JP2003299850A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 各基板間の配線を簡略化し、雑音の影響を受
けにくく、セキュリティの高い遊技機を提供する。 【解決手段】 遊技制御回路が組み込まれた遊技基板
と、飾りランプ、ＬＥＤ、賞球払出装置、ハンドル操作
等の駆動制御回路が組み込まれアドレスが付与された各
種部品基板とを少なくとも具備し、遊技基板と各種部品
基板とをグランド線と信号を重乗した電源線の２本の配
線で接続し、信号を伝達することを特徴とする遊技機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機、パチ
スロ機等の遊技機に関し、さらに詳しくは、遊技制御回
路が組み込まれた遊技基板と各種部品基板とを結ぶ電源
線及び信号線を大幅に簡略化できる遊技機に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】一般にパチンコ機やパチスロ機等の遊技
機は、大当たりや図柄変動等を制御する遊技制御回路が
組み込まれた遊技基板が設けられ、当該遊技基板にハン
ドル制御信号、入賞球検出スイッチからの入賞信号、球
切れセンサからの球切検出信号等が受信されると、当該
遊技基板から種々の指令信号が発信され、その指令信号
に従いソレノイドを作動させて入賞口を開閉させたり、
液晶ディスプレイの表示を変動させたり、賞球払出装置
を作動させたり、飾りランプを点滅させたり、効果音を
発生させたりするように設計されている。このため、従
来のパチンコやパチスロ等の遊技機は、図１に示すよう
に、遊技内容が書き込まれたＲＯＭ、ＲＡＭ、ＣＰＵお
よび各種入出力装置等から構成される遊技制御回路が遊
技基板１０１に組み込まれ、当該遊技基板１０１からフ
ラットケーブル等多数の信号線の束を出して、これに夫
々各種部品基板１０３〜１１２（ＬＥＤの駆動制御回路
が組み込まれたＬＥＤ制御基板、飾りランプの駆動制御
回路が組み込まれたランプ制御基板、賞球払出装置の駆
動制御回路が組み込まれアドレスが付与された賞球払出
用基板、ハンドル操作を制御しアドレスが付与されたハ
ンドル操作制御基板等）を接続するため、各種部品基板
１０３〜１１２毎に本数の異なるケーブルが多数存在し
ていた。また、これらのケーブルを整理して接続するた
めに、遊技基板１０１と各種部品基板１０３〜１１２と
の間に中継基板１０２を設ける必要があった。すなわ
ち、従来のパチンコやパチスロなどの遊技機ではその裏
側にこれら通信線の束が占めるスペースが非常に大き
く、中継基板１０２等のスペースも必要であったために
配線や基板及び基板収納ボックス等のレイアウトが容易
でない状況であった。

【０００３】また、各種部品基板１０３〜１１２はコネ
クタにより結線されており、さらに不正防止のために空
きピンの使用は好ましくないため、遊技機業界内におい
て自主的に規制されている。このため各電気部品間のコ
ネクタやケーブル等の共通化が困難で、新機種を開発す
るに際してハードとソフトの両面の再検討を要するの
で、その開発に多額のコストおよび長期間を要した。さ
らに、遊技機は、基板やＲＯＭ等の部品を交換し、不当
に賞球を獲得しやすくするような不正改造が行われるこ
とがあった。このような事情は特開２０００−１２６４
２２号公報に詳述されているところである。ここでは、
遊技制御回路が組み込まれた主基板と、入賞球検出スイ
ッチ、入賞口開閉用ソレノイド、飾りランプ等の各種遊
技盤上部品の駆動制御回路が組み込まれた遊技盤用サブ
基板と、賞球払出装置の駆動制御回路が組み込まれた賞
球払出用サブ基板とを具備し、主基板および各サブ基板
には夫々識別番号が付与された通信モジュールを設け、
該主基板の通信モジュールと各サブ基板の通信モジュー
ルとを信号線を介して接続することによりシリアル通信
方式の通信ネットワークを構成し、該主基板および各サ
ブ基板から発信元識別番号および発信先識別番号が付さ
れたパケットファイルを送受信するパチンコ遊技機が開
示されている。しかし、このパチンコ機においては、電
源と信号線が別々に配線されているため、少なくとも４
本の配線が必要であり、それに伴いコネクタも２ピンの
ものに統一できない場合が考えられる。また、このパチ
ンコ機においては、信号線をツイストペア線としている
が、信号線と電源線が別であるため、雑音を確実に排除
することができないという欠点がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、パチ
ンコやパチスロなどの遊技機を構成する各基板間の配線
を簡略化し、コネクタの接続ピンの数を統一化できるよ
うにするとともに、雑音の影響を受けにくいようにした
遊技機を提供しようとするものである。また、本発明は
部品交換等による不正改造を出来ないようにする遊技機
を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の遊技機は、遊技
制御回路が組み込まれた遊技基板と、飾りランプ、ＬＥ
Ｄ、賞球払出装置、ハンドル操作等の駆動制御回路が組
み込まれアドレスが付与された各種部品基板とを少なく
とも具備し、遊技基板と各種部品基板とを信号線を介し
て接続することにより通信ネットワークを構成し、遊技
基板と各種部品基板とをグランド線と電源線の２本の配
線で接続したことを特徴とするものである。

【０００６】また本発明は上記遊技機において、搬送波
をデジタルデータにて変調し電源線に重乗することを特
徴とする。

【０００７】また本発明は上記遊技機において、２本の
配線が、ツイストペア線であることを特徴とする。

【０００８】また本発明は上記遊技機において、遊技基
板及び各種部品基板に固有のＩＤ番号を付し、遊技制御
回路は、通信ネットワークを介して、ＩＤ番号を記憶す
ると共に、各種部品基板の変更履歴を記憶することを特
徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に図面に従い本発明の実施の形
態を説明する。図２は遊技機の遊技基板２０１と、各種
部品基板２０３〜２１２（ＬＥＤの駆動制御回路が組み
込まれアドレスが付与されたＬＥＤ制御基板、飾りラン
プの駆動制御回路が組み込まれアドレスが付与されたラ
ンプ制御基板、賞球払出装置の駆動制御回路が組み込ま
れアドレスが付与された賞球払出用基板、ハンドル操作
を制御しアドレスが付与されたハンドル操作制御基板
等）とを配線した概略図である。本発明の遊技機に用い
られる遊技基板２０１には、遊技制御プログラムが書き
込まれたＲＯＭ、ＲＡＭおよびＣＰＵ等から構成される
マイクロコンピュータを含む遊技制御回路が組み込ま
れ、アドレスが付与されている。本発明の遊技機に用い
られる各種部品基板２０３〜２１２には、ＬＥＤ、飾り
ランプ、賞球払出装置、ハンドル操作等を制御する制御
回路がそれぞれ組み込まれ、それぞれアドレスが付与さ
れている。本発明の遊技機においては、通信ネットワー
クを介して、遊技基板２０１、各種部品基板２０３〜２
１２（ＬＥＤ制御基板、ランプ制御基板、賞球払出用基
板、ハンドル操作制御基板等）を、すべてグランド線と
電源線の２本の配線で接続することにより、中継基板を
省略することが出来る。

【００１０】さらに、図３にアドレスが付与された各種
部品基板（ランプ制御基板）２０７と遊技基板２０１を
グランド線と電源線のツイストペア線で配線した場合に
ついての制御を例として示す。ＭＡＣＡＤＤ０〜ＭＡＣ
ＡＤＤ３でアドレスが付与できる遊技基板２０１からの
指令信号が、チョークコイルＬに対して充分な絶縁が取
れる周波数で、電源線に重乗して送信される。部品個々
が必要な電源は通信信号の乗るチョークコイルＬの外側
の電源を使用する。一方、ＭＡＣＡＤＤ０〜ＭＡＣＡＤ
Ｄ１がグランド線に接続され、ＭＡＣＡＤＤ２〜ＭＡＣ
ＡＤＤ３が電源線に接続されたアドレスの値が１２のラ
ンプ制御基板２０７は、遊技基板２０１からの信号の中
から、アドレスの値が１２を指定している信号のみに反
応し、アドレスの値が１２のランプ制御基板２０７宛て
の信号を受信し、その指令を実行する。

【００１１】さらに、信号を電源線に重乗して、送受信
する過程を説明する。図４は、遊技基板２０１と各種部
品基板２０３〜２１２のひとつを結ぶ電源線による通信
の概念図である。それぞれの基板は、変調器と復調器を
有し、指令信号（デジタルデータ）と搬送波は、変調器
により変調される。このとき、変調はＦＳＫ（Ｆｒｅｑ
ｕｅｎｃｙ Ｓｈｉｆｔ Ｋｅｙｉｎｇ）方式又はＰＳ
Ｋ（Ｐｈａｓｅ Ｓｈｉｆｔ Ｋｅｙｉｎｇ）方式で行
われることが望ましい。変調された指令信号（デジタル
データ）と搬送波は、通信ネットワークを介して電源線
に重乗され、相手方の基板にある復調器に届き、復調器
により、元の指令信号（デジタルデータ）に戻され、ア
ドレスが一致した指令信号は、この基板で受け取り実行
に移される。さらに、この基板が受信したこと及び実行
内容などを、同様に変調された指令信号（デジタルデー
タ）として送り返すことが出来る。送り返された指令信
号（デジタルデータ）は、復調器により、元の指令信号
（デジタルデータ）に戻され、遊技基板２０１の遊技制
御回路２２０に送られ、ひとつの送受信動作を終える。

【００１２】さらに詳述すると、遊技基板２０１と各種
部品基板２０３〜２１２は、通信ネットワークを介し
て、指令信号（デジタルデータ）をパケットファイルと
して送受信することができる。指令信号（デジタルデー
タ）の変動によりファイル更新がなされ、発信元アドレ
スおよび発信先アドレスが付されたパケットファイルが
通信ネットワーク上に送信され、その受信先からの正常
着信確認信号（ＡＣＫ信号）が返信されることでこの１
送信動作を終える。また、この通信ネットワーク上から
遊技基板２０１又は各種部品基板２０３〜２１２に上記
パケットファイルを受信するに際し、該遊技基板２０１
および各種部品基板２０３〜２１２の通信モジュール
は、通信ネットワーク上のパケットファイルの発信先ア
ドレスを監視し自己宛てに発信されたパケットファイル
を取り込んでそのデータエラーの有無を判別し、エラー
がなければそのファイルをセーブするとともに発信元宛
てに正常着信確認信号（ＡＣＫ信号）を返信し、エラー
があった場合は発信元宛てにエラー着信確認信号を返信
する。

【００１３】複数のＬＥＤを点滅させるシーケンスを例
に挙げて、さらに説明する。遊技基板２０１側から、Ｌ
ＥＤ制御基板２０３のアドレスを指定してあらかじめ定
められたＯＮ信号を通信ネットワーク上に送信する。こ
の信号は各種部品基板２０３〜２１２に伝達されるが、
アドレスが一致したＬＥＤ制御基板２０３のみが、指令
をデコードして、あらかじめ定められたとおりＯＮ信号
を実行し、遊技基板２０１側に指令が完了した旨のコー
ドを送り返す。同じ方法で、遊技基板２０１側は、ＬＥ
Ｄ制御基板２０４〜２０６を指定してあらかじめ定めら
れたとおりＯＮ、ＯＦＦさせることができる。さらに、
従来の方法ではＯＮ、ＯＦＦに使うポートの数の制限か
ら、ダイナミック点灯が行われているが、本発明の方法
はポートの数にこだわることなくスタティック点灯がで
きるので、エネルギー効率が極めて良くなるばかりか、
ＬＥＤやＬＡＭＰなどの発光素子に無理をかけないので
寿命を長持ちさせることができる。

【００１４】この遊技機では、通信プロトコルを一致さ
せれば、新たな機器あるいは改良された部品でもその基
板をこの通信ネットワークに追加することが容易とな
り、新機種の開発が容易になり、その開発に要するコス
トおよび期間等を低減することができるうえ、すべての
配線を２本にできるので、ツイストペア線にて結線すれ
ば、雑音は電源線とグランド線に均等に乗るので、原理
的に配線による雑音の影響を受けない。

【００１５】本発明の遊技機において、遊技基板２０１
と各種部品基板２０３〜２１２（ＬＥＤ制御基板、飾り
ランプ制御基板、賞球払出用基板、ハンドル操作制御基
板等）とのそれぞれの通信制御回路２２１、２２２はワ
ンチップで構成することができ、遊技基板２０１と各種
部品基板２０３〜２１２に実装される。これらのチップ
を製造したとき固有の識別番号（IＤ番号）を自動的に
チップに付与し、付与したＩＤ番号を遊技制御回路２２
０内に記憶させることで、通信ネットワークを介して、
遊技機に組み込まれた各種部品基板２０３〜２１２のI
Ｄ番号を管理することができ、遊技制御回路２２０が記
憶していないＩＤ番号を認識したときには不正な部品交
換が行われたとして遊技機の動作を制止することもでき
る。また、ＩＤ番号の履歴情報をホールコンピュータや
検査装置等に出力することで、部品交換等による不正改
造を監視する機能をも持たせることができる。さらに、
本発明にかかる接続部は、すべて２ピンのコネクタで構
成できるので、汎用性の高い部品として大量に生産する
ことができ、コストダウンに貢献できる。

【００１６】

【発明の効果】このように本発明の遊技機は、遊技制御
回路が組み込まれた遊技基板と、飾りランプ、ＬＥＤ、
賞球払出装置、ハンドル操作等の駆動制御回路が組み込
まれアドレスが付与された各種部品基板とを少なくとも
具備し、遊技基板と各種部品基板とを信号線を介して接
続することにより通信ネットワークを構成し、遊技基板
と各種部品基板とをすべてグランド線と電源線の２本の
配線で接続したので、信号線が非常に簡略化され、各基
板の配置も容易になるとともに、すべて２ピンの部品に
統一することができ、新機種開発に伴う部品等の開発コ
スト、期間等も軽減されるなど有益な効果がある。ま
た、グランド線と電源線をツイストペア線で構成し、信
号を電源線に重乗させたことで、雑音の影響を受けにく
いという効果がある。さらに、通信ネットワーク上でI
Ｄ番号や履歴を管理することができるので、不正改造を
見破るうえでも非常に有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来の遊技機の配線図。

【図２】 本発明の遊技機の配線図。

【図３】 本発明の遊技機の通信系説明図。

【図４】 本発明の遊技機における信号系の一部詳細
図。

【符号の説明】

１０１、２０１ 遊技基板 １０２ 中継基板 １０３、１０４、１０５、１０６、２０３、２０４、２
０５、２０６ 各種部品基板（ＬＥＤ電飾制御基板） １０７、１０８、１０９、２０７、２０８、２０９ 各
種部品基板（ランプ制御基板） １１０、２１０ 各種部品基板（賞球払出用基板） １１１、２１１ 各種部品基板（ハンドル操作制御基
板） １１２、２１２ 各種部品基板（その他の装置の制御基
板） ２２０ 遊技制御回路 ２２１ 通信制御回路（遊技基板側） ２２２ 通信制御回路（各種部品基板側） ２３１、２３２、２３３、２３４、２３５、２３６ コ
ネクタ（２ピン） ３０１ 変調器（遊技基板側） ３０２ 復調器（遊技基板側） ３０３ 復調器（各種部品基板側） ３０４ 変調器（各種部品基板側）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊技制御回路が組み込まれた遊技基板
   と、ＬＥＤ、飾りランプ、賞球払出装置、ハンドル操作
   等の駆動制御回路が組み込まれアドレスが付与された各
   種部品基板とを少なくとも具備し、遊技基板と各種部品
   基板とを信号線を介して接続する通信ネットワークを構
   成した遊技機において、遊技基板と各種部品基板とをグ
   ランド線と電源線の２本の配線で接続し、当該２本の配
   線で信号の伝達をすることを特徴とする遊技機。
2. 【請求項２】 搬送波をデジタルデータにて変調し電源
   線に重乗する請求項１に記載した遊技機。
3. 【請求項３】 グランド線と電源線の２本の配線が、ツ
   イストペア線である請求項１又は請求項２に記載した遊
   技機。
4. 【請求項４】 遊技基板及び各種部品基板に固有のＩＤ
   番号を付し、遊技制御回路は、通信ネットワークを介し
   て、各種部品基板毎のＩＤ番号を記憶すると共に、各種
   部品基板の変更履歴を記憶する請求項１ないし請求項３
   のいずれかひとつに記載した遊技機。