明図である。
図1に示すように、網膜走査型画像表示装置1には、複数の画素を行列状に配列した2次元画像を形成する画像光を生成する画像光生成部2、投射光学系50が設けられる。画像光生成部2は、制御部10、光源部20、光ファイバ30、光走査部40などから構成される。そして、光源部20から出射された光を光走査部40で走査し、投射光学系50を介して走査して2次元画像を形成する画像光を利用者の少なくとも一方の眼60を投射対象として投射して利用者に画像を視認させる。
制御部10には、外部からの画像信号Sが入力される。この画像信号Sには、複数の画素を行列状に配列した2次元画像を生成するための各画素の情報(輝度、色彩などの情報)が含まれる。制御部10には、画像信号Sに基づいて画像を合成するための要素となる各信号を発生する画像信号供給回路11と、Rレーザドライバ15,Gレーザドライバ16,Bレーザドライバ17とが設けられる。画像信号供給回路11は、赤(R),緑(G),青(B)の各画像信号13r,13g,13b、水平駆動信号18、垂直駆動信号19などを出力して、光源部20や光走査部40を制御している。この画像信号13r,13g,13bは各画素の輝度や色彩に応じて各画素毎に画像信号供給回路11から出力される。また、画像信号供給回路11から出力される各画像信号13r,13g,13bに基づいてRレーザドライバ15,Gレーザドライバ16,Bレーザドライバ17により光源部20のレーザを駆動する。
光源部20は、Rレーザ21,Gレーザ22,Bレーザ23を有しており、画像信号13r,13g,13bに応じたレーザ光を出射する。すなわち、Rレーザ21,Gレーザ22,Bレーザ23は、Rレーザドライバ15,Gレーザドライバ16,Bレーザドライバ17から出力される駆動信号により画像信号13r,13g,13bに応じて強度変調されたレーザ光を出射する。さらに、光源部20には、各レーザ21〜23より出射されたレーザ光を平行光にコリメートするように設けられたコリメート光学系24と、それぞれコリメートされたレーザ光を合波するダイクロイックミラー25と、合波されたレーザ光を光ファイバ30に導く結合光学系26とが設けられている。
光源部20から光ファイバ30に導かれたレーザ光は光走査部40に入射される。この光走査部40には、光ファイバ30から出射されたレーザ光をコリメートするコリメート光学系41、このコリメートされたレーザ光を水平(H)方向(第1走査方向)に走査する水平走査部42と、この水平方向に走査されたレーザ光を後述の垂直走査部44に導くリレー光学系43と、リレー光学系43を介して入射されたレーザ光を水平方向と略垂直に交差する垂直(V)方向(第2走査方向)に走査する垂直走査部44とを有している。そして、このように光走査部40で走査されたレーザ光は2次元画像を形成する画像光として、リレー光学系を構成するレンズ51a,51bを有する投射光学系50を介して利用者の眼60の瞳孔61に入射され、画像光により形成される2次元画像が利用者の眼60の網膜62上に投影される。このように、利用者に視認させる画像の画素のうち、行方向の画素に応じたレーザ光を水平方向に走査し、列方向の画素に応じたレーザ光を垂直方向に走査するようにしている。
本実施形態における網膜走査型画像表示装置1では、投射光学系50におけるレンズ51a,51bにより形成される中間像面の位置に光分岐素子52が配置され、この光分岐素子52により射出瞳の拡大を図っている。なお、レンズ51bは投射部(接眼光学系)として画像光を投射対象である眼60の瞳孔61に投射する。
ここで、水平走査部42は、表示すべき画像の1走査線ごとに、レーザ光を水平方向に水平走査する光学系である。そして、この水平走査部42には、ガルバノミラーなどの反射ミラー42bを有する光走査素子42aと、この光走査素子42aを駆動する水平駆動回路42cとを備えている。
また、垂直走査部44は、表示すべき画像の1フレームごとに、レーザ光を最初の水平走査線から最後の水平走査線に向かって垂直に垂直走査する光学系である。そして、この垂直走査部44には、ガルバノミラーなどの反射ミラー44bを有する光走査素子44aと、この光走査素子44aを駆動する垂直駆動回路44cとを備えている。
図2には、水平走査部42及び垂直走査部44の光走査素子42a,44aによる最大走査可能範囲W(水平走査可能範囲Ha及び垂直走査可能範囲Vaにより形成される範囲)と有効走査範囲Z(水平有効走査範囲H1及び垂直有効走査範囲V1により形成される範囲)との関係が示されている。ここで、「最大走査可能範囲」とは、水平走査部42の光走査素子42a及び垂直走査部44の光走査素子44aによりレーザ光を走査できる最大の範囲を意味する。
水平駆動回路42cは、制御部10から出力される水平駆動信号18を増幅して、光走査素子42aに印加し、光走査素子42aの反射ミラー42bを駆動する。光走査素子42aは共振型光走査素子とし、制御部10から出力される水平駆動信号18は正弦波状の信号としており、水平駆動回路42cは反射ミラー42bを共振状態で駆動して、反射ミラー42bを水平走査可能範囲Ha(図2参照)で揺動させる。
垂直駆動回路44cは、制御部10から出力される垂直駆動信号19を増幅して、光走査素子44aに印加し、光走査素子44aの反射ミラー44bを駆動する。制御部10から出力される垂直駆動信号19は鋸歯状の信号としており、垂直駆動回路44cは反射ミラー44bを非共振状態で駆動して、反射ミラー44bを垂直走査可能範囲Va(図2参照)で揺動させる。
そして、光走査素子42a及び光走査素子44aの最大走査可能範囲Wのうち、有効走査範囲Zに光走査素子42a及び光走査素子44aの走査位置があるタイミングで光源部20から画像信号Sに応じて強度変調されたレーザ光が出射される。
これにより、光走査素子42a及び光走査素子44aによってレーザ光が有効走査範囲Zで走査され、1フレーム分のレーザ光が有効走査範囲Z内で走査される。この走査が1フレームの画像ごとに繰り返される。これにより複数の画素が行列状に配列した2次元画像が形成する画像光が生成されることになる。
なお、図2には、光源部20からレーザ光が常時出射されたと仮定したときに光走査素子42a及び光走査素子44aによって走査されるレーザ光の軌跡γが仮想的に示されている。ただし、光走査素子42aによる水平方向の走査数は、1フレームあたり数百又は千程度あり、図2ではレーザ光の軌跡γを簡略して記載している。
〔2.光分岐素子52〕
次に、光分岐素子52について説明する。図3は光分岐素子52の構成を説明するための図、図4は光分岐素子52の特性を説明するための図、図5は光分岐素子52により分岐された9つの画像光の説明図、図6は投射光学系50に入射した光が光分岐素子52により分岐して利用者の眼60に入射する様子を示す図、図7は分岐された画像光の射出瞳位置における配列を示す図、図8は光分岐素子52による射出瞳の拡大を説明するための図、図9は画像光が網膜62上で合焦していないときの状態を説明するための図、図10〜図12は画像光の走査方向と分岐方向とが一致するときの利用者の眼60の焦点調節を説明するための図、図13〜図15は画像光の走査方向と分岐方向とが45度ずれているときの利用者の眼60の焦点調節を説明するための図、図16〜図18は画像光の走査方向と分岐方向とが0度より大きく45度より小さい角度のときの利用者の眼60の焦点調節を説明するための図である。
次に、光分岐素子52について説明する。図3は光分岐素子52の構成を説明するための図、図4は光分岐素子52の特性を説明するための図、図5は光分岐素子52により分岐された9つの画像光の説明図、図6は投射光学系50に入射した光が光分岐素子52により分岐して利用者の眼60に入射する様子を示す図、図7は分岐された画像光の射出瞳位置における配列を示す図、図8は光分岐素子52による射出瞳の拡大を説明するための図、図9は画像光が網膜62上で合焦していないときの状態を説明するための図、図10〜図12は画像光の走査方向と分岐方向とが一致するときの利用者の眼60の焦点調節を説明するための図、図13〜図15は画像光の走査方向と分岐方向とが45度ずれているときの利用者の眼60の焦点調節を説明するための図、図16〜図18は画像光の走査方向と分岐方向とが0度より大きく45度より小さい角度のときの利用者の眼60の焦点調節を説明するための図である。
(光分岐素子52の構成)
図3に示すように、光分岐素子52は、透明樹脂板にX軸方向に沿った複数の溝52aを形成することで透過型回折格子を形成した第1分岐部52Aと、透明樹脂板にY軸方向に沿った複数の溝52bを形成することで透過型回折格子を形成した第2分岐部52Bとから構成される。
図3に示すように、光分岐素子52は、透明樹脂板にX軸方向に沿った複数の溝52aを形成することで透過型回折格子を形成した第1分岐部52Aと、透明樹脂板にY軸方向に沿った複数の溝52bを形成することで透過型回折格子を形成した第2分岐部52Bとから構成される。
第1分岐部52Aは、図4(a)に示すように、入射した光Lbを、0次光Lbx(0)と−1次光Lbx(-1)と、+1次光Lbx(+1)とに分岐させる回折特性を有するように溝52aが形成される。また、第2分岐部52Bは、図4(b)に示すように、入射する光を第1分岐部52Aの0次光Lbx(0)とすると、0次光Lbx(0)y(0)と−1次光Lbx(0)y(-1)と、+1次光Lbx(0)y(+1)とに分岐させる回折特性を有するように溝52bが形成される。
光分岐素子52はこのような特性を持つ第1分岐部52A及び第2分岐部52Bを有しており、入射する光Lbは、第1分岐部52A及び第2分岐部52Bにより、9つの光に分岐される。すなわち、入射する光Lbは、図5に示すように、光Lbx(0)y(0)、光Lbx(0)y(-1)、光Lbx(0)y(+1)、光Lbx(-1)y(0)、光Lbx(-1)y(-1)、光Lbx(-1)y(+1)、光Lbx(+1)y(0)、光Lbx(+1)y(-1)、光Lbx(+1)y(+1)に分岐する。なお、x(α)は第1分岐部52Aのα次光であり、y(β)は第1分岐部52Aのβ次光であることを意味する。例えば、光Lbx(-1)y(+1)は、第1分岐部52Aの−1次光かつ第2分岐部52Bの+1次光である。
このように、光分岐素子52は、入射した光を9つの光に分岐するものであり、これにより、画像光の実効的径を拡大して、射出瞳をX軸方向及びY軸方向に拡大する。図6は、X方向から視たときに画像光がY軸方向に3つに分岐されて利用者の眼60に入射して、Y軸方向に射出瞳が拡大している様子を示している。また、図示しないが同様に、Y方向から視たときには画像光がX軸方向に3つに分岐されて利用者の眼60に入射して、Y軸方向に射出瞳が拡大している。
(光分岐素子52の配置)
次に、光分岐素子52の配置について説明する。
次に、光分岐素子52の配置について説明する。
図6に示すように、画像信号Sに含まれる2次元画像の各画素毎に強度変調され、走査された画像光は光分岐素子52に入射され、この光分岐素子52により画像光が9つに分岐される。このように9つに分岐した画像光は利用者の眼60に向い、射出瞳位置で図7に示すように射出瞳が拡大する。すなわち、光分岐素子52を配置していないときの射出瞳は、図7に示すLbx(0)y(0)の範囲であり、図8(a)に示すように、眼60を動かしてこの範囲内に瞳孔61が位置しなくなったときには、利用者は画像を視認できない。一方、光分岐素子52を配置したときの射出瞳は、図7に示す「G」の範囲となり、眼60を動かしてもこの範囲内に瞳孔61が位置している限り、図8(b)に示すように利用者は画像を視認できる。このように網膜走査型画像表示装置1では、光分岐素子52を配置して射出瞳の拡大を図っている。
図6に示すように網膜走査型画像表示装置1から投射される画像光が網膜62上で合焦したときには利用者は画像光で形成される画像をボケない状態で視認できるが、網膜62上で合焦しないときには画像光で形成される画像がボケた状態で視認されることになる。
利用者は、網膜走査型画像表示装置1によって形成される虚像を視認しようとするときに、網膜走査型画像表示装置1から投射される画像光が網膜上で合焦するように水晶体を調整する。
ところが、画像光の走査方向と分岐方向とが一致するとき、図9(a),(b)に示す状態で水晶体の調節が終了してしまうことがある。このような状態で水晶体の調節が終了してしまうと、画像光で形成される画像がボケた状態で視認されることになる。なお、画像光の走査方向と分岐方向とが一致するとは、図10(a),(b)に示すように、光走査部40の走査方向(水平方向又は垂直方向)と、光分岐素子52の分岐方向のうちX軸方向又はY軸方向が一致することを意味する。
画像光の走査方向と分岐方向とが一致するとき、図9(a),(b)に示す状態では、9つに分岐した画像光は利用者の網膜62上に図11に示すように、1つの点としてではなく9つの点として入射している。このとき、これらの9つの画像光の網膜上の強度を画像の水平方向及び垂直方向に積分すると、画像の水平方向及び垂直方向でそれぞれ3つの離散した強度分布となる。
そのため、利用者に視認させる画像に水平方向及び垂直方向に線があるとき、利用者にはその線を3つの線として視認することになる。例えば、利用者に視認させる画像に水平方向及び垂直方向に線が1つずつあるとき、図12に示すように、利用者にはこれらの線を画像の垂直方向及び水平方向のそれぞれ3つの線として視認することになる。このとき、利用者の眼球は、画像の水平方向及び垂直方向にそれぞれ3つの線に合焦しているものと勘違いして、その後の水晶体の調節を終了してしまう。
また、画像光の走査方向と分岐方向とが一致しないときであっても、図13(a),(b)に示すように、画像光の走査方向と分岐方向と45度ずれているときには、図9(a),(b)に示す状態で水晶体の調節が終了してしまうことがある。これは、正しい合焦位置では、1本の線となるべきところを、3つの線がそれぞれに合焦していると脳が判断してしまうためである。
画像光の走査方向と分岐方向とが45度ずれているとき、図9(a),(b)に示す状態では、9つに分岐した画像光は利用者の網膜62上に図14に示すように、1つの点としてではなく9つの点として入射している。このとき、これらの9つの画像光の網膜上の強度を画像の水平方向及び垂直方向に積分すると、画像の水平方向及び垂直方向でそれぞれ5つの離散した強度分布となる。
そのため、利用者に視認させる画像に水平方向及び垂直方向に線があるとき、利用者にはその線を5つの線として視認することになる。例えば、利用者に視認させる画像に水平方向及び垂直方向に線が1つずつあるとき、図15に示すように、利用者にはこれらの線を画像の垂直方向及び水平方向のそれぞれ5つの線として視認することになる。このとき、利用者の眼球は、画像の水平方向及び垂直方向にそれぞれ5つの線に合焦しているものと勘違いして、その後の水晶体の調節を終了してしまう。なお、中央の線が太く、周辺の線ほど線が細くなって見える。
このように、利用者に視認させる画像に水平方向や垂直方向に線があるとき、投射される画像光により形成される画像に眼60の焦点が合っていないと、水平方向や垂直方向の線が複数の線として視認されてしまう。そして、このときの利用者の眼60は網膜62に入射する画像の空間周波数が高いためピンボケしている状態であると知覚することができず、利用者の眼60は焦点調節を正しく行うことができない。
そこで、網膜走査型画像表示装置1では、画像光の走査方向と分岐方向とを0度より大きく45度より小さい角度に設定することにより、利用者に視認させる画像に水平方向及び垂直方向に線があるときであっても、焦点を網膜上に形成するようにしている。
すなわち、光分岐素子52は、第1分岐部52Aにより画像光を複数に分岐してX軸方向(第1方向)に射出瞳を拡大し、第2分岐部52Bにより前記画像光を複数に分岐してX軸方向と略直交するY軸方向(第2方向)に射出瞳を拡大するように構成し、X軸方向及びY軸方向は共に形成する画像の画素配列の行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)に対して0度より大きく45度より小さい角度に設定するようにしている。
図16には、瞳拡大を行うY軸方向に対して、画像の垂直方向を33〜34度程度の角度となるようにしたとき、9つに分岐した画像光の網膜上の強度を画像の水平方向及び垂直方向に積分すると、画像の水平方向及び垂直方向でそれぞれ離散しない強度分布となる。
そのため、利用者に視認させる画像に水平方向及び垂直方向に線があるとき、図17に示すように、利用者はその線を1つの線として視認することになり、水晶体の弛緩や緊張を行ってこの1つの線が一番細くなる位置で水晶体の調節を終了することになり、焦点が網膜上に形成される。
また、図18には、瞳拡大を行うY軸方向に対して、画像の垂直方向を18〜19度程度の角度となるようにしたとき、9つに分岐した画像光の網膜上の強度を画像の水平方向及び垂直方向に積分すると、画像の水平方向及び垂直方向でそれぞれ離散しない強度分布となる。
そのため、利用者に視認させる画像に水平方向及び垂直方向に線があるとき、図17に示すように、利用者はその線を1つの線として視認することになり、水晶体の弛緩や緊張を行ってこの1つの線が一番細くなる位置で水晶体の調節を終了することになり、焦点が網膜62上に形成される。
このように本実施形態における網膜走査型画像表示装置1では、画像光を複数に分岐してX軸方向(第1方向)に射出瞳を拡大する第1分岐部52Aと、画像光を複数に分岐してX軸方向と交差するY軸方向(第2方向)に射出瞳を拡大する第2分岐部52Bとを有する光分岐素子52を、X軸方向及びY軸方向が共に画素配列の行方向(水平(H)方向)及び列方向(垂直(H)方向)に対して0度より大きく45度より小さい角度になるように設定することで、光分岐素子52により瞳拡大したときであっても、利用者の眼60が水晶体を正しく調節することができ、これにより焦点調節を正しく行うことができる。
特に、X軸方向(第1方向)又はY軸方向(第2方向)と水平方向(画像の行方向)とがなす角度又は、X軸方向(第1方向)又はY軸方向(第2方向)と垂直方向(画像の列方向)とがなす角度が18〜19度又は33〜34度であることきには、分岐された画像光のビーム径と分岐された画像光の間隔との関係を考慮しなくても、利用者の眼60が焦点調節を正しく行うことができる。
なお、上述においては、第1分岐部52A及び第2分岐部52Bは回折素子から構成されており、回折により画像光を複数に空間的に分岐するようにしたが、光を分岐することができれば、これに限られない。例えば、音響光学偏向器などによりX軸方向及びY軸方向に走査して、動的に時間的に分岐するようにしてもよい。
また、上述においては、第1分岐部52A及び第2分岐部52Bは、回折により画像光を0次回折光と±1次回折光とに分岐することとして説明したが、これに限られない。例えば、さらに0次回折光、±1次回折光、±2次回折光に画像光を分岐するようにしてもよい。なお、各回折光は、互いに同様のビーム強度及びビーム径であることが望ましい。
また、上述の光分岐素子52は、第1分岐部52Aの透明樹脂板と第2分岐部52Bの透明樹脂板とを別部材で構成したが、同一の透明樹脂板にX軸方向に沿った複数の溝52aとY軸方向に沿った複数の溝52bとを形成するようにして2次元回折素子としてもよい。このように第1分岐部52Aと第2分岐部52Bとは回折方向が略直交する2次元回折素子で形成することで、光分岐素子52の製造を容易にすることができる。
また、上述においては、光分岐素子52を、光走査部40によって走査され、中間像が結ばれる中間像面に配置したが、完全に中間像面と一致していなくても、中間像面の近傍で多少ずれた場所に配置しても、ずれにより発生する画像劣化を、利用者が視認できない、あるいは、視認できてもさほど気にならないような許容範囲があるため、そのような場所に設置しても良い。
また、上述においては、レーザ光源を用いた網膜走査型画像表示装置について説明したが、画像光が高指向性の光であれば、LCD(Liquid Crystal Display)を用いたヘッドマウントディスプレイなどにも適用することができる。
なお、上述においては、水平方向を画像の行方向とし、垂直方向を画像の列方向としたが、水平方向を画像の列方向とし、垂直方向を画像の行列方向としてもよい。
以上、本発明の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
1 網膜走査型画像表示装置
2 画像光生成部
10 制御部
20 光源部
30 光ファイバ
40 光走査部
50 投射光学系
51b レンズ(投射部)
52 光分岐素子
52A 第1分岐部
52B 第2分岐部
2 画像光生成部
10 制御部
20 光源部
30 光ファイバ
40 光走査部
50 投射光学系
51b レンズ(投射部)
52 光分岐素子
52A 第1分岐部
52B 第2分岐部
Claims (9)
- 複数の画素を行列状に配列した2次元画像を形成する画像光を生成する画像光生成部と、前記画像光生成部で生成した画像光を投射対象に投射する投射部と、前記画像光生成部と前記投射部との間にある中間像面に配置される光分岐素子と、を備えた画像表示装置において、
前記光分岐素子は、前記画像光を複数に分岐して第1方向に射出瞳を拡大する第1分岐部と、前記画像光を複数に分岐して前記第1方向と交差する第2方向に射出瞳を拡大する第2分岐部とから構成され、前記第1方向及び第2方向は共に前記画素配列の行方向及び列方向に対して0度より大きく45度より小さい角度に設定されていることを特徴とする画像表示装置。 - 前記第1方向と前記行方向とがなす角度又は第1方向と前記列方向とがなす角度が18〜19度であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記第2方向と前記行方向とがなす角度又は第2方向と前記列方向とがなす角度が33〜34度であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記第1分岐部及び前記第2分岐部は回折素子から構成されており、回折により前記画像光を複数に分岐することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記第1分岐部及び前記第2分岐部は、回折により前記画像光を0次回折光と±1次回折光とに分岐することを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
- 前記第1方向と前記第2方向とは略直交する関係であり、
前記第1分岐部と前記第2分岐部とはそれぞれ回折方向が相互に略直交する回折素子から構成されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像表示装置。 - 前記第1方向と前記第2方向とは略直交する関係であり、
前記第1分岐部と前記第2分岐部とが回折方向が略直交する2次元回折素子で形成されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像表示装置。 - 前記画像光生成部は、
前記2次元画像に関する画像信号に応じて変調された光を発する光源部と、
前記光源部からの光を第1走査方向及び当該第1走査方向と略直交する第2走査方向に走査することによって前記画像光を生成する走査部と、を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像表示装置。 - 前記投射部は、前記画像光生成部で生成した画像光を利用者の眼に投射することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008255741A JP2010085785A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008255741A JP2010085785A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 画像表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010085785A true JP2010085785A (ja) | 2010-04-15 |
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Family Applications (1)
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JP2008255741A Pending JP2010085785A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010085785A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9541757B2 (en) | 2014-11-17 | 2017-01-10 | Seiko Epson Corporation | Light flux diameter-expanding element and display apparatus |
US9651778B2 (en) | 2015-03-23 | 2017-05-16 | Seiko Epson Corporation | Light flux diameter enlarging element and display device |
-
2008
- 2008-09-30 JP JP2008255741A patent/JP2010085785A/ja active Pending
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