JP2003301858A - トルクリミッタ及びトルクリミッタを搭載したコンバイン - Google Patents
トルクリミッタ及びトルクリミッタを搭載したコンバインInfo
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Abstract
の引起し装置に集中する場合に備え、刈取入力軸に連結
された回動ギアケース等に爪式トルクリミッタなどの動
力断接装置を設けていたが、作動精度が悪い、という問
題があった。 【解決手段】 トルクリミッタ3に、引起し駆動軸86
又は引起し入力軸84・85の軸芯を中心に回転する駆
動体121と、該駆動体121の回転軌道に沿って配設
された複数のローラ123と、該ローラ123を挟んで
前記駆動体121に軸方向に対向する従動体120と、
前記ローラ123を一定間隔で転動自在に保持する保持
体122を備えると共に、該ローラ123の転動軸13
3を前記駆動体121の回転軸を含む平面134に対し
て傾斜させて構成し、又、引起し装置31を駆動する引
起し駆動軸86と引起し入力軸84・85との間に介設
したトルクリミッタ3により、引起し装置31への動力
のみを断接可能とした。
Description
トルクを伝達するトルクリミッタにおいて、該トルクリ
ミッタが作動を開始するタイミングの精度(以下「作動
精度」とする)を高め、装置への過負荷軽減等を図る技
術、および、機体前方に刈取部を配置し、該刈取部には
前から順に引起し装置、掻込装置、各搬送装置などを配
設したコンバインにおいて、搭載したトルクリミッタの
作動精度を高める技術に関する。
部に、穀稈を分草する分草板や、穀稈を起立させて後方
の掻込装置や各搬送装置に送り込む引起し装置が配設さ
れ、該引起し装置は、外周上に一定間隔で複数のタイン
を設けたチェーンと、該チェーンを覆う引起ケース等か
ら構成される。そして、左右方向に列設した引起ケース
からは、タインが対向して突出され、穀稈を取り入れ引
き起こす引起し作用面が形成されており、該引起し作用
面において、エンジンから引起し駆動軸を介して伝達さ
れる動力によりチェーンが回転駆動され、該チェーン上
のタインが上昇する構成となっている。しかし、作物が
倒伏し、コンバインの走行速度が速すぎる場合や木片等
固いものを巻き込んだ場合等には、引起し装置に過大な
負荷がかかり、引起し作用面で詰まりが発生したり回転
が停止し、甚だしい場合には、タインの折損やチェーン
の破断等が発生する、という問題があった。そこで、エ
ンジンから刈取部へ動力を伝達する刈取入力軸に連結さ
れた回動ギアケース等に、爪式トルクリミッタやピンな
どの動力断接装置を設け、過負荷時には動力を遮断でき
るようにしている。なお、この爪式トルクリミッタは、
爪状の係合体間に付勢バネなどで加圧して滑り摩擦抵抗
を付与しておき、所定のトルクが作用すると、この滑り
摩擦抵抗にうち勝って係合体間が摺動して動力が遮断さ
れるものである。
断接装置に前記爪式トルクリミッタを用いると、係合体
間が摺動する際の騒音が大きく、加えて、低速・高荷重
の負荷が作用すると、係合体間に介在する潤滑油の油膜
が損なわれ易いため、静摩擦と動摩擦が間欠的に作用し
て前記滑り摩擦抵抗が不安定となり、作動精度が悪い、
という問題があった。さらに、作業効率改善の観点か
ら、このようなトルクリミッタなどの動力断接装置が作
動する前に、事前に引起し装置への過負荷を検知するこ
とにより、タインの折損やチェーンの破断等の引起し装
置の破損だけでなく、引起し作用面での詰まりの発生や
回転駆動の停止による作業中断をも未然に防止可能な技
術が、強く求められている。また、前記動力断接装置
は、刈取部への動力入力部の入口近傍に配置されてお
り、刈取部の動力伝達経路の最下手側にある引起し装置
からは最も遠い位置にあるため、引起し装置にかかる負
荷は、動力伝達経路途中の多数の分岐位置などで増減さ
れて動力断接装置まで正確に伝わらない。そのため、該
動力断接装置による動力遮断時が、引起し装置に破損等
の起こる実際の過負荷時と一致せず、作動精度が一層悪
化する、という問題があった。
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。すなわち、請求項1においては、
装置に一定範囲のトルクを伝達するトルクリミッタにお
いて、前記装置を駆動する駆動軸又は入力軸の軸芯を中
心に回転する駆動体と、該駆動体の回転軌道に沿って配
設された複数のローラと、該ローラを挟んで前記駆動体
に軸方向に対向する従動体と、前記ローラを一定間隔で
転動自在に保持する保持体とを備えると共に、該ローラ
の転動軸を前記駆動体の回転軸を含む平面に対して傾斜
させて構成したものである。請求項2においては、前記
駆動体と従動体との間の圧力を外部より調整する作動圧
調整機構を設けるものである。請求項3においては、前
記駆動体と従動体に、それぞれ回転速度を検出する回転
数センサを設け、該回転数センサにより検出された従動
体の回転速度が、駆動体の回転速度よりも所定速度以上
小さくなると警報を発するようにしたものである。請求
項4においては、前記トルクリミッタには、潤滑油が循
環可能な油路を形成して強制潤滑可能な構造とするもの
である。請求項5においては、機体前方に刈取部を配置
し、該刈取部には、前から順に引起し装置、掻込装置、
搬送装置などを配設したコンバインにおいて、前記引起
し装置を駆動する引起し駆動軸と引起し入力軸との間に
トルクリミッタを介設し、該トルクリミッタにより、引
起し装置への動力のみを断接可能な構成としたものであ
る。請求項6においては、前記トルクリミッタに、請求
項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のトルクリミッ
タを用いたものである。
図、図2は同じく平面図、図3は同じく右側面図、図4
は同じく正面図、図5はエンジンから刈取部各部への動
力伝達構成を示すスケルトン図、図6は刈取部の側面
図、図7は引起し縦フレームの側面一部断面図、図8は
同じく下部の側面一部断面図、図9は第2トルククラッ
チの側面一部断面図、図10は引起し変速装置の側面一
部断面図、図11は第1トルククラッチの側面一部断面
図、図12は引起し縦フレーム上部の側面一部断面図、
図13はアウターケースの側面断面図、図14は同じく
平面図、図15は押さえプレートの側面断面図、図16
はアウターディスクの側面断面図、図17はケージの側
面断面図、図18は同じく平面図、図19はインナーデ
ィスクの側面断面図、図20は同じく平面図、図21は
積層部の分解斜視図、図22は過負荷防止機構の制御ブ
ロック図、図23は同じくフローチャートである。
構成について、図1乃至図4により説明する。なお、本
実施例では、本発明を、コンバインの刈取部、及び該刈
取部に搭載したトルクリミッタによって説明している
が、本発明の適用範囲は、トラクタ、田植機、除雪機、
運搬機、野菜収穫機などのいわゆる農業機械・道路機械
等や、それに搭載したトルクリミッタであってもよく、
作動精度が問題となる装置への適用であれば、特に、限
定されるものではない。コンバインは、左右のクローラ
式走行装置18L・18Rにより走行可能とし、19L
・19Rは、トラックフレーム1に架設する左右の機体
フレーム、20は、フィードチェーン23等を左側に張
架して扱胴21及び処理胴を内蔵する脱穀部、71は、
該脱穀部20の下方に位置し、脱穀された穀粒を選別す
る選別装置、29は、該選別装置71により選別された
穀粒を揚穀筒30を介して搬入する穀粒タンク、17
は、該穀粒タンク29の穀粒を機外に搬出する排出オー
ガであり、27は、排藁チェーン28の終端を臨ませる
排藁処理部である。
1等を備える刈取部、34は、該刈取部22後方で、丸
型の操向ハンドル32や運転席33を配置したキャビ
ン、70は、該キャビン34側方の左機体フレーム19
L前部上で、前記刈取部22を上下又は左右に回動自在
に支持する回動支持部、25は、該回動支持部70上の
刈取部22を、刈取フレーム26を介して昇降させる油
圧シリンダである。
ーム19Rの前部には、エンジン35、該エンジン35
冷却用のラジエータ102などからなる空冷装置2、及
びミッションケース36が配置され、エンジン35から
の動力により、クローラ式走行装置18L・18Rを駆
動して走行すると共に、穀稈をコンバインの前方から連
続的に刈取って脱穀するように構成している。
までの動力伝達構成について、図5、図6により説明す
る。エンジン35には、図示せぬピストンの往復運動を
回転運動に換えるクランク軸51が機体前後方向に延設
され、該クランク軸51前端は、自在継手付きドライブ
シャフト63を介して、ミッションケース36上部に付
設された入力ケース79に連結されている。
無段変速装置(以下「HST」とする)を収納するHS
Tケース118が設けられ、該HSTケース118内に
は、前方から順に旋回用HST38、直進用HST37
が配設され、該直進用HST37からは、直進用HST
37の出力軸である直進モータ軸114に連結した直進
駆動軸81が左側方に突設されており、エンジン35か
らの回転力を、直進用HST37内で正逆の回転方向と
回転数増減の制御を行った後、ミッションケース36内
に伝達する一方、直進駆動軸81からも走行速度に比例
した駆動力を出力するようにしている。
各処理系へ適正速度を分配可能なカウンターケース64
が配設され、該カウンターケース64からは、複数の入
力軸75・76や出力軸91・92・93・94が突設
されている。このうちの車速同調入力軸75には、ベル
ト65を介して前記直進駆動軸81が連結されており、
直進用HST37からの走行回転をカウンターケース6
4内に入力するようにしている。
速同調入力軸75は、ワンウェイクラッチ61、刈取変
速装置62及び複数のギアを介して前記刈取出力軸92
に連結され、更に、該刈取出力軸92は、前記回動支点
部70に設けた中間伝達機構77を介して刈取入力軸7
2に連結連動されている。
部70が、前記機体フレーム19等からなる構成フレー
ム上に立設された側面視台形の左右の支持台154・1
55と、該両支持台154・155上部間に左右方向に
橋架された支持体156とから構成されており、該支持
体156の左部には、前記刈取フレーム26の後左端を
嵌装支持するための支持孔156aが開口され、該支持
孔156aを中心に、刈取部22を機体左方に回動して
サイドオープンできるようにしている。
回動可能に枢支され、該回動体158には、入力軸10
1の右部が上下回動可能に軸支されると共に、該入力軸
101右部上には中間ギア107が固設されている。一
方、入力軸101の左端には、刈取入力プーリ104が
固設され、該刈取入力プーリ104は、前記刈取出力軸
92上の出力プーリ96とベルト106により連結連動
され、該ベルト106の途中部には、テンションプーリ
103が配置されると共に、該テンションプーリ103
は、牽引バネ105によって前斜め下方に向かって常時
付勢されており、刈取部22を左方にサイドオープンし
た場合でもベルト106が弛まないようにしている。
ギア108が噛合され、該刈取入力ギア108には前記
刈取入力軸72の左端が連結され、該刈取入力軸72を
介して、前記直進用HST37から伝達されてきた車速
同調回転を刈取部22に入力できるようにしている。
2内における動力伝達構成について、図1、図5、図6
により説明する。前記回動体158から右方には、刈取
入力軸72を内部に軸支する筒状の第1刈取フレーム3
9が延設され、該第1刈取フレーム39の右側より前下
方には、筒状の第2刈取フレーム40が延設され、該第
2刈取フレーム40の下端は、左右横方向に伸延する筒
状の第3刈取フレーム41の途中部に連結されている。
部より前上方へ向けては、筒状の引起し縦フレーム42
を立ち上げるとともに、該第3刈取フレーム41の右側
端部より前上方へ向けて、図示せぬ支持フレームを立ち
上げ、両フレームの上端間には引起し横フレーム43を
横架している。該引起し横フレーム43の左右途中部よ
り後方には、水平フレーム44を突設し、該水平フレー
ム44下面途中部より図示せぬフレームを前記第2刈取
フレーム40の途中部に固設している。更に、前記第3
刈取フレーム41の左右側部からは、それぞれ前方へ向
けて左右一対の下側連結フレーム45・45を延設して
いる。
レーム26の前部には、穀稈を起立させる引起し装置3
1や、穀稈を分草する分草板46が配設され、このうち
の引起し装置31は、複数の引起タイン47を有する引
起しケース48より構成されており、該引起しケース4
8の下部は、前記下側連結フレーム45の途中部より上
方に立設した支持体49の上部に固設されている。そし
て、引起ケース48の引起タイン47は対向するように
して配置することにより、穀稈を取り入れて引き起こす
作用面を設けて6条分を引き起こすようにしている。な
お、下側連結フレーム45の前後途中部間には、刈刃装
置50が支持フレーム52を介して固設されている。
搬送装置が配設されている。つまり、引起し装置31の
引起ケース48の直後方には、引き起こされた穀稈の株
元側を掻込むスターホイル53や掻込ベルト54から成
る掻込装置55と、掻込んだ穀稈株元を切断する前記刈
刃装置50とが設けられ、さらに、該刈刃装置50の上
方には、前記掻込装置55により掻き込まれた穀稈の株
元を後方に送る複数の下部搬送装置56が配置されてい
る。該下部搬送装置56上方には、刈取穀稈の穂部を搬
送する複数の上部搬送装置57や穂先搬送装置58が配
置されている。
おいて、穀稈の株元側は、下部搬送装置56後方の縦搬
送装置59に受け継がれると共に、穀稈の穂先側は、上
部搬送装置57の後半部で挟持して搬送され、その後、
縦搬送装置59の送り終端部の補助搬送チェーン60に
受け継がれ、前記フィードチェーン23に適正姿勢で穀
稈を受け継ぎ、穂先を後方の脱穀部20に供給して脱穀
処理するようにしている。
各駆動部への動力は次のようにして伝達される。すなわ
ち、前記第1刈取フレーム39内部に枢支された刈取入
力軸72の右端部にはベベルギア87が固設され、該ベ
ベルギア87はベベルギア88に噛合され、該ベベルギ
ア88は、前記第2刈取フレーム40内に前後方向に枢
支された刈取縦軸82の後端に固設されている。そし
て、該刈取縦軸82の前端は、ベベルギア89・90を
介して、前記第3刈取フレーム41内の刈取横軸83に
左右略中央で連結連動され、該刈取横軸83の左端は、
前記引起し縦フレーム42に内装された引起し第1入力
軸84の下端に、ベベルギア97・98及び第2トルク
リミッタ4を介して連結連動されている。
記引起し第1入力軸84の上方には、引起し第1入力軸
84に平行に引起し第2入力軸85が軸支され、該引起
し第1入力軸84と引起し第2入力軸85との間は、引
起し変速装置66を介して高速・中速・低速の3段変速
可能に連結され、さらに、該引起し第2入力軸85の上
部は、第1トルクリミッタ3及びベベルギア99・10
0を介して、前記引起し横フレーム43内で左右方向に
軸支された引起し駆動軸86に連結連動されている。
ア67が固設され、該ベベルギア67は複数のベベルギ
アを介して伝動軸69に連結され、該伝動軸69の前端
にはスプロケット68が固設されており、該スプロケッ
ト68を駆動スプロケットとしてチェーンが巻回され、
引起し駆動軸86からの動力により、チェーン外周に固
設された前記引起タイン47が回転駆動するようにして
いる。一方、伝動軸69の後端は、前記穂先搬送装置5
8内で巻回されたチェーン74の駆動軸111に、連結
パイプ109を介して連結されており、該チェーン74
外周に固設されたタイン73も、前記引起タイン47と
同時に回転駆動するようにしている。
59の駆動軸は、連結パイプ110に内設された複数の
伝達軸やベベルギアを介して前記刈取縦軸82に連結連
動されて、さらに、前記下部搬送装置56、及び掻込装
置55のスターホイル53や掻込ベルト54の駆動軸
は、複数の伝達軸やベベルギアを介して伝達軸115の
右端に連結され、該伝達軸115の左端は、ベベルギア
116・117を介して前記引起し第1入力軸84の途
中部に連結連動されている。
経路内に設けた前記第1トルクリミッタ3に関し、その
詳細な配置構成と構造について、図7、図10乃至図2
4により説明する。図7に示すように、第1トルクリミ
ッタ3は、引起し縦フレーム42の上端部近傍に、つま
り、引起し第2入力軸85から引起し駆動軸86への動
力伝達位置にあたるベベルギア99・100の上手側か
ら、前記引起し変速装置66までの間に配置されてい
る。
1、図24に示すように、前記引起し第2入力軸85の
駆動側にあたるアウター側軸85aの上部に、引起し縦
フレーム42に軸支された回動体129の下部が外嵌し
て上下摺動可能にスプライン嵌合され、該回動体129
の上端外側面には、筒状のアウターケース124の下端
が外嵌固定されている。
ツ盤状の複数のアウターディスク121・121・・・
が、軸芯方向に摺動可能にスプライン嵌合されると共
に、隣接するアウターディスク121間にはドーナツ盤
状のインナーディスク120・120・・・が配置され
ており、該インナーディスク120は、引起し第2入力
軸85の従動側にあたるインナー側軸85bの外周に、
軸芯方向に摺動可能にスプライン嵌合されている。そし
て、該インナーディスク120と前記アウターディスク
121との間には、多数のローラ123・123・・・
が引起し第2入力軸85の軸芯を中心とした回転軌道に
沿って配設されると共に、該ローラ123・123・・
・は、ドーナツ盤状のケージ122に円周方向に開口さ
れた多数の孔122a内に転動自在に収容されている。
なお、ゲージ122が前記インナーディスク120側や
アウターディスク121側にずれて倒れ込んだり、ゲー
ジ122自体の剛性が不足してトルクリミッタ作動中に
ゲージ122が変形したりするのを防ぐため、図18に
示すように、ケージ122には、軸心方向に肉厚の外縁
部122bを設けているが、この倒れ込み等が特に問題
にならない場合には、図24に示すように、前記外縁部
122bを省くようにしてもよい。この場合には、トル
クリミッタ3内部の内油溜まり152内の潤滑油が回動
に伴う遠心力によって半径方向に流動する際、外縁部1
22bによって邪魔されることがないため、潤滑油はト
ルクリミッタ3外部の外油溜まり153に更に円滑に流
れ出し、後で詳述する強制潤滑による潤滑効率を一層高
めることができるのである。
22・インナーディスク120等から成る積層部127
の一方には、インナー側軸85b上部にスプライン嵌合
された前記ベベルギア99が配置される。積層部127
の他方には、インナー側軸85bにスプライン嵌合され
た押えプレート125が配置されている。そして、該押
えプレート125は、インナー側軸85bの鍔部132
に外嵌固定された皿バネなどの弾性部材126によって
付勢されており、前記積層部127が、ベベルギア99
と押えプレート125との間で常時一定の圧力(以下
「積層間圧」とする)で加圧された状態となっている。
ここで、図18に示すように、前記ローラ123は、転
動軸133が回動体129の回転軸を含む平面134に
対して角度θだけ傾斜するように配置されている。
軸85のアウター側軸85aを回転駆動させると、回動
体129と一緒にアウターケース124が回動し、各ロ
ーラ123がアウターディスク121とインナーディス
ク120に接しながら転動し、これに追従してケージ1
23も回転する。その際、各ローラ123は、アウター
ディスク121の回転軌道に対して前記角度θだけ傾斜
した方向135に転動しようとするのを、ケージ122
で規制されながらアウターディスク121の回転軌道の
方向136に沿って移動するため、前記積層間圧に比例
した摩擦抵抗が発生し、しかも、各ローラ123は転動
しながら滑り摩擦を発生させるので、静摩擦は発生せ
ず、常に動摩擦による安定した摩擦抵抗力が得られるの
である。
がかかり、アウター側軸85aとインナー側軸85b間
のトルク差が増加して、ローラ123による前記摩擦抵
抗力を上回ると、アウターディスク121とインナーデ
ィスク120間が摺動するようになり、動力が遮断され
る。この際、第1トルクリミッタ3は、引起し装置31
を駆動する引起し駆動軸86のすぐ上手位置にあたる引
起し第2入力軸85上に配設されており、引起し装置3
1から第1トルクリミッタ3までの伝達経路長さを非常
に短くすることができる。なお、第1トルクリミッタ3
は、引起し駆動軸86の始端部近傍に配置しても良く、
引起し装置31への負荷のかかり具合を正確に検出で
き、負荷発生時には動力を迅速に遮断可能な位置であれ
ば、引起し駆動軸86上でもかまわない。
し、該刈取部22には、前から順に引起し装置31、掻
込装置55、搬送装置56・57などを配設したコンバ
インにおいて、前記引起し装置31を駆動する引起し駆
動軸86と引起し入力軸84・85との間にトルクリミ
ッタ3を介設し、該トルクリミッタ3により、引起し装
置31への動力のみを断接可能な構成としたので、引起
し装置31からトルクリミッタ3までの経路長を短くす
ると共に分岐部を少なくして、該トルクリミッタ3が、
引起し装置31への過負荷時を正確に検知することがで
き、トルクリミッタ3の作動精度を向上させることがで
きるのである。
述の如く、トルクリミッタ3は、引起し駆動軸86又は
引起し入力軸84・85の軸芯を中心に回転する駆動体
であるアウターディスク121と、該アウターディスク
121の回転軌道に沿って配設された複数のローラ12
3と、該ローラ123を挟んで前記アウターディスク1
21に軸方向に対向する従動体であるインナーディスク
120と、前記ローラ123を一定間隔で転動自在に保
持する保持体であるケージ122とを備えると共に、該
ローラ123の転動軸133を前記アウターディスク1
21の回転軸を含む平面134に対して傾斜させて構成
したので、駆動体であるアウターディスク121と従動
体であるインナーディスク120との間には、ローラ1
23による安定した滑り摩擦が発生し、トルクリミッタ
3の作動精度を更に向上させることができる。
インナー側軸85b下部は、回動体129にブッシュ1
19を介して内挿支持されると共に、インナー側軸85
b上部は、引起し縦フレーム42と引起し横フレーム4
3との間に介設された継手ケース137内に内挿され、
該継手ケース137内に垂設されたガイドパイプ140
により支持されている。そして、インナー側軸85b上
端にはネジ部85cが突設され、該ネジ部85cは、前
記継手ケース137上部に設けた作動圧調整ナット13
9に螺挿されており、該作動圧調整ナット139を回動
することにより、インナー側軸85bを上下動できるよ
うにしている。さらに、作動圧調整ナット139には、
取付蓋138が上方から覆設されており、該取付蓋13
8は、ボルト140・141により前記継手ケース13
7上部に着脱可能に設けられており、これら取付蓋13
8、作動圧調整ナット139等から作動圧調整機構14
3が形成されている。
取り外して作動圧調整ナット139を回転してインナー
側軸85bを下降させると、前記鍔部132も下降し、
アウターディスク121とインナーディスク120間の
間隔が大きくなり、弾性部材126による積層間圧が低
下する。そのため、該積層間圧に比例するローラ123
による摩擦抵抗力も低下し、より小さなトルク差で、ア
ウターディスク121とインナーディスク120が摺動
して動力が遮断されるようになる。一方、作動圧調整ナ
ット139を逆回転してインナー側軸85bを上昇させ
ると、鍔部132も上昇してアウターディスク121と
インナーディスク120間の間隔が小さくなり、弾性部
材126による積層間圧が高くなる。そのため、より大
きなトルク差で、初めてアウターディスク121とイン
ナーディスク120が摺動して動力が遮断されるように
なる。つまり、取付蓋138を取り外して作動圧調整ナ
ット139でインナー側軸85bを昇降させることによ
り、積層間圧を変化させてトルクリミッタ3の作動圧を
容易に調整できるようにしており、これにより、作物の
倒伏状況や密度、走行速度、搬送状況などによって変化
する引起し装置31への負荷に対し、トルクリミッタ3
の作動感度を外部から容易に適正化することができる。
るアウターディスク121と従動体であるインナーディ
スク120との間の圧力を外部より調整する作動圧調整
機構143を設けるので、作業者は、トルクリミッタ3
の作動圧を、引起し装置3への負荷状況に応じた適正な
値に迅速に設定することができ、引起し作用面で詰まり
や、タインの折損、チェーンの破断等を確実に防止する
ことができるのである。
に、前記ベベルギア99の下端外周には検出用ギア99
aが形成され、該検出用ギア99aの延長面上の引起し
縦フレーム42には、磁電形などの回転数センサ144
が取り付けられ、該回転数センサ144のセンサ部14
4aは、前記検出用ギア99aに対向して設けられてお
り、従動側のインナー側軸85bの回転数を検出可能と
している。一方、前記回動体129の下端外周にも検出
用ギア129aが形成され、該検出用ギア129aの延
長面上の引起し縦フレーム42にも、磁電形などの回転
数センサ145が取り付けられ、該回転数センサ145
のセンサ部145aは、前記検出用ギア129aに対向
して設けられており、駆動側のアウター側軸85aの回
転数を検出可能としている。
5は、いずれもコントローラ5に接続され、該コントロ
ーラ5は、前記キャビン34内に配置された警報ランプ
や警報アラームなどの警報装置148に接続されてお
り、コントローラ5に入力された軸回転数信号に基づ
き、過負荷発生状態を作業者に報知するようにしてい
る。更に、前記コントローラ5には、電動シフトモータ
149を介して前記引起し変速装置66が接続されると
共に、電動クラッチモータ150を介して前記刈取変速
装置62が接続されており、前記コントローラ5に入力
された軸回転数信号に基づき、引起し装置31だけへの
入力や、刈取部22全体への入力を減速したり、中立位
置にして動力を遮断できるようにして、過負荷防止機構
157を形成している。
144・145による引起し過負荷防止処理159は次
のようにして行う。つまり、前記回転数センサ145に
より検出した駆動側のアウター側軸85aの回転速度V
1と、前記回転数センサ144により検出した従動側の
インナー側軸85bの回転速度V2とを比較し(ステッ
プ160)、該回転速度V2が前記回転速度V1よりも
所定速度VL(以下「限界速度差」とする)以上小さく
なった場合には、コントローラ5から警報信号が前記警
報装置148に伝達され、警報装置148が作動する
(ステップ161)。更に、図示せぬ自動制御スイッチ
を「ON」にしている場合には(ステップ162:
Y)、前記コントローラ5から駆動信号が前記電動シフ
トモータ149や電動クラッチモータ150に伝達さ
れ、引起し変速装置66や刈取変速装置62を中立にし
て動力を遮断したり、減速を行い(ステップ163)、
手動モードにしている場合には(ステップ162:
N)、作業者が引起し装置31の状況から判断して、引
起し変速装置66や刈取変速装置62などを操作するよ
うにしている。なお、前記限界速度差を小さく設定する
と軽度の詰まりでも過負荷防止機構157が作動し、大
きく設定しすぎると過負荷防止機構157の作動開始が
遅れ、タインの折損やチェーンの破断等が発生するた
め、適正な値に設定する必要がある。
るアウターディスク121と従動体であるインナーディ
スク120にそれぞれ回転速度を検出する回転数センサ
144・145を設け、該回転数センサ144・145
により検出されたインナーディスク120の回転速度V
2が、アウターディスク121の回転速度V1よりも所
定速度である限界速度差VL以上小さくなると警報を発
するようにしたので、トルクリミッタ3などの動力断接
装置が作動する前に、事前に引起し装置31への過負荷
を検知することができ、タインの折損やチェーンの破断
等の破損はもとより、引起し作用面での詰まりの発生や
回転駆動の停止による作業中断をも未然に防止すること
ができる。また、動力断接装置で誤動作が生じたような
場合でも、引起し装置への過負荷を確実に防止すること
ができるのである。
2入力軸のインナー側軸85bと、アウターケース12
4内側との間に、前記内油溜まり152が形成され、ア
ウターケース124外側と引起し縦フレーム42内側と
の間に、前記外油溜まり153が形成され、さらに、ア
ウターケース124下方の回動体129と、引起し縦フ
レーム42内側との間には、下油溜まり161が形成さ
れている。そして、円筒状のアウターケース124に複
数の油孔124aが半径方向に開口されており、前記内
外の油溜まり152・153間を連通すると共に、イン
ナー側軸85bには軸芯方向の途中から半径方向に屈曲
された油路151が穿孔されており、前記内油溜まり1
52と下油溜まり161との間を連通している。更に、
図20に示すように、ドーナツ盤状のインナーディスク
120の内周縁には矩形状の切り込みを入れて油路12
0a・120aを形成し、前記内油溜まり152内を軸
心方向に連通して、潤滑油が内油溜まり152内を自由
に流れるようにしている。
3を構成するアウターケース124、アウターディスク
121、インナーディスク120、回動体129等が回
動すると、潤滑油が、遠心力や前記積層部127内での
加圧力等によって、前記油孔124a、油路151・1
20aを介して隙間なく流動し、トルクリミッタ3が強
制的に潤滑されるのである。
が循環可能な油路120a・124a・151を形成し
て強制潤滑可能な構造とするので、摩擦面における潤滑
油の油膜が損なわれることがなく、ローラ123による
滑り摩擦が一層安定化し、トルクリミッタ3の作動精度
を更に向上させることができる。また、トルクリミッタ
3全体が油溜まり内に浸った状態にあるため、摩擦面で
の摺動に伴う騒音が一層小さくなり、装置周囲や作業等
の環境改善を図ることができるのである。
説明する。図10に示すように、前記引起し第1入力軸
84のアウター側軸84b上部には、上から順に大径ギ
ア165、中径ギア166、小径ギア167が固設さ
れ、一方、前記アウター側軸84bに平行に、引起し第
2入力軸85のアウター側軸85aが設けられ、該アウ
ター側軸85aの上下端部には、内側面に噛合歯を固設
した高速クラッチギア168と低速クラッチギア170
が遊嵌され、このうちの高速クラッチギア168は前記
大径ギア165に、低速クラッチギア170は前記小径
ギア167に常時噛合されている。
速クラッチギア170との間には、左右両側面に噛合歯
を固設した爪式クラッチ169が、左右摺動可能にスプ
ライン嵌合されると共に、該爪式クラッチ169には、
シフトフォーク172が係合され、該シフトフォーク1
72は、フォーク軸171上を移動可能に外嵌され、変
速操作レバー173などの操作手段に連結連動されてい
る。
173を操作してシフトフォーク172により爪式クラ
ッチ169を上方に摺動すると、該爪式クラッチ169
と高速クラッチギア168の噛合歯が係合し、アウター
側軸84b→大径ギア165→高速クラッチギア168
→爪式クラッチ169→アウター側軸85aのようにし
て、高速駆動力が伝達される。同様にして、変速操作レ
バー173を操作し、爪式クラッチ169を下降して外
周のギア部を中径ギア166に噛合すると、アウター側
軸84b→中径ギア166→爪式クラッチ169→アウ
ター側軸85aと中速駆動力が伝達され、更に、変速操
作レバー173を操作し、爪式クラッチ169を下降し
て、該爪式クラッチ169の噛合歯を低速クラッチギア
170の噛合歯に係合すると、アウター側軸84b→小
径ギア167→低速クラッチギア170→爪式クラッチ
169→アウター側軸85aのようにして、低速駆動力
が伝達される。さらに、これら引起し3段変速に加え、
爪式クラッチ169の噛合歯や外周のギア部のいずれ
も、ギア165・166・167の噛合歯やギア部と係
合しない中立位置まで摺動することにより、動力を簡単
に遮断することができる。
置に配置した第2トルクリミッタ4について、図5、図
7乃至図9、図22により説明する。この第2トルクリ
ミッタ4は、引起し縦フレーム42の下端部近傍に配設
され、詳しくは、前記刈取横軸83から引起し第1入力
軸84への動力伝達位置にあたるベベルギア97・98
の下手側から、前記下部搬送装置56・掻込装置55へ
の動力分岐位置にあたるベベルギア116・117まで
の間に配置されている。
側にあたるアウター側軸84bの下部に、引起し縦フレ
ーム42に軸支された回動体174の上部が外嵌して上
下摺動可能にスプライン嵌合され、該回動体174の下
端外側面には、筒状のアウターケース175の下端が外
嵌固定されている。
第1トルクリミッタ3と同様に、アウターディスク17
6・ローラ177・ケージ178・インナーディスク1
79から積層部180が形成され、該積層部180の下
方には、インナー側軸84a下部にスプライン嵌合され
た前記ベベルギア98が配置される一方、積層部180
の上方には、インナー側軸84a上部にスプライン嵌合
された押えプレート181が配置されている。そして、
該押えプレート181は、インナー側軸84a上部の鍔
部182に外嵌固定された弾性部材183によって下方
に付勢されており、前記積層部180が、ベベルギア9
8と押えプレート181との間で常時一定の積層間圧で
加圧された状態となっている。
軸84のインナー側軸84aを回転駆動させると、ベベ
ルギア98と一緒にインナーディスク179が回動し、
各ローラ177がインナーディスク179とアウターデ
ィスク176に接しながら転動し、これに追従してケー
ジ178も回転し、この時、傾斜して配置されたローラ
177で発生する動摩擦により、前記第1トルクリミッ
タ3と同様に、安定した摩擦抵抗力が得られるようにし
ている。
軸84a間のトルク差が増加し、該トルク差がローラ1
77による前記摩擦抵抗力を上回ると、アウターディス
ク176とインナーディスク179間が摺動し動力が遮
断される。このトルク差を発生するアウター側軸84b
への抵抗力としては、前記引起し装置31にかかる過負
荷以外に、第2トルクリミッタ4より下手側の伝達軸1
15を介して連結される下部搬送装置56や掻込装置5
5にかかる過負荷も含まれている。
装置31を駆動する引起し駆動軸86より上手側で、し
かも、下部搬送装置56や掻込装置55を駆動する伝達
軸115のすぐ上手位置にあたる引起し第1入力軸84
下部上に配設されており、引起し時だけでなく掻き込ん
で株元を把持して搬送するといった、最も詰まりなどの
トラブルが発生しやすい刈取初期段階全体での過負荷
を、最短経路で正確に検知して動力を遮断できるように
している。
し、該刈取部22には、前から順に引起し装置31、掻
込装置55、各搬送装置56・57などを配設したコン
バインにおいて、前記引起し駆動軸86に動力を伝達す
る引起し入力軸84より上手側で、しかも、下部搬送装
置56や掻込装置55への伝達軸115の直ぐ上手側に
トルクリミッタ4を配置したので、引起し装置31から
トルクリミッタ4までの経路長を短くすると共に分岐部
を少なくできる上、下部搬送装置56や掻込装置55も
トルクリミッタ4より下手側にあるため、刈取初期段階
全体での過負荷発生を正確に検知することができるので
ある。
ベルギア98に内挿された後、前記第3刈取フレーム4
1左端内に内挿され、該第3刈取フレーム41左端内に
垂設されたガイドパイプ184により支持されている。
そして、インナー側軸84a下端にはネジ部84cが突
設され、該ネジ部84cは、作動圧調整ナット185内
に螺挿されており、該作動圧調整ナット185を回動す
ることにより、インナー側軸84aを上下動できるよう
にしている。さらに、作動圧調整ナット185には、取
付蓋186が下方から覆設されており、該取付蓋186
を取り外して作動圧調整ナット185を回転しインナー
側軸84aを昇降させることにより、前記第1トルクク
ラッチ3と同様に、前記積層部180の積層間圧を変化
させてトルクリミッタ4の作動圧を容易に調整できるよ
うにしている。これにより、作物の倒伏状況や密度、走
行速度などによって変化する刈取初期段階での負荷に対
し、トルクリミッタ4の作動感度を外部から容易に調整
し適正化することができるようにしている。
ルギア98の上端外周には、それぞれ検出用ギア174
a・98aが形成され、該検出用ギア174a・98a
の延長面上の引起し縦フレーム42には回転数センサ1
46・147が取り付けられ、従動側のアウター側軸8
4bと駆動側のインナー側軸84aの回転数を検出可能
としている。
7は、いずれも前記コントローラ5に接続されており、
該コントローラ5に入力された軸回転数信号に基づき、
前記第1トルククラッチ3と同様にして、引起し装置3
1への入力や、刈取部22全体への入力を減速したり、
中立位置にして動力を遮断できるようにしている。これ
により、刈取初期段階での過負荷が発生しても、動力断
接装置が作動する前に、事前に検知し、タイン47の折
損やチェーンの破断等の破損はもとより、引起し作用面
での詰まりの発生や回転駆動の停止による作業中断をも
未然に防止することができる。
軸84a周囲には、内油溜まり187と外油溜まり18
8が形成され、さらに、ベベルギア98を内挿する第3
刈取フレーム41左端部には下油溜まり189が形成さ
れている。そして、円筒状のアウターケース175には
複数の油孔175aが半径方向に開口されており、前記
内外の油溜まり187・188間を連通すると共に、イ
ンナー側軸84aには軸芯方向の途中から半径方向に屈
曲された油路190が穿孔されており、前記内油溜まり
187と下油溜まり189との間を連通している。
構成するアウターケース175、アウターディスク17
6、インナーディスク179、回動体174等が回動す
ると、潤滑油が、遠心力や前記積層部180内での加圧
力等によって、前記油孔175aや油路190を介して
隙間なく流動し、第2トルクリミッタ4が強制的に潤滑
され、ローラ177による滑り摩擦が一層安定化し、第
2トルクリミッタ4の作動精度を更に向上させることが
できるのである。
次のような効果を奏するものである。即ち、請求項1の
ように、装置に一定範囲のトルクを伝達するトルクリミ
ッタにおいて、前記装置を駆動する駆動軸又は入力軸の
軸芯を中心に回転する駆動体と、該駆動体の回転軌道に
沿って配設された複数のローラと、該ローラを挟んで前
記駆動体に軸方向に対向する従動体と、前記ローラを一
定間隔で転動自在に保持する保持体とを備えると共に、
該ローラの転動軸を前記駆動体の回転軸を含む平面に対
して傾斜させて構成したので、駆動体と従動体との間
に、ローラによる安定した滑り摩擦が発生し、トルクリ
ミッタの作動精度を大きく向上させることができる。
と従動体との間の圧力を外部より調整する作動圧調整機
構を設けるので、トルクリミッタの作動圧を装置への負
荷状況に応じた適正な値に迅速に設定することができ
る。
記載の駆動体と従動体に、それぞれ回転速度を検出する
回転数センサを設け、該回転数センサにより検出された
従動体の回転速度が、駆動体の回転速度よりも所定速度
以上小さくなると警報を発するようにしたので、トルク
リミッタが作動する前に、事前に装置への過負荷を検知
することができる。
又は請求項3記載のトルクリミッタには、潤滑油が循環
可能な油路を形成して強制潤滑可能な構造とするので、
摩擦面における潤滑油の油膜が損なわれることがなく、
ローラによる滑り摩擦が一層安定化し、トルクリミッタ
の作動精度を更に向上させることができる。また、トル
クリミッタ全体が油溜まり内に浸った状態にあるため、
摩擦面での摺動に伴う騒音が一層小さくなり、装置周囲
の環境改善を図ることができるのである。
置し、該刈取部には、前から順に引起し装置、掻込装
置、搬送装置などを配設したコンバインにおいて、前記
引起し装置を駆動する引起し駆動軸と引起し入力軸との
間にトルクリミッタを介設し、該トルクリミッタによ
り、引起し装置への動力のみを断接可能な構成としたの
で、引起し装置からトルクリミッタまでの経路長を短く
すると共に分岐部を少なくして、該トルクリミッタが、
引起し装置への過負荷時を正確に検知することができ、
トルクリミッタの作動精度を向上させることができる。
リミッタに、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記
載のトルクリミッタを用いたので、トルクリミッタが精
度良く作動し、また、引起し装置への負荷状況に応じた
適正値へも迅速に設定されて、引起し作用面で詰まり
や、タインの折損、チェーンの破断等を確実に防止でき
る。また、トルクリミッタなどの動力断接装置が作動す
る前に、事前に引起し装置への過負荷を検知することが
でき、タインの折損やチェーンの破断等の破損はもとよ
り、引起し作用面での詰まりの発生や回転駆動の停止に
よる作業中断をも未然に防止することができ、更に、動
力断接装置で誤動作が生じたような場合でも、引起し装
置への過負荷を確実に防止することができる。また、摩
擦面における潤滑油の油膜が損なわれることがなく、ロ
ーラによる滑り摩擦が一層安定化し、トルクリミッタの
作動精度を更に向上させることができ、更に、トルクリ
ミッタ全体が油溜まり内に浸った状態にあるため、摩擦
面での摺動に伴う騒音が一層小さくなり、コンバインで
の作業等の環境改善を図ることができるのである。
すスケルトン図である。
る。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 装置に一定範囲のトルクを伝達するトル
クリミッタにおいて、前記装置を駆動する駆動軸又は入
力軸の軸芯を中心に回転する駆動体と、該駆動体の回転
軌道に沿って配設された複数のローラと、該ローラを挟
んで前記駆動体に軸方向に対向する従動体と、前記ロー
ラを一定間隔で転動自在に保持する保持体とを備えると
共に、該ローラの転動軸を前記駆動体の回転軸を含む平
面に対して傾斜させて構成したことを特徴とするトルク
リミッタ。 - 【請求項2】 前記駆動体と従動体との間の圧力を外部
より調整する作動圧調整機構を設けることを特徴とする
請求項1記載のトルクリミッタ。 - 【請求項3】 前記駆動体と従動体に、それぞれ回転速
度を検出する回転数センサを設け、該回転数センサによ
り検出された従動体の回転速度が、駆動体の回転速度よ
りも所定速度以上小さくなると警報を発するようにした
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトルクリ
ミッタ。 - 【請求項4】 前記トルクリミッタには、潤滑油が循環
可能な油路を形成して強制潤滑可能な構造とすることを
特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のト
ルクリミッタ。 - 【請求項5】 機体前方に刈取部を配置し、該刈取部に
は、前から順に引起し装置、掻込装置、搬送装置などを
配設したコンバインにおいて、前記引起し装置を駆動す
る引起し駆動軸と引起し入力軸との間にトルクリミッタ
を介設し、該トルクリミッタにより、引起し装置への動
力のみを断接可能な構成としたことを特徴とするトルク
リミッタを搭載したコンバイン。 - 【請求項6】 前記トルクリミッタに、請求項1乃至請
求項4のいずれか1項に記載のトルクリミッタを用いた
ことを特徴とする請求項5記載のトルクリミッタを搭載
したコンバイン。
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