JP2003300805A - 共生菌を用いたイネ科植物の病虫害防除方法、防除剤および防除剤を結合した種子 - Google Patents
共生菌を用いたイネ科植物の病虫害防除方法、防除剤および防除剤を結合した種子Info
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Abstract
植物に対して病虫害抵抗性を付与する。すなわち、植物
に感染共生可能であり、感染共生した植物体に病害虫に
対して抵抗性を付与させる機能をもつ細菌から成る共生
菌を人為的に導入するようにした共生菌導入植物を利用
した生物学的防除法、防除剤および防除剤を結合した種
子を提供する。 【解決手段】天然に存在する植物体から病虫害抵抗性を
発現する細菌から成る共生菌を分離し、この共生菌を人
工培養して対象とするイネ科植物に導入することによっ
て、このイネ科植物に対して病虫害抵抗性を付与する。
共生菌としては、Herbaspirillum属、A
zospirillum属等の細菌が例示される。ま
た、対象となる病害虫は燐し目、直し目、総し目、鞘し
目、または半し目に属する害虫が例示される。
Description
科植物の病虫害防除方法、共生菌を用いた防除剤および
防除剤を結合した種子に係るものである。とくに本発明
は、イネ科植物体に導入感染して抵抗性機能を発現させ
る細菌から成る共生菌を利用したイネ科植物の病虫害の
生物的防除方法、防除剤、および防除剤を結合した種子
に関するものである。
ロコシの世界3大穀物、アフリカやインドなどの地域で
主食とされているソルガム、家畜飼料である牧草や公
園、運動場、ゴルフ場、緑地などに使用されている芝草
など、世界的に栽培利用されている人間にとって最も有
用な植物である。このようなあらゆる分野で利用されて
イネ科植物の栽培において、最も深刻な問題とて病害虫
による被害がある。
て、病害虫に対する防除技術が開発されている。その中
で最も一般的に使用され、かつ多く開発されたのもが、
化学農薬を用いた化学的防除方法である。化学農薬は植
物体に発生した病害虫に即効的に作用し、手軽に防除で
きる反面、特定毒物、毒物、劇物などとされ、法律で規
制されている。近年、化学農薬の乱用によって、急性毒
性による中毒患者や死亡者が出現したり、農作物への残
存による食品への残留や農薬利用余剰分の流出による人
体や環境への影響が社会的問題化してきている。また、
化学農薬に対して耐性を持った病害虫の出現により、際
限なく新たな農薬の開発が余儀なくされ、終わりがない
状態となっている。
し、環境に影響の少ない防除技術として、生物的防除方
法の開発が行なわれてきている。植物体自体に病虫害抵
抗性を持たせる育種技術として、人工交配法、選抜法、
突然変異法、細胞融合法、遺伝子導入法などが存在して
いる。特に、遺伝子導入方法の利用は目覚しく、害虫防
除技術として上記のようなBacillus thuringensis (B
t)トキシン殺虫タンパク質合成遺伝子導入トウモロコ
シやイネが育成され、トウモロコシにおいては、飼料用
のデントコーンに遺伝子導入された品種が実際に栽培さ
れている例がある。
ンパク質は、標的とする害虫のみでなく、無害の一般生
物にも影響を及ぼし、Btトキシン殺虫タンパク質合成遺
伝子導入トウモロコシの花粉を食したオオカバマダラが
死亡した例が報告され、自然環境かく乱リスクが問題と
なっている。
する微生物や天敵昆虫に利用などがあり、病原菌に対し
て拮抗作用を示す微生物の利用、上述のようなBacillus
thuringensis (Bt)トキシンのような殺虫タンパク質
の利用、害虫捕食昆虫の天敵昆虫の利用などが代表され
る。病原菌に対する拮抗微生物はそのほとんどが土壌病
害菌に対応したものであり、例えばイネいもち病菌など
胞子が直接植物体の茎葉部分に付着して、植物体内に侵
入、発病させる病原菌に対する拮抗微生物の利用はな
い。燐翅目害虫に対するBtトキシンは、予防的利用はで
きず、害虫が確認されてから処理するため、害虫の発生
状況を把握し、適切に用いないとまったく効果を示すこ
とができない。天敵の利用は、温室などの施設栽培に発
生する害虫には効果的であるが、イネ科植物など外環境
に発生する害虫に対しては利用困難である。
すなわちエンドファイトと呼ばれる微生物が存在してい
る。エンドファイトは植物体の組織中に、とくに細胞間
隙と呼ばれる細胞と細胞との間に生息している。これま
でに、Neotyphodium属である糸状菌、共生菌が感染した
イネ科植物体は、共生していない個体に比べ害虫に対す
る抵抗性、病原菌に対する抵抗性、生育速度、暑さや乾
燥などの環境ストレスに対する抵抗性が向上することが
知られている。
は、植物自体に上記抵抗性が付与されているため、農薬
の使用を省くことができ、病害虫の発生予測に関係なく
防除可能である。また、もともとの自然界の摂理を応用
した技術であるため、遺伝子導入植物に見られる弊害や
植物自体のその他の形質に影響がでない。
に分かれる。糸状菌エンドファイトはNeotyphodiumが感
染共生したイネ科植物で利用さている。しかしながら、
糸状菌エンドファイトは、感染共生できる植物が近縁種
に限定された宿主特異という性質がある。そのため、そ
の利用は、牧草、芝草種に留まっている。細菌から成る
共生菌のエンドファイトは、その利用は大気中の窒素を
固定し、植物に供給している根粒菌であるRizobium, Br
adyrhizobium, Mesorhizobium, Sinorhizobiumなどのマ
メ科植物根に根粒を作って生活する細菌のみしか実用化
されていない。
で窒素固定をする共生菌、細菌エンドファイトが探索さ
れているという報告がある。しかしながら、病害虫に対
して抵抗性を付与させる機能を持った細菌共生菌はマメ
科やイネ科問わず存在していない。
れたものであって、植物に感染共生可能であり、感染共
生した植物体に病害虫に対して抵抗性を付与させる機能
をもつ細菌から成る共生菌を人為的に導入するようにし
た共生菌導入植物を利用した生物的防除方法、防除剤、
および防除剤を結合した種子を提供することを目的とす
る。
主要な発明は、細菌から成る共生菌をイネ科植物の植物
体に人為的に導入して感染させ、前記共生菌によって病
虫害抵抗性を付与することを特徴とするイネ科植物の病
虫害防除方法に関するものである。
されたイネ科植物に対して細菌または糸状菌による病害
に対する抵抗性を付与することができる。また細菌から
成る共生菌が人為的に導入されたイネ科植物に対して燐
翅目、直翅目、総翅目、鞘翅目、または半翅目の害虫に
対する抵抗性を付与することができる。ここで用いられ
る細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属またはAzospi
rillum属の細菌であることが好ましい。
FERM P−18563、FERM P−18564、FERM BP
−7998、FERM BP−7999、FERM BP−8000
の内の何れか1種または2種以上の細菌であることが好適
である。また細菌から成る共生菌が植物体の細胞間隙に
生息して病虫害抵抗性を発現することになる。
ネ科であって、Agegilop、Agrostis、Avena、Axonopu
s、Buchloe、Coix、Cynodon、Dactylis、Eragrostis、E
remochloa、Festuca、Hordeum、Lolium、Oryza、Paspal
um、Pennisetum、Phleum、Poa、Saccharum、Secale、 S
orghum、Stenotaphrum、Triticum、×Triticosecala、Z
ea、Zoysiaの何れかであってよい。またこれらの植物の
交配種をも含むものである。
発明は、天然に存在する植物体から病虫害抵抗性を発現
する細菌から成る共生菌を分離する工程と、分離された
共生菌を人工培養する工程と、人工培養された共生菌を
対象植物に導入する工程と、導入された共生菌によって
植物体に感染させる工程と、を具備するイネ科植物体の
病虫害防除方法に関するものである。
物を磨砕し、培地上に接種して培養により細菌を分離す
ることができる。またイネ科植物の種子に対して細菌か
ら成る共生菌を分散させた水溶液を接触させて前記種子
または該種子から発芽する植物体に前記共生菌を導入す
ることができる。また共生菌を分散させた水溶液が生理
食塩水であることが好ましい。また播種前の浸種のため
の浸種液に細菌から成る共生菌を分散させておき、種子
または該種子から発芽する植物体に前記共生菌を導入す
ることが好適である。
DNAをPCR法によって増幅するとともに、増幅され
たDNAを相同性探索を行って細菌の特定を行うことが
好適である。また識別手段を発現するような外来遺伝子
を前記細菌から成る共生菌に導入し、植物体に感染した
前記共生菌の定着の有無を前記外来遺伝子による識別手
段によって確認することが好ましい。
天然に存在する植物体から分離された細菌から成る共生
菌であって、人為的に導入されたイネ科植物に対して病
虫害抵抗性を発現させる共生菌を主成分とする病虫害防
除剤に関するものである。
um属またはAzospirillum属の細菌であることが好まし
い。また細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FERM P
−18563、FERM P−18564、FERM BP−79
98、FERM BP−7999、FERM BP−8000の内の
何れか1種または2種以上の細菌であることが好まし
い。また細菌から成る共生菌が結合剤中に分散されると
ともに、該結合剤が種子を被覆するコート層を形成して
よい。また細菌から成る共生菌を人為的に導入すると細
菌または糸状菌による病害に対する抵抗性を発現するも
のであってよい。あるいはまた細菌から成る共生菌を人
為的に導入すると、燐翅目、直翅目、総翅目、鞘翅目、
または半翅目の昆虫に対する耐虫性を発現するものであ
ってよい。
物の植物体に導入すると該植物に対して病虫害抵抗性を
付与する細菌から成る共生菌を結合剤に分散させて前記
植物の種子にコートしたことを特徴とするコート剤を結
合した種子に関するものである。
um属またはAzospirillum属の細菌であることが好まし
い。また細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FERM P
−18563、FERM P−18564、FERM BP−79
98、FERM BP−7999、FERM BP−8000の内の
何れか1種または2種以上の細菌であることが好ましい。
また前記結合剤がカーバイト(炭酸カルシウム)であるこ
とが好ましい。
虫害抵抗性を付与させる機能をもつ共生菌に着目し、こ
のような共生菌を植物体に人為的に導入するとともに、
導入前の共生菌または共生した植物を導入後にスクリー
ニングし、植物体に感染させるようにしたものである。
とくに、イネ科植物に感染共生する共生菌として、Herb
aspirillum属またはAzospirillum属の細菌が効果的であ
ることが確認された。
ドファイトであって、とくにHerbaspirillum sp. MYK-B
001株およびMYK-B002株(特許生工研寄託菌FERM P−7
998およびFERM P−7999)または、Azospirillu
m sp. MYK-B003株(特許生工研寄託菌FERM P−800
0)は何れも各種のイネ科植物に導入して共生させるこ
とができ、導入感染した植物体に病虫害抵抗性機能を付
与させることができるエンドファイトであることが確認
された。またこのようなエンドファイトが導入される植
物としては、Agegilop、Agrostis、Avena、Axonopus、B
uchloe、Coix、Cynodon、Dactylis、Eragrostis、Eremo
chloa、Festuca、Hordeum、Lolium、Oryza、Paspalum、
Pennisetum、Phleum、Poa、Saccharum、Secale 、Sorgh
um、Stenotaphrum、Triticum、×Triticosecala、Zea、
Zoysiaの何れかの植物であってよく、ここではその後
代、および上記の各植物の交配種も含むものである。
て説明する。この方法は自然界に存在する植物に共生し
ているエンドファイトを分離して人工増殖を行なう。そ
して人工増殖されたエンドファイトをイネ科植物に人工
接種する。そして人工接種されたエンドファイトをイネ
科植物に感染させて共生させることによりイネ科植物へ
のエンドファイトの導入が行なわれる。エンドファイト
は植物体に人工接種する前に、あるいは人工接種後にス
クリーニングして選択する。
において特許生工研寄託センタ−に寄託された上記のエ
ンドファイトの何れかを人工接種するようにしてよい。
またエンドファイト導入は必ずしも1種類のエンドファ
イトである必要はなく、2種類以上のエンドファイトを
同時に、あるいはまた時間的にずらして導入することも
できる。
001株およびMYK-B002株とAzospirillum sp. MYK-B003株
をイネ科植物に接種、定着させた。そして、それぞれの
植物種の病害虫検定を行なったところ、何れもエンドフ
ァイトが感染していない個体が、罹病、摂食阻害を受け
たのに対して、エンドファイト感染個体は、病害虫とも
に強度抵抗性を示した。
させることによってイネ科植物自体に病害虫抵抗性機能
をほぼ永続的に付与させることができ、病虫害防除に対
して、これまで使用してきている化学農薬の使用なしで
栽培可能となる。また、その他の生物防除方法と比較し
て、発生予測や発生状況による使用検討、環境に対する
影響検討などを大幅に削減可能となり、環境への負荷の
低減だけでなく、栽培の際のコストを抑えることができ
る効果を生ずる。
植物へのエンドファイト導入による病虫害防除方法をそ
の手順に従って詳細に説明する。
ともに、滅菌処理前または処理後に磨砕し、エンドファ
イト分離培地へ置床し、数日間培養を行なうことによ
り、エンドファイトを分離する。 (2)エンドファイトの同定工程 培地上でシングルコロニーとして単離された菌はそれぞ
れ16srRNA遺伝子の解析によって同定を行なう。 (3)エンドファイトの標識工程 種が同定されたエンドファイトは接種後に植物体内で感
染を確認するために、必要であれば一部をGFP標識す
る。
科植物であるAgegilop、Agrostis、Avena、Axonopus、B
uchloe、Coix、Cynodon、Dactylis、Eragrostis、Eremo
chloa、Festuca、Hordeum、Lolium、Oryza、Paspalum、
Pennisetum、Phleum、Poa、Saccharum、Secale 、Sorgh
um、Stenotaphrum、Triticum、×Triticosecala、Zea、
Zoysiaの何れかの属の植物へ人工的に導入する。エンド
ファイト導入方法は、種子に付着させ接種する方法、種
子にコーティングする方法、植物体に直接接種する方法
とがある。これらはエンドファイトの導入となる植物の
種類に応じて任意に選択されてよい。
分離された細菌から成る共生菌、すなわちエンドファイ
トを生理食塩水中に分散させておき、細菌が分散されて
いる生理食塩水を種子に接触させることによって容易に
接種できる。すなわち細菌が分散された生理食塩水を種
子中に撒布するか、細菌が分散された生理食塩水中に種
子を浸漬することによって接種してよい。
る籾に接触させる場合には、播種時の浸種に適用するこ
とができる。すなわち種籾を浸種する浸種液中に細菌か
ら成る共生菌を分散させておき、この播種液中に種籾を
浸漬する。これによって浸漬液中の細菌が種子あるいは
この種子から発芽する植物体に感染する。
穀物の種子に上記の共生菌から成る防除剤をコートして
おくことができる。この場合にカーバイト(炭酸カルシ
ウム)から成る結合剤を用いて上記のコート層を形成す
ることが好適である。
用して観察することで、エンドファイトの感染を確認す
ることができる。また組織を表面殺菌し、NB倍地上に置
床することによって導入されたエンドファイトが分離さ
れる。
程 虫抵抗性検定 エンドファイトを導入して共生させた植物と、エンドフ
ァイトが存在しない植物とを用い、虫害の対象となる昆
虫を飼育し、人工的に食害試験を行なうことにより、耐
虫抵抗性を確認できる。
ァイトが存在しない植物とを用い、病害の対象となる病
原菌を人工培養し、それをそれぞれの植物に人為的に接
種を行なって発病させる。そして、各植物の発病の程度
を測定して病害抵抗性を確認できる。
もにその植物体を切断し、70 % エタノールに 30 秒、2
% 次亜塩素酸ナトリウムに5分浸すことにより表面殺菌
を行なった。その後植物体を、乳鉢で滅菌した生理食塩
水と海砂を加えながら磨砕し、NB培地に接種し、30
℃、24時間暗期条件下で数日間培養した。この操作に
よって培地上でシングルコロニーを単離した。 (2)エンドファイトの同定 PCR 法により16s rRNA 遺伝子領域を伸長増幅し、塩基
配列決定を行なった。16S rRNA 遺伝子領域内部の順方
向または逆方向の数種類のプライマを用意した。2種類
の向い合うプライマーを選択し、菌株を溶解させ、抽出
した DNA 溶液をテンプレートとして PCR 法を行った。
増幅された DNA 断片を精製し、塩やプライマーを除去
した後、塩基配列を決定した。16s rRNA 遺伝子内の約
1.5 kb の塩基配列を決定した。決定した塩基配列を DD
BJ / GeneBank / EMBL データベースを用いて相同性検
索を行った。その後、決定した塩基配列、その塩基配列
と相同性の高い属、種の16s rRNA 遺伝子塩基配列、そ
の他広範囲の菌属および菌種の16s rRNA 遺伝子塩基配
列の系統関係を系統樹作成プログラム ClastalW を用い
て解析した。それを基に系統樹を作成した。その結果 M
YK-B001 株およびMYK-B002は Herbaspirillum 属であっ
て、MYK-B003 株は Azospirillum 属に属することが明
らかとなった。 (3)標識株の作成 導入されたエンドファイト、すなわち細菌は植物組織内
で観察が困難なために、自己発色するタンパク質を生産
する遺伝子を組込んだ。GFP(GreenFluor
escent Protein)はオワンクラゲ(Ae
quoriaVictoria)から単離されたタンパ
クである。青色光または紫外光を当てると緑色の蛍光を
発する。このGFPの遺伝子、すなわちgfp遺伝子が
単離され菌株の標識に用いられている。腸内細菌科以外
では複製不可能なプラスミドpUT上に、gfp遺伝子
2つと、カナマイシン耐性異伝子がミニトランスポゾン
を構成して存在しているプラスミドpUTgfpx2が
ある。このプラスミドを電気導入遺伝子導入法によっ
て、例えばHerbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B
002株に導入し、カナマイシン耐性菌を単離した。この
菌に500nm付近の光を照射し、蛍光を発することを
確認した。 (3) 菌株の培養 Herbaspirillium sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Az
ospirillum sp. MYK-B003株をともに同様な培養方法で
培養を行なった。菌株のシングルコロニーを NB培地上
に接種し、30 ℃で振とう培養を行なった。 (4)イネ科植物への接種 1.種子への菌付着による接種 NB培地で培養後、対数増殖期の菌体を8000 G
(G:重加速度)、1 分遠心することにより集菌した。
菌体を生理食塩水に懸濁し再び集菌することを3回繰返
し洗滌した。洗滌した菌体を生理食塩水に2 ×107
Cell/mlになるように懸濁した。植物の種子は籾
を剥離し、70% エタノール中に数秒、直ぐに滅菌水
で洗滌後に、2.5% 次亜塩素酸ナトリウム水溶液で
30 分間振とうし、表面殺菌を行った。その後滅菌水
で 15 分間振とうを 3回繰り返し洗滌した。予め121
℃、15分オートクレーブ滅菌しておいた赤玉土と育苗土
(商品名:くみあい宇部粒状培土 全国農業協同組合連
合会)を1:3の割合で入れたプラントボックスまたは
試験管内に表面殺菌した種子を置いた。上述の菌懸濁液
を1 種子あたり例えば 50μl(1 × 106 Cel
ls) になるように種子上に乗せることにより菌の接種
を行なった。今回接種したイネ科植物種は一覧を表1お
よび表2に示す。
(G:重加速度)、1 分遠心することにより集菌した。
菌体を生理食塩水に懸濁し再び集菌することを3回繰返
し洗滌した。洗滌した菌体を生理食塩水に1 × 106
Cells/mlとなるように生理食塩水で懸濁し
た。例えは、その菌懸濁液とカーバイト(炭酸カルシウ
ム CaC2 )により、種子に菌をコーティングする方法
によって接種を行なった。今回接種したイネ科植物種は
一覧を表1および表2に示す。
全国農業共同連合会)を1:3の割合で入れたビニルポ
ットに播種した。播種後温度25℃、明期16時間、暗
期8時間の条件の培養室で10日間、第2葉展開するま
で生育させた。
000 G(G:重加速度)、1 分遠心することにより
集菌した。菌体を生理食塩水に懸濁し再び集菌すること
を3回繰返し洗滌した。洗滌した菌体を生理食塩水に1
× 106 Cells/mlとなるように生理食塩水で
懸濁した。
een20を5000〜10000倍希釈となるように
添加して、第2葉展開まで生育させておいた植物体に噴
霧接種法によりまんべんなく接種した。今回接種したイ
ネ科植物種は一覧を表1および表2に示す。
品名:くみあい宇部粒状培土 全国農業協同組合連合
会)を1:3の割合で入れた。培土上でHerbaspirilliu
m sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp.
MYK-B003株を接種した植物体を25 ℃で明期 16 時間、
暗期 8 時間の条件に放置し、無菌的に 10日から 14 日
間栽培を行なった。その後、有菌状態、25 ℃で明期 16
時間、暗期 8 時間の条件でさらに10日から14日間
栽培を行った。
びMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株菌を接種
した植物体は、接種後25℃、明期16時間、暗期8時
間条件に放置して、10日から14日間栽培を行なっ
た。3.ワグネルポットを用いた栽培プラントボック
ス、ビニルポットで生育した幼植物を赤玉土と育苗土
(商品名:くみあい宇部粒状培土 全国農業協同組合連
合会)を1:3の割合で入れた 1/5000 a ワグネルポッ
トに移植し、明期 11 時間 : 28 ℃、暗期 13 時間 : 2
2 ℃で登熟期まで栽培を行った。
株およびMYK-B002株およびAzospirillum sp. MYK-B003
株を接種した植物体を、蛍光実態顕微鏡で観察すること
により検討した。さらに、植物組織内のどこに定着する
か、植物の葉身を共焦点レーザ顕微鏡をもちいたて観察
した。その結果、標識した菌は植物体の地上部および地
下部屁の多量の定着が観察された。植物組織内では、細
胞間隙に定着することが明らかとなった(写真1)。そ
して、表1および2に示す通り、すべての植物およびす
べての接種方法の組合わせで、イネ科植物に感染・共生
することが明らかとなった。
の幼植物全体を70% エタノールに数秒、 1 % 次亜塩素
酸ナトリウムに 30 秒間浸すことにより表面殺菌を行な
った。表面殺菌後に滅菌した乳鉢にて滅菌した生理食塩
水と海砂を加えながら植物体を磨砕し、NB 寒天培地に
塗布した。生ずるコロニーを計数し接種菌の組織内定着
性について検討を行なった。その結果、エンドファイト
が分離され、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK
-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株は接種した植物
体に定着することが明らかとなった。そして、表1およ
び2に示す通り、すべての植物およびすべての接種方法
の組合わせで、イネ科植物に感染・共生することが明ら
かとなった。
評価 (1)葉いもち病に対する抵抗性評価 エンドファイト感染イネの有用機能評価として、イネの
主要病害となっているいもち病に対する抵抗性検定を行
なった。接種エンドファイトは、Herbaspirillum sp. M
YK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B0
03株を用い、栽培イネOryza Sativa に接種した。いも
ち病菌(Ptricularia oryza Cavara)は北1菌株(レ−
ス003)を使用した。エンドファイトを上記方法で接
種した栽培イネOryza Sativa 個体を第4〜5葉期まで栽
培を行なった。
00〜10000倍希釈になるようにTween20を
加えた蒸留水で洗い、胞子懸濁液を作成し、顕微鏡10
0倍視野に20〜100個の胞子数となるように胞子懸
濁液濃度を調整した。そして、第4〜5葉期に生長した
イネ幼苗全体に噴霧接種法によりまんべんなく接種し
た。
00%湿度、温度25℃に保った状態のインキュベ−タ
内で24時間処理し、菌を感染させた。24時間後から
湿度自然状態で50〜60%、温度25℃明期16時
間、暗期8時間条件設定したインキュベータ内で発病さ
せた。罹病斑が最も大きな葉を最大罹病葉として、接種
した全個体について罹病斑の直径、すなわち病斑長を測
定した。エンドファイト無接種個体とエンドファイト接
種個体との平均値差を最小有意差法により算出して、有
意差の有無を求め、有意に病斑長が小さかった場合、い
もち病菌に対して抵抗性と見なした。
-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株接種個体および
無接種個体のいもち病班長平均値による有意差検定を算
出した結果、無接種個体と比較してHerbaspirillum sp.
MYK-B002株接種個体で1%水準、Herbaspirillum sp.
MYK-B001株およびAzospirillum sp. MYK-B003株接種個
体で5%水準で有意に罹病が抑制された。以上から、エ
ンドファイトHerbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK
-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株が栽培イネOryz
a Sativaに感染・共生することによって、イネ個体に葉
いもち病に対する抵抗性機能を付与されることが明とな
った。
株およびMYK-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株接
種栽培イネOryza Sativaを赤玉土と育苗土(商品名:く
みあい宇部粒状培土 全国農業協同組合連合会)を1:
3の割合で入れた 1/5000 a ワグネルポットに移植し、
明期 11 時間 : 28 ℃、暗期 13 時間: 22 ℃ で栽培を
行った。そして、出穂が確認された時期にいもち菌の接
種を行なった。接種は、葉いもち病検定と同様に同じ菌
株を、乾燥胞子形成培地表面を5000〜10000倍
希釈になるようにTween20を加えた蒸留水で洗
い、胞子懸濁液を作成し、顕微鏡100倍視野に20〜
100個の胞子数となるように胞子懸濁液濃度を調整
し、噴霧接種法によりまんべんなく植物体に接種をし
た。
00%湿度、温度25℃に保った状態で24時間処理
し、菌を感染させた。24時間後から湿度自然状態で5
0〜60%、温度25℃明期16時間、暗期8時間条件
設定した温室内で発病させた。接種後20〜30日目に
穂首いもち、穂軸いもち、枝梗いもちの発病程度を調査
した。エンドファイト無接種個体とエンドファイト接種
個体との平均値差を最小有意差法により算出して、有意
差の有無を求め、有意に罹病程度が小さかった場合、穂
いもち病に対して抵抗性と見なした。
um sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum s
p. MYK-B003株接種個体および無接種個体の穂いもち病
罹病程度の有意差検定を算出した結果、無接種個体と比
較してHerbaspirillum sp. MYK-B002株接種個体で1%
水準、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびAzospiril
lum sp. MYK-B003株接種個体で5%水準で有意に穂いも
ち病が抑制された。
sp. MYK-B001株およびMYK-B002株、Azospirillum sp.
MYK-B003株が栽培イネOryza Sativaに感染・共生する
ことによって、イネ個体に葉いもち病および穂いもち病
に対する抵抗性機能を付与されることが明となった。
るイネいもち病抵抗性について評価したが、この結果か
ら、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK-B002
株、Azospirillum sp. MYK-B003株が感染・共生したイ
ネ科植物は全般に、病害に対して抵抗性機能が付与され
ることが示唆された。よって、イネ科植物の栽培におい
て、細菌からなる共生菌を感染・共生させることは病害
に対する生物的防除法として十分に活用できることが明
らかとなった。
する抵抗性評価 イネ科植物の主要害虫である直翅目、総翅目、半翅目、
燐翅目、鞘翅目など植物体を摂食したり、吸汁したりし
て食害する害虫対する耐虫性機能が、エンドファイト感
染によって付与されるかどうかについて評価した。
的に主要害虫となっているスジキリヨトウ(Spodoptera
depravata Butler)に対する効果を検証した。エンド
ファイトは、Herbaspirillum sp. MYK-B001株およびMYK
-B002株、Azospirillum sp. MYK-B003株を用いた。接種
個体の作成、育成は前記した方法と同様である。
び無接種個体の葉身を長さ20mmに切断した切葉片を
90mmシャーレに静置し、ふ化直後のスジキリヨトウ
幼虫を200頭程度入れ、25℃、明期16時間、暗期
8時間条件設定したインキュベータ内に置き摂食させ、
48時間後に摂食率を測定した。また、スジキリヨトウ
3齢幼虫を20頭入れ、25℃、明期16時間、暗期8時間条件
設定したインキュベータ内に置き摂食させ、48時間後に
摂食率を測定した。
の摂食程度を観察した結果、無接種個体、Herbaspirill
um sp. MYK-B002株 接種個体およびAzospirillum sp. M
YK-B003株接種個体がほぼ100%摂食される中で、Herbas
pirillum sp. MYK-B001株接種個体のみ20%程度しか
摂食されないという明らかな差異が観察された(写真
2)。
はAzospirillum sp. MYK-B003株(FERMBP-8000)の接種個
体を、右上の植物はHerbaspirillum sp. MYK-B001株(FE
RM BP-7998)の接種個体を、左下の植物はHerbaspirillu
m sp. MYK-B002株(FERM BP-7999)の接種個体を、右下の
植物はコントロールであって無接触固体をそれぞれ示
す。
0頭による摂食試験では、検定開始から48時間後Herbasp
irillum sp. MYK-B001株接種個体のみ5%程度の摂食
と、ほとんど摂食されていなかった(写真3)。無接種
個体、Herbaspirillum sp. MYK-B002株およびAzospiril
lum sp. MYK-B003株接種個体は差異なく摂食されてい
た。
はAzospirillum sp. MYK-B003株(FERMBP-8000)の接種個
体を、左から2番目の植物はコントロールであって無接
種の個体を、右から2番目の植物はHerbaspirillum sp.
MYK-B001株(FERM BP-7998)の接種個体を、右側の植物
はHerbaspirillum sp. MYK-B002株(FERM BP-7999)の接
種個体をそれぞれ示す。
同様に、阻害作用を示した。以上から、エンドファイト
Herbaspirillum sp. MYK-B001株は感染・共生させたイ
ネ科植物に強度な耐虫性を付与する特性があることが明
確となり、類似するヨトウ類を含む燐翅目害虫、バッタ
類などの直翅目害虫に対しても同様な耐虫性機能を示す
とが明らかとなった。
目などの吸汁害虫に対する検定においても、忌避などの
阻害作用を示すことが明らかとなった。よって、イネ科
植物の栽培において、細菌からなる共生菌を感染・共生
させることは害中に対する生物的防除法として十分に活
用できることが明らかとなった。
菌をイネ科植物の植物体に人為的に導入して感染させ、
前記共生菌によって病虫害抵抗性を付与するようにした
ものである。
ば、細菌から成る共生菌が人為的に感染共生された植物
が病虫害に対する抵抗性機能を付与される。従って導入
された共生菌によって従来の農薬に代替する機能が付与
されることになり、化学合成農薬の使用量を少なくする
ことが可能になり、従来効果が乏しかった生物農薬の欠
点を克服するとともに、生物防除を利用して環境への負
担や栽培イネ科植物の栽培コストの低減を図ることが可
能になる。
植物体から病虫害抵抗性を発現する細菌から成る共生菌
を分離する工程と、分離された共生菌を人工培養する工
程と、人工培養された共生菌を対象植物に導入する工程
と、導入された共生菌によって植物体に感染させる工程
と、を具備するものである。
ば、高い再現性をもってイネ科植物に対して病虫害抵抗
性を発現する細菌を導入感染させることが可能になり、
このような共生菌によってイネ科植物が病虫害抵抗性を
発現する。従って化学合成農薬の使用量を少なくするこ
とを可能にし、生物防除を利用した環境への負担の少な
いイネ科植物が提供される。
に存在する植物体から分離された細菌から成る共生菌で
あって、人為的に導入されたイネ科植物に対して病虫害
抵抗性を発現させる共生菌を主成分とする病虫害防除剤
に関するものである。
物に適用することによって、この防除剤が導入されたイ
ネ科植物に対して病虫害抵抗性を付与することになり、
これによって化学合成農薬の使用量の低減を図ることに
よって栽培コストの低減を図るとともに、環境に対する
負荷を少なくすることが可能になる。
植物体に導入すると該植物に対して病虫害抵抗性を付与
する細菌から成る共生菌を結合剤に分散させて植物の種
子にコートしたものである。
よれば、その外側のコート層に結合剤に分散された状態
で共生菌が付着しているために、この種子を播種する
と、発芽する植物体中に上記細菌から成る共生菌が導入
感染される。
る。
結果を示す写真である。
す写真である。
Claims (24)
- 【請求項1】細菌から成る共生菌をイネ科植物の植物体
に人為的に導入して感染させ、前記共生菌によって病虫
害抵抗性を付与することを特徴とするイネ科植物の病虫
害防除方法。 - 【請求項2】細菌から成る共生菌が人為的に導入された
イネ科植物に対して細菌または糸状菌による病害に対す
る抵抗性を付与することを特徴とする請求項1に記載の
病虫害防除方法。 - 【請求項3】細菌から成る共生菌が人為的に導入された
イネ科植物に対して燐翅目、直翅目、総翅目、鞘翅目、
または半翅目の害虫に対する抵抗性を付与することを特
徴とする請求項1に記載の病虫害防除方法。 - 【請求項4】細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属ま
たはAzospirillum属の細菌であることを特徴とする請求
項1〜請求項3の何れかに記載の病虫害防除方法。 - 【請求項5】細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FERM
P−18563、FERM P−18564、FERM BP−7
998、FERM BP−7999、FERM BP−8000の内
の何れか1種または2種以上の細菌であることを特徴とす
る請求項1〜請求項4の何れかに記載の病虫害防除方
法。 - 【請求項6】細菌から成る共生菌が植物体の細胞間隙に
生息して病虫害抵抗性を発現することを特徴とする請求
項1〜請求項5の何れかに記載の病虫害防除方法。 - 【請求項7】共生菌が人為的に導入される植物がイネ科
植物であって、Agegilop、Agrostis、Avena、Axonopus、
Buchloe、Coix、Cynodon、Dactylis、Eragrostis、Erem
ochloa、Festuca、Hordeum、Lolium、Oryza、Paspalu
m、Pennisetum、Phleum、Poa、Saccharum、Secale、 So
rghum、Stenotaphrum、Triticum、×Triticosecala、Ze
a、Zoysiaの何れかであることを特徴とする請求項1〜
請求項4の何れかに記載の病虫害防除方法。 - 【請求項8】天然に存在する植物体から病虫害抵抗性を
発現する細菌から成る共生菌を分離する工程と、分離さ
れた共生菌を人工培養する工程と、人工培養された共生
菌を対象植物に導入する工程と、導入された共生菌によ
って植物体に感染させる工程と、を具備するイネ科植物
体の病虫害防除方法。 - 【請求項9】細菌が共生していると推定される植物を磨
砕し、培地上に接種して培養により細菌を分離すること
を特徴とする請求項8に記載の病虫害防除方法。 - 【請求項10】イネ科植物の種子に対して細菌から成る共
生菌を分散させた水溶液を接触させて前記種子または該
種子から発芽する植物体に前記共生菌を導入することを
特徴とする請求項8に記載の病虫害防除方法。 - 【請求項11】共生菌を分散させた水溶液が生理食塩水
であることを特徴とする請求項10に記載の病虫害防除
方法。 - 【請求項12】播種前の浸種のための浸種液に細菌から
成る共生菌を分散させておき、種子または該種子から発
芽する植物体に前記共生菌を導入することを特徴とする
請求項10または請求項11に記載の病虫害防除方法。 - 【請求項13】分離した細菌から成る共生菌のDNAを
PCR法によって増幅するとともに、増幅されたDNA
を相同性探索を行って細菌の特定を行うことを特徴とす
る請求項8〜請求項12の何れかに記載の病虫害防除方
法。 - 【請求項14】識別手段を発現するような外来遺伝子を
前記細菌から成る共生菌に導入し、植物体に感染した前
記共生菌の定着の有無を前記外来遺伝子による識別手段
によって確認することを特徴とする請求項8〜請求項1
2の何れかに記載の病虫害防除方法。 - 【請求項15】天然に存在する植物体から分離された細
菌から成る共生菌であって、人為的に導入されたイネ科
植物に対して病虫害抵抗性を発現させる共生菌を主成分
とする病虫害防除剤。 - 【請求項16】細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属
またはAzospirillum属の細菌であることを特徴とする請
求項15に記載の病虫害防除方法。 - 【請求項17】細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FER
M P−18563、FERM P−18564、FERM BP
−7998、FERM BP−7999、FERM BP−8000
の内の何れか1種または2種以上の細菌であることを特
徴とする請求項15または請求項16に記載の病虫害防
除剤。 - 【請求項18】細菌から成る共生菌が結合剤中に分散さ
れるとともに、該結合剤が種子を被覆するコート層を形
成することを特徴とする請求項15〜請求項17の何れ
かに記載の病虫害防除剤。 - 【請求項19】細菌から成る共生菌を人為的に導入する
と細菌または糸状菌による病害に対する抵抗性を発現す
ることを特徴とする請求項15〜請求項18の何れかに
記載の病虫害防除剤。 - 【請求項20】細菌から成る共生菌を人為的に導入する
と、燐翅目、直翅目、総翅目、鞘翅目、または半翅目の
昆虫に対する耐虫性を発現することを特徴とする請求項
15〜請求項18の何れかに記載の病虫害防除剤。 - 【請求項21】イネ科植物の植物体に導入すると該植物
に対して病虫害抵抗性を付与する細菌から成る共生菌を
結合剤に分散させて前記植物の種子にコートしたことを
特徴とする防除剤を結合した種子。 - 【請求項22】細菌から成る共生菌がHerbaspirillum属
またはAzospirillum属の細菌であることを特徴とする請
求項21に記載の種子。 - 【請求項23】細菌から成る共生菌が生工研寄託番号FE
RM P−18563、FERM P−18564、FERM BP−
7998、FERM BP−7999、FERM BP−8000の
内の何れか1種または2種以上の細菌であることを特徴と
する請求項21に記載の種子。 - 【請求項24】前記結合剤がカーバイト(炭酸カルシウ
ム)であることを特徴とする請求項21に記載の種子。
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