JP2003301852A - 差動排気シールを備えた構造 - Google Patents

差動排気シールを備えた構造

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JP2003301852A
JP2003301852A JP2002103557A JP2002103557A JP2003301852A JP 2003301852 A JP2003301852 A JP 2003301852A JP 2002103557 A JP2002103557 A JP 2002103557A JP 2002103557 A JP2002103557 A JP 2002103557A JP 2003301852 A JP2003301852 A JP 2003301852A
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seal
exhaust seal
shielding member
joint
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JP2002103557A
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Takeshi Nakamura
中村  剛
Nobuhito Saji
伸仁 佐治
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リークチェックを精度良く行える差動排気シー
ルを備えた構造を提供する。 【解決手段】ユニットハウジング211は。差動排気シ
ールの差圧室Sに連通する連通路211fと、連通路2
11fと外部の排気ポンプP1とを接合する継手213
の連結部とを有し、そのリークチェックを行うときに、
外部の気体が、継手213以外の場所(たとえば後述す
る軸受216A、216B)から連通路211fに侵入
することを阻止する遮蔽部材221を取り付ける取り付
け面211hを有するので、取り付け面211hに遮蔽
部材221を取り付けることで、継手213以外の場所
から連通路211fに外部の気体が侵入することが阻止
されるため、精度のよいリークチェックを行えることと
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば真空雰囲
気或いはクリーンルームなどを形成できる差動排気シー
ルを備えた構造に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置などにおいては、真空雰
囲気に維持したプロセス室内で、ワークをテーブルに載
置して移動・回転させることにより、その加工処理や検
査などが行われている。ここで、近年においては製造さ
れる半導体がより微細化されたことに伴い、プロセス室
内の真空度もより高める必要が生じてきている。
【0003】ここで、プロセス室内に、テーブルを移動
・回転させる駆動装置を設けることは、プロセス室の大
型化を招き、また発塵の機会も増えるので好ましくな
い。そこで、駆動装置をプロセス室外に設けることが考
えられる。かかる場合、駆動装置とプロセス室内のテー
ブルとを連結する連結部材が必要となるが、そのためプ
ロセス室を覆う筐体には、連結部材を貫通させる開口が
必要となり、かかる開口と連結部材とを密封してプロセ
ス室内の雰囲気を維持するシールが必要となる。
【0004】かかるシールの一タイプとして差動排気シ
ールが知られている。差動排気シールとは、連結部材と
筐体の排気面との微小な間隙にある気体を排気すること
により、連結部材と筐体との対向面間が非接触の状態
で、対向面を挟む両側の雰囲気(例えば大気圧と高真
空)を一定の状態に保つように機能するものをいう。
尚、本明細書中では、差動排気シールは、後述する差圧
室Sと、それを挟持する隔壁111d、111e及び2
11d、211eをいうものとする。
【0005】ここで、差動排気シールは、外部ポンプに
吸引されてその機能を発揮するものであるため、差動排
気シールと外部ポンプとを接続する配管が本来的に必要
となる。更に、差動排気シールと外部ポンプとを接続し
た場合、差動排気シールが正常な機能を発揮できるか否
かのリークチェックが必要となる。さらに筺体には、他
にもプロセス室の排気のための排気系、あるいはプロセ
ス室内の真空度その他の測定などのための各種測定機器
を接続するための接合部を備える。これらの接合部につ
いてもリークチエックをする場合がある。
【0006】図8は、従来技術にかかる差動排気シール
を備えた構造の断面図であり、図9は、差動排気シール
用配管接合部のリークチェックを行うシステムの概略構
成図である。図8に一部で示す筐体110の内側(図8
で右側)はプロセス室Pとなっている。筐体110は、
その側面に開口110aを有している。かかる開口11
0aを外側(図8で左側)から覆うようにして、フラン
ジ付き筐体状のユニットハウジング111が配置されて
いる。ユニットハウジング111は、本体111aと、
本体111aを筐体110にボルト112で固定するた
めのフランジ部111bと、中央開口111cと、中央
開口111c内に形成された隔壁111d、111eと
を有している。隔壁111d、111eは駆動軸117
の外周面に対し、数μm〜数10μmの微小間隙で対峙
している。
【0007】隔壁111d、111eに挟まれた中央開
口111c内の環状の空間(差圧室Sという)と、本体
111aの外周面とを半径方向に貫通する連通孔111
fが形成されており、それが外部に対して開口した面に
は継手113が取り付けられ、継手113に接続された
配管114,及び連通孔111fを介して、差圧室S
は、外部の排気ポンプP1と連通している。
【0008】大径となっている中央開口111cの端部
側(図8で左側)内周面にベアリングホルダ115が圧
入等で取り付けられている。ベアリングホルダ115内
には、一対のアンギュラ玉軸受116A、116Bが配
置されている。アンギュラ玉軸受116A、116B
は、ユニットハウジング111の中央開口111c及び
筐体110の開口110aを介して延在する駆動軸11
7を回転自在に支持している。
【0009】アンギュラ玉軸受116A、116Bの外
輪は、ベアリングホルダ115に取り付けられた外輪抑
え118により固定され、アンギュラ玉軸受116A、
116Bの内輪は、駆動軸117のネジ部117aに螺
合されたナット119によりスリーブ120を介して固
定されている。
【0010】図9において、プロセス室Pは、ゲートバ
ルブG1を介してターボ分子ポンプTMP1により吸引
可能に接続され、ターボ分子ポンプTMP1は、ロータ
リーポンプなどの排気ポンプP2に吸引可能に接続され
ている。ターボ分子ポンプTMP1と、排気ポンプP2
との間は、バルブG2を介したバイパス通路によりプロ
セス室Pと連通している。リーク測定装置Mは、プロセ
ス室Pに対して吸引可能に接続されたターボ分子ポンプ
TMP2と、ターボ分子ポンプTMP2に吸引可能に接
続された排気ポンプP3と、ヘリウムガス検出器Dとか
らなり、筺体110に設けられた配管接続部に接続され
てなる。リークチェック時には、排気ポンプP2を予め
作動させる。これはプロセス室P内の真空度をできるだ
け早く上げ、リークチェック可能な状態にするためであ
る。ターボ分子ポンプTMP1は作動させない。これ
は、リーク測定装置M側へ吸引させたい気体が、ターボ
分子ポンプTMP1及び排気ポンプP2を経由して排気
されてしまうのを防ぐためである。
【0011】例えば差動排気シール用配管接合部のリー
クチェックについて説明する。図9において、排気ポン
プP2を動作させて(ゲートバルブG1は閉じバルブG
2は開いた状態で)、プロセス室P内の真空度を上げ、
且つ図8に示す排気ポンプP1を動作させて差動排気シ
ールの機能を発揮させた上で、さらにリーク測定装置M
のターボ分子ポンプTMP2及び排気ポンプP3を動作
させ、図8の矢印Hで示す位置に、ヘリウムガスを吹き
付けると、継手113とユニットハウジング111の外
周面との間を密封するO−リング113aに漏れがある
場合、ヘリウムガスは、ここを介して継手113内に侵
入する。
【0012】ここで、侵入したヘリウムガスの一部は、
配管114を介して排気ポンプP1側に吸引されるが、
差圧室Sよりプロセス室Pの方が気圧が低いので、残り
のヘリウムガスは、駆動軸117の外周面と隔壁111
eの間の間隙を通過して、プロセス室P内に侵入する
(図8の実線)。そこで、リーク測定装置Mの排気ポン
プP3で、プロセス室P内の気体を吸引し、かかる気体
をヘリウムガス検出器Dで調べたときにヘリウムガスの
成分が検出されれば、リークがあったことが分かるので
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、差動排気シ
ールの機能を発揮させながらリークチェックを行うと、
O−リング113aに漏れがある場合、ここを介して継
手113内に侵入したヘリウムガスは、差動排気シール
用の排気ポンプP1側に流出してしまい、プロセス室P
側に流入するヘリウムガスは微量となる。しかし、プロ
セス室として、高い真空度を要求される場合では、この
ような微量であっても問題となり、検出する必要があ
る。ところが、更に図8で点線で示すように、継手11
3に向かって吹き付けられたヘリウムガスの一部は、軸
受116A、116Bを通過して、駆動軸117の外周
面を伝わってプロセス室P内に侵入する恐れがあり、か
かる場合、プロセス室p内の気体からヘリウムガスの成
分が検出されたとしても、いずれからの漏れか判別でき
ないという問題がある。
【0014】また、差動排気シール用配管接合部以外の
接合部のリークチェックにおいても、チェック箇所が差
動排気シールに近い場所の場合や、差動排気シールの性
能が比較的低い場合もリーク箇所の特定が困難になる場
合が多い。これらの場合も、図8に点線で示した経路で
プロセス室P内に侵入してくるヘリウムガスが相対的に
多くなり、チェック箇所からの侵入分かどうかの判別が
できなくなるためである。
【0015】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、リークチェックを精度良く行える差動排気
シールを備えた構造を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の差動排気シール
を備えた構造は、プロセス室に隣接して差動排気シール
を備えた構造(たとえば後述するユニットハウジング2
11,411)において、接合部(たとえば後述する継
手213,414とユニットハウジング211,411
との接合部)のリークチェックを行うときに、前記構造
の外部の気体が、前記接合部以外の場所(たとえば後述
する軸受216A、216B)から前記差動排気シール
のすきまに侵入することを阻止する遮蔽部材(たとえば
後述する遮蔽部材221,321)を取り付ける取り付
け面を有するので、前記取り付け面に前記遮蔽部材を取
り付けることで、前記接合部以外の場所から前記すきま
に外部の気体が侵入することが阻止されるため、精度の
よいリークチェックを行えることとなる。
【0017】更に、前記遮蔽部材は、前記構造内に配置
された軸受を介して、前記外部の気体が前記すきまに侵
入することを阻止するようになっており、前記軸受は真
空用グリースもしくは潤滑被膜により潤滑が行われる
と、外部から気体が前記軸受を介して、たとえばプロセ
ス室などに流入した場合でも、その雰囲気の汚染を抑制
できる。
【0018】又、前記軸受は駆動軸を回転自在に支持す
るようになっており、前記駆動軸は前記遮蔽部材を貫通
して外部に延在し、更に、前記駆動軸と前記構造とを密
封可能なシールユニットが設けられていると好ましい。
【0019】更に、前記シールユニットはO−リングを
有し、前記O−リングが接触する前記遮蔽部材の、少な
くとも前記O−リングと摺接する部位に、潤滑被膜処理
を施すと、前記O−リングの当接時における漏れを抑制
できるので好ましい。
【0020】又、前記潤滑被膜処理は、官能基付き含フ
ッ素重合体−フッ素油混合被膜を形成する処理であると
好ましい。
【0021】前記潤滑被膜処理においては、フッ素系真
空用グリース、特殊フッ素樹脂被膜、例えば金、銀等の
軟質金属被膜や、官能基を有する含フッ素重合体とフッ
素油との混合物からなる被膜(以下「官能基付き含フッ
素重合体−フッ素油混合被膜」ともいう)、等を用いる
ことができる。これらのうち、フッ素系真空用グリース
は摺動する部位に塗布すればよいので、処理が比較的容
易なことから低コストで済む。特殊フッ素樹脂被膜や軟
質金属被膜は、アウトガスの発生が極めて小さく抑えら
れるという利点がある。特殊フッ素樹脂被膜とは、ニッ
ケル系被膜を形成後、その表面を特殊処理し、さらにP
TFE(ポリテトラフルオロエチレン)被膜を施したも
のである。
【0022】官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合
被膜は、金属に対する親和性の高い官能基を有する含フ
ッ素重合体と、フッ素油(例えばPFPE(パーフルオ
ロポリエーテル))との混合物からなる潤滑膜であり、
極めて高い粘性を有するものである。官能基を有する含
フッ素重合体は官能基の働きで極めて強く金属表面に吸
着する。一方、フッ素油の分子も、たとえ一旦切り離さ
れてもすぐに再付着する性質があり、逸散し難い。官能
基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜は、このよう
な性質により、更にアウトガスの抑止も図れ、特殊フッ
素樹脂被膜や軟質金属と同等の高い性能を示し、発塵も
抑えられる。しかも、特殊フッ素樹脂被膜や金属被膜の
場合は、被膜処理に手間がかかるため処理コストが嵩む
のに対し、官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被
膜は、極めて容易に、かつ同時に大量の被処理物に対し
て被膜処理を行えるという特長もあり、したがって、処
理コストも低くて済む。
【0023】以上のように、本発明の用途からすれば、
官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜が最も優
れていると言えるが、それに限られるわけではない。官
能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜の被膜処理
方法は、フッ素系溶媒に数%程度に前記混合物を希釈し
た液体中に被処理物を浸漬し、その後乾燥するだけでよ
い。乾燥を速めるために適宜加熱してもよい。官能基を
有する含フッ素重合体やフッ素油は、例えばデュポン
社、モンテカチーニ社などより上市された各種のものが
ある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施の形態について説明する。図1は、第1の実施
の形態にかかる差動排気シールを備えた構造の断面図で
あり、図2は、第1の実施の形態にかかる差動排気シー
ルを備えた構造の斜視図であり、図3は、差動排気シー
ル用配管接合部のリークチェックを行うシステムの概略
構成図である。図1に一部で示す筐体210の内側(図
1で右側)はプロセス室Pとなっている。筐体210
は、その側面に開口210aを有している。かかる開口
210aを外側(図1で左側)から覆うようにして、フ
ランジ付き筐体状のユニットハウジング211が配置さ
れている。ユニットハウジング211は、本体211a
と、本体211aを筐体210にボルト212で固定す
るためのフランジ部211bと、中央開口211cと、
中央開口211c内に形成された隔壁211d、211
eとを有している。隔壁211d、211eは駆動軸2
17の外周面に対し、数μm〜数10μmの微小間隙で
対峙している。
【0025】隔壁211d、211eに挟まれた中央開
口211c内の環状の空間(差圧室Sという)と、本体
211aの外周面とを半径方向に貫通する連通孔211
fが形成されており、それが外部に対して開口した面に
は継手213が取り付けられ、継手213に接続された
配管214,及び連通孔211fを介して、差圧室S
は、リークチェック時以外は外部の排気ポンプP1と連
通している。
【0026】大径となっている中央開口211cの端部
側(図1で左側)内周面にベアリングホルダ215が圧
入等で取り付けられている。ベアリングホルダ215内
には、一対のアンギュラ玉軸受216A、216Bが配
置されている。アンギュラ玉軸受216A、216B
は、ユニットハウジング211の中央開口211c及び
筐体210の開口210aを介して延在する駆動軸21
7を回転自在に支持している。
【0027】アンギュラ玉軸受216A、216Bの外
輪は、ベアリングホルダ215に取り付けられた外輪抑
え218により固定され、アンギュラ玉軸受216A、
216Bの内輪は、駆動軸217のネジ部217aに螺
合されたナット219によりスリーブ220を介して固
定されている。
【0028】更に、図1において、ユニットハウジング
211の左端面は、取り付け面211hとなっており、
ここに遮蔽部材221が取り付け可能となっている。よ
り具体的には、図2に示すように、遮蔽部材221は、
中空円筒状の本体221aと、四角い板状のフランジ部
221bとを有しており、フランジ部221bには4つ
の貫通孔221cが形成されている。これに対応して、
ユニットハウジング211の取り付け面211hには、
ボルト孔211jが形成されている。各貫通孔221c
を貫通させたボルト222を、ボルト孔211jに螺合
させることで、遮蔽部材221のフランジ部221b
が、ユニットハウジング211の取り付け面211hに
取り付けられるようになっている。
【0029】又、図1に示すように、遮蔽部材221
(フランジ部221b)の、取り付け面211hに対向
する面には、ユニットハウジング211の開口211c
を取り巻くようにして周溝221dが形成されており、
周溝221d内にはO−リング223が配置され、遮蔽
部材221のフランジ部221bと、ユニットハウジン
グ211の取り付け面211hとの間を密封している。
ここで、取り付け面211hの周溝221dと対向する
部位、及び周溝221dの溝底、すなわちO−リングが
密着する部位は、シール性能をよくするため、O−リン
グが延在する方向に沿ったいわゆる引目加工面としてあ
る。
【0030】図3において、プロセス室Pは、ゲートバ
ルブG1を介してターボ分子ポンプTMP1により吸引
可能に接続され、ターボ分子ポンプTMP1は、ロータ
リーポンプなどの排気ポンプP2に吸引可能に接続され
ている。ターボ分子ポンプTMP1と、排気ポンプP2
との間は、バルブG2を介したバイパス通路によりプロ
セス室Pと連通している。リーク測定装置Mは、排気ポ
ンプP1の代わりに継手213(図1)に接続されるこ
とができ、差動排気シールの差圧室Sに対して吸引可能
に接続されたターボ分子ポンプTMP2と、ターボ分子
ポンプTMP2に吸引可能に接続された排気ポンプP3
と、ヘリウムガス検出器Dとからなる。リークチェック
時には、排気ポンプP2を予め作動させる。これはプロ
セス室P内の真空度をできるだけ早く上げ、リークチェ
ック可能な状態にするためである。なお、さらに迅速化
を図るため、遮蔽部材221と排気ポンプP2との間を
パイパス通路で接続可能な構成とし、リークチェックに
際してはこの通路を使用するようにしてもよい。あるい
は遮蔽部材211と、配管214とを、図3で示されて
いるバルブより気圧室S寄りの位置に接続可能な構成と
してもよい。これらのバイパス通路により、遮蔽部材2
11と差圧室Sとの間の密閉空間内のエアも迅速に排気
できる。
【0031】差動排気シール用配管接合部のリークチェ
ックについて説明する。リークチェックの前準備とし
て、遮蔽部材221をユニットハウジング211の取り
付け面211に対して取り付け、且つ排気ポンプP1を
リーク測定装置Mと置換することが必要である。図3に
おいて、排気ポンプP2を動作させて(ゲートバルブG
1は閉じバルブG2は開いた状態で)、プロセス室P内
の真空度を上げ、且つリーク測定装置Mのターボ分子ポ
ンプTMP2及び排気ポンプP3を動作させる。かかる
状態で、図1の矢印Hで示す位置に、ヘリウムガスを吹
き付けると、継手213とユニットハウジング211の
外周面との間を密封するO−リング213aに漏れがあ
る場合、ヘリウムガスは、ここを介して継手213内に
侵入する。
【0032】ここで、侵入したヘリウムガスの一部は、
配管214を介してリーク測定装置Mの排気ポンプP3
側に吸引されるので、かかる気体をヘリウムガス検出器
Dで調べたときにヘリウムガスの成分が検出されれば、
リークがあったことが分かるのである。又、かかる状態
では、軸受216A、216Bの外方は遮蔽部材221
によって密封されているので、従来技術のように、軸受
216A、216Bを介して、ヘリウムガスが内部に侵
入するのが抑制されるため、リークチェックに悪影響を
及ぼす恐れがない。又、筐体210とユニットハウジン
グ211との間のO−リング211gを介して、ヘリウ
ムガスが内部に侵入する恐れはあるが、かかる場合侵入
したヘリウムガスは、プロセス室P側に吸引されるた
め、リークチェックに悪影響を及ぼす恐れがない。プロ
セス室内の排気のためのポンプのうち、ターボ分子ポン
プTMP1を停止しているためプロセス室内の真空度は
差圧室S内に比べて低いのであるが、プロセス室Pと差
圧室Sとの間に隔壁211eがあり、隔壁211eと駆
動軸217との間は微小すきまとされているためであ
る。リークチェック後は、遮蔽部材221をユニットハ
ウジング211の取り付け面211から取り外し、駆動
軸217の軸端をモータの出力軸(不図示)に連結し、
且つリーク測定装置Mを排気ポンプP1と置換すること
で、通常の加工処理を行えるようになる。
【0033】なお、例えば筺体210とユニットハウジ
ング211との接合部のリークチェックを行う場合で
は、遮蔽部材221を取付けた状態でシステム構造とし
ては従来の図9と同様の構成とし、チェックを行いたい
部分にヘリウムガスを吹き付けることにより行うことが
できる。筺体210に設けられた他の接合部の場合も同
様である。
【0034】図4は、第2の実施の形態にかかる差動排
気シールを備えた構造の図1と同様な断面図である。本
実施の形態は、図1の実施の形態に対し遮蔽部材の構成
が異なっており、共通する構成については図1と同じ符
号を付すことで説明を省略する。
【0035】図1の構成では、リークチェック時に遮蔽
部材221をユニットハウジング211の取り付け面2
11hに取り付けなくてはならず、その手間がかかって
いた。又、駆動軸217の図1の左端は、通常の動作時
にはカップリングなどを介してモータなどの動力源に接
続されており、従ってリークチェック時には、これを切
り離す必要もあった。図4に示す実施の形態によれば、
かかる問題を解消できる。
【0036】具体的には、遮蔽部材321は、本体32
1aに開口321eを形成しており、ここから駆動軸2
17の端部を突出させている。駆動軸217の端部は、
カップリング324を介して、モータ(不図示)の出力
軸325に連結されている。図4に示すように、駆動軸
217の左端にはシールユニット330が取り付けられ
ている。なお、遮蔽部材321と排気ポンプP2、ある
いは遮蔽部材321と配管214とをバイパス通路で接
続可能としてもよい点も、第1の実施の形態と同様であ
る。
【0037】図5は、駆動軸217の端部周囲を拡大し
て示す図であり、図5(a)はシールユニット330の
シール非当接状態を示し、図5(b)はシール当接状態
を示すがハッチングは省略している。図5に示すよう
に、駆動軸217の外周の一部には、雄ネジ部217b
が形成されている。環状のホルダ331の内周には雌ネ
ジ部331aが形成されており、雌ネジ部331aを雄
ネジ部217bに螺合させることで、ホルダ331は駆
動軸217に、軸線方向位置決め可能に取り付けられて
いる。
【0038】ホルダ331は、図5で右側に外方に向か
うにつれ内径が縮小したテーパ孔(片ありみぞ)331
bを有しており、そのテーパ孔331b内に、駆動軸2
17を取り巻くようにしてO−リング332を配置して
いる。ホルダ331とO−リング332とで、シールユ
ニット330を構成する。
【0039】図5(b)において、部位A〜Dには、官
能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜を被覆して
いる。より具体的には、部位A(駆動軸217の雄ネジ
部217b)、部位B(シール用フランジ221のO−
リング332の当たり面)、部位C(駆動軸217のO
−リング332の当たる外周面)、部位D(テーパ孔3
31b内の底面)に被覆されている。被覆の方法は、ス
プレーやハケ塗りでも良いが、フッ素系の溶媒に官能基
を有する含フッ素重合体とフッ素油との混合物を数%に
希釈した液体中にホルダ331を浸漬し、その後取り出
して乾燥してもよい。
【0040】かかるシールユニット330の動作につい
て説明すると、通常の動作時は、シールユニット330
は、遮蔽部材321の端面から離隔した状態(図5
(a)に示すカップリング324に密着した状態)に維
持されるため、O−リング332は、遮蔽部材321に
対して摺接せず、O−リング332の損傷や駆動抵抗の
増大が生じることはない。一方、リークチェック時に
は、ホルダ331を駆動軸217に対して回転させるこ
とで軸線方向に螺動させ、O−リング332を遮蔽部材
321の端面に対して当接させる。それにより、遮蔽部
材321の開口321aを介して、リークチェック用の
ヘリウムガスが内部に侵入することがなく、リークチェ
ックの精度を向上させることができる。
【0041】ここで、官能基付き含フッ素重合体−フッ
素油混合被膜を被覆する必要度であるが、部位Aについ
ては、雄ネジ部217bとO−リング332との摺接が
厳しいので、被覆が最も必要である。部位Bについて
は、必ずしも被覆はなくても良いが、遮蔽部材321の
O−リング332と密着する部分は引目加工面(O−リ
ングを横断する方向の傷を消すために、O−リングの周
方向に細かいスジをつけた面)としてあるので、この引
目加工面との摺接で、O−リング332が傷つく可能性
があるので、被覆があった方が望ましい。部位Cについ
ては、雄ネジ部217bとの摺接と比べると厳しくない
ため、必ずしも被覆はなくても滑り性を確保できるが、
摺接は生じるので被覆があった方が望ましい。部位Dに
ついては、通常は摺接しないので、必ずしも被覆はなく
ても良いが、ホルダ331とO−リング332とが相対
回動する場合もないとはいえないので、被覆があった方
が好ましい。以上述べたように、被覆の優先度は、部位
A〜Dに順に低くなる。
【0042】図6は、第3の実施の形態にかかる差動排
気シールを備えた構造の図1と同様な断面図である。本
実施の形態は、図4の実施の形態に対し遮蔽部材の構成
が異なっており、共通する構成については図4と同じ符
号を付すことで説明を省略する。図6において、図1に
示す継手213の代わりに、別な継手414が設けられ
ている。第2の実施の形態の継手213では、フランジ
部で不図示のボルトにより固定するなどの必要があるた
め、この部分の断面積が大きくなるのに対し、継手41
4では接合部の断面積を小さくすることができるもので
ある。
【0043】図7は、継手414の周辺を拡大して示す
図である。図7において、ユニットハウジング411に
形成された管用雌ネジ部411aに、継手414の端部
である管用雄ネジ部414aが螺合されている。継手4
14は、フランジ414bを有し、フランジ414b
は、ユニットハウジング411の表面に対向した面に浅
い周溝414cを形成している。周溝414cと、それ
に対向するユニットハウジング411の壁面との間に、
O−リング414dが配置されている。
【0044】継手414は、ユニットハウジング411
に対して一度連結されれば、頻繁に脱着されるものでは
ないが、メンテナンス等のために脱着するとなると、周
溝414c及びそれに対向するユニットハウジング41
1の壁面と、O−リング414dとの間で周方向の摺接
が発生し(前者は必ずではないが、後者はネジ部の螺合
の際、必ず発生する)、O−リングが傷つく恐れもあ
る。又、周溝414cと、それに対向するユニットハウ
ジング411の壁面が、高精度の研磨面であったとして
も、O−リング414dにおける成形上生じる微小突起
(不図示)がO−リングのネジレにより変位して、周溝
414cや、それに対向するユニットハウジング411
の壁面に接触してリークを招く恐れがある。そこで、周
溝414cの摺接部位(図7でX)と、それに対向する
ユニットハウジング411の壁面の摺接部位(図7で
Y)に、官能基付き含フッ素重合体−フッ素油混合被膜
を被覆することで、摺接による傷付きやネジレを抑制し
て、気体漏れを抑制できる。
【0045】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。例えば、本発明は、駆動軸217が、
玉軸受216A、216Bでなく直動軸受で支持され、
駆動軸を軸方向にスライド可能な場合にも適用できる。
同様に、連結部材が微小すきまを介して開口を塞いだ状
態で、筺体の壁面に沿ってスライド可能とされた構成の
場合にも適用できる。さらに、軸受が筺体に固定された
場合だけでなく、大気側に別途、駆動軸ないし連結部材
を支持するような構成にも適用できる。さらにまた、本
発明は、部品単体についても適用可能である。例えば、
ユニットハウジング211単体のリークチェックを行う
場合は、遮蔽部材221の他に、筺体との接合面を遮蔽
する部材も用意し、O−リングを介してこれらで遮蔽し
た上で差動排気シール用ポンプP1の接続用の配管にリ
ーク測定装置Mを接続し、行うようにすればよい。ま
た、リークチェック用のガスとしてはヘリウムが好まし
いが、プロセス室内に本来、実質的に存在しないはずの
もので、かつ人体等に悪影響のない気体であれば他のも
のでもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明の差動排気シールを備えた構造
は、プロセス室に隣接して差動排気シールを備えた構造
において、従来チェックが困難であった前記差動排気シ
ールに連通する通路と、排気ポンプとの接合部の場合も
含め、前記構造の各部の接合部のリークチェックを行う
ときに、リークチェック用の気体が前記構造の外部から
前記通路に侵入することを阻止する遮蔽部材を取り付け
る取り付け面を有するので、前記取り付け面に前記遮蔽
部材を取り付けることで、チェックしたい前記接合部以
外の場所から前記差動排気シールのすきまに外部の気体
が侵入することが阻止されるため、精度のよいリークチ
ェックを行えることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる差動排気シールを備
えた構造の断面図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる差動排気シールを備
えた構造の斜視図である。
【図3】本実施の形態にかかる差動排気シール用配管接
合部のリークチェックを行うシステムの概略構成図であ
る。
【図4】第2の実施の形態にかかる差動排気シールを備
えた構造の図1と同様な断面図である。
【図5】駆動軸217の端部周囲を拡大して示す図であ
る。
【図6】第3の実施の形態にかかる差動排気シールを備
えた構造の図1と同様な断面図である。
【図7】継手414の周辺を拡大して示す図である。
【図8】従来技術にかかる差動排気シールを備えた構造
の断面図である。
【図9】従来技術による差動排気シール用配管接合部の
リークチェックを行うシステムの概略構成図である。
【符号の説明】
210 筐体 211,411 ユニットハウジング 217 駆動軸 330 シールユニット 414 継手

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセス室に隣接して差動排気シールを
    備え複数の接合部を有する構造において、前記複数の接
    合部のいずれかのリークチェックを行うときに、リーク
    チェック用の気体が前記構造の外部から前記差動排気シ
    ールのすきまに侵入することを阻止する遮蔽部材を取り
    付ける取り付け面を有することを特徴とする差動排気シ
    ールを備えた構造。
  2. 【請求項2】 前記遮蔽部材は、前記構造内に配置され
    た軸受を介して、前記外部の気体が、前記差動排気シー
    ルがシールすべきすきまに侵入することを阻止するよう
    になっており、前記軸受は真空用グリースもしくは潤滑
    被膜により潤滑が行われることを特徴とする請求項1に
    記載の差動排気シールを備えた構造。
  3. 【請求項3】 前記軸受は駆動軸を回転自在に支持する
    ようになっており、前記駆動軸は前記遮蔽部材を貫通し
    て外部に延在し、更に、前記駆動軸と前記構造とを密封
    可能なシールユニットが設けられていることを特徴とす
    る差動排気シールを備えた構造。
  4. 【請求項4】 前記シールユニットはO−リングを有
    し、前記O−リングが接触する前記遮蔽部材の、少なく
    とも前記O−リングと摺接する部位に、潤滑被膜処理を
    施したことを特徴とする請求項3に記載の差動排気シー
    ルを備えた構造。
  5. 【請求項5】 前記潤滑被膜処理は、官能基付き含フッ
    素重合体−フッ素油混合被膜を形成する処理であること
    を特徴とする請求項4に記載の差動排気シールを備えた
    構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017089388A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 トヨタ自動車株式会社 燃料配管構造

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