JP2003302167A - 熱処理装置 - Google Patents
熱処理装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 占有する配置スペースが少なく熱効率が良く
ワークの積載枚数を多くすることができる加熱板式熱処
理装置を提供する。 【解決手段】 熱処理装置は、前後固定板部21、22、前
後昇降板部31、32、縦移動支持部 4,奇数段及び偶数段
昇降部51、52、前後昇降部61、62、ワーク搬入装置
7、管戻し装置8、ワーク搬出装置9、下降装置10等を
有する。 【効果】 ワークを搬入して支持管と組み合わせて縦移
動支持部4に載せ、この部分で、一方側への縦移動、一
端側での上昇、他方側への縦移動、他端側での上昇、と
いう動作を繰り返してワークを載せた支持管を進行さ
せ、搬出時にワークと管を分離し、ワークを搬出し支持
管を搬入側に戻すことにより、加熱板があってもワーク
を枚葉処理できるので、装置の占有スペースを小さくし
熱効率を良くし、固定板部でワーク処理枚数を自在に多
くすることができる。
ワークの積載枚数を多くすることができる加熱板式熱処
理装置を提供する。 【解決手段】 熱処理装置は、前後固定板部21、22、前
後昇降板部31、32、縦移動支持部 4,奇数段及び偶数段
昇降部51、52、前後昇降部61、62、ワーク搬入装置
7、管戻し装置8、ワーク搬出装置9、下降装置10等を
有する。 【効果】 ワークを搬入して支持管と組み合わせて縦移
動支持部4に載せ、この部分で、一方側への縦移動、一
端側での上昇、他方側への縦移動、他端側での上昇、と
いう動作を繰り返してワークを載せた支持管を進行さ
せ、搬出時にワークと管を分離し、ワークを搬出し支持
管を搬入側に戻すことにより、加熱板があってもワーク
を枚葉処理できるので、装置の占有スペースを小さくし
熱効率を良くし、固定板部でワーク処理枚数を自在に多
くすることができる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1枚づつ搬入され
る平板状のワークを多数枚の加熱板で加熱して搬出する
ようにした熱処理装置に関し、フラットパネルディスプ
レイ用ガラス基板等の枚葉式熱処理装置として好都合に
利用される。 【0002】 【従来の技術】放射加熱板のような発熱する加熱板でフ
ラットパネルディスプレイ用等のガラス基板からなるワ
ークを熱処理する装置としては、トンネル状の熱処理室
内に複数の加熱板を並設し、その下をコロコンベアやシ
ャトルビームによってワークを通過させて熱処理するよ
うにした横型トンネル式の装置が一般的である。しかし
ながら、このような装置では、1段の水平搬送式である
ために広大な床面積が必要になる。 【0003】又、縦型装置としては、一般的なものとし
て、図22に示す如く、熱処理室12内に放射加熱板1
を多段に固定設置し、それぞれの間隔の中でワークWを
支持管Pで支持し、ワークWを放射加熱板で加熱し、図
において紙面直角方向の両側になるワークの搬出側及び
搬入側にロボットを設け、熱処理の終了した段のワーク
Wを搬出し新ワークを搬入するようにした装置が知られ
ている。しかしながら、このような装置では、各段毎に
ワークの搬入及び搬出用の扉が設けられ、これを開閉す
る必要があるため熱ロスが多くなること、ワークの出入
口側にロボットを設けるため、その動作範囲として広い
スペースが必要になること、等の問題がある。 【0004】なお、熱風循環式のように加熱板を用いな
い装置では、多段の段間でワークを昇降しつつ一ヶ所だ
けからワークを出し入れするようにした装置が一般的で
あるが(例えば特開平10−68592号、10−73
379号公報参照)、このような装置は加熱板で加熱す
る形式の装置には適用できない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
技術における上記問題を解決し、占有する配置スペース
が少なく熱効率の良く多数枚のワークを熱処理可能な熱
処理装置を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、1枚づつ搬入される平
板状のワークを多数枚の加熱板で加熱して搬出するよう
にした熱処理装置において、前記加熱板が上下方向及び
これに直角な縦方向に一定の間隔で一定の位置に多段及
び多列に配設された固定加熱部と、前記加熱板が前記固
定加熱部の前記縦方向の一方側及び他方側に前記固定加
熱部の前記加熱板に対応して配設され前記上下方向に昇
降可能にされた一方側昇降加熱部及び他方側昇降加熱部
と、前記両側の昇降加熱部のうちの何れかのものの位置
から前記固定加熱部の位置まで設けられ前記縦方向に少
なくとも前記多列の一列分の範囲で往復移動可能で前記
ワークをワーク支持部材を介して前記多段に支持可能な
ように形成された縦移動支持部と、前記ワーク支持部材
を支持可能で前記固定加熱部の前記多段の前記加熱板の
奇数段及び偶数段のそれぞれに対応して別個に設けられ
昇降可能にされた奇数段昇降部及び偶数段昇降部と、前
記ワーク支持部材を支持可能で前記一方側及び他方側の
昇降加熱部に昇降可能に設けられた一方側昇降部及び他
方側昇降部と、前記縦方向に直角な横方向に長尺状に形
成されていて前記ワークを支持可能なように1枚のワー
クに対して少なくとも2本設けられる前記ワーク支持部
材と、前記ワーク支持部材を介して前記縦移動支持部で
支持された前記ワークのうち搬出されるワークを前記ワ
ーク支持部材から分離して搬出するワーク搬出手段と、
前記搬出されるワークが分離された単独のワーク支持部
材を前記ワークが搬入される側に戻すワーク支持部材戻
し手段と、前記ワークを搬入して該ワークを前記単独の
ワーク支持部材に載せ該ワーク支持部材を前記縦移動支
持部で支持可能にするワーク搬入手段と、を有すること
を特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した熱処理装
置の概略の全体構成の一例を示し、図2乃至図8は各部
の構造例を示す。又図9は、各部の構造の意義を分かり
やすくするためにワークの流れを概念的に示した図であ
る。主として図1及び図2〜4に基づいて説明し、特に
他の図を参照するときにはその図番を記す。 【0008】熱処理装置は、1枚づつ搬入される平板状
のワークであるフラットパネルディスプレイ用ガラス基
板等のワークWを多数枚の加熱板として通常使用される
ものであり電気ヒータを内蔵して赤外線を放射するよう
に構成された放射加熱板等からなる加熱板1で加熱して
搬出するようにした装置であり、固定加熱部として本例
では2列に設けられた前固定板部21及び後固定板部2
2からなる固定板部2、一方側昇降加熱部及び他方側昇
降加熱部である前昇降板部31及び後昇降板部32から
なる昇降板部3、縦移動支持部4、奇数段昇降部51及
び偶数段昇降部52からなる昇降部5、一方側昇降部及
び他方側昇降部である前昇降部61及び後昇降部62か
らなる前後昇降部6、ワーク支持部材である管P、ワー
ク搬出手段であるワーク搬出装置7、ワーク支持部材戻
し手段である管戻し装置8、ワーク搬入手段であるワー
ク搬入装置9、等によって構成されている。又本例で
は、ワーク搬出手段の一部分を構成するようにワーク支
持部材下降手段として下降装置10を設けている。 【0009】これらの諸装置により、図9に示す如く、
ワークW、ワークWを載せていない単独の管である管P
0 、ワークWを載せた管であるP&Wは、それぞれ二点
鎖線、点線及び実線で矢印で示すように、搬入側におけ
るワークWの搬入及び管P0との結合、熱処理室12内
で奇数段における右移動、右端での奇数段から偶数段へ
の上昇、偶数段での左移動、左端での偶数段から奇数段
への上昇、本図では最上段である第5段での右端側から
の下降、搬出部におけるワークWと管Pとの分離及びワ
ークWの搬出、単独管P0 の搬入側への戻し、という全
動作を、1枚のワークWを熱処理する時間である1タク
トの間に実行することができる。 【0010】このような熱処理装置は、通常の構造部分
として、断熱壁11、これで囲われた熱処理室12、装
置の稼働中には常に閉鎖されている断熱扉13(図
5)、ワークの搬入側及び搬出側にそれぞれ一箇所設け
られている入口14及び出口15、熱処理室の下方で本
体構造に結合されている支持フレーム16、断熱壁の外
側でワークの予熱及び予冷効果を持たせるようにワーク
の入口及び出口部分を囲っているケーシング17、等を
備えている。 【0011】固定板部2では、加熱板1が上下Z方向及
びこれに直角な縦Y方向に一定の間隔として上下ピッチ
z及び縦ピッチyで一定の位置に多段及び多列として本
例では図3に示すように11段2列に固定して配設され
ている。なお、図1では分かりやすいように仮に5段に
数を減らして示している。それぞれの加熱板1はその下
のワークWを加熱する。この部分の加熱板1は、図5及
び図7に示す如く、Y方向に直角であるX方向の両側に
立設された支柱2a及び連結板2bに取り付けられてい
る。支柱2aは支持フレーム16に固定して取り付けら
れている。従ってこの部分の加熱板は昇降しない。 【0012】前昇降板部31及び後昇降板部32は、加
熱板1が固定板部2の縦方向Yの一方側である入口14
の方向Y1 及び他方側である出口15の方向Y2 に前固
定板部21及び後固定板部22の加熱板1に対応して配
設されていて、上下方向Zに昇降可能にされている。 【0013】即ち、図1の5段の装置で説明すれば、前
昇降板部31は、図1に示す上昇した上位置では、前固
定板部21の第3段及び5段の加熱板13 及び15 の位
置に加熱板1としてそれぞれ1枚の昇降加熱板31aを
備えていて、ワークWが移動してきたときにそれぞれ第
3段及び第5段のワークWを加熱する。又、後に説明す
る図16に示す下降した下位置では、前固定板部21の
第2段及び4段の加熱板12 及び14 の位置で同じそれ
ぞれ1枚の昇降加熱板31aが移動してきた第2段及び
第4段のワークWを加熱するように形成されている。 【0014】後昇降板部32も同様に構造になってい
て、図1に示す下降した下位置では、後固定板部22の
第1段及び3段の加熱板11 及び13 の位置に加熱板1
としてそれぞれ1枚の昇降加熱板32aを備えていて、
ワークWが移動してきたときにそれぞれ第1段及び第3
段のワークWを加熱する。又、図15に示す如く上昇し
た上位置では、後固定板部22の第2段及び4段の加熱
板12 及び14 の位置で同じそれぞれ1枚の昇降加熱板
32aが移動してきた第2段及び第4段のワークWを加
熱するようにされている。 【0015】11段の装置では、昇降加熱板31aは、
前固定板部21の第2段又は第3段から1段置きに第1
0段又は11段までの位置に5枚、昇降加熱板32a
は、後固定板部22の第1段又は第2段から1段置きに
第9段又は10段までの位置に5枚設けられる。図2〜
図4では、前昇降板部31が下位置で後昇降板部32が
上位置でそれぞれの昇降加熱板31a及び32aが共に
第2段から1段置きに第10段まで設けられた状態を示
している。なお、前昇降板部31における前固定板部2
1の第1段加熱板11 に対応する位置の昇降加熱板31
bは後述する新入ワーク加熱用で、後昇降板部32にお
ける後固定板部22の第11段加熱板11 1 に対応する
位置の固定加熱板32bは後述する搬出ワーク加熱用で
ある。 【0016】このような前後昇降板部31、32は、図
5〜8にも示す如く、X方向の両側に立設された支柱3
3、34に加熱板1を取り付け、これらをそれぞれ昇降
板35、36を介して昇降機構37、38で支持して昇
降させるように構成されている。 【0017】昇降機構37は、本例ではカムリフト機構
になっていて、他の昇降機構と共用されているモータ
M、これで回転駆動される共用の軸S、この軸に取り付
けられたカム37a、カムフォロワ37b、この上下方
向の動きを伝達する昇降伝達アーム部材37c、その自
由端に連結され上下方向に動くピン37d、その動きで
ある昇降をX方向の両側に伝達する昇降駆動板37e、
これに連結された昇降軸37f、その昇降を案内するリ
ニアガイド37g、昇降軸37fに連結され昇降及び支
持された前記昇降板35、等によって構成されている。 【0018】モータM、軸S、リニアガイド37g等は
前記支持フレーム16に取り付けられたり支持されたり
している。なお、昇降装置としては、このような機構に
代えて、エアーシリンダ等のシリンダ装置、ボールネジ
機構、クランク機構等の周知の適当な直線移動機構を用
いることができる。 【0019】縦移動支持部4は、両側の昇降板部3のう
ちの何れかのものの位置から固定板部2の位置まで設け
られていて、縦Y方向に少なくとも多列の一列分である
縦ピッチyの範囲で往復移動可能で、ワークWを管Pを
介して多段に支持可能なように形成されている。即ち、
本例では、図16又は図1等に示す如く、前昇降板部3
1の位置から後固定板部22の位置まで、又は、これか
ら移動したときには前固定板部21の位置から後昇降板
部32の位置まで設けられていて、後述するように縦ピ
ッチy及び小距離y1 だけ往復移動可能にされている。 【0020】このような縦移動支持部4は、ワークWを
載せた管Pを受けて多段に支持する縦移動管受け41を
X方向の両側の支柱42に固定板部2に対向して411
から411 1 まで11段に固定板部2及び前後昇降板部
3の何れかの位置まで3列に取り付け、これらを両側と
上の連結板43、44で連結すると共に、支柱42を移
動機構45で縦方向に移動されるビーム46に取り付け
た構造に形成されている。なお,図1では411 から4
15 まで固定板部2と同じ5段の状態を示している。 【0021】縦移動支持部4はこのようにY方向に移動
するが、図7に示す如く、その支柱42が固定板部2の
加熱板1を支持する連結板2b の位置よりもY方向の外
側で移動するので、これらと干渉することはない。又、
支柱42は、図6、7及び図10(a)に示す如く、X
方向において前後昇降部31、32の支柱33、34の
外側に設けられているので、これらと干渉することもな
い。 【0022】縦移動支持部4の移動機構45としては、
本例ではボールネジ機構を使用していて、図11にも模
式的に分かりやすく示すように、横方向Xの両側(図
5、6)で縦方向Yの全体に伸びた前記ビーム46に取
り付けられリニアガイド45aと嵌合する連結板45b
(図7、8)、これに取り付けられたボールナット45
c、軸受45d等で回転自在に支持されたボールネジ4
5e、これを回転させるサーボモータ45f、等によっ
て構成されている。なお、これに代えて、エアーシリン
ダ等の他の機構を採用可能である。 【0023】奇数段昇降部51及び偶数段昇降部52
は、管Pを支持可能で固定板部2の加熱板1の奇数段及
び偶数段のそれぞれに対応して別個に設けられ昇降可能
にされている。即ち、11段2列(図1では5段2列)
の固定板部2に対応して、それぞれ、加熱板1の奇数段
である11 〜11 1 (図1では11 、13 、15 )及び
偶数段12 〜11 0 (図1では12 、14 )の下の位置
に2列に奇数段昇降管受け51a及び偶数段昇降管受け
52aを備えていて、これらがそれぞれの段内で昇降可
能にされている。 【0024】このような奇数段昇降部51及び偶数段昇
降部52は、同様の構造であるため奇数段昇降部51に
ついて説明すれば、ワークWを載せた管Pを受けて支持
する前記奇数段昇降管受け51aを支柱51bに取り付
け、支柱51bを昇降機構53(偶数段昇降部52では
昇降機構54)によって昇降させるようにしている。こ
れらの昇降部5は、固定板部2及び縦移動支持部4と同
じ位置に存在するので、図10(b)の斜視図にも示す
ようにこれらを構成する部材が相互に干渉しないように
配置されている。 【0025】昇降機構53、54は昇降機構37と同様
の構造のものである。この場合、昇降機構53と54と
では、それぞれのカム53a、54aが、図1に原理的
に示す如く、奇数段昇降部51と偶数段昇降部52とが
互いに反対の昇降動作をするように形成されている。 【0026】前昇降部61及び後昇降部62は、管Pを
支持可能で前昇降板部31及び後昇降板部32に昇降可
能に設けられている。即ち、それぞれ昇降加熱板31a
及び32aの下の位置に前後昇降管受け61、62とし
て設けられている。そして本例では、これらはそれぞれ
の前昇降板部31及び後昇降板部32の支柱33、34
に取り付けられていて、これらと共に昇降する。 【0027】管Pは、図6、図8及び図10にも示す如
く、横方向Xに加熱板1から張り出す張出部Paを持つ
ような長さに長尺状に形成されていて、ワークWを支持
可能なように1枚のワークに対して少なくとも2本とし
て本例では2本設けられている。なお、ワーク支持部材
としては、加熱板1上に載せられると共に張出部Paを
持つ長尺物であれば、断面が三角形や四角形等の多角形
や楕円形など適当な形状のものでよい。 【0028】ワーク搬出装置7は、管Pを介して縦移動
支持部4で支持されたワークのうちの搬出されるワーク
Wをこれが載せられた管Pから分離して搬出するが、本
例では、後述する下降装置10が下降させたワークを搬
出する。即ち、搬出されるワークWは、熱処理の終了し
たものであり従って後固定板部22の最上段のワークで
あり、これが後固定板部22から後昇降板部32に移動
して来たワークであって図1ではW5 −3(図3ではワ
ークW11−3)であるが、本例では下降装置10を設け
ているので、最上段だけ延長して設けられた追加縦移動
管受け41aに移動されたワークW5 −4が下降装置1
0で最下段まで移動されるワークW0 ということにな
る。そして、このワークW0 を、これを載せた管Pから
分離するために分離機構71を備えていて、搬出装置7
はこの分離されたワークW0 をスライダー72によって
Y2 方向に熱処理室12の外に搬出する。 【0029】分離機構71は、本例では、後述する下降
装置10の昇降部18の昇降管受け182の2段目でも
あり昇降可能で管P0 を支持可能な分離用昇降管受け1
82−2、ワークWだけが載せられる分離用昇降ワーク
受け711、その昇降機構712、下降装置10の縦移
動部19の縦移動管受け192の1段目でもあり縦Y方
向に移動可能で分離用昇降管受け182−2の下降動作
によって管P0 だけが載せられる分離用縦移動管受け1
92−1、等によって構成されている。昇降機構712
は他の昇降機構と同様の構造になっていて、昇降軸71
2f等によって昇降ワーク受け711を昇降可能にする
機構である。 【0030】スライダー72は、本例では縦移動支持部
4を移動させる移動機構45及びビーム46を利用する
ように、図8にも示す如く、両側のビーム46の連結板
45bに結合され、X方向の中央部分でY方向に伸びる
ように配設されている。なお、これに代えて独立の縦移
動装置を用いることも可能である。 【0031】又本例では、スライダー72との間でワー
クWをやり取りし外部のワーク生産ラインに送り出すた
めのワーク昇降搬出機構73を設けている。この機構で
は、ワークWはコロコンベアのコロを備えたワーク受け
731で支持され搬送される。又、他の昇降機構と同様
の昇降軸732f等を備えた昇降機構732を備えてい
る。 【0032】管戻し装置8は、搬出される前記ワークW
0 が分離された前記単独の管P0 をワークが搬入される
側として前昇降板部31の下方の新ワークの搬入位置ま
で入口の方向Y1 に戻す装置であり、前記分離用縦移動
管受け192−1に載せられた単独管P0 を戻し用単独
管受け82に移載するように本例では前記下降装置10
の一部分として設けられた移載用昇降単独管受け81、
前記Y方向に往復移動可能に設けられた前記戻し用単独
管受け82、これと一列に後昇降板部32の位置及び固
定板部2の位置と固定板部2の位置及び前昇降板部31
の位置との間でY方向に往復移動可能に設けられた中間
戻し用単独管受け83、これに載せられた単独の管を一
時的に取り上げて支持する中間戻し用単独管昇降受け8
4、等によって構成されている。 【0033】往復移動可能な中間戻し用単独管受け83
は,本例では縦移動支持部4の一部分としてその下方に
設けられていて、縦移動支持部4と共にビーム46で往
復移動されるようになっている。中間戻し用単独管昇降
受け84は、本例では偶数段昇降部52の下方に取り付
けられこれと共に昇降するようにされている。 【0034】ワーク搬入装置9は、図16のように戻さ
れた単独の管P0 にワークである新ワークWnを外から
搬入して載せると共に、図19のようにワークを載せた
管Pを縦移動支持部4の第1段の縦移動管受け41−1
で支持可能にする装置であり、Wnを管P0 と結合する
結合機構91を備えていて、搬出装置9はこの結合され
る新ワークWnをスライダー92によってY2 方向に外
から熱処理室12内に搬入する。 【0035】結合機構91は、本例では、昇降可能で管
P0 が中間戻し用単独管受け83のY1 側のものに載せ
られて前昇降板部31の位置に来たときにこれを支持可
能な結合用昇降管受け911、その昇降機構912、等
によって構成されている。昇降機構912は他の昇降機
構と同様の構造になっていて、昇降軸912f等によ
り、管受け911をスライダー92によって搬入されて
きた新ワークWnの上の位置まで昇降可能にする機構で
ある。スライダー92は、スライダー72と同様に、移
動機構45で移動されるビーム46にX方向の中央部分
でY方向に伸びるように配設されている。 【0036】又本例では、スライダー92との間でワー
クWをやり取りし外部のワーク生産ラインから新ワーク
Wnを取り入れるためのワーク昇降搬入機構93を設け
ている。この機構では、ワークWはコロコンベアのコロ
からなるワーク受け931で支持され搬送される。又、
他の昇降機構と同様の昇降軸932f等を備えた昇降機
構932を備えている。 【0037】下降装置10は、縦移動支持部4が多段に
支持するワークWのうちの最上段のものを下降させる。
それにより、搬出されるワークは下降装置が下降させた
ワークということになる。そのため本例では、前記の如
く、図1の5段の装置では後昇降板部32の位置に来た
ワークW5 −3を更に追加縦移動管受け41aまで移動
させてワークW5 −4とし、このワークを最下段まで移
動させて搬出すべきワークW0 にする。又本例では、こ
の下降装置10を熱処理室12内に多段として追加縦移
動管受け41a及び分離用縦移動管受け192−1を含
めて5段(実際には図4に示すように11段)に配設
し、5段分(実際には11段分)の下降時間を設けてワ
ークWに徐冷効果を与えるようにしている。 【0038】このような多段の下降装置10は、図1、
図4等に示す如く昇降部18と縦移動部19とで構成さ
れている。昇降部18は、支柱181、昇降管受け18
2、昇降機構183、等によって構成されている。昇降
機構183は他の昇降機構と同様の構造になっていて、
昇降軸183f等によって昇降管受け182を昇降可能
にする機構である。 【0039】縦移動部19は、支柱191、縦移動管受
け192、リニアガイド193、等によって構成されて
いる。リニアガイド昇降機構193によってY方向に往
復移動を案内される支柱191は、図示していないが、
ビーム46によって小距離y 1 だけY方向に往復移動可
能なようにビーム46に連結されている。このy1 の移
動により、昇降管受け182が縦移動管受け192の位
置を越えて上下方向に通過可能になる。 【0040】以上の諸装置によって図9に示すようなワ
ークWの搬入、進行、搬出までの全動作が可能になる。
図12乃至図19は、このような熱処理装置においてワ
ークが熱処理されるまでの移動状態を示す。 【0041】本例の熱処理装置は、結局のところ、縦移
動だけの機構と昇降だけの機構との組合せで構成されて
いると共に、縦移動では、1台のサーボモータ45fで
ビーム46を往復移動させ、縦移動機構の全てをこれに
結合し、昇降では、1台のモータMで駆動する回転伝達
軸Sによって全ての昇降用カムを動かし各種昇降機構を
作動させるように構成されている。従って、動作部分は
多いがその構造及び動きが簡素化されていて、作動の信
頼性が高い。 【0042】このような機構において、モータでは、通
常、回転動作のタイミング及び回転量が自動制御され、
これらに対応してカムを備えた各機構が目的にあったタ
イミングで必要十分なだけの動作量になるように定めら
れる。以下では、このように駆動される各機構の動作に
ついて説明する。 【0043】図12は図1と同じ図であり、仮に基準状
態として示している。この状態では、ビーム46が出口
Y2 方向に移動し、それに伴って搬入スライダー92が
新ワークWnを載せて前昇降板部31に入り、搬出スラ
イダー72が熱処理及び徐冷期間を終了して搬出される
べき処理済ワークW0 を載せて熱処理室12内の下降装
置10の位置から外に出ている。 【0044】固定板部2においは、ワークWを搭載した
管P(以下では、管Pのうち、ワークWを載せたものを
単に「管P」と称し、単独の管だけのものを「管P0 」
と称す)は、奇数段では、奇数段昇降部51が下位置に
なりその管受け51aが下がっていて、縦移動支持部4
の縦移動管受け41に載せられている。一方偶数段で
は、偶数段昇降部52が上位置になっていて、偶数段昇
降管受け52aが縦移動管受け41の管Pを取り上げて
その少し上で支持している。 【0045】この縦移動支持部4は、ビーム46と共に
Y2 方向に固定板部2及び後昇降板部32の位置に移動
してきた状態になっている。その結果、後に更に説明す
るように、奇数段ではこの図12の状態になったときに
図において左から右の方向に管Pが1ピッチ進行したこ
とになっている。一方偶数段では、管受け41は、管P
を昇降受け52aに預けて左から右に空で移動したこと
になっている。 【0046】又、下方の管戻し装置8の部分では、偶数
段昇降部52が上位置になっているために、単独の管P
0 は偶数段昇降部52に取り付けられた中間管戻し用単
独管昇降受け84に支持されている。従って、中間戻し
用単独管受け83は、管Pを昇降受け84に預けて左か
ら右に空で移動したことになっている。 【0047】後昇降板部32では、縦移動支持部4がこ
の位置に来ていて、奇数段ではその受け41に管Pが載
せられていて、偶数段の管受け41及び後昇降部62は
空になっている。管戻し装置8では同様に昇降受け84
に管P0 が載せられていて、管受け82は83と同様に
空で移動してきている。この部分の上の搬出ワーク加熱
用の固定加熱板32bの位置では、熱処理の最終段階に
あって徐冷用の下降装置10に送られるためのワークW
5 −3を載せた管Pが1ピッチ進んで受け41に支持さ
れている。 【0048】下降装置10の部分では、同様に1ピッチ
進んで来た追加縦移動管受け41aに徐冷に回されたワ
ークW5 −4が載せられていると共に、縦移動部19の
縦移動管受け192に徐冷中のワークWが載せられてい
る。又、下段の管受け192−2には、徐冷を終了して
次に搬出されるべきワークW0 及びその支持管Pが載せ
られている。更に、この部分の最下段に設けられている
分離用縦移動管受け192−1には、ワークW0 がスラ
イダー72で搬出され既にワークと分離された単独管P
0 が載せられている。 【0049】このように基準状態から、管P及びP0 を
縦ピッチy又は上下ピッチzだけ1ピッチ進めて1枚毎
にワークの熱処理を完了させる1タクトの工程が以下の
ように進行する。 【0050】図13は後昇降板部32部分の動作を示
す。この部分では、昇降機構38が作動して昇降板36
を介して後昇降板部32が中間位置まで上昇し、それに
伴って後昇降部62が同じ高さだけ上昇し、縦移動支持
部4の奇数段の管受け41−1、3に載せられた管Pを
取り上げ(a)、その後縦移動支持部4が二点鎖線の位
置から実線の位置まで小距離y1 だけY1 方向に移動し
て後昇降部62が受け41を通過可能なようにし
(b)、後昇降板部32が更に上昇し、管Pを載せた状
態で後昇降部62が一段上の偶数段の空になっている管
受け41−2、4の位置を通過し(c)、その後縦移動
支持部4が小距離y1 だけY2 方向に移動して復帰する
(d)。そして、次の図15の動作により、管Pが奇数
段から偶数段へ1段即ち上下ピッチzだけ上昇すること
になる。 【0051】図14は下降装置10部分の動作を示す。
この部分では、昇降部18が中間位置まで上昇し、その
昇降管受け182が追加縦移動管受け41aを含めて縦
移動部19の縦移動管受け192に載せられていた管P
を取り上げ(a)、その後縦移動部19が小距離y1 だ
けY1 方向に移動して昇降管受け182の通過を可能に
し(b)、昇降管受け182が管Pを載せた状態で下降
し元の縦移動管受け192の位置を通過してその下の元
の位置になり(c)、その後縦移動部19がY2 方向に
移動して復帰する(d)。次に図15の動作により、管
Pが縦移動管受け192において1段下に1ピッチ下降
することになる。 【0052】これらの動作において、縦移動管受け19
2の最下段のものを構成する分離用縦移動管受け192
−1に載っていたワークWのない単独管P0 は、昇降管
受け182の最下段のものを構成する移載用昇降管受け
81に取り上げられ(a)、同様に下降した位置になる
(d)。 【0053】図15は、図12〜14の状態から各部の
昇降動作が完了した状態を示す。前昇降板部31の部分
では、昇降機構37が作動して昇降板35を介して前昇
降板部31が1ピッチ下降し、それに伴って前昇降部6
1が1ピッチ下降し、縦移動支持部4が移動して来たと
きにその偶数段の管P及びワークを受けて加熱できる状
態になる。その下方では、単独管P0 を載せていた結合
用昇降管受け911が1ピッチ上昇してスライダー92
から新ワークWnを取り上げ、単独管と新ワークとを結
合する。又、この程度の適当な時期に外のワーク昇降搬
入機構93のワーク受け931に次の新ワークWn−1
が搬送されて来る。 【0054】固定板部2においては、奇数段では、奇数
段昇降部51が段間内で1/2ピッチ程度上昇して上位
置になり、その管受け51aが同じだけ上昇し、縦移動
支持部4の縦移動管受け41に載せられていた管Pを取
り上げる。一方偶数段では、偶数段昇降部52が1/2
ピッチ程度下降して下位置になり、偶数段昇降管受け5
2aが支持していた管Pを縦移動管受け41に移載す
る。これにより、偶数段では、管受け41において管P
が図において右から左に1ピッチ進行したことになって
いる。 【0055】又、この偶数段昇降部52の下降動作によ
り、固定板部2の下方及び後昇降板部32の下方の管戻
し装置8の部分では、単独の管P0 は中間管戻し用単独
管昇降受け84から中間戻し用単独管受け83に移載さ
れる。これにより、管受け83において管P0 がY1 の
戻り方向に1ピッチ進行したことになっている。 【0056】後昇降板部32の部分では、図13(d)
の状態から後昇降板部32が1/2ピッチ程度下降し、
図12の位置からは1ピッチ上昇した位置になり、縦移
動管受け41において管Pが奇数段から偶数段へ1ピッ
チ上昇する。これにより、空で移動して来た管受け41
に管Pが載せられ、管受け41において管Pが奇数段か
ら偶数段に下から上に1ピッチ進行したことになってい
る。 【0057】下降装置10の部分では、図14(d)の
状態から分離用昇降管受け182−2が1ピッチ下降
し、図12の状態から管Pは1ピッチ下の分離用縦移動
管受け192−1に移載される。又、この時期に分離用
昇降ワーク受け711が上昇し、管P上の搬出されるべ
きワークW0 を取り上げ、管Pを単独管P0 にする。即
ち、管とワークとを分離する。 【0058】又、既に分離されて管戻し装置8を構成す
る移載用昇降管受け81に取り上げられていた管P
0 は、同様に管戻し装置8を構成する戻し用単独管受け
82に移載される。これにより、管P0 が下に降りて1
ピッチ進行して管戻し系に参入することになる。又、こ
れ位の時期に、ワーク昇降搬出機構73のワーク受け7
31上の前熱処理済みのワークW0 が次の生産工程に送
られる。 【0059】以上の動作により、図12の状態から、ワ
ーク搬入装置9の部分では新ワークWnが内部搬送系に
参入可能な状態になり、固定板部2及び後昇降板部32
の部分では奇数段と偶数段との支持状態が入れ代わり、
管戻し装置8の部分では下降装置10の下方を含めて中
間戻し用単独管受け82及び83の全てに管P0 が載せ
られ、縦移動支持部4の最上段では追加縦移動管受け4
1aが空になり、下降装置10では管Pが1ピッチ下が
り、1タクトの半分近くの動作が完了する。 【0060】図16では、縦移動支持部4が二点鎖線で
示す図15の状態から縦1ピッチyだけY1 方向に移動
している。これにより、縦移動支持部4の偶数段の受け
41−2、4では、管PがY1 方向に1ピッチ進行した
ことになる。そして、図12の状態から1タクトの1/
2の動作が完了する。 【0061】図17は図13に対応する図で、図16の
状態からの前昇降板部31部分の動作を示す。この部分
では、前昇降板部31が1ピッチ上昇し、それに伴って
前昇降部61が同じ高さだけ上昇し、縦移動支持部4の
偶数段の管受け41−2、4に載せられた管Pを取り上
げ(a)、その状態で縦移動支持部4が小距離y1 だけ
Y2 方向に移動し、一段上の奇数段の管受け41−3、
5の位置を前昇降部61が通過可能なようにし(b)、
前昇降板部31が更に上昇して管Pを載せた状態で前昇
降部61が一段上の奇数段の空になっている管受け41
−3、5の位置を通過し(c)、その後縦移動支持部4
が小距離y1 だけY1 方向に移動して復帰する(d)。
次に図19の動作により、管Pが偶数段から奇数段へ1
ピッチ上昇することになる。 【0062】図18は図14に対応する図で、下降装置
10部分の動作を示す。この部分では、図16の状態か
ら、移動部19が二点鎖線の位置から実線の位置に小距
離y1 だけY1 方向に移動して昇降管受け182の通過
を可能にし(a)、昇降管受け182が空の状態で1ピ
ッチ上昇し(b)、その後縦移動部19が小距離y1 だ
けY2 方向に移動して復帰する(c)。これにより、再
び図14の動作が可能になる。そして、次のタクトでの
図14の動作により、再び管Pが縦移動管受け192に
おいて1段下に1ピッチ下降することになる。 【0063】この部分の下方のワーク搬出装置7の位置
では、分離用昇降ワーク受け711が下降し、搬出され
るべきワークW0 がスライダー72に移載される。 【0064】図19は図15に対応する図で、図16〜
図18の状態から各部が昇降した状態を示す。熱処理装
置の搬入側の外のワークW昇降搬入機構93の位置で
は、ワーク受け931が下降し、これに載っていた次の
新ワークWn−1がスライダー92に移載される。 【0065】前昇降板部31の部分では、図17(d)
の状態から前昇降板部31及び前昇降部61が1/2ピ
ッチ下降し、管Pを空になっていた縦移動支持部4の奇
数段の縦移動管受け41−3、5に載せる。これによ
り、偶数段の縦移動管受け41−2、4に載っていた管
Pが1段上昇し、空いていた奇数段の端の受けに載り、
1ピッチ進行したことになる。 【0066】又その下方では、縦移動支持部4の第1段
の縦移動管受け41−1にワークと結合した管Pが全体
の搬送系に参入した状態になっている。更に、図17で
下方に下がっていた結合用昇降管受け911が中間位置
まで上昇し、移動して来た中間戻し用単独管受け83上
の管P0 を取り上げる。これにより、下降装置10の下
方で分離された管P0 を含む全ての単独管P0 が1ピッ
チY1 側に進むと共に、その先端のものがワークWnと
結合され、次に搬送系に参入可能な状態になる。 【0067】固定板部2においては、奇数段では、段間
内で上昇して上位置になり縦移動管受け41に載せられ
ていた管Pを取り上げていた奇数段昇降部51の管受け
51aが下位置に復帰し、管Pを奇数段の受け41−
1、3、5に移載する。これにより、奇数段の受けにお
いて管Pが図12に示す次の段階で左から右に1ピッチ
進行可能な状態になる。一方偶数段では、下降して下位
置になっていた偶数段昇降部52が上位置に復帰し、偶
数段昇降管受け52aが偶数段の縦移動管受け41−
2、4から管Pを取り上げる。これにより、既に端の前
昇降板部31の位置の管Pが奇数段に上昇しているので
偶数段の管受け41−2、4は全て空の状態でY2 方向
に復帰可能になる。 【0068】又、この偶数段昇降部52の上昇動作によ
り、固定板部2の下方及び後昇降板部32の下方の管戻
し装置8の部分では、単独の管P0 は戻し用及び中間戻
し用単独管受け82及び83から中間戻し用単独管昇降
受け84に移載される。これで、全ての管受け82、8
3が空の状態でY2 方向に復帰可能になる。 【0069】後昇降板部32の部分では、図16の状態
から後昇降板部32が1ピッチ下降し、次に管Pを載せ
て入ってくる縦移動支持部4の奇数段の受け41−1、
3上の管P及びワークWを加熱及び上昇可能な状態にな
る。下降装置10の部分は図18(c)と同じ状態であ
る。 【0070】この図19の状態から縦移動支持部4がY
2 方向に1ピッチ縦移動することにより、1タクトの熱
処理工程が終了する。即ち、熱処理装置の搬送系が図1
2の状態に復帰し、搬入スライダー92によって次に熱
処理されるべきワークWn−1がWnとして装置内に入
り、次の熱処理済ワークW0 が搬出スライダー72によ
って装置外に出され、固定板部2の奇数段では縦移動管
受け41に載った管PがそれぞれY2 方向に1ピッチ進
行したことになり、下降装置10の上方では次に下降し
て徐冷されるべきワークW5 −4が来て、その下方の管
戻し装置8の部分では、ワークW0 が搬出されて管Pが
次の単独の管P0 になって管戻し装置8に移行可能にな
り、管戻し装置8では中央戻し用単独管受け83と共に
戻し用単独管受け82が空になって移動してきて、上記
単独管P0 の戻し動作が可能になる。 【0071】図20は、ワークを載せた管Pの動きをよ
り分かりやすくするために、図12乃至図19における
固定板部2の第3段の管Pの動きを取り出して1タクト
の動作中の動きを総括して示した図である。 【0072】(a)は図12の状態で、仮の基準状態と
して第3段の前固定板部21、22及び後昇降板部32
位置における第3段の縦移動管受け41−3上のワーク
を進行順位の前のものから順次実線と点線と二点鎖線と
で示した、、にしている。(b)では、が図1
3(d)から図15のようにして第4段の受け41−4
に昇段し、(c)では、及びが図12から図15の
ように41−3から51aに移載され、(d)では、図
17(a)のように偶数段から次の順位の細い実線で示
すのワークが上昇過程になり、(e)では、図17
(d)のように昇段してきたを含めて51aで支持さ
れるが第3段のワークが41−3の上で再び揃い、
(f)では図19のように51aが下降して再び第3段
のワークが41−3に載せられて揃い、(g)では縦移
動支持部4と共にこれらがY2 方向に1ピッチ移動して
(a)の状態に復帰する。 【0073】従って、第3段では、1タクトの間に、3
列の受け41−3の両端のワークが上に上がって去る
と共にが下から上がってきて加わって1ピッチ進行
し、中央のワーク、がそれぞれ縦Y2 方向に1ピッ
チ進んだことになる。他の奇数段でも全く同様の動作に
なる。又、偶数段では、ワークはY1 方向に進み、両端
では、序列の早いワークが奇数段に上がって行くと共に
序列の遅いワークが奇数段から上がって来ることにな
る。そして、ワークWは、両方の段によって右進行−上
昇−左進行−上昇というようにジグザグ状に進行して行
くことになる。 【0074】図21は単独管P0 の戻し動作を分かり易
く説明するための図である。戻し順位の早い管P0 から
順次、、、、で示す。(a)は図12を含む
図13(d)の状態で、〜が911及び84で支持
されていて戻し開始状態にあり、が81で支持されて
いて分離後戻し系に参入する状態になっている。(b)
では、が上昇してワークと結合される状態になって戻
し系から離れ、が82に移載されて新たに戻し系に参
入し、〜は83に支持されて戻し過程を続行するこ
とになる。(c)では、ビーム46と共に82、83が
Y1 方向に1ピッチ移動し、戻し過程が進行する。
(d)では、進行した〜が再び911及び84に取
り上げられ、82及び83が空になる。(e)は(a)
と同じ状態であり、空の82、83がY2 方向に移動し
て復帰すると共に、次の戻し用管が降りてくる。 【0075】以上の如く、82、83が、管P0 を積ん
で行き、1個を放出して残りを一時預けして空で帰り、
次に1個の新入りと一時預け分を受け取って又行き、又
1個を放出するというシャトル動作をすることにより、
1タクトに1ピッチづつ単独管P0 を進行させることに
なる。 【0076】本発明を適用した以上のような熱処理装置
では、例えば図2等に示す固定板部2が2列11段の装
置においては、装置内で熱処理されるワークWは、固定
部に22枚、前昇降板部31又は後昇降板部32で図3
では後昇降板部32に後固定板部22の偶数段に対応し
て5枚と搬出前の11段の位置に1枚、及び前昇降板部
31に搬入された新ワーク1枚の合計29枚であり、更
に徐冷中のワークが11枚あり、熱処理室12内では徐
冷工程まで含めて40枚のワークWを収容することがで
きる。 【0077】その結果、大サイズのフラットパネルディ
スプレイ用のガラス基板のように熱処理時間が長くかか
るようなワークであっても、1タクト時間を短くして徐
冷まで含めて短い時間で能率良く熱処理することができ
る。そして、本発明の装置では、全ての可動部材が縦移
動又は昇降だけの単純な一次元動作をする部材で構成さ
れているので、迅速且つ確実な動作をさせることがで
き、1タクト時間の短縮、従って生産能率の向上に極め
て対応性が良い。そしてこの場合、工場における配置上
の高さ制限があって積載段数が制限されるとしても、固
定板部2の列数を自在に増加させられるので、本発明の
熱処理装置は熱処理の高能率化に極めて対応性の良い装
置である。 【0078】又、以上のような熱処理装置によれば、ワ
ークが熱処理装置内で昇降及び移動されるため、ワーク
Wを搬入及び搬出する入口及び出口をそれぞれ一定位置
で一か所にすることができる。その結果、出入口側にそ
れぞれロボットを設けてそれによるワークハンドリング
スペースを必要とする従来の熱処理装置よりも、熱処理
設備全体としての占有スペースを大幅に縮小することが
できる。 【0079】更に、従来の装置で必要であった例えば1
0段の装置の各段ごとに設けられる多数の扉が不要にな
り、扉の開閉機構として特別のものが不要になると共
に、内外気が流通する可能性のある部分が最小になるの
で、装置の熱効率を大幅に改善することができる。 【0080】 【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、熱処理装置が所定の構成を備えた固定
加熱部と一方側及び他方側昇降加熱部と縦移動支持部と
奇数段及び偶数段昇降部と一方側及び他方側昇降部とワ
ーク支持部材とワーク搬出手段とワーク支持部戻し手段
とワーク搬入手段とを有するので、加熱板式の熱処理装
置においてワークを連続枚葉処理によって熱処理するこ
とができる。 【0081】固定加熱部では、加熱板が上下方向及びこ
れに直角な縦方向に一定の間隔で一定の位置に多段及び
多列に配設されているので、この部分において段数×列
数に相当する多数枚のワークを加熱することができる。 【0082】昇降加熱部では、加熱板が固定加熱部の縦
方向の一方側及び他方側に固定加熱部の加熱板に対応し
て配設され上下方向に昇降可能にされているので、例え
ば固定加熱部が11段でワークが一方側の最下段である
第1段から入って他方側の最上段である第11段から出
るような構成の装置では、一方側昇降加熱部では、加熱
板を2−3、4−5、6−7、8−9、10−11の各
2段に対応する5位置に設け、他方側昇降加熱部では、
加熱板を1−2、3−4、5−6、7−8、9−10の
各2段に対応する5位置に設け、又例えば12段の装置
では、上記に対して他方側の昇降加熱部に11−12段
に対応するものを加えた6位置に設けることにより、両
側の全段のそれぞれのワークと共に昇降しつつそれぞれ
のワークを加熱状態に維持することができる。 【0083】縦移動支持部は、両側の昇降加熱部のうち
の何れかのものの位置から固定加熱部の位置まで設けら
れ縦方向に少なくとも多列の一列分の範囲で往復移動可
能でワークをワーク支持部材を介して載置可能なように
形成されているので、例えば移動支持部が一方側昇降加
熱部及び固定加熱部の位置にあってその奇数段のものに
ワークを載置しているときに、これを他方側加熱部の位
置に1列分移動させると、一方側を入口側とすれば、入
口側から他方側の出口側に全ての奇数段のワークを1列
分即ち縦方向に1ピッチ進めることができる。 【0084】又、縦移動支持部が他方側昇降加熱部及び
固定加熱部の位置にあってその偶数段のものにワークを
載置しているときに、これを一方側加熱部の位置に1列
分移動させると、ワークが奇数段と反対方向に進むの
で、奇数段と偶数段とを接続させれば、ワークを連続し
て進行させることができる。 【0085】そして、縦移動支持部が常に存在する固定
加熱部に奇数段と偶数段のそれぞれに対応してワーク支
持部材を支持可能で昇降可能にされた奇数段昇降部及び
偶数段昇降部を別個に設けているので、昇降部の昇降に
よってワーク支持部材を昇降部又は縦移動支持部の何れ
かで交互に持ち替えて支持し、これを縦移動と組み合わ
せることにより、奇数段と偶数段とで異なったタイミン
グでそれぞれ反対の方向にワークを支持したワーク支持
部材を進行させることができる。 【0086】又、一方側及び他方側昇降部は、ワーク支
持部材を支持可能で一方側及び他方側の昇降加熱部に昇
降可能に設けられているので、例えば奇数段の縦移動支
持部に支持されたワーク搭載ワーク支持部材が他方側昇
降加熱部に移動してきたときに、これを偶数段に上昇さ
せることができる。又、偶数段の移動支持部に支持され
たワーク支持部材が一方側昇降加熱部に移動してきたと
きに、これを奇数段に上昇させることができる。 【0087】その結果、縦移動と昇降とを組み合わせる
ことにより、例えばワーク支持部材を奇数段で右方向へ
移動させ、その右端側で奇数段から偶数段に昇段させ、
偶数段で左方向へ移動させ、その左端側で偶数段から奇
数段へ昇段させるというように、全てのワーク支持部材
を短時間に1ピッチづつ進行させることができる。 【0088】そしてこの場合、ワークをワーク支持部材
を介して支持しているので、縦移動や昇降において支持
部材の端部の異なった場所を支持することにより、相互
間の動作の干渉を回避することができる。 【0089】又、ワーク支持部材を介して縦移動支持部
で支持されたワークのうち搬出されるワークをワーク支
持部材から分離して搬出するワーク搬出手段を設けてい
るので、前記のように縦移動支持部で1ピッチづつ進行
して熱処理が終了したワークを載せたワーク支持部材か
らワークだけを分離し、1ピッチに1枚ずつ搬出して連
続的に熱処理済みのワークとして次の工程に供給するこ
とができる。 【0090】更に、搬出されるワークが分離された単独
のワーク支持部材をワークが搬入される側に戻すので、
ワーク支持部材を循環させて使用することができる。そ
の結果、一定数のワーク支持部材で無制限の数のワーク
を枚葉処理によって熱処理することができる。又、ワー
ク支持部材を循環させるので、これを加熱する余分な熱
エネルギーの消費をなくすことができる。 【0091】そして、新たなワークを搬入してこれを戻
された単独のワーク支持部材に載せ、この結合されたワ
ーク支持部材を縦移動支持部で支持可能にするワーク搬
入手段を設けているので、新たなワークを搬入して熱処
理用として供給しつつ、これを熱処理のためのワーク搬
送系に参入させることができる。 【0092】以上により、1タクトに1枚づつワークを
搬入して装置内の全ワークを進行させ、熱処理を完了さ
せて1枚づつ搬出するという連続枚葉処理による完結し
た熱処理装置にすることができる。 【0093】以上のような熱処理装置によれば、固定板
部の列数を必要に応じて自在に多くすることができるの
で、装置内に収容するワーク数を多くすることができ
る。その結果、例えば大サイズのフラットパネルディス
プレイ用のガラス基板のように熱処理時間が長くかかる
ようなワークであっても、これを多数枚収容することに
より、1タクト時間を短くして処理能率を高くすること
ができる。 【0094】そしてこの場合、作動する各部を全て縦移
動又は昇降だけの単純な一次元動作をするように形成し
ているので、これらを迅速且つ確実に作動させ、1タク
ト時間を短縮し、上記熱処理の高能率化を可能にするこ
とができる。又、確実な作動により装置の信頼性を良く
することができる。 【0095】又、以上のような枚葉式熱処理装置によれ
ば、熱処理装置の加熱部分の外には、ワークの搬入と搬
出のために不可避的に必要になるスペース以外のスペー
スが不要である。従って、熱処理装置の搬入及び搬出の
両側に長いハンドの挿抜や回転動作を伴うロボットを配
置する場合に必要となる広い占有スペースをなくし、全
体としての熱処理装置関連設備の占有スペースを減少さ
せることができる。その結果、ワーク生産工場における
設備面積を有効活用することができる。 【0096】更に、ワークが熱処理装置内で昇降移動さ
れるため、その搬入及び搬出部を一定のそれぞれ一ヶ所
の位置にすることができる。その結果、各段ごとに多数
の扉を設ける必要がなくなり、その開閉機構が簡単にな
ると共に、外気と導通する可能性のある部分が最小にな
るので、装置の熱効率を良くすることができる。
る平板状のワークを多数枚の加熱板で加熱して搬出する
ようにした熱処理装置に関し、フラットパネルディスプ
レイ用ガラス基板等の枚葉式熱処理装置として好都合に
利用される。 【0002】 【従来の技術】放射加熱板のような発熱する加熱板でフ
ラットパネルディスプレイ用等のガラス基板からなるワ
ークを熱処理する装置としては、トンネル状の熱処理室
内に複数の加熱板を並設し、その下をコロコンベアやシ
ャトルビームによってワークを通過させて熱処理するよ
うにした横型トンネル式の装置が一般的である。しかし
ながら、このような装置では、1段の水平搬送式である
ために広大な床面積が必要になる。 【0003】又、縦型装置としては、一般的なものとし
て、図22に示す如く、熱処理室12内に放射加熱板1
を多段に固定設置し、それぞれの間隔の中でワークWを
支持管Pで支持し、ワークWを放射加熱板で加熱し、図
において紙面直角方向の両側になるワークの搬出側及び
搬入側にロボットを設け、熱処理の終了した段のワーク
Wを搬出し新ワークを搬入するようにした装置が知られ
ている。しかしながら、このような装置では、各段毎に
ワークの搬入及び搬出用の扉が設けられ、これを開閉す
る必要があるため熱ロスが多くなること、ワークの出入
口側にロボットを設けるため、その動作範囲として広い
スペースが必要になること、等の問題がある。 【0004】なお、熱風循環式のように加熱板を用いな
い装置では、多段の段間でワークを昇降しつつ一ヶ所だ
けからワークを出し入れするようにした装置が一般的で
あるが(例えば特開平10−68592号、10−73
379号公報参照)、このような装置は加熱板で加熱す
る形式の装置には適用できない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
技術における上記問題を解決し、占有する配置スペース
が少なく熱効率の良く多数枚のワークを熱処理可能な熱
処理装置を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、1枚づつ搬入される平
板状のワークを多数枚の加熱板で加熱して搬出するよう
にした熱処理装置において、前記加熱板が上下方向及び
これに直角な縦方向に一定の間隔で一定の位置に多段及
び多列に配設された固定加熱部と、前記加熱板が前記固
定加熱部の前記縦方向の一方側及び他方側に前記固定加
熱部の前記加熱板に対応して配設され前記上下方向に昇
降可能にされた一方側昇降加熱部及び他方側昇降加熱部
と、前記両側の昇降加熱部のうちの何れかのものの位置
から前記固定加熱部の位置まで設けられ前記縦方向に少
なくとも前記多列の一列分の範囲で往復移動可能で前記
ワークをワーク支持部材を介して前記多段に支持可能な
ように形成された縦移動支持部と、前記ワーク支持部材
を支持可能で前記固定加熱部の前記多段の前記加熱板の
奇数段及び偶数段のそれぞれに対応して別個に設けられ
昇降可能にされた奇数段昇降部及び偶数段昇降部と、前
記ワーク支持部材を支持可能で前記一方側及び他方側の
昇降加熱部に昇降可能に設けられた一方側昇降部及び他
方側昇降部と、前記縦方向に直角な横方向に長尺状に形
成されていて前記ワークを支持可能なように1枚のワー
クに対して少なくとも2本設けられる前記ワーク支持部
材と、前記ワーク支持部材を介して前記縦移動支持部で
支持された前記ワークのうち搬出されるワークを前記ワ
ーク支持部材から分離して搬出するワーク搬出手段と、
前記搬出されるワークが分離された単独のワーク支持部
材を前記ワークが搬入される側に戻すワーク支持部材戻
し手段と、前記ワークを搬入して該ワークを前記単独の
ワーク支持部材に載せ該ワーク支持部材を前記縦移動支
持部で支持可能にするワーク搬入手段と、を有すること
を特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した熱処理装
置の概略の全体構成の一例を示し、図2乃至図8は各部
の構造例を示す。又図9は、各部の構造の意義を分かり
やすくするためにワークの流れを概念的に示した図であ
る。主として図1及び図2〜4に基づいて説明し、特に
他の図を参照するときにはその図番を記す。 【0008】熱処理装置は、1枚づつ搬入される平板状
のワークであるフラットパネルディスプレイ用ガラス基
板等のワークWを多数枚の加熱板として通常使用される
ものであり電気ヒータを内蔵して赤外線を放射するよう
に構成された放射加熱板等からなる加熱板1で加熱して
搬出するようにした装置であり、固定加熱部として本例
では2列に設けられた前固定板部21及び後固定板部2
2からなる固定板部2、一方側昇降加熱部及び他方側昇
降加熱部である前昇降板部31及び後昇降板部32から
なる昇降板部3、縦移動支持部4、奇数段昇降部51及
び偶数段昇降部52からなる昇降部5、一方側昇降部及
び他方側昇降部である前昇降部61及び後昇降部62か
らなる前後昇降部6、ワーク支持部材である管P、ワー
ク搬出手段であるワーク搬出装置7、ワーク支持部材戻
し手段である管戻し装置8、ワーク搬入手段であるワー
ク搬入装置9、等によって構成されている。又本例で
は、ワーク搬出手段の一部分を構成するようにワーク支
持部材下降手段として下降装置10を設けている。 【0009】これらの諸装置により、図9に示す如く、
ワークW、ワークWを載せていない単独の管である管P
0 、ワークWを載せた管であるP&Wは、それぞれ二点
鎖線、点線及び実線で矢印で示すように、搬入側におけ
るワークWの搬入及び管P0との結合、熱処理室12内
で奇数段における右移動、右端での奇数段から偶数段へ
の上昇、偶数段での左移動、左端での偶数段から奇数段
への上昇、本図では最上段である第5段での右端側から
の下降、搬出部におけるワークWと管Pとの分離及びワ
ークWの搬出、単独管P0 の搬入側への戻し、という全
動作を、1枚のワークWを熱処理する時間である1タク
トの間に実行することができる。 【0010】このような熱処理装置は、通常の構造部分
として、断熱壁11、これで囲われた熱処理室12、装
置の稼働中には常に閉鎖されている断熱扉13(図
5)、ワークの搬入側及び搬出側にそれぞれ一箇所設け
られている入口14及び出口15、熱処理室の下方で本
体構造に結合されている支持フレーム16、断熱壁の外
側でワークの予熱及び予冷効果を持たせるようにワーク
の入口及び出口部分を囲っているケーシング17、等を
備えている。 【0011】固定板部2では、加熱板1が上下Z方向及
びこれに直角な縦Y方向に一定の間隔として上下ピッチ
z及び縦ピッチyで一定の位置に多段及び多列として本
例では図3に示すように11段2列に固定して配設され
ている。なお、図1では分かりやすいように仮に5段に
数を減らして示している。それぞれの加熱板1はその下
のワークWを加熱する。この部分の加熱板1は、図5及
び図7に示す如く、Y方向に直角であるX方向の両側に
立設された支柱2a及び連結板2bに取り付けられてい
る。支柱2aは支持フレーム16に固定して取り付けら
れている。従ってこの部分の加熱板は昇降しない。 【0012】前昇降板部31及び後昇降板部32は、加
熱板1が固定板部2の縦方向Yの一方側である入口14
の方向Y1 及び他方側である出口15の方向Y2 に前固
定板部21及び後固定板部22の加熱板1に対応して配
設されていて、上下方向Zに昇降可能にされている。 【0013】即ち、図1の5段の装置で説明すれば、前
昇降板部31は、図1に示す上昇した上位置では、前固
定板部21の第3段及び5段の加熱板13 及び15 の位
置に加熱板1としてそれぞれ1枚の昇降加熱板31aを
備えていて、ワークWが移動してきたときにそれぞれ第
3段及び第5段のワークWを加熱する。又、後に説明す
る図16に示す下降した下位置では、前固定板部21の
第2段及び4段の加熱板12 及び14 の位置で同じそれ
ぞれ1枚の昇降加熱板31aが移動してきた第2段及び
第4段のワークWを加熱するように形成されている。 【0014】後昇降板部32も同様に構造になってい
て、図1に示す下降した下位置では、後固定板部22の
第1段及び3段の加熱板11 及び13 の位置に加熱板1
としてそれぞれ1枚の昇降加熱板32aを備えていて、
ワークWが移動してきたときにそれぞれ第1段及び第3
段のワークWを加熱する。又、図15に示す如く上昇し
た上位置では、後固定板部22の第2段及び4段の加熱
板12 及び14 の位置で同じそれぞれ1枚の昇降加熱板
32aが移動してきた第2段及び第4段のワークWを加
熱するようにされている。 【0015】11段の装置では、昇降加熱板31aは、
前固定板部21の第2段又は第3段から1段置きに第1
0段又は11段までの位置に5枚、昇降加熱板32a
は、後固定板部22の第1段又は第2段から1段置きに
第9段又は10段までの位置に5枚設けられる。図2〜
図4では、前昇降板部31が下位置で後昇降板部32が
上位置でそれぞれの昇降加熱板31a及び32aが共に
第2段から1段置きに第10段まで設けられた状態を示
している。なお、前昇降板部31における前固定板部2
1の第1段加熱板11 に対応する位置の昇降加熱板31
bは後述する新入ワーク加熱用で、後昇降板部32にお
ける後固定板部22の第11段加熱板11 1 に対応する
位置の固定加熱板32bは後述する搬出ワーク加熱用で
ある。 【0016】このような前後昇降板部31、32は、図
5〜8にも示す如く、X方向の両側に立設された支柱3
3、34に加熱板1を取り付け、これらをそれぞれ昇降
板35、36を介して昇降機構37、38で支持して昇
降させるように構成されている。 【0017】昇降機構37は、本例ではカムリフト機構
になっていて、他の昇降機構と共用されているモータ
M、これで回転駆動される共用の軸S、この軸に取り付
けられたカム37a、カムフォロワ37b、この上下方
向の動きを伝達する昇降伝達アーム部材37c、その自
由端に連結され上下方向に動くピン37d、その動きで
ある昇降をX方向の両側に伝達する昇降駆動板37e、
これに連結された昇降軸37f、その昇降を案内するリ
ニアガイド37g、昇降軸37fに連結され昇降及び支
持された前記昇降板35、等によって構成されている。 【0018】モータM、軸S、リニアガイド37g等は
前記支持フレーム16に取り付けられたり支持されたり
している。なお、昇降装置としては、このような機構に
代えて、エアーシリンダ等のシリンダ装置、ボールネジ
機構、クランク機構等の周知の適当な直線移動機構を用
いることができる。 【0019】縦移動支持部4は、両側の昇降板部3のう
ちの何れかのものの位置から固定板部2の位置まで設け
られていて、縦Y方向に少なくとも多列の一列分である
縦ピッチyの範囲で往復移動可能で、ワークWを管Pを
介して多段に支持可能なように形成されている。即ち、
本例では、図16又は図1等に示す如く、前昇降板部3
1の位置から後固定板部22の位置まで、又は、これか
ら移動したときには前固定板部21の位置から後昇降板
部32の位置まで設けられていて、後述するように縦ピ
ッチy及び小距離y1 だけ往復移動可能にされている。 【0020】このような縦移動支持部4は、ワークWを
載せた管Pを受けて多段に支持する縦移動管受け41を
X方向の両側の支柱42に固定板部2に対向して411
から411 1 まで11段に固定板部2及び前後昇降板部
3の何れかの位置まで3列に取り付け、これらを両側と
上の連結板43、44で連結すると共に、支柱42を移
動機構45で縦方向に移動されるビーム46に取り付け
た構造に形成されている。なお,図1では411 から4
15 まで固定板部2と同じ5段の状態を示している。 【0021】縦移動支持部4はこのようにY方向に移動
するが、図7に示す如く、その支柱42が固定板部2の
加熱板1を支持する連結板2b の位置よりもY方向の外
側で移動するので、これらと干渉することはない。又、
支柱42は、図6、7及び図10(a)に示す如く、X
方向において前後昇降部31、32の支柱33、34の
外側に設けられているので、これらと干渉することもな
い。 【0022】縦移動支持部4の移動機構45としては、
本例ではボールネジ機構を使用していて、図11にも模
式的に分かりやすく示すように、横方向Xの両側(図
5、6)で縦方向Yの全体に伸びた前記ビーム46に取
り付けられリニアガイド45aと嵌合する連結板45b
(図7、8)、これに取り付けられたボールナット45
c、軸受45d等で回転自在に支持されたボールネジ4
5e、これを回転させるサーボモータ45f、等によっ
て構成されている。なお、これに代えて、エアーシリン
ダ等の他の機構を採用可能である。 【0023】奇数段昇降部51及び偶数段昇降部52
は、管Pを支持可能で固定板部2の加熱板1の奇数段及
び偶数段のそれぞれに対応して別個に設けられ昇降可能
にされている。即ち、11段2列(図1では5段2列)
の固定板部2に対応して、それぞれ、加熱板1の奇数段
である11 〜11 1 (図1では11 、13 、15 )及び
偶数段12 〜11 0 (図1では12 、14 )の下の位置
に2列に奇数段昇降管受け51a及び偶数段昇降管受け
52aを備えていて、これらがそれぞれの段内で昇降可
能にされている。 【0024】このような奇数段昇降部51及び偶数段昇
降部52は、同様の構造であるため奇数段昇降部51に
ついて説明すれば、ワークWを載せた管Pを受けて支持
する前記奇数段昇降管受け51aを支柱51bに取り付
け、支柱51bを昇降機構53(偶数段昇降部52では
昇降機構54)によって昇降させるようにしている。こ
れらの昇降部5は、固定板部2及び縦移動支持部4と同
じ位置に存在するので、図10(b)の斜視図にも示す
ようにこれらを構成する部材が相互に干渉しないように
配置されている。 【0025】昇降機構53、54は昇降機構37と同様
の構造のものである。この場合、昇降機構53と54と
では、それぞれのカム53a、54aが、図1に原理的
に示す如く、奇数段昇降部51と偶数段昇降部52とが
互いに反対の昇降動作をするように形成されている。 【0026】前昇降部61及び後昇降部62は、管Pを
支持可能で前昇降板部31及び後昇降板部32に昇降可
能に設けられている。即ち、それぞれ昇降加熱板31a
及び32aの下の位置に前後昇降管受け61、62とし
て設けられている。そして本例では、これらはそれぞれ
の前昇降板部31及び後昇降板部32の支柱33、34
に取り付けられていて、これらと共に昇降する。 【0027】管Pは、図6、図8及び図10にも示す如
く、横方向Xに加熱板1から張り出す張出部Paを持つ
ような長さに長尺状に形成されていて、ワークWを支持
可能なように1枚のワークに対して少なくとも2本とし
て本例では2本設けられている。なお、ワーク支持部材
としては、加熱板1上に載せられると共に張出部Paを
持つ長尺物であれば、断面が三角形や四角形等の多角形
や楕円形など適当な形状のものでよい。 【0028】ワーク搬出装置7は、管Pを介して縦移動
支持部4で支持されたワークのうちの搬出されるワーク
Wをこれが載せられた管Pから分離して搬出するが、本
例では、後述する下降装置10が下降させたワークを搬
出する。即ち、搬出されるワークWは、熱処理の終了し
たものであり従って後固定板部22の最上段のワークで
あり、これが後固定板部22から後昇降板部32に移動
して来たワークであって図1ではW5 −3(図3ではワ
ークW11−3)であるが、本例では下降装置10を設け
ているので、最上段だけ延長して設けられた追加縦移動
管受け41aに移動されたワークW5 −4が下降装置1
0で最下段まで移動されるワークW0 ということにな
る。そして、このワークW0 を、これを載せた管Pから
分離するために分離機構71を備えていて、搬出装置7
はこの分離されたワークW0 をスライダー72によって
Y2 方向に熱処理室12の外に搬出する。 【0029】分離機構71は、本例では、後述する下降
装置10の昇降部18の昇降管受け182の2段目でも
あり昇降可能で管P0 を支持可能な分離用昇降管受け1
82−2、ワークWだけが載せられる分離用昇降ワーク
受け711、その昇降機構712、下降装置10の縦移
動部19の縦移動管受け192の1段目でもあり縦Y方
向に移動可能で分離用昇降管受け182−2の下降動作
によって管P0 だけが載せられる分離用縦移動管受け1
92−1、等によって構成されている。昇降機構712
は他の昇降機構と同様の構造になっていて、昇降軸71
2f等によって昇降ワーク受け711を昇降可能にする
機構である。 【0030】スライダー72は、本例では縦移動支持部
4を移動させる移動機構45及びビーム46を利用する
ように、図8にも示す如く、両側のビーム46の連結板
45bに結合され、X方向の中央部分でY方向に伸びる
ように配設されている。なお、これに代えて独立の縦移
動装置を用いることも可能である。 【0031】又本例では、スライダー72との間でワー
クWをやり取りし外部のワーク生産ラインに送り出すた
めのワーク昇降搬出機構73を設けている。この機構で
は、ワークWはコロコンベアのコロを備えたワーク受け
731で支持され搬送される。又、他の昇降機構と同様
の昇降軸732f等を備えた昇降機構732を備えてい
る。 【0032】管戻し装置8は、搬出される前記ワークW
0 が分離された前記単独の管P0 をワークが搬入される
側として前昇降板部31の下方の新ワークの搬入位置ま
で入口の方向Y1 に戻す装置であり、前記分離用縦移動
管受け192−1に載せられた単独管P0 を戻し用単独
管受け82に移載するように本例では前記下降装置10
の一部分として設けられた移載用昇降単独管受け81、
前記Y方向に往復移動可能に設けられた前記戻し用単独
管受け82、これと一列に後昇降板部32の位置及び固
定板部2の位置と固定板部2の位置及び前昇降板部31
の位置との間でY方向に往復移動可能に設けられた中間
戻し用単独管受け83、これに載せられた単独の管を一
時的に取り上げて支持する中間戻し用単独管昇降受け8
4、等によって構成されている。 【0033】往復移動可能な中間戻し用単独管受け83
は,本例では縦移動支持部4の一部分としてその下方に
設けられていて、縦移動支持部4と共にビーム46で往
復移動されるようになっている。中間戻し用単独管昇降
受け84は、本例では偶数段昇降部52の下方に取り付
けられこれと共に昇降するようにされている。 【0034】ワーク搬入装置9は、図16のように戻さ
れた単独の管P0 にワークである新ワークWnを外から
搬入して載せると共に、図19のようにワークを載せた
管Pを縦移動支持部4の第1段の縦移動管受け41−1
で支持可能にする装置であり、Wnを管P0 と結合する
結合機構91を備えていて、搬出装置9はこの結合され
る新ワークWnをスライダー92によってY2 方向に外
から熱処理室12内に搬入する。 【0035】結合機構91は、本例では、昇降可能で管
P0 が中間戻し用単独管受け83のY1 側のものに載せ
られて前昇降板部31の位置に来たときにこれを支持可
能な結合用昇降管受け911、その昇降機構912、等
によって構成されている。昇降機構912は他の昇降機
構と同様の構造になっていて、昇降軸912f等によ
り、管受け911をスライダー92によって搬入されて
きた新ワークWnの上の位置まで昇降可能にする機構で
ある。スライダー92は、スライダー72と同様に、移
動機構45で移動されるビーム46にX方向の中央部分
でY方向に伸びるように配設されている。 【0036】又本例では、スライダー92との間でワー
クWをやり取りし外部のワーク生産ラインから新ワーク
Wnを取り入れるためのワーク昇降搬入機構93を設け
ている。この機構では、ワークWはコロコンベアのコロ
からなるワーク受け931で支持され搬送される。又、
他の昇降機構と同様の昇降軸932f等を備えた昇降機
構932を備えている。 【0037】下降装置10は、縦移動支持部4が多段に
支持するワークWのうちの最上段のものを下降させる。
それにより、搬出されるワークは下降装置が下降させた
ワークということになる。そのため本例では、前記の如
く、図1の5段の装置では後昇降板部32の位置に来た
ワークW5 −3を更に追加縦移動管受け41aまで移動
させてワークW5 −4とし、このワークを最下段まで移
動させて搬出すべきワークW0 にする。又本例では、こ
の下降装置10を熱処理室12内に多段として追加縦移
動管受け41a及び分離用縦移動管受け192−1を含
めて5段(実際には図4に示すように11段)に配設
し、5段分(実際には11段分)の下降時間を設けてワ
ークWに徐冷効果を与えるようにしている。 【0038】このような多段の下降装置10は、図1、
図4等に示す如く昇降部18と縦移動部19とで構成さ
れている。昇降部18は、支柱181、昇降管受け18
2、昇降機構183、等によって構成されている。昇降
機構183は他の昇降機構と同様の構造になっていて、
昇降軸183f等によって昇降管受け182を昇降可能
にする機構である。 【0039】縦移動部19は、支柱191、縦移動管受
け192、リニアガイド193、等によって構成されて
いる。リニアガイド昇降機構193によってY方向に往
復移動を案内される支柱191は、図示していないが、
ビーム46によって小距離y 1 だけY方向に往復移動可
能なようにビーム46に連結されている。このy1 の移
動により、昇降管受け182が縦移動管受け192の位
置を越えて上下方向に通過可能になる。 【0040】以上の諸装置によって図9に示すようなワ
ークWの搬入、進行、搬出までの全動作が可能になる。
図12乃至図19は、このような熱処理装置においてワ
ークが熱処理されるまでの移動状態を示す。 【0041】本例の熱処理装置は、結局のところ、縦移
動だけの機構と昇降だけの機構との組合せで構成されて
いると共に、縦移動では、1台のサーボモータ45fで
ビーム46を往復移動させ、縦移動機構の全てをこれに
結合し、昇降では、1台のモータMで駆動する回転伝達
軸Sによって全ての昇降用カムを動かし各種昇降機構を
作動させるように構成されている。従って、動作部分は
多いがその構造及び動きが簡素化されていて、作動の信
頼性が高い。 【0042】このような機構において、モータでは、通
常、回転動作のタイミング及び回転量が自動制御され、
これらに対応してカムを備えた各機構が目的にあったタ
イミングで必要十分なだけの動作量になるように定めら
れる。以下では、このように駆動される各機構の動作に
ついて説明する。 【0043】図12は図1と同じ図であり、仮に基準状
態として示している。この状態では、ビーム46が出口
Y2 方向に移動し、それに伴って搬入スライダー92が
新ワークWnを載せて前昇降板部31に入り、搬出スラ
イダー72が熱処理及び徐冷期間を終了して搬出される
べき処理済ワークW0 を載せて熱処理室12内の下降装
置10の位置から外に出ている。 【0044】固定板部2においは、ワークWを搭載した
管P(以下では、管Pのうち、ワークWを載せたものを
単に「管P」と称し、単独の管だけのものを「管P0 」
と称す)は、奇数段では、奇数段昇降部51が下位置に
なりその管受け51aが下がっていて、縦移動支持部4
の縦移動管受け41に載せられている。一方偶数段で
は、偶数段昇降部52が上位置になっていて、偶数段昇
降管受け52aが縦移動管受け41の管Pを取り上げて
その少し上で支持している。 【0045】この縦移動支持部4は、ビーム46と共に
Y2 方向に固定板部2及び後昇降板部32の位置に移動
してきた状態になっている。その結果、後に更に説明す
るように、奇数段ではこの図12の状態になったときに
図において左から右の方向に管Pが1ピッチ進行したこ
とになっている。一方偶数段では、管受け41は、管P
を昇降受け52aに預けて左から右に空で移動したこと
になっている。 【0046】又、下方の管戻し装置8の部分では、偶数
段昇降部52が上位置になっているために、単独の管P
0 は偶数段昇降部52に取り付けられた中間管戻し用単
独管昇降受け84に支持されている。従って、中間戻し
用単独管受け83は、管Pを昇降受け84に預けて左か
ら右に空で移動したことになっている。 【0047】後昇降板部32では、縦移動支持部4がこ
の位置に来ていて、奇数段ではその受け41に管Pが載
せられていて、偶数段の管受け41及び後昇降部62は
空になっている。管戻し装置8では同様に昇降受け84
に管P0 が載せられていて、管受け82は83と同様に
空で移動してきている。この部分の上の搬出ワーク加熱
用の固定加熱板32bの位置では、熱処理の最終段階に
あって徐冷用の下降装置10に送られるためのワークW
5 −3を載せた管Pが1ピッチ進んで受け41に支持さ
れている。 【0048】下降装置10の部分では、同様に1ピッチ
進んで来た追加縦移動管受け41aに徐冷に回されたワ
ークW5 −4が載せられていると共に、縦移動部19の
縦移動管受け192に徐冷中のワークWが載せられてい
る。又、下段の管受け192−2には、徐冷を終了して
次に搬出されるべきワークW0 及びその支持管Pが載せ
られている。更に、この部分の最下段に設けられている
分離用縦移動管受け192−1には、ワークW0 がスラ
イダー72で搬出され既にワークと分離された単独管P
0 が載せられている。 【0049】このように基準状態から、管P及びP0 を
縦ピッチy又は上下ピッチzだけ1ピッチ進めて1枚毎
にワークの熱処理を完了させる1タクトの工程が以下の
ように進行する。 【0050】図13は後昇降板部32部分の動作を示
す。この部分では、昇降機構38が作動して昇降板36
を介して後昇降板部32が中間位置まで上昇し、それに
伴って後昇降部62が同じ高さだけ上昇し、縦移動支持
部4の奇数段の管受け41−1、3に載せられた管Pを
取り上げ(a)、その後縦移動支持部4が二点鎖線の位
置から実線の位置まで小距離y1 だけY1 方向に移動し
て後昇降部62が受け41を通過可能なようにし
(b)、後昇降板部32が更に上昇し、管Pを載せた状
態で後昇降部62が一段上の偶数段の空になっている管
受け41−2、4の位置を通過し(c)、その後縦移動
支持部4が小距離y1 だけY2 方向に移動して復帰する
(d)。そして、次の図15の動作により、管Pが奇数
段から偶数段へ1段即ち上下ピッチzだけ上昇すること
になる。 【0051】図14は下降装置10部分の動作を示す。
この部分では、昇降部18が中間位置まで上昇し、その
昇降管受け182が追加縦移動管受け41aを含めて縦
移動部19の縦移動管受け192に載せられていた管P
を取り上げ(a)、その後縦移動部19が小距離y1 だ
けY1 方向に移動して昇降管受け182の通過を可能に
し(b)、昇降管受け182が管Pを載せた状態で下降
し元の縦移動管受け192の位置を通過してその下の元
の位置になり(c)、その後縦移動部19がY2 方向に
移動して復帰する(d)。次に図15の動作により、管
Pが縦移動管受け192において1段下に1ピッチ下降
することになる。 【0052】これらの動作において、縦移動管受け19
2の最下段のものを構成する分離用縦移動管受け192
−1に載っていたワークWのない単独管P0 は、昇降管
受け182の最下段のものを構成する移載用昇降管受け
81に取り上げられ(a)、同様に下降した位置になる
(d)。 【0053】図15は、図12〜14の状態から各部の
昇降動作が完了した状態を示す。前昇降板部31の部分
では、昇降機構37が作動して昇降板35を介して前昇
降板部31が1ピッチ下降し、それに伴って前昇降部6
1が1ピッチ下降し、縦移動支持部4が移動して来たと
きにその偶数段の管P及びワークを受けて加熱できる状
態になる。その下方では、単独管P0 を載せていた結合
用昇降管受け911が1ピッチ上昇してスライダー92
から新ワークWnを取り上げ、単独管と新ワークとを結
合する。又、この程度の適当な時期に外のワーク昇降搬
入機構93のワーク受け931に次の新ワークWn−1
が搬送されて来る。 【0054】固定板部2においては、奇数段では、奇数
段昇降部51が段間内で1/2ピッチ程度上昇して上位
置になり、その管受け51aが同じだけ上昇し、縦移動
支持部4の縦移動管受け41に載せられていた管Pを取
り上げる。一方偶数段では、偶数段昇降部52が1/2
ピッチ程度下降して下位置になり、偶数段昇降管受け5
2aが支持していた管Pを縦移動管受け41に移載す
る。これにより、偶数段では、管受け41において管P
が図において右から左に1ピッチ進行したことになって
いる。 【0055】又、この偶数段昇降部52の下降動作によ
り、固定板部2の下方及び後昇降板部32の下方の管戻
し装置8の部分では、単独の管P0 は中間管戻し用単独
管昇降受け84から中間戻し用単独管受け83に移載さ
れる。これにより、管受け83において管P0 がY1 の
戻り方向に1ピッチ進行したことになっている。 【0056】後昇降板部32の部分では、図13(d)
の状態から後昇降板部32が1/2ピッチ程度下降し、
図12の位置からは1ピッチ上昇した位置になり、縦移
動管受け41において管Pが奇数段から偶数段へ1ピッ
チ上昇する。これにより、空で移動して来た管受け41
に管Pが載せられ、管受け41において管Pが奇数段か
ら偶数段に下から上に1ピッチ進行したことになってい
る。 【0057】下降装置10の部分では、図14(d)の
状態から分離用昇降管受け182−2が1ピッチ下降
し、図12の状態から管Pは1ピッチ下の分離用縦移動
管受け192−1に移載される。又、この時期に分離用
昇降ワーク受け711が上昇し、管P上の搬出されるべ
きワークW0 を取り上げ、管Pを単独管P0 にする。即
ち、管とワークとを分離する。 【0058】又、既に分離されて管戻し装置8を構成す
る移載用昇降管受け81に取り上げられていた管P
0 は、同様に管戻し装置8を構成する戻し用単独管受け
82に移載される。これにより、管P0 が下に降りて1
ピッチ進行して管戻し系に参入することになる。又、こ
れ位の時期に、ワーク昇降搬出機構73のワーク受け7
31上の前熱処理済みのワークW0 が次の生産工程に送
られる。 【0059】以上の動作により、図12の状態から、ワ
ーク搬入装置9の部分では新ワークWnが内部搬送系に
参入可能な状態になり、固定板部2及び後昇降板部32
の部分では奇数段と偶数段との支持状態が入れ代わり、
管戻し装置8の部分では下降装置10の下方を含めて中
間戻し用単独管受け82及び83の全てに管P0 が載せ
られ、縦移動支持部4の最上段では追加縦移動管受け4
1aが空になり、下降装置10では管Pが1ピッチ下が
り、1タクトの半分近くの動作が完了する。 【0060】図16では、縦移動支持部4が二点鎖線で
示す図15の状態から縦1ピッチyだけY1 方向に移動
している。これにより、縦移動支持部4の偶数段の受け
41−2、4では、管PがY1 方向に1ピッチ進行した
ことになる。そして、図12の状態から1タクトの1/
2の動作が完了する。 【0061】図17は図13に対応する図で、図16の
状態からの前昇降板部31部分の動作を示す。この部分
では、前昇降板部31が1ピッチ上昇し、それに伴って
前昇降部61が同じ高さだけ上昇し、縦移動支持部4の
偶数段の管受け41−2、4に載せられた管Pを取り上
げ(a)、その状態で縦移動支持部4が小距離y1 だけ
Y2 方向に移動し、一段上の奇数段の管受け41−3、
5の位置を前昇降部61が通過可能なようにし(b)、
前昇降板部31が更に上昇して管Pを載せた状態で前昇
降部61が一段上の奇数段の空になっている管受け41
−3、5の位置を通過し(c)、その後縦移動支持部4
が小距離y1 だけY1 方向に移動して復帰する(d)。
次に図19の動作により、管Pが偶数段から奇数段へ1
ピッチ上昇することになる。 【0062】図18は図14に対応する図で、下降装置
10部分の動作を示す。この部分では、図16の状態か
ら、移動部19が二点鎖線の位置から実線の位置に小距
離y1 だけY1 方向に移動して昇降管受け182の通過
を可能にし(a)、昇降管受け182が空の状態で1ピ
ッチ上昇し(b)、その後縦移動部19が小距離y1 だ
けY2 方向に移動して復帰する(c)。これにより、再
び図14の動作が可能になる。そして、次のタクトでの
図14の動作により、再び管Pが縦移動管受け192に
おいて1段下に1ピッチ下降することになる。 【0063】この部分の下方のワーク搬出装置7の位置
では、分離用昇降ワーク受け711が下降し、搬出され
るべきワークW0 がスライダー72に移載される。 【0064】図19は図15に対応する図で、図16〜
図18の状態から各部が昇降した状態を示す。熱処理装
置の搬入側の外のワークW昇降搬入機構93の位置で
は、ワーク受け931が下降し、これに載っていた次の
新ワークWn−1がスライダー92に移載される。 【0065】前昇降板部31の部分では、図17(d)
の状態から前昇降板部31及び前昇降部61が1/2ピ
ッチ下降し、管Pを空になっていた縦移動支持部4の奇
数段の縦移動管受け41−3、5に載せる。これによ
り、偶数段の縦移動管受け41−2、4に載っていた管
Pが1段上昇し、空いていた奇数段の端の受けに載り、
1ピッチ進行したことになる。 【0066】又その下方では、縦移動支持部4の第1段
の縦移動管受け41−1にワークと結合した管Pが全体
の搬送系に参入した状態になっている。更に、図17で
下方に下がっていた結合用昇降管受け911が中間位置
まで上昇し、移動して来た中間戻し用単独管受け83上
の管P0 を取り上げる。これにより、下降装置10の下
方で分離された管P0 を含む全ての単独管P0 が1ピッ
チY1 側に進むと共に、その先端のものがワークWnと
結合され、次に搬送系に参入可能な状態になる。 【0067】固定板部2においては、奇数段では、段間
内で上昇して上位置になり縦移動管受け41に載せられ
ていた管Pを取り上げていた奇数段昇降部51の管受け
51aが下位置に復帰し、管Pを奇数段の受け41−
1、3、5に移載する。これにより、奇数段の受けにお
いて管Pが図12に示す次の段階で左から右に1ピッチ
進行可能な状態になる。一方偶数段では、下降して下位
置になっていた偶数段昇降部52が上位置に復帰し、偶
数段昇降管受け52aが偶数段の縦移動管受け41−
2、4から管Pを取り上げる。これにより、既に端の前
昇降板部31の位置の管Pが奇数段に上昇しているので
偶数段の管受け41−2、4は全て空の状態でY2 方向
に復帰可能になる。 【0068】又、この偶数段昇降部52の上昇動作によ
り、固定板部2の下方及び後昇降板部32の下方の管戻
し装置8の部分では、単独の管P0 は戻し用及び中間戻
し用単独管受け82及び83から中間戻し用単独管昇降
受け84に移載される。これで、全ての管受け82、8
3が空の状態でY2 方向に復帰可能になる。 【0069】後昇降板部32の部分では、図16の状態
から後昇降板部32が1ピッチ下降し、次に管Pを載せ
て入ってくる縦移動支持部4の奇数段の受け41−1、
3上の管P及びワークWを加熱及び上昇可能な状態にな
る。下降装置10の部分は図18(c)と同じ状態であ
る。 【0070】この図19の状態から縦移動支持部4がY
2 方向に1ピッチ縦移動することにより、1タクトの熱
処理工程が終了する。即ち、熱処理装置の搬送系が図1
2の状態に復帰し、搬入スライダー92によって次に熱
処理されるべきワークWn−1がWnとして装置内に入
り、次の熱処理済ワークW0 が搬出スライダー72によ
って装置外に出され、固定板部2の奇数段では縦移動管
受け41に載った管PがそれぞれY2 方向に1ピッチ進
行したことになり、下降装置10の上方では次に下降し
て徐冷されるべきワークW5 −4が来て、その下方の管
戻し装置8の部分では、ワークW0 が搬出されて管Pが
次の単独の管P0 になって管戻し装置8に移行可能にな
り、管戻し装置8では中央戻し用単独管受け83と共に
戻し用単独管受け82が空になって移動してきて、上記
単独管P0 の戻し動作が可能になる。 【0071】図20は、ワークを載せた管Pの動きをよ
り分かりやすくするために、図12乃至図19における
固定板部2の第3段の管Pの動きを取り出して1タクト
の動作中の動きを総括して示した図である。 【0072】(a)は図12の状態で、仮の基準状態と
して第3段の前固定板部21、22及び後昇降板部32
位置における第3段の縦移動管受け41−3上のワーク
を進行順位の前のものから順次実線と点線と二点鎖線と
で示した、、にしている。(b)では、が図1
3(d)から図15のようにして第4段の受け41−4
に昇段し、(c)では、及びが図12から図15の
ように41−3から51aに移載され、(d)では、図
17(a)のように偶数段から次の順位の細い実線で示
すのワークが上昇過程になり、(e)では、図17
(d)のように昇段してきたを含めて51aで支持さ
れるが第3段のワークが41−3の上で再び揃い、
(f)では図19のように51aが下降して再び第3段
のワークが41−3に載せられて揃い、(g)では縦移
動支持部4と共にこれらがY2 方向に1ピッチ移動して
(a)の状態に復帰する。 【0073】従って、第3段では、1タクトの間に、3
列の受け41−3の両端のワークが上に上がって去る
と共にが下から上がってきて加わって1ピッチ進行
し、中央のワーク、がそれぞれ縦Y2 方向に1ピッ
チ進んだことになる。他の奇数段でも全く同様の動作に
なる。又、偶数段では、ワークはY1 方向に進み、両端
では、序列の早いワークが奇数段に上がって行くと共に
序列の遅いワークが奇数段から上がって来ることにな
る。そして、ワークWは、両方の段によって右進行−上
昇−左進行−上昇というようにジグザグ状に進行して行
くことになる。 【0074】図21は単独管P0 の戻し動作を分かり易
く説明するための図である。戻し順位の早い管P0 から
順次、、、、で示す。(a)は図12を含む
図13(d)の状態で、〜が911及び84で支持
されていて戻し開始状態にあり、が81で支持されて
いて分離後戻し系に参入する状態になっている。(b)
では、が上昇してワークと結合される状態になって戻
し系から離れ、が82に移載されて新たに戻し系に参
入し、〜は83に支持されて戻し過程を続行するこ
とになる。(c)では、ビーム46と共に82、83が
Y1 方向に1ピッチ移動し、戻し過程が進行する。
(d)では、進行した〜が再び911及び84に取
り上げられ、82及び83が空になる。(e)は(a)
と同じ状態であり、空の82、83がY2 方向に移動し
て復帰すると共に、次の戻し用管が降りてくる。 【0075】以上の如く、82、83が、管P0 を積ん
で行き、1個を放出して残りを一時預けして空で帰り、
次に1個の新入りと一時預け分を受け取って又行き、又
1個を放出するというシャトル動作をすることにより、
1タクトに1ピッチづつ単独管P0 を進行させることに
なる。 【0076】本発明を適用した以上のような熱処理装置
では、例えば図2等に示す固定板部2が2列11段の装
置においては、装置内で熱処理されるワークWは、固定
部に22枚、前昇降板部31又は後昇降板部32で図3
では後昇降板部32に後固定板部22の偶数段に対応し
て5枚と搬出前の11段の位置に1枚、及び前昇降板部
31に搬入された新ワーク1枚の合計29枚であり、更
に徐冷中のワークが11枚あり、熱処理室12内では徐
冷工程まで含めて40枚のワークWを収容することがで
きる。 【0077】その結果、大サイズのフラットパネルディ
スプレイ用のガラス基板のように熱処理時間が長くかか
るようなワークであっても、1タクト時間を短くして徐
冷まで含めて短い時間で能率良く熱処理することができ
る。そして、本発明の装置では、全ての可動部材が縦移
動又は昇降だけの単純な一次元動作をする部材で構成さ
れているので、迅速且つ確実な動作をさせることがで
き、1タクト時間の短縮、従って生産能率の向上に極め
て対応性が良い。そしてこの場合、工場における配置上
の高さ制限があって積載段数が制限されるとしても、固
定板部2の列数を自在に増加させられるので、本発明の
熱処理装置は熱処理の高能率化に極めて対応性の良い装
置である。 【0078】又、以上のような熱処理装置によれば、ワ
ークが熱処理装置内で昇降及び移動されるため、ワーク
Wを搬入及び搬出する入口及び出口をそれぞれ一定位置
で一か所にすることができる。その結果、出入口側にそ
れぞれロボットを設けてそれによるワークハンドリング
スペースを必要とする従来の熱処理装置よりも、熱処理
設備全体としての占有スペースを大幅に縮小することが
できる。 【0079】更に、従来の装置で必要であった例えば1
0段の装置の各段ごとに設けられる多数の扉が不要にな
り、扉の開閉機構として特別のものが不要になると共
に、内外気が流通する可能性のある部分が最小になるの
で、装置の熱効率を大幅に改善することができる。 【0080】 【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、熱処理装置が所定の構成を備えた固定
加熱部と一方側及び他方側昇降加熱部と縦移動支持部と
奇数段及び偶数段昇降部と一方側及び他方側昇降部とワ
ーク支持部材とワーク搬出手段とワーク支持部戻し手段
とワーク搬入手段とを有するので、加熱板式の熱処理装
置においてワークを連続枚葉処理によって熱処理するこ
とができる。 【0081】固定加熱部では、加熱板が上下方向及びこ
れに直角な縦方向に一定の間隔で一定の位置に多段及び
多列に配設されているので、この部分において段数×列
数に相当する多数枚のワークを加熱することができる。 【0082】昇降加熱部では、加熱板が固定加熱部の縦
方向の一方側及び他方側に固定加熱部の加熱板に対応し
て配設され上下方向に昇降可能にされているので、例え
ば固定加熱部が11段でワークが一方側の最下段である
第1段から入って他方側の最上段である第11段から出
るような構成の装置では、一方側昇降加熱部では、加熱
板を2−3、4−5、6−7、8−9、10−11の各
2段に対応する5位置に設け、他方側昇降加熱部では、
加熱板を1−2、3−4、5−6、7−8、9−10の
各2段に対応する5位置に設け、又例えば12段の装置
では、上記に対して他方側の昇降加熱部に11−12段
に対応するものを加えた6位置に設けることにより、両
側の全段のそれぞれのワークと共に昇降しつつそれぞれ
のワークを加熱状態に維持することができる。 【0083】縦移動支持部は、両側の昇降加熱部のうち
の何れかのものの位置から固定加熱部の位置まで設けら
れ縦方向に少なくとも多列の一列分の範囲で往復移動可
能でワークをワーク支持部材を介して載置可能なように
形成されているので、例えば移動支持部が一方側昇降加
熱部及び固定加熱部の位置にあってその奇数段のものに
ワークを載置しているときに、これを他方側加熱部の位
置に1列分移動させると、一方側を入口側とすれば、入
口側から他方側の出口側に全ての奇数段のワークを1列
分即ち縦方向に1ピッチ進めることができる。 【0084】又、縦移動支持部が他方側昇降加熱部及び
固定加熱部の位置にあってその偶数段のものにワークを
載置しているときに、これを一方側加熱部の位置に1列
分移動させると、ワークが奇数段と反対方向に進むの
で、奇数段と偶数段とを接続させれば、ワークを連続し
て進行させることができる。 【0085】そして、縦移動支持部が常に存在する固定
加熱部に奇数段と偶数段のそれぞれに対応してワーク支
持部材を支持可能で昇降可能にされた奇数段昇降部及び
偶数段昇降部を別個に設けているので、昇降部の昇降に
よってワーク支持部材を昇降部又は縦移動支持部の何れ
かで交互に持ち替えて支持し、これを縦移動と組み合わ
せることにより、奇数段と偶数段とで異なったタイミン
グでそれぞれ反対の方向にワークを支持したワーク支持
部材を進行させることができる。 【0086】又、一方側及び他方側昇降部は、ワーク支
持部材を支持可能で一方側及び他方側の昇降加熱部に昇
降可能に設けられているので、例えば奇数段の縦移動支
持部に支持されたワーク搭載ワーク支持部材が他方側昇
降加熱部に移動してきたときに、これを偶数段に上昇さ
せることができる。又、偶数段の移動支持部に支持され
たワーク支持部材が一方側昇降加熱部に移動してきたと
きに、これを奇数段に上昇させることができる。 【0087】その結果、縦移動と昇降とを組み合わせる
ことにより、例えばワーク支持部材を奇数段で右方向へ
移動させ、その右端側で奇数段から偶数段に昇段させ、
偶数段で左方向へ移動させ、その左端側で偶数段から奇
数段へ昇段させるというように、全てのワーク支持部材
を短時間に1ピッチづつ進行させることができる。 【0088】そしてこの場合、ワークをワーク支持部材
を介して支持しているので、縦移動や昇降において支持
部材の端部の異なった場所を支持することにより、相互
間の動作の干渉を回避することができる。 【0089】又、ワーク支持部材を介して縦移動支持部
で支持されたワークのうち搬出されるワークをワーク支
持部材から分離して搬出するワーク搬出手段を設けてい
るので、前記のように縦移動支持部で1ピッチづつ進行
して熱処理が終了したワークを載せたワーク支持部材か
らワークだけを分離し、1ピッチに1枚ずつ搬出して連
続的に熱処理済みのワークとして次の工程に供給するこ
とができる。 【0090】更に、搬出されるワークが分離された単独
のワーク支持部材をワークが搬入される側に戻すので、
ワーク支持部材を循環させて使用することができる。そ
の結果、一定数のワーク支持部材で無制限の数のワーク
を枚葉処理によって熱処理することができる。又、ワー
ク支持部材を循環させるので、これを加熱する余分な熱
エネルギーの消費をなくすことができる。 【0091】そして、新たなワークを搬入してこれを戻
された単独のワーク支持部材に載せ、この結合されたワ
ーク支持部材を縦移動支持部で支持可能にするワーク搬
入手段を設けているので、新たなワークを搬入して熱処
理用として供給しつつ、これを熱処理のためのワーク搬
送系に参入させることができる。 【0092】以上により、1タクトに1枚づつワークを
搬入して装置内の全ワークを進行させ、熱処理を完了さ
せて1枚づつ搬出するという連続枚葉処理による完結し
た熱処理装置にすることができる。 【0093】以上のような熱処理装置によれば、固定板
部の列数を必要に応じて自在に多くすることができるの
で、装置内に収容するワーク数を多くすることができ
る。その結果、例えば大サイズのフラットパネルディス
プレイ用のガラス基板のように熱処理時間が長くかかる
ようなワークであっても、これを多数枚収容することに
より、1タクト時間を短くして処理能率を高くすること
ができる。 【0094】そしてこの場合、作動する各部を全て縦移
動又は昇降だけの単純な一次元動作をするように形成し
ているので、これらを迅速且つ確実に作動させ、1タク
ト時間を短縮し、上記熱処理の高能率化を可能にするこ
とができる。又、確実な作動により装置の信頼性を良く
することができる。 【0095】又、以上のような枚葉式熱処理装置によれ
ば、熱処理装置の加熱部分の外には、ワークの搬入と搬
出のために不可避的に必要になるスペース以外のスペー
スが不要である。従って、熱処理装置の搬入及び搬出の
両側に長いハンドの挿抜や回転動作を伴うロボットを配
置する場合に必要となる広い占有スペースをなくし、全
体としての熱処理装置関連設備の占有スペースを減少さ
せることができる。その結果、ワーク生産工場における
設備面積を有効活用することができる。 【0096】更に、ワークが熱処理装置内で昇降移動さ
れるため、その搬入及び搬出部を一定のそれぞれ一ヶ所
の位置にすることができる。その結果、各段ごとに多数
の扉を設ける必要がなくなり、その開閉機構が簡単にな
ると共に、外気と導通する可能性のある部分が最小にな
るので、装置の熱効率を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した熱処理装置の全体構成の一例
を示す説明図である。 【図2】上記装置の構造例を示し、正面状態の前側部分
の説明図である。 【図3】上記装置の構造例を示し、正面状態の中央部分
の説明図である。 【図4】上記装置の構造例を示し、正面状態の後側部分
の説明図である。 【図5】上記装置の構造例を示し、側面状態の説明図で
ある。 【図6】上記装置の構造例を示し、平面状態の前側部分
の説明図である。 【図7】上記装置の構造例を示し、平面状態の中央部分
の説明図である。 【図8】上記装置の構造例を示し、平面状態の後側部分
の説明図である。 【図9】上記装置の動作の概略を模擬的に示す説明図で
ある。 【図10】(a)及び(b)は上記装置の部分構造の一例
を示す斜視図である。 【図11】上記装置の移動機構の構成例を示す説明図であ
る。 【図12】上記装置の動作の説明図であり、図1と同じ状
態を示す。 【図13】(a)乃至(d)は上記装置の後昇降部におけ
る昇降動作の説明図である。 【図14】(a)乃至(d)は上記装置の下降装置におけ
る下降動作の説明図である。 【図15】上記装置の動作の説明図である。 【図16】上記装置の動作の説明図である。 【図17】(a)乃至(d)は上記装置の前昇降部におけ
る昇降動作の説明図である。 【図18】(a)乃至(c)は上記装置の下降装置におけ
る下降動作の説明図である。 【図19】上記装置の動作の説明図である。 【図20】(a)乃至(g)は上記装置の奇数段における
ワーク搭載支持管の進行状態をまとめた説明図である。 【図21】(a)乃至(e)は上記装置の奇数段における
単独管の戻りの進行状態をまとめた説明図である。 【図22】従来の加熱板式の熱処理装置図の説明図であ
る。 【符号の説明】 1 加熱板 2 固定板部(固定加熱部) 4 縦移動支持部 7 ワーク搬入装置(ワーク搬出手段) 8 管戻し装置(ワーク支持部材戻し手
段) 9 ワーク搬出装置(ワーク搬入手段) 21 前固定板部(固定加熱部) 22 後固定板部(固定加熱部) 31 前昇降板部(一方側昇降加熱部) 32 後昇降板部(他方側昇降加熱部) 51 奇数段昇降部 52 偶数段昇降部 61 前昇降部(一方側昇降部) 62 後昇降部(他方側昇降部) 71 分離機構(ワーク搬出手段) 72 スライダー(ワーク搬出手段) 91 結合機構(ワーク搬入手段) 92 スライダー(ワーク搬入手段) P 管(ワーク支持部材) P0 単独管(戻されたワーク支持部材) W ワーク Y 縦方向 Y1 入口の方向(一方側) Y2 出口の方向(他方側) y 縦ピッチ(一定の間隔) Z 上下方向 z 上下ピッチ(一定の間隔)
を示す説明図である。 【図2】上記装置の構造例を示し、正面状態の前側部分
の説明図である。 【図3】上記装置の構造例を示し、正面状態の中央部分
の説明図である。 【図4】上記装置の構造例を示し、正面状態の後側部分
の説明図である。 【図5】上記装置の構造例を示し、側面状態の説明図で
ある。 【図6】上記装置の構造例を示し、平面状態の前側部分
の説明図である。 【図7】上記装置の構造例を示し、平面状態の中央部分
の説明図である。 【図8】上記装置の構造例を示し、平面状態の後側部分
の説明図である。 【図9】上記装置の動作の概略を模擬的に示す説明図で
ある。 【図10】(a)及び(b)は上記装置の部分構造の一例
を示す斜視図である。 【図11】上記装置の移動機構の構成例を示す説明図であ
る。 【図12】上記装置の動作の説明図であり、図1と同じ状
態を示す。 【図13】(a)乃至(d)は上記装置の後昇降部におけ
る昇降動作の説明図である。 【図14】(a)乃至(d)は上記装置の下降装置におけ
る下降動作の説明図である。 【図15】上記装置の動作の説明図である。 【図16】上記装置の動作の説明図である。 【図17】(a)乃至(d)は上記装置の前昇降部におけ
る昇降動作の説明図である。 【図18】(a)乃至(c)は上記装置の下降装置におけ
る下降動作の説明図である。 【図19】上記装置の動作の説明図である。 【図20】(a)乃至(g)は上記装置の奇数段における
ワーク搭載支持管の進行状態をまとめた説明図である。 【図21】(a)乃至(e)は上記装置の奇数段における
単独管の戻りの進行状態をまとめた説明図である。 【図22】従来の加熱板式の熱処理装置図の説明図であ
る。 【符号の説明】 1 加熱板 2 固定板部(固定加熱部) 4 縦移動支持部 7 ワーク搬入装置(ワーク搬出手段) 8 管戻し装置(ワーク支持部材戻し手
段) 9 ワーク搬出装置(ワーク搬入手段) 21 前固定板部(固定加熱部) 22 後固定板部(固定加熱部) 31 前昇降板部(一方側昇降加熱部) 32 後昇降板部(他方側昇降加熱部) 51 奇数段昇降部 52 偶数段昇降部 61 前昇降部(一方側昇降部) 62 後昇降部(他方側昇降部) 71 分離機構(ワーク搬出手段) 72 スライダー(ワーク搬出手段) 91 結合機構(ワーク搬入手段) 92 スライダー(ワーク搬入手段) P 管(ワーク支持部材) P0 単独管(戻されたワーク支持部材) W ワーク Y 縦方向 Y1 入口の方向(一方側) Y2 出口の方向(他方側) y 縦ピッチ(一定の間隔) Z 上下方向 z 上下ピッチ(一定の間隔)
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G02F 1/13 101 G02F 1/13 101
// G02F 1/1333 500 1/1333 500
Fターム(参考) 2H088 FA11 FA16 FA17 FA18 FA25
FA28 FA30 MA16
2H090 JC08 JC18 JC19 JD14 JD15
4G015 EA00
4K050 AA02 BA07 CA13 CD06 CG01
CG12
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 1枚づつ搬入される平板状のワークを多
数枚の加熱板で加熱して搬出するようにした熱処理装置
において、 前記加熱板が上下方向及びこれに直角な縦方向に一定の
間隔で一定の位置に多段及び多列に配設された固定加熱
部と、 前記加熱板が前記固定加熱部の前記縦方向の一方側及び
他方側に前記固定加熱部の前記加熱板に対応して配設さ
れ前記上下方向に昇降可能にされた一方側昇降加熱部及
び他方側昇降加熱部と、 前記両側の昇降加熱部のうちの何れかのものの位置から
前記固定加熱部の位置まで設けられ前記縦方向に少なく
とも前記多列の一列分の範囲で往復移動可能で前記ワー
クをワーク支持部材を介して前記多段に支持可能なよう
に形成された縦移動支持部と、 前記ワーク支持部材を支持可能で前記固定加熱部の前記
多段の前記加熱板の奇数段及び偶数段のそれぞれに対応
して別個に設けられ昇降可能にされた奇数段昇降部及び
偶数段昇降部と、 前記ワーク支持部材を支持可能で前記一方側及び他方側
の昇降加熱部に昇降可能に設けられた一方側昇降部及び
他方側昇降部と、 前記縦方向に直角な横方向に長尺状に形成されていて前
記ワークを支持可能なように1枚のワークに対して少な
くとも2本設けられる前記ワーク支持部材と、 前記ワーク支持部材を介して前記縦移動支持部で支持さ
れた前記ワークのうち搬出されるワークを前記ワーク支
持部材から分離して搬出するワーク搬出手段と、 前記搬出されるワークが分離された単独のワーク支持部
材を前記ワークが搬入される側に戻すワーク支持部材戻
し手段と、 前記ワークを搬入して該ワークを前記単独のワーク支持
部材に載せ該ワーク支持部材を前記縦移動支持部で支持
可能にするワーク搬入手段と、 を有することを特徴とする熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002103490A JP2003302167A (ja) | 2002-04-05 | 2002-04-05 | 熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002103490A JP2003302167A (ja) | 2002-04-05 | 2002-04-05 | 熱処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003302167A true JP2003302167A (ja) | 2003-10-24 |
Family
ID=29389287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002103490A Pending JP2003302167A (ja) | 2002-04-05 | 2002-04-05 | 熱処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003302167A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011007462A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Koyo Thermo System Kk | 熱処理炉 |
-
2002
- 2002-04-05 JP JP2002103490A patent/JP2003302167A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011007462A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Koyo Thermo System Kk | 熱処理炉 |
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