JP2003301296A - 熱可塑性樹脂フィルム被覆用アルミニウム板、熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板及びその成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム被覆用アルミニウム板、熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板及びその成形体

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JP2003301296A JP2002110765A JP2002110765A JP2003301296A JP 2003301296 A JP2003301296 A JP 2003301296A JP 2002110765 A JP2002110765 A JP 2002110765A JP 2002110765 A JP2002110765 A JP 2002110765A JP 2003301296 A JP2003301296 A JP 2003301296A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絞り加工等の加工を施しても十分な密着強度
を有し、長期間、密着強度が保持される熱可塑性樹脂フ
ィルム被覆アルミニウム板、その成形体、及びこれらに
使用される熱可塑性樹脂フィルム被覆用のアルミニウム
板を提供することを目的とする。 【解決手段】 微小表面硬度が3×103〜1×104
g/mm2、ヤング率が2×104〜5×105kg/m
2、微小表面硬度の測定時の全変位量に対する塑性変
形量の割合が60%未満、及び弾性変形量の割合が40
%より大きい陽極酸化処理された熱可塑性樹脂フィルム
被覆用アルミニウム板を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルム被覆用アルミニウム板、加工密着性に優れた熱可塑
性樹脂フィルム被覆アルミニウム板おびそれを用いた成
形体に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板に熱可塑性樹脂フィルム
を被覆した熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板
は、耐食性、電気絶縁性などの熱可塑性樹脂の優れた特
性を活かして、アルミニウム電解コンデンサーの外装用
容器など、種々の分野で用いられている。
【0003】これらのほとんどの用途においては、熱可
塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板が成形加工されて
使用されるため、熱可塑性樹脂フィルム層が成形加工時
に剥離したり、破壊したりしないことが不可欠である。
また、経時的に熱可塑性樹脂フィルム層が剥離したりす
ることを防止する必要がある。そのため、加工密着性に
優れた熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板を得る
ことを目的として、次のような様々な方法が行われてい
る。
【0004】例えば、特開昭62−198453号公報
に開示されているような、動的弾性率が1.0×103
〜1.5×1010dyne/cm2のナイロン系エラス
トマーや耐衝撃性ナイロンを、シランカップリング剤を
塗布したアルミニウム板に溶融押出して積層する方法、
特開昭63−141722号公報に開示されているよう
案、表面をサンドブラスト等で機械的に粗面化後、直流
電解エッチングを施してミクロピットを形成させたアル
ミニウム板を加熱し、その上にポリアミド系フィルムを
積層する方法、特開昭64−72840号公報に開示さ
れているような、接着剤を塗布したアルミニウム板に、
6−ナイロン樹脂、6−ナイロンエラストマー、ナイロ
ン系ポリマーアロイから選ばれた中間層と、鉛筆硬度H
以上のナイロン樹脂の上層からなる2層を溶融押出によ
りラミネートする方法、特開平1−238931号公報
に開示されているような、X線光電子分光法による表面
分析スペクトル値が一定値以下のエポキシ樹脂塗膜を有
する金属素材表面にポリアミド樹脂を積層する方法、特
開平3−2036号公報に開示されているような、脂肪
酸又はヒドロキシメチル置換フェノールからなる塗膜を
35℃以上の加熱温度で熱処理してなる熱変性皮膜を有
する金属素材表面にポリアミド樹脂を積層する方法、特
開平8−1857号公報に開示されているような、酸化
防止剤を0.5重量%〜2.5重量%添加したまたは添
加しない、球晶の最大径が10μm以下であるボリアミ
ド系樹脂層を、接着剤を塗布したアルミニウム板に溶融
押出し積層する方法等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ポリアミド樹脂を積層した金属板は、絞り加工を施した
のみでは加工部分のポリアミド樹脂が剥離し難いもの
の、経時的には、加工部において密着強度の低下が起こ
るため、特開平1−66030号公報や特開平2−18
043号公報に開示されているように、密着強度の回復
をはかるため、成形加工後に熱処理して、樹脂層を再溶
融させる必要があるなどの難点を有する。
【0006】そこでこの発明は、絞り加工等の加工を施
しても十分な密着強度を有し、長期間、密着強度が保持
される熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板、その
成形体、及びこれらに使用される熱可塑性樹脂フィルム
被覆用のアルミニウム板を提供することを目的とする。
【0007】具体的には、次のとおりの目的を有する。 1.絞り加工や絞りしごき加工などの加工を施す際に、
層間剥離や被覆樹脂フィルム層にクラックが発生し難
く、かつ、樹脂被覆フィルムがアルミニウム板から容易
に剥離することがない、熱可塑性樹脂フィルム被覆アル
ミニウム板及びこれに使用される熱可塑性樹脂フィルム
被覆用のアルミニウム板を提供すること。 2.加工した後に時間が経過しても、加工した部分の密
着強度の低下が起こらず、成形加工後の熱処理が不要
で、加工密着性及び加工後密着性に優れた熱可塑性樹脂
フィルム被覆アルミニウム板を提供すること。 3.上記熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板製の
成形体を提供すること。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、微小表面硬
度が3×103〜1×104kg/mm2、ヤング率が2
×104〜5×105kg/mm2、微小表面硬度の測定
時の全変位量に対する塑性変形量の割合が60%未満、
及び弾性変形量の割合が40%より大きい陽極酸化皮膜
が形成された熱可塑性樹脂フィルム被覆用アルミニウム
板を用い、これに熱可塑性樹脂フィルムを積層すること
により、上記課題を解決したのである。さらに、本発明
では、上記の熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板
を成形加工した熱可塑性樹脂被覆アルミニウム板製の成
形体を提供することができる。
【0009】所定の微小表面硬度、ヤング率、微小表面
硬度の測定時の全変位量に対する塑性変形量の割合、及
び弾性変形量の割合を有する陽極酸化皮膜が形成された
熱可塑性樹脂フィルム被覆用アルミニウム板を用いるの
で、これに熱可塑性樹脂フィルムを被覆しても、アルミ
ニウム板と熱可塑性樹脂フィルムとは、絞り加工等の加
工を施しても十分な密着強度を有し、長期間、密着強度
が保持される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。この発明にかかる上記熱可塑性樹脂フィルム被覆用
アルミニウム板は、所定の微小表面硬度、ヤング率、微
小表面硬度の測定時の全変位量に対する塑性変形量の割
合、及び弾性変形量の割合を有する陽極酸化処理して陽
極酸化皮膜を形成したアルミニウム板である。また、こ
の熱可塑性樹脂フィルム被覆用アルミニウム板に熱可塑
性樹脂フィルムを積層することにより、加工密着性に優
れた熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板が得られ
る。
【0011】上記アルミニウム板とは、純アルミ又はア
ルミ合金の板状体を意味する。具体的には純アルミ系の
1000系、AL−Mn系の3000系合金、AL−M
g系の5000系合金の板状体があげられる。これらア
ルミニウム板はこれら例示したものに限定されるもので
はない。特に、この発明にかかる熱可塑性樹脂被覆アル
ミニウム板の用途がアルミニウム電解コンデンサーの外
装容器である場合には、1000系又は3000系のも
のが好ましい。
【0012】上記アルミニウム板の厚さは、0.1〜1
mmがよく、0.2〜0.8mmが好ましい。0.1m
mより薄いと、上記熱可塑性樹脂フィルムを積層するこ
とが困難となる。一方、1mmより厚いと、アルミニウ
ム電解コンデンサーの外装容器に使用する場合、その成
形性に劣る等の問題点を有する。
【0013】上記のアルミニウム板は、溶体化処理、時
効処理などの種々の調質処理や前処理を施したものであ
っても良い。上記前処理は特に限定されず、アルミニウ
ム板の表面に付着した油を除去し、表面の不均質な酸化
物の皮膜を除去することができる処理であれば良い。例
えば、弱アルカリ性の樹脂液による脱脂処理を施したの
ち、水酸化ナトリウム水溶液でアルカリエッチングをし
た後、硝酸水溶液でデスマット処理を行う処理や、脱脂
処理後に酸洗浄を行う処理等が適宜採用される。また、
脱脂と同時に積極的にエッチングしてアルミニウム板表
面が着色しない程度に粗面化し、アンカー効果を向上さ
せることもできる。ここでエッチング法としては、水酸
化ナトリウムなどによるアルカリエッチング、硫酸、フ
ッ化水素酸などによる酸エッチング、硝酸などの酸性溶
液中での電解エッチング等があげられる。
【0014】上記アルミニウム板の表面は、陽極酸化処
理がされ、微孔質、又は実質上無孔質の陽極酸化皮膜が
形成されている。この発明における微孔質とは、アルミ
ニウム面の全面積(すなわち、陽極酸化皮膜の全面積)
に対する、陽極酸化皮膜の表面に存在する孔を構成する
領域の面積の比(以下、「有孔度」と称する。)が、3
0%以下であることをいう。また、この発明における無
孔質とは、有孔度が、5%以下であることをいう。この
孔を構成する領域の面積は、SEM(走査電子顕微鏡)
等で測定すればよいが、特に、これに限定されるもので
はない。
【0015】上記陽極酸化処理は、プレス加工等の加工
を施したものに対して行うことができるが、コイル状等
の未加工の状態のアルミニウム又はアルミニウム合金に
対して連続して行うことが好ましい。多量の素材に対し
て迅速に酸化処理を行うことが可能となるからである。
【0016】上記陽極酸化処理における電解液に用いら
れる電解質としては、生成する陽極酸化皮膜を溶解しに
くく、かつ、微孔質又は無孔質の陽極酸化皮膜を生成す
る電解質であればよく、ほう酸、ほう酸塩、アジピン酸
塩、マロン酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、
珪酸塩等の群から選ばれる1種又は2種以上を溶解した
皮膜溶解性の低い電解質水溶液を用いるとよいが、特に
これに限定されるものではない。
【0017】また、硫酸、リン酸等の皮膜溶解性の高い
電解液を用いた場合でも、多孔質化する前の段階、すな
わち、無孔質皮膜から多孔質皮膜に変化する途中の段階
で電解を停止させれば、無孔質あるいは微孔質な皮膜を
形成させることが可能である。
【0018】電解液中の電解質濃度は、2〜150g/
lが好ましい。電解質濃度が2g/lより低濃度だと、
皮膜むらが生じやすく、一方、150g/lを超える
と、溶解し難く、沈殿を生じることがあるからである。
電解浴の浴温は、20℃以上、好ましくは40〜60
℃、より好ましくは50〜60℃の範囲である。浴温が
20℃未満では、電解質の溶解性が低く、液抵抗による
電圧ロスが大きくなるからである。
【0019】一方、浴温が60℃を超えると、加熱にコ
ストを要するため好ましくない。また、浴温が40〜6
0℃であると、微孔質又は無孔質の陽極酸化皮膜の含水
量を少なくするのに効果的である。また、電解液中の水
素イオン濃度(pH)は、3〜10の範囲が好ましい。
pHが3より低いと、陽極酸化皮膜は多孔質化する傾向
にあり、一方、pHが8を超えると皮膜が溶解された
り、膜の生成率が低下して、所定の厚みが得られなくな
るからである。
【0020】この電解浴中で、アルミニウム板は、連続
あるいは断続であっても陽極となるように電源に接続さ
れて電解される。陰極には、不溶性の導電材料が用いら
れる。
【0021】電解電流は直流電流が用いられ、直流電解
では、直流密度が0.3〜10A/dm2程度である。
電流密度が0.3A/dm2未満では、皮膜形成に長時
間を要してしまい、コイル状の素材を迅速に連続して電
解することができない。一方、10A/dm2を超える
と、皮膜やけ等の表面欠損が生じやすくなる。電解時間
は、2〜20秒程度で目的とする皮膜厚さと電解条件に
より選択して電解が行われる。
【0022】印加電圧は、電解液の種類と電流密度によ
って決まり、おおむね3〜200Vである。膜厚は、電
解電圧、電流及び時間により調整される。
【0023】このような陽極酸化処理によって、アルミ
ニウム板の表面に厚さの均一な微孔質又は無孔質の陽極
酸化皮膜が形成される。この微孔質又は無孔質の陽極酸
化皮膜の膜厚は、50〜3000Å、好ましくは100
〜2000Åである。膜厚が50Å未満だと、皮膜の均
一性が低下して、上記熱可塑性樹脂フィルムとの十分な
密着性が得られない。また、ピンホール等が発生して腐
食が発生し、密着性が低下する。一方、膜厚が3000
Åを超えると、密着性には大きく影響しないが、アルミ
ニウムの表面が皮膜による光の干渉により黄色、紫色、
白色等に着色することから、外観品質上、好ましくな
い。したがって、膜厚は着色の生じない3000Å以下
に抑えることがよい。
【0024】このようにして得られた陽極酸化皮膜は、
有孔度が30%以下の微孔質であり、場合によっては、
有孔度が5%以下の実質上、無孔質である。硫酸アルマ
イトのように多孔質皮膜の場合には、加工性に劣る、上
記熱可塑性樹脂フィルムにピンホールが生じた際に電気
絶縁性に劣る等の問題がある。
【0025】上記微小表面硬度とは、アルミニウム板の
極表面層の表面硬度をいう。上記の陽極酸化処理された
アルミニウム板の微小表面硬度は、3×103〜1×1
4kg/mm2がよく、4×103〜8×103kg/m
2が好ましい。3×103kg/mm2より小さいと、
上記の陽極酸化処理されたアルミニウム板の表面処理層
が柔らかく、熱可塑性樹脂フィルム被覆後の絞り加工、
絞り・しごき加工等の成形加工時の変形に対してのアル
ミニウム板表面、すなわち、アルミニウム板の表面処理
層の追随性がよくないため、成形加工時に熱可塑性樹脂
フィルムが剥離するなどの問題が生じる場合がある。こ
れは表面処理層が脆くなるため、アルミニウム板と上記
表面処理層間で破壊が発生するためと考えられる。一
方、1×104kg/mm2より大きいと、表面処理層が
硬く脆くなり、熱可塑性樹脂フィルムの積層後の絞り加
工、絞り・しごき加工等の成形加工時の変形に対しての
アルミニウム板表面、すなわち、アルミニウム板の表面
処理層の追随性がよくないため、成形加工時に熱可塑性
樹脂フィルムが剥離する等の問題が生じる場合がある。
【0026】上記微小表面硬度は、ナノインデンテーシ
ョン法により、測定することができる。ナノインデンテ
ーション法とは、表面に圧子を押し込み、負荷を除去し
たときの、除荷時に生じる弾性回復により弾性率、硬度
などを求める方法であり、変位−荷重曲線から求めるこ
とができる。ここでいう硬さとは、塑性変形硬さであっ
て、負荷除荷曲線により塑性変形量を求めた硬さの値で
ある。
【0027】上記ヤング率とは、弾性限度内における応
力とひずみとの一定の関係をいい、上記ナノインデンテ
ーション法により求めることができる。
【0028】上記ヤング率は、2×104〜5×105
g/mm2がよい。2×104kg/mm2より小さい
と、上記の陽極酸化処理されたアルミニウム板の表面処
理層が柔らかく、熱可塑性樹脂フィルム被覆後の絞り加
工、絞り・しごき加工等の成形加工時の変形に対しての
アルミニウム板表面、すなわち、アルミニウム板の表面
処理層の追随性がよくなく、成形加工時に熱可塑性樹脂
フィルムが剥離するなどの問題が生じる場合がある。こ
れは表面処理層が脆くなるため、アルミニウム板と上記
表面処理層間で破壊が発生するためと考えられる。一
方、5×105kg/mm2より大きいと、表面処理層が
硬く脆くなり、熱可塑性樹脂フィルムの積層後の絞り加
工、絞り・しごき加工等の成形加工時の変形に対しての
アルミニウム板表面、すなわち、アルミニウム板の表面
処理層の追随性がよくないため、成形加工時に熱可塑性
樹脂フィルムが剥離する等の問題が生じる場合がある。
これは、表面処理層が硬く、脆いため、アルミニウム板
と上記表面処理層間で破壊が発生するためと考えられ
る。
【0029】上記微小表面硬度の測定時の全変位量に対
する塑性変形量の割合とは、微小表面硬度測定、例え
ば、上記ナノインデンテーション法による微小表面硬度
測定における、全変位量に対する塑性変形量の割合をい
う。
【0030】この割合は、60%未満がよい。60%以
上だと、絞り加工や、絞り・しごき加工等の成形加工時
の変形に対するアルミニウム板の表面処理層の追随性が
よくないため、成形加工時に熱可塑性樹脂フィルムが剥
離する、成形加工後の熱可塑性樹脂フィルム密着性の経
時による低下が大きいなどの問題を生じる場合がある。
これは、上記表面処理層の弾性変形性が劣るので、伸び
が悪くなって脆くなり、成形加工時にアルミニウム板と
表面処理層間で破壊が発生するためと考えられる。な
お、この割合の下限は、0%である。
【0031】上記弾性変形量の割合とは、微小表面硬度
測定、例えば、上記ナノインデンテーション法による微
小表面硬度測定における、弾性変形量の割合をいう。こ
の弾性変形量の割合は、40%より大きい場合がよい。
40%以下だと、絞り加工や、絞り・しごき加工等の成
形加工時の変形に対するアルミニウム板の表面処理層の
追随性がよくないため、成形加工時に熱可塑性樹脂フィ
ルムが剥離する、成形加工後の熱可塑性樹脂フィルム密
着性の経時による低下が大きいなどの問題を生じる場合
がある。これは、上記表面処理層の弾性変形性が劣るの
で、伸びが悪くなって脆くなり、成形加工時にアルミニ
ウム板と表面処理層間で破壊が発生するためと考えられ
る。なお、この割合の上限は、100%である。
【0032】上記の熱可塑性樹脂フィルムは、特に限定
されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン
や、これらを無水マレイン酸などを用いて酸変性した変
性ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリ−p−キシレングリコールビスカーボネート、
ポリ−ジオキシジフェニルエタンカーボネート、ポリジ
オキシジフェニル1,1−エタンカーボネートなどのポ
リカーボネート等のポリカーボネート樹脂,ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、フッ素
樹脂等の樹脂の1種、2種以上の共重合樹脂、又は2種
以上をブンレドした複合した樹脂等からなるフィルムが
あげられる。これらの熱可塑性樹脂フィルムは、耐熱
性、耐食性、加工性、接着性などそれぞれ異なる特性を
有しているが、目的とする用途に応じて選択される。
【0033】例えば、絞り加工、絞り・しごき加工が施
されるような厳しい成形加工がされ、かつ、熱可塑樹脂
フィルムに絶縁性が要求されるようなアルミニウム電解
コンデンサー外装容器においては、ポリアミド樹脂製フ
ィルムやポリエステル樹脂製フィルムを用いることが望
ましい。
【0034】上記ポリアミド樹脂製フィルムとしては、
ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド11、ポ
リアミド12、ポリアミドMXD6等の1種、2種以上
の共重合樹脂、または2種以上をブレンドして複合した
樹脂の末延伸或いは1軸延伸或いは2軸延伸したフィル
ム等があげられる。
【0035】上記ポリエステル樹脂製フィルムとして
は、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレ
ート単位を主体とし、共重合成分がイソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸或いはネオペンチルグリコール等で
ある共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレート単位
を主体としたポリエステル、及びこれらをブレンドした
複合樹脂からなるフィルムがあげられ、これらの樹脂の
2軸配向したフィルムを用いることがより好ましい。
【0036】さらに、衝撃加工性が要求される場合は、
上記のポリエステルにビスフェノールAポリカーボネー
トをブレンドした複合樹脂からなるフィルム、又は上記
の複合樹脂層を上層とし、上記のポリエステルを下層と
した2層の積層フィルム、上記のポリエステルを上層及
び下層とし、上記のビスフェノールAポリカーボネート
を中間層とした3層の積層フィルム等があげられる。上
記2層の積層フィルムの具体例としては、上層がポリエ
チレンテレフタレートで下層が共重合ポリエステル樹脂
からなる積層フィルムがあげられる。
【0037】上記の熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱
可塑性樹脂には必要に応じて、安定剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、顔料、滑剤、腐食防止剤などの添加剤を添加
しても差し支えない。
【0038】熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、5μ〜1
00μmであることが好ましく、より好ましくは10〜
30μmである。5μm未満の場合はアルミニウム板に
しわなどを生じさせず、均一に積層することが極めて困
難であり、さらに、得られた樹脂被覆アルミニウム板を
絞り加工や絞りしごき加工した際に樹脂層に亀裂を生じ
やすく、耐食性、電気絶縁性が著しく劣化する場合があ
る。一方、100μmを越えると経済的に不利となる。
【0039】この発明にかかる熱可塑性樹脂フィルム被
覆アルミニウム板の製造方法は特に限定されるものでな
いが、あらかじめ製膜した未延伸、一軸延伸、二軸延伸
した熱可塑性樹脂フィルムを、加熱炉、誘導加熱ロー
ル、熱媒加熱ロール等でフィルムの融点以上の温度に加
熱したアルミニウム板にラミネートロールにより熱融着
する方法、或いは加熱溶融させた熱可塑性樹脂をアルミ
ニウム板上に押し出し被覆する方法等、公知の方法によ
り作成することができる。
【0040】熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板
の成形加工程度によっては密着性が十分ではなかった
り、また使用環境によっては耐食性が不足する等の場合
もある。このような場合、熱可塑性樹脂フィルムとアル
ミニウム板の間に、アミノ基、エポキシ基、アクリル基
などの官能基を持つシランカップリング剤層などのプラ
イマー層や、アクリル基、ウレタン基、エポキシ基、ポ
リエステル基などの官能基を持つ接着剤層を順次、或い
は各々個別に介在させて積層することにより、必要とす
る加工性や耐食性を得ることができる。
【0041】これらのプライマーや接着剤は、フィルム
ラミネート法で被覆する場合はアルミニウム板、熱可塑
性樹脂フィルムのいずれかに薄膜状で塗布可能であるこ
とが好ましく、さらに、溶媒などに希釈し、ロールコー
ト、スプレーコート、バーコートなどの手法を用いて塗
布すれば良い。プライマー、接着剤の塗布量としては、
特に限定されるものではなく、成形加工の程度に応じて
適宜選択すれば良い。
【0042】この発明にかかる熱可塑性樹脂フィルム被
覆アルミニウム板は、プレス加工、絞り加工や絞りしご
き加工、およびそれらの加工に加えてさらなる加工を施
した際に、層間剥離などの欠陥が生じず、また、経時変
化による層間の欠陥が生じ難い、また、加工後に熱可塑
性樹脂の熱処理を施して、層間の密着性を回復させる必
要性がないなど、加工密着性および加工後密着性に優れ
たものである。
【0043】この発明にかかる熱可塑性樹脂フィルム被
覆アルミニウム板は、絞り加工等、任意の成形方法で加
工して、熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム板製の
成形体を得ることができる。そして、その熱可塑性樹脂
フィルム被覆アルミニウム板製の成形体をアルミニウム
電解コンデンサー用外装容器として使用することができ
る。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例
に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比
較例における物性の評価方法は以下のとおりである。
【0045】(評価方法) (1)微小表面硬度測定 下記の装置を用いて、ナノインデンテーション法を用い
て測定した。 装置:エリオニクス ENT−1100a 条件: 試験荷重10mgf、 250ステップに分解、 使用圧子=三角錐(稜間隔115度)、先端径=0.1
μ
【0046】(2)ヤング率・塑性変形量・弾性変形量
の測定 上記の微小表面硬度測定において、熱可塑性樹脂フィル
ムを積層する前の試料に押し込み負荷/除荷試験を施
し、図1に示すような、負荷時及び除荷時の荷重と変位
量の関係のグラフを求める。そして、荷重を除荷する際
のグラフの傾きをグラフに書き入れ、荷重=0の場合に
おける変位量から、塑性変形量及び弾性変形量を求め
る。そして、下記の式からヤング率を求める。 ヤング率(E*)=1/[(2×β×h1)×{(π/
k)・(Pmax/h2)}1/2] なお、上記式において、β=0.9532、k=26.
36であり、hは塑性変形量、Pmaxは最大荷重、h
1は塑性変形量、h2は弾性変形量を示す。なお、ここで
いうヤング率(E*)は、試料と圧子の両方を含んだ複
合ヤング率をいう。
【0047】(3)有孔度の測定 陽極酸化処理をしたアルミニウム板を、走査型電子顕微
鏡によって10万倍に拡大して、任意の10ヶ所を観察
し、表面に存在する孔を構成する領域の面積を算出し、
この合計値を、観察したアルミニウム板の総面積で除し
て算出した。なお、皮膜が不連続な部位、例えば、金属
間化合物が存在して、皮膜が不連続化するような部位は
除いた。また、断面を切断し、透過電子顕微鏡(TE
M)観察する方法でも測定可能である。
【0048】(4)プレス加工性評価 各被覆板を用い、ランス順送り絞り機により7段の絞り
加工を行い、容器外面側が樹脂層となるように10mm
φ×20mm高さの円筒容器(しごき率20%)を10
0個作成し、層間の剥離状態を目視観察した。そのとき
の層間剥離が全くなかったものを良品とし、評価結果を
良品率(%)で示した。
【0049】(5)かしめ加工性評価 上記10mmφ×20mm高さの円筒容器を100rp
mの回転速度で回転させながら、厚さ3mmの円板状の
かしめごま(側面はR=1.5mmの半円状)を押し当
てて、(直径が7.0mm)(直径変化率が30%)に
なるようにかしめ加工し、層間の剥離状態を目視観察し
た。100個の容器について確認し、層間剥離のなかっ
たものを良品とし、評価結果を良品率(%)で示した。
【0050】(6)10日後の経時変化 上記のかしめ性試験において使用した100個の容器に
ついて、加工してから10日間経過後の容器の層間剥離
状況について目視観察した。層間剥離のなかったものを
良品とし、評価結果を良品率(%)で示した。
【0051】[総合評価]上記(4)〜(6)の項目に
おいて、合格品質のものを「○」と判定し、一項目でも
不合格品質のものを「×」と判定した。
【0052】(実施例1)JIS A1100 H24
厚み0.30mmのアルミニウム板の表面を10%水
酸化ナトリウム水溶液で50℃の温度で30秒間エッチ
ング処理した後、10%硝酸水溶液で中和処理を行い、
10秒間水洗を行った。ついで、このアルミニウム板を
2%アジピン酸アンモニウム水溶液で、電解電圧を14
0V、電流密度を3.0A/dm2とし、120秒間の
電解処理を施し、アルミニウム板の表面に厚さ2000
Åの陽極酸化処理膜を形成した。電解処理を終了した
後、アルミニウム板を30秒間水洗し、120℃の温度
で乾燥した。このアルミニウム板の陽極酸化皮膜の上
に、ビスフェノール型エポキシ樹脂(分子量380、エ
ポキシ当量=180から200)をメチルエチルケトン
に溶解させた後に、ロールコーターにて、乾燥後の塗布
厚みが1.0μmとなるように塗布した。上記アルミニ
ウム板を250℃以上の温度で加熱焼付けた後に、厚み
が20μmのポリアミド6のフィルムを溶融積層した。
得られたポリアミド6フィルム被覆アルミニウム板につ
いて、上記に示した項目について評価を行った。得られ
た結果を表1に示す。
【0053】(実施例2)電解液を2%ケイ酸ナトリウ
ム水溶液に、電解電圧を70Vに変えたほかは、実施例
1と同様の方法で、アルミニウム板の表面に厚さ100
0Åの陽極酸化処理皮膜を形成した。このアルミニウム
板の陽極酸化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤
(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を50mg
/m2塗布して乾燥した後、アルミニウム板を250℃
の温度に加熱し、厚さ20μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムを積層した。得られたポリエステル樹脂
積層アルミニウム板につき、上記に示した項目について
評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0054】(実施例3)電解液を5%硫酸に、電解電
圧を16Vに変えた他は、実施例1と同様にして電解処
理を施し、アルミニウム板の表面に厚さ250Åの陽極
酸化処理皮膜を形成した。このアルミニウム板の陽極酸
化皮膜の上に、アミノシランカップリング剤を50mg
/m2塗布して乾燥した後、アルミニウム板を250℃
の温度に加熱し、厚さ20μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムを被覆した。得られたポリエステル樹脂
被覆アルミニウム板つき、上記に示した項目について評
価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0055】(比較例1)電解液を15重量%硫酸水溶
液に変え、電流密度を1.0A/dm2とし、25℃の
温度で8秒間電解処理を施した以外は、実施例2と同様
にして、アルミニウム板に厚さ2000Åの陽極酸化皮
膜を形成した。次いで、実施例2と同様にしてアミノシ
ランカップリング剤を塗布した後、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを積層した。得られたポリエステル樹
脂積層アルミニウム板につき、上記に示した項目につい
て評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0056】(比較例2)電解液を10重量%リン酸水
溶液に変え、電解電圧を70Vとした以外は、実施例2
と同様にして、アルミニウム板に厚さ2000Åの陽極
酸化皮膜を形成した。次いで、実施例2と同様にしてア
ミノシランカップリング剤を塗布した後、ポリエチレン
テレフタレートフィルムを積層した。得られたポリエス
テル樹脂積層アルミニウム板につき、上記に示した項目
について評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0057】(比較例3)アルミニウム板表面をリン酸
クロメート処理(Cr=20mg/m2)した以外は、
実施例2と同様にして、上記に示した項目について評価
を行った。得られた結果を表1に示す。次いで、実施例
1と同様にしてポリアミド6樹脂フィルムを積層した。
得られたポリアミド6樹脂積層アルミニウム板につき、
上記に示した項目について評価を行った。得られた結果
を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】(結果)表1より次のことが明らかとな
る。 (1)陽極酸化処理したアルミニウム板表面の微小表面
硬度が3×103kg/mm2以上、ヤング率が2×10
4kg/mm2以上であって全変位量に対する塑性変形量
の割合が60%より小さく、弾性変形量の割合が40%
より大きいアルミニウム板に、ポリアミド6樹脂、ポリ
エステル樹脂の熱可塑性樹脂フィルムを被覆したアルミ
ニウム板は、プレス加工性、かしめ加工性において優
れ、加工してから10日間経過しても加工した部分の密
着強度の低下が起こらず、層間剥離が生じない。(実施
例1、2、3)
【0060】(2)全変位量に対する塑性変形量の割合
が67%、弾性変形量の割合が33%である比較例1
は、プレス加工性は問題ないものの、かしめ加工性、加
工してから10日間経過に関しては実施例1、2、3よ
り劣る傾向があり、品質の劣るものであった。(比較例
1)
【0061】(3)比較例2,3は、アルミニウム板表
面の微小表面硬度が3×103kg/mm2より小さく、
ヤング率が3×104kg/mm2より小さく、全変位量
に対する塑性変形量の割合が60%以上で、弾性変形量
の割合が40%以下と、この発明の範囲を外れる。この
アルミニウム板に熱可塑性樹脂フィルムを被覆したアル
ミニウム板は、プレス加工性は問題ないものの、かしめ
加工性に劣り、加工してから10日間経過してからの加
工した部分の密着強度の低下が大きく、層間剥離が生じ
やすいものであった。
【0062】
【発明の効果】この発明にかかる熱可塑性樹脂フィルム
被覆アルミニウム板は、所定の微小表面硬度、ヤング
率、微小表面硬度の測定時の全変位量に対する塑性変形
量の割合、及び及び弾性変形量の割合を有する陽極酸化
処理された熱可塑性樹脂フィルム被覆用アルミニウム板
を用いるので、これに熱可塑性樹脂フィルムを被覆して
も、アルミニウム板と熱可塑性樹脂フィルムとは、絞り
加工等の加工を施しても十分な密着強度を有し、長期
間、密着強度が保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ナノインデンテーション法による測定結果を示
すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/08 H01G 9/08 F (72)発明者 野々山 寛 滋賀県長浜市三ッ矢町5番8号 三菱樹脂 株式会社長浜工場内 (72)発明者 山口 恵太郎 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社技術開発センター内 Fターム(参考) 4F100 AA19B AB10A AK01C BA03 BA07 BA10A BA10C DD07B EJ64B GB41 GB90 JB02 JB16C JG04 JK06 JK07B JK12B JM02B YY00B 4K044 AA06 AB02 BA13 BA21 BB03 BB13 BC05 CA04 CA17 CA31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小表面硬度が3×103〜1×104
    g/mm2、ヤング率が2×104〜5×105kg/m
    2、微小表面硬度の測定時の全変位量に対する塑性変
    形量の割合が60%未満、及び弾性変形量の割合が40
    %より大きい陽極酸化皮膜が形成された熱可塑性樹脂フ
    ィルム被覆用アルミニウム板。
  2. 【請求項2】 アルミニウム面の全面積に対する、上記
    の陽極酸化皮膜が形成される陽極酸化皮膜の表面に存在
    する孔を構成する領域の面積の比が、30%以下である
    微孔質陽極酸化皮膜を有する請求項1に記載の熱可塑性
    樹脂フィルム被覆用アルミニウム板。
  3. 【請求項3】 上記のアルミニウム面の全面積に対す
    る、上記の陽極酸化皮膜が形成される陽極酸化皮膜の表
    面に存在する孔を構成する領域の面積の比が、5%以下
    である、実質上、無孔質陽極酸化皮膜を有する請求項1
    に記載の熱可塑性樹脂フィルム被覆用アルミニウム板。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の熱可
    塑性樹脂フィルム被覆用アルミニウム板に熱可塑性樹脂
    フィルムを積層した、加工密着性に優れた熱可塑性樹脂
    フィルム被覆アルミニウム板。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の熱可塑性樹脂フィルム
    被覆アルミニウム板を成形加工した熱可塑性樹脂フィル
    ム被覆アルミニウム板製の成形体。
  6. 【請求項6】 アルミニウム電解コンデンサー用外装容
    器として使用される請求項5記載の熱可塑性樹脂フィル
    ム被覆アルミニウム板製の成形体。
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