JP2003301388A - インクジェット捺染用積層体 - Google Patents

インクジェット捺染用積層体

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JP2003301388A
JP2003301388A JP2002106797A JP2002106797A JP2003301388A JP 2003301388 A JP2003301388 A JP 2003301388A JP 2002106797 A JP2002106797 A JP 2002106797A JP 2002106797 A JP2002106797 A JP 2002106797A JP 2003301388 A JP2003301388 A JP 2003301388A
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Hiroyasu Ichikawa
裕康 市川
Takeshi Sakura
武司 佐倉
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Upepo and Maji Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 布帛の裏表の吟味をすることなく表裏の取り
違え等のミスが生じない、布帛の搬送が容易であり、捺
染中に布帛の伸び、部分的にたるみやしわが発生したり
してしまうことのない、インクジェット捺染用布帛積層
体を提供する。 【解決手段】 インク受容層を表裏ともに付与した絹、
木綿、ポリエステル等の布帛のインクジェットプリント
(捺染)される面の反対面に、糊剤層を介して、紙とが
積層された破断伸度が30%以下で、厚さが500μm
以下の積層体で、長さが1m以上でロール上に巻かれた
インクジェット捺染用布帛積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンターで絵画や文字や写真等の画像を布帛にプリント
(捺染)し、従来の捺染方式では得られなかった写真等
の画像が鮮明にえられる布帛のための積層体に関するも
のであり、布帛専用のインクジェットプリンターでも紙
用のインクジェットプリンターでも使用可能なインクジ
ェット捺染用の布帛積層体に関するものであり、プリン
トする際に布帛の裏表の吟味をすることなくかつ表裏の
取り違え等のミスが生じないインクジェット捺染用の布
帛積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターを使用
して、布帛に絵画や文字や写真等の画像を捺染すること
が提案されている。今日、インクジェット捺染におい
て、滲みのない鮮明な画像を得るために、布帛上にイン
ク受容層を設けるいわゆる前処理方法や、インク自体の
改良が行われいる。例えば、布帛に水溶性高分子、水溶
性塩類、水不溶性無機微粒子から選ばれた非染着性の物
質よりなるインク保持層を形成し、該インク保持層に吐
出インクを吸収せしめ一時的に保持させることにより、
インクによる滲みを防止する布帛及びその染色方法、ゲ
ル化糊剤を配合したインクをゲル化剤で前処理した繊維
構造物に噴射するインクジェット染色方法等が提案され
ている。
【0003】しかし、これら従来技術は、いずれも布帛
(繊維材)専用のインクジェットプリンターのために使
用する布帛のプリントされる面の改良に関するものであ
り、布帛専用のインクジェットプリンターにおける布帛
の取り扱い上有意な改良がなされていないものであっ
た。さらに、紙用のインクジェットプリンターでも使用
可能な布帛についての考慮は全くされていないものであ
った。特に、布帛が500μm以下の薄い布帛について
のインクジェットプリンターを使用しての捺染における
実生産上の考慮がなされていないものであり、かかる薄
い布帛の場合には、単に布帛表面にインクジェットイン
クの受容層を設けただけではインクの受容において課題
が解決されても、布帛のたるみ、しわ、伸びによる不均
一捺染が生じ、すなわち意図する画像の再現が布帛上に
得ることが困難となり、インクの滲みがなく鮮明な画像
を得るという目的以前に、品質に優れた画像の捺染がで
きないという問題があった。
【0004】また、これら従来技術や先願技術の目的と
するところは、画像の滲み防止と、シャープな絵柄、及
び高濃度で鮮明な捺染物を得ることである。しかしなが
ら、従来の捺染法(スクリーン捺染)で得られた捺染物
と同程度の色濃度と鮮明性を得るには至っていない。さ
らにまた、布の厚さ方向に対する浸透が悪いために、色
の深みや、インクの付与量が多い場合の滲みが問題であ
る。それゆえ、捺染物の応用範囲が狭められている。ま
た、特開昭63-6183号広報には、伸縮性の無い平面支持
体、紙、フイルム、金属ホイルに布帛を粘着剤で接着し
たインクジェット捺染用編織物が開示されているが、実
生産上における積層されたものの厚さ、伸びが全く開示
されておらず、また布帛そのものの滲み対策についての
考慮も開示されていなく、実生産特に長尺連続のインク
ジェット捺染における滲みのない優れた画像の再現や巻
き取られたときの裏移りの問題と生産上における布帛
(積層体)の取扱性についての考慮がされていない。
【0005】具体的にいうと、薄い布帛にインクジェッ
ト染色方法を適用した場合、特に紙用のインクジェット
プリンターで薄い布帛にインクジェット染色方法を適用
した場合には、布帛をプリンターに装填することからし
て容易でなく、プリント中における布帛の搬送・走行も
困難であり布帛の伸びが生じたり、部分的にたるみやし
わが発生したりしてしまう。特に布帛の伸びは、精細な
画像を再現すべくなされるインクジェットプリントにお
いて致命的な欠陥を惹起するものであり、そのために布
帛の搬送における障害解消のため、特定装備をインクジ
ェットプリンターに配備することなどが採用されてい
る。さらに実生産上、長尺布帛を連続してプリント(捺
染)する場合には、捺染面に噴射されたインクが完全に
乾燥されないままに巻き取られるときに、非捺染布帛面
にインクが色移り(裏写り)してしまう問題も生じるこ
とになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
薄い布帛にインクジェット方式での捺染を適用した場合
にも、プリントする際に布帛の裏表の吟味をすることな
くかつ表裏の取り違え等のミスが生じないインクジェッ
ト捺染用の布帛を提供すること、さらに、インクジェッ
トプリンターへの装填が容易であり、プリント中におけ
る布帛の定常搬送が容易であり、捺染中に布帛の伸びが
生じたり、部分的にたるみやしわが発生したりしてしま
うことのない、インクジェット捺染用布帛であり、長尺
連続生産時の、非捺染面に色写りがせず、鮮明なプリン
ト画像を得ることができるインクジェット捺染用布帛を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、すなわち、インク受
容層を表裏ともに付与した布帛と、当該布帛のインクジ
ェットプリント(捺染)される面の反対面に、糊剤層を
介して、紙が積層された積層体であり、積層体の厚さが
500μm以下であることを特徴とするインクジェット
捺染用積層体であり、また積層体の破断伸度が30%以
下である前記のインクジェット捺染用積層体であり、さ
らにまた布帛が、絹、木綿、ポリエステル繊維の一種以
上を含む布帛であり、かつ長さが1m以上でロール上に
巻かれた前記のインクジェット捺染用積層体である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における布帛は、特に限定
されるものではないが、インク受容層を表裏ともに付与
した布帛であればよく、布帛としては、織編物(織物、
編物)、不織布、等を問わずあらゆる布帛組織を用いる
ことができるが、特に織編物が好ましい。布帛を構成す
る素材としては、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維、レー
ヨン等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半
合成繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成
繊維が採用されるが、中でも絹、木綿、ポリエステル繊
維の一種以上を含む布帛が好ましく適用されるものであ
る。ここで布帛は、幅が50cm以上であり、長さが1
m以上であるものが本発明における効果が顕著である。
さらにその実施形態として長さが1m以上でロール上に
巻かれたものが実用上好ましい形態である。布帛を構成
する繊度に関しては、特に限定されないが、繊度150
デニール以下の糸(構成単繊維でなく、糸条としての繊
度である)からなるものが好ましく、従来に比べ著しく
効果が大きくなり、衣料用としては、通常、20〜15
0デニールのものが好ましく適用・採用される。また、
布帛の厚さとしては、本発明の効果が顕著であるために
は、500μm以下が好ましいものであり、より好まし
いのは300μm以下である。
【0009】本発明の布帛は、インク受容層を施したも
のであり、かかるインク受容層を構成する主剤として
は、非染着性であって、水溶性または水分散性の高分子
化合物が好ましく、これらの高分子化合物としては、例
えばポリ酢酸ビニル、ポリメタクリレート、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルアルコール等の水溶性合成高分
子、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルス
ターチ、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーン
ガム、その他の澱粉、加工澱粉、アルギン酸ソーダ等が
挙げられる。そして、これらの中から選ばれた1種又は
2種以上がものが使用される。なお、用いられる布帛あ
るいは用いられるインクによって、最適のものが選択さ
れる。
【0010】これらの高分子化合物のうち、アルギン酸
ソーダ、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアル
コール等が特に好ましく適用される。インク受容層に
は、上記高分子化合物以外に、抗還元剤、抗酸化剤、撥
水剤、固着助剤、固着反応剤、固着促進剤等が必要に応
じて適宜添加される。抗還元剤としては、メタニトロベ
ンゼンスルホン酸ソーダ等が挙げられ適宜選択して用い
られる。撥水剤としては、疎水性物質であって、水をは
じく性質を有するものであればいかなる物質でもよい。
例えば、フッ素系化合物、シリコン系化合物、ワックス
類、ロウ類、トリアジン系化合物、ロジン系紙用サイズ
剤、あるいはこれらの混合物が挙げられる。なかでも、
フッ素系化合物、ワックス類、ロジン系紙用サイズ剤等
の撥水剤が滲み防止、濃度向上の点において特に好まし
い。固着助剤としては、ぼう硝、食塩、塩化カルシウム
とうの中性塩等が挙げられ適宜選択して用いられる。固
着反応剤としては、酢酸、硫酸アンモニウム等の酸性
物、又は炭酸ソーダ、水酸化ナトリウム等のアルカリ物
等が挙げられ適宜選択して用いられる。固着促進剤とし
ては、尿素、チオ尿素、ポリエチレングリコール等のヒ
ドロトロープ剤、クロルベンゼン、安息香酸等のキャリ
ア剤等が挙げられ適宜選択して用いられる。そして、こ
れら各添加剤は、例示する中から選ばれた1種又は2種
以上がものが使用されるものである。
【0011】また、布帛と積層される紙は、特に限定さ
れるものではないが、天然パルプ材主体の紙、ポリエス
テルやポリスチレン等のフイルムを主体とす所謂合成紙
が例示できるが、布帛の伸度や初期弾性率と大きく異な
る伸度や初期弾性率を保有したものが好ましく、少なく
とも破断伸度が30%以下のものが好ましく適用され
る。また、これらの紙は、厚さが布帛と同様に薄いもの
が好ましく、200μm以下が好ましいものであり、よ
り好ましいのは100μm以下である。積層体の厚さと
して500μm以下が好ましいものであり、より好まし
いのは400μm以下であり、500μmを越える場合
は本発明の効果が薄れ、特に積層体を形成しなくてもイ
ンクジェット捺染が実施できる場合が出てくる。これら
の紙は、インクジェットプリントにおける捺染に特に障
害がない限り、特定充填材添加、色付け、コーティン
グ、貼り合わせ等の処理を施したものであってもよく、
例えば、用途により、布帛積層面と反対の面に撥水剤コ
ーティング、インクや水の高吸収剤層コーティングを施
してもよいものであるが、好ましくはインクや水の高吸
収剤層コーティングを施したものである。好ましい積層
体の構成例は上から、インク受容層/布帛(表裏面以外
にもインク受容層を保有する)/インク受容層/糊剤層
/紙/高吸収剤層が挙げられる。
【0012】インクや水の高吸収剤層の主材として使用
される高吸収性ポリマーは、たとえばデンプンまたはセ
ルロース(a)と、カルボキシル基もしくはスルホン酸
基を含有する水溶性単量体および加水分解により水溶性
となる単量体から選ばれる単量体(以下、水溶性単量体
と記す)(b)と、架橋剤(c)とを必須成分として重
合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる
高吸水性樹脂が挙げられる。さらに、市販の高吸水性樹
脂がいずれも使用できるが、例えば澱粉系、蛋白質系、
セルロース系、合成ポリマー系などの水溶性ポリマーを
グラフト重合又は部分架橋したもので、自重の10〜1
000倍程度の水を吸水保持する能力のあるものを使用
するのが好ましい。本発明における、インク受容層を表
裏ともに付与した布帛と、当該布帛のインクジェットプ
リント(捺染)される面の反対面に、糊剤層を介して、
紙とが積層された積層体は、本発明の目的からして、積
層体の破断伸度が30%以下でなければならない。破断
伸度が30%を越える場合は、インクジェットプリンタ
ーにおけるプリント時特に連続長尺プリント時に、プリ
ントされる積層体が伸びのためにたるみやしわが発生し
やすく、プリントされる画像に乱れが生じることとな
る。この本発明における積層体の伸度は好ましくは20
%以下、さらに好ましくは、10%以下である。破断伸
度の測定は、積層体を幅15mm長さ150mmに裁断
し20℃(60%RH)で24時間以上保存した測定サ
ンプルを、20℃(60%RH)雰囲気下において、強
伸度試験機で実施する。
【0013】本発明における、布帛と紙とを積層する糊
剤層を構成する材は、水溶性または非水溶性あってもよ
く、布帛捺染の完了後に容易に剥離可能なものであれば
よいものであり、ポリビニルアルコール系接着性剤、ア
クリル系接着性剤、ポリエステル系接着性剤、ウレタン
系接着性剤、塩化ビニル系接着性剤等や澱粉糊、ふ糊等
が適宜選択使用できる。これらの、積層用糊剤は、上記
したインク受容層を構成する主剤が同時に糊剤として兼
用されていてもよいものである。布帛素材に対し、イン
ク受容層を構成する主剤としての非染着性であって、水
溶性または水分散性の高分子化合物が付与されるが、こ
の高分子化合物の布帛への付与量が0.5%未満では布
帛上のインクの受容とインク滲みを抑える効果を発揮し
得ず、30重量%を越えると効果は飽和するばかりでな
く発色効率を低下させるという問題がある。
【0014】本発明におけるインクジェット捺染とは、
染料等を含んだインクを、インクジェットプリンターを
使って予め調整され、記憶された情報に基づいて、プリ
ンターのノズルより布帛面に対して吐出してプリント
(印捺)することであり、代表的な方法としては圧力パ
ルス型、加圧振動型、静電加速型等があり、そのいずれ
の方式も採用できる。得られたプリント物は、スチーミ
ング等により色素を発色固着する湿熱処理や乾熱処理が
行なわれる。また、染料が布帛に固着した後、未固着の
染料、薬品、助剤、糊料を完全に洗い落とす洗浄処理が
行われる。洗浄工程を通すことにより色相、鮮明度、堅
牢性、生地の風合い等をより完全なものとすることがで
きる。積層された紙の剥離は、染料の布帛への固着の前
後で任意に実施できる。
【0015】染料における好ましい具体例として反応染
料としてはC.I.リアクティブイエロー2、15、3
7、76、95、168、175;C.I.リアクティ
ブレッド21、22、24、33、111、112、1
14、180、218、226、228、235;C.
I.リアクティブブルー15、19、21、38、7
2、77、176、203、220、230、235;
C.I.リアクティブオレンジ5、12、13、35、
95;C.I.リアクティブブラウン7、11、33、
37、46;C.I.リアクティブグリーン8、1
9、;C.I.リアクティブバイオレット2、6、2
2;C.I.リアクティブブラック5、8、31、39
等が挙げられる。
【0016】酸性染料、直接染料としてはC.I.アシ
ッドイエロー1、7、11、17、23、25、36、
38、72、110、127;C.I.アシッドレッド
1、27、35、37、57、114、138、25
4、257、274;C.I.アシッドブルー7、9、
62、83、90、112、185;C.I.アシッド
ブラック26、107、109、155;C.I.アシ
ッドオレンジ56、67、149;;C.I.ダイレク
トイエロー12、44、50、86、106、142;
C.I.ダイレクトレッド79、80;C.I.ダイレ
クトブルー86、106、189、199;C.I.ダ
イレクトブラック17、19、22、51、154、1
68、173;C.I.ダイレクトオレンジ26、39
等が挙げられる。
【0017】分散染料としてはC.I.ディスパースイ
エロー3、5、7、33、60、64、79、104、
160、163、237;C.I.ディスパースレッド
1、60、135、145、146、191;C.I.
ディスパースブルー56、60、73、143、15
8、198、354、365、366;C.I.ディス
パースブラック1、10;C.I.ディスパースオレン
ジ30、73、テラプリントレッド3GNリキッド、テ
ラプリントブラック2R等が挙げられる。これらの染料
の使用量(固形分)としてはインク全量に対して1〜3
0重量%の範囲が好ましい。
【0018】また染料とともに用いる水性媒体としては
一般的なものが使用でき、好ましくはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール等の低級アルキレングリコール
類;エチレグリコールメチル(またはエチル、プロピ
ル、ブチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル
(またはエチル、プロピル、ブチル)エーテル、ジプロ
ピレングリコールメチル(またはエチル、プロピル、ブ
チル)エーテル、トリプロピレングリコールメチル(ま
たはエチル、プロピル、ブチル)エーテル等のアルキレ
ングリコールの低級アルキルエーテル類;ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキ
レングリコール類、およびこれらのモノ、ジアルキルエ
ーテルに代表される水酸基の1あるいは2個が修飾され
たもの;グリセリン、チオジエチレングリコール、スル
ホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げ
られる。これらの水性媒体のインク全量に対する含有量
は通常は0〜50重量%が好ましい。また、水性インク
の場合、主成分である水はインク全重量に対して30〜
95重量%の範囲が好ましい。
【0019】本発明で用いるインクジェットプリント用
インクの構成成分としては、染料、水、水溶性有機溶
剤、pH調整剤、防黴剤、界面活性剤、分散剤、水溶性
樹脂等が適宜用いられる。水溶性有機溶剤の例として
は、グリコール類、グリコールエーテル類、含窒素溶
剤、アルコール等である。界面活性剤の例としては、ノ
ニオン、アニオン、カチオン、両性、のいずれの活性剤
も使用可能であり目的に応じて使い分ける。この他、尿
素のごときヒドロトロープ剤等も用いられる。分散染料
を含むインクには分散剤が必須であり、その具体例とし
てはリグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物や、ポリオキシエチレンモノフェニルエー
テル等が挙げられる。
【0020】
【実施例】*実施例1 ポリエステルフィラメント単繊維デニール2d使用で繊
度28d糸条を用いての厚さ200μmの100%織物
で表裏で光沢の異なる布帛を用意し、この布帛を、イン
ク受容層形成原液である、カルボキシメチルセルローズ
1.25部(重量部、以下同じ)、フッ素系撥水剤0.
8部、炭酸ソーダ0.5部、尿素0.7部、水96、7
5部からなる水分散液に一夜浸漬し、絞って65重量%
付与量にし、さらに150℃×3分で乾燥し、布帛両面
にインク受容層を形成した。この得られた布帛の光沢の
少ない方の面を、予め片面に溶融性接着剤を塗布し他面
に高吸水製樹脂(澱粉のアクリル酸グラフト重合体−の
4%水溶液)と炭酸ナトリウム(反応固着剤)からなる
高吸収剤層を設けた厚さ40μmの紙の接着剤層面に重
ね、150℃で熱圧着して厚さ240μmの、長さ50
mのロール巻きした、破断伸度が5%以下の積層体(S
1)を得た。別に分散染料(イエロー:C.I.ディス
パーズ・イエロー79,マゼンタ:C.I.ディスパー
ズ・レッド135,シアン:C.I.ディスパーズ・ブ
ルー143,ブラック:C.I.ディスパーズ・ブラッ
ク1を各色で使用)を各15重量部と、グリセリン8重
量部、水65重量部、燐酸二水素一ナトリウム2.0重
量部、燐酸一水素二ナトリウム2.0重量部、塩化イソ
チアゾロン2.0重量部、ポリオキシアルキレンエーテ
ル硫酸エステル2.0重量部からなる4色のインクを用
意し、このインクをインクジェットプリンター(紙用プ
リンター)に搭載し、所定フルカラー画像の連続プリン
トを上記積層体(S1)の紙積層面とは反対の面に実施
し長さ5mの長尺プリント物を巻き取った。得られた長
尺プリント物の紙を剥離し、100℃で18分間スチー
ミングを行い、染料固着を行い、20℃の水で洗浄し、
90℃の温度でソーピング洗浄し、さらに20℃の水で
洗浄し、捺染布帛以外のものを全て除去し、後100℃
で20分間乾燥し、長尺インクジェット捺染布帛を得
た。捺染布帛の評価は、得られた捺染布帛を肉眼で判定
した。5mの長さの全てにおいて、布帛のしわやたるみ
による画像の乱れ、色汚染が全く無く、滲みも全く見ら
れず、巻き取りによる布帛への色移りも全くなかった。
【0021】*比較例1 布帛にインク受容層を全く付与し無いこと以外は、実施
例1におけると同様にして、インクジェットプリンター
で所定フルカラー画像の連続プリントを紙積層面とは反
対の面に実施し長さ5mの長尺プリント物を得た。捺染
布帛は5mの長さの全てにおいて、布帛のしわやたるみ
がによる画像の乱れは無かったが、色汚染や滲みが多く
見られた。さらに、紙を積層しないこと以外は、実施例
1におけると同様にして、インクジェットプリンターで
所定フルカラー画像の連続プリントを実施し長さ5mの
長尺プリント物を得た。プリントがスムースに行えずか
つ捺染布帛は5mの長さの多数箇所において、布帛のし
わやたるみによる画像の乱れが見られた。
【0022】*実施例2 平均太さ24dの絹繊維からなる緯糸、平均太さ22d
の絹糸からなる経糸を使用し、絹100%の厚さ150
μm織布を使用し、この織布を炭酸水素ナトリウム3%
(重量%、以下同じ)、尿素2%及びアルギン酸ナトリ
ウム5%の水溶液に浸し、絞り率60%で脱水後乾燥し
て、該平織布の両面にインク受容層を形成した。この得
られた布帛の光沢度の大きい方の面を、予め片面に溶融
性接着剤を塗布した厚さ30μmの紙の接着剤層面に重
ね、120℃で熱圧着して厚さ180μmの、長さ50
mのロール巻きした、破断伸度8%以下の積層体(S
2)を得た。上記の様にして得られた積層体(S2)
に、下記インクジェット捺染インク《C》、《M》、
《Y》、《K》をインクジェットプリンターに搭載し、
積層体(S2)の光沢の小さい面上に所定画像(風景写
真)をプリント(印刷)し、5mの長尺プリント物を得
た。長尺プリント物の紙を剥離し、飽和蒸気100℃に
て60分間蒸熱処理し染料定着処理を行った。定着処理
後、15℃の流水で5分間洗浄し、次いで中性石鹸入り
90℃の温水で浴比1:50で10分間洗浄し、ついで
15℃の流水で5分間洗浄し、100℃で2分間、乾燥
して実施例2の長尺インクジェット捺染布帛を得た。捺
染布帛の評価は、得られた捺染布帛を肉眼で判定した。
5mの長さの全てにおいて、布帛のしわやたるみによる
画像の乱れ、色汚染が全く無く、滲みも全く見られなか
った。反応染料(C.I.リアクティブイエロ−9
5)、グリセリン、ジエチレングリコール、リグニンス
ルフォン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、水の全
成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8.4
に調整し、2時間撹拌した後、フィルターにて濾過し、
インクジェット捺染インク《Y》を得た。反応染料
(C.I.リアクティブレッド226)、グリセリン、
エチレングリコール、リグニンスルフォン酸ナトリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、水の全成分を混合し、混合
液を水酸化ナトリウムでpH8.2に調整し、2時間撹
拌した後、フィルターにて濾過し、インクジェット捺染
インク《M》を得た。反応染料(C.I.リアクティブ
ブル−15)、グリセリン、エチレングリコール、リグ
ニンスルフォン酸ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、
水の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH
8.3に調整し、2時間撹拌した後、フィルターにて濾
過し、インクジェット捺染インク《C》を得た。反応染
料(C.I.リアクティブブラウン11)、グリセリ
ン、エチレングリコール、リグニンスルフォン酸ナトリ
ウム、燐酸二水素ナトリウム、水の全成分を混合し、混
合液を水酸化ナトリウムでpH8.0に調整し、2時間
撹拌した後、フィルターにて濾過し、インクジェット捺
染インク《K》を得た。
【0023】*実施例3 布帛として綿平織物を常法にて毛焼、糊抜、精練、漂
白、シルケットの処理を行い、厚さ180μmのものを
用いた。該平織物に、カルボキシメチルセルロース7g
/ l、水溶性アクリル系樹脂(固型分28%)2g/
l、フッ素系撥水剤(固型分15%)0.5g/ l、炭
酸水素ナトリウム(反応固着剤)30g/ l、尿素(ヒ
ドロトロープ剤)20g/l及び残部を水で調整した処
理液をパッディング処理し、マングルで絞り率60%に
絞った後、120℃、2分乾燥し、該平織物にインク受
容層を両面に形成した。この得られた平織物を、予め片
面に溶融性接着剤を塗布した厚さ30μmの紙の接着剤
層面に重ね、130℃で熱圧着して厚さ210μmの、
長さ50mのロール巻きした、破断伸度8%以下の積層
体(S3)を得た。このようにして得た積層体(S3)
に、反応染料のマジェンタ染料を150g/ l、尿素
(ヒドロトロープ剤)30g/ l、燐酸一水素二ナトリ
ウムと燐酸二水素一ナトリウム(pH緩衝剤)をともに
15g/ l、残部を水で調整したインクをインクジェッ
トプリンターに搭載し、1440ドット/インチの連続
プリントで、布帛の横方向に5cm幅で印捺部と無印捺
部が交互になるようにストライプ模様を5m長さで形成
するように行い、長尺プリント物を得て、紙を剥離し、
飽和蒸気102℃にて30分間蒸熱処理し定着処理を行
った。定着処理後、まず15℃の流水で5分間洗浄し、
次いで中性石鹸入り85℃の温水で浴比1:50で20
分間洗浄し、ついで15℃の流水で15分間洗浄し、乾
燥して実施例3の5m長尺捺染布帛を得た。捺染布帛の
評価は、得られた捺染布帛を肉眼で判定した。5mの長
さの全てにおいて、布帛のしわやたるみによるストライ
プ画像の乱れ、色汚染が全く無く、滲みも全く見られな
かった。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット捺染用布帛(積層体)を使用してのインクジェッ
ト捺染することによって得られる捺染布帛は、長尺印捺
によるプリント時に布帛のたるみやしわが発生せず、生
産上極めて取扱易く、かつ滲みがなく鮮明でかつ高濃度
に、高画質の捺染物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA05 FB03 FC06 4H057 AA01 GA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク受容層を表裏ともに付与した布帛
    と、当該布帛のインクジェットプリント(捺染)される
    面の反対面に、糊剤層を介して、紙とが積層された積層
    体であり、積層体の厚さが500μm以下であることを
    特徴とするインクジェット捺染用積層体。
  2. 【請求項2】 積層体の破断伸度が30%以下である請
    求項1記載のインクジェット捺染用積層体。
  3. 【請求項3】 布帛が、絹、木綿、ポリエステル繊維の
    一種以上を含む布帛であり、かつ長さが1m以上でロー
    ル上に巻かれた請求項1、2記載のインクジェット捺染
    用積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006214030A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Seiko Epson Corp インクジェット捺染用の定着促進組成物、インクジェット捺染セット、及びインクジェット捺染方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006214030A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Seiko Epson Corp インクジェット捺染用の定着促進組成物、インクジェット捺染セット、及びインクジェット捺染方法
JP4710337B2 (ja) * 2005-02-03 2011-06-29 セイコーエプソン株式会社 インクジェット捺染用の定着促進組成物、インクジェット捺染セット、及びインクジェット捺染方法

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