JP2003299465A - 液体状食品及び非液体状食品 - Google Patents

液体状食品及び非液体状食品

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JP2003299465A
JP2003299465A JP2003029532A JP2003029532A JP2003299465A JP 2003299465 A JP2003299465 A JP 2003299465A JP 2003029532 A JP2003029532 A JP 2003029532A JP 2003029532 A JP2003029532 A JP 2003029532A JP 2003299465 A JP2003299465 A JP 2003299465A
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liquid food
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soup
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JP2003029532A
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Makoto Tanabe
誠 田辺
Masakazu Fukuda
正和 福田
Eri Hoshikawa
恵里 星川
Tomoyuki Hirota
友幸 廣田
Harutsuchi Harada
春土 原田
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シェフ等が手作りで調理した液体状食品、例え
ばスープ、ソース等と同等のとろみやべたつきを有する
優れた食感を有し、簡単な指標を用いて工場等の製造ラ
インで大量にかつ安定に製造できるような保存性のある
液体状食品、及び喫食時にそのような液体状食品に転換
可能な食品(中間品)を提供する。 【解決手段】目的とする液体状食品の液体の粘度及び付
着性がそれぞれ40〜500mPa・s及び200〜1000gとなるよう
に当該液体状食品を調製する。食物繊維の添加等でその
ような物性値に容易に調整することができる。また、当
該液体状食品を密封容器に充填する。更に、喫食時にそ
のような液体状食品に転換可能な非液体状食品(中間
品)や、これ等の製造方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、とろみやべたつき
感等の食感に優れた新規液体状食品、更に詳しくは液体
の粘度及び付着性を特定の範囲内になるよう調製され
た、密封容器に充填されたスープ、ソース等の液体状食
品、及び喫食時にそのような液体状食品に転換可能な非
液体状食品(以下、本発明において「その中間品」又は
単に「中間品」と称する。)並びにそれらの製造方法に
関する。
【0002】本発明においては、例えば野菜繊維等の食
物繊維により粘度及び付着性を制御(コントロール)す
ることでとろみやべたつき感に特に優れたスープ、ソー
ス等或いはその中間品を、工場等の製造ラインで大量か
つ安定に製造し、提供することができる。
【0003】
【従来の技術】従来、シェフ等が調理する手作りスープ
と工業的に、例えば工場の製造ラインを介して製造する
スープとでは両者簡に食感や官能的な面において大きな
乖離があった。例えば、食感をシェフ等が調理作成する
ものに近づけようとしてスープの粘度を調整する場合、
測定粘度が同じでも、とろみやべたつきと言った実際の
官能面において差が出てしまう。このように、粘度のみ
の物性値ではとろみやべたつきと言った官能評価の値を
規定することができなかった。
【0004】即ち、従来の技術では、食物繊維や野菜粉
砕物を添加することにより滑らかな粘度を付与すること
が定性的には知られていたが、このような方法では、工
業的に、例えば工場等の製造ラインにより大量生産する
ような場合において、粘度を指標に用いて調製してもシ
ェフ等の手作りの調理品に比べて、食感、特に官能評価
の「とろみ」や、「べたつき」と定量的に直接対応する
相関関係が無く、好ましい食感を有する目的とするスー
プ、ソース等を製造できない情況にある。
【0005】そのため、液体状食品を工業的に、例えば
工場等の製造ラインを介して製造する場合、シェフ等の
調理方法とは別に、安定的に大量生産を行うための様々
な工夫がなされ、提案されているが、特定の単純な指標
を採用して、食感、特にとろみやべたつき感に優れた食
品を安定に供給する方法については、確立されていな
い。下記にその幾つかを紹介する。
【0006】例えば、野菜、果物の粉砕物、食物繊維及
びセルロースから選ばれた1以上を2重量%以上含有し
てなる、加水して加熱調理するためのルウ(特許文献
1:特開平10―57022号公報参照。)において
は、滑らかな特有の粘性と口溶けを有するルウ系食品に
は適用可能であるが、ルウ用であるため好ましい粘度も
500〜200,000cpと高く、スープ等の加工食品には適さな
いものである(ここで、1cpは1mPa・sである。)。ま
た、高粘度のルウにおいてではあるが、官能上滑らかな
特性の粘性と口溶けを有している。しかしながら、一般
にべたつき感が増加し易いと言われる澱粉や増粘剤も使
用可能であり、物性値と官能の相関が見出されていない
ために、官能値を物性でコントロールすることについて
は全く示唆されていない。
【0007】また、野菜の搾汁液に馬鈴薯澱粉と加工澱
粉とを含む野菜ポタージュスープの製造方法(特許文献
2:特開平10―136950号公報参照。)において
は、適度な粘度でざらつきの少ない野菜ポタージュスー
プが得られるものの、澱粉を使用しているためとろみや
べたつき感について良好な加工食品を得るには全く適さ
ず、ましてやとろみやべたつき感等の官能をコントロー
ルすることは到底できない。
【0008】短時間の加熱調理で粘性と風味を付与する
ことができるペースト状ルウ(特許文献3:特開平11
―196828号公報参照。)においては、繊維物質の
添加量、製品粘度の規定はあるものの、特定の物性値の
指標は無く、粘度も500から200,000cpであるペースト状
ルウに限定されており、粘度の値から見てもスープ等の
加工食品には適さないものである。また、一般にべたつ
き感が増加し易いと言われる澱粉や増粘剤も使用可能で
あり、物性値と官能の相関が見出されていないために、
官能値を物性でコントロールすることについては全く示
唆されていない。
【0009】以上のような情況下に、前記のような工業
的に大量生産する場合、簡単な指標に基づいて、とろみ
やべたつき等の食感に優れた液体状食品を、常に安定的
に製造する方法や、そのようにして得られる食感に優れ
た食品、及びその保存方法が求められている。
【0010】
【特許文献1】特開平10―57022号公報
【特許文献2】特開平10―136950号公報
【特許文献3】特開平11―196828号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、シェフ等が手作りで調理した液体状食品、
例えばスープと同等のとろみやべたつき感等の好ましい
食感を有し、単純な指標を用いて前記のような工場生産
できるような食品、また密封容器に充填され保存が可能
な食品、及び喫食時にそのような液体状食品に転換可能
な非液体状食品(中間品)を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意検討を行った結果、目的とする液体状食
品の液体の粘度及び付着性という二つの物性値につい
て、好ましくはこれ等物性値に更にチキソトロピー特性
値を加えた三つの物性値について特定範囲になるように
調整することにより、目的とする液体状食品が得られる
ことや、そのためには食物繊維、特に野菜繊維を添加す
ることにより容易にそのような食品を調製できること、
また密封容器に充填することで保存が可能なこと、更に
同様に喫食時にそのような液体状食品に転換可能な食品
を製造できること等を見出し、これ等種々の知見に基い
て本発明を完成するに到った。
【0013】即ち、本発明は、一つの形態として、液体
状食品であって、液体の粘度及び付着性がそれぞれ40〜
500mPa・s程度及び200〜1000g程度、好ましくは40〜200m
Pa・s程度及び200〜800g程度、更に好ましくは60〜180mP
a・s程度及び350〜650g程度となるように調製され、密封
容器に充填されたことに特徴を有する液体状食品に存
し、また別の形態として、喫食時に液体状食品になり得
る非液体状食品であって、喫食時に液体状食品にした
際、液体の粘度及び付着性がそれぞれ40〜500mPa・s程度
及び200〜1000g程度、好ましくは40〜200mPa・s程度及び
200〜800g程度、更に好ましくは60〜180mPa・s程度及び3
50〜650g程度となるように調製することができることに
特徴を有する非液体状食品(中間品)に存する。
【0014】本発明は、更に前記二種類の形態の食品の
製造方法にも存し、前記液体状食品の液体の粘度及び付
着性を前記数値範囲になるようにその製造工程を構成す
ることにその特徴を有する。
【0015】本発明において得られる液体状食品は、と
ろみやべたつき感といった食感(官能面)に優れてお
り、当該液体状食品の液体の物性値として更にチキソト
ロピー特性値が好ましくは20〜120程度、より好ましくは
30〜110程度、更に好ましくは50〜80程度となるように
調整することにより目的とする効果をより高めることが
できる。
【0016】本発明品は製造工場の製造ラインで目的と
する効果を奏する製品として安定にかつ大量生産するこ
とができるので、工業上極めて有利である。
【0017】前記液体の物性を調整するに際して、食物
繊維を使用することが好ましい。その場合の粒径に関し
ては、乾燥状態で好ましくは粒径が500μm以下である粒
子を、より好ましくは粒径が300μm以下である粒子を、
少なくとも90%(重量)有する食物繊維を使用すること
ができる。また更に好ましくは粒径が10〜500μm程度で
ある粒子を、より好ましくは粒径が10〜300μm程度であ
る粒子を、少なくとも90%(重量)有する食物繊維を使
用することができる。その理由としては粒径が大き過ぎ
ると食感においてざらつきが生じ好ましくないためであ
り、粒径が小さ過ぎると好ましい粘度が発現し難くなる
ためである。また、食物繊維の添加量としては食品中に
乾燥品換算で0.03〜20%(重量)程度、より好ましくは
0.03〜10%(重量)程度含むのが好ましい。
【0018】本発明において添加する場合の食物繊維と
しては、野菜由来のもの(野菜繊維)が、更に好ましく
は食物繊維が植物の柔組織細胞セルロースを含むものが
前記物性値の調整に好適である。
【0019】当該液体状食品については、喫食時に液体
を含む食品であれば特に制限は無い。均一溶液、縣濁溶
液、固形物含有溶液等の食品が含まれ、代表的には、ス
ープ、例えばコーンスープ、パンプキンスープ、ポター
ジュスープ、シチュー等やソース類を挙げることができ
る。
【0020】尚、スープとは、肉、魚介、野菜等のだし
を土台とした汁物の総称である。
【0021】本発明の中間品である前記喫食時に液体状
食品になり得る非液体状食品とは、所定量の水、牛乳の
添加や、加熱等喫食時に簡単な処理を加えると目的とす
る前記液体状食品に転換できる食品を意味する。例え
ば、固形スープ、粉末スープ、ペースト状ソース、粉末
ソース等を挙げることができる。
【0022】本発明品を保存するために密封容器を用い
ることが好ましいが、本発明において密封容器とはビン
詰め、缶詰、レトルトパウチ等、食品を保存するために
用いられる密封性のある容器を意味する。また、密封容
器に充填された食品の状態は喫食時に液体状であればよ
く、静菌等の衛生上の点から流通時にはチルド、冷凍で
あってもよい。また、本発明に用いられる密封容器及び
食品は通常、製造時に殺菌工程を経るが、本発明でいう
レトルトパウチにはアセプティック包装された包装形態
も含まれる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0024】本発明において目的とする物性値を調整す
る際、食物繊維を使用するのが好ましく、特に野菜繊維
を使用することができる。その場合、粉砕物(野菜粉砕
物)を添加するとより効果的である。この野菜繊維とし
て用いる場合の野菜としては、玉葱、じゃがいも、人
参、セロリ、カボチャ等の繊維質(食物繊維)を含む野
菜であればよく、種類その他で特に制限は無い。野菜粉
砕物(粉砕物)を調製するには特に困難は無く、例えば
卓上ミキサー等で粉砕すればよい。添加量については、
前述の通りであるが、目的とする液体状食品の種類や他
の含有成分を考慮して適当量を選択することができる。
また、食物繊維の中でも特に植物の柔組織細胞セルロー
スにおいて効果があることが見出された。
【0025】粉砕の程度としては、前述の如く、乾燥状
態で好ましくは粒径が500μm以下である粒子を、より好
ましくは粒径が300μm以下である粒子を多く含むように
粉砕するとよい。好ましくは、そのような粒径の粒子を
乾燥状態で少なくとも90%(重量)有する食物繊維を使
用することができる。また、更に好ましくは粒径が10〜
500μm程度である粒子を、より好ましくは粒径が10〜30
0μm程度である粒子を、少なくとも90%(重量)有する
食物繊維を使用することができる。その理由としては粒
径が大き過ぎると食感においてざらつきが生じ、好まし
くないためであり、粒径が小さ過ぎると好ましい粘度が
発現し難くなるためである。
【0026】尚、本発明において食物繊維とは、植物の
柔組織細胞セルロースや結晶セルロース等の繊維物質も
含み、食物繊維の種類は問わないが、食物繊維の中でも
特に植物の柔組織細胞セルロースにおいて効果があり好
ましい。また食物繊維の添加量としては食品中に乾燥品
換算で0.03〜20%(重量)程度、より好ましくは0.03〜
10%(重量)程度含むのが好ましい。
【0027】また、本発明において粘度は、試料を回転
式粘度計(例えば、HAAAKE(株)の回転粘度計(RV2
0))を用いて測定温度(60℃)、ずり速度30(1/s)の条件
にて測定したずり応力(mPa・s)にて表したものである。
【0028】また、本発明において付着性は、試料を喫
食時の液体状態にした後、テクスチャー測定器(例え
ば、英光精機(株)のTexture Analyzer)を用いて測定
温度(25℃)、プローブ材質:アクリル製、プローブ径:
直径25mm付着力測定試験(Adhesive Test)で測定した
応力(g)にて表したものである。
【0029】一方、本発明において、チキソトロピー特
性値は、回転式粘度計にて、測定温度(60℃)、upカーブ
のずり速度0から100(1/s)、及びdownカーブのずり速
度100から0(1/s)の測定条件にて測定した流動曲線よ
り求められたupカーブとdownカーブに囲まれた面積を、
積分にて数値化した値である。
【0030】本発明において、食物繊維(野菜粉砕物
等)の粒径の測定については、レーザー回折/散乱式粒
度分布測定装置(例えば、HORIBA(株))にて測定し、
粒径(μm)を求めることができる。
【0031】本発明において目的とする液体状食品或い
はその中間品を製造するには特に困難は無く、前記2種
類、好ましくは前記3種類の物性値を前述の如く特定
(調整)することで食感、特に官能面で優れた品質の液体
状食品を工業的(前記製造ライン等で)安定に製造する
ものである。その物性値の調整についても特に困難は無
く、前記の如く何れかの製造段階で食物繊維を添加すれ
ばよい。その種類、添加量、粒径等については、前述の
記載や、最終製品の種類、形態等に応じて適宜選択する
ことができる。
【0032】得られた最終製品(喫食時)の組成物を喫
食時の条件(組成、温度等)において前記の如く本発明
において特定する物性値の範囲に含まれるかチェック
し、含まれない場合、食物繊維の種類、添加量、粒径等
を適宜変更して、再チェックすればよい。このようにし
て、前記物性値範囲を満たすような本発明品の製造工程
が確立された場合は、その製造工程をその後変更するこ
となく目的とする食品を継続して製造することができ
る。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。ここでは本発明の実施例を示すもので、この実施
例により本発明は何等制限されるものではない。
【0034】(実施例1)物性の異なるコーンスープを
下記配合にて製造した。
【0035】
【0036】具体的な製造手順は、4Lの片手鍋で上記
配合組成の成分を溶解させた後、ナショナルミキサーM
X−15ISにて1分間混合した。このように得られた
スープを加熱し、90℃達温したスープを調製した。粘度
付与物質としては、フライパンで歩留り80%に炒め、上
記ミキサーで粉砕後フリーズドライ(共和真空(株)、
40℃、24時間)にて乾燥し、粉砕して篩をかけた後に水
戻ししたソテーオニオンペースト(乾燥品換算で粒径30
0μm以下が90%以上)を3.8重量%用いたもの、又はじゃ
がいもを80℃にて加熱し、250μmで裏漉し後フリ一ズド
ライ(共和真空(株)、40℃、24時間)にて乾燥し、粉
砕して篩をかけた後に水戻ししたマッシュポテト(乾燥
品換算で粒径250μm以下が90%以上)を5.1重量%用いた
ものを製造し、スタンディングパウチに密封充填し、そ
れぞれ本発明品1、本発明品2とした。同様に、前記の
如く調製したスープに馬澱(馬鈴薯澱粉)を2.0重量%添
加したもの(対照品3)、馬澱を1.0重量%添加したもの
(対照品4)、又はキサンタンガム0.3重量%添加したも
の(対照品5)をそれぞれ製造し、スタンディングパウ
チに密封充填し、物性測定時、官能評価時にそれぞれ試
料に供した。尚、粘度付与物質の上記含有量は乾燥品換
算での値である。
【0037】得られたス一プについてみかけ粘度、付着
性、及びチキソトロピー特性値を測定し、その結果を表
1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果によれば、本発明品1及び2の
ように野菜粉砕物を添加したものは、100mPa・s程度の粘
度を有し、対照品3及び5と比較して優位に付着性が低
いことが確認された。また、付着性を適正範囲の600g程
度の対照品4はみかけの粘度が100mPa・sを大幅に下回る
結果となった。
【0040】次に、得られたスープについて官能評価を
行い、その結果を表2に示す。
【0041】(評価方法)評価の方法については14人
の訓練されたパネルにより、粘度付与物質を全く使用し
ないで製造したスープの粘度、付着性、及びチキソトロ
ピー特性値を0点とする−3〜+3までの7段階坪価で
行い、得られた平均点で表している。各評価項目の基準
は以下の通りである。
【0042】
【0043】官能評価は総合的に判断されるものであ
り、素材由来の自然な食感があることが好ましく、個々
の評価基準では、とろみについては1.5付近が適度なと
ろみがあり好ましい傾向があり、べたつきについては0
付近が好ましい傾向があり、ふんわり感については3点
が好ましい傾向である。
【0044】
【表2】
【0045】表2の結果によれば本発明品1及び2と対
照品3及び5のとろみに差異は無いと考えられ、同程度
のとろみであると言える。対照品4のとろみが好ましく
ないことは明らかである。一方、べたつき及びふんわり
感では、本発明品は対照品3及び5に対して異なり、べ
たつきが少なく、素材由来の自然な食感があり、好まし
い物性であると言える。
【0046】この結果から、本発明における前記3種の
物性値の特定範囲への調整により、食感、特に官能面に
おいてより優れたスープを製造できることが理解され
る。
【0047】(実施例2)物性の異なるコーンスープを
製造した。具体的な製造手順は、4Lの片手鍋で実施例
1と同様の配合組成を溶解させた後、ナショナルミキサ
ーMX−15ISにて1分間混合した。このようにして
得られたスープを加熱し、90℃達温したスープを調製し
た。粘度付与物質としては、片手鍋で30分間加熱後、上
記ミキサーにて粉砕した後(粉砕程度は、乾燥品換算で
粒径300μm以下が90%以上)、溶液を濾過し、植物の柔
組織細胞セルロースが含まれている残渣を2%NaOH溶液と
混合し、85℃、2時間加熱処理した後、再び溶液を濾過
し、再度、植物の柔組織細胞セルロースが含まれている
残渣を2%NaOH溶液と混合し、85℃、2時間加熱処理した
後、塩酸(HCl溶液)で中和して水洗した柔組織細胞セ
ルロースを80%以上含有する画分(以降、「PCC画
分」と記載する。)をスープに対して0.1重量%用いたも
のを本発明品1、更にPCC画分をフリーズドライ(共
和真空(株)、40℃、24時間)しスープに対して0.8重
量%用いたものを本発明品2とした。同様に、前記の如
く調製したスープにPCC画分の代わりに馬澱(馬鈴薯
澱粉)を2.0重量%添加したものを対照品3、PCC画分
を0.025重量%用いたものを対照品4とした。
【0048】得られたスープについてみかけ粘度、付着
性、及びチキソトロピー特性値を測定し、その結果を表
3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】表3の結果によれば、本発明品1及び本発
明品2のようにPCC画分を添加したものは、100mP
a・s程度の粘度の場合、対照品3と比較して優位に付
着性が低いことが確認された。馬澱では、付着性が大き
過ぎるにもかかわらず、チキソトロピー特性値は増加し
ないことが明らかとなった。
【0051】次に、得られたスープについて官能評価を
行い、その結果を表4に示す。官能評価方法及び評価基
準は、実施例1と同様の方法及び基準にて行った。
【0052】
【表4】
【0053】表4の結果によれば本発明品1と本発明品
2ではともに好ましい物性となり、PCC画分は溶液状
態でも、一度乾燥させたものでも効果があることが示さ
れた。また、本発明品1、2と対照品3のとろみに差異
は無いと考えられ、同程度のとろみであると言える。し
かしながら、べたつき及びふんわり感では本発明品は対
照品3に対して異なり、べたつきが少なく素材由来の自
然な食感があり好ましい物性であると言える。対照品4
は各物性について効果があまり見られなかった。
【0054】この結果から、本発明における前記3種の
物性値の調整により、植物の柔組織細胞セルロースを添
加することで食感、特に官能面においてより優れたスー
プを製造できることが示された。
【0055】(実施例3)パンプキンスープを調製し
た。実験手順は以下の通りである。市販粉末パンプキン
スープ(クノールカップスープ完熟かぼちゃのポタージ
ュ(味の素(株)製)と所定量である150mlの1.5倍量、
即ち225mlの90℃の熱湯を混合してスープとし、下記の
粘度付与物質を添加して、90℃達温したものを試料に供
した。粘度付与物質として、ソテーオニオンペースト2.
9重量%を用いたもの、又はマッシュポテト1.0重量%を用
いたものをスタンディングパウチに密封充填し、それぞ
れ本発明品1及び本発明品2とした。馬澱を1.5重量%、
又はキサンタンガムを0.1重量%を用いた以外は何ら変更
することなく同様に調製して、それぞれ本発明品と同様
に対照品3及び対照品4を得た。尚、粘度付与物質の調
製は実施例1に示したものと同様であり、その上記含有
量については乾燥品換算で示されている。
【0056】みかけ粘度、付着性、及びチキソトロピー
特性値の測定結果を表5に示す。
【0057】
【表5】
【0058】表5の結果によれば、本発明品1及び2の
ように野菜粉砕物を添加したものは、100〜150mPa・s程
度の粘度を有し、対照品3及び4と比較して優位に付着
性が低いことが確認された。また、本発明品1及び2は
対照品と比較し、チキソトロピー特性値でも優位に高い
ことが分かる。
【0059】次に、得られたスープについて官能評価を
行い、その結果を表6に示す。官能評価方法及び評価基
準は、実施例1と同様の方法及び基準にて行った。
【0060】
【表6】
【0061】表6の結果によれば対照品3及び4と本発
明品1及び2のとろみに差異は無い。即ち、同程度のと
ろみであると言える。しかしながら、べたつき及びふん
わり感においては本発明品1及び2は対照品3及び4に
対して優位にべたつきが少なく、素材感のある自然な食
感と言える。
【0062】(実施例4)ポタージュスープを調製し
た。実験手順は以下の通りである。市販粉末ポタージュ
スープ(クノールカップスープとろとろクリーミーポタ
ージュ(味の素(株)製)と所定量である150mlの1.5倍
量、即ち225mlの90℃の熱湯を混合してスープとし、下
記の粘度付与物質を添加して、90℃達温したものを試料
に供した。粘度付与物質として、ソテーオニオンペース
ト2.9重量%を用いたもの、又はマッシュポテト1.0重量%
を用いたものをスタンディングパウチに密封充填し、そ
れぞれ本発明品1及び本発明品2とした。馬澱を1.5重
量%、馬澱0.5重量%、又はキサンタンガム0.1重量%を用
いた以外は何ら変更することなく同様に調製して、それ
ぞれ本発明品と同様に対照品3、対照品4及び対照品5
を得た。尚、粘度付与物質の調製は実施例1に示したも
のと同様であり、その上記含有量については乾燥品換算
で示されている。
【0063】みかけ粘度、付着性、及びチキソトロピー
特性値の測定結果を表7に示す。
【0064】
【表7】
【0065】表7の結果によれば、本発明品1及び2の
ように野菜粉砕物を添加したものは、80〜100mPa・s程度
の粘度を有し、対照品3及び5と比較して優位に付着性
が低いことが確認された。また、本発明品1及び2は対
照品3〜5と比較してチキソトロピー特性値でも優位に
高いことが分かる。
【0066】次に、得られたスープについて官能評価を
行い、その結果を表8に示す。官能評価方法及び評価基
準は、実施例1と同様の方法,基準にて行った。
【0067】
【表8】
【0068】表8の結果によれば対照品3及び5と本発
明品1及び2のとろみに差異は無い。即ち、同程度のと
ろみであると言える。対照品4のとろみが好ましくない
ことは明らかである。一方、べたつき及びふんわり感に
おいては本発明品1及び2は対照品3及び5に対して優
位にべたつきが少なく、素材感のある自然な食感と言え
る。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、求められる液体状食品
の物性値が前記の如くなるように特定した食品を調製す
ることで、食感特に官能面において優れたスープ、ソー
ス等の液体状食品又は、そのための食品(中間品)を工
場等における製造ラインを通じて安定にかつ容易に、ま
た密封容器に充填することで保存性のある食品を製造す
ることができる。
【0070】従って、本発明は工業的に、特に食品分野
で極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 星川 恵里 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社内 (72)発明者 廣田 友幸 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社内 (72)発明者 原田 春土 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社内 Fターム(参考) 4B036 LC05 LE01 LE02 LE03 LE05 LF02 LH11 LK02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体状食品であって、当該液体の粘度及び
    付着性がそれぞれ40〜500mPa・s及び200〜1000gとなるよ
    うに調製されたことを特徴とする密封容器に充填された
    液体状食品。
  2. 【請求項2】喫食時に液体状食品になり得る非液体状食
    品であって、喫食時に液体状食品にした際、液体の粘度
    及び付着性がそれぞれ40〜500mPa・s及び200〜1000gとな
    るように調製することができることを特徴とする非液体
    状食品。
  3. 【請求項3】当該液体状食品の液体のチキソトロピー特
    性値が20〜120である請求項1又は2記載の食品。
  4. 【請求項4】乾燥状態で粒径が500μm以下である粒子を
    少なくとも90%(重量)有する食物繊維を乾燥品換算で
    0.03〜20%(重量)含む請求項1〜3何れか記載の食
    品。
  5. 【請求項5】食物繊維が植物の柔組織細胞セルロースを
    含む請求項4記載の食品。
  6. 【請求項6】当該液体状食品がコーンスープ、パンプキ
    ンスープ及びポタージュスープの何れかである請求項1
    〜5何れか記載の食品。
  7. 【請求項7】液体状食品の製造方法であって、当該液体
    の粘度及び付着性がそれぞれ40〜500mPa・s及び200〜100
    0gとなるように当該製造の工程を構成することを特徴と
    する液体状食品の製造方法。
  8. 【請求項8】喫食時に液体状食品になり得る食品の製造
    方法であって、当該液体状食品の液体の粘度及び付着性
    がそれぞれ40〜500mPa・s及び200〜1000gとなるように当
    該製造の工程を構成することを特徴とする非液体状食品
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008011733A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Knorr Foods Co Ltd 乾燥ポテトパウダー及び当該乾燥ポテトパウダーを用いた粉末状食品
JP2011000130A (ja) * 2010-10-05 2011-01-06 House Foods Corp 加熱調理済み食品の製造方法
JP2017184621A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 旭化成株式会社 とろみを有する半固形食品及び調理食品

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