JP2003300284A - 接合用フィルム及び接合用フィルムの積層方法 - Google Patents

接合用フィルム及び接合用フィルムの積層方法

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JP2003300284A
JP2003300284A JP2002106411A JP2002106411A JP2003300284A JP 2003300284 A JP2003300284 A JP 2003300284A JP 2002106411 A JP2002106411 A JP 2002106411A JP 2002106411 A JP2002106411 A JP 2002106411A JP 2003300284 A JP2003300284 A JP 2003300284A
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Naoya Haruta
直哉 春田
Takeshi Yamashita
武志 山下
Takeshi Tomiyama
猛 富山
Toshio Kondo
寿夫 近藤
Hideo Kogure
英雄 木暮
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加工性、仕上がり性に優れた接合用フィルム及
びその積層方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、下記した工程 一時保持フィルム(1)の片面に熱可塑性樹脂層
(2)を積層した後、 該熱可塑性樹脂層(2)の表面に、着色層(3)を
積層した後、 着色層(3)の表面に架橋クリヤ塗膜層(4)を積
層した後、 一時保持フィルム(1)を剥離した後、 新たに出現した熱可塑性樹脂層(2)面に接合剤層
(4)を積層し、 最後に、接合剤層(5)表面に離型性フィルム
(6)を積層する ことを特徴とする接合フィルムの積層方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、新規な接合用フィル
ム及びその積層方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】 従来、メラミン硬化性樹
脂塗料、イソシアネート硬化性樹脂塗料、酸化硬化性樹
脂塗料などの架橋性樹脂塗料は、金属板(鋼鈑、アルミ
板、鉄板等)、木材、上記金属以外の無機材料(コンク
リート、セラミック、ガラス等)、プラスチック(ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ナイロン等)等の基材に、それぞれの基材の性質に
応じて防食性、意匠性、耐久性、耐候性、耐擦り傷性等
の機能を付与させるために基材に直接塗装が施されてい
る。この様な基材に直接塗装するためには最適な塗装方
法を選択する必要があり面倒であること、一般的に均一
な塗装膜厚が保持できないこと、塗装により塗装欠陥を
生じ易いこと、塗装に必要な塗料が必要以上に消費され
ること、塗装の作業環境や安全衛生上の管理を安全に行
うことが難しいこと、塗装された塗膜を回収することが
困難であり環境汚染の点からも好ましくないといった問
題点があった。
【0003】また、一般的に塗料は、塗装手段、塗膜性
能、意匠性等の塗装目的により使用するために、当然の
如く品種が多くなり無駄な塗料が多く製造されるため
に、従来から品種統合や塗料の有効利用方法が当該分野
で要求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記し
た問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、最上
層が従来から使用されている架橋性樹脂塗料から形成さ
れるフィルム層、着色層、熱可塑性樹脂層、接合剤層を
有する接合用フィルムが、従来からの問題点を全て解決
するものであることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】即ち、本発明は、 1、 上から架橋クリヤ塗膜層(4)、着色層(3)、
熱可塑性樹脂層(2)、接合剤層(5)、離型性フィル
ム(6)が順次積層されてなることを特徴とする接合用
フィルム、 2、下記した工程 一時保持フィルム(1)の片面に熱可塑性樹脂層
(2)を積層した後、 該熱可塑性樹脂層(2)の表面に、着色層(3)を
積層した後、 着色層(3)の表面に架橋クリヤ塗膜層(4)を積
層した後、 一時保持フィルム(1)を剥離した後、 新たに出現した熱可塑性樹脂層(2)面に接合剤層
(4)を積層し、 最後に、接合剤層(5)表面に離型性フィルム
(6)を 積層することを特徴とする接合用フィルムの積層方法、 3、 熱可塑性樹脂層(2)が、水性ウレタン樹脂エマ
ルションであることを特徴とする接合用フィルムの積層
方法、 4、 着色層(3)が、イソシアネート硬化型着色塗料
で形成される着色層であることを特徴とする接合用フィ
ルムの積層方法、 5、 架橋クリヤ塗膜層(4)が、イソシアネート硬化
型着色塗料で形成される架橋クリヤ塗膜層であることを
特徴とする粘着フィルムの積層方法、 6、 一時保持フィルム(1)が、ポリエチレンテレフ
タレートであることを特徴とする接合用フィルムの積層
方法、 7、 離型性フィルム(6)が、ポリエチレンテレフタ
レートであることを特徴とする接合用フィルムの積層方
法、 8、 熱可塑性樹脂層(2)が、引張り破断伸び率(長
さ30mm、幅10mm、厚み0.05mmの試料で−10
℃において引張速度200mm/分で測定したときの値)
が50〜1000%の範囲であることを特徴とする接合
用フィルムの積層方法、 9、 水性ウレタン樹脂エマルションが、ポリイソシア
ネート化合物と、該ポリイソシアネート化合物が有する
イソシアネート基と反応し得る活性水素含有化合物とを
反応させて親水基含有イソシアネート末端プレポリマー
を製造し、次いでこのものを水に分散せしめ、更に、ア
ミン類で以て鎖伸長せしめてなるものであることを特徴
とする接合用フィルムの積層方法に係る。
【0006】
【発明の実施の形態】 本発明の接合用フィルムは、上
から架橋クリヤ塗膜層(4)、着色層(3)、熱可塑性
樹脂層(2)、接合剤層(5)、離型性フィルム(6)
が順次積層されてなる接合用フィルムである。
【0007】該接合用フィルムを構成する層について順
次説明する。
【0008】架橋クリヤ塗膜層(4):架橋クリヤ塗膜
層(4)は、本発明の接合用フィルムの最上層を構成す
るクリヤ塗膜層であり、従来から公知の架橋性樹脂塗料
(A)を用いて得られるフィルムが使用できる。
【0009】架橋クリヤ塗膜層(4)には、架橋クリヤ
塗膜層(4)を透過して下地の着色層(3)が完全に隠
蔽しない程度に適宜着色剤を配合することができる。
【0010】架橋性樹脂塗料(A)としては、例えば、
アミノ硬化性樹脂塗料、イソシアネート硬化性樹脂塗
料、酸エポキシ硬化性樹脂塗料、加水分解性シラン硬化
性樹脂塗料、水酸基エポキシ基硬化性樹脂塗料、ヒドラ
ジン硬化性樹脂塗料、酸化重合型硬化性樹脂塗料、光
(熱)ラジカル重合型樹脂塗料、光(熱)カチオン重合
型樹脂塗料及びこれらの2種以上の組合せによる硬化性
樹脂塗料が挙げられる。
【0011】架橋性樹脂塗料(A)には、必要に応じて
従来から塗料に配合される添加剤、例えば、着色顔料、
体質顔料、メタリック顔料、着色パール顔料、流動性調
整剤、ハジキ防止剤、垂れ止め防止剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、紫外線安定剤、つや消し剤、艶出し剤、防
腐剤、硬化促進剤、硬化触媒、擦り傷防止剤、消泡剤、
溶媒等を特に制限なしに使用することができる。
【0012】架橋性樹脂塗料(A)の形態は、架橋性樹
脂を使用した粉体塗料、架橋性樹脂の液状樹脂を使用し
た無溶剤型塗料(架橋性もしくは非架橋性の樹脂をラジ
カル重合性モノマーに溶解もしくは分散した無溶剤型塗
料も含む)、架橋性樹脂を水に溶解もしくは分散した水
性塗料、及び架橋性樹脂を有機溶剤に溶解もしくは分散
した有機溶剤型塗料(非水分散型塗料も含む)等のいず
れの形態であっても構わない。
【0013】架橋クリヤ塗膜層(4)の乾燥膜厚は、1
μm〜200μm、特に20μm〜80μmの範囲が好
ましい。1μm未満になると、耐候性、耐溶剤性、鮮鋭
性が低下し、一方、200μmを超えると、接合用フィ
ルムが脆弱になるので好ましくない。
【0014】架橋クリヤ塗膜層(4)の塗布方法は、ス
プレー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、ロール塗り、流し塗
りおよび浸漬法ナイフコ−タ−、グラビアコ−タ−、ス
クリ−ン印刷、リバ−スロ−ルコ−タ−などがある。乾
燥は室温ないし加温(たとえば40〜270℃で10秒
〜60分)、活性エネルギ線照射で行うことができる。
【0015】架橋性樹脂塗料(A)により形成された架
橋クリヤ塗膜層(4)は、架橋性樹脂に含まれる官能基
の一部もしくは全部が反応したものである。また、架橋
クリヤ塗膜層(4)の架橋の程度は、例えば、下記した
ゲル分率が50〜100重量%の範囲のものが好まし
い。
【0016】ゲル分率:フリーのフィルムをはがしとり
300メッシュのステンレススチール製の網状容器に入
れソックスレー抽出器でアセトン溶媒を用いて還流温度
で2時間抽出させた後、次式に従ってゲル分率の算出を
行なった。
【0017】ゲル分率(%)=(抽出した後の重量/抽
出前の試料の重量)×100アミノ硬化性樹脂塗料: 該塗料としては、例えば、水酸
基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ビニル
樹脂、ポリエステル樹脂などの基体樹脂と、架橋剤とし
てのアミノ樹脂からなる組成物があげられる。
【0018】アクリル樹脂及びビニル樹脂としては、カ
ルボキシル基含有重合性単量体(必要に応じて使用でき
る、特に水性塗料として使用する場合に配合される)、
水酸基含有重合性単量体及びその他の重合性単量体を共
重合せしめて得られる、10〜200mgKOH/g、
好ましくは25〜70mgKOH/gの範囲内の水酸基
価を有するものが使用できる。
【0019】カルボキシル基含有重合性単量体は1分子
中にカルボキシル基と重合性不飽和結合を有する化合物
であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸、クロトン酸などがあげられる。水酸基
含有重合性単量体は1分子中に水酸基と重合性不飽和結
合を有する化合物であり、例えば、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜
8個のヒドロキシアルキルエステルなどがあげられる。
その他の重合性単量体は、カルボキシル基含有重合性単
量体及び水酸基含有重合性単量体と共重合可能な、1分
子中に重合性不飽和結合を有する化合物であり、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステア
リル(メタ)アクリレート、アクリル酸デシル等の(メ
タ)アクリル酸の炭素原子数1〜24個のアルキル又は
シクロアルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N
−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)
アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルア
クリルアミド等の官能性(メタ)アクリルアミド;グリ
シジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リルアミド、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル
基含有ビニル単量体;スチレン、ビニルトルエン、プロ
ピオン酸ビニル、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、
(メタ)アクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビ
ニルピバレート、ベオバモノマー(シェル化学製品)等
のビニル単量体などがあげられる。上記アクリル樹脂又
はビニル樹脂は一般に5000〜40000の範囲内の
数平均分子量を有することができる。
【0020】ポリエステル樹脂としては、例えば、多価
アルコール及び多塩基酸をエステル化反応させてなるポ
リエステル樹脂が挙げられる。
【0021】多価アルコールは1分子中に2個以上のア
ルコール性水酸基を有する化合物であり、例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2,2
−ジメチルプロパンジオール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトールなどがあげられ
る。多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を
有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マ
レイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、これらの無水物などがあげ
られる。さらに、これらの多価アルコールと多塩基酸の
エステル化反応において、必要に応じて、アルコール成
分の一部として一価アルコール、グリシジル基を有する
モノエポキシ化合物を使用し及び/又は酸成分の一部と
して安息香酸やt−ブチル安息香酸などの一塩基酸を使
用することができる。また、ポリエステル樹脂は、ヒマ
シ油、桐油、サフラワー油、大豆油、アマニ油、トール
油、ヤシ油などの油成分又はそれらの脂肪酸で変性され
たポリエステル樹脂も包含される。これらのポリエステ
ル樹脂は一般に500〜10000の範囲内の数平均分
子量を有することができる。
【0022】ポリエステル樹脂は10〜200mgKO
H/g、好ましくは25〜70mgKOH/gの範囲内
の水酸基価を有することができる。
【0023】アミノ樹脂架橋剤は加熱により基体樹脂と
反応して三次元の硬化した塗膜を形成する。かかるアミ
ノ樹脂として、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、
尿素、ジシアンジアミドなどとホルムアルデヒドとの縮
合又は共縮合によって得られるものがあげられ、さらに
このものを炭素数1〜8のアルコール類で変性したもの
やカルボキシル基含有アミノ樹脂等も使用することがで
きる。これらのアミノ樹脂は、通常、アミノ基1当量に
対してホルムアルデヒド約0.5〜約2当量をpH調節
剤(例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、アミン
類)を使用し、アルカリ性又は酸性にてそれ自体既知の
方法により反応させることによって製造することができ
る。
【0024】アミノ硬化性樹脂塗料を有機溶剤系として
使用する場合には、上記した樹脂を有機溶剤に溶解もし
くは分散することにより得られる。有機溶剤としては、
例えば、ヘプタン、トルエン、キシレン、オクタン、ミ
ネラルスピリット等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢
酸n−ブチル、酢酸イソブチル、メチルセロソルブアセ
テート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系
溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
ジイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec
−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、
n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル等のエーテル系の溶媒等を使用できる。
【0025】また、水性として使用する場合には、酸モ
ノマーにより酸基を導入した(通常、5〜300mgK
OH/g、好ましくは100mgKOH/gの範囲内の
酸価)アクリル樹脂やポリエステル樹脂を中和剤で中和
した樹脂を水に溶解もしくは分散することにより得られ
る。
【0026】中和剤としては、例えば、アンモニア又は
トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタ
ノールなどのアミン類又は水酸化ナトリウムなどのアル
カリ金属の水酸化物などの塩基性物質を用いて中和し、
この後、適当な固形分にするため水および必要に応じ水
と相溶性のある有機溶剤を添加し、水希釈される。
【0027】また、上記した以外に水性アクリル樹脂
は、例えば、イオン性又は非イオン性の低分子又は高分
子界面活性物質、水溶性樹脂などを分散安定剤として用
い、上記の重合性単量体を水性媒体中でそれ自体既知の
方法で乳化重合することによって製造することができ
る。
【0028】アミノ樹脂の配合割合(固形分換算)は、
水酸基含有樹脂固形分100重量部に対して約10〜2
00重量部、好ましくは20〜100重量部の範囲であ
る。イソシアネート硬化性樹脂塗料: 該塗料としては、例え
ば、水酸基などの架橋性官能基を有する、上記したと同
様のアクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂など
の基体樹脂と、架橋剤としての(ブロック)ポリイソシ
アネート化合物からなる組成物があげられる。
【0029】ポリイソシアネート化合物としてはフリー
のイソシアネート化合物であってもよいし、ブロックさ
れたイソシアネート化合物でもよい。フリーのイソシア
ネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、
ヘキサメチレンジイソシアネート、もしくはトリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート類、キシレンジイソシアネート、もしくはイソホ
ロンジイソシアネート等の環状脂肪族ジイソシアネート
類、トリレンジイソシアネートもしくは4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネ
ート類等の有機ジイソシアネートそれ自体、又はこれら
の各有機ジイソシアネートの過剰量と多価アルコール、
低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あ
るいは上掲した各有機ジイソシアネート同志の重合体、
更にはイソシアネート・ビゥレット体等が挙げられる
が、それらの代表的な市販品の例としては「バーノック
D−750、−800、DN−950、−970もしく
は15−455」(以上、大日本インキ化学工業(株)
製品)、「ディスモジュールL、N、HL、もしくはN
3390」(西ドイツ国バイエル社製品)、「タケネー
トD−102、−202、−110もしくは−123
N」(武田薬品工業(株)製品)、「コロネートEH、
L、HLもしくは203」(日本ポリウレタン工業
(株)製品)又は「デゥラネート24A−90CX」
(旭化成工業(株)製品)等が挙げられる。ブロックさ
れたイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合
物としては、上記、フリーのイソシアネート基を有する
ポリイソシアネート化合物をオキシム、フェノール、ア
ルコール、ラクタム、マロン酸エステル、メルカプタン
等の公知のブロック剤でブロックしたものが挙げられ
る。これらの代表的な市販品の例としては「バーノック
D−550」(大日本インキ化学工業(株)製品)、
「タケネートB−815−N」(武田薬品工業(株)製
品)、「アディトールVXL−80」(西ドイツ国ヘキ
スト社製品)又は「コロネート2507」[(日本ポリ
ウレタン工業(株)製品)等が挙げられる。
【0030】上記(ブロック)ポリイソシアネート化合
物架橋剤の配合割合は、塗膜が硬化し十分な性能を有す
るように配合すればよいが、水酸基含有樹脂/架橋剤の
比率は重量比で80/20〜50/50の範囲がよい。
【0031】該塗料は、上記した樹脂を上記した有機溶
剤に溶解もしくは分散することにより得られる有機溶剤
系塗料として使用することができる。また、酸モノマー
により酸基を導入した(通常、5〜300mgKOH/
g、好ましくは100mgKOH/gの範囲内の酸価)
アクリル樹脂やポリエステル樹脂の酸基を上記中和剤で
中和した樹脂を水に溶解もしくは分散することにより得
られる水性塗料として使用することができる。
【0032】酸エポキシ硬化性樹脂塗料: 該塗料として
は、例えば、エポキシ樹脂基体と、架橋剤としてのポリ
カルボン酸化合物からなる組成物があげられる。
【0033】該エポキシ樹脂としては、例えば、従来か
ら公知の1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有す
るエポキシ樹脂[例えば、エポキシ基を含有するラジカ
ル重合性モノマー(例えば、(3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル(メタ)アクリレート)、グリシジル
(メタ)アクリレート等)の単独ラジカル重合体、該モ
ノマーとその他のラジカル重合性モノマー(例えば(メ
タ)アクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロ
アルキルエステル、スチレン等)との共重合体、エポリ
ードGT300(ダイセル化学工業(株)社製、商品
名、3官能脂環式エポキシ樹脂)、エポリードGT40
0(ダイセル化学工業(株)社製、商品名、4官能脂環
式エポキシ樹脂)、EHPE(ダイセル化学工業(株)
社製、商品名、3官能脂環式エポキシ樹脂)、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ε
−カプロラクタム変性ビスフェノール型エポキシ樹脂、
ポリビニルシクロヘキセンジエポキサイド等]をポリカ
ルボン酸で変性してなるものが挙げられる。
【0034】ポリカルボン酸としては、例えば、ポリカ
ルボン酸樹脂(アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂
等)、ポリカルボン酸化合物(例えば、アジピン酸、セ
バシン酸、フタール酸等)等が挙げられる。
【0035】該エポキシ樹脂は、数平均分子量約500
〜20000、特に700〜10000の範囲が好まし
い。また、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有す
ることが好ましい。
【0036】該酸エポキシ硬化性樹脂塗料は、上記有機
溶剤に溶解もしくは分散して有機溶剤系塗料として、ま
たカルボキシル基を上記した上記中和剤で中和したもの
を水分散した水性塗料として使用することができる。
【0037】また、該塗料に必要に応じて下記加水分解
性シラン化合物や樹脂を配合して使用することができ
る。
【0038】加水分解性シラン硬化性樹脂塗料:該塗料
としては、加水分解性シラン基及び/又はヒドロキシシ
ラン基含有化合物は1分子中に少なくとも2個の加水分
解性シラン基又はヒドロキシシラン基、又は少なくとも
1個以上の加水分解性シラン基及びヒドロキシシラン基
を含むシラン化合物を含有する塗料である。シラン化合
物としては、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジ
エチルシラン等のジアルコキシシラン類;トリメトキシ
メチルシラン、トリメトキシエチルシラン等のトリアル
コキシシラン類;テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン等のテトラアルコキシシラン類;ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
ス(メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、2−スチリルエチル
トリメトキシシラン等のビニルシラン類;β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエ
ポキシシラン類;γーメルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロ
シラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシ
ラン等のその他のシラン類、これらのシラン化合物の縮
合物及びビニルシラン類のラジカル(共)重合体等が包
含される。
【0039】該加水分解性シラン硬化性樹脂塗料は、上
記有機溶剤に溶解もしくは分散して有機溶剤系塗料とし
て、またそのままもしくは共重合体中にカルボキシル基
を導入(上記したカルボキシル基含有不飽和モノマーを
使用したもの)し導入したカルボキシル基を上記した中
和剤で中和したものを水分散した水性塗料として使用す
ることができる。
【0040】水酸基エポキシ基硬化性樹脂塗料:該塗料
としては、水酸基を有する樹脂と脂環式骨格および/ま
たは有橋脂環式骨格にエポキシ基が直接結合した構造の
エポキシ基含有官能基を1分子あたり平均2個以上、好
ましくは3個以上有するエポキシ樹脂を硬化性樹脂成分
として含有する塗料である。
【0041】水酸基を有する樹脂としては、例えば、上
記アミノ硬化性樹脂塗料に記載した水酸基などの架橋性
官能基を有する、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエス
テル樹脂などの基体樹脂以外に、例えば、アルカノール
アミンにより導入された水酸基や、エポキシド化合物中
に導入されたカプロラクトンの開環物、エポキシ樹脂
(ビスフェノールーエピクロルヒドリン反応物等)中の
2級水酸基などがあげられる。
【0042】水酸基の含有量は、水酸基当量で20〜
5,000、特に100〜1,000の範囲内が好まし
く、特に第1級水酸基当量は200〜1,000の範囲
内にあることが望ましい。水酸基を有する樹脂はカチオ
ン性基を有することができる。このカチオン性基により
水性化が可能となる。このカチオン性基は、例えば、エ
ポキシ基とカチオン化剤(アミン化合物等)との反応に
より形成できる。
【0043】エポキシ樹脂成分における該エポキシ基含
有官能基は、脂環式骨格および/または有橋脂環式骨格
とエポキシ基とからなり、脂環式骨格は、4〜10員、
好ましくは5〜6員の飽和炭素環式環または該環が2個
以上縮合した縮合環を含有し、また、有橋脂環式骨格
は、上記単環式または多環式環を構成する炭素原子2個
の間に直鎖状もしくは分岐鎖状のC1−6(好ましくは
C1−4)アルキレン基〔例えば−CH2−、−CH2
2−、−CH(CH)−、−CH2(CH)CH 2−、
−C(CH3) 2−、−CH(C2H5)CH2−など〕の橋
(エンドメチレン、エンドエチレンなど)が結合した環
を含有するものである。エポキシ当量は通常、100〜
2,000、好ましくは150〜500、さらに好まし
くは150〜250の範囲内にあることができ、また、
数平均分子量は通常400〜100,000、好ましく
は700〜50,000、さらに好ましくは700〜3
0,000の範囲内にあるのが適当である。このような
エポキシ基含有官能基を1分子中に2個以上有するエポ
キシ樹脂[(B)成分]は、例えば、特公昭56−80
16号公報、特開昭57−47365号公報、特開昭6
0−166675号公報、特開昭63−221121号
公報、特開昭63−234028号公報などの文献に記
載されており、それ自体既知のものを使用することがで
きる。
【0044】ヒドラジン硬化性樹脂塗料:該塗料として
は、1分子中にヒドラジド基(−CO−NH−NH2
)を2個以上含有するポリヒドラジド化合物とカルボ
ニル基含有化合物との反応により架橋構造を作る塗料で
ある。
【0045】ポリヒドラジド化合物の代表的な具体例と
しては、例えば、カルボジヒドラジド等のジヒドラジ
ド、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク
酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸
ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、エイコ酸二酸
ジヒドラジドなどのC2〜40個の脂肪族カルボン酸ジ
ヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒ
ドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ピロメリット酸
ジヒドラジド、ピロメリト酸トリヒドラジド、ピロメリ
ット酸テトラヒドラジドなどの芳香族ポリヒドラジド、
及びマレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、
イタコン酸ジヒドラジドなどのモノオレフィン性不飽和
ジヒドラジド、ビスセミカルバジド、ポリアクリル酸ポ
リヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジ/カルボエチ
ル)−5−イソプロピルヒダントインなどのその他のポ
リヒドラジドなどが挙げられる。
【0046】ポリヒドラジド化合物の配合割合は、カル
ボニル基含有化合物の有するカルボニル基に対して0.
1〜2当量、好ましくは0.2〜1当量の範囲である。
【0047】カルボニル基含有化合物は下記カルボニル
基含有不飽和モノマーの重合体や必要に応じて上記した
その他のラジカル重合反応が可能な不飽和モノマーとの
共重合体が使用できる。
【0048】カルボニル基含有不飽和モノマーは、1分
子中に少なくとも1個のケト基又はアルデヒド基と1個
のラジカル重合可能な二重結合を有するモノマー、即ち
重合可能なモノオレフィン性不飽和のアルデヒド化合物
及びケト化合物である。代表的な具体例としては、例え
ば、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクロレイ
ン、ホルミルスチロール、(メタ)アクリルアミドピバ
リンアルデヒド、ダイアセトン(メタ)アクリレート、
アセトニル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレートアセチルアセテート、ビニル
アルキルケトンなどが挙げられる。これらの中でもダイ
アセトン(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0049】酸化重合型硬化性樹脂塗料:該塗料として
は、従来から空気酸化重合により架橋する不飽和脂肪酸
を硬化成分として含有する塗料である。該塗料のヨウ素
価は35〜90の範囲が好ましい。ヨウ素価はJIS
K−0070の方法で測定する。ヨウ素価が30よりも
少ないと、酸化重合能力が不十分になり、硬化性が悪く
なる。逆にヨウ素価が100を超えると、塗料の貯蔵安
定性が悪くなる。
【0050】不飽和脂肪酸としては、天然または合成系
の不飽和脂肪酸がいずれも使用でき、例えば、桐油、ア
マニ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油、トー
ル油、大豆油、ヤシ油から得られる不飽和脂肪酸が挙げ
られる。上記脂肪酸は、1種または2種以上を同時に使
用してよい。
【0051】該不飽和脂肪酸を使用した塗料の種類とし
ては、例えば、アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹
脂等が挙げられる。
【0052】アルキド樹脂としては、例えば、上記乾性
油もしくは半乾性油を少なくとも1種類以上の多価アル
コールと良く攪拌しながら200〜250℃、10〜1
00分保持して得られる。必要によっては、その後多塩
基酸、多価アルコール等を加えた後200〜250℃で
反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂であっても
良い。
【0053】使用できる多価アルコールとしてはエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、数平均分子量150〜6000なるポリエチレン
グリコール或いはポリプロピレングリコール、又それ等
のモノアルキルエーテル、ネオペンチルグリコール、ジ
エチルプロパンジオール、エチルブチルプロパンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ブチレングリコー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、水添ビスフ
ェノールA、ビスフェノールAのエチレングリコール付
加体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられ
る。
【0054】また多塩基酸としては、無水フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、
安息香酸、アルキル安息香酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、フマール酸等の一価及び多価カルボン酸が挙
げられる。これ等の1種及び数種混合して任意の割合に
て使用することができる。
【0055】エポキシ変性アルキド樹脂はエポキシ樹脂
と脂肪酸から従来公知の方法で得る。例えば、エポキシ
樹脂と脂肪酸を、適当な溶媒(例えば、トルエン、キシ
レン等)中、縮合触媒を用いて、必要に応じて不活性ガ
ス(例えば、窒素ガス等)雰囲気下において、150〜2
50℃で、所望の酸価となるまで反応させることができ
る。エポキシ樹脂としては、例えば、「エピコート82
8」、「エピコート1001」、「エピコート100
2」、「エピコート1004」、「エピコート100
7」および「エピコート1009」(いずれもシェル社
製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂);「エポトート
YD−128」、「エポトートYD−011」、「エポ
トートYD−012」、「エポトートYD−014」、
「エポトートYD−017」および「エポトートYD−
019」(東都化成社製、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂);「エポトートST−5700」(東都化成社製、
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂)および「エポト
ートYDF−2004」(東都化成社製、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂)等の市販のエポキシ樹脂が使用で
きる。上記エポキシ樹脂は、1種または2種以上を同時
に使用してよい。
【0056】上記エポキシエステル樹脂を、エチレン性
不飽和モノマーと反応させて、アクリル変性エポキシエ
ステル樹脂を得たものも使用できる。エチレン性不飽和
モノマーとしては、スチレン、(メタ)アクリル酸、無水
マレイン酸およびイタコン酸等の不飽和カルボン酸、
(メタ)アクリル酸エステル類、並びにそれらの混合物が
挙げられる。上記アクリル系モノマー類の内、少なくと
も1つがカルボン酸基を包含していることを必須とし、
アクリル系モノマー1種または2種以上をスチレンと混
合して使用する。
【0057】酸化重合型硬化性樹脂塗料は有機溶剤系、
無溶剤系、水系のいずれの形態であっても構わない。
【0058】使用出来る乾燥剤としては、特に限定はな
い。例えばオレイン酸等の脂肪族カルボン酸、ナフテン
酸等の脂環族カルボン酸を担体としたコバルト塩、マン
ガン塩、ジルコニュウム塩、カルシュウム塩、鐵塩、鉛
塩等の金属石鹸や当該化合物をアニオン乳化剤、カチオ
ン乳化剤、ノニオン乳化剤等を添加して水性化を施した
ものや、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジメチ
ルパラトルイジン等の第3級アミンを挙げることができ
る。これらを単独又は併用して使用することができる。
【0059】またその添加量に特に制限はないが、0.
003〜0.5重量%の範囲が好ましい。0.003重
量%(金属分)以下ではその効果が認められず、0.5
重量%(金属分)以上使用すれば耐水性が悪くなる等の
欠点がある。より好ましい使用量は0.05〜0.4重
量%(金属分)の範囲である。
【0060】光(熱)ラジカル重合型樹脂塗料:該塗料
としては、光又は熱によりラジカル重合反応を生じる不
飽和樹脂に必要に応じて紫外線重合開始剤、過酸化触
媒、光増感色素を配合したものが使用できる。
【0061】不飽和樹脂としては、例えば、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、
シリコーン樹脂、フッ素樹脂、スピラン樹脂、ポリエー
テル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂にラジカル重合性不
飽和基が導入された樹脂である。ラジカル重合性不飽和
基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル
基、スチリル基やマレイン酸による基などが包含され
る。
【0062】不飽和樹脂の代表例としては、例えば、ウ
レタン樹脂アクリレート、アクリル樹脂アクリレート、
アクリル樹脂マレート、アルキド樹脂アクリレート、ポ
リエステル樹脂アクリレート、ポリエステル樹脂マレー
ト、フッ素樹脂アクリレート、スピラン樹脂アクリレー
ト、ポリエーテル樹脂アクリレート、エポキシ樹脂アク
リレートなどが挙げられる。
【0063】紫外線重合開始剤としては、従来から公知
のものが使用できる。
【0064】具体的には、例えば、4−フェノキシジク
ロロアセトフェノン、4−ter−ブチル−ジクロロア
セトフェノン、4−ter−ブチル−トリクロロアセト
フェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、4−(2−ヒドロキシフェノキシ)−フェニル(2
−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリンプロパン
−1などのアセトフェノン系化合物、チオキサントン、
2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサント
ン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチ
オキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどの
チオキサントン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエ−テルなどのベンゾイン系化合物、ジメチルベンジ
ルケタ−ル、アシロホスフィンオキシドなどが挙げられ
る。これらの中でも、アセトフェノン系化合物が好まし
い。
【0065】上記した紫外線重合開始剤の配合割合は、
不飽和樹脂合計量100重量部当たり、通常、約0.1
〜10重量部配合することが好ましい。
【0066】更に、上記した紫外線重合開始剤による光
架橋反応を促進させるために光重合促進剤を配合するこ
とができる。具体的には、例えば、トリエチルアミン、
トリエタノ−ルアミン、2−ジメチルアミノエタノ−ル
などの第3級アミン類、トリフェニルホスフィンなどの
アルキルホスフィン類、β−チオグリコ−ルなどのチオ
−ル類などが挙げられる。
【0067】光増感剤としては、従来から公知の光増感
色素を使用することができる。このものとしては、例え
ば、チオキサンテン系、キサンテン系、ケトン系、チオ
ピリリウム塩系、ベーススチリル系、メロシアニン系、
3ー置換クマリン系、3.4ー置換クマリン系、シアニ
ン系、アクリジン系、チアジン系、フェノチアジン系、
アントラセン系、コロネン系、ベンズアントラセン系、
ペリレン系、メロシアニン系、ケトクマリン系、フマリ
ン系、ボレート系等の色素が挙げられる。これらのもの
は1種もしくは2種以上組み合わせて使用することがで
きる。ボレート系光増感色素としては、例えば、特開平
5-241338号公報、特開平7-5685号公報及び特開平7-2254
74号公報等に記載のものが挙げられる。
【0068】また、光線の照射源としては、従来から使
用されているもの、例えば、電子線、超高圧、高圧、中
圧、低圧の水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク
灯、キセノン灯、メタルハライド灯、蛍光灯、タングス
テン灯、太陽光等の各光源により得られる光源等が挙げ
られる。熱線としては、例えば半導体レーザー(830
nm)、YAGレーザー(1.06μm)、赤外線等が
挙げられる。
【0069】光(熱)カチオン重合型樹脂塗料:該塗料
としては、光カチオン重合性化合物が、光カチオン重合
開始剤、光増感剤のもとで光を照射して架橋または重合
反応によって高分子量化する塗料である。
【0070】光(熱)カチオン重合性化合物としては、
例えば、エポキシ化合物、スチレン類、ビニル化合物、
ビニルエーテル類、スピロオルソエステル類、ビシクロ
オルソエステル類、スピロオルソカーボナート類、環状
エーテル類、ラクトン類、オキサゾリン類、アジリジン
類、シクロシロキサン類、ケタール類、環状酸無水物
類、ラクタム類、アルコキシシラン化合物類およびアリ
ールジアルデヒド類などがあげられる。
【0071】エポキシ化合物としては、従来、公知の芳
香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エ
ポキシ化合物などがあげられる。
【0072】芳香族エポキシ化合物の例としては、フェ
ニルグリシジルエーテルなどの単官能エポキシ化合物
や、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノール
またはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジ
ルエーテルであって、例えばビスフェノールA、テトラ
ブロモビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールS等のビスフェノール化合物またはビスフェノー
ル化合物のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド
等)付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造
されるグリシジルエーテル類、ノボラック型エポキシ樹
脂類(例えば、フェノール・ノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フ
ェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等)、トリスフェ
ノールメタントリグリシジルエーテルなどがあげられ
る。
【0073】脂環式エポキシ化合物としては、4−ビニ
ルシクロヘキセンモノエポキサイド、ノルボルネンモノ
エポキサイド、リモネンモノエポキサイド、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポ
キシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス
(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−
3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサ
ン、2,2−ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)シクロヘキシル〕ヘキサフルオロプロパン、BHP
E−3150(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポ
キシ樹脂(軟化点71℃)などがあげられる。
【0074】脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールモ
ノグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、プロピレングリコールモノグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチ
ルグリコールモノグリシジルエーテル、グリセロールジ
グリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリセ
ロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグ
ルシジルエーテル、アリルグルシジルエーテル、2−エ
チルヘキシルグルシジルエーテルなどがあげられる。
【0075】スチレン類としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロメチルス
チレンなどがあげられる。ビニル化合物としては、N−
ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどがあげ
られる。
【0076】ビニルエーテル類としては、例えばn−
(またはiso−、t−)ブチルビニルエーテル、シク
ロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエ
ーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、エ
チレングルコールジビニルエーテル、エチレングリコー
ルモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニ
ルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテ
ル、プロピレングルコールジビニルエーテル、プロピレ
ングリコールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールジビニルグリコール、ネオペンチルグリコールモノ
ビニルグリコール、グリセロールジビニルエーテル、グ
リセロールトリビニルエーテル、トリメチロールプロパ
ンモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテ
ル、ジグリセロールトリビニルエーテル、ソルビトール
テトラビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジ
ビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ド
デシルビニルエーテル、2,2−ビス(4−シクロヘキ
サノール)プロパンジビニルエーテル、2,2−ビス
(4−シクロヘキサノール)トリフルオロプロパンジビ
ニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、アリル
ビニルエーテルなどのアルケニルビニルエーテル類、エ
チニルビニルエーテル、1−メチル−2−プロペニルビ
ニルエーテルなどのアルキニルビニルエーテル類、4−
ビニルエーテルスチレン、ハイドロキノンジビニルエー
テル、フェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニル
ビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、
テトラブロモビスフェノールAジビニルエーテル、ビス
フェノールFジビニルエーテル、フェノキシエチレンビ
ニルエーテル、p−ブロモフェノキシエチレンビニルエ
ーテルなどのアリールビニルエーテル類、1,4−ベン
ゼンジメタノールジビニルエーテル、N−m−クロロフ
ェニルジエタノールアミンジビニルエーテル、m−フェ
ニレンビス(エチレングリコール)ジビニルエーテルな
どのアラルキルジビニルエーテル類、ウレタンポリビニ
ルエーテル(例えば、ALLIED−SIGNAL社
製、VECtomer2010)などをあげることがで
きる。
【0077】スピロオルソエステル類としては、1,
4,6−トリオキサスピロ(4,4)ノナン、2−メチ
ル−1,4,6−トリオキサスピロ(4,4)ノナン、
1,4,6−トリオキサスピロ(4,5)デカンなど
が、ビシクロオルソエステル類としては、1−フェニル
−4−エチル−2,6,7−トリオキサビシクロ(2,
2,2)オクタン、1−エチル−4−ヒドロキシメチル
−2,6,7−トリオキサビシクロ(2,2,2)オク
タンなどが、スピロオルソカーボネート類としては、
1,5,7,11−テトラオキサスピロ(5,5)ウン
デカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,11−テト
ラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどのような環状
エーテル類があげられる。
【0078】環状エーテル類としては、オキセタン、フ
ェニルオキセタンなどのオキセタン類、テトラヒドロフ
ラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのテトラヒド
ロフラン類、テトラヒドロビラン、3−プロピルテトラ
ヒドロビランなどのテトラヒドロビラン類およびトリメ
チレンオキサイド、s−トリオキサンなどがあげられ
る。ラクトン類としては、β−プロピオラクトン、γ−
ブチルラクトン、δ−カプロラクトン、δ−バレロラク
トンなどがあげられる。オキサゾリン類としては、オキ
サゾリン、2−フェニルオキサゾリン、2−デシルオキ
サゾリンなどがあげられる。
【0079】アジリジン類としては、アジリジン、N−
エチルアジリジンなどがあげられる。シクロシロキサン
類としては、ヘキサメチルトリシロキサン、オクタメチ
ルシクロテトラシロキサン、トリフェニルトリメチルシ
クロトリシロキサンなどがあげられる。ケタール類とし
ては、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、
2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン、2−フェニル
−1,3−ジオキサン、2,2−ジオクチル−1,3−
ジ オキソランなどがあげられる。環状酸無水物類と
しては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸
などが、ラクタム類としては、β−プロピオラクタム、
γ−ブチロラクタム、δ−カプロラクタムなどがあげら
れる。またアリールジアルデヒド類としては1,2−ベ
ンゼンジカルボキシアルデヒド、1,2−ナフタレンジ
アルデヒドなどがあげられる。
【0080】これらの光カチオン重合性化合物100重
量部に対して光増感剤は0.01〜10重量部の範囲で
用いるのが望ましく、好ましくは0.1〜5重量部の範
囲が望ましい。光増感剤が0.01重量部未満になると
硬化性が低下し、一方10重量部を超えると値段が高く
なったり耐水性等の塗膜性能が低下したりするので好ま
しくない。
【0081】光カチオン重合開始剤としては、従来から
公知のものを使用することができる。開始剤としては、
例えば、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウ
ム塩、アリールスルホニウム塩等が好ましいものとして
挙げられる。具体的には、商品名として例えば、サイラ
キュアUVI−6970、サイラキュアUVI−697
4、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUV
I−6950(以上、米国ユニオンカーバイド社製、商
品名)、イルガキュア261(チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ社製、商品名)、SP−150、SP−17
0(以上、旭電化工業株式会社製、商品名)、CG−2
4−61(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商
品名)、DAICAT−II(ダイセル化学工業社製、商
品名)、CI−2734、CI−2758、CI−28
55(以上、日本曹達社製、商品名)、PI−2074
(ローヌプーラン社製、商品名、ペンタフルオロフェニ
ルボレートトルイルクミルヨードニウム塩)、FFC5
09(3M社製、商品名)、BBI102(ミドリ化学
社製、商品名)等が挙げられる。
【0082】光カチオン重合剤はこれらの光カチオン重
合性化合物100重量部当り、0.01〜20重量部の
範囲で用いるのが望ましく、好ましくは0.1〜10重
量部の範囲が望ましい。光カチオン重合開始剤が0.0
1重量部未満になると硬化性が低下し、一方20重量部
を超えると値段が高くなったり耐水性等の塗膜性能が低
下したりするので好ましくない。
【0083】活性エネルギー線に使用される光源として
は、例えば特に制限なしに超高圧、高圧、中圧、低圧の
水銀灯、ケミカルランプ灯、カーボンアーク灯、キセノ
ン灯、メタルハライド灯、タングステン灯等やアルゴン
レーザー(488nm)、YAGーSHGレーザー(5
32nm)、UVレーザー(351〜364nm)に発
振線を持つレーザーも使用できる。熱線としては、例え
ば半導体レーザー(830nm)、YAGレーザー
(1.06μm)、赤外線等が挙げられる。
【0084】着色層(3):着色層(3)は接合用フィ
ルムに意匠性、マーキングなどを付与するためのもので
あって、例えば、上記した架橋性樹脂塗料(A)に着色
剤(従来から公知の、例えば着色顔料、メタリック顔
料、パール顔料など)を配合したものが使用できる。
【0085】また、架橋クリヤ塗膜層(4)と着色層
(3)との層形成は、従来から周知の方法、例えば、着
色層(3)用の塗料を塗装した後、該層が未架橋の塗膜
表面に、架橋クリヤ塗膜層(4)用の塗料を塗装した
後、両塗膜を同時に架橋させる方式、いわゆる2コート
1ベーク方式により、また、着色層(3)用の塗料を塗
装した後、架橋させ次いでその表面に、架橋クリヤ塗膜
層(4)用の塗料を塗装した後、塗膜を架橋させる方
式、いわゆる2コート2ベーク方式により形成すること
ができる。
【0086】着色層(3)の乾燥膜厚は、1μm〜20
0μm、特に20μm〜80μmの範囲が好ましい。1
μm未満になると、耐候性、耐溶剤性、鮮鋭性が低下
し、一方、200μmを超えると、接合用フィルムが脆
弱になるので好ましくない。
【0087】着色層(3)の塗布方法は、スプレー塗
装、刷毛塗り、コテ塗り、ロール塗り、流し塗りおよび
浸漬法ナイフコ−タ−、グラビアコ−タ−、スクリ−ン
印刷、リバ−スロ−ルコ−タ−などがある。乾燥は室温
ないし加温(たとえば40〜270℃で10秒〜60
分)、活性エネルギ線照射で行うことができる。
【0088】熱可塑性樹脂層(2):熱可塑性樹脂層
(2)は、従来、架橋クリヤ塗膜層(4)や着色層
(3)の架橋塗膜を3次元の被着材などに接合剤を介し
て貼り付けた際に該架橋塗膜にワレ、剥がれ、白化など
の異常を発生するが、該熱可塑性樹脂層(2)を架橋塗
膜と接合剤との層間に設けることによりこの様な欠点が
なくなる。
【0089】具体的には、ガラス転移温度が−40℃〜
80℃、特に−20℃〜40℃の範囲が好ましい。ガラ
ス転移温度が−40℃未満になると、粘着性が高くなり
取り扱いが困難となり、一方、ガラス転移温度が80℃
超えると伸び率が低下し加工性等が劣るので好ましくな
い。
【0090】熱可塑性樹脂層(2)は上記した条件を満
足するものであれば特に制限なしに従来から公知の熱可
塑性樹脂により形成されたものを使用することができる
が、特に水性ウレタン樹脂エマルションにより形成され
たものを使用することが、上記した破断伸び率の点、溶
媒として水を使用しているので無公害・安全・衛生的で
ある等の観点から好ましく、さらに水性ウレタン樹脂エ
マルションに水性エポキシ樹脂を配合したものから形成
されたものを使用することが、耐水性にすぐれた塗膜を
形成できる観点から好ましい。
【0091】該水性ウレタン樹脂エマルションとして特
に有用なるものとしては、種々な方法で製造され得るも
のである。当該水性ウレタン樹脂エマルションの一般的
なる調製法としては、イオン性の官能基(反応性極性
基)を有する化合物を、ウレタン化反応の際に、一部、
共重合せしめて得られる、いわゆる親水基含有イソシア
ネート末端プレポリマーを、水に分散せしめ、次いで、
アミン類で以て鎖伸長せしめるという方法が知られてい
る。
【0092】用いられる上記の親水基含有イソシアネー
ト末端プレポリマーとしては、従来公知のポリイソシア
ネート化合物と、イソシアネート基と反応し得る活性水
素含有化合物とから製造されるようなものである。
【0093】ポリイソシアネート化合物としは、例え
ば、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレン
ジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネ−ト、イソホロンジイソシアネ−トなどの脂肪族ジ
イソシアネ−ト;4・4´−メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネ−ト)、イソホロンジイソシアネ−トな
どの脂環族ジイソシアネ−ト;キシリレンジイソシアネ
−ト、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、ポリフェニルメタンジイソシアネ−ト
(以下ポリメリックMDI)などの芳香族ジイソシアネ
−ト;及びこれらのイソシアヌレ−ト体やビュウレット
体等の類似の化合物が挙げられ、これらは1種又は2種
以上混合して使用できる。
【0094】イソシアネート末端プレポリマーの製造に
おいて用いられる、上記したイソシアネート基と反応し
得る活性水素を含有する化合物としては、平均分子量3
00〜10,000、好ましくは、500〜5,000
なる範囲内の、いわゆる高分子量化合物と、分子量が3
00以下なる、いわゆる低分子量化合物とに分けられ
る。
【0095】そのうち、高分子量化合物としては、ポリ
エステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポ
リアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオ
ールまたはポリチオエーテルポリオールなどが、特に代
表的なものである。
【0096】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、プロピレンングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、分子量が300〜6,00
0なる範囲内のポリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキ
シエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノ
ールA、水素添加ビスフェノールAまたはハイドロキノ
ン、あるいはそれらのアルキレンオキシド付加体などの
ような、各種のグリコール成分と、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタ
ンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、
ビフェニルジカルボン酸または1,2−ビス(フェノキ
シ)エタンーp,p’−ジカルボン酸、あるいはそれら
の各種ジカルボン酸の無水物類またはエステル形成性誘
導体類;p−ヒドロキシ安息香酸またはp−(2−ヒド
ロキシエトキシ)安息香酸、あるいはそれらの各種ヒド
ロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体などのよう
な、各種の酸成分とからの脱水縮合反応によって得られ
るポリエステルのほかに、ε−カプロラクトンの如き、
各種の環状エステル化合物の開環重合反応によって得ら
れるポリエステル類、あるいはそれらの共重合ポリエス
テル類などが特に代表的なものである。
【0097】ポリエーテルとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリデ
リン、トリメチロールエタン、トリメチロールプエロパ
ン、ソルビトール、しょ糖、アコニット糖、トリメリッ
ト酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロ
ガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール
酸または1,2,3−プロパントリチオールの如き、少
なくとも2個の活性水素原子を有する各種の化合物の1
種または2種以上を、開始剤として、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチ
レンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフ
ランまたはシクロヘキシレンの如き、各種のモノマーの
1種または2種以上をも用いて、常法により、付加重合
した形のものが、特に代表的なものである。
【0098】ポリカーボネートポリオールとしては、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールま
たはジエチレングリコールの如き、各種のグリコール類
と、ジフェニルカーボネートまたはホスゲンとの反応に
よって得られるような化合物が、特に代表的なものであ
る。
【0099】一方、低分子量化合物とは、分子量が30
0以下なる、分子内に少なくとも2個以上の活性水素を
有する化合物を指称するものであって、それらのうちで
も特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ポリ
エステルポリオールの原料として用いた、各種のグリコ
ール成分;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、ソルビトールまたはペンタエリスリ
トールの如き、各種のポリヒドロキシ化合物;あるいは
エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、
ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロン
ジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミ
ン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシル
メタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、
1,2−プロパンジアミン、ヒドラジン、ジエチレント
リアミンまたはトリエチレンテトラミンの如き、各種の
アミン化合物などである。
【0100】そして、親水基含有イソシアネート末端プ
レポリマー中に親水基を導入せしめる方法としては、分
子内に少なくとも1個以上の活性水素を有し、かつ、カ
ルボキシル基、スルホン酸基、スルホネート基またはエ
チレンオキサイドの繰り返し単位を有する親水基含有化
合物の少なくとも1種以上を、プレポリマーの製造時
に、共重合せしめるという方法などが挙げられる。
【0101】かかる親水基含有化合物として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、2−オキシエタン
スルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、
スルホコハク酸、5−スルホイソフタル酸、スルファニ
ル酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホ
ン酸、2,4−ジアミノトルエン−5−スルホン酸の如
き、各種のスルホン酸含有化合物類、あるいはそれらの
各種誘導体類をはじめ、それらを共重合せしめて得られ
るポリエステルポリオール類;2,2−ジメチロ−ルプ
ロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメ
チロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキ
シ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸の如き、各種の
カルボン酸含有化合物類、あるいはそれらの各種誘導体
類をはじめ、さらには、それらを共重合せしめて得られ
るポリエステルポリオール;あるいは少なくとも30重
量%以上の、エチレンオキシドの繰り返し単位を有し、
かつ、ポリマー中に少なくとも1個以上の活性水素を有
する、しかも、分子量が300〜10,000なる、ポ
リエチレン−ポリアルキレン共重合体の如き、各種のノ
ニオン基含有化合物類またはそれらを共重合せしめて得
られるポリエステルポリエーテルポリオールなどが特に
代表的なものであり、これらは単独使用でも2種以上の
併用でもよいが、本発明において、特に好ましい親水基
含有化合物としては、カルボキシル基含有化合物類;あ
るいはその誘導体類またはそれらを共重合せしめて得ら
れるポリエステルポリオールなどである。
【0102】親水基含有イソシアネート末端プレポリマ
ー中の親水基の含有量としては、カルボキシル基、スル
ホン酸基またはスルホネート基などの親水基の場合に
は、最終的に得られるポリウレタン樹脂の固形分100
部当り、少なくとも0.01当量以上、好ましくは、
0.01〜0.2当量なる範囲内が適切であり、また、
ノニオン基含有化合物の場合には、最終的に得られるポ
リウレタン樹脂の固形分当り、少なくとも3重量%以
上、好ましくは、5〜30重量%なる範囲内が適切であ
る。
【0103】親水基含有イソシアネート末端プレポリマ
ーは、従来公知の方法で製造され、たとえば、前掲した
如き、各種のポリイソシアネート化合物と、活性水素含
有化合物(親水基含有化合物をも含む。)とを、イソシ
アネート基と活性水基との当量比が、1.1:1〜3:
1、好ましくは、1.2:1〜2:1となるような比率
で、20〜120℃にて、好ましくは、30〜100℃
にて反応せしめるというような方法に従って行われる。
【0104】ポリアミン系鎖伸長剤として特に代表的な
ものとしては、エチレンジアミン、1,2ープロパンジ
アミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジ
ン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミ
ン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,
3’−ジメチルー4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
アミンもしくは1,4−シクロヘキサンジアミンの如
き、各種のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロ
ピレントリアミンもしくはトリエチレンテトラミンの如
き、各種のポリアミン類;ヒドラジン類;または酸ヒド
ラジド類;あるいは水などであり、これらは単独使用で
も2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0105】当該ポリアミン系鎖伸長剤は、水性ウレタ
ン樹脂エマルションを得るために必要なる、分散媒とし
ての水に溶解させて使用され、また、その使用量として
は、親水基含有イソシアネート末端プレポリマー中のイ
ソシアネート基に対して、当量比で、0:1〜1:1な
る範囲、好ましくは、0.6:1〜0.98:1なる範
囲内が適切である。
【0106】使用する水の量は、プレポリマーと水相と
の混合後に、O/W型の水分散体になるだけの最低限の
量があればよく、ポリウレタン樹脂の固形分に対して1
00〜1,000重量%なる範囲内が適切である。
【0107】親水基含有イソシアネート末端プレポリマ
ーの親水基がカルボキシル基である場合には、カルボキ
シル基を中和するために必要な中和剤として、トリメチ
ルアミンまたはトリエチルアミンの如き、各種の三級ア
ミン類を、カルボキシル基に対して、当量比で、0.
5:1〜1.5:1なる範囲内、好ましくは、1:1〜
1.3:1なる範囲内が適切であり、かかる割合で以
て、上述したポリアミン系鎖伸長剤の水溶液中に含有せ
しめる必要がある。
【0108】かかる中和剤は、親水基含有イソシアネー
ト末端プレポリマー中に、予め、添加することも出来る
が、これらの三級アミン類は、ウレタン化反応の強力な
る触媒でもある処から、副反応を起こし易く、加えて、
プレポリマーが着色し易くなる処から、好ましくない。
【0109】水性ウレタン樹脂エマルションは、通常、
アミン類との鎖伸長反応が完結する前に、あるいは、こ
の鎖伸長反応が完結してから、次の脱溶剤工程に移され
る。
【0110】水性ウレタン樹脂エマルションとしては、
商品名としては、例えばスーパーフレックス410、同
左420、同左600、同左150、同左126、同左
107M、スーパーフレックスE―2500(以上、第
1工業製薬株式会社製、商品名)などが挙げられる。
【0111】水性ウレタン樹脂エマルションに配合して
使用される水性エポキシ樹脂としては、フィルム(II)
が前記した条件を満足する限り特に制限されるものでは
ないが、具体例として、テナコールEX−611、EX
−612、EX−614、EX−614B、EX−51
2、EX−521、EX−421、EX−313、EX
−314、EX−810、EX−811、EX−85
0、EX−851、EX−821、EX−830、EX
−832、EX−841、EX−861、EX−91
1、EX−941、EX−920(以上すべて、ナガセ
ケムテック株式会社製、商品名)などの多官能水性エポ
キシ樹脂;テナコールEX−145、EX−171(以
上すべて、ナガセケムテック株式会社製、商品名)など
の1官能水性エポキシ樹脂;などがあげられる。その配
合量は、水性ウレタン樹脂エマルションの樹脂固形分1
00重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜4
0重量部の範囲である。
【0112】水性ウレタン樹脂エマルション中には必要
により補助配合剤を含有させることができる。補助配合
剤としては、たとえば染料、顔料、無機充填剤、有機改
質剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、架橋剤、
その他添加剤などが挙げられる。染料としては直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、金属錯塩染料
などが挙げられる。顔料としては、カ−ボンブラック、
酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカ、
紺青などの無機顔料およびカップリングアゾ系、縮合ア
ゾ系アンスラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、
チオインジゴ系、ジオキサジン系、フタロシアニン系な
どの有機顔料などがあげられる。無機充填剤としては、
炭酸カルシウム、シリカ、タルク、ガラス繊維、チタン
酸カリウムウイスカーなどが挙げられる。有機改質剤と
してはフッ素樹脂系粉末、アクリル樹脂系粉末、シリコ
ーン樹脂系粉末、ポリアミド樹脂系粉末、ウレタン樹脂
系粉末などが挙げられる。安定剤としてはヒンダードフ
ェノール系、ヒドラジン系、燐系、ベンゾフェノン系、
ベンゾトリアゾール系、オキザリックアシッドアニリド
系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。これら安定
剤は耐候性の向上や耐熱劣化防止のための添加剤であ
る。
【0113】可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレートなどが挙げられる。界面活性剤(整泡
剤など)としてはシロキサンオキシアルキレンブロック
共重合体などのシリコーン系整泡剤が挙げられる。消泡
剤としてはジメチルシロキサン系などのシリコーン系の
ものが挙げられる。架橋剤としてはアミノ樹脂[メチロ
ール化および/またはアルコキシ化(メチル〜ブチル)
された尿素、メラミンなど]、エポキシ化合物[ビスフ
ェノールA型グリシジルエーテル、水添ビスフェノール
A型グリシジルエーテル、エチレングリコール〜ポリエ
チレングリコールグリシジルエーテル、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ソルビトールなどのグリシジル
エーテルグリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビ
トールなどにアルキレンオキシド(炭素数2〜3)を付
加させたもののグリシジルエーテルなど]、ポリエチレ
ン尿素化合物(ジフェニルメタン−ビス−4,4’−
N,N’−エチレン尿素など)、ブロックイソシアネー
ト系(たとえばトリメチロ−ルプロパン1モルとヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、またはトルエンジイソシアネート3モルから合成さ
れるアダクト体;ヘキサメチレンジイソシアネートの水
変性物、イソホロンジイソシアネートおよびヘキサメチ
レンジイソシアネートの3量化物などをフェノール、メ
チルエチルケトオキシム、ε−カプロラクタムなどでマ
スキングしたブロックイソシアネートなど)、水性ポリ
イソシアネート系(例えばポリオキシアルキレン[炭素
数2〜4]ポリオールとポリイソシアネートとの反応
物)などが挙げられる。その他添加剤としては難燃剤、
揺変剤、帯電防止剤、殺菌剤等が挙げられる。
【0114】補助配合剤の添加量は樹脂組成物の重量固
形分に対して重量基準で、染料は通常0〜50%、好ま
しくは0〜20%、顔料、無機充填剤および有機改質剤
は通常0〜170%、好ましくは0〜150%、安定剤
は通常0〜20%、好ましくは0〜10%、可塑剤は通
常0〜100%、好ましくは0〜50%、界面活性剤は
通常0〜20%、好ましくは0〜10%、消泡剤およ
び、その他の添加剤は通常0〜20%、好ましくは0〜
10%、架橋剤は通常0〜50%、好ましくは0〜40
%である。これらの補助配合剤は通常の攪拌だけによる
混合でもよいし、分散混合装置(ボールミル、ニーダ
ー、サンドグラインダー、ロールミル、フラットストー
ンミルなど)を用いて分散混合することによって得るこ
ともできる。混合する順序はどの順序でもよい。
【0115】熱可塑性樹脂層(2)の膜厚は種々変える
ことが出来るが、通常5〜500μm、好ましくは10
〜250μmである。塗布方法はスプレー塗装、刷毛塗
り、コテ塗り、ロール塗り、流し塗りおよび浸漬法ナイ
フコ−タ−、グラビアコ−タ−、スクリ−ン印刷、リバ
−スロ−ルコ−タ−、などがある。乾燥は室温ないし加
温(たとえば40〜270℃で10秒〜60分)で行う
ことができる。
【0116】接合剤層(5):接合剤層(5)として
は、被着材に接合用フィルムを接合させるためのもので
あって、従来から転写、マ−キングフィルムの分野で公
知の感圧性、感熱性などの粘着剤や接着剤を使用するこ
とができる。また、接着剤は乾燥タイプもしくは架橋タ
イプを使用することができる。
【0117】これらの接合剤としては、例えば天然ゴ
ム、アクリル樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポ
リウレタン、ポリエステル、シリコンゴム、弗素ゴム、
ポリビニルブチラ−ルなどを挙げることができる。接合
剤には、例えば粘着付与剤、粘着調整剤、老化防止剤、
安定剤、着色剤、硬化剤、触媒などを含むことができ
る。
【0118】接合剤層(5)の膜厚は種々変えることが
出来るが、通常10〜100μm、好ましくは15〜8
0μmである。塗布方法はスプレー塗装、刷毛塗り、コ
テ塗り、ロール塗り、流し塗りおよび浸漬法ナイフコ−
タ−、グラビアコ−タ−、スクリ−ン印刷、リバ−スロ
−ルコ−タ−などがある。
【0119】離型性フィルム(6):離型性フィルム
(6)は、保管中や接合中に接合剤層(5)が被着材表
面に付着しないように設けられ、使用する際には剥離さ
れる。具体的には、シリコン、ワックス、弗素樹脂など
の離型剤で処理した紙、フィルムあるいはそれ自体離型
性を示すフィルムなどの離型性シ−トを積層することが
できる。該フィルム(6)の厚みは、通常約10〜10
00μm、好ましくは約20〜500μmの範囲であ
る。
【0120】本発明の接合用フィルムの積層方法は、 一時保持フィルム(1)の片面に熱可塑性樹脂層
(2)を積層した後、 該熱可塑性樹脂層(2)の表面に、着色層(3)を
積層した後、 着色層(3)の表面に架橋クリヤ塗膜層(4)を積
層した後、 一時保持フィルム(1)を剥離した後、 新たに出現した熱可塑性樹脂層(2)面に接合剤層
(4)を積層し、 最後に、接合剤層(5)表面に離型性フィルム
(6)を積層することにより実施される。
【0121】積層方法で使用する熱可塑性樹脂層
(2)、着色層(3)、架橋クリヤ塗膜層(4)、接合
剤層(5)及び離型性フィルム(6)は、接合用フィル
ムに記載したものと同じもの、形成方法を使用もしくは
実施することができる。
【0122】一時保持フィルム(1)は、離型性フィル
ム(6)に記載のものと同じものが使用できる。
【0123】
【発明の効果】 本発明の接合用フィルムは、フィルム
の最上層として架橋クリヤ塗膜層を有しているのでスリ
キズ、耐薬品性、耐水性、耐候性などの性能に優れ、ま
た、架橋クリヤ塗膜層と接合剤層との層間に特定の塗膜
物性を有する熱可塑性樹脂層(ウレタン塗膜)を採用す
ることにより、塗膜表面の硬度が高いにもかかわらず加
工性が優れ、チッピング(自動車の走行中に小石がフィ
ルムに当たり塗膜が剥がれる現象)に対して、小石のエ
ネルギーを吸収するので、耐チッピング性が優れるとい
った効果がある。実施例 以下、実施例を掲げて本発明を詳細に説明する。なお実
施例及び比較例中の「部」及び「%」は重量基準であ
る。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0124】実施例1 膜厚50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラーT60、東レ株式会社製、商品名)の表面に
水性ウレタン樹脂エマルション(スーパーフレックス4
10、第一工業製薬株式会社製、商品名)をナイフコー
ターで塗装し100℃で5分間乾燥を行い膜厚50μm
のウレタン被膜を得た。
【0125】次いで、得られたウレタン被膜表面にレタ
ンPG−80メタリック(主剤/レタンPG80硬化剤=1
00/25)(関西ペイント株式会社製、商品名、イソ
シアネート硬化型アクリル樹脂塗料)を乾燥膜厚10μ
mになるように塗装し80℃で20分間乾燥をおこなっ
た。
【0126】次いで、レタンPG−80クオーツZ(主
剤/レタンPG80硬化剤=100/25)(関西ペイント
株式会社製、商品名、イソシアネート硬化型アクリル樹
脂クリアー)を乾燥膜厚20μmになるように塗装し8
0℃で20分間乾燥をおこない、次いで、上記ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを剥離してメタリック調の
積層フィルムを得た。
【0127】離型性ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(RFT50、株式会社サンエ−化研製、商品名)に
SKダインA−1310(綜研化学株式会社製、商品名、
アクリル樹脂系感圧性粘着剤)の主剤300重量部に対
してM−5A硬化剤を10重量部加えた混合溶液を塗布
し、80℃×2分乾燥して膜厚25μmの粘着層を形成
し、上記メタリック調の積層フィルムと5kg/cm
力、3m/分の速度の条件ででラミネ−トして粘着加工し
たメタリック調の積層フィルムを得た。
【0128】上記で得られた粘着加工したフィルムを自
動車用ポリプロピレン製サイドミラーにスキージを用い
て伸ばしながら圧着して貼り付けトリミングしてメタリ
ック色のポリプロピレン成形品を製造した(最大伸び率
100倍)。
【0129】得られたポリプロピレン成形品は、曲面部
および平面部ともにシワ、フクレ、アワ、光沢低下、剥
がれ、ワレ等の欠陥がなく外観良好であった。
【0130】該ポリプロピレン成形品を40℃上水に20日
間浸せきした後、着色フィルムが貼り付けられた部分の
剥がれ、フクレ、光沢低下等の欠陥の異常の有無を調べ
た結果、いずれも異常がなく良好だった。
【0131】また、該ポリプロピレン成形品の耐揮発油
性を評価するように、ガソリンに5時間浸せき後、2時間
室温放置して評価したところ、着色フィルムが貼り付け
られた部分にシワ、フクレ、アワ、光沢低下、剥がれ、
ワレ等の欠陥がなく外観良好であった。
【0132】実施例2 膜厚50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラーT60、東レ株式会社製、商品名)の表面に
水性ウレタン樹脂エマルション(スーパーフレックス4
10、第一工業製薬株式会社製、商品名)をナイフコー
ターで塗装し100℃で5分間乾燥を行い膜厚50μm
のウレタン被膜を得た。
【0133】次いで、得られたウレタン被膜表面に、下
記水性着色剤(a)をナイフコーターで塗装し100℃
で1分間乾燥を行い膜厚20μmのウレタン樹脂着色層
を形成した。
【0134】更にウレタン樹脂着色層の表面に、レタン
PG−80クオーツZ(主剤/レタンPG80硬化剤=10
0/25)(関西ペイント株式会社製、商品名、イソシ
アネート硬化型アクリル樹脂クリアー)を乾燥膜厚20
μmになるように塗装し80℃で20分間乾燥をおこな
い、次いで、上記ポリエチレンテレフタレートフィルム
を剥離してメタリック調の積層フィルムを得た。
【0135】上記で得られた積層フィルムのウレタン被
膜面にSKダインA−1310(綜研化学株式会社製、商
品名、アクリル樹脂系感圧性粘着剤)の主剤300重量
部に対してM−5A硬化剤を10重量部加えた混合溶液
を塗布し、80℃×2分乾燥して膜厚25μmの粘着層
を形成して、粘着加工したメタリック調の積層フィルム
を得た。
【0136】上記で得られた粘着加工したフィルムを自
動車用ポリプロピレン製サイドミラーにスキージを用い
て伸ばしながら圧着して貼り付けトリミングしてメタリ
ック色のポリプロピレン成形品を製造した(最大伸び率
100倍)。
【0137】水性着色剤(a):水性ウレタン樹脂エマ
ルション(スーパーフレックス410、第一工業製薬株
式会社製、商品名)100部(固形分)に、アルミニウム
フレ−ク水性ぺ−スト(「アルぺ−スト7679NS」
(東洋アルミニウム株式会社製、商品名、アルミニウム
フレ−クぺ−スト)10部、「Laponite RD」2部、「ディ
スパロンAQ−600」3部、高酸価のアクリル樹脂
(酸価100mgKOH/g、数平均分子量7000
0)2部を脱イオン水に混合分散したもの)20部(固
形分)を配合し、混合攪拌したもの。
【0138】発明の効果 本発明のフィルムでは、架橋クリヤ塗膜層(4)が表面
層として使用され、一方熱可塑性樹脂層(2)(ウレタ
ン樹脂層)が、接合剤層(4)を介して家具,車両ある
いは建造物などへの取付け面として使用される。この取
付けに際し、熱可塑性樹脂層(2)は屈曲性、伸びが優
れるのでフィルムの取付けによるシワ等の欠陥が生じな
いので仕上がり外観が優れる。また、貼り付けられた接
合用フィルム表面に小石や砂などの外的物がぶつかった
際に、接合用フィルム表面は硬度が高いこと及び表面か
らの衝撃によるエネルギーを一方熱可塑性樹脂層(2)
(ウレタン樹脂層)で吸収するために表面硬度が高いに
もかかわらず塗膜がワレ、剥がれ等の欠陥を生じること
なく耐久性に優れた接合用フィルムの性能を長期間保持
できるといった効果がある。また、表面層は架橋型塗膜
が形成されるので耐薬品性,耐汚染性,耐摩耗性に優れ
た性能を発揮する。
【0139】また、従来のメラミン硬化性樹脂塗料、イ
ソシアネート硬化性樹脂塗料、酸化硬化性樹脂塗料など
の架橋性樹脂塗料を基材に基材に、直接塗装しなくても
良いので、前もって塗装手段、塗膜性能、意匠性等の塗
装目的により好適な方法を選択することができる。塗装
により塗装欠陥が生じ難いこと、塗装に必要な塗料が必
要以上に消費されることがない、塗装の作業環境や安全
衛生上の管理を安全に行うことができる。更に、塗装さ
れた塗膜を回収することが容易であり環境汚染の点から
も好ましい。
【0140】伸び率が高度に要求される成型加工(10
0%以上)においても接合用フィルムの伸び、張力、屈
曲力が優れるので光沢低下やワレ、剥がれのない仕上が
り外観に優れた成型加工品が得られる。
【0141】本発明の塗工フィルムは、PVC、アクリ
ル、ポリカーボネートをはじめとする各種プラスチック
のフィルム、鋼板、板材等(以下被着体とする)にフィ
ルム(II)面側をラミネート剤による貼り合わせること
によって、耐候性、耐光性、耐湿性、耐熱性、耐汚染
性、撥水性、耐沸騰水性等の機能を被着体表面に付与
し、内装建材、外装建材、装飾品、包装用、保護膜、案
内、掲示、マーキング、保存用等広範囲な用途に利用で
きる機能性のあるフィルムにある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 寿夫 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 木暮 英雄 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK01C AK25 AK42E AK51C CA02 CA16D CB00D CC00A CC00B EJ05A EJ86 HB00B JB05C JB12A JB12B JK08C JK09 JL09 JL10B JL14E JM01C JN21 YY00C 4J004 CC03 DA03 DB02 4J038 CG001 4J040 JA09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上から架橋クリヤ塗膜層(4)、着色層
    (3)、熱可塑性樹脂層(2)、接合剤層(5)、離型
    性フィルム(6)が順次積層されてなることを特徴とす
    る接合用フィルム。
  2. 【請求項2】下記した工程 一時保持フィルム(1)の片面に熱可塑性樹脂層
    (2)を積層した後、 該熱可塑性樹脂層(2)の表面に、着色層(3)を
    積層した後、 着色層(3)の表面に架橋クリヤ塗膜層(4)を積
    層した後、 一時保持フィルム(1)を剥離した後、 新たに出現した熱可塑性樹脂層(2)面に接合剤層
    (4)を積層し、 最後に、接合剤層(5)表面に離型性フィルム
    (6)を 積層することを特徴とする接合用フィルムの積層方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂層(2)が、水性ウレタン
    樹脂エマルションであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の接合用フィルムの積層方法。
  4. 【請求項4】 着色層(3)が、イソシアネート硬化型
    着色塗料で形成される着色層であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の接合用フィルムの積層方法。
  5. 【請求項5】 架橋クリヤ塗膜層(4)が、イソシアネ
    ート硬化型着色塗料で形成される架橋クリヤ塗膜層であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着フィル
    ムの積層方法。
  6. 【請求項6】 一時保持フィルム(1)が、ポリエチレ
    ンテレフタレートであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の接合用フィルムの積層方法。
  7. 【請求項7】 離型性フィルム(6)が、ポリエチレン
    テレフタレートであることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の接合用フィルムの積層方法。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂層(2)が、引張り破断伸
    び率(長さ30mm、幅10mm、厚み0.05mmの試料
    で−10℃において引張速度200mm/分で測定したと
    きの値)が50〜1000%の範囲であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の接合用フィルムの積層方
    法。
  9. 【請求項9】 水性ウレタン樹脂エマルションが、ポリ
    イソシアネート化合物と、該ポリイソシアネート化合物
    が有するイソシアネート基と反応し得る活性水素含有化
    合物とを反応させて親水基含有イソシアネート末端プレ
    ポリマーを製造し、次いでこのものを水に分散せしめ、
    更に、アミン類で以て鎖伸長せしめてなるものであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の接合用フィルムの積層
    方法。
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