JP2003300986A - テトラキスフルオロフェニル硼酸塩の製造方法 - Google Patents

テトラキスフルオロフェニル硼酸塩の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィンの重合用触媒成分、又はその合成
原料として有用なテトラキスフルオロフェニル硼酸塩を
効率よく製造する方法である。 【解決手段】 次の反応式 4M4−C63 5+BCl3→M4B(C63 54 [式中、M4はアルカリ金属,アルカリ土類金属または
6 2Al(R6はアルキル基)を示し、Y3は水素原子ま
たはハロゲン原子を示す。]に従いテトラキスフェニル
硼酸塩を製造するに当たり、反応溶媒としてエーテルと
脂肪族炭化水素との混合溶媒を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテトラキスフェニル
硼酸塩の製造方法の改良に関し、さらに詳しくは、α−
オレフィンやスチレン系単量体などのオレフィンの重合
用触媒成分、又は、その合成原料として有用なオレフィ
ン重合活性に優れ、かつ高純度なテトラキスフェニル硼
酸塩、特に、テトラキスフルオロフェニル硼酸塩を、単
位溶媒当たりの生産量が多く、高収率で効率よく製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】α−オ
レフィン等のオレフィンの重合において、ジルコニウム
化合物とアルミノキサンとからなる触媒が高い重合性を
示すことが知られている(例えば、特許文献1参照。)
が、この方法は高価なアルミノキサンを遷移金属化合物
に対して高い比率で使用しなければ十分な活性を得るこ
とができないという欠点があった。また、アルミノキサ
ンはその製造において反応性の高いトリメチルアルミニ
ウムと水とを反応させる必要があり、危険を伴なう上、
その反応生成物から単一の物質を単離することが困難で
あり、物性の安定した製品を得るための触媒の管理が困
難であった。
【0003】これに対して、遷移金属化合物、配位錯化
合物、及び有機アルミニウム化合物の反応生成物を主成
分とする均一系重合触媒を用いる方法が開示されている
(例えば、特許文献2参照。)。この配位錯化合物とし
ては、遷移金属化合物と反応してイオン性錯体を形成し
うる化合物が用いられ、このような配位錯化合物の中で
代表的なものとして、テトラキスフェニル硼酸錯化合物
が知られている。このテトラキスフェニル硼酸錯化合物
と遷移金属化合物との反応生成物を主成分とする均一系
触媒は、アルミノキサン等の高価な成分を用いる必要が
なく、また用いても少なくてすむため経済的であり、か
つ種々の特性を有する重合体を効率よく与えるため、例
えばα−オレフィンやスチレン系単量体などのオレフィ
ンの重合触媒として、最近積極的な使用が試みられてい
る。
【0004】前記テトラキスフェニル硼酸錯化合物の合
成原料としては、例えば、リチウム(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート[Li[B(C654]]などのテ
トラキスフェニル硼酸塩が用いられる。このテトラキス
フェニル硼酸塩の製造方法としては例えば反応式 BrC65+n−BuLi→LiC65 [ペンタン中,−78℃] 3LiC65+BCl3→B(C653 [ペンタン中,−78℃] B(C653+LiC65→Li[B(C654] [ペンタン中,−78℃] に従って製造する方法が知られている(例えば、非特許
文献1参照。)。
【0005】しかしながら、この方法においては、反応
中間体のB(C653を単離してから最終生成物のL
i[B(C654]を合成するため、操作が煩雑であ
る上、溶媒としてペンタンを用いることにより、固体の
LiC65が生成し、そしてそれが液体のBCl3と反
応するため、反応が緩慢となって収率が低い等の欠点が
あった。
【0006】また、反応式 BrC65+n−BuLi→LiC65 [エーテル中,−78℃] 4LiC65+BCl3→Li[B(C654] [エーテル中,−78℃] に従って製造する方法が報告されている(例えば、非特
許文献2参照。)。
【0007】しかしながら、この方法においては、溶媒
としてエーテルを用いるため、BCl3がエーテルと錯
体を形成し、エーテル不溶物となることから収率が低い
という欠点があった。
【0008】
【特許文献1】特開昭58−19309号公報
【特許文献2】特開平3−207704号公報
【非特許文献1】「ジャーナル・オブ・オルガノメタル
・ケミストリー(J. Organometal Chem.)」第2巻,
第245〜250ページ(1964年)
【非特許文献2】「旭硝子工業技術奨励会研究報告」第
42巻,第137ページ(1983年)]
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記式
(1)及び(2)の反応を順次行なう第一ステップと、
下記式(3)及び(4)の反応を順次行なう第二ステッ
プとからなり、 第一ステップ: X161 5+R11→M161 5+R11 …(1) 3M161 5+BX2 3 →B(C61 53+3M12…(2) 第二ステップ: X161 5+R22→M261 5+R21 …(3) M261 5+B(C61 53→M2B(C61 54 …(4) [式(1)〜(4)中、X1及びX2はそれぞれハロゲン
原子、Y1は水素原子又はフッ素原子を示し、5個のY1
のうち2〜5個はフッ素原子である。R1及びR 2はそれ
ぞれアルキル基又はアリール基、M1又はM2はそれぞれ
アルカリ金属、アルカリ土類金属又はR3 2Alを示す。
ただし、R3はアルキル基である。] かつ、前記式(2)の反応においてM161 5とBX2 3
とのモル比を3/2.5≦M161 5/BX2 3≦3/
1.05とすることを特徴とするテトラキスフルオロフ
ェニル硼酸塩の製造方法が提供される。
【0010】また、反応溶媒として脂肪族炭化水素系溶
媒を用い、下記式(5)及び(6) 4X362 5+4R43→4M362 5+4R43 …(5) 4M362 5+BCl3→M3B(C62 54+3M3Cl3…(6) [式中、X3はハロゲン原子、Y2は水素原子又はフッ素
原子を示し、5個のY2のうち2〜5個はフッ素原子で
ある。R4はアルキル基又はアリール基、M3はアルカリ
金属、アルカリ土類金属又はR5 2Alを示す。ただし、
5はアルキル基である。] の反応を順次行なうことを特徴とするテトラキスフルオ
ロフェニル硼酸塩の製造方法が提供される。
【0011】また、下記式(7) 4M4−C63 5+BCl3→M4B(C63 54 …(7) [式中、M4はアルカリ金属,アルカリ土類金属または
6 2Al(R6はアルキル基)を示し、Y3は水素原子ま
たはハロゲン原子を示す。]に従いテトラキスフェニル
硼酸塩を製造するに当たり、反応溶媒としてエーテルと
脂肪族炭化水素との混合溶媒を用いることを特徴とする
テトラキスフェニル硼酸塩の製造方法が提供される。
【0012】また、ルイス塩基の配位したテトラキスフ
ルオロフェニル硼酸塩に炭化水素系溶媒を加え、減圧濃
縮又は減圧乾固することにより、ルイス塩基を除去する
ことを特徴とするテトラキスフルオロフェニル硼酸塩の
製造方法が提供される。また、前記ルイス塩基の配位し
たテトラキスフルオロフェニル硼酸塩が上記の方法によ
って製造されたものであることを特徴とするテトラキス
フルオロフェニル硼酸塩の製造方法が提供される。
【0013】また、テトラキスフルオロフェニル硼酸塩
を、SP値が15以上で30以下の溶媒により溶解し、
次に、水又は脂肪族炭化水素系溶媒により析出させるこ
とを特徴とするテトラキスフルオロフェニル硼酸塩の精
製方法が提供される。さらに、前記精製前のテトラキス
フルオロフェニル硼酸塩が上記の方法により製造された
ものであることを特徴とするテトラキスフルオロフェニ
ル硼酸塩の精製方法が提供される。
【0014】本発明の方法で得られるテトラキスフェニ
ル硼酸塩は、オレフィン重合用触媒成分である配位錯化
合物またはその合成原料等として好適に使用することが
できる。この配位錯化合物としては、例えば、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニ
ウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ
(n−ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム,テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラブチルアン
モニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
(テトラエチルアンモニウム),テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸[メチルトリ(n−ブチル)アン
モニウム],テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸[ベンジルトリ(n−ブチル)アンモニウム],テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニ
ルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸メチルトリフェニルアンモニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルジフェニルア
ンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸アニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸(N−メチルアニリニウム),テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸(N,N−ジメチルアニリ
ニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
(N,N,N−トリメチルアニリニウム),テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチル(m−ニトロ
アニリニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸ジメチル(p−ブロモアニリニウム),テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウム,テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(p−シアノ
ピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸(N−メチルピリジニウム),テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸(N−ベンジルピリジニウ
ム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(O
−シアノ−N−メチルピリジニウム),テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸(p−シアノ−N−メチル
ピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸(p−シアノ−N−ベンジルピリジニウム),
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチル
スルホニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸ベンジルジメチルスルホニウム,テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸テトラフェニルホスホニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフ
ェニルホスホニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウ
ム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカ
メチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸アセチルフェロセニウム,テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸ホルミルフェロセニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸シアノフェ
ロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸銀,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ
チル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチ
ウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナト
リウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
(テトラフェニルポルフィリンマンガン),テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テトラフェニルポル
フィリン鉄クロライド),テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸(テトラフェニルポルフィリン亜鉛),
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジイソブチ
ルアルミニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸ジエチルアルミニウム,等を挙げることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的態様を、第
一〜第七の発明として順次詳細に説明する。 1.第一の発明 第一の発明(製造方法)は、前述のように、前記式
(1)及び(2)の反応を順次行なう第一ステップと前
記式(3)及び(4)の反応を順次行なう第二ステップ
とからなり、かつ前記式(2)の反応において、M16
1 5とBX2 3とのモル比を3/2.5≦M161 5/B
2 3≦3/1.05とすることを特徴とする。
【0016】ここで、式(1)の反応に用いるX16
1 5において、X1のハロゲン原子としてはヨウ素、臭
素、塩素、フッ素等を挙げることができるが、好ましく
は臭素又は塩素である。C61 5としては、3,5−ジ
フルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニ
ル基,ペンタフルオロフェニル基等を挙げることができ
るが、ペンタフルオロフェニル基が好ましい。式(1)
の反応に用いるR11において、R1のアルキル基とし
てはメチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、イソブチル基等の炭素数1〜20のア
ルキル基、R1のアリール基としてはフェニル基等の炭
素数6〜20のアリール基、M1のアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、臭化マグネシウム等を挙げることができる。R3
アルキル基としてはR1のアルキル基と同様のものを挙
げることができ、R3 2Alとしてはジイソブチルアルミ
ニウム、ジエチルアルミニウム等を挙げることができ
る。
【0017】また、式(2)の反応に用いるBX2 3にお
いて、X2のハロゲン原子としてはヨウ素、臭素、塩
素、フッ素等を挙げることができる。BX2 3は、例えば
トリフルオロボラン−ジエチルエーテル錯体(BF3
OEt2)のように、電子供与性錯体を持っていてもよ
い。具体的には、X161 5としてブロモペンタフルオ
ロベンゼン,クロロペンタフルオロベンゼン,ブロモ−
3,5−ジフルオロベンゼン等、R11としてn−ブチ
ルリチウム,メチルリチウム,sec−ブチルリチウ
ム,トリイソブチルアルミニウム等、BX2 3として三塩
化硼素,三臭化硼素,三フッ化硼素,三フッ化硼素−ジ
エチルエーテル錯体等を好適に使用することができる。
式(1)及び(2)の反応の反応様式、反応条件に特に
制限はないが、例えば以下に述べる態様を好適に採用す
ることができる。
【0018】式(1)の反応 まず、溶媒(以下、式(1)及び(2)の反応に用いる
溶媒を溶媒aという)と3xモルのX161 5とを混合
する。溶媒aとしては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘ
キサン等の直鎖状又は環状の脂肪族炭化水素系溶媒を好
適に用いることができる。また、溶媒aに対するX16
1 5の混合割合[X161 5/溶媒a]は、0.1〜1
モル/リットルとすることが好ましい。
【0019】次に、溶媒aとX161 5との混合液を、
−30℃以下、望ましくは、−60℃以下に冷却する。
そして、溶媒aに2.7x〜3.6xモルのR11を溶
解した溶液を、撹拌下において上記混合液に添加する。
このとき、該溶液における溶媒aに対するR11の混合
割合[R11/溶媒a]は、0.5〜3モル/リットル
とすることが好ましい。その後、上記温度を維持したま
ま所定時間(通常2時間程度)撹拌を行ない、溶媒a中
にM161 5及びR11を生成させる。
【0020】式(2)の反応 前記式(1)の反応によってM161 5及びR11が生
成した溶媒aに、1.0x〜2.5xモルのBX2 3を溶
媒aに溶解した溶液を添加する。このとき、該溶液にお
ける溶媒aに対するBX2 3の混合割合[BX2 3/溶媒
a]は、0.1モル/リットル以上とすることが好まし
い。その後、上記温度を維持したまま所定時間(通常2
時間程度)撹拌を行ない、溶媒a中にB(C61 53
生成させる。
【0021】B(C 6 1 5 3 の単離 式(2)の反応終了後、溶媒a中にはB(C61 53
他、BX2 3、BX2 2 61 5、BX2(C61 52、M1
2、R11、M1[B(C61 54]等の副生物が存在
している。そこで、溶媒aを−30℃以下、好ましくは
−60℃以下の温度として溶媒aのろ過分離を行なう。
これにより、BX2 3、BX2 261 5、BX2B(C61
53、M1[B(C61 54]、M12(M1:アルカリ
金属)が固相として分離される。
【0022】次に、得られた固相に溶媒aを加える。こ
のとき、固相に対する溶媒aの添加量は、溶媒a中にお
けるB(C61 53の量[B(C61 53/溶媒a]が
0.1〜1モル/リットルとなる添加量とすることが好
ましい。その後、溶媒aを−20〜30℃、好ましくは
−10〜20℃に昇温し、溶媒aのろ過分離を行なう。
これにより、B(C61 53が液相(溶媒相)中に単離
され、M1[B(C61 54]、M12(M1:アルカリ
金属)が固相として分離される。
【0023】ここで、式(3)の反応において、X16
1 5としては式(1)の反応に用いたものと同じものを
用いる。また、式(3)の反応に用いるR22におい
て、R 2及びM2としてはそれぞれ前述したR1及びM1と
同様のものを挙げることができる。具体的には、R22
としてn−ブチルリチウム,メチルリチウム,sec−
ブチルリチウム,トリイソブチルアルミニウム等を好適
に使用することができる。式(3)及び(4)の反応の
反応様式、反応条件に特に制限はないが、以下に述べる
態様を好適に採用することができる。
【0024】式(3)の反応 まず、溶媒(以下、式(3)の反応においてX161 5
を混合する溶媒を溶媒bという)とyモルのX161 5
とを混合する。溶媒bとしては、特に制限はないが、M
261 5が溶解することが必要であり、例えばジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好
ましい。また、溶媒bの使用量は、前記ステップ1で単
離したB(C61 53を含む溶媒aとの容量比[溶媒a
/溶媒b]が1/1〜100/1、特に5/1〜10/
1となるような使用量とすることが好適である。
【0025】次に、溶媒bとX161 5との混合液を−
30℃以下、好ましくは−60℃以下に冷却する。そし
て、溶媒(以下、式(3)の反応においてRを混
合する溶媒を溶媒cという)に0.9y〜1.2yモル
のRを溶解した溶液を、撹拌下において上記混合
液に添加する。このとき、該溶液における溶媒cに対す
るRの混合割合[R/溶媒c]は、0.5
〜3モル/リットルとすることが好ましい。なお、溶媒
cとしては溶媒aと同様のものを挙げることができる。
その後、上記温度を維持したまま所定時間(通常30分
程度)撹拌を行ない、溶媒b及び溶媒cの混合液中にM
261 5及びR21を生成させる。
【0026】式(4)の反応 上記式(3)の反応によってM261 5及びR21が生
成した溶媒b及び溶媒cの混合液を−30℃以下、望ま
しくは−60℃以下、前記ステップ1で単離したB(C
61 53を含む溶媒aを−20〜30℃、好ましくは−
10〜20℃とした状態で、溶媒aに溶媒b及び溶媒c
の混合液を添加する。その後、−20〜30℃、好まし
くは−10〜20℃で所定時間(通常30分程度)撹拌
を行なう。これにより、M2B(C61 54と溶媒bと
の錯体が固体として析出する。したがって、ろ過により
溶媒を除去し、固体状の[M2B(C61 54]−[溶
媒b]錯体を採取する。
【0027】本発明の方法で得られるフッ素置換テトラ
フェニル硼酸塩は、合成時または精製時の溶媒を配位し
たものであってもよい。なお、上述した式(3),
(4)の反応は、いずれも不活性ガス気流下で行なうこ
とが好ましい。このようにして得られた[M2B(C6
1 54]−[溶媒b]錯体(zモル)の収率(B(C6
1 53(yモル)基準;(z/y)×100%)は、本
態様によれば55%以上となる。また、[M2B(C6
1 54]−[溶媒b]錯体(zモル)の全収率(X16
1 5(xモル)基準;(z/x)×100%)は、本態
様によれば通常30%以上となる。
【0028】この第一発明においては、前記式(2)の
反応においてM165/BX2 3(モル比)を3/2.
5〜3/1.05にするものであり、好ましくはさらに
式(2)の反応で得られた反応混合物から副生物を除去
し、B(C653を精製して、次にこれを式(4)の
反応に用いるものである。これらにより、前述のように
2B(C654をX165基準で30%以上の高収
率で効率的に製造することができる。これに対し、M1
65/BX2 3(モル比)が上記範囲から外れる場合に
は、フッ素置換テトラフェニル硼酸塩を収率良く得るこ
とが困難である。なお、M165/BX2 3(モル比)
のより好ましい範囲は3/2.0〜3/1.1である。
【0029】2.第二の発明 第二の発明(製造方法)は、前述のように反応溶媒とし
て脂肪族炭化水素系溶媒を用い、前記式(5)及び
(6)の反応を順次行なうことを特徴とする。この場
合、式(5)の反応に用いるX362 5において、X3
のハロゲン原子としてはヨウ素、臭素、塩素、フッ素等
を挙げることができるが、好ましくは臭素又は塩素であ
る。C62 5としては、2−フルオロフェニル基、3−
フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,5
−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル
基、2,5−ジフルオロフェニル基、3,4,5−トリ
フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,
5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等を挙げる
ことができるが、好ましくはペンタフルオロフェニル基
である。また、式(5)の反応に用いるR43におい
て、R4のアルキル基としてはメチル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチ
ル基等の炭素数1〜20のアルキル基、R4のアリール
基としてはフェニル基等の炭素数6〜20のアリール基
を挙げることができる。M3のアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、
臭化マグネシウム等を挙げることができるが、好ましく
はリチウムである。また、R3のアルキル基としてはR4
のアルキル基と同様のものを挙げることができ、R3 2
lとしてはジイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウム等を挙げることができる。
【0030】具体的には、X362 5としてブロモペン
タフルオロベンゼン,クロロペンタフルオロベンゼン,
ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン、ブロモ−3,5
−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等、R43とし
てn−ブチルリチウム,t−ブチルリチウム、メチルリ
チウム,sec−ブチルリチウム,トリイソブチルアル
ミニウム等を好適に使用することができる。式(5)及
び(6)の反応の反応様式、反応条件に特に制限はない
が、以下に述べる態様を好適に採用することができる。
【0031】式(5)の反応 まず、前述した反応溶媒a(以下、式(5)及び(6)
の反応に用いる溶媒を溶媒aという)と4xモルのX3
62 5とを混合する。次に、溶媒aとX362 5との
混合液に3.6x〜4.8xモルのR43を溶解した溶
液を添加する。その後、上記温度を維持したまま所定時
間(通常2時間程度)撹拌を行ない、溶媒a中にM36
2 5及びR43を生成させる。
【0032】式(6)の反応 上記式(5)の反応によってM362 5及びR43が生
成した溶媒a(−30℃以下、望ましくは−60℃以
下)に、0.9x〜1.1xモルのBX4 3、たとえば、
BCl3を溶媒aに溶解した溶液を添加する。このと
き、該溶液における溶媒aに対するBCl3の混合割合
[BCl3/溶媒a]は、0.1モル/リットル以上と
することが好ましい。その後、上記温度を維持したまま
所定時間(通常2時間程度)撹拌を行ない、溶媒a中に
3B(C62 54を生成させる。式(6)の反応終了
後、溶媒aを0〜30℃、好ましくは0〜20℃に昇温
し、溶媒aのろ過分離を行なう。
【0033】本発明の方法で得られるテトラキスフルオ
ロフェニル硼酸塩は、合成時または精製時の溶媒を配位
したものであってもよい。このようにして得られた[M
3B(C62 54]−[溶媒d]錯体(yモル)の収率
(B(C62 53(xモル)基準;(y/x)×100
%)は、本態様によれば30%以上となる。
【0034】3.第三の発明 第三の発明(製造方法)は、前述のように前記式(7)
の反応を行なう際、反応溶媒としてエーテルと脂肪族炭
化水素との混合溶媒を用いることを特徴とする。第三の
発明においては、M4−C63 5と三塩化硼素(BC
3)とを溶媒中で反応させてM4B(C63 54からな
るテトラキスフェニル硼酸塩を製造する。この原料の一
成分であるM4−C63 5のM4は、リチウム,ナトリウ
ム,カリウム等のアルカリ金属、カルシウム,マグネシ
ウム,ストロンチウム等のアルカリ土類金属またはR2
Al(Rはアルキル基、特に炭素数1〜8のアルキル
基)であるが、これらの中でアルカリ金属が好ましく、
特にリチウムが好適である。また、Y3は水素原子又は
ハロゲン原子であるが、少なくとも1つがハロゲン原
子、特にフッ素原子であるものが好ましい。このような
4−C63 5の好ましいものとしては、例えばM4−C6
5,M4−C6HF4,M4−C623,M4−C6
32,M4−C64F等を挙げることができる。
【0035】前記M4−C63 5の製造方法については特
に制限はなく、従来公知の方法によればよい。例えば、
4−C63 5としてLiC65を製造する場合には、適
当な溶媒中においてBrC65とn−ブチルリチウムと
を反応させればよい。この際用いる適当な溶媒として
は、後述のエーテルと脂肪族炭化水素との混合溶媒と同
じものを用いるが反応面で有利である。
【0036】本発明においては、M4−C63 5と三塩化
硼素との反応には、反応溶媒としてエーテル及び脂肪族
炭化水素との混合溶媒を用いることが必要である。反応
溶媒がエーテル又は脂肪族炭化水素単独の場合は、目的
とするテトラキスフェニル硼酸塩の収率が低く、本発明
の目的が達せられない。該エーテルとしては、例えばジ
エチルエーテル,ジプロピルエーテル,プロピルメチル
エーテル,プロピルエチルエーテル,ジブチルエーテ
ル,ブチルメチルエーテル,ブチルエチルエーテル,ブ
チルプロピルエーテル等の脂肪族エーテル等を挙げるこ
とができ、これらは一種用いてもよく、また二種以上を
組み合わせて用いてもよい。一方、脂肪族炭化水素とし
ては、例えばペンタン,ヘキサン等の炭素数5〜12の
パラフィンやシクロヘキサン,シクロヘプタン等の炭素
数5〜8のシクロパラフィンを挙げることができ、これ
らは一種以上用いてもよく、二種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0037】前記エーテルと脂肪族炭化水素との混合割
合については特に制限はないが、重量比で100:1〜
1:100の範囲にあるのが好ましい。また、エーテル
の混合量は三塩化硼素に対して等モル以上であるのが有
利である。反応温度については、−20℃より低い温度
であればよく、特に制限はないが−50℃以下であるの
が好ましい。また、反応圧力については特に制限はない
が、窒素などの不活性ガス雰囲気下で反応を行なうのが
好ましい。
【0038】このようにして、M4B(C63 5)からな
るテトラキスフェニル硼酸塩(M4及びY3は前記と同じ
である。)が収率よく得られる。該テトラキスフェニル
硼酸塩の具体例としては、B(C654-,B(C6
44-,B(C6234-,B(C6324-,B
(C6HF44-などの各異性体とアルカリ金属、アルカ
リ土類金属又はR2Al(Rはアルキル基)とのイオン
錯体を挙げることができる。
【0039】4.第四の発明 第四の発明(製造方法)は、前述のようにルイス塩基の
配位したテトラキスフルオロフェニル硼酸塩に炭化水素
系溶媒を加え、減圧濃縮又は減圧乾固することにより、
ルイス塩基を除去することを特徴とする。ここで、前述
のテトラキスフルオロフェニル硼酸塩に配位した、除去
されるべきルイス塩基(L)とは酸素,硫黄,窒素,リ
ン等、共有電子対(ローンペア)を含有する元素を含ん
だ化合物をいう。
【0040】具体的には、酸素を含有する化合物として
は、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル,テト
ラヒドロフラン,アセトン,酢酸エチル,メチルエチル
ケトン等を、硫黄を含有する化合物としては、ジエチル
チオエーテル,テトラヒドロチオフェン、ジメチルスル
ホキシド等を、窒素を含有する化合物としては、トリエ
チルアミン,ジメチルアニリン,ピリジン,ピペリジ
ン,アセトニトリル等を、また、リンを含有する化合物
としては、トリエチルホスフィン,トリメチルホスフィ
ン等を挙げることができる。
【0041】次に、ルイス塩基を減圧濃縮または減圧乾
固することにより除去するに際し、用いる炭化水素溶媒
としては、特に制限はないが、沸点80℃以上180℃
以下の炭化水素が好ましい。具体的にはベンゼン,トル
エン,キシレン類,トリメチルベンゼン類,エチルベン
ゼン等の芳香族化合物、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族
炭化水素を挙げることができ、中でもトルエン,キシレ
ン類が好ましい。なお、溶媒は、配位しているルイス塩
基類の種類によって適宜選択することができる。
【0042】また、本発明における減圧濃縮または減圧
乾固の条件は、真空度が1mmHg以下、好ましくは
0.5mmHg以下であり、温度が−20℃〜100
℃、好ましくは、0℃〜80℃である。なお、この減圧
濃縮又は減圧乾固は1回だけ行なってもよく、又は2回
以上繰り返して行なってもよい。濃縮倍率としては、溶
媒量を1/2にするのが好ましい。
【0043】また、本発明におけるテトラキスフルオロ
フェニル硼酸塩と、炭化水素溶媒との使用モル比(炭化
水素系溶媒/テトラキスフルオロフェニル硼酸塩)は、
10〜1,000、好ましくは50〜200である。さ
らに、本発明によって得られるテトラキスフルオロフェ
ニル硼酸塩の純度は、0≦ルイス塩基/テトラキスフル
オロフェニル硼酸塩<0.5であることが好ましく、0
≦ルイス塩基/テトラキスフルオロフェニル硼酸塩<
0.1であることがさらに好ましい。
【0044】5.第五の発明 第五の発明(製造方法)は、前述のように前記第四の発
明においてテトラキスフルオロフェニル硼酸塩として、
第一〜第三の発明のいずれかによって製造されたもので
あることを特徴とする。
【0045】6.第六の発明 第六の発明(精製方法)は、前述のようにテトラキスフ
ルオロフェニル硼酸塩を、SP値が15以上で30以下
の溶媒により溶解し、次に、水又は脂肪族炭化水素系溶
媒により析出させることを特徴とする。そもそも、テト
ラキスフルオロフェニル硼酸塩は、合成直後は、着色し
ており、また塩が残留している。そのため重合用触媒と
して用いた場合、重合体への着色、成形時の金型腐食等
の問題を生じている。本第六発明はこれらの不純物を取
除くべくテトラキスフルオロフェニル硼酸塩の精製方法
に関するものである。
【0046】詳しく述べると、合成後のテトラキスフル
オロフェニル硼酸塩には合成反応における副生成物であ
る塩化リチウム等の塩類や、n−ブチルリチウム、Li
65、B(C653、MgBrC65等の分解物が
混入している。本発明においては、これら不純物を取除
くために、生成したテトラキスフルオロフェニル硼酸塩
を、まずSP値が15以上で30以下の溶媒に溶解させ
る。かかる溶媒としては、ジエチルエーテル、ジブチル
エーテル、エチルブチルエーテル、メチルブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等
のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロエ
タン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン
化炭化水素等が用いられる。これらは、二種以上併用し
てもよい。次に水又は脂肪族炭化水素系溶媒により析出
させる。
【0047】7.第七の発明 第七の発明(精製方法)は、前述のように前記第六の発
明において、精製前のテトラキスフルオロフェニル硼酸
塩として第四又は第五の発明により製造されたものを用
いたことを特徴とする。
【0048】以上説明したように本発明のテトラキスフ
ルオロフェニル硼酸塩の製造方法及び精製方法は、オレ
フィンの重合用触媒成分又はその合成原料として有用な
オレフィン重合活性に優れ、かつ、高純度なテトラキス
フェニル硼酸塩、特にテトラキスフルオロフェニル硼酸
塩を、単位溶媒当たりの生産量が多く高収率で効率よく
製造及び精製することができる。
【0049】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。参考例1 下記第1ステップ及び第2ステップによりテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウムを合成した。
この場合、下記ステップはすべて窒素気流下で行なっ
た。
【0050】(I)トリス(ペンタフルオロフェニル)
硼素の合成(第1ステップ) ブロモペンタフルオロベンゼン(BrC65)24.7
g(F.W.246.97,0.1モル)及び乾燥ヘキ
サン500mlを混合し、−70℃に冷却した。その
後、撹拌下において、上記混合液中にn−ブチルリチウ
ム0.1モルを1.5モル/リットル−ヘキサン溶液と
して徐々に滴下し、液温−70℃で2時間撹拌を続け、
反応させた。次に、この反応溶液中に三塩化硼素0.0
4モルを1.35モル/リットル−ヘキサン溶液として
すばやく滴下し、液温−70℃で2時間撹拌を続け、反
応させた。その後、液温−70℃で反応溶液のろ過分離
を行ない、ヘキサン相(不純物可溶)を除いた。得られ
た固相に新たにヘキサン500mlを加え、室温に戻し
た。さらに固相を除いたヘキサン相(不純物不溶)に
は、トリス(ペンタフルオロフェニル)硼素(B(C6
53)が12.1g(収率:BrC65基準で71
%)含まれていた。
【0051】(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸リチウムの合成(第2ステップ) ブロモペンタフルオロベンゼン5.85g(0.023
7モル)及び乾燥ジエチルエーテル100mlを混合
し、−70℃に冷却した。その後、撹拌下において、上
記混合液中にn−ブチルリチウム0.0237モルを
1.5モル/リットル−ヘキサン溶液として徐々に滴下
し、液温−70℃にて30分間撹拌を続け、反応させ
た。
【0052】次に、この反応溶液(−70℃)を(I)
で得たトリス(ペンタフルオロフェニル)硼素12.1
gのヘキサン溶液(500ml,室温)に滴下した。室
温にて30分間撹拌した後、溶液を除き、残部を減圧乾
燥することにより、白色固体のテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸リチウム−ジエチルエーテル錯体
(LiB(C654・OEt2)17.1g(収率:9
5%)を得た。(I),(II)のステップにより、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム−ジエ
チルエ−テル錯体を、原料BrC65を基準として全収
率67.5%で得ることができた。
【0053】(III)テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸ジメチルアニリニ ウムの合成 (II)で得られたテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸リチウム・ジエチルエーテル錯体2g(2.9
2×10-3モル)を水70mlに溶解し、この中に塩酸
ジメチルアニリニウム0.44g(2.78×10-3
ル)を加え、室温にて1時間撹拌した。得られた固体を
水及びヘキサンで十分に洗浄した。上記固体をアセトン
20mlに溶解し、このアセトン溶液を多量の水に注
ぎ、再沈殿を行ない、ろ過により固体成分を回収した。
得られた固体成分に乾燥トルエンを10ml加え、減
圧、乾固することにより、テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸ジメチルアニリニウム([PhNMe2
H][B(C654])2.01g(収率86%)を
得た。この錯体は、ルイス塩基類が配位していなかっ
た。
【0054】(VI)テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸酸ジメチルアニリニウムを用いた重合 オートクレーブ中でトルエン400ml、トリイソブチ
ルアルミニウム4×10-4モル(2モル/リットル−ト
ルエン溶液)を十分に撹拌し、さらにイソプロピリデン
(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド1×10-5モル(0.01モル/リット
ル−トルエン溶液)、(III)で得たテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム1×1
-5モル(0.01モル/リットル−トルエン溶液)を
順次オートクレーブに仕込み、十分に撹拌した。
【0055】次に、25℃にてプロピレンを圧力が3K
g/cm2で一定になるように連続的にオートクレーブ
に供給し、1時間反応させた。反応終了後、メタノール
を加えて触媒を失活させ、ろ過、減圧乾燥を行なうこと
により、シンジオタクチックポリプロピレン54.5g
を得た。重合活性は、59.7Kg/g・Zr、5.0
5Kg/g・Alであった。得られた重合体の示差走査
熱量計による融点は132℃、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーによる重量平均分子量、数平均分子量
はそれぞれポリスチレン基準で6.0×104,2.7
×104であった。また13C−NMRにより求めたタク
ティシティーはrrrr(ラセミペンタッド)で88%
であった。
【0056】参考比較例1 (I)参考例1(II)で得られたテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸リチウム・ジエチルエーテル錯体2g
(2.92×10-3モル)を水70mlに溶解し、この
中に塩酸ジメチルアニリニウム0.44g(2.78×
10-3モル)を加え、室温にて1時間撹拌した。得られ
た固体を水およびヘキサンで十分洗浄した後、減圧乾固
を行なった。得られた固体の1H−NMRを測定したと
ころ、テトラキス(ペンタフルオフロフェニル)硼酸ジ
メチルアニリニウム−ジエチルエーテルのほぼ1:1の
錯体であることがわかった。また、回収量は、2.3g
(2.66×10-3モル)であった。
【0057】(II)オートクレーブ中でトルエン400m
l、トリイソブチルアルミニウム4×10-4モル(2モ
ル/リットル−トルエン溶液)を十分に撹拌し、さらに
イソプロピリデン(シルロペンタジエニル−9−フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド1×10-5モル(0.
01モル/リットル−トルエン溶液)、(I)で得たテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアル
ミニウムエチルエ−テル錯体1×10-5モル(0.01
モル/リットル−トルエン溶液)を順次オ−トクレ−ブ
に仕込み、十分に撹拌した。つぎに、25℃以下にてプ
ロピレンを圧力が3kg/cm2で一定になるように連
続的にオ−トクレ−ブに供給し、1時間反応させた。反
応終了後、メタノ−ルを加えて触媒を失括させ、ろ過、
減圧乾燥を行なうことにより、シンジオクタクチックポ
リプロピレン22.2gを得た。重合活性は、24.3
kg/g・Zr、2.06kg/g・Alであった。
【0058】参考比較例2 (I)参考例1(II)で得られたテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸リチウム・ジエチルエーテル錯体2g
(2.92×10-3モル)を水70mlに溶解し、この
中に塩酸ジメチルアニリニウム0.44g(2.78×
10-3モル)を加え、室温にて1時間撹拌した。得られ
た固体を水およびヘモサンで十分洗浄した。上記固体を
アセトン20mlに溶解し、このアセトン溶液を多量の
水に注ぎ、再沈殿を行ない、ろ過により固体成分を回収
した。得られた固体成分を十分減圧乾燥を行なった。得
られた固体の1H−NMRを測定したところ、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウ
ムアセトンのほぼ1:1の錯体であることがわかった。
回収量は、2.2g(2.57×10-3モル)であっ
た。
【0059】(II)オートクレーブ中でトルエン400m
l、トリイソブチルアルミニウム4×10-4モル(2モ
ル/リットル−トルエン溶液)を十分に撹拌し、さらに
イソプロピリデン(シルロペンタジエニル−9−フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド1×10-5モル(0.
01モル/リットル−トルエン溶液)、(I)で得たテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアル
ミニウムアセトン錯体1×10-5モル(0.01モル/
リットル−トルエン溶液)を順次オ−トクレ−ブに仕込
み、十分に撹拌した。次に、25℃以下にてプロピレン
を圧力が3kg/cm2で一定になるように連続的にオ
−トクレ−ブに供給し、1時間反応させた。反応終了
後、メタノ−ルを加えて触媒を失括させ、ろ過、減圧乾
燥を行なうことにより、シンジオタクチックポリプロピ
レン27.6gを得た。重合活性は、30.2kg/g
・Zr、2.56kg/g・Alであった。
【0060】実施例1 [リチウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート
の製造]窒素置換した反応器に、乾燥ヘキサン180ミ
リリットル,ジエチルエーテル180ミリリットル及び
ブロモペンタフルオロベンゼン24.7g(0.1モ
ル)を入れ、−70℃に冷却し、撹拌下n−ブチルリチ
ウム0.1モルを滴下した。次いで、−70℃で三塩化
硼素0.025モルを滴下し、室温まで徐々に昇温して
沈殿物をろ別したのち、ヘキサンで洗浄し、乾燥するこ
とでLiClを含むLi[B(C654]・O(C2
520.023モルを得た。ブロモペンタフルオロベン
ゼンからの収率は92%であった。
【0061】比較例1 実施例1において、乾燥ヘキサン180ミリリットルお
よびジエチルエーテル180ミリリットルの代わりに、
乾燥ジエチルエーテル360ミリリットルを用いた以外
は、実施例1と同様に行ない、Li[B(C654
・O(C2520.016モルを得た。ブロモペンタ
フルオロベンゼンからの収率は64%であった。
【0062】実施例2 [リチウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート
の製造]窒素置換した反応器に、乾燥ヘキサン40ミリ
リットル,ジエチルエーテル320ミリリットル及びブ
ロモペンタフルオロベンゼン24.7g(0.1モル)
を入れ、−70℃に冷却し、撹拌下n−ブチルリチウム
0.1モルを滴下した。次いで、−70℃で三塩化硼素
0.025モルを滴下し、室温まで徐々に昇温して沈殿
物をろ別したのち、ヘキサンで洗浄し、乾燥することで
LiClを含むLi[B(C654]・O(C252
0.022モルを得た。ブロモペンタフルオロベンゼン
からの収率は88%であった。
【0063】実施例3 [リチウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート
の製造]窒素置換した反応器に、乾燥ヘキサン340ミ
リリットル,ジエチルエーテル20ミリリットル及びブ
ロモペンタフルオロベンゼン24.7g(0.1モル)
を入れ、−70℃に冷却し、撹拌下n−ブチルリチウム
0.1モルを滴下した。次いで、−70℃で三塩化硼素
0.025モルを滴下し、室温まで徐々に昇温して沈殿
物をろ別したのち、ヘキサンで洗浄し、乾燥することで
LiClを含むLi[B(C654]・O(C252
0.020モルを得た。ブロモペンタフルオロベンゼン
からの収率は80%であった。
【0064】実施例4 乾燥ヘキサンの代わりに乾燥ペンタン340ミリリット
ルを用い、またジエチルエーテルの代わりにジイソプロ
ピルエーテル20ミリリットルを用いたこと以外は、実
施例3と同様の操作を行なった結果、LiClを含むL
i[B(C654]・O(C3720.021モルが
得られた。ブロモペンタフルオロベンゼンからの収率は
84%であった。
【0065】参考例2 ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートの合成・精製窒素置換した反応器にジエチ
ルエーテル1000ml及びブロモペンタフルオロベン
ゼン49.4g(0.4mol)を入れ、−70℃に冷
却する。撹拌下n−ブチルリチウム0.4molを滴下
した。次に、−70℃で三塩化硼素0.10molを滴
下し、室温まで徐々に昇温し、沈殿物を濾別した後、ヘ
キサンで洗浄した。沈殿物を200mlの水に溶解し、
50mlの水に溶解した塩化ジメチルアニリニウム0.
10molを滴下し、粗ジメチルアニリニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレートを79g得た。粗
ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート50gを20mlのメタノールで溶解し、
500mlの水に滴下した。真空乾燥することで白色の
精製ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレートを46g得た。
【0066】参考例3 スチレンの重合 乾燥し、窒素置換した10リットルの容器にスチレン6
リットルを入れ、70℃に加熱する。ここに、トルエン
75mlにトリイソブチルアルミニウム9mmol、精
製ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート150μmol、ペンタメチルシクロペン
タジエニルチタントリメトキサイド150μmolを混
合した溶液を添加し、2時間重合を行い、MeOH1リ
ットルを投入することで反応を停止した。ろ過によりM
eOHを分離し、生成ポリマーを150℃5時間の真空
乾燥を行ない、4.1kgのポリマーを得た。生成した
ポリマーを290℃で溶解し、140℃の鉄製の金型に
100回射出成形し、金型を相対湿度50%下で一日保
存し、金型に腐食がないことを確認した。また、成形品
のY.I.は19であった。
【0067】参考比較例3 粗ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートを用いること以外は参考例2と同様にスチ
レンの重合を行ない、4.0kgのポリマーを得、射出
成形を行なった。金型には腐食が見られ、成形品のY.
I.は25であった。
【0068】
【発明の効果】以上、説明したように本発明にかかる製
造方法及び精製方法によって得られるテトラキスフェニ
ル硼酸塩は、α−オレフィンやスチレン系単量体等のオ
レフィンの重合用触媒成分、又はその合成原料として有
用である。中でも、本発明によって得られるテトラキス
フルオロフェニル硼酸塩は、オレフィン重合活性に優
れ、かつ、高純度であるためオレフィン重合用触媒成分
又はその合成原料として特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長沼 章治 千葉県袖ヶ浦市上泉1280番地 (72)発明者 渡辺 正美 千葉県袖ヶ浦市上泉1280番地 (72)発明者 鞆津 典夫 千葉県市原市有秋台西二丁目4番2号 Fターム(参考) 4H048 AD11 AD15 BB11 BB15 BB31 BB49 BC52 BE21 BE56 VA11 VA50 VA75 VB10 4J128 AA01 AB00 AC28 AD01 AD13 BA02B BB01B BC12B BC15B CB05B DA02 DA08 EB04 EC01 FA04 GB07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式 4M4−C63 5+BCl3→M4B(C63 54 [式中、M4はアルカリ金属,アルカリ土類金属または
    6 2Al(R6はアルキル基)を示し、Y3は水素原子ま
    たはハロゲン原子を示す。]に従いテトラキスフェニル
    硼酸塩を製造するに当たり、反応溶媒としてエーテルと
    脂肪族炭化水素との混合溶媒を用いることを特徴とする
    テトラキスフェニル硼酸塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記テトラキスフルオロフェニル硼酸塩
    が、前記エーテルがルイス塩基として配位しているテト
    ラキスフルオロフェニル硼酸塩であることを特徴とする
    請求項1記載のテトラキスフルオロフェニル硼酸塩の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 さらに、前記ルイス塩基の配位したテト
    ラキスフルオロフェニル硼酸塩に炭化水素系溶媒を加
    え、減圧濃縮又は減圧乾固することにより、ルイス塩基
    を除去することを特徴とする請求項2記載のテトラキス
    フルオロフェニル硼酸塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記テトラキスフルオロフェニ
    ル硼酸塩を、SP値が15以上で30以下の溶媒により
    溶解し、次に、水又は脂肪族炭化水素系溶媒により析出
    させて精製することを特徴とする請求項1又は3記載の
    テトラキスフルオロフェニル硼酸塩の製造方法。
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