JP2009024063A - 無色透明性のバインダー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】無色透明性のバインダー組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】粘度指数(VI)が120以上である油状物質:総量で10〜80重量%、酸価1.0mgKOH/g以下、かつ臭素価1.0gBr/100g以下である樹脂:総量で20〜90重量%を含有することにより得られ、ASTM色が1.5以下である。このとき、油状物質は、フィッシャー・トロプシュ(FT)法により合成されたもの、又はポリα−オレフィン(PAO)を用いてもよい。また、得られたバインダー組成物は、180℃において20〜5000mPa・sの粘度で構成されていてもよい。
【選択図】なし
【解決手段】粘度指数(VI)が120以上である油状物質:総量で10〜80重量%、酸価1.0mgKOH/g以下、かつ臭素価1.0gBr/100g以下である樹脂:総量で20〜90重量%を含有することにより得られ、ASTM色が1.5以下である。このとき、油状物質は、フィッシャー・トロプシュ(FT)法により合成されたもの、又はポリα−オレフィン(PAO)を用いてもよい。また、得られたバインダー組成物は、180℃において20〜5000mPa・sの粘度で構成されていてもよい。
【選択図】なし
Description
本発明は、公園及び歩道等に施工される景観舗装に用いられるバインダー組成物に関し、特に透明性の向上に好適な無色透明性のバインダー組成物に関する。
一般に、公園及び歩道等にカラー舗装を施工する場合は、顔料等を添加することにより着色が可能なバインダー組成物が使用されている。このようなカラー舗装用バインダー組成物としては、例えば、樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーと石油系軟化剤とを所定の割合で配合し、必要に応じて酸化防止剤等を添加したものがある。
通常、カラー舗装用バインダー組成物は、屋外に長期間暴露されるため、水分、熱、油分及び紫外線等による劣化を最小限に抑制する必要がある。そこで、従来、耐候性向上を向上させるために、樹脂及び熱可塑性エラストマーとして、夫々、水素を添加することにより分子中の二重結合を低減した樹脂及び水素添加した熱可塑性エラストマーを使用したカラー舗装用バインダー組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。また、前述の樹脂及び水素添加した熱可塑性エラストマーを使用すると共に、軟化剤を石油系溶剤抽出油から芳香族分及び二重結合が少ない石油系潤滑油基油に変えたカラー舗装用バインダー組成物も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
ところで、上述の如きカラー舗装を施工する場合において、あえて顔料等を添加することなく、無色透明のバインダー組成物として構成したい場合もある。例えば、上述のように元々カラー舗装を望む歩道等に対しては着色可能なバインダー組成物を用いることにより対処することが可能であるが、骨材(特に黄色や白色の玉砂利など)の色をそのまま表現したい場合には、バインダー組成物が無色透明である必要があり、また白い色で舗装を望む場合には、着色系のバインダー組成物を用いると却って白みを表面に引き出すことができなくなる。このため、白い色の舗装を望む場合には、あえて無色透明のバインダー組成物を用いることが望ましい。このような無色透明性のバインダー組成物を作ることができれば、玉砂利の表面をコーティングする場合において、特に白い玉砂利における白みを前面に引き出すことも可能となり、その他様々な用途に用いることも可能となる。
即ち、景観舗装の構築に最も必要とされるバインダー組成物は、上述した性能の向上、機械的強度を中心とした基本性能を維持できることに加え、白色等の薄い色を含めた発色性の向上や色彩の維持を図れるものでなくてはならない。
特開2001−172469号公報
特開2001−329117号公報
特開2002−206047号公報
しかしながら、前述した従来技術には、以下に示すような問題点がある。前述の特許文献1〜3に記載のカラー舗装用バインダー組成物は、耐候性、耐久性及び色相について検討はなされているが、色相の検討はあくまで劣化による色の変化を検討したものであり、無色透明系の舗装を行う場合については何ら考慮したものではない。上記引用文献に記載の開示技術では、あくまで溶剤抽出油を基油としているため、生成物は淡黄色にどうしても着色されてしまい、無色透明化させることができないという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、無色透明性のバインダー組成物を提供することにある。
本発明に係る無色透明性のバインダー組成物は、上述した課題を解決するために、ASTM色が1.5以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ASTM色を1.5以下で構成するため、無色透明のバインダー組成物を得ることが可能となる。これにより、例えば、骨材(特に黄色や白色の玉砂利など)の色をそのまま表現したい場合には、バインダー組成物が無色透明である必要があり、また白い色での舗装を望む場合には、着色系のバインダー組成物を用いると却って白みを表面に引き出すことができなくなるが、無色透明のバインダー組成物として構成可能な本発明では、このような白い色による舗装を行う際に、その白さを前面に引き出すことも可能となる。また本発明では、玉砂利の表面をコーティングする場合において、特に白い玉砂利における白みを前面に引き出すことも可能となり、その他様々な用途に用いることも可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、詳細に説明する。本発明を適用した無色透明性のバインダー組成物(以下、本発明バインダー組成物という)は、粘度指数(VI)が120以上である油状物質:総量で10〜80重量%、酸価1.0mgKOH/g以下、かつ臭素価1.0gBr/100g以下である樹脂:総量で20〜90重量%を含有する。そして、この本発明バインダー組成物のASTM色が1.5以下である。
以下、上述した本発明バインダー組成物の構成要件として定義される上記油状物質を本発明油状物質という。また、上述した本発明バインダー組成物の構成要件として定義される上記樹脂を本発明樹脂という。
以下、上述した本発明バインダー組成物の構成要件として定義される上記油状物質を本発明油状物質という。また、上述した本発明バインダー組成物の構成要件として定義される上記樹脂を本発明樹脂という。
以下、本発明バインダー組成物を構成する構成要素の詳細並びに数値限定理由について説明する。
粘度指数(VI)が120以上である本発明油状物質を総量で10〜80重量%含有
本発明油状物質の粘度指数(VI:viscosity index)は、120以上としている。油状物質の粘度は温度によって変化し、温度が高くなるほど小さくなるが、その程度は一定ではなく、油状物質の種類によって異なる。本発明では、この本発明油状物質の粘度特性を示す指数としてVIを用いることにより定義している。即ち、本発明油状物質のVIを120以上とすることにより、温度が高くなるにつれて粘度が緩やかに落ちていくという性能を発揮させることができ、換言すれば本発明油状物質の粘度を広範な温度域に亘って高く維持することが可能となる。またVIを上述した範囲に設定することにより、熱安定性を向上させることが可能となることから、混合中における加熱による変色を抑えることが可能となる。
また、本発明油状物質は、フィッシャー・トロプシュ(FT)法により合成されたもの、又は直鎖のα−オレフィン重合させたポリα−オレフィン(PAO)である。ちなみに、この直鎖のα−オレフィンは、分子鎖の片方の末端にのみ二重結合を持つオレフィンである。
フィッシャー・トロプシュ(FT)法は、H2とCOの混合物を含有する合成ガスを原料とし、フィッシャー・トロプシュ触媒と接触させることにより炭化水素を製造する反応である。例えば、天然ガスからメタンを単離し、メタンの部分酸化反応による合成ガスを原料としてFT合成を行う。そして、この合成した後の生成物流を分別蒸留又は溶媒抽出することにより鎖状炭化水素を単離し、これを本発明油状物質とする。本発明油状物質の例としては、例えば、ShellXHVI(登録商標)5.2やShell XHVI(登録商標)8.2を用いるようにしてもよい。このようなFT法に基づいて生成される本発明油状物質のVIは120以上とすることができる。
また直鎖のα−オレフィン重合させたポリα−オレフィン(PAO)は、炭素数6〜18(一般に炭素数10)の直鎖のα−オレフィンを数分子(一般に2〜4分子)重合させ、その後に水素添加し分子中の二重結合を排除したものである。
また、本発明油状物質のASTM色は、1.0以下としてもよい。本発明樹脂と混合する以前の本発明油状物質のASTM色が1.0を超えているものである場合には、後においてこれと本発明樹脂と混合しても得られるバインダー組成物のASTM色を1.5以下にすることはできない。このため原料として本発明油状物質につき、混合以前のASTM色の観点から、これを定義してもよい。
また、本発明油状物質の含有率は、総量で10〜80重量%としている。本発明油状物質が10重量%未満であると、得られるバインダー組成物について所期の効果を発揮させることが困難になり、また本発明樹脂との混合が困難になるためであり、また本発明油状物質が80重量%を超えてしまうと、バインダー組成物の粘度が低くなりすぎ所期の性能を発揮することができない点で問題があるためである。
酸価1.0mgKOH/g以下、かつ臭素価1.0gBr/100g以下である本発明樹脂を総量で20〜90重量%含有
本発明樹脂は、酸価1.0mgKOH/g以下、かつ臭素価1.0gBr/100g以下であることを必須の要件としてもよい。
酸価は、樹脂に含まれるカルボキシル基又はヒドロキシル基の数に影響される値である。具体的には、酸価を1.0mgKOH/g以下とすることにより、樹脂中のカルボキシル基又はヒドロキシル基を少なくすることができ、本発明油状物質と混合した際にバインダー組成物が失透してしまうのを防止することが可能となる。即ち、本発明樹脂における酸価を規制する目的としては、極性が殆どない本発明油状物質に、添加する本発明樹脂の極性の上限を規制することにある。
また、臭素価は、樹脂に含まれる二重結合の数に影響される値である。具体的には、臭素価を1.0gBr/100g以下とすることにより、本発明樹脂中の二重結合の数を少なくすることができ、これにより屋外に舗装として供用した際に日射中の紫外線、また雨水による劣化(バインダー組成物の分解、硬化、変色)を防ぐことができる。また二重結合の数を少なくすることで製造中の加熱等によるバインダー組成物の着色化を防止することが可能となる。
石油樹脂は、石油精製過程において熱分解留分中に存在する不飽和炭化水素の重合物であり、分子量が100〜2000程度、一般には200〜1500であり、軟化点が60〜150℃程度である淡黄色の材料である。このような水素添加されていない樹脂の分子中の二重結合に水素を付加したものが水素添加された本発明樹脂であり、この水素添加された本発明樹脂の軟化点は通常90〜130℃程度である。
本発明樹脂は、本発明バインダー組成物において構造部材として作用する成分であるが、その総含有量が、本発明バインダー組成物全重量に対して20重量%未満の場合、バインダー組成物の強度が低下し、舗装の耐久性が低くなる。一方、本発明樹脂の総含有量が、本発明バインダー組成物全重量に対して90重量%を超えると、本発明油状物質との混合が困難になるという問題点が生じる。このため、本発明樹脂の含有量は、20〜90重量%とした。本発明油状物質を30重量%とし、本発明樹脂を70重量%含有させることにより、得られる本発明バインダー組成物の粘度を最適化させることができ、180℃で1時間に亘り3000回転/分のホモミキサーにより回転させながらこれらを混合することにより、180℃において50〜2000mPa・sの粘度からなる本発明バインダー組成物を得ることが可能となる。
臭素価1.0gBr/100g以下とは、対象とする物質100g中に存在する二重結合に付加できる臭素(原子記号Br)が1.0g以下であることを意味し、臭素価1.0gBr/100g以上であると、二重結合の数が相対的に増加し、この増加した二重結合によって樹脂が着色している、あるいは油状物質との混合中に着色する。
このため、得られる本発明バインダー組成物について、所望のASTM色を発現させて無色透明とするためには、本発明樹脂の臭素価は1.0gBr/100g以下とする必要がある。
本発明樹脂の例としては、水素添加されたロジン樹脂、水素添加されたC5系石油樹脂、水素添加されたC9系石油樹脂、水素添加されたC5系石油樹脂及びC9系石油樹脂の共重合樹脂、水素添加されたジシクロペンタジエン樹脂、芳香族変性テルペン、さらに水素添加していないロジン樹脂、水素添加していないC5系石油樹脂、水素添加していないC9系石油樹脂、水素添加していないC5系石油樹脂及びC9系石油樹脂の共重合樹脂、水素添加していないジシクロペンタジエン樹脂、テルペンの何れか1種以上である。
本発明樹脂の例として、好ましくは、水素添加されたロジン樹脂、水素添加されたC5系石油樹脂、水素添加されたC9系石油樹脂、水素添加されたC5系石油樹脂及びC9系石油樹脂の共重合樹脂、水素添加されたジシクロペンタジエン樹脂、芳香族変性テルペン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)の何れか1種以上である。
ちなみにロジン樹脂は、マツ科の植物の樹液である松脂を蒸留して得られ、ロジン酸を主成分とする樹脂である。C9系石油樹脂とは、C9留分を原料とする石油樹脂であり、C5系石油樹脂は、C5留分を原料とする石油樹脂である。
臭素価が1.0gBr/100g以下の熱可塑性エラストマーを総量10重量%以下含有
上述した本発明バインダー組成物の構成要件として定義される上記熱可塑性エラストマーを本発明熱可塑性エラストマーという。
本発明において使用する水素添加した本発明熱可塑性エラストマーは、得られる本発明バインダー組成物について弾性を発現させるために添加されるものである。この水素添加した本発明熱可塑性エラストマーは、水素添加していない熱可塑性エラストマーの分子中のジエンブロックの二重結合に水素を付加したものであり、水素添加した本発明熱可塑性エラストマーは構造材料として作用すると共に、本発明バインダー組成物に柔軟性を付与する成分である。
本発明熱可塑性エラストマーは、振動の減衰材としての役割も担う。さらに、本発明熱可塑性エラストマーは、本発明バインダー組成物中の粘弾性特性における温度依存性を小さくする効果もある。即ち、本発明熱可塑性エラストマーの混合比を調節することにより、得られる本発明バインダー組成物の弾性係数を所期の範囲内にすることができる。なお、本発明バインダー組成物において、本発明熱可塑性エラストマーは、特段含有されていなくてもよい。
また、本発明熱可塑性エラストマーの臭素価は1.0gBr/100g以下とされていることが望ましい。その理由として分子中の二重結合を排することで、他の構成成分と混合した際に変色、着色することを防ぐばかりか、本発明バインダー組成物として供用された際の日射による紫外線、降雨による水、酸素による分子切断、重合をはじめとした性状変化、劣化、変色を防ぐことができるためである。また、本発明熱可塑性エラストマーの含有量は、10重量%以下とされていることが望ましい。その理由として本発明熱可塑性エラストマーが10重量%を超えると本発明バインダー組成物の粘度が上昇し、現有の施工機械では施工が困難となるためである。
ちなみに、本発明熱可塑性エラストマーの例としては、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体)、EEA(エチレン−エチルアクリレ−ト共重合体)の何れか1種である。これら本発明熱可塑性エラストマーの中でも、特に、供用中に性状変化を起こしにくいSEBSを使用することが望ましい。
ASTM色とは、石油製品の色を淡い色の0.5から濃い色の8.0に分類したものである。このASTM色の数は、実際の試料と標準色とを比較し、ほぼ等しいときのASTM標準色の番号で表すものとする。実際ASTM色試験方法の詳細は、JIS K 2580に従うものとする。ちなみに、このASTM色が1.5以下ということは、実用上ほぼ無色透明であることを意味している。
即ち、本発明によれば無色透明のバインダー組成物を得ることが可能となる。これにより、例えば、骨材(特に黄色や白色の玉砂利など)の色をそのまま表現したい場合には、バインダー組成物が無色透明である必要があり、また白い色での舗装を望む場合には、着色系のバインダー組成物を用いると却って白みを表面に引き出すことができなくなるが、無色透明のバインダー組成物として構成可能な本発明では、このような白い色による舗装を行う際に、その白さを前面に引き出すことも可能となる。また本発明では、玉砂利の表面をコーティングする場合において、特に白い玉砂利における白みを前面に引き出すことも可能となり、その他様々な用途に用いることも可能となる。
なお、本発明バインダー組成物は、カラー舗装用途に限定されるものではなく、顔料を添加しない自然洗出し舗装用途等にも適用することができ、更に、舗装材以外にも、ルーフィングシート、防湿シート、接着剤、制振材、防音材、シーリング材及びパイプコーティング材としても使用することができ、いずれも無色透明とすることができるという利点を発揮させることが可能となる。
この得られたバインダー組成物は、180℃において20〜5000mPa・sの粘度からなるようにしてもよいし、好ましくは、180℃において50〜2000mPa・sの粘度からなるようにしてもよい。例えば、道路の舗装用として使用する場合等において180℃程度(140〜200℃程度まで)の温度まで加熱し、溶融した状態とするため、当該温度で上述した粘度の範囲で構成されていれば、実際に道路にこれを舗装する際に好適な状態とすることができるためである。
以下、本発明の効果について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本実施例ならびに本比較例においては、油状物質に樹脂を混合し、ホモミキサーにより、温度を180℃、回転数を3000回転/分として1時間混合して、実施例及び比較例の各バインダー組成物を作製した。得られたバインダー組成物については、透明性、ASTM色の2項目に亘り評価をした。
透明性の評価方法は、構成物質を混合後、製造したバインダー組成物を2枚の1.2mm厚のパイレックス(登録商標)ガラス板に1.0mm厚ではさみ、室温(25℃)まで冷却した際に、可視光(目視)において失透するものを×、失透せずに透明なものを○とした。
油状物質や樹脂を規定する上での酸価は、JIS K0070に開示されている方法により、また、臭素価は、JIS K2605に開示されている方法により、更に粘度指数(VI)は、JIS K2283に開示されている方法により評価したものである。
ASTM色は、上述したJIS K 2580に規定するASTM色試験方法に基づいて評価を行った。
なおASTM色は、透明性が確保されたもの(「○」となったもの)についてのみ測定し、透明性が確保されなかったもの(「×」となったもの)は測定を行わなかった(表中で「―」で示した。)
またバインダー組成物について透明性が確保されたものであり、かつ、ASTM色が1.5以下のものを総合評価「○」とした。失透したもの、もしくはASTM色が1.5を超えるものを総合評価「×」とした。
油状物質1は、フィッシャー・トロプシュ(FT)法に基づいて合成した本発明油状物質である。この油状物質1は、100℃における動粘度が5.2mm2/sであり、VIが146であり、ASTM色がL0.5であり、何れも本発明において規定した物性の範囲内に含まれる。
油状物質2は、α−オレフィンを合成した本発明油状物質であり、ポリα−オレフィン(PAO)を今回のサンプルとして用いている。この油状物質2は、100℃における動粘度が4.0mm2/sであり、VIが136であり、ASTM色がL0.5であり、何れも本発明において規定した物性の範囲内に含まれる。
油状物質3は、溶剤精製によって製造した油状物質である。この油状物質3は、100℃における動粘度が11.1mm2/sであり、VIが96であり、ASTM色が1.0である。このため、VIが本発明において規定した物性の範囲から逸脱する。
油状物質4は、溶剤精製によって製造した油状物質である。この油状物質4は、100℃における動粘度が31.5mm2/sであり、VIが96であり、ASTM色が2.0である。このため、VI並びにASTM色が本発明において規定した物性の範囲から逸脱する。
本発明樹脂のサンプルとして、樹脂1は、DCPD(ジシクロペンタジエン樹脂)に水素添加したものである。この樹脂1は、酸価0.1mgKOH/g以下、臭素価0.1gBr/100g以下、ASTM色がL0.5である。この樹脂1は、本発明において規定した物性の範囲内に含まれる。
樹脂2は、芳香族変性テルペンであり、酸価0.1mgKOH/g以下、臭素価0.1gBr/100g以下、ASTM色が0.5である。この樹脂2は、本発明において規定した物性の範囲内に含まれる。
樹脂3は、ポリエチレンであり、酸価0.1mgKOH/g以下、臭素価0.1gBr/100g以下、ASTM色がL0.5である。この樹脂3は、本発明において規定した物性の範囲内に含まれる。
樹脂4は、テルペンフェノールであり、酸価70mgKOH/g、ASTM色が1.0である。即ち、この樹脂4は、酸価が本発明において規定した物性の範囲から逸脱する。
樹脂5は、C5系石油樹脂及びC9系石油樹脂の共重合樹脂であり、酸価0.1mgKOH/g以下、臭素価20gBr/100g、ASTM色が4.0である。即ち、この樹脂5は、臭素価が本発明において規定した物性の範囲から逸脱する。
樹脂6は、C9系石油樹脂であり、酸価0.1mgKOH/g以下、臭素価25gBr/100g、ASTM色が4.0である。即ち、この樹脂6は、臭素価が本発明において規定した物性の範囲から逸脱する。
樹脂7は、未水添のDCPD(ジシクロペンタジエン樹脂)であり、酸価180mgKOH/g、臭素価0.1gBr/100g以下、ASTM色が4.0である。即ち、この樹脂7は、酸価が本発明において規定した物性の範囲から逸脱する。
樹脂8は、C5系石油樹脂であり、酸価2mgKOH/g、臭素価60gBr/100g、ASTM色が5.0である。即ち、この樹脂8は、酸価及び臭素価が本発明において規定した物性の範囲から逸脱する。
また、実施例及び比較例としては、各油状物質1〜4に対して各樹脂1〜8をそれぞれ混合する。ちなみに、混合比は、油状物質1〜4を総量で30重量%、樹脂1〜8を総量で70重量%としている。本発明において規定した物性の範囲に含まれるのは、油状物質1、2並びに樹脂1〜3であり、本発明において規定した物性の範囲から逸脱するのは、油状物質3、4並びに樹脂4〜8である。このため、油状物質1、2並びに樹脂1〜3との組み合わせについては、本発明の実施例とし、その他の油状物質3、4並びに樹脂4〜8の何れかが含まれる組み合わせについては、本発明の比較例とする。
表1は、油状物質1に対して樹脂1〜8を上述した混合比でそれぞれ混合した場合における透明性、ASTM色を評価した結果を示している。
表2は、油状物質2に対して樹脂1〜8を上述した混合比でそれぞれ混合した場合における透明性、ASTM色を評価した結果を示している。
表3は、油状物質3に対して樹脂1〜8を上述した混合比でそれぞれ混合した場合における透明性、ASTM色を評価した結果を示している。
表4は、油状物質4に対して樹脂1〜8を上述した混合比でそれぞれ混合した場合における透明性、ASTM色を評価した結果を示している。
表1に示すように、油状物質1に対して樹脂1〜3をそれぞれ混合した実施例1〜3は、何れも透明性に優れ、またASTM色も1.5以下であり、良好な色彩のバインダー組成物を得ることができた。これに対して、油状物質1に対して樹脂4〜8をそれぞれ混合した比較例1〜5は、透明性を欠くか、或いはASTM色が1.5を超えていた。
また、表2に示すように、油状物質2に対して樹脂1〜3をそれぞれ混合した実施例4〜6は、何れも透明性に優れ、またASTM色も1.5以下であり、良好な色彩のバインダー組成物を得ることができた。これに対して、油状物質2に対して樹脂4〜8をそれぞれ混合した比較例6〜10は、透明性を欠くか、或いはASTM色が1.5を超えていた。
ちなみに、樹脂4は、樹脂そのもののASTM色は1.0と低いが、酸価が70mgKOH/gと高く極性を有するため、油状物質1、2と混合した際にバインダー組成物が失透し、ASTM色が測定できなかった。樹脂5、6は臭素価が20〜25gBr/100gと大きく、分子中に極性を生じるため、油状物質1、2と混合した際にバインダー組成物が失透し、ASTM色が測定できなかった。樹脂7は、酸価が70mgKOH/gと高く極性を有するため、油状物質1、2と混合した際にバインダー組成物が失透し、ASTM色が測定できなかった。
表3に示すように、油状物質3に対して樹脂1〜8をそれぞれ混合した比較例11〜18は、透明性に欠くか、或いはASTM色が1.5を超えていた。表4に示すように、油状物質4に対して樹脂1〜8をそれぞれ混合した比較例19〜26は、透明性に欠くか、或いはASTM色が1.5を超えていた。
油状物質3、4は、VIが96と低く、熱安定性が低いため混合中の加熱によって変色し、樹脂1〜3を用いてもASTM色2.0以上であり、良好な色彩のバインダー組成物を得ることができない。樹脂4は、樹脂そのもののASTM色は1.0と低いが、酸価が70mgKOH/gと高く極性を有するため、油状物質3、4と混合した際にバインダー組成物が失透し、ASTM色を測定することができなかった。樹脂5、6は臭素価が20〜25gBr/100gと大きく、分子中に極性を生じるため、油状物質3、4と混合した際にバインダー組成物が失透し、ASTM色が測定できなかった。樹脂7は、酸価が70mgKOH/gと高く極性を有するため、油状物質3、4と混合した際にバインダー組成物が失透し、ASTM色が測定できなかった。
Claims (3)
- ASTM色が1.5以下であること
を特徴とする無色透明性のバインダー組成物。 - 180℃において20〜5000mPa・sの粘度からなること
を特徴とする請求項1の無色透明性のバインダー組成物。 - 180℃において50〜2000mPa・sの粘度からなること
を特徴とする請求項1の無色透明性のバインダー組成物。
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Citations (5)
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JPH05302072A (ja) * | 1992-04-28 | 1993-11-16 | Nippon Oil Co Ltd | バインダー組成物 |
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-
2007
- 2007-07-18 JP JP2007187330A patent/JP2009024063A/ja active Pending
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