JP2003301362A - コラーゲン不織布、その製造方法および装置 - Google Patents

コラーゲン不織布、その製造方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来方法で得られるコラーゲン不織布は、部分
的に強度が弱い部分が発生したり、均一な厚みを持った
不織布が得られない等の問題があった。また、従来の製
造工程は、煩雑な作業が必要であり、実験室レベルの製
造は出来たとしても、工業的生産は困難であった。本発
明はコラーゲンが均一に分散された不織布の簡便な製造
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】可溶化されたコラーゲン溶液を紡糸原液と
して紡糸されたコラーゲン糸状物を複数本平行に配列さ
れた第1の層に、同様のコラーゲン糸状物が複数本平行
に配列された第2の層が、該第1の層の糸状物の配列方
向と該第2の層の糸状物の配列方向とが角度をなすよう
に積層され、相互に接着しているコラーゲン不織布、そ
の製造方法および装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性物質である
コラーゲンからなる不織布に関する。詳細には手術時に
おける止血用メッシュや、各種補填材、補綴材、または
再生医療における移植用細胞培養基材、あるいは徐放性
DDS担体、遺伝子治療用担体などの用途に利用可能
な、医療用コラーゲン不織布、その製造方法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】種々に処理され調製された形態の医療用
コラーゲン材料が、外科的処置並びに外傷の治療に有用
である。コラーゲンは生体を構成する主要なタンパク質
であり、生体適合性、組織再生、細胞増殖、止血作用等
の優れた効果を持ち合わせている為に、特に医療分野に
おいて有用な素材である。これらのコラーゲンを用いた
医療用材料器具の製造においては、動物や人の組織を直
接処理して、組織の形状を維持したまま、主にコラーゲ
ン質のみをそのまま利用したり、さらにこれを後加工す
る場合もあるが、これらは使い勝手の良い医療用具の形
状や剤形として、任意に加工する事が難しい上、コラー
ゲンの抗原性発現部位がそのまま残された状態である為
に問題があった。そこで、医療用材料器具に使用するコ
ラーゲンは、主として原料である動物から、酸、アルカ
リ、中性等の条件下で酵素などにより抽出し、粘調なコ
ラーゲン溶液またはこの溶液を乾燥させた固体の状態と
して得る方法が一般的に用いられるようになった。また
更に、ペプシン処理を施すことによって抗原性発現部位
を除去し、体内または体表面に移植した際に抗原性が無
い、より医療基材に好適なコラーゲン(アテロコラーゲ
ン)を得る方法も用いられている。
【0003】このようにして得られたコラーゲン溶液か
ら、医療用基材を製造する方法としては、コラーゲン溶
液を凍結乾燥して、スポンジ状の基材を製造する方法
や、コラーゲン溶液を湿式または乾式紡糸法で紡糸し、
繊維状の基材を製造する方法などが種々の方法が知られ
ている。特開昭50−14119号公報には、コラーゲ
ン物質をアミン類、アルカリおよび硫酸ソーダを使用す
る方法により分子状に水中に可溶化し得たコラーゲン水
溶液を紡糸原液として紡糸コラーゲン繊維を生成し、ス
テープル長に切断して耐水処理するかまたは耐水処理し
てから切断してコラーゲン繊維ステープルとし、次いで
乾式法または湿式法により不織布状に形成することを特
徴とする、外科用創傷被覆材の製造方法が記載される。
特公昭54−36441号公報には、イオン化性、水不
溶性のコラーゲンの部分塩である凝血−接着性繊維を、
95〜80容量部の水混和性有機液体と5〜20容量部
の水からなる混合物中にランダムに縦横に移動させつつ
エタノール槽底部に沈降させ(スラリー化)し、この繊
維を広げてウェッブを製造し、このウェッブを乾燥す
る、コラーゲン不織布の製造方法が記載される。特開2
000−93497、特開2000−210376及び
特開2000−271207には、コラーゲン水溶液を
エタノール等の親水性有機溶媒中に吐出し、コラーゲン
を糸状に成形し、槽底部に沈降しスラリー化したコラー
ゲンを取り出して、コラーゲン糸の積層構造物を作製す
る方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来方法で得られるコ
ラーゲン不織布は、コラーゲン繊維ステープルや親水性
有機溶媒中へのコラーゲン吐出物の分散を均一にするこ
とは実質的に不可能であるため、部分的に強度が弱い部
分が発生したり、均一な厚みを持った不織布が得られな
い等の問題があった。また、従来の製造法では、一旦コ
ラーゲンの糸状物をステープル状に切断したり、スラリ
ー化したコラーゲンを取り出す等の煩雑な作業が必要で
あり、実験室レベルの製造は出来たとしても、工業的生
産は困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
に鑑みてなされたものであり、コラーゲンが均一に分散
された不織布、その簡便な製造方法および製造装置を提
供する。
【0006】すなわち、本発明は、(1)可溶化された
コラーゲン溶液を紡糸原液として紡糸されたコラーゲン
糸状物を複数本平行に配列されてなる第1の層と第2の
層が、第1の層と第2の層との糸状物の配列方向が角度
をなすように積層し、相互に接着していることを特徴と
する、コラーゲン不織布、(2)第1の層または第2の
層の上に、さらにコラーゲン糸状物が複数本平行に配列
された第3の層が、第3の層の糸状物の配列方向と接す
る層の糸状物の配列方向とが角度をなすように積層し、
相互に接着している、上記(1)のコラーゲン不織布、
(3)コラーゲン糸状物が接着性を有する、上記(1)
記載のコラーゲン不織布、(4)平行に配列したコラー
ゲン糸状物の糸と糸との間隔が約0〜40mmである、
上記(1)記載のコラーゲン不織布、(5)平行に配列
したコラーゲン糸状物のなす鋭角の角度が約0〜5°で
ある、上記(1)記載のコラーゲン不織布、(6)コラ
ーゲン糸状物の表面が生分解性物質でコーティングされ
た、上記(1)記載のコラーゲン不織布、(7)生分解
性物質がコラーゲンである、上記(1)記載のコラーゲ
ン不織布、(8)上記(1)記載のコラーゲン不織布の
層の糸状物が互いに絡みあってなるフェルト状成形物、
(9)一定の回転軸のもとに回転する板状部材に、可溶
化されたコラーゲン溶液を紡糸原液として紡糸されたコ
ラーゲン糸状物を平行に巻き取り層(第1の層)を形成
させ、該層を形成する糸状物の配列方向と角度をなすよ
うにコラーゲン糸状物を平行に巻き取り、さらに層(第
2の層)を形成させることを特徴とする、コラーゲン不
織布の製造方法、(10)第1の層を形成させ、ついで
板状部材の回転軸を変え、さらに第2の層を形成させ
る、上記(9)記載のコラーゲン不織布の製造方法、
(11)層を形成する糸状物の配列方向と鋭角の角度が
約20°以下となるようにコラーゲン糸状物を巻き取
り、ついで板状部材の回転軸を変え、巻き取った糸状物
の配列方向と鋭角の角度が約70〜90°となるように
コラーゲン糸状物をさらに巻き取る、上記(9)記載の
コラーゲン不織布の製造方法、(12)層を形成する糸
状物の配列方向が互いに角度をなすように第2の層を形
成させた、生分解性物質の溶液に浸漬し、乾燥する、上
記(9)記載のコラーゲン不織布の製造方法、(13)
第2の層を形成させた後、各層の糸状物同士を絡ませ、
フェルト状に成形する、上記(9)記載のコラーゲン不
織布の製造方法、(14)可溶化されたコラーゲン溶
液を紡糸原液として紡糸されたコラーゲン糸状物が巻き
取られる部分である板状部材、該板状部材に連結され
た内軸、該内軸を収容可能な内腔を有し、先端が斜め
の切り口を有する円筒状の外軸、外軸および内軸を回
転させる為の駆動機構、および該駆動機構を制御し、
外軸および内軸各々の回転を制御する制御機構を有し、
板状部材が、内軸との連結部を軸にして板状部材の面に
対して水平方向に回動可能であり、かつ外軸の内部に内
軸が収容され、外軸の先端の切り口が板状部材の縁部に
接した構造を有することによって、自動的に板状部材を
方向転換し、コラーゲン糸状物を板状部材の複数方向に
巻き取る機能を有することを特徴とする、コラーゲン不
織布の製造装置、および(15)さらに、コラーゲン糸
状物を板状部材の回転軸方向に往復移動させながら送り
出す、糸送り機構を有する、上記(14)記載のコラー
ゲン不織布の製造装置に関する。
【0007】可溶化されたコラーゲンとは、溶媒に溶解
できるよう処理が施されたコラーゲンである。例えば、
酸可溶化コラーゲン、アルカリ可溶化コラーゲン、酵素
可溶化コラーゲン、中性可溶化コラーゲン等の可溶化コ
ラーゲンが挙げられる。特に可溶化処理と同時にコラー
ゲンの抗原決定基であるテロペプタイドの除去処理が施
されている、アテロコラーゲンが好適である。これらコ
ラーゲンの可溶化方法については、特公昭46−150
03号公報、特公昭43−259839号公報、特公昭
43−27513号公報等に記載されている。またコラ
ーゲンの由来については、ウシ、ブタ、鳥類、魚類、ウ
サギ、ヒツジ、ネズミ、ヒト等の動物種の皮膚、腱、
骨、軟骨、臓器等から抽出されるものである。コラーゲ
ンのタイプとしてはI型、III型等の分類可能なタイプ
のうちいずれかに限定されるものではないが、取り扱い
上の観点から、I型が特に好適である。
【0008】可溶化されたコラーゲン溶液の溶媒として
はコラーゲンを可溶化できるものであれば特に限定され
ない。代表的なものとしては塩酸、酢酸、硝酸等の希酸
溶液や、エタノール、メタノール、アセトン等の親水性
有機溶媒と水との混合液、水などが挙げられる。これら
は単独または2種以上任意の割合で混合して用いても良
い。このうち最も好ましくは水である。また、コラーゲ
ン溶液のコラーゲン濃度は、紡糸可能な濃度であれば特
に限定されないが、好ましくは、約4〜10重量%であ
り、さらに好ましくは、約5〜7重量%である。
【0009】可溶化されたコラーゲン溶液を紡糸原液と
して紡糸されるとは、コラーゲン溶液を原料として湿式
紡糸等の種々公知の紡糸方法(特開平06−22850
5号公報、特開平06−228506号公報、特開20
00−93497号公報、特開2000−210376
号公報及び特開2000−271207号公報等)によ
り紡糸されることである。コラーゲン糸状物は、通常の
糸のように柔軟性を有する巻き取り可能なものであれば
その径は特に限定はされないが、約5μm〜1.5mm
程度の外径を有するものが好適で、更に約10〜200
μm程度の外径を有するものが最適である。コラーゲン
糸状物が湿式紡糸法により紡糸される場合、本発明で用
いるコラーゲン糸状物は、湿式紡糸法において生成され
た乾燥前(湿潤状態にある)の糸状物であってもよく、
紡糸後に乾燥、架橋処理等を施した糸状物であってもよ
い。
【0010】本発明で用いられるコラーゲン糸状物を作
製するための湿式紡糸法としては、親水性有機溶媒を使
用する方法、架橋剤を使用する方法など様々な方法が挙
げられる。中でも特に親水性有機溶媒を用いて紡糸され
たコラーゲン糸状物が好適に用いられる。親水性有機溶
媒を用いて湿式紡糸を行う場合、通常、コラーゲン溶液
をノズル等から連続的に親水性有機溶媒等の脱溶媒剤の
充填された浴槽中に吐出し、脱水及び凝固させることに
よりコラーゲン糸状物が得られる。用いる親水性有機溶
媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプ
ロパノールなどの炭素数1から6のアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類等が挙げられ
る。これらは単独または2種以上を任意の割合で混合し
て用いても良い。このうち最も好ましい溶媒はエタノー
ルである。親水性有機溶媒の含水率は、通常約50容量
%以下であり、好ましくは約30容量%以下である。親
水性有機溶媒を用いたコラーゲン溶液の紡糸(脱水・凝
固)工程は通常、室温ないし42℃程度で行われ、一連
の脱水および凝固による処理時間は約4〜5秒から5時
間である。
【0011】コラーゲン糸状物が複数本平行に配列され
た層とは、複数本の糸状物が同一平面上に略均等な間隔
をあけて直線的に配置された層であり、同じ層におい
て、配列された糸状物のなす鋭角の角度は約0〜5°で
あり、好ましくは約0°である。また、同じ層でのコラ
ーゲン糸状物の間隔は、通常、約0〜40mmであり、
好ましくは約0〜10mm、さらに好ましくは約0〜1
mmである。
【0012】第1の層の糸状物の配列方向と第2の層の
糸状物の配列方向が角度をなすとは、第1の層に配列さ
れた糸状物と第2の層に配列された糸状物との配列方向
のなす鋭角の角度が0°ではないことを示す。また、第
1の層と第2の層が積層するとは、第1の層と第2の層
が互いの面で接触している状態である。本発明のコラー
ゲン不織布は、少なくともこのような2層からなる積層
体を含むコラーゲン不織布である。本発明のコラーゲン
不織布は、第1の層または第2の層の上に、同様のコラ
ーゲン糸状物が複数本平行に配列された第3の層が、第
1層または第2層の糸状物の配列方向と第3の層の糸状
物の配列方向とが角度をなすように積層し、相互に接着
された3層からなる積層体を含むコラーゲン不織布であ
ってもよい。さらに、上記第1の層および第2の層から
なる積層体の両面に、同様のコラーゲン糸状物が複数本
平行に配列された層が、同様に積層された4層からなる
積層体を含むコラーゲン不織布であってもよく、同様に
積層された5層以上からなる積層体を含むコラーゲン不
織布であってもよい。3層以上からなる積層体を含む場
合、コラーゲン糸状物の配列方向が角度をなすのは、互
いに接する層の糸状物配列方向であって、接していない
層同士の糸状物配列方向は必ずしも角度をなす必要はな
く、なす角度が0°であってもよい。例えば、3層から
なる積層体において第3の層が第2の層の上に積層され
た場合、第1の層と第2の相、ならびに、第2の層と第
3の層の糸状物の配列方向は角度をなす必要があるが、
第1の層と第3の層の糸状物の配列方向は、角度をなし
ていてもよく、角度が0°であってもよい。
【0013】複数の層からなる積層体としては、積層さ
れる糸状物の配列方向のなす角度が一定に保たれた積層
体であってもよく、糸状物の配列方向のなす角度がラン
ダムな積層体であってもよい。前者としては、例えば、
第1の層の糸状物の配列方向と他の層の糸状物の配列方
向がなす鋭角の角度が約20°以下であるように積層さ
れた複数の層からなる積層体が挙げられる。また、その
ような積層体が複数積み重ねられることによって形成さ
れた積層体であってもよい。この場合、積層される第1
の積層体と第2の積層体が接する部分の層の糸状物の配
列方向は角度をなしている。3つ以上の積層体を積み重
ねる場合、その角度は一定に保たれていてもよく、ラン
ダムであってもよい。前者としては、例えば、その鋭角
の角度が約70〜90°となるように、複層の積層体が
積み重ねられた積層体が挙げられる。
【0014】さらに、互いに接する層の糸状物同士がそ
の接触部で接着されることによって、不織布が形成され
る。例えば、コラーゲン糸状物が、湿式紡糸法において
生成された乾燥前(湿潤状態にある)の糸状物である場
合は、積層後、乾燥処理を施すことによって、接着がな
される。コラーゲン糸状物が、紡糸後に乾燥、架橋処理
等を施した糸状物である場合は、積層後、生分解性物
質、例えば、生分解性ポリマーを不織布上に噴霧もしく
は含浸し、乾燥処理を施すことによって、接着がなされ
る。
【0015】上記方法で得られるコラーゲン不織布は、
必要によりさらに種々公知の物理的または化学的架橋処
理を施してもよい。架橋処理を施す段階は問わない。す
なわち各種架橋処理を施した糸状物で前記不織布を形成
しても良いし、前記不織布を形成した後各種架橋処理を
施しても良い。また、2種以上の架橋処理を併用しても
良く、その際、処理の順序は問わない。この架橋処理に
より、生体内に移植された際に分解・吸収される時間
を、未架橋の場合に比較して飛躍的に遅延させることが
可能となり、また物理的強度も向上する。したがって、
コラーゲン不織布を生体の欠損部を補填または補綴する
場合に、組織の再生を完了するまでの期間、体内で必要
な膜強度を維持することが可能となる。物理的架橋方法
の例としてはγ線照射、紫外線照射、電子線照射、プラ
ズマ照射、熱脱水反応による架橋処理などが挙げられ、
化学的架橋方法の例としては、例えばジアルデヒド、ポ
リアルデヒドなどのアルデヒド類、エポキシ類、カルボ
ジイミド類、イソシアネート類などとの反応、タンニン
処理、クロム処理などが挙げられる。
【0016】また、上記方法で得られるコラーゲン不織
布は、生分解性物質でコーティングを施してもよい。生
分解性物質としては、コラーゲン、ヒアルロン酸などが
挙げられる。生分解性物質でコーティングを施す方法の
一例としてはバインダー処理が挙げられる。バインダー
処理とは、不織布に、溶液状の材料を含浸させた後、適
当な乾燥方法で乾燥を行い、不織布中の糸状物同士の結
合を補強する処理である。このバインダー処理によりコ
ラーゲン不織布は膜状に成形され、未処理の不織布より
もはるかに物理的強度が向上し、従って縫合強度も格段
に向上する。ただし、バインダー処理を行う際には、コ
ラーゲン不織布に架橋処理が施されていない場合、不織
布層自身が含浸させた溶媒に溶解してしまう場合がある
ため、前述の架橋方法等で、前もって架橋処理を施して
おくのが望ましい。これら以外にも、コラーゲン不織布
中の糸状物同士の接合を補強する種々の方法を適宜使用
することができる。
【0017】また、本発明のコラーゲン不織布は、各層
の糸状物を絡ませる処理を施してもよい。処理方法とし
ては、例えば、ニードルパンチにより積層されたコラー
ゲン不織布の各層の糸同士を複雑且つランダムに絡み合
わせる処理方法が挙げられる。このような処理によっ
て、フェルト状に成形されたコラーゲン不織布を得るこ
とができる。フェルト状に成形されたコラーゲン不織布
は、必要に応じてバインダー処理等を行ってもよい。
【0018】コラーゲン不織布およびその2次加工物
は、医療用として使用する前に、γ線滅菌、紫外線滅菌
等の公知の方法によって、滅菌処理を施す必要がある。
熱滅菌はコラーゲンの耐熱性の低さから好ましくない。
また、コラーゲン以外の生分解性物質であるポリグリコ
ール酸、ポリ乳酸、ポリ乳酸ポリグリコール酸共重合
体、ポリリン酸などからなる1種もしくは数種の糸状物
を用いても、同様な医療用不織布を作製することが可能
である。
【0019】次に、コラーゲン不織布の製造方法につい
て説明する。板状部材とは、それ自体が回転等すること
によって、コラーゲン糸状物を巻き取ることが出来る部
材である。板状部材の材質は、コラーゲン糸状物と癒着
が生じず、巻き取り状態を維持できる材質であれば特に
限定されないが、好ましくは、金属、樹脂等であり、さ
らに好ましくは、ステンレス、ポリフッ化エチレン系繊
維等である。板状部材の形状は、少なくとも2方向にコ
ラーゲン糸状物を巻き取ることが可能な形状であれば特
に限定されないが、少なくとも3つの辺を有する板状も
しくは枠状であることが好ましく、さらに好ましくは略
正方形の板状もしくは枠状である。
【0020】板状部材を一定の回転軸のもとに回転する
とは、板状部材をその面に対して水平方向に貫通する軸
を中心として自転することである。また、板状部材の回
転軸を変えるとは、前記回転軸とは別の板状部材を貫通
する軸を中心として「前記回転軸と交差する、板状部材
の別の1辺と平行な軸を中心として」自転させることを
いう。回転軸を変えることによって、コラーゲン糸状物
を板状物の別の方向に巻き取り、この操作を繰り返すこ
とによって、本発明のコラーゲン不織布が得られる。板
状部材を回転させる駆動方法は、特に限定されないが、
機械的な一定の駆動力によってなされることが好まし
い。また、板状部材の回転軸を変える操作は、手動で方
向転換させてもよく、自動的に回転軸を変える装置等を
用いて行ってもよい。工業的にコラーゲン不織布を製造
する場合は、機械的に自動で回転軸を変える装置を用い
ることが好ましい。通常、板状部材にコラーゲン糸状物
を一定の巻き取り幅で巻き取る場合、板状部材の一辺を
複数回往復させるように巻き取った後に、板状部材の回
転軸が変えられる。糸状物を往復して巻き取る際の、往
きと帰りの糸状物の配列方向のなす鋭角の角度は、通
常、約20°以下であり、好ましくは約10°以下であ
る。回転軸が変えられた後も同様に巻き取りが行われる
が、回転軸が変えられる前の糸状物の配列方向と回転軸
が変えられた後の糸状物の配列方向とのなす鋭角の角度
は、通常、約70〜90°であり、好ましくは、約80
〜90°である。さらに、上記のように層を形成する糸
状物の配列方向が互いに角度をなすようにコラーゲン糸
状物を巻き取った後、生分解性ポリマー溶液に浸漬し、
乾燥してもよく、また、各層の糸状物同士を絡ませる処
理を施すことによってフェルト状の成型物を得てもよ
い。
【0021】以下に、コラーゲン不織布の製造装置につ
いて説明する。本発明は、上記のように板状部材を自動
的に方向変換するための装置に関するものである。板状
部材に連結された内軸とは、板状部材と連結された部材
であり、内軸を回転させることによって板状部材を回転
させることができる。外軸は円筒状で、その先端が斜め
の切り口を有しており、内軸と外軸は二重構造になって
いる。内軸と外軸は回転するための駆動機構を有し、そ
の駆動機構を制御する制御機構によって、各々独立して
回転、停止させることができ、内軸と外軸共に回転させ
ることもできる。内軸と板状部材の連結は、内軸先端と
板状部材の一頂点が板状部材の面に対して水平方向に回
動可能に連結されている。また、板状部材の縁部は外軸
先端の斜めの切り口に接している。このような構造にお
いて、内軸を固定して外軸のみを回転させることによ
り、外軸の斜めの切り口の向きが変えられ、板状の巻き
取り具の方向を変えることができる。実際にコラーゲン
糸状物を巻き取るときの好ましい態様としては内軸と外
軸とが共に連動して回転し、それに伴って板状部材が回
転する。コラーゲン糸状物を一定回数巻き取り終わった
時点で外軸の回転を停止し、内軸だけを回転させ、板状
部材の向きを切り替え、再び内軸と外軸を共に回転させ
て、コラーゲン糸状物を巻き取っていく、といった態様
が挙げられる。このようにして、自動的に、板状部材の
回転軸が変えられ、複数方向にコラーゲン糸状物を巻き
取ることが可能となる。また、本発明のコラーゲン不織
布製造装置は、通常、巻き取りの際、コラーゲン糸状物
を板状部材の回転軸方向に往復運動させながら送り出す
ための糸送り機構を備えている。
【0022】本発明により得られるコラーゲン不織布お
よびその2次加工物は、コラーゲンが元来持ち合わせて
いる、生体内および体表面における分解性および吸収性
を有し、毒性もほとんどなく、自体公知の方法に従っ
て、医療用目的等で人間や動物に安全に使用できる。例
えば組織工学分野・再生医療分野における補填および補
綴目的で体内に移植される各種膜状物、布状物、袋状物
および管状物等(移植用基材)に用いることができる。
膜状物としては心膜、胸膜、脳硬膜、漿膜等の代替膜が
挙げられ、管状物としては人工血管、ステント、人工神
経チャンネル、人工気管、人工食道、人工尿管等が挙げ
られる。本発明者らが特開2000−271207号、
特開2000−210376にて開示している癒着防止
膜に使用することも可能である。また、接着性細胞等の
各種細胞を体外で培養するための基材(細胞培養基材)
としても利用できる。上記移植用基材上で、あらかじめ
繊維芽細胞、軟骨細胞等の体組織を形成する細胞を常法
に従って一定期間培養し、移植用基材の形状に細胞を増
殖させて組織を形成した後に、体内へ移植することもで
きる。さらに、各種成長因子、薬剤、ベクター等を含浸
させ、ドラッグデリバリーシステム担体、徐放性薬剤用
担体、遺伝子治療用担体等として利用することもでき
る。
【0023】本発明のコラーゲン不織布の二次加工物と
しては、コラーゲン製管状物やその他任意の形状を有す
るコラーゲン製3次元構造物を作製することが可能であ
る。コラーゲン製管状物を作製する方法としては、コラ
ーゲン不織布を、コラーゲン溶液を接着剤として、ポリ
フッ化エチレン系繊維製のチューブ等に巻き付けてゆ
き、乾燥後、チューブを抜く方法が挙げられる。加工さ
れたコラーゲン製管状物に対して、さらに架橋処理を施
しても良い。
【0024】更に複雑な形状の3次元構造物を作製する
方法としては例えば次のような方法が挙げられる。ま
ず、あらかじめ目的とする3次元構造物の鋳型(雌)を作
製しておく。鋳型の素材は特に限定されないが、ポリフ
ッ化エチレン系繊維等の撥水性の高い材料が好ましい。
また、鋳型には少なくとも1箇所に穴が開けられている
ことが好ましく、更に割り型の鋳型が好ましい。次に、
この鋳型にコラーゲン不織布、好ましくはフェルト状に
加工された不織布を封入し、穴から生分解性ポリマー溶
液を注ぎ込み、各種方法を用いて乾燥させることによ
り、目的とする複雑な3次元構造物が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態に係
るコラーゲン不織布の製造装置について、図を用いて具
体的に説明する。なお、本実施の形態は一例であり、本
発明は実施の形態に限定されるものではない。
【0026】図1にコラーゲン不織布の製造装置の一例
を示す。該製造装置は、図に示すように、巻き取り装置
1および糸送り装置2から構成されている。巻き取り装
置1は、コラーゲン糸状物3が巻き取られる部分であ
る板状もしくは枠状の板状部材11、該板状部材に連
結された内軸12(図2)、該内軸を収容可能な内腔
131を有し、先端が斜めの切り口132を有する円筒
状の外軸13(図2)、外軸13および内軸12を回
転させる為の駆動機構14、および該駆動機構14を
制御し、外軸13および内軸12の回転を各々制御する
制御機構15からなるものである。一方、糸送り装置2
はローラー21と往復機構22とからなるものである。
【0027】次に、図2を用いて、板状部材11と内軸
12との連結部について説明する。板状部材11は、内
軸12の連結孔122と板状部材11の連結孔111が
一致するようにして、内軸12の先端の嵌合部121に
挟まれた状態で、連結孔122および連結孔111を貫
通するピン4によって連結されている。このため、板状
部材11は、ピン4を軸にして、板状部材の面に対して
水平方向に回動可能である。ただし、実施には板状部材
11の回動は外軸13によって制限される。内軸12は
外軸13の内部に収容されており、外軸13先端の切り
口132が板状部材11の縁部112に接するよう配置
される(図3)ためである。
【0028】また、図3を用いて、板状部材11の方向
転換を自動的に行う機構を説明する。図3(a)は、一
定方向に規定回数の巻き取りを行っている状態を示す。
上記したように、板状部材11は縁部112で外軸13
先端の切り口132に接しており、切り口132は縁部
122Bの方向を向いた状態のままで外軸13と内軸1
2が共に回転するため、板状部材11の縁部112Aは
外軸13と同一方向に固定されている。この状態のまま
で、板状部材11が回転することによって、図面手前側
から送り出されるコラーゲン糸状物3が、板状部材11
の縁部112Aに対して垂直方向に巻き取られていく。
巻き取り時のコラーゲン糸状物の間隔は一定間隔となる
ように、糸送り機構によって調整され、巻き取り操作は
縁部112Aを一定回数往復し(図3(b))、一定の
巻き取り回数が終了するまで行われる。このときの糸状
物の巻き取り間隔は通常、約0〜40mmであり、好ま
しくは約0〜10mm、さらに好ましくは約0〜1mm
である。また、糸状物のなす鋭角の角度は、通常、約2
0°以下であり、好ましくは、約10°以下である。
【0029】巻き取り終点113までコラーゲン糸状物
が巻き取られた時点で、内軸の回転を停止し、外軸はそ
のまま回転させる。板状部材11は回転を停止し、外軸
の切り口132が向きを変えることによって、板状部材
の面に対して水平方向に方向転換を行う。図3(c)
は、板状部材11が方向変換している途中の状態を示
す。外軸13先端の切り口132は板状部材の面に対し
て垂直方向(手前側)を向いた状態であり、このため板
状部材11は縁部112Aおよび112B共に外軸13
とは異なる方向にある。このような状態を経て、さらに
外軸13のみを回転させると図3(d)に示すように、
板状部材11の方向変換が行われる。図3(d)の状態
では、外軸13の先端132の切り口は板状部材11の
縁部112Aの方向を向いた状態であり、板状部材11
の縁部112Bが外軸13と同一方向にある。この状態
に達した時点で、再び内軸12を外軸13と共に回転さ
せることによって、今度は縁部112Bに対して垂直方
向に、巻き取り始点114を開始点として、コラーゲン
糸状物の巻き取りが開始される。
【0030】
【実施例】次に実施例、実験例を示し本発明を詳細に説
明する。
【0031】実施例1 コラーゲン不織布の作製 ブタ由来I型、III型混合コラーゲン粉末(日本ハム株式
会社製、SOFDタイプ、Lot No.0102226)を注
射用蒸留水(大塚製薬社製)に溶解し、7重量%に調製す
る。そして、この7重量%コラーゲン水溶液を充填した
シリンジ(EFD社製 Disposable Barrels/Pistons 、
55cc)に充填し、シリンジに装着した針より該コラー
ゲン水溶液を空気圧により吐出した。この際シリンジに
装着の針はEFD社製 Ultra Dispensing Tips (27
G、ID :φ0.21 mm)を使用した。吐出した7重量 %
コラーゲン水溶液は脱水され糸状になったのち、エタノ
ール槽から引き上げられた。エタノール槽から引き上げ
られたコラーゲン糸状物を、エタノール槽とは完全に分
離独立した第2のエタノール槽に室温で約30秒間、浸
漬し、さらに凝固を施した。続いて、第2のエタノール
槽から引き上げられたコラーゲン糸状物を図1と同様の
装置を用いて、1辺15cm、厚さ5mmの板状部材を
15rpmで回転させ、コラーゲン糸状物を板状部材に
巻き取った。板状部材の直前には、板状部材に均等にコ
ラーゲン糸状物を巻き取っていくためにコラーゲン糸状
物の水平位置を周期的に移動させる機構が備え付けられ
ており、その往復速度は1.5mm/秒とした(糸状物
は約6mmの間隔で巻き取られる)。巻き取り装置は、
500回巻き取るたびに板状部材の回転軸を90度方向
転換させるように設定しておき、500回の巻き取りを
6回繰り返し(合計巻き取り数3000回)、板状部材の
両面にコラーゲン糸状物の層を有するコラーゲン巻き取
り物を得た。次にこのコラーゲン巻き取り物を、常温で
4時間自然乾燥した後、巻き取り物の端部に沿って砕断
し、2枚のコラーゲン不織布を得た。
【0032】実施例2 コラーゲン膜状物への2次加工 実施例1にて作製されたコラーゲン不織布を、バキュー
ムドライオーブン(EYELA社製;VOS-300VD型)と
油回転真空ポンプ(ULVAC社製;GCD135-XA型)を
用いて135℃、減圧下(1Torr以下)で24時間熱脱水
架橋反応を行った。これとは別に、ブタ由来I型、III
型混合コラーゲン粉末(日本ハム株式会社製、SOFD
タイプ、Lot No.010226)を注射用蒸留水(大塚製
薬社製)に溶解し、1重量%に調製したコラーゲン水溶液
を作製した。この1重量%コラーゲン水溶液を、熱脱水
架橋反応後のコラーゲン不織布に含浸させ、膜状に成型
した後、前記と同様のバキュームドライオーブンを用い
て135℃、減圧下(1Torr以下)で12時間熱脱水架橋
反応を行い、膜状のコラーゲン不織布を得た。
【0033】実施例3 フェルト状のコラーゲン不織布
の作製 実施例1にて作製されたコラーゲン不織布に対し、ニー
ドルパンチで各層のコラーゲン糸状物をランダムに絡み
合わせた後、70%エタノール溶液(京都光純薬社製)を
噴霧し、糸状物同士を接着させ、常温で8時間自然乾燥
した。その後バキュームドライオーブン(EYELA社
製;VOS−300VD型)と油回転真空ポンプ(ULV
AC社製;GCD135−XA型)を用いて135℃、
減圧下(1Torr以下)で24時間熱脱水架橋反応を行っ
た。このようして不織布中のコラーゲン糸状物が絡み合
った構造をもつ3次元のフェルト状培養基材を作製し
た。
【0034】実験例1 コラーゲン不織布を用いた細胞
培養実験 実施例1で作製したコラーゲン不織布を用いて、ヒト軟
骨細胞、ヒト繊維芽細胞の培養を行った。ヒト繊維芽細
胞の培養には、Medium 106S (基礎培地)500mLおよびL
SGS(Low Serum Growthfactor Supplement)10mL(共に
Cascade Biologics 社製)を混合した混合培地を用い
た。ヒト軟骨細胞の培養には、Basal Medium 500mLお
よびGrowth Supplement 10mL(共にCELL APPLICATION
S 社製)を混合した混合培地を用いた。まず、コラーゲ
ン不織布をシャーレ(CORNING社製、6ウェル)
に静置し、不織布上に細胞濃度4.0×10個/mL
となるように細胞を懸濁した上記の混合培地1mLを塗
布した。その後シャーレに培地3mLを静かに注入し、
その後、37℃、CO濃度5%の培養条件で静置培養
を行った。両細胞共に培養開始直後に、細胞の基材生着
の様子を観察した。
【0035】その結果、縦横に配列されたコラーゲン糸
状物上に、それぞれの細胞について良好な生着が確認で
きた。このことから本発明によるコラーゲン不織布が培
養基材としての機能を十分に有することが判明した。
【0036】実験例2 フェルト状コラーゲン不織布で
の細胞培養実験 実施例3で作製した培養基材に対して、グルタルアルデ
ヒド濃度0.1容量%および0.5容量%の架橋処理を
施した。架橋処理後のフェルト状のコラーゲン不織布を
用いて、ヒト繊維芽細胞の培養を行った。ヒト繊維芽細
胞の培養には、Medium 106S (基礎培地)500mLおよびL
SGS(Low Serum Growthfactor Supplement)10mL(共に
Cascade Biologics 社製)の混合培地を用いた。まず、
フェルト状コラーゲン不織布をシャーレ(CORNIN
G社製、6ウェル)に静置し、不織布上に細胞濃度4.
0×10個/mLとなるように細胞を懸濁した上記の
混合培地1mLを塗布した。その後シャーレに培地3m
Lを静かに注入し、その後、37℃、CO濃度5%の
培養条件で静置培養を行った。培養開始14日後におけ
る細胞の基材生着の様子を観察した。
【0037】その結果、縦横に配列されたコラーゲン糸
状物に、細胞の良好な生着が確認できた。このことから
本発明によるコラーゲン製3次元培養基材が培養基材と
しての機能を十分に有することが判明した。
【0038】実験例3 膜状のコラーゲン不織布を用い
た動物埋植実験(補填材としての性能確認) 実施例2で作製したコラーゲン膜状物を用いて、動物へ
の埋植実験を行った。以下の方法に従ってウサギ腹腔内
埋植試験片を作製した。ウサギ(♂、体重2.6kg)を
正中切開し、腹壁に約1cm角の欠損部をピンセットを
用いて作製した。十分に止血を行った後、実施例2で得
られたコラーゲン膜状物を3cm角に裁断し、先に作製
した欠損部に端部4箇所にて縫合固定した。また、コン
トロールとして、同様に1cm角の欠損を作製し、十分に
止血を行った後に放置した部位も作製した。手術後4週
間経過した時点で、コラーゲン膜状物を補填した部位、
およびコントロール部の様子を観察した。
【0039】その結果、コントロール部は作製した欠損
の痕跡がはっきりと確認できるのに対し、コラーゲン膜
状物を埋植した部位では分解の進行した膜状物が欠損部
位に融合し、欠損を補填している様子がうかがえる。周
辺には特に顕著な炎症反応も見られず、従って本膜状物
が生体適合性が良好で、かつ分解吸収性の補填材料とし
て十分な性能を有することが判明した。
【0040】実験例4 不織布、組織染色 実施例1にて作製されたコラーゲン不織布を、コラーゲ
ン水溶液(1重量%)を接着剤にして、ポリフッ化エチレ
ン系繊維製チューブに海苔巻き状に巻き付けてゆき、内
径2〜3mm、全長10mm程度のコラーゲン製筒状埋
植試験片を作製した。埋植試験片形成後、バキュームド
ライオーブン(EYELA社製;VOS−300VD
型)と油回転真空ポンプ(ULVAC社製;GCD13
5−XA型)を用いて135℃、減圧下(1Torr以下)で
12時間熱脱水架橋反応反応を行った。
【0041】前記コラーゲン埋植試験片をウサギ(計2
羽)背部筋肉に埋植し、同時に他の箇所に対照試験片と
して同サイズのポリテトラフロロエチレン(ePTF
E)シート(厚さ0.1mm)(商品名 ゴアテックスパ
ッチ、Goretex社製)を筒状に丸めて埋植した。
埋植2週間後と4週間後にバイオプシーを採取し、HE染
色を施して組織学的評価を行った。
【0042】その結果、埋植試験片については、いずれ
も特に顕著な炎症反応を示すことなく、細胞の浸潤も良
好で、また経時的に移植片の分解が進行している様子が
確認できた。一方、対照試験片については全く細胞浸潤
は見られず、分解吸収の様子も全く確認出来なかった。
従って本発明により作製されたコラーゲン単糸がいずれ
も既存の製品に比べて、生体適合性が良好な分解吸収性
材料であることが判明した。
【0043】
【発明の効果】本発明のコラーゲン不織布は、コラーゲ
ン製医療用具の材料として、不織布の状態で、通常の環
境条件下保存および運搬が容易である。本発明のコラー
ゲン不織布製造方法を用いれば、原料となるコラーゲン
水溶液を紡糸しながら連続してコラーゲン不織布を得る
ことができ、工業的生産が簡単かつ容易に行える。ま
た、湿式紡糸等で得られたコラーゲン糸状物は、通常そ
の粘性、相互癒着性等から、織る、編むなどの通常、繊
維製造分野で用いられる手法により、織布として製造す
ることは困難であったが、本発明のコラーゲン不織布
は、織る、編むといった手法を用いずに、織布と同様な
均一性のある布を作製することが可能となる。本発明方
法で製造されるコラーゲン不織布を用いれば、複雑な3
次元構造をもつコラーゲン製医療用具や、より精密かつ
再現性の高いコラーゲン製医療用具の製造も容易にでき
る。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコラーゲン不織布製造装置の一例を
示す説明図である。
【図2】 本発明のコラーゲン不織布製造装置の巻き取
り部分の構造を示す説明図である。
【図3】 本発明のコラーゲン不織布製造装置の糸巻き
取り機構および板状部材の方向転換機構を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 巻き取り装置 11 板状部材 111 連結孔 112 縁部 12 内軸 121 嵌合部 122 連結孔 13 外軸 131 内腔 132 切り口 2 糸送り装置 21 ローラー 22 往復機構 3 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 良輝 大阪市北区本庄西3丁目9番3号 ニプロ 株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA95 EE43 FF31 4C081 AA01 AB12 AB13 AC03 BA11 BC01 CD12 DA03 DA05 EA01 4L047 AA11 AB03 BA03 BA15 BC14 BD02 CA03 CC03 DA00 EA01 EA22

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶化されたコラーゲン溶液を紡糸原液
    として紡糸されたコラーゲン糸状物を複数本平行に配列
    されてなる第1の層と第2の層が、第1の層と第2の層
    との糸状物の配列方向が角度をなすように積層し、相互
    に接着していることを特徴とする、コラーゲン不織布。
  2. 【請求項2】 第1の層または第2の層の上に、さらに
    コラーゲン糸状物が複数本平行に配列された第3の層
    が、第3の層の糸状物の配列方向と接する層の糸状物の
    配列方向とが角度をなすように積層し、相互に接着して
    いる、請求項1記載のコラーゲン不織布。
  3. 【請求項3】 コラーゲン糸状物が接着性を有する、請
    求項1記載のコラーゲン不織布。
  4. 【請求項4】 平行に配列したコラーゲン糸状物の糸と
    糸との間隔が約0〜40mmである、請求項1記載のコ
    ラーゲン不織布。
  5. 【請求項5】 平行に配列したコラーゲン糸状物のなす
    鋭角の角度が約0〜5°である、請求項1記載のコラー
    ゲン不織布。
  6. 【請求項6】 コラーゲン糸状物の表面が生分解性物質
    でコーティングされた、請求項1記載のコラーゲン不織
    布。
  7. 【請求項7】 生分解性物質がコラーゲンである、請求
    項1記載のコラーゲン不織布。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のコラーゲン不織布の層の
    糸状物が互いに絡みあってなるフェルト状成形物。
  9. 【請求項9】 一定の回転軸のもとに回転する板状部材
    に、可溶化されたコラーゲン溶液を紡糸原液として紡糸
    されたコラーゲン糸状物を平行に巻き取り層(第1の
    層)を形成させ、該層を形成する糸状物の配列方向と角
    度をなすようにコラーゲン糸状物を平行に巻き取り、さ
    らに層(第2の層)を形成させることを特徴とする、コ
    ラーゲン不織布の製造方法。
  10. 【請求項10】 第1の層を形成させ、ついで板状部材
    の回転軸を変え、さらに第2の層を形成させる、請求項
    9記載のコラーゲン不織布の製造方法。
  11. 【請求項11】 層を形成する糸状物の配列方向と鋭角
    の角度が約20°以下となるようにコラーゲン糸状物を
    巻き取り、ついで板状部材の回転軸を変え、巻き取った
    糸状物の配列方向と鋭角の角度が約70〜90°となる
    ようにコラーゲン糸状物をさらに巻き取る、請求項9記
    載のコラーゲン不織布の製造方法。
  12. 【請求項12】 層を形成する糸状物の配列方向が互い
    に角度をなすように第2の層を形成させた、生分解性物
    質の溶液に浸漬し、乾燥する、請求項9記載のコラーゲ
    ン不織布の製造方法。
  13. 【請求項13】 第2の層を形成させた後、各層の糸状
    物同士を絡ませ、フェルト状に成形する、請求項9記載
    のコラーゲン不織布の製造方法。
  14. 【請求項14】 可溶化されたコラーゲン溶液を紡糸
    原液として紡糸されたコラーゲン糸状物が巻き取られる
    部分である板状部材、該板状部材に連結された内軸、
    該内軸を収容可能な内腔を有し、先端が斜めの切り口
    を有する円筒状の外軸、外軸および内軸を回転させる
    為の駆動機構、および該駆動機構を制御し、外軸およ
    び内軸各々の回転を制御する制御機構を有し、板状部材
    が、内軸との連結部を軸にして板状部材の面に対して水
    平方向に回動可能であり、かつ外軸の内部に内軸が収容
    され、外軸の先端の切り口が板状部材の縁部に接した構
    造を有することによって、自動的に板状部材を方向転換
    し、コラーゲン糸状物を板状部材の複数方向に巻き取る
    機能を有することを特徴とする、コラーゲン不織布の製
    造装置。
  15. 【請求項15】 さらに、コラーゲン糸状物を板状部材
    の回転軸方向に往復移動させながら送り出す、糸送り機
    構を有する、請求項14記載のコラーゲン不織布の製造
    装置。
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