JP2003301896A - 変速機、変速方法 - Google Patents

変速機、変速方法

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JP2003301896A
JP2003301896A JP2002106566A JP2002106566A JP2003301896A JP 2003301896 A JP2003301896 A JP 2003301896A JP 2002106566 A JP2002106566 A JP 2002106566A JP 2002106566 A JP2002106566 A JP 2002106566A JP 2003301896 A JP2003301896 A JP 2003301896A
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output
drive
gear
displacement position
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JP2002106566A
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Takahisa Yamashita
貴久 山下
Satoru Kai
悟 開
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Continental Automotive Corp
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Siemens VDO Automotive KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速時の駆動力伝達の空白期間を低減し変速
動作を円滑に行なうことができる変速機および変速方法
を提供すること。 【解決手段】 駆動軸と、出力軸と、出力軸に設けら
れ、出力軸の軸方向に変位することにより出力側変速ギ
アのいずれかが出力軸に対して空転する状態と同期的に
回転する状態とを切換えるスリーブとを具備し、このス
リーブは、一方の変位位置において最も低速用の出力側
変速ギアを出力軸と同期的に回転する状態にし、他方の
変位位置において低速から4番目、低速から3番目、ま
たはリバースの出力側変速ギアを出力軸と同期的に回転
する状態にし、一方の変位位置と他方の変位位置との中
間の変位位置において中立状態にする。低速から2番目
の変速ギアを非空転状態とするためのスリーブを、最も
低速用の出力側変速ギアに用いられるものと同一にする
必要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転速度を変換す
る変速機および変速方法に係り、特に、変速動作の円滑
化に好適な変速機および変速方法に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用車などの車両には、動力源であるエ
ンジン等の出力パワーを駆動輪に伝達するため、その伝
達途上に変速機が設けられる。変速機の存在により、エ
ンジンの回転速度を車両の速度変化に応じて適切に設定
することができる。すなわち、車両速度が遅い場合に
は、変速比(出力角速度/入力角速度)を小さくしてエ
ンジン回転速度をより大とし、車両速度が速い場合に
は、変速比を大きくしてエンジン回転速度をより小にす
る。これにより、車両速度の変化ほどにはエンジン回転
速度変化がなく、より安定したエンジン出力を駆動力と
して得ることができる。
【0003】変速機は、チェンジノブ操作によるマニュ
アル式のもの(いわゆるMT)と操作によらず自動的に
変速するオートマチック式のもの(いわゆるAT)とに
大別できる。近年では、これに加え、基本的メカニズム
としてはMTであるが、変速操作をアクチュエータによ
り自動化した方式のもの(「自動化MT」などと呼ぶ)
も登場している。
【0004】ここで、従来の変速機の構成例を図8を参
照して説明する。同図は、従来の変速機(6変速および
リバースを有する)の構成例を示す模式図である。
【0005】図8に示すように、駆動軸101には、最
低速(1速)のギア102から最高速(6速)のギア1
07まで順に駆動軸101の軸方向に並んで設けられて
いる。また、6速のギア107のさらに外側の駆動軸1
01にはリバース用のギア108が設けられる。これら
のギア102、103、104、105、106、10
7、108は、それぞれ、例えば駆動軸101に設けら
れたキー溝(スプライン)によって嵌め込まれており、
常に駆動軸101と同じ回転速度で回転する。なお、駆
動軸101の図左側には通常クラッチ機構(図示せず)
を介してエンジンからの駆動力が伝達される。
【0006】前進用のギア102〜107は、それぞれ
出力軸109に設けられたギア110〜115に噛み合
っている。リバース用のギア108は、回転軸117に
設けられた反転用のギア118に噛み合い、さらに反転
用のギア118は出力軸109に設けられたギア116
に噛み合っている。なお、出力軸109の図右側(また
は左側)から回転出力が取り出され駆動輪(図示せず)
に伝達される。
【0007】出力軸109に設けられたこれらのギア1
10、111、112、113、114、115、11
6は、駆動軸109に固着されてはおらず例えばニード
ルベアリングを介して駆動軸109に対して空転可能に
支持されている(断面表示部分参照)。すなわち、この
変速機が中立(ニュートラル)にあるときには、エンジ
ン回転出力が、駆動軸101、駆動軸側の各ギア102
〜108、出力軸側の各ギア110〜116のそれぞれ
を同時に回転させている状態であるが、出力軸109は
回転駆動されない。
【0008】出力軸109の1速ギア110と2速ギア
111との間にはスリーブ119が、また3速ギア11
2と4速ギア113との間にはスリーブ120が、同様
に5速ギア114と6速ギア115との間にはスリーブ
121がそれぞれ設けられている。さらに出力軸109
のリバースギア116の左側にはスリーブ122が設け
られている。
【0009】これらのスリーブ119、120、12
1、122は、出力軸109の例えばキー溝に嵌り込ん
で出力軸109と一体的に回転するほぼ環状部分と、こ
の環状部分のさらに回転外側に設けられ、軸方向に変位
可能に支持された第2のほぼ環状部分とを有する。これ
ら2つの環状部分とも出力軸109と一体的に回転す
る。
【0010】軸方向に変位可能な部分は、その変位によ
り各ギア110〜116との間に摩擦力が発生するよう
にされている。なお、このような摩擦力の発生のために
は、実際には、例えばスリーブ119〜122とギア1
10〜116との間にさらにひとつ以上のリング(それ
ぞれブロッキングリング、テーパコーンリングなどと呼
ぶ。)を介在させることがなされている。また、摩擦力
が発生されたときにそのスリーブ119〜122とその
ギア110〜116とが同期的に回転するよう規制する
機構(シンクロ機構)も設けられる。これらの詳細はこ
こでは省略する。
【0011】スリーブ119〜122のいずれかがいず
れかのギア110〜116の側に変位することにより、
上記のように、そのスリーブとそのギアとの間に摩擦力
が生じさらに上記シンクロ機構によりそのスリーブとそ
のギアとが一体として回転する状態となる。このとき、
駆動軸101の回転は、駆動軸101側のギア102〜
108のいずれか、それに直接または間接に噛み合う出
力軸109側のギア110〜116いずれか、それと同
期的に回転する状態になっているスリーブ、を順次介し
て出力軸109を回転させる状態となる。この状態がす
なわちひとつの変速状態である。
【0012】スリーブ119〜122の上記のような軸
方向変位をさせるための機構としてシフトフォーク12
3、124、125、126が図示するように設けられ
る。各シフトフォーク123〜126は、各スリーブ1
19〜122の環状外側を取り囲んだ部分と、この取り
囲んだ部分に接続されかつ各スリーブ119〜122の
軸方向と平行な方向に設けられた棒状部分とを有する。
【0013】各シフトフォーク123〜126の棒状部
分は、変速状態によって、その軸方向のいずれかの方向
に変位される。これによりスリーブ119〜122のい
ずれかがいずれかのギア110〜116の側に変位し、
上記のような変速状態になる。各シフトフォーク123
〜126がいずれにも変位されていない状態は、変速機
として中立(ニュートラル)である。
【0014】なお、いわゆるMTでは、例えば、チェン
ジノブの左右の位置によりシフトフォーク123〜12
6のいずれかを選択するようにし、さらに、チェンジノ
ブの前後の移動によりそのシフトフォークおよびスリー
ブを変位しそのスリーブを図の左右のいずれかに位置さ
せるように構成する。
【0015】また、自動化MTでは、各シフトフォーク
123〜126の選択および変位をそれぞれ例えば油圧
シリンダなどのアクチュエータで与えるように構成す
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成を有
する従来の変速機では、同一のシフトフォークにより1
速および2速のギアの変速操作がなされ、これは3速お
よび4速のギアについて、5速および6速のギアについ
てそれぞれ同様である。このような構成になる理由のひ
とつは、シフトフォークの数をなるべく減らし機構とし
て単純化するためである。
【0017】このような構成では、変速機における変速
中において、例えば、1速の変速状態から必ず中立状態
を経て2速の変速状態に遷移する。したがって、変速動
作のためクラッチを切る時間をできる限り短くしたとし
ても、中立状態のときにはエンジン出力が駆動輪に伝達
しない。
【0018】このような駆動力伝達の空白期間がある程
度以上生じることは、特に、変速機構が自動化MTであ
る場合には、ユーザ市場において大きな問題になる。す
なわち、変速の動作中に駆動力(トルク)の空白が生じ
ると加速度が急に低下するため短時間であっても乗車す
る者に容易に知覚され不快感となってしまうからであ
る。このようなトルク抜け(空走感)による不快感は、
ユーザに受け入れ難いものであることが知られている。
【0019】なお、このようなトルク抜けによる不快感
は、低速のギアの変速時ほど大きく感じられるので、よ
り低速のギアの変速時について何らかの策を講ずること
の方が重要性として高い。
【0020】本発明は、上記した事情を考慮してなされ
たもので、回転速度を変換する変速機および変速方法に
おいて、変速時の駆動力伝達の空白期間を低減し変速動
作を円滑に行なうことができる変速機および変速方法を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る変速機は、駆動側変速ギアを低速用か
ら高速用へ複数備えた駆動軸と、前記駆動側変速ギアそ
れぞれに噛み合う出力側変速ギアを低速用から高速用へ
複数備えた出力軸と、前記出力軸に設けられ、前記出力
軸の軸方向に変位することにより前記出力側変速ギアの
いずれかが前記出力軸に対して空転する状態と同期的に
回転する状態とを切換えるスリーブとを具備し、前記ス
リーブは、一方の変位位置において最も低速用の出力側
変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態にし、他
方の変位位置において低速から4番目の速度用の出力側
変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態にし、前
記一方の変位位置と前記他方の変位位置との中間の変位
位置において前記最も低速用の出力側変速ギアと前記4
番目の速度用の出力側変速ギアとを前記出力軸に対して
空転する状態にすることを特徴とする(請求項1)。
【0022】この構成によると、低速から2番目の変速
ギアを非空転状態とするためのスリーブを、最も低速用
の出力側変速ギアに用いられるものと同一にする必要が
なくなる。すなわち、最も低速用の出力側変速ギア用の
スリーブと低速から2番目の変速ギア用のスリーブとは
別個のものであり、別個のシフトフォークにより操作さ
れ得るようになる。これにより、これらのシフトフォー
クの変位動作を時間的に重なるように行うことができ
る。
【0023】すなわち、最も低速用の出力側変速ギアが
非空転状態とされている状態からシフトフォークを変位
してこれを空転状態にするとともに、ほとんど同時に別
のシフトフォークを変位して低速から2番目の変速ギア
を空転状態から非空転状態にする。これにより両者とも
空転状態になっている時間を極力小さくすることができ
る。したがって、変速時の駆動力伝達の空白期間を低減
し変速動作を円滑に行なうことが可能になる。
【0024】また、本発明に係る変速機は、駆動側変速
ギアを低速用から高速用へ複数備えた駆動軸と、前記駆
動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギアを低速
用から高速用へ複数備えた出力軸と、前記駆動軸に設け
られ、前記駆動軸の軸方向に変位することにより前記駆
動側変速ギアのいずれかが前記駆動軸に対して空転する
状態と同期的に回転する状態とを切換えるスリーブとを
具備し、前記スリーブは、一方の変位位置において最も
低速用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転す
る状態にし、他方の変位位置において低速から4番目の
速度用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転す
る状態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置
との中間の変位位置において前記最も低速用の駆動側変
速ギアと前記4番目の速度用の駆動側変速ギアとを前記
駆動軸に対して空転する状態にすることを特徴とする
(請求項2)。
【0025】この構成は、上記スリーブを駆動軸側に設
け、そのスリーブに操作されて駆動軸側の両変速ギアが
空転状態と非空転状態とに遷移されるものである。この
ような構成によっても上記と同様にして、変速時の駆動
力伝達の空白期間を低減し変速動作を円滑に行なうこと
が可能になる。
【0026】また、本発明に係る変速機は、駆動側変速
ギアを低速用から高速用へ複数備えた駆動軸と、前記駆
動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギアを低速
用から高速用へ複数備えた出力軸と、前記出力軸に設け
られ、前記出力軸の軸方向に変位することにより前記出
力側変速ギアのいずれかが前記出力軸に対して空転する
状態と同期的に回転する状態とを切換えるスリーブとを
具備し、前記スリーブは、一方の変位位置において最も
低速用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転す
る状態にし、他方の変位位置において低速から3番目の
速度用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転す
る状態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置
との中間の変位位置において前記最も低速用の出力側変
速ギアと前記3番目の速度用の出力側変速ギアとを前記
出力軸に対して空転する状態にすることを特徴とする
(請求項3)。
【0027】この構成の場合も、低速から2番目の変速
ギアを非空転状態とするためのスリーブを、最も低速用
の出力側変速ギアに用いられるものと同一にする必要が
なくなる。したがって、上記と同様にして、変速時の駆
動力伝達の空白期間を低減し変速動作を円滑に行なうこ
とが可能になる。
【0028】また、本発明に係る変速機は、駆動側変速
ギアを低速用から高速用へ複数備えた駆動軸と、前記駆
動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギアを低速
用から高速用へ複数備えた出力軸と、前記駆動軸に設け
られ、前記駆動軸の軸方向に変位することにより前記駆
動側変速ギアのいずれかが前記駆動軸に対して空転する
状態と同期的に回転する状態とを切換えるスリーブとを
具備し、前記スリーブは、一方の変位位置において最も
低速用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転す
る状態にし、他方の変位位置において低速から3番目の
速度用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転す
る状態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置
との中間の変位位置において前記最も低速用の駆動側変
速ギアと前記3番目の速度用の駆動側変速ギアとを前記
駆動軸に対して空転する状態にすることを特徴とする
(請求項4)。
【0029】この構成の場合は、低速から2番目の変速
ギアを非空転状態とするためのスリーブを、最も低速用
の駆動側変速ギアに用いられるものと同一にする必要が
なくなる。また、この構成は、上記スリーブを駆動軸側
に設け、そのスリーブに操作されて駆動軸側の両変速ギ
アが空転状態と非空転状態とに遷移されるものである。
したがって、上記と同様にして、変速時の駆動力伝達の
空白期間を低減し変速動作を円滑に行なうことが可能に
なる。
【0030】また、本発明に係る変速機は、駆動側変速
ギアを低速用から高速用へ複数備えかつ後退用の駆動側
変速ギアを備えた駆動軸と、前記駆動側変速ギアそれぞ
れに噛み合う出力側変速ギアを低速用から高速用へ複数
備えかつ後退用の出力側変速ギアを備えた出力軸と、前
記出力軸に設けられ、前記出力軸の軸方向に変位するこ
とにより前記出力側変速ギアのいずれかが前記出力軸に
対して空転する状態と同期的に回転する状態とを切換え
るスリーブとを具備し、前記スリーブは、一方の変位位
置において最も低速用の出力側変速ギアを前記出力軸と
同期的に回転する状態にし、他方の変位位置において前
記後退用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転
する状態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位
置との中間の変位位置において前記最も低速用の出力側
変速ギアと前記後退用の出力側変速ギアとを前記出力軸
に対して空転する状態にすることを特徴とする(請求項
5)。
【0031】この構成の場合も、低速から2番目の変速
ギアを非空転状態とするためのスリーブを、最も低速用
の出力側変速ギアに用いられるものと同一にする必要が
なくなる。したがって、上記と同様にして、変速時の駆
動力伝達の空白期間を低減し変速動作を円滑に行なうこ
とが可能になる。
【0032】また、本発明に係る変速機は、駆動側変速
ギアを低速用から高速用へ複数備えかつ後退用の駆動側
変速ギアを備えた駆動軸と、前記駆動側変速ギアそれぞ
れに噛み合う出力側変速ギアを低速用から高速用へ複数
備えかつ後退用の出力側変速ギアを備えた出力軸と、前
記駆動軸に設けられ、前記駆動軸の軸方向に変位するこ
とにより前記駆動側変速ギアのいずれかが前記駆動軸に
対して空転する状態と同期的に回転する状態とを切換え
るスリーブとを具備し、前記スリーブは、一方の変位位
置において最も低速用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と
同期的に回転する状態にし、他方の変位位置において前
記後退用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転
する状態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位
置との中間の変位位置において前記最も低速用の駆動側
変速ギアと前記後退用の駆動側変速ギアとを前記駆動軸
に対して空転する状態にすることを特徴とする(請求項
6)。
【0033】この構成の場合も、低速から2番目の変速
ギアを非空転状態とするためのスリーブを、最も低速用
の駆動側変速ギアに用いられるものと同一にする必要が
なくなる。また、この構成は、上記スリーブを駆動軸側
に設け、そのスリーブに操作されて駆動軸側の両変速ギ
アが空転状態と非空転状態とに遷移されるものである。
したがって、上記と同様にして、変速時の駆動力伝達の
空白期間を低減し変速動作を円滑に行なうことが可能に
なる。
【0034】また、本発明は実施態様として、請求項1
または2に記載される構成において、前記出力軸にその
軸方向に変位可能に設けられ、一方の変位位置において
低速から2番目の速度用の出力側変速ギアを前記出力軸
と同期的に回転する状態にし、他方の変位位置において
低速から5番目の速度用の出力側変速ギアを前記出力軸
と同期的に回転する状態にし、前記一方の変位位置と前
記他方の変位位置との中間の変位位置において前記2番
目の速度用の出力側変速ギアと前記5番目の速度用の出
力側変速ギアとを前記出力軸に対して空転する状態にす
る第2のスリーブをさらに具備する(請求項7)。
【0035】この構成の場合は、さらに、低速から3番
目の変速ギアを非空転状態とするためのスリーブを、低
速から2番目の出力側変速ギアに用いられるものと同一
にする必要がなくなる。また、低速から4番目の出力側
(駆動側)変速ギアを非空転状態とするためのスリーブ
を、低速から3番目の変速ギアに用いられるものと同一
にする必要がなくなる。また、低速から5番目の出力側
変速ギアを非空転状態とするためのスリーブを、低速か
ら4番目の出力側(駆動側)変速ギアに用いられるもの
と同一にする必要がなくなる。したがって、上記と同様
にして、さらに2速から3速、3速から4速、4速から
5速の変速時の駆動力伝達の空白期間を低減し変速動作
を円滑に行なうことが可能になる。
【0036】また、実施態様としては、請求項1または
2に記載される構成において、前記駆動軸にその軸方向
に変位可能に設けられ、一方の変位位置において低速か
ら2番目の速度用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期
的に回転する状態にし、他方の変位位置において低速か
ら5番目の速度用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期
的に回転する状態にし、前記一方の変位位置と前記他方
の変位位置との中間の変位位置において前記2番目の速
度用の駆動側変速ギアと前記5番目の速度用の駆動側変
速ギアとを前記駆動軸に対して空転する状態にする第2
のスリーブをさらに具備する(請求項8)。
【0037】この構成の場合は、さらに、低速から3番
目の変速ギアを非空転状態とするためのスリーブを、低
速から2番目の駆動側変速ギアに用いられるものと同一
にする必要がなくなる。また、低速から4番目の出力側
(駆動側)変速ギアを非空転状態とするためのスリーブ
を、低速から3番目の変速ギアに用いられるものと同一
にする必要がなくなる。また、低速から5番目の駆動側
変速ギアを非空転状態とするためのスリーブを、低速か
ら4番目の出力側(駆動側)変速ギアに用いられるもの
と同一にする必要がなくなる。また、この構成は、上記
第2のスリーブを駆動軸側に設け、その第2のスリーブ
に操作されて駆動軸側の両変速ギアが空転状態と非空転
状態とに遷移されるものである。したがって、上記と同
様にして、さらに2速から3速、3速から4速、4速か
ら5速の変速時の駆動力伝達の空白期間を低減し変速動
作を円滑に行なうことが可能になる。
【0038】また、本発明は実施態様としては、請求項
3ないし6のいずれか1項に記載される構成において、
前記出力軸にその軸方向に変位可能に設けられ、一方の
変位位置において低速から2番目の速度用の出力側変速
ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態にし、他方の
変位位置において低速から4番目の速度用の出力側変速
ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態にし、前記一
方の変位位置と前記他方の変位位置との中間の変位位置
において前記2番目の速度用の出力側変速ギアと前記4
番目の速度用の出力側変速ギアとを前記出力軸に対して
空転する状態にする第2のスリーブをさらに具備する
(請求項9)。
【0039】この構成の場合は、さらに、低速から3番
目の出力側(駆動側)変速ギアを非空転状態とするため
のスリーブを、低速から2番目の出力側変速ギアに用い
られるものと同一にする必要がなくなる。また、低速か
ら4番目の出力側変速ギアを非空転状態とするためのス
リーブを、低速から3番目の出力側(駆動側)変速ギア
に用いられるものと同一にする必要がなくなる。したが
って、上記と同様にして、さらに2速から3速、3速か
ら4速の変速時の駆動力伝達の空白期間を低減し変速動
作を円滑に行なうことが可能になる。
【0040】また、実施態様としては、請求項3ないし
6のいずれか1項に記載される構成において、前記駆動
軸にその軸方向に変位可能に設けられ、一方の変位位置
において低速から2番目の速度用の駆動側変速ギアを前
記駆動軸と同期的に回転する状態にし、他方の変位位置
において低速から4番目の速度用の駆動側変速ギアを前
記駆動軸と同期的に回転する状態にし、前記一方の変位
位置と前記他方の変位位置との中間の変位位置において
前記2番目の速度用の駆動側変速ギアと前記4番目の速
度用の駆動側変速ギアとを前記駆動軸に対して空転する
状態にする第2のスリーブをさらに具備する(請求項1
0)。
【0041】この構成の場合は、さらに、低速から3番
目の出力側(駆動側)変速ギアを非空転状態とするため
のスリーブを、低速から2番目の駆動側変速ギアに用い
られるものと同一にする必要がなくなる。また、低速か
ら4番目の駆動側変速ギアを非空転状態とするためのス
リーブを、低速から3番目の出力側(駆動側)変速ギア
に用いられるものと同一にする必要がなくなる。また、
この構成は、上記第2のスリーブを駆動軸側に設け、そ
の第2のスリーブに操作されて駆動軸側の両変速ギアが
空転状態と非空転状態とに遷移されるものである。した
がって、上記と同様にして、さらに2速から3速、3速
から4速の変速時の駆動力伝達の空白期間を低減し変速
動作を円滑に行なうことが可能になる。
【0042】また、本発明の実施態様として、請求項7
または8に記載の構成は、前記駆動側変速ギアおよび前
記出力側変速ギアの並びが、前記駆動軸および前記出力
軸の軸方向に、最も低速の変速用、低速から4番目の変
速用、低速から5番目の変速用、低速から2番目の変速
用、低速から3番目の変速用、低速から6番目の変速用
である(請求項11)。
【0043】この構成の場合は、各変速動作において、
ふたつのシフトフォークを動かす向きが同一になる。し
たがって、さらに、変速時にシフトフォークを変位させ
る機構を単純化する可能性が生じる。
【0044】また、本発明の実施態様として、請求項3
または4記載の構成は、前記駆動側変速ギアおよび前記
出力側変速ギアの並びが、前記駆動軸および前記出力軸
の軸方向に、最も低速の変速用、低速から3番目の変速
用、低速から4番目の変速用、低速から2番目の変速
用、低速から5番目の変速用、低速から6番目の変速用
である(請求項12)。
【0045】この構成の場合は、少なくとも1速・2速
間の変速動作において、ふたつのシフトフォークを動か
す向きが同一になる。したがって、さらに、変速時にシ
フトフォークを変位させる機構を単純化する可能性が生
じる。
【0046】また、本発明の実施態様として、請求項5
または6記載の構成は、前記駆動側変速ギアおよび前記
出力側変速ギアの並びが、前記駆動軸および前記出力軸
の軸方向に、後退用の変速用、最も低速の変速用、低速
から2番目の変速用、低速から4番目の変速用、低速か
ら5番目の変速用、低速から3番目の変速用である(請
求項13)。
【0047】この構成の場合は、少なくとも1速・2速
間、2速・3速間の変速動作において、ふたつのシフト
フォークを動かす向きが同一になる。したがって、さら
に、変速時にシフトフォークを変位させる機構を単純化
する可能性が生じる。
【0048】また、本発明に係る変速機は、実施態様と
して、前記最も低速用の出力側変速ギア/駆動側変速ギ
アの前記各状態を切換える前記スリーブを変位させる第
1のシフトフォークと、低速から2番目の速度用の出力
側変速ギア/駆動側変速ギアの前記出力軸/前記駆動軸
に対する空転/非空転状態を切換える第2のスリーブ
と、前記第2のスリーブを変位させる第2のシフトフォ
ークと、前記最も低速用の出力側変速ギア/駆動側変速
ギアが非空転とされている状態の前記第1のシフトフォ
ークの位置を、中立の変位位置に変えると同時に、前記
第2のシフトフォークの位置を、中立の変位位置から前
記低速から2番目の速度用の出力側変速ギア/駆動側変
速ギアが非空転状態となる変位位置に変えるシフトフォ
ーク操作軸とをさらに具備する(請求項14)。シフト
フォークを同時に変位させるシフトフォーク操作軸を含
む変速機の例である。
【0049】また、本発明に係る変速方法は、駆動側変
速ギアを低速用から高速用へ複数備えた駆動軸と、前記
駆動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギアを低
速用から高速用へ複数備えた出力軸と、前記出力軸に設
けられ、前記出力軸の軸方向に変位することにより前記
出力側変速ギアのいずれかが前記出力軸に対して空転す
る状態と同期的に回転する状態とを切換えるスリーブと
を具備し、前記スリーブは、一方の変位位置において最
も低速用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転
する状態にし、他方の変位位置において低速から4番目
の速度用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転
する状態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位
置との中間の変位位置において前記最も低速用の出力側
変速ギアと前記4番目の速度用の出力側変速ギアとを前
記出力軸に対して空転する状態にし、前記出力軸にその
軸方向に変位可能に設けられ、一方の変位位置において
低速から2番目の速度用の出力側変速ギアを前記出力軸
と同期的に回転する状態にし、他方の変位位置において
低速から5番目の速度用の出力側変速ギアを前記出力軸
と同期的に回転する状態にし、前記一方の変位位置と前
記他方の変位位置との中間の変位位置において前記2番
目の速度用の出力側変速ギアと前記5番目の速度用の出
力側変速ギアとを前記出力軸に対して空転する状態にす
る第2のスリーブをさらに具備する変速機における変速
方法であって、前記スリーブが、前記一方の変位位置に
おいて前記最も低速用の出力側変速ギアを前記出力軸と
同期的に回転する状態から前記中間の変位位置に変位す
るステップと、前記第2のスリーブが、前記中間の変位
位置から前記2番目の速度用の出力側変速ギアを前記出
力軸と同期的に回転する状態に変位するステップとを具
備し、前記両ステップは、時間的に重なりを有してなさ
れることを特徴とする。
【0050】すなわち、低速から2番目の出力側変速ギ
アを非空転状態とするためのスリーブが、最も低速用の
出力側変速ギアに用いられるものと異なり、別個のシフ
トフォークにより操作され得るので、この方法では、こ
れらのシフトフォークの変位動作を時間的に重なるよう
に行う。
【0051】例えば、最も低速用の出力側変速ギアが非
空転状態とされている状態からシフトフォークを変位し
てこれを空転状態にするとともに、ほとんど同時に別の
シフトフォークを変位して低速から2番目の出力側変速
ギアを空転状態から非空転状態にする。これにより両者
とも空転状態になっている時間を極力小さくすることが
でき、したがって、変速時の駆動力伝達の空白期間を低
減し変速動作を円滑に行なうことが可能になる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に
係る変速機を模式的に示す構成図である。
【0053】同図に示すように、この変速機は、駆動軸
1、駆動軸1側の変速ギア2、3、4、5、6、7、
8、出力軸9、出力軸9側の変速ギア10、11、1
2、13、14、15、16、反転用ギア回転軸17、
反転用ギア18、スリーブ19、20、21、22、シ
フトフォーク23、24、25、26を有する。
【0054】駆動軸1には、最低速(1速)のギア2か
ら最高速(6速)のギア7まで、1速、4速、5速、2
速、3速、6速の順に、駆動軸1の軸方向に並んで設け
られている。また、6速のギア7のさらに外側の駆動軸
1にはリバース用のギア8が設けられる。これらのギア
2、3、4、5、6、7、8は、それぞれ、例えば駆動
軸1に設けられたキー溝(スプライン)によって嵌め込
まれており、常に駆動軸1と同じ回転速度で回転する。
なお、駆動軸1の図左側には、通常、クラッチ機構(図
示せず)を介してエンジンからの駆動力が伝達される。
【0055】前進用のギア2〜7は、それぞれ出力軸9
に設けられたギア10〜15に噛み合っている。リバー
ス用のギア8は、回転軸17に設けられた反転用ギア1
8に噛み合い、さらに反転用ギア18は出力軸9に設け
られたギア16に噛み合っている。なお、出力軸9の図
右側(または左側)から回転出力が取り出され駆動輪
(図示せず)に伝達される。
【0056】出力軸9に設けられたこれらのギア10、
11、12、13、14、15、16は、駆動軸9に固
着されてはおらず例えばニードルベアリングを介して駆
動軸9に対して空転可能に支持されている(断面表示部
分参照)。すなわち、この変速機が中立(ニュートラ
ル)にあるときには、エンジン回転出力が、駆動軸1、
駆動軸側の各ギア2〜8、出力軸側の各ギア10〜16
のそれぞれを同時に回転させている状態であるが、出力
軸9は回転駆動されない。
【0057】出力軸9の1速ギア10と3速ギア11と
の間にはスリーブ19が、また5速ギア12と2速ギア
13との間にはスリーブ20が、同様に3速ギア14と
6速ギア15との間にはスリーブ21がそれぞれ設けら
れている。さらに出力軸9のリバースギア16の左側に
はスリーブ22が設けられている。
【0058】これらのスリーブ19、20、21、22
は、出力軸9の例えばキー溝にキー突起部が嵌り込んで
出力軸9と一体的に回転するほぼ環状部分と、この環状
部分のさらに回転外側に設けられ、軸方向に変位可能に
支持された第2のほぼ環状部分とを有する。これら2つ
の環状部分とも出力軸9と一体的に回転する。
【0059】軸方向に変位可能な部分は、その変位によ
り各ギア10〜16との間に摩擦力が発生するようにさ
れている。なお、このような摩擦力の発生のためには、
実際には、例えばスリーブ19〜22とギア10〜16
との間にさらにひとつ以上のリング(それぞれブロッキ
ングリング、テーパコーンリングなどと呼ぶ。)を介在
させることがなされている。また、摩擦力が発生された
ときにそのスリーブ19〜22とそのギア10〜16と
が同期的に回転するよう規制する機構(シンクロ機構)
も設けられる。これら自体の詳細はよく知られているの
でここでは省略する。
【0060】スリーブ19〜22のいずれかがいずれか
のギア10〜16の側に変位することにより、上記のよ
うに、そのスリーブとそのギアとの間に摩擦力が生じさ
らに上記シンクロ機構によりそのスリーブとそのギアと
が一体として回転する状態となる。このとき、駆動軸1
の回転は、駆動軸1側のギア2〜8のいずれか、それに
直接または間接に噛み合う出力軸9側のギア10〜16
いずれか、それと同期的に回転する状態になっているス
リーブ、を順次介して出力軸9を回転させる状態とな
る。この状態がすなわちひとつの変速状態である。
【0061】スリーブ19〜22の上記のような軸方向
変位をさせるための機構としてシフトフォーク23、2
4、25、26が図示するように設けられる。各シフト
フォーク23〜26は、各スリーブ19〜22の環状外
側を取り囲んだ部分と、この取り囲んだ部分に接続され
かつ各スリーブ19〜22の軸方向と平行な方向に設け
られた棒状部分とを有する。
【0062】各シフトフォーク23〜26の棒状部分
は、変速状態によって、その軸方向のいずれかの方向に
変位される。これによりスリーブ19〜22のいずれか
がいずれかのギア10〜16の側に変位し、上記のよう
な変速状態になる。各シフトフォーク23〜26がいず
れにも変位されていない状態は、変速機として中立(ニ
ュートラル)である。
【0063】この実施形態に係る変速機では、1速・2
速間、2速・3速間、3速・4速間、4速・5速間、5
速・6速間の変速動作それぞれにおいて、シフトフォー
ク23、24、25のうち2つのシフトフォークが変位
するようになる。これは、変速ギアの並びが1速、3
速、5速、2速、3速、6速となっており、かつ1速と
4速とが同一のシフトフォーク23により操作され、5
速と2速とが別の同一のシフトフォーク24により操作
され、3速と6速とがさらに別の同一のシフトフォーク
25により操作されるようにスリーブ19、20、21
が配置されているためである。
【0064】したがって、各変速動作において、一方の
変速ギアを非空転状態から空転状態に、他方の変速ギア
を空転状態から非空転状態に、それぞれ時間的に重なり
をもって操作することが可能である。これにより、変速
時の駆動力伝達の空白期間を極力低減することが可能に
なる。よって、自動化MTに適用した場合にはトルク抜
けの発生を防止し快適な走行を得ることができる。
【0065】さらに、1速・2速間、2速・3速間、3
速・4速間、4速・5速間、5速・6速間の変速動作そ
れぞれにおいて、シフトフォーク23、24、25のう
ち変位する2つのシフトフォークの変位向きは、同一で
ある。これは、上記のような変速ギアの並びがもたらす
ものであり、具体的には、スリーブ19、20、21の
右側、左側に設けられる各変速ギアが1速から6速に至
るまで上記いずれかのスリーブの左右に交互に配置され
ているからである。
【0066】このような変速時のシフトフォーク23、
24、25における変位向きの同一性は、これらのシフ
トフォーク23、24、25を操作する機構を簡潔化す
る可能性を生じる。例えば、アクチュエータにより操作
する場合には方向が同一なので同一のアクチュエータに
より操作できるなどである。
【0067】なお、以上の意味においては、ギアの並び
が4、1、2、5、6、3でも同様の効果が得られる。
【0068】また、すでに述べたように、トルク抜けの
防止のためには特に低速ギアにおける変速動作が問題と
なるので、1速と4速とを同一のスリーブで操作するよ
うに構成することのみを維持し、それ以外の変速ギアに
ついては、この実施形態以外の並びにしてもよい。例え
ば、1、4、3、2、5、6または4、1、2、3、
5、6などの並びである。これらの場合でも少なくとも
1速・2速間の変速動作について上記で述べた本実施形
態の効果が得られる。
【0069】または、1速と4速とを同一のスリーブで
操作するように構成することおよび5速と2速とを同一
のスリーブで操作するようにすることのみを維持し、そ
れ以外の変速ギアについては、この実施形態以外の並び
にしてもよい。例えば、1、4、5、2、6、3または
4、1、2、5、6、3の並びである。これらの場合で
も少なくとも1速・2速間の変速動作について上記で述
べた本実施形態の効果が得られる。
【0070】また、この実施形態のように出力軸9側に
すべての変速ギアの空転機構を設けることに限らず、す
べての変速ギアについて駆動軸1側に空転機構を設け
る、または一部のスリーブに係る変速ギアについてのみ
駆動軸1側に空転機構を設けるというようにしてもよ
い。空転機構を出力軸9側に設けても駆動軸1側に設け
てもスリーブが伴うことで空転状態と非空転状態とが切
換えられ、噛み合うギアを介して回転駆動力が駆動軸1
から出力軸9へ伝達されることに変わりないからであ
る。一般的には、個々の変速ギアにより、ギアの径がよ
り大きい側の軸に空転機構およびスリーブを設ける方
が、変速時に必要なスリーブを変位させる力を小さくし
有利である。
【0071】次に、本発明の別の実施形態に係る変速機
について図2を参照して説明する。図2は、本発明の別
の実施形態に係る変速機を模式的に示す構成図である。
同図において、すでに説明した構成要素には同一番号を
付してある。以下、先の実施形態との重複を避けて説明
する。
【0072】この実施形態に係る変速機は、変速ギアの
並びが1速、3速、4速、2速、5速、6速になってい
ることが先の実施形態と異なる点である。図示するよう
に、1速および3速のギアが同一のスリーブ19aによ
り操作され(空転状態と非空転状態とが切換えられ)、
4速および2速のギアが同一のスリーブ20aにより操
作され、5速および6速のギアが同一のスリーブ21a
により操作される。スリーブ19a、20a、21a
は、それぞれ、シフトフォーク23a、24a、25a
により操作される。
【0073】この実施形態に係る変速機では、1速・2
速間、2速・3速間、3速・4速間、4速・5速間の変
速動作(すなわち5速・6速間を除き)それぞれにおい
て、シフトフォーク23a、24a、25aのうち2つ
のシフトフォークが変位するようになる。これは、変速
ギアの並びが1速、3速、4速、2速、5速、6速とな
っており、かつ1速と3速とが同一のシフトフォーク2
3aにより操作され、4速と2速とが別の同一のシフト
フォーク24aにより操作され、5速と6速とがさらに
別の同一のシフトフォーク25aにより操作されるよう
にスリーブ19a、20a、21aが配置されているた
めである。
【0074】したがって、5速・6速間の変速動作を除
く各変速動作において、一方の変速ギアを非空転状態か
ら空転状態に、他方の変速ギアを空転状態から非空転状
態に、それぞれ時間的に重なりをもって操作することが
可能である。これにより、上記各変速時の駆動力伝達の
空白期間を極力低減することが可能になる。なお、5速
・6速間の変速動作においては、トルク伝達の空白時間
が原理的に生じるが、最も高速のギアにおける変速動作
でありトルク抜けとして認識されにくく影響は少ない。
よって、自動化MTに適用した場合にはトルク抜けの発
生を防止し快適な走行を得ることができる。
【0075】なお、以上の意味においては、ギアの並び
を3、1、2、4、6、5などとしても同様の効果が得
られる。
【0076】さらに、先の実施形態と比較して、この実
施形態の変速機は、スリーブを介してペアになる変速ギ
アの径の違いをより小さくするようになっており(先の
実施形態ではこれらのペアにおける変速段階の違いは各
3であるが、本実施形態では、2または1である。)、
これによる利点もある。
【0077】すでに述べたスリーブを変位させることに
よる摩擦力の発生と、これによるスリーブと変速ギアと
の同期回転状態への移行は、変速ギアの径に応じた大き
な径をもつスリーブで行なう方が有利である。これは、
摩擦力が径に比例して(すなわちトルクとして)発生す
るからである。摩擦力が大きければそれだけスリーブと
変速ギアとの同期回転状態への移行は円滑になりシフト
フォークを変位させる力が小さくて済む。
【0078】小さな径と大きな径の変速ギアとをペアに
してスリーブで空転状態と非空転状態との遷移を行なう
ように構成すると、一般的にはスリーブの径は小さな変
速ギアに合わせるようにするしかない。このため、大き
な径への変速動作においてはシフトフォークを変位させ
る力をより大きくする必要が生じる。この点において、
本実施形態は、先の実施形態ほどにはスリーブを介して
ペアになる変速ギアの径の違いがなく有利な構成であ
る。
【0079】さらに、1速・2速間、3速・4速間の変
速動作それぞれにおいて、シフトフォーク23a、24
aの変位向きは、同一である。すべての変速動作につい
て同一ではないが、一部であってもシフトフォーク23
a、24aを操作する機構を簡潔化する可能性はある。
【0080】なお、すでに述べたように、トルク抜けの
防止のためには特に低速ギアにおける変速動作が問題と
なるので、1速と3速とを同一のスリーブで操作するよ
うに構成することのみを維持し、それ以外の変速ギアに
ついては、この実施形態以外の並びにしてもよい。この
場合でも少なくとも1速・2速間の変速動作について上
記で述べた本実施形態の効果を得ることができる。
【0081】または、1速と3速とを同一のスリーブで
操作するように構成することおよび4速と2速とを同一
のスリーブで操作するようにすることのみを維持し、そ
れ以外の変速ギアについては、この実施形態以外の並び
にしてもよい。この場合でも少なくとも1速・2速間の
変速動作について上記で述べた本実施形態の効果が得ら
れる。
【0082】また、この実施形態のように出力軸9側に
すべての変速ギアの空転機構を設けることに限らず、す
べての変速ギアについて駆動軸1側に空転機構を設け
る、または一部のスリーブに係る変速ギアについてのみ
駆動軸1側に空転機構を設けるというようにしてもよ
い。空転機構を出力軸9側に設けても駆動軸1側に設け
てもスリーブが伴うことで空転状態と非空転状態とが切
換えられ、噛み合うギアを介して回転駆動力が駆動軸1
から出力軸9へ伝達されることに変わりないからであ
る。一般的には、個々の変速ギアにより、ギアの径がよ
り大きい側の軸に空転機構およびスリーブを設ける方
が、変速時に必要なスリーブ変位させる力を小さくし有
利である。
【0083】次に、本発明のさらに別の実施形態に係る
変速機について図3を参照して説明する。図3は、本発
明のさらに別の実施形態に係る変速機を模式的に示す構
成図である。同図において、すでに説明した構成要素に
は同一番号を付してある。以下、先の実施形態との重複
を避けて説明する。
【0084】この実施形態に係る変速機は、前進用の変
速ギアが5段階に設けられ、また変速ギアの並びがリバ
ース、1速、2速、4速、5速、3速になっていること
が先の実施形態と異なる点である。図示するように、リ
バースおよび1速のギア8b、16b、2b、10bが
同一のスリーブ19bにより操作され(空転状態と非空
転状態とが切換えられ)、2速および4速のギア5b、
13b、3b、11bが同一のスリーブ20bにより操
作され、5速および3速のギア4b、12b、6b、1
4bが同一のスリーブ21bにより操作される。スリー
ブ19b、20b、21bは、それぞれ、シフトフォー
ク23b、24b、25bにより操作される。
【0085】この実施形態に係る変速機では、1速・2
速間、2速・3速間、3速・4速間、4速・5速間の変
速動作それぞれにおいて、シフトフォーク23b、24
b、25bのうち2つのシフトフォークが変位するよう
になる。これは、変速ギアの並びがリバース、1速、2
速、4速、5速、3速となっており、かつリバースと1
速とが同一のシフトフォーク23bにより操作され、2
速と4速とが別の同一のシフトフォーク24bにより操
作され、5速と3速とがさらに別の同一のシフトフォー
ク25bにより操作されるようにスリーブ19b、20
b、21bが配置されているためである。
【0086】したがって、各変速動作において、一方の
変速ギアを非空転状態から空転状態に、他方の変速ギア
を空転状態から非空転状態に、それぞれ時間的に重なり
をもって操作することが可能である。これにより、上記
各変速時の駆動力伝達の空白期間を極力低減することが
可能になる。よって、自動化MTに適用した場合にはト
ルク抜けの発生を防止し快適な走行を得ることができ
る。
【0087】なお、以上の意味においては、ギアの並び
を1、R(リバース)、4、2、3、5などとしても同
様の効果が得られる。
【0088】さらに、図1を用いて説明した実施形態と
比較して、この実施形態の変速機は、スリーブを介して
ペアになる変速ギアの径の違いをより小さくするように
なっており(図1を用いて説明した実施形態ではこれら
のペアにおける変速段階の違いは各3であるが、本実施
形態では2である。)、これによる利点もある。この点
は図2を用いて説明した実施形態と同様である。
【0089】さらに、1速・2速間、2速・3速間、4
速・5速間の変速動作それぞれにおいて、シフトフォー
ク23b、24b、25bの変位向きは、同一である。
すべての変速動作について同一ではないが、一部であっ
てもシフトフォーク23b、24b、25bを操作する
機構を簡潔化する可能性はある。
【0090】なお、すでに述べたように、トルク抜けの
防止のためには特に低速ギアにおける変速動作が問題と
なるので、リバースと1速とを同一のスリーブで操作す
るように構成することのみを維持し、それ以外の変速ギ
アについては、この実施形態以外の並びにしてもよい。
この場合でも少なくとも1速・2速間の変速動作につい
て上記で述べた本実施形態の効果を得ることができる。
【0091】または、リバースと1速とを同一のスリー
ブで操作するように構成することおよび2速と4速とを
同一のスリーブで操作するようにすることのみを維持
し、それ以外の変速ギアについては、この実施形態以外
の並びにしてもよい。この場合でも少なくとも1速・2
速間の変速動作について上記で述べた本実施形態の効果
が得られる。
【0092】また、この実施形態のように出力軸9側に
すべての変速ギアの空転機構を設けることに限らず、す
べての変速ギアについて駆動軸1側に空転機構を設け
る、または一部のスリーブに係る変速ギアについてのみ
駆動軸1側に空転機構を設けるというようにしてもよ
い。空転機構を出力軸9側に設けても駆動軸1側に設け
てもスリーブが伴うことで空転状態と非空転状態とが切
換えられ、噛み合うギアを介して回転駆動力が駆動軸1
から出力軸9へ伝達されることに変わりないからであ
る。一般的には、個々の変速ギアにより、ギアの径がよ
り大きい側の軸に空転機構およびスリーブを設ける方
が、変速時に必要なスリーブ変位させる力を小さくし有
利である。
【0093】次に、シフトフォークを変位させる機構に
ついて例を挙げて説明する。図4は、図1の実施形態に
係る変速機に適用し得るシフトフォーク変位機構の構成
を示す模式図であり、図4(a)は上面図、図4(b)
は正面図である。図4において、図1と対応する部位に
は同一の符号を付してある。
【0094】図4に示すように、互いに平行に設けられ
たシフトフォーク23、24、25、26の棒状部分
は、それぞれその軸方向の変位力を受けるための溝付き
突起部231、241、251、261を固定的にかつ
それらが同一の向きになるように有する。また、それら
の溝は重ねて見通せる向きになるようにされている。こ
れらの溝に対して、溝間を移動可能に、シフトフォーク
操作軸31に突起して設けられた係合突起部311が突
入し得る位置関係となっている。
【0095】シフトフォーク操作軸31は、その軸を中
心に回転方向に動き可能に支持されており、この回転方
向の動きがなされると、係合突起部311、溝付き突起
部231(241、251、261)を介して、シフト
フォーク23(24、25、26)は、その軸方向に変
位される。
【0096】以上の構成により、シフトフォーク操作軸
31は、その軸方向の動きにより、どのシフトフォーク
を変位させるかの選択(セレクト)を行うことができ、
その選択のあとその軸周りの動きにより、選択されたシ
フトフォークをいずれかの方向に変位させる。これらの
軸方向の動き(セレクト)と軸回りの動き(シフト)
は、それぞれ図示しないシリンダ機構などのアクチュエ
ータによりシフトフォーク変位軸31に対して行なうこ
とができる。
【0097】また、この図4に示す例では、溝付き突起
部231、241、251、261のうち突起部261
を除いて、それぞれ、それらの溝がシフトフォークの軸
方向に3つ連続して設けられている。ここで図4の係合
状態は、係合突起部311がシフトフォーク23の溝付
き突起部231の中央の溝に係合している。この状態
は、いずれのシフトフォークもいずれの向きにも変位さ
れていないので変速機として中立である。
【0098】図5は、1速の変速状態にした場合を示す
ものである。すなわち、シフトフォーク23が、シフト
フォーク操作軸31の軸回り動きにより図左方向に変位
される。この状態は、図1を参照すると、1速ギア10
がスリーブ19により非空転状態とされる状態であるこ
とがわかる。
【0099】次に、1速から2速への変速をする場合に
は、まず図6に示すように、シフトフォーク操作軸31
を図6(a)で上方向の軸方向に動かし、係合突起部3
11が溝付き突起部231、241の両者の溝に係合す
るようにする。ここで、係合突起部311は、溝付き突
起部231に対してはその中央の溝に係合する状態であ
るが、溝付き突起部241に対しては、その図6(a)
で右側の溝に係合する状態である。
【0100】そして、図7に示すように、シフトフォー
ク操作軸31の軸回りの動きによりシフトフォーク2
3、24を図右方向に変位させる。これにより、シフト
フォーク23については中立位置に、シフトフォーク2
4については中立位置より右に変位された状態となる。
この状態は、図1を参照すると、2速ギア13がスリー
ブ20により非空転状態とされる状態であることがわか
る。
【0101】このような1速から2速への変速操作によ
り、一方の変速ギア10が非空転状態から空転状態に、
他方の変速ギア13が空転状態から非空転状態に、時間
的に重なりをもってなされる。すなわち、図1に示した
実施形態に係る変速機において、1速・2速間変速時の
駆動力伝達の空白期間を極力低減することが可能にな
る。
【0102】なお、図7に示した2速の変速状態から3
速に変速する場合についても、まず係合突起部311が
溝付き突起部241、251の両者の溝に係合するよう
にするようにシフトフォーク操作軸31をその軸方向に
動かすことにより可能である。この場合の変速について
も、一方の変速ギア13が非空転状態から空転状態に、
他方の変速ギア14が空転状態から非空転状態に、時間
的に重なりをもってなされる。その後、3速から上の変
速ギアに変速する場合については、例えば、まず、シフ
トフォーク25を中立位置にシフトし、セレクトをシフ
トフォーク23にした上でシフトフォーク23を右方向
にシフトする、というように中立を介する変速にするこ
とができる。
【0103】また、シフトフォーク23、24、25の
棒状部分に設けられる溝付き突起部231、241、2
51は、そのすべてが必ずしも3つ連続の溝を有するよ
うにする必要はない。上記説明の動作に必ず必要な溝
は、溝付き突起部231については中央のもののみ、溝
付き突起部241については中央および左側のものの
み、溝付き突起部251についてはやはり中央のものの
みである。これらの溝は、どの変速時にシフトフォーク
を同時に動かすかを決定した上でその位置と数を設定す
ることができる。
【0104】さらに、ここで説明したシフトフォーク操
作軸31による1速・2速間の変速操作は、図2、図3
において説明した実施形態でも適用することができる。
これらの実施形態においても1速、2速に係るシフトフ
ォークは隣り合っており、かつスリーブに対してそれら
のギアが反対側に配置されていることにおいては同様だ
からである。
【0105】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
低速から2番目の変速ギアを非空転状態とするためのス
リーブを、最も低速用の変速ギアに用いられるものと同
一にする必要がなくなる。すなわち、最も低速用の変速
ギア用のスリーブと低速から2番目の変速ギア用のスリ
ーブとは別個のものであり、別個のシフトフォークによ
り操作され得るようになる。これにより、これらのシフ
トフォークの変位動作を時間的に重なるように行うこと
ができる。
【0106】すなわち、最も低速用の変速ギアが非空転
状態とされている状態からシフトフォークを変位してこ
れを空転状態にするとともに、ほとんど同時に別のシフ
トフォークを変位して低速から2番目の変速ギアを空転
状態から非空転状態にする。これにより両者とも空転状
態になっている時間を極力小さくすることができ、変速
時の駆動力伝達の空白期間を低減し変速動作を円滑に行
なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る変速機を模式的に示
す構成図。
【図2】本発明の別の実施形態に係る変速機を模式的に
示す構成図。
【図3】本発明のさらに別の実施形態に係る変速機を模
式的に示す構成図。
【図4】図1に示した実施形態に係る変速機に適用し得
るシフトフォーク変位機構の構成を示す模式図。
【図5】図4に示したシフトフォーク変位機構における
1速状態を示す図。
【図6】図4に示したシフトフォーク変位機構における
1速から2速への変速を行なう場合の過程を示す図。
【図7】図4に示したシフトフォーク変位機構における
2速状態を示す図。
【図8】従来の変速機(6変速およびリバースを有す
る)の構成例を示す模式図。
【符号の説明】
1…駆動軸 2、2b…駆動軸側1速ギア 3、3b…
駆動軸側4速ギア 4、4b…駆動軸側5速ギア 5、
5b…駆動軸側2速ギア 6、6b…駆動軸側3速ギア
7…駆動軸側6速ギア 8、8b…駆動軸側リバース
ギア 9…出力軸 10、10b…出力軸側1速ギア
11、11b…出力軸側4速ギア 12、12b…出力
軸側5速ギア 13、13b…出力軸側2速ギア 1
4、14b…出力軸側3速ギア 15…出力軸側6速ギ
ア 16、16b…出力軸側リバースギア 17、17
b…回転軸 18、18b…反転用ギア 19、19
a、19b、20、20a、20b、21、21a、2
1b、22…スリーブ 23、23a、23b、24、
24a、24b、25、25a、25b、26…シフト
フォーク 31…シフトフォーク操作軸 231、24
1、251、261…溝付き突起部 311…係合突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 開 悟 東京都品川区東五反田3丁目20番14号 シ ーメンス・ヴィーディーオー・オートモー ティブ株式会社内 Fターム(参考) 3J028 EA22 EB08 EB13 EB62 FB04 FB05 FC32 FC42 FC47 FC63 GA01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側変速ギアを低速用から高速用へ複
    数備えた駆動軸と、 前記駆動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギア
    を低速用から高速用へ複数備えた出力軸と、 前記出力軸に設けられ、前記出力軸の軸方向に変位する
    ことにより前記出力側変速ギアのいずれかが前記出力軸
    に対して空転する状態と同期的に回転する状態とを切換
    えるスリーブとを具備し、 前記スリーブは、一方の変位位置において最も低速用の
    出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態に
    し、他方の変位位置において低速から4番目の速度用の
    出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態に
    し、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置との中間
    の変位位置において前記最も低速用の出力側変速ギアと
    前記4番目の速度用の出力側変速ギアとを前記出力軸に
    対して空転する状態にすることを特徴とする変速機。
  2. 【請求項2】 駆動側変速ギアを低速用から高速用へ複
    数備えた駆動軸と、 前記駆動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギア
    を低速用から高速用へ複数備えた出力軸と、 前記駆動軸に設けられ、前記駆動軸の軸方向に変位する
    ことにより前記駆動側変速ギアのいずれかが前記駆動軸
    に対して空転する状態と同期的に回転する状態とを切換
    えるスリーブとを具備し、 前記スリーブは、一方の変位位置において最も低速用の
    駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転する状態に
    し、他方の変位位置において低速から4番目の速度用の
    駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転する状態に
    し、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置との中間
    の変位位置において前記最も低速用の駆動側変速ギアと
    前記4番目の速度用の駆動側変速ギアとを前記駆動軸に
    対して空転する状態にすることを特徴とする変速機。
  3. 【請求項3】 駆動側変速ギアを低速用から高速用へ複
    数備えた駆動軸と、 前記駆動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギア
    を低速用から高速用へ複数備えた出力軸と、 前記出力軸に設けられ、前記出力軸の軸方向に変位する
    ことにより前記出力側変速ギアのいずれかが前記出力軸
    に対して空転する状態と同期的に回転する状態とを切換
    えるスリーブとを具備し、 前記スリーブは、一方の変位位置において最も低速用の
    出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態に
    し、他方の変位位置において低速から3番目の速度用の
    出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態に
    し、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置との中間
    の変位位置において前記最も低速用の出力側変速ギアと
    前記3番目の速度用の出力側変速ギアとを前記出力軸に
    対して空転する状態にすることを特徴とする変速機。
  4. 【請求項4】 駆動側変速ギアを低速用から高速用へ複
    数備えた駆動軸と、 前記駆動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギア
    を低速用から高速用へ複数備えた出力軸と、 前記駆動軸に設けられ、前記駆動軸の軸方向に変位する
    ことにより前記駆動側変速ギアのいずれかが前記駆動軸
    に対して空転する状態と同期的に回転する状態とを切換
    えるスリーブとを具備し、 前記スリーブは、一方の変位位置において最も低速用の
    駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転する状態に
    し、他方の変位位置において低速から3番目の速度用の
    駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転する状態に
    し、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置との中間
    の変位位置において前記最も低速用の駆動側変速ギアと
    前記3番目の速度用の駆動側変速ギアとを前記駆動軸に
    対して空転する状態にすることを特徴とする変速機。
  5. 【請求項5】 駆動側変速ギアを低速用から高速用へ複
    数備えかつ後退用の駆動側変速ギアを備えた駆動軸と、 前記駆動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギア
    を低速用から高速用へ複数備えかつ後退用の出力側変速
    ギアを備えた出力軸と、 前記出力軸に設けられ、前記出力軸の軸方向に変位する
    ことにより前記出力側変速ギアのいずれかが前記出力軸
    に対して空転する状態と同期的に回転する状態とを切換
    えるスリーブとを具備し、 前記スリーブは、一方の変位位置において最も低速用の
    出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態に
    し、他方の変位位置において前記後退用の出力側変速ギ
    アを前記出力軸と同期的に回転する状態にし、前記一方
    の変位位置と前記他方の変位位置との中間の変位位置に
    おいて前記最も低速用の出力側変速ギアと前記後退用の
    出力側変速ギアとを前記出力軸に対して空転する状態に
    することを特徴とする変速機。
  6. 【請求項6】 駆動側変速ギアを低速用から高速用へ複
    数備えかつ後退用の駆動側変速ギアを備えた駆動軸と、 前記駆動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギア
    を低速用から高速用へ複数備えかつ後退用の出力側変速
    ギアを備えた出力軸と、 前記駆動軸に設けられ、前記駆動軸の軸方向に変位する
    ことにより前記駆動側変速ギアのいずれかが前記駆動軸
    に対して空転する状態と同期的に回転する状態とを切換
    えるスリーブとを具備し、 前記スリーブは、一方の変位位置において最も低速用の
    駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転する状態に
    し、他方の変位位置において前記後退用の駆動側変速ギ
    アを前記駆動軸と同期的に回転する状態にし、前記一方
    の変位位置と前記他方の変位位置との中間の変位位置に
    おいて前記最も低速用の駆動側変速ギアと前記後退用の
    駆動側変速ギアとを前記駆動軸に対して空転する状態に
    することを特徴とする変速機。
  7. 【請求項7】 前記出力軸にその軸方向に変位可能に設
    けられ、一方の変位位置において低速から2番目の速度
    用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状
    態にし、他方の変位位置において低速から5番目の速度
    用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状
    態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置との
    中間の変位位置において前記2番目の速度用の出力側変
    速ギアと前記5番目の速度用の出力側変速ギアとを前記
    出力軸に対して空転する状態にする第2のスリーブをさ
    らに具備することを特徴とする請求項1または2記載の
    変速機。
  8. 【請求項8】 前記駆動軸にその軸方向に変位可能に設
    けられ、一方の変位位置において低速から2番目の速度
    用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転する状
    態にし、他方の変位位置において低速から5番目の速度
    用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転する状
    態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置との
    中間の変位位置において前記2番目の速度用の駆動側変
    速ギアと前記5番目の速度用の駆動側変速ギアとを前記
    駆動軸に対して空転する状態にする第2のスリーブをさ
    らに具備することを特徴とする請求項1または2記載の
    変速機。
  9. 【請求項9】 前記出力軸にその軸方向に変位可能に設
    けられ、一方の変位位置において低速から2番目の速度
    用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状
    態にし、他方の変位位置において低速から4番目の速度
    用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状
    態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置との
    中間の変位位置において前記2番目の速度用の出力側変
    速ギアと前記4番目の速度用の出力側変速ギアとを前記
    出力軸に対して空転する状態にする第2のスリーブをさ
    らに具備することを特徴とする請求項3ないし6のいず
    れか1項記載の変速機。
  10. 【請求項10】 前記駆動軸にその軸方向に変位可能に
    設けられ、一方の変位位置において低速から2番目の速
    度用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転する
    状態にし、他方の変位位置において低速から4番目の速
    度用の駆動側変速ギアを前記駆動軸と同期的に回転する
    状態にし、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置と
    の中間の変位位置において前記2番目の速度用の駆動側
    変速ギアと前記4番目の速度用の駆動側変速ギアとを前
    記駆動軸に対して空転する状態にする第2のスリーブを
    さらに具備することを特徴とする請求項3ないし6のい
    ずれか1項記載の変速機。
  11. 【請求項11】 前記駆動側変速ギアおよび前記出力側
    変速ギアの並びが、前記駆動軸および前記出力軸の軸方
    向に、最も低速の変速用、低速から4番目の変速用、低
    速から5番目の変速用、低速から2番目の変速用、低速
    から3番目の変速用、低速から6番目の変速用であるこ
    とを特徴とする請求項7または8記載の変速機。
  12. 【請求項12】 前記駆動側変速ギアおよび前記出力側
    変速ギアの並びが、前記駆動軸および前記出力軸の軸方
    向に、最も低速の変速用、低速から3番目の変速用、低
    速から4番目の変速用、低速から2番目の変速用、低速
    から5番目の変速用、低速から6番目の変速用であるこ
    とを特徴とする請求項3または4記載の変速機。
  13. 【請求項13】 前記駆動側変速ギアおよび前記出力側
    変速ギアの並びが、前記駆動軸および前記出力軸の軸方
    向に、後退用の変速用、最も低速の変速用、低速から2
    番目の変速用、低速から4番目の変速用、低速から5番
    目の変速用、低速から3番目の変速用であることを特徴
    とする請求項5または6記載の変速機。
  14. 【請求項14】 前記最も低速用の出力側変速ギア/駆
    動側変速ギアの前記各状態を切換える前記スリーブを変
    位させる第1のシフトフォークと、 低速から2番目の速度用の出力側変速ギア/駆動側変速
    ギアの前記出力軸/前記駆動軸に対する空転/非空転状
    態を切換える第2のスリーブと、 前記第2のスリーブを変位させる第2のシフトフォーク
    と、 前記最も低速用の出力側変速ギア/駆動側変速ギアが非
    空転とされている状態の前記第1のシフトフォークの位
    置を、中立の変位位置に変えると同時に、前記第2のシ
    フトフォークの位置を、中立の変位位置から前記低速か
    ら2番目の速度用の出力側変速ギア/駆動側変速ギアが
    非空転状態となる変位位置に変えるシフトフォーク操作
    軸とをさらに具備することを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれか1項記載の変速機。
  15. 【請求項15】 駆動側変速ギアを低速用から高速用へ
    複数備えた駆動軸と、 前記駆動側変速ギアそれぞれに噛み合う出力側変速ギア
    を低速用から高速用へ複数備えた出力軸と、前記出力軸
    に設けられ、前記出力軸の軸方向に変位することにより
    前記出力側変速ギアのいずれかが前記出力軸に対して空
    転する状態と同期的に回転する状態とを切換えるスリー
    ブとを具備し、 前記スリーブは、一方の変位位置において最も低速用の
    出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態に
    し、他方の変位位置において低速から4番目の速度用の
    出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態に
    し、前記一方の変位位置と前記他方の変位位置との中間
    の変位位置において前記最も低速用の出力側変速ギアと
    前記4番目の速度用の出力側変速ギアとを前記出力軸に
    対して空転する状態にし、 前記出力軸にその軸方向に変位可能に設けられ、一方の
    変位位置において低速から2番目の速度用の出力側変速
    ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態にし、他方の
    変位位置において低速から5番目の速度用の出力側変速
    ギアを前記出力軸と同期的に回転する状態にし、前記一
    方の変位位置と前記他方の変位位置との中間の変位位置
    において前記2番目の速度用の出力側変速ギアと前記5
    番目の速度用の出力側変速ギアとを前記出力軸に対して
    空転する状態にする第2のスリーブをさらに具備する変
    速機における変速方法であって、 前記スリーブが、前記一方の変位位置において前記最も
    低速用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に回転す
    る状態から前記中間の変位位置に変位するステップと、 前記第2のスリーブが、前記中間の変位位置から前記2
    番目の速度用の出力側変速ギアを前記出力軸と同期的に
    回転する状態に変位するステップとを具備し、 前記両ステップは、時間的に重なりを有してなされるこ
    とを特徴とする変速方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013172419A1 (ja) * 2012-05-18 2013-11-21 いすゞ自動車株式会社 車両の変速装置
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