JP2003301111A - カラー舗装用バインダー組成物 - Google Patents

カラー舗装用バインダー組成物

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JP2003301111A JP2002108306A JP2002108306A JP2003301111A JP 2003301111 A JP2003301111 A JP 2003301111A JP 2002108306 A JP2002108306 A JP 2002108306A JP 2002108306 A JP2002108306 A JP 2002108306A JP 2003301111 A JP2003301111 A JP 2003301111A
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宏 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体・環境に対して優しく、かつ色相に優
れ、加熱時、供用時に色相変化が小さなカラー舗装用バ
インダー組成物を提供する。 【解決手段】 多環芳香族含有量が3質量%未満で、か
つ芳香族分(%CA)が15%以下、40℃における動
粘度が300mm2/s以上、および引火点が230℃
以上の石油系重質油からなる液状軟化剤、水添石油樹脂
からなる粘着付与樹脂およびスチレンとブタジエンのブ
ロック共重合体などのような熱可塑性高分子化合物を構
成成分とするカラー舗装用バインダー組成物により前記
課題が解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー舗装用バイン
ダー組成物に関する。特に、歩道舗装、車道舗装、透水
・排水舗装ならびに公園・広場などの舗装に適用可能な
カラー舗装用バインダー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー舗装用バインダー組成物として
は、液状軟化剤に潤滑油留分あるいは溶剤脱れき油をフ
ルフラール溶剤などの溶剤で抽出した芳香族油、粘着付
与樹脂に石油樹脂、熱可塑性高分子化合物にスチレン−
ブタジエン系のポリマーなどを用いたものが知られてい
る。しかし近年、これら芳香族油に含まれる多環芳香族
炭化水素の人体、環境に対する有害性が問題となってお
り、多環芳香族炭化水素を低減したカラー舗装用バイン
ダー組成物の開発が急がれている。また、芳香族油や石
油樹脂を使用した従来のカラー舗装用バインダーは褐色
もしくは緑色を帯びた褐色の色相を示す組成物となり、
しかも骨材やフィラーとの加熱混合時あるいは施工後の
供用時に酸化劣化によりバインダーの色相が悪化すると
いう欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、組成成分的
に人体・環境に対し優しいカラー舗装用バインダー組成
物を提供し、併せて、色相に優れ、加熱時、供用時に色
相変化が小さなカラー舗装用バインダー組成物を提供す
ることを目的とするものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、液状軟化剤とし
て多環芳香族炭化水素の含有量が一定以下であり、かつ
芳香族成分(%CA)、動粘度および引火点についても
特定の値を有する石油系重質油を用い、さらに粘着付与
樹脂として水添により分子中の二重結合を完全にまたは
部分的に排除した石油樹脂を用いることにより、そして
熱可塑性高分子化合物として好ましくはスチレンとブタ
ジエンのブロック共重合体を用い、これらを特定の割合
で組み合わせることにより、上記の2つの課題が同時
に、しかも大幅に改善できることを見出し、本発明を完
成するに至ったものである。
【0005】すなわち、本発明は、液状軟化剤、粘着付
与樹脂および熱可塑性高分子化合物を配合して成るカラ
ー舗装用バインダー組成物であって、液状軟化剤が、多
環芳香族含有量が3質量%未満、芳香族分(%CA)が
15%以下、40℃における動粘度が300mm2/s
以上および引火点が230℃以上の石油系重質油であ
り、粘着付与樹脂が水添石油樹脂であることを特徴とす
るカラー舗装用バインダー組成物に関する。
【0006】本発明のカラー舗装用バインダー組成物に
おいては、前記粘着付与樹脂が、脂肪族系石油樹脂(C
5系石油樹脂)、芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)、
ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびC5/C9共重合
系石油樹脂から成る群から選ばれる石油樹脂を水添して
得られる水添石油樹脂であることが好ましい。
【0007】本発明のカラー舗装用バインダー組成物に
おいては、前記粘着付与樹脂が、前記水添石油樹脂10
0質量部に対し、水添していない石油樹脂を50質量部
以下含有するものであることが好ましい。
【0008】本発明のカラー舗装用バインダー組成物に
おいては、前記熱可塑性高分子化合物がスチレンとブタ
ジエンのブロック共重合体であることが好ましい。
【0009】本発明のカラー舗装用バインダー組成物に
おいては、前記液状軟化剤100質量部に対して、前記
粘着付与樹脂80〜250質量部および前記熱可塑性高
分子化合物5〜30質量部を配合したものが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳述する。本発明
に用いる液状軟化剤は、多環芳香族炭化水素含有量が3
質量%未満であり、かつ芳香族分(%CA)が15%以
下、40℃における動粘度が300mm2/s以上、お
よび引火点が230℃以上の石油系重質油である。本発
明においては、液状軟化剤における多環芳香族炭化水素
含有量が3質量%未満であることが必要である。液状軟
化剤の多環芳香族炭化水素含有量が3質量%以上になる
と人体・環境に対し悪影響を及ぼす可能性が高くなるた
め好ましくない。なお、多環芳香族炭化水素の含有量は
IP346/92に準拠して測定される値である。
【0011】また本発明における液状軟化剤の芳香族分
(%CA)は15%以下であり、好ましくは7〜10%
である。なお、芳香族分(%CA)はJIS K228
3に準拠して測定される値である。液状軟化剤の芳香族
分(%CA)が15%を超える場合は、得られるバイン
ダーの色相が悪くなるおそれがあり、また加熱時、供用
時にバインダー組成物の色相が大きく変化する。さらに
は、熱可塑性高分子化合物であるスチレンブタジエンブ
ロック共重合体中のスチレンドメインとの相溶性が大き
くなりすぎるため、スチレンドメインが本来果たすべく
架橋点の形成が困難となり、バインダー組成物の軟化点
および60℃粘度を十分に高めることが困難となるおそ
れがある。
【0012】40℃における動粘度は300mm2/s
以上であり、好ましくは400mm2/s以上である。
40℃における動粘度が300mm2/s未満の場合
は、舗装用に適したバインダー性状を得るために多量の
粘着付与樹脂を配合する必要が生じ経済的に不利とな
る。液状軟化剤と粘着付与樹脂の配合割合については、
これら2成分の混合後の針入度(JIS K2207)
が、30〜200(単位:1/10mm)、好ましくは
50〜150(単位:1/10mm)、さらに好ましく
は70〜100(単位:1/10mm)となるように配
合するのが望ましい。
【0013】本発明に用いる液状軟化剤としては、例え
ばパラフィン基原油、ナフテン基原油、または混合基原
油より得られる潤滑油留分をフルフラールなどの溶剤に
より抽出処理した後のラフィネート分が挙げられる。あ
るいは溶剤抽出処理に加えてさらに水素化精製処理およ
び/または脱ろう処理などの各種の精製処理をして得ら
れる精製油などが挙げられる。なお、この場合の精製処
理の順序は任意である。本発明に用いる液状軟化剤とし
て特に好ましいものとしてはブライトストックを挙げる
ことができる。
【0014】本発明に用いる粘着付与樹脂は、水添石油
樹脂である。本発明において水添石油樹脂とは、石油樹
脂中の不飽和結合を全部水素化した石油樹脂はもちろん
のこと、石油樹脂中の不飽和結合を部分的に水素化した
石油樹脂を含む意味である。部分的に水素化した石油樹
脂とは、臭素価が1〜10、好ましくは3〜6の範囲と
なる石油樹脂をいう。本発明においては、粘着付与樹脂
として完全水添石油樹脂と部分水添石油樹脂を混合して
使用しても良い。
【0015】特に、本発明において用いる粘着付与樹脂
としては、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、芳香
族系石油樹脂(C9系石油樹脂)、ジシクロペンタジエ
ン系石油樹脂およびC5/C9共重合系石油樹脂から成る
群から選ばれる石油樹脂を水添して得られる水添石油樹
脂であることが好ましい。中でも、芳香族系石油樹脂
(C9系石油樹脂)および/またはジシクロペンタジエ
ン系石油樹脂を水添して得られる石油樹脂が特に好まし
い。
【0016】石油樹脂を水添する方法は特に限定される
ものではなく、公知の方法を採用することができる。例
えば、粉末状のニッケル触媒、白金触媒などを水添触媒
として、反応温度200〜350℃、反応圧力3〜30
MPa、水素供給量を石油樹脂の理論水素吸収量の2〜
50倍とすることで通常実施することができる。
【0017】本発明に用いる粘着付与樹脂の軟化点は9
0℃〜150℃であることが好ましく、特に120℃〜
140℃であることが好ましい。
【0018】また、これら水添石油樹脂に水添していな
い石油樹脂を混合して用いることもできる。すなわち、
未水添の石油樹脂を配合することによりバインダーの粘
度が低下してハンドリング性が向上する場合があり、こ
のような場合に必要に応じ水添していない石油樹脂を混
合して用いることができる。水添していない石油樹脂の
配合割合は、水添石油樹脂100質量部に対し、50質
量部以下が好ましく、より好ましくは30質量部以下で
ある。水添していない石油樹脂の割合が50質量部を超
えたり、または水添していない石油樹脂を単独で使用し
た場合は、加熱時、供用時に色相の変化が大きくなるお
それがあり、また液状軟化剤との相溶性が悪くなるた
め、場合によっては得られるバインダー組成物自体の色
相が白濁してしまい、カラー舗装を行うためのバインダ
ーという本来の目的を達成することができなくなる。水
添していない石油樹脂の軟化点は、90〜150℃のも
のが好ましい。
【0019】本発明に用いる熱可塑性高分子化合物は、
スチレンと他のモノマーとの共重合体であって、スチレ
ン単位の含量が10〜45質量%である熱可塑性エラス
トマーが好ましい。本発明において用いる熱可塑性高分
子化合物の好ましい例としては、スチレン−ブタジエン
−スチレンのトリブロック共重合体(SBS)、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンのトリブロック共重合体とス
チレン−ブタジエンのジブロック共重合体の混合物を挙
げることができる。これらはスチレン−ブタジエンのラ
ンダム共重合体を含んでいても良い。また上記以外の熱
可塑性高分子化合物の好ましい例としては、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ス
チレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体(SEBS)およびスチレン−ブタジエン−ブチレ
ン−スチレンブロック共重合体(SBBS)を挙げるこ
とができる。これらの熱可塑性高分子化合物は、単独も
しくは混合して使用することができる。
【0020】さらに、前述した本発明に用いられる熱可
塑性高分子化合物には、クロロプレンゴム、天然ゴム等
のゴム、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EE
A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの
エチレン系共重合体等を混合して用いることができる。
この場合の混合割合は、前述の熱可塑性高分子化合物1
00質量部に対して100質量部以下が好ましい。
【0021】本発明のカラー舗装用バインダーは、液状
軟化剤、粘着付与樹脂および熱可塑性高分子化合物を構
成成分として含有する組成物であり、それぞれの含有割
合は液状軟化剤100質量部に対して、粘着付与樹脂8
0〜250質量部、好ましくは100〜200質量部、
熱可塑性高分子化合物5〜30質量部、好ましくは10
〜25質量部である。
【0022】液状軟化剤100質量部に対して粘着付与
樹脂が80質量部未満では、得られるバインダー組成物
が軟らかくなり過ぎ、舗装体にわだちが生じやすくな
る。また液状軟化剤100質量部に対して粘着付与樹脂
が250質量部を超えると逆にバインダー組成物が硬く
なり過ぎ、舗装体にひび割れが生じやすくなる。一方、
液状軟化剤100質量部に対して熱可塑性高分子化合物
が5質量部未満では、バインダー組成物が低温下で脆化
しやすく、また軟化点、60℃粘度を十分に高めること
ができず、舗装体の供用性が低下する。他方、液状軟化
剤100質量部に対して熱可塑性高分子化合物が30質
量部を超える場合は、バインダー組成物の溶融粘度が高
くなり過ぎ、作業性および骨材との混合性が悪くなるな
どの問題がある。
【0023】本発明のカラー舗装用バインダーは、液状
軟化剤に粘着付与樹脂および熱可塑性高分子化合物を配
合し、温度130〜200℃、好ましくは温度150〜
180℃で、通常30分〜20時間、好ましくは2〜1
0時間混合することにより調製できる。各成分の配合方
法は特に制限されるものではないが、あらかじめ130
〜200℃の所定温度に加熱した液状軟化剤に、粘着付
与樹脂および熱可塑性高分子化合物を添加する方法が望
ましい。また、配合した各成分の混合はプロペラ式攪拌
機、ホモジナイザーなどの種々の攪拌機で行うことがで
きるが、高せん断ミキサーで攪拌すると比較的短時間で
混合することができる。
【0024】また本発明のカラー舗装用バインダー組成
物は、上記構成材料の他に各種の添加剤を配合すること
ができる。配合することができる添加剤としては、酸化
防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤など)、紫
外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤な
ど)、光安定剤(ヒンダードアミン系光安定剤など)な
どのようなバインダーの劣化を抑制する添加剤が挙げら
れる。また骨材との接着性を向上させる剥離防止剤、例
えばマレイン化有機化合物、アミン系有機化合物などを
添加してもよい。
【0025】本発明のカラー舗装用バインダー組成物
は、従来のアスファルト混合物製造プラントで加熱した
骨材と混合することができ、また従来の施工機械でその
組成物を施工することが可能である。また組成物を着色
するために顔料を添加し使用することができる。顔料と
しては、通常の無機顔料、例えば酸化鉄、酸化クロム、
水酸化鉄、酸化チタンなどの顔料などが使用できる。顔
料の添加順序は特に限定されるものではないが、アスフ
ァルト混合物製造プラントにてバインダーと骨材および
フィラーを混合するときに添加することが好ましい。顔
料の添加量は、通常、組成物の2〜3質量%である。本
発明のカラー舗装用バインダー組成物は、通常の密粒度
混合物のみならず、空隙率が20%程度の透水性混合
物、排水性混合物の製造にも適用ができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限さ
れるものではない。各実施例、比較例の組成物は表1に
示す組成に従って調製した。表1中の各材料の詳細は以
下に示すとおりである。
【0027】a)液状軟化剤A:多環芳香族炭化水素の
含有量が2.3質量%、芳香族分(%CA)が9%、4
0℃での動粘度が480mm2/s、引火点310℃の
鉱油系重質油である。 b)液状軟化剤B:多環芳香族炭化水素の含有量が1
8.3質量%、芳香族分(%CA)が33%、40℃で
の動粘度が4830mm2/s、引火点310℃の鉱油
系重質油である。 c)粘着付与樹脂A:C9留分を原料とした石油樹脂の
完全水添物で、その性状は軟化点140℃、酸価0KO
Hmg/g(JIS K0070)、臭素価0gBr/
100g樹脂、色調40(ハーゼン)のものである。 d)粘着付与樹脂B:ジシクロペンタジエンを原料とす
る石油樹脂の部分水添物で、その性状は軟化点120
℃、酸価0.01KOHmg/g未満(JISK007
0)、臭素価4gBr/100g樹脂、色相30(ハー
ゼン)のものである。 e)粘着付与剤樹脂C:C9留分を原料とした石油樹脂
で水添されておらず、その性状は軟化点120℃、酸価
0KOHmg/g(JIS K0070)、臭素価25
gBr/100g樹脂、色相3(ガードナー、2g/2
5mlトルエン溶液)のものである。 f)熱可塑性高分子化合物A:スチレン−ブタジエン−
スチレンのブロック共重合体であり、その性状は比重
0.94、メルトフローレート(ASTM1238、2
00℃、5kg)1g/10分以下、引張り強さ26M
Pa(JIS K6251)、25%トルエン溶液粘度
7500cpsのものである。
【0028】各実施例、比較例に示す色相の透明性の判
断は、バインダー組成物を膜厚200μmとなるようガ
ラス板上に成形しその透明性を目視にて判断した。加熱
時の色相変化の評価は、バインダー組成物400gを5
00mlのアルミ缶に入れ、180℃の溶融加熱状態で
5日間保持し、試験前後の色相変化を目視にて確認し
た。屋外暴露時の色相変化の評価は、バインダー組成物
をJIS2207に記載のストレートアスファルトの軟
化点測定用のリングに取り、1ヶ月間屋外に暴露するこ
とにより行い、暴露前後の色相変化を目視にて確認し
た。バインダーの物理性状はJIS2207に準拠して
測定した。
【0029】[実施例1]液状軟化剤Aを43質量部、
粘着付与樹脂Aを50質量部、および熱可塑性高分子化
合物Aを7質量部を170℃の加熱溶融状態にて3時間
攪拌混合して淡黄色透明で色相に優れた組成物を得た。
なお、液状軟化剤A43質量部と粘着付与樹脂A50質
量部からなる組成物の針入度は94(単位:1/10m
m)であった。得られたバインダー組成物中の多環芳香
族炭化水素の量は僅かであるため、環境および人体への
影響はほとんどない。またこのバインダー組成物は高温
下での貯蔵時、屋外での暴露時において色相の変化は見
られなかった。このバインダー組成物の物理性状は、軽
交通用道路用、重交通用道路用のバインダー品質を十分
満足するものであり、舗装用バインダーとして十分供用
に耐えうるものであった。
【0030】[実施例2]液状軟化剤Aを31質量部、
粘着付与樹脂Bを62質量部、および熱可塑性高分子化
合物Aを7質量部を170℃の加熱溶融状態にて3時間
攪拌混合して淡黄色透明で色相に優れた組成物を得た。
なお、液状軟化剤A31質量部と粘着付与樹脂B62質
量部からなる組成物の針入度は72(単位:1/10m
m)であった。得られたバインダー組成物中の多環芳香
族炭化水素の量は僅かであるため、環境および人体への
影響はほとんどない。またこのバインダー組成物は高温
下での貯蔵時、屋外での暴露時において色相の変化は見
られなかった。このバインダー組成物の物理性状は、軽
交通用道路用、重交通用道路用のバインダー品質を十分
満足するものであり、舗装用バインダーとして十分供用
に耐えうるものであった。
【0031】[実施例3]液状軟化剤Aを43質量部、
粘着付与樹脂Aを43質量部、粘着付与樹脂Cを9質量
部、および熱可塑性高分子化合物Aを5質量部を170
℃の加熱溶融状態にて3時間攪拌混合して淡黄色透明で
色相に優れた組成物を得た。なお、液状軟化剤A43質
量部と粘着付与樹脂A43質量部からなる組成物の針入
度は90(単位:1/10mm)であった。得られたバ
インダー組成物中の多環芳香族炭化水素の量は僅かであ
るため、環境および人体への影響はほとんどない。また
このバインダー組成物は高温下での貯蔵時、屋外での暴
露時において色相の変化は見られなかった。このバイン
ダー組成物の物理性状は、軽交通用道路用、重交通用道
路用のバインダー品質を十分満足するものであり、舗装
用バインダーとして十分供用に耐えうるものであった。
【0032】[比較例1]液状軟化剤Bを65質量部、
粘着付与樹脂Cを28質量部、および熱可塑性高分子化
合物Aを7質量部を170℃の加熱溶融状態にて3時間
攪拌混合した。なお、液状軟化剤B65質量部と粘着付
与樹脂C28質量部からなる組成物の針入度は50(単
位:1/10mm)であった。このバインダー組成物に
は液状軟化剤Bを使用したため、環境および人体への影
響が疑われる多環芳香族炭化水素を3質量%以上含む原
材料が混合された。得られた組成物は緑色を帯びた褐色
となりその色相は悪かった。また加熱時および屋外暴露
時に組成物の色相が悪化し耐久性に劣るバインダー組成
物であった。
【0033】[比較例2]液状軟化剤Aを31質量部、
粘着付与樹脂Cを62質量部、および熱可塑性高分子化
合物Aを7質量部を170℃の加熱溶融状態にて3時間
攪拌混合した。このバインダー組成物は液状軟化剤Aと
粘着付与樹脂Cの組み合わせが悪く、これらの相溶性が
低いがため組成物は透明性を有せず白濁し、本来、カラ
ー舗装用のバインダー組成物が有すべく色相上の性能を
有していなかった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明のカラー舗装用バインダー組成物
は、多環芳香族炭化水素を3質量%以上含む原材料が存
在しないため人体・環境に対して優しく、また高温下で
の貯蔵時や屋外での暴露時などにおいても色相の変化が
小さく、軽交通用道路用、重交通用道路用、排水性舗装
用のバインダーとして好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D051 AA03 AB03 AG11 AG18 EA01 EA06 EB06 4J002 AE001 BA012 BP013 FD01 FD09 GL00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状軟化剤、粘着付与樹脂および熱可塑
    性高分子化合物を配合して成るカラー舗装用バインダー
    組成物であって、液状軟化剤が多環芳香族炭化水素含有
    量が3質量%未満、芳香族分(%CA)が15%以下、
    40℃における動粘度が300mm2/s以上、引火点
    が230℃以上の石油系重質油であり、粘着付与樹脂が
    水添石油樹脂であることを特徴とするカラー舗装用バイ
    ンダー組成物。
  2. 【請求項2】 粘着付与樹脂が、脂肪族系石油樹脂(C
    5系石油樹脂)、芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)、
    ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびC5/C9共重合
    系石油樹脂から成る群から選ばれる石油樹脂を水添して
    得られる水添石油樹脂であることを特徴とする請求項1
    に記載のカラー舗装用バインダー組成物。
  3. 【請求項3】 粘着付与樹脂が、水添石油樹脂100質
    量部に対し、水添していない石油樹脂を50質量部以下
    含有することを特徴とする請求項1または2に記載のカ
    ラー舗装用バインダー組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性高分子化合物がスチレンとブタ
    ジエンのブロック共重合体であることを特徴とする請求
    項1、2または3に記載のカラー舗装用バインダー組成
    物。
  5. 【請求項5】 液状軟化剤100質量部に対して、粘着
    付与樹脂80〜250質量部および熱可塑性高分子化合
    物5〜30質量部を配合して成る請求項1、2、3また
    は4に記載のカラー舗装用バインダー組成物。
JP2002108306A 2002-04-10 2002-04-10 カラー舗装用バインダー組成物 Expired - Fee Related JP3742028B2 (ja)

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