JP2003298180A - 半導体レーザ駆動装置 - Google Patents
半導体レーザ駆動装置Info
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Abstract
できる半導体レーザ駆動装置を得る。 【解決手段】 光源30は、高周波重畳された駆動電流
によって半導体レーザ32から射出された光ビームが導
波路型のSHG素子34で第2高調波の光ビームに変換
され、集光レンズ36及びビームスプリッタ38介して
フォトダイオード40で光出力強度が検出される。これ
らの半導体レーザ32からフォトダイオード40までの
素子は、ペルチエ素子50により温度調整される。これ
によって、導波路型のSHG素子34における変換特性
は単調増加傾向になり、かつ温度調整により安定的かつ
効率的な出力が得られ、滑らかな変動特性を得ることが
できる。
Description
装置にかかり、特に、光ビームを走査しながら該光ビー
ムの光量を変調して画像を露光媒体に露光する画像露光
装置に用いて好適な、半導体レーザを駆動するための半
導体レーザ駆動装置に関する。
光ビームを集光光学系によって集光し、その焦点位置に
露光媒体(例えば、高速に回転するドラムの周面に貼り
付けられた記録媒体)を配置し、光ビームをドラムの軸
線方向に走査(主走査)しながら、ドラムを回転(副走
査)させることにより、露光媒体上に画像を露光(記
録)する画像露光装置や画像形成装置が知られている
(特開平10−228149号公報参照)。この場合、
主走査及び副走査をしながら光ビームを変調すること
で、画像を露光する。このような画像形成装置では、光
ビームの光量を安定させるために、光源から射出された
光ビームの出力を検出しつつ光量調整を行っている。
合、複数の光ビームを変調してほぼ同時に露光すること
で短時間で画像形成できる。また、画像を形成する媒体
に波長感度を有するときには、その波長に合致した波長
の光ビームで露光することで、容易に画像露光が可能と
なる。可視光の波長域における所謂3原色(R,G,
B)に感光域を有する銀塩感剤などを露光する際には、
従来、入射された赤外光ビームの波長をほぼ1/2の波
長に変換して射出する第2高調波発生素子としての波長
変換素子(所謂SHG素子)を用いて得られる、可視光
の波長域の光ビームを選択的に用いる場合がある。
長域は狭く、その波長域の光ビームでしか第2高調波の
光ビームを得ることができなかった。また、半導体レー
ザは温度変化によって発振波長が変動することが知られ
ており、この発振波長の変動によって、SHG素子にお
ける変換効率が悪化する場合があった。
らSHG素子などの光ビームを射出するまでの系を温度
調整して、出力が最大または安定する温度に設定して、
射出される光ビームの安定化を図る各種装置が提案され
ている(特開平6−152014号、特開平12−40
848号、特開平10−65251号、特開平11−2
6861号公報参照)。
技術では、単にSHG素子から射出される光ビームの出
力が高くなる温度や出力が安定する温度を求めてその温
度に設定することで、効率的に変換するものであるた
め、得られる出力は効率的であるものの、半導体レーザ
の波長との関係を考慮していない。すなわち、半導体レ
ーザの駆動電流と、変換された波長の光ビームの出力と
の関係が滑らかな単調増加特性を有する状態を保証する
ものではなかった。
を安定かつ効率的に出力することができる半導体レーザ
駆動装置を得ることが目的である。
路型の波長変換素子(SHG素子)について、半導体レ
ーザの駆動電流を高周波で駆動することによりすなわち
駆動電流を高周波重畳することで、半導体レーザの駆動
電流に対しSHG素子の出力が滑らかに増加する特性
(図2参照)が得られる。
ードで発振させ、その射出光を導波路型のSHG素子で
波長変換して得られる出力(SH出力)の特性(図2の
点線)は、全体的には、駆動電流が増加するに伴ってS
H出力が増加する傾向にあるが、微細的に見ると、SH
出力の増減の繰り返しが見られる。このような変則的な
特性の場合、SH出力を安定させるためのフィードバッ
ク制御が安定的になされずに、結果的にSH出力が不安
定になる場合がある。
流を高周波で重畳させて発振させ、その射出光を導波路
型のSHG素子で波長変換して得られる出力(SH出
力)の特性(図2の実線)は、駆動電流が増加するに伴
ってSH出力が徐々に増加する単調増加傾向にある。こ
れによって、SH出力を安定させるためのフィードバッ
ク制御が容易に可能となり、SH出力を安定させること
が可能になる。
の半導体レーザ駆動装置は、入力された駆動信号により
光ビームを射出する半導体レーザと、前記半導体レーザ
から射出された光ビームの波長を第2高調波に変換して
該変換された波長の光ビームを射出する変換素子と、前
記半導体レーザから所定光量の光ビームを射出するため
の信号に、予め定めた高周波信号を重畳した駆動信号を
生成して前記変換素子における変換特性が単調増加特性
となるように前記半導体レーザを駆動する駆動手段と、
少なくとも前記半導体レーザから前記変換素子の間の素
子を加熱または冷却するための熱エネルギを印加する印
加手段と、前記半導体レーザから前記変換素子の間の素
子が予め定めた所定温度を維持するように、前記印加手
段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
半導体レーザから射出された光ビームの波長を、波長変
換素子により第2高調波に変換して射出する。この半導
体レーザは、駆動手段により駆動され、その駆動信号と
して、半導体レーザから所定光量の光ビームを射出する
ための信号に、予め定めた高周波信号を重畳した駆動信
号を生成する。この駆動信号により、変換素子における
変換特性が単調増加特性となるように半導体レーザを駆
動することができる。この半導体レーザから変換素子の
間の素子は、印加手段によって、加熱または冷却するた
めの熱エネルギが印加される。制御手段は、半導体レー
ザから変換素子の間の素子が予め定めた所定温度を維持
するように、印加手段を制御する。これにより、半導体
レーザの駆動信号例えば駆動電流が増加するに伴って変
換素子の出力が滑らかに増加する単調増加傾向になり、
さらに温度調整されるのでさらに安定的な出力が得ら
れ、滑らかな変動特性を得ることができる。
ける予め定めた所定温度は、前記半導体レーザへ供給す
る駆動信号のうち駆動電流について任意の駆動電流領域
で測定した有限の離散測定値に対して特定の関数形によ
る回帰曲線を求め、隣り合う測定点の測定値間の傾き
と、その何れかの測定点における回帰曲線の微分係数と
を複数の測定点について比較して決定することを特徴と
する。
予め定めた所定温度を維持するように前記印加手段を制
御する場合、次のようにして予め定めた所定温度を維持
するように制御する。ここでの予め定めた所定温度と
は、変換素子から安定的な出力が得られる最適温度であ
る。まず、半導体レーザへ供給する駆動信号のうち駆動
電流について、駆動電流に対する変換素子の出力値を異
なる駆動電流について測定する。この有限の離散的な測
定値に対して、特定の関数形による回帰曲線を求める。
この回帰曲線が、駆動電流と変換素子の出力との特性に
対応する。次に、隣り合う測定点について傾きを求め、
その何れかの測定点に対する回帰曲線の微分係数すなわ
ち接線の傾きを求め、これらの傾きを複数の測定点につ
いて比較することで決定する。この場合、傾きが近いす
なわち、傾きの差が小さい温度に決定することが好まし
い。
ける予め定めた所定温度は、前記半導体レーザへ供給す
る駆動信号のうち駆動電流について任意の駆動電流領域
で測定した有限の離散測定値に対して特定の関数形によ
る回帰曲線を求め、駆動電流と変換素子の出力との特性
図上で、隣り合う測定点を結ぶ直線と前記回帰曲線とに
囲まれる領域の大きさに基づいて決定することを特徴と
する。
持させる予め定めた所定温度、すなわち最適温度の決定
では、まず、半導体レーザへ供給する駆動信号のうち駆
動電流について、駆動電流に対する変換素子の出力値を
異なる駆動電流について測定する。この有限の離散的な
測定値に対して、特定の関数形による回帰曲線を求め
る。この回帰曲線が、駆動電流と変換素子の出力との特
性に対応する。次に、隣り合う測定点を結ぶ直線を求
め、駆動電流と変換素子の出力との特性図上で、隣り合
う測定点を結ぶ直線と前記回帰曲線とに囲まれる領域の
大きさを求める。この大きさを比較することで決定す
る。この場合、大きさが小さいすなわち、面積が少なく
なる温度に決定することが好ましい。
手段において、予め定めた時期に半導体レーザから変換
素子の間の素子が予め定めた所定温度を維持するよう
に、印加手段を制御する。この予め定めた時期とは、所
定間隔毎になされる定期的な制御がある。
前記変換素子で変換された光ビームのノイズが最小とな
るように、予め定めた熱エネルギを印加するように前記
印加手段を制御することを特徴とする。
その安定温度によりノイズ成分の含有量が変動する。そ
こで、前記変換素子で変換された光ビームのノイズが最
小となるように、予め定めた熱エネルギを印加すること
で、光ビームをノイズ西武んが抑制されて安定しかつ効
率的に出力することができる半導体レーザ駆動装置を提
供できる。
前記変換素子の変換効率が最大となるように、予め定め
た熱エネルギを印加するように前記印加手段を制御する
ことを特徴とする。
換効率も変動する。そこで、変換素子の変換効率が最大
となるように、、予め定めた熱エネルギを印加するよう
に印加手段を制御することで、変換効率が大きい光ビー
ムを安定かつ効率的に出力することができる半導体レー
ザ駆動装置を提供することができる。この変換効率を最
大にするためには、任意の駆動電流における光出力が最
大となるように、予め定めた熱エネルギを印加すること
により達成できる。
施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態はレー
ザ露光装置に本発明を適用したものである。
態のレーザ露光装置10が示されている。レーザ露光装
置10は、半導体レーザから出力されたレーザビームL
を露光ドラム28上に照射することで、画像を露光する
構造となっている。
レーザを含む光源30を備えており、光源30の光射出
側には、シリンドリカルレンズ18、ポリゴンミラー2
0が順に配置されており、更に、ポリゴンミラー20の
光偏向側には、fθレンズ22、及び露光ドラム28が
順に配置されている。なお、ポリゴンミラー20による
露光ドラム28を走査する走査範囲外の光路上には、主
走査開始を検出する同期センサ26へ光ビームを案内す
るサンプリングミラー24が設けられている。
しないコリメータレンズによって略平行光とされ、シリ
ンドリカルレンズ18によって副走査方向に集束されて
ポリゴンミラー20の反射面へ結像される。そして、ポ
リゴンミラー20の回転によって偏向されて、fθレン
ズ22を介して露光ドラム28上に結像される。
の回転によって主走査が行われ、露光ドラム28の矢印
B方向への回転によって副走査が行われ、主走査及び副
走査しながら光強度変調装置16による光強度変調する
ことで、露光ドラム28上に二次元画像が形成される。
20の反射面へ光ビームLを結像する光学系を採用する
が、本発明は、これに限定されるものではない。例え
ば、ポリゴンミラー20の反射面を少なくとも含む光束
をポリゴンミラー20へ照射してポリゴンミラー20へ
主走査してもよい。この場合には、光学系及び光学素子
が一部変更になるが、容易に構成を変更することは可能
である。
変調については特に言及しないが、周知のように半導体
レーザは、直接駆動が可能であり、そのオンオフ制御の
光強度変調によって、射出される光ビームを変調するこ
とが可能である。また、高速の直接変調が困難な半導体
レーザもあり、このような半導体レーザは外部変調で可
能である。外部変調のための素子は音響光学変調素子
(以下、AOMという)が知られている。AOMは印加
する信号により入射された光ビームに対して回折現象を
生じさせる素子である。すなわち、AOM結晶中を伝播
される超音波により生じるグレーティングによっての回
折現象である。この回折強度は、伝播される超音波の強
度に依存する。この回折現象は、ブラッグ回折現象と同
様に、n次回折光が所定の回折角度をなして回折され
る。この回折光を取り出す光学系を採用することで、超
音波を伝播させるための部位(トランスデューサ)へ印
加する信号を制御することで回折された光ビームが変調
された光ビームとして用いることができる。
における光源30について詳細を説明する。
0は、半導体レーザ32を備えており、半導体レーザ3
2から射出される光ビームは導波路型のSHG素子34
へ入射される。導波路型のSHG素子34の射出側には
集光レンズ36、ビームスプリッタ38が順に配設され
ている。ビームスプリッタ38の透過側が光源30の光
ビームの出力側であり、反射側にはフォトダイオード4
0が設置されている。
の光ビームは導波路型のSHG素子34によって、波長
λ1の1/2の波長λ2の光ビームに変換されて射出さ
れる(詳細は後述)。SHG素子34から射出された光
ビームは、光源30から出力されると共に、フォトダイ
オード40へ入射される。
オード40までの光学系は、台座を介してペルチエ素子
50に取付られている。すなわち、導波路型のSHG素
子34は台座42を介してペルチエ素子50に取り付け
られ、集光レンズ36は台座44を介してペルチエ素子
50に取り付けられ、フォトダイオード40は台座46
を介してペルチエ素子50に取り付けられている。
取り付けられた部品に対して加熱または冷却するための
熱エネルギを印加するものである。なお、ペルチエ素子
50により印加される熱エネルギにより基も影響を受け
るのは、半導体レーザ32、導波路型のSHG素子34
及びフォトダイオード40の何れかであり、これらに対
して加熱または冷却するための熱エネルギを印加できれ
ばよく、より好ましくは半導体レーザ32及び導波路型
のSHG素子34であり、さらには少なくとも半導体レ
ーザ32に対して加熱または冷却するための熱エネルギ
を印加できればよい。
検出のための検出器48を設けることができる。
10における光源30を制御する制御装置52の概略構
成をブロック図で示した。
を含んむマイクロコンピュータで構成されたコントロー
ラ60を備えており、コントローラ60には検出器48
で検出された温度値が入力されるように接続されてい
る。また、コントローラ60には、後述する温度制御す
るときに設定する最適温度を記憶するためのメモリ62
が接続されている。さらにコントローラ60は、ペルチ
エ素子50に接続されたドライバ66に接続されてお
り、ドライバ66へペルチエ素子50を駆動するための
駆動電流値を出力する。
ための画像データが入力されるように画像処理装置64
に接続されている。
成装置56、及びオートパワーコントローラ(以下、A
PC)54を介して半導体レーザ32に接続されてい
る。駆動信号生成装置56には、所定の高周波信号を発
生する発信器58が接続されており、駆動信号生成装置
56で半導体レーザ32を駆動するための高周波信号が
重畳された駆動信号が生成される。この駆動信号によっ
て、APC54では半導体レーザ32を所定の光量にな
るように駆動する。このAPC54には、フォトダイオ
ード40からの検出光量が入力されるようにフォトダイ
オード40も接続されている。
けて温度検出するように構成した場合を説明するが、検
出器48を備えることに限定されない。例えば、半導体
レーザ32から出力された光量に対応する光量検出器と
してのフォトダイオード40による検出光量の変動を検
知することで温度変動を検知することもできる。また、
ペルチエ素子50へ供給する駆動電流値を検知し、その
検知電流値に対応する温度を求めて検知温度としてもよ
い。
0からの信号により駆動信号生成装置56で駆動信号を
生成してAPC54で半導体レーザ32を駆動する場合
を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
半導体レーザ32を一定光量にフォードバック制御する
場合にも適用可能であり、この場合には、駆動信号生成
装置56とコントローラ60との接続は不要である。ま
た、光量制御自体をコントローラ60で行う場合には、
フォトダイオード40からの検出光量が入力されるよう
にフォトダイオード40をコントローラ60に接続すれ
ばよい。
定化を図るため、高周波重畳信号による半導体レーザ3
2の駆動について説明する。
ザ32が温度によって発振波長が離散的に変化すると共
に、ノイズが発生することが知られている。半導体レー
ザ32は、駆動電流の増加に対して、発振波長が離散的
に変化することが顕著に現れ、図5(B)に示すよう
に、半導体レーザ32の発振波長のスペクトルλsが所
定域の間λyで変動(波長シフト)する。図5(B)に
は、導波路型のSHG素子34の変換効率αの特性rも
示した。
G素子34の変換効率αが最大となるように、半導体レ
ーザ32の発振波長のスペクトルλsが設定した場合、
所定域λyで波長シフトすると、変換効率αが大きく変
動し、結果的には光ビームの出力が安定しない。
Hz)の高周波を重畳し、半導体レーザ32を駆動す
る。これにより、発振波長は安定し、駆動電流による出
力の大きな変化を抑制することができる。この結果を図
5(C)に示した。高周波重畳により、半導体レーザ3
2の発振波長のスペクトルλs以外に、2次的な発振波
長のスペクトルλss、λstを有することとなる。こ
のスペクトルλss、λstの波長及び振幅は、重畳す
る高周波の周波数及び振幅で定まる。
波重畳によって図5(B)に示すようにシングルモード
の発振が図5(C)に示すようにマルチモードになり、
光ビームの出力安定化を図ることができる。
32の駆動電流と導波路型のSHG素子34の出力との
関係である特性が滑らかな単調増加特性となるように、
半導体レーザ32の駆動電流に重畳する高周波の周波数
及び振幅を設定する。この設定値は、予め実験などによ
り求めた値である。
電流に重畳する高周波の周波数及び振幅を設定すること
で、半導体レーザ32の駆動電流と導波路型のSHG素
子34の出力とは滑らかな単調増加特性となるが、半導
体レーザ32の自己発熱などにより光学系が温度変化を
伴うことで、発振波長が変動したり変換効率が変動した
りする場合がある。
32からフォトダイオード40までの間の光学系を一定
温度に温度調整している。なお、ここでは半導体レーザ
32からフォトダイオード40までの間の光学系を一定
温度に温度調整する場合を説明するが、本発明は、半導
体レーザ32からフォトダイオード40までの間の全て
の光学素子を温度調整することに限定されない。半導体
レーザ32及び導波路型のSHG素子34の温度調整が
効果的であり、また、半導体レーザ32及び導波路型の
SHG素子34の少なくとも一方を温度調整することで
も効果的である。
る場合における最適温度の導出について説明する。
SHG素子34の出力とを滑らかな単調増加特性とする
ための最適温度Tthは、半導体レーザ32からフォトダ
イオード40までの間の光学系の各光学素子の特性のば
らつきや組み立て公差により差異が生じる。そこで、こ
の差異を有する光学系について最適温度Tthを決定する
方法を説明する。
という)T1のとき、半導体レーザ32の駆動電流Ik、
及びそのときの導波路型のSHG素子34の出力強度L
k(Ik)を複数測定する。すなわち、離散的に駆動電流
Ikを印加し、この駆動電流Ikに対応する出力強度Lk
をk=0〜N(Nは最大測定数)までAPC用モニタ検
出器すなわちフォトダイオード40で測定する。
帰曲線F(I)を所定の関数形式で設定し、最小自乗法
で求める。この関係を図6に示した。
回帰曲線F(I)を設定する場合は、次の(1)式で表
すことができる。
ある。
2(T2)は、次の行列式の解として求めることができ
る。
(T1、T2、・・・、Tn)で温調温度を変更し、上記
手順を行い、すなわち、駆動電流Ik、及びそのときの
導波路型のSHG素子34の出力強度Lk(Ik)を複数
測定する。すなわち、半導体レーザ32へ離散的に駆動
電流Ik(k=0〜N)を印加して駆動電流Ikに対応す
る出力強度Lkをフォトダイオード40で測定し、その
データ列(Ik,Lk)の回帰曲線F(I)を所定の関数
形式で設定し、最小自乗法で求める。この回帰曲線の値
Fk(Ik)と、実測値Lk(Ik)を、各温度毎に比較す
ることで、最適温度Tthを求めることができる。この最
適温度Tthの導出時の判定は、次の方法による。
動(本実施の形態では実測値間の変動の比率)と回帰曲
線の変動(本実施の形態では接線の傾き)を比較するも
のである。
及び判定値導出式(3)を用いる。 1/C≦{(Lk−Lk-1)/(Ik−Ik-1)}/(a1
+2・a2・Ik)≦C でかつ Lk−Lk-1>0 ・・・(2) min[{(Lk−Lk-1)/(Ik−Ik-1)}/(a1+2・a2・Ik)] ・・・(3) ただし、Cは定数である。
Ik、及びそのときの導波路型のSHG素子34の出力
強度Lkについて、判定値導出式(3)により判定値を
各温度毎に求め、判定値導出式(3)による判定値が最
大の温度を最適温度Tthに設定する。
における、実測値Lk-1(Ik-1)、Lk(Ik)について
その変動量の比率である実測値Lk-1(Ik-1)、L
k(Ik)を結ぶ直線の傾きを求め、回帰曲線F(I)の
接線の傾きを求める。これら、実測値間の変動の比率で
ある傾きと回帰曲線の変動である接線の傾きが最も近い
ときの温度を最適温度Tthとする。
する回帰曲線の寄与度合を比較するものである。第2判
定法では、寄与度合として、回帰曲線から実測値までの
距離の総和の温度毎の大小によって判定するものであ
る。この第2判定法では、次の判定値導出式(4)を用
いる。
による判定値P(Tm)を求め、求めた判定値Pが最小
になる温調温度を最適温度Tthに設定する。
Tmにおいて、回帰曲線F(I)を求め、各実測値L
k(Ik)について、回帰曲線F(I)までの距離の総和
を求める。この総和は、隣り合う実測値{Lk(Ik),
Lk-1(Ik-1)}を結ぶ直線と回帰曲線F(I)とで囲
まれる領域(図8に斜線で示す領域)の面積を求めるこ
とに相当し、面積が小さいほど、実測値に対して回帰曲
線の寄与度合が大きいことになる。従って、この判定値
Pが最小になる温調温度を最適温度Tthに設定すること
で、実測値に対して回帰曲線の寄与度合が最大の温度を
決定することができる。
メモリ62に記憶する。これにより、メモリ62から読
み出すのみで、温調温度を最適温度Tthに容易に設定す
ることができる。
て、最適温度Tthを決定することが可能であるが、経時
変化によって最適温度Tthが変化する場合がある。そこ
で、一定の条件の下で繰り返し最適温度Tthを決定する
ことが好ましい。この一定の条件には、第1の例として
は、予め定めた所定期間(1日、1週間、1ヶ月、1年
など)の所定時期があり、この所定期間毎に、変換効率
特性rの測定、最適温度Tthの判定、再設定を実行す
る、ことがある。第2の例としては、オペレータなどの
走査指示による任意の時期があり、この任意の時期に、
変換効率特性rの測定、最適温度Tthの判定、再設定を
実行する、ことがある。
Tthが変動する場合があるが、この変動の履歴機能を有
するようにすれば、これを再利用することが可能とな
る。
における光源30の作動を説明する。この光源30の作
動時は、コントローラ60において、図9に示す処理ル
ーチンが実行される。
度Tthを決定するための一定の条件として所定時期であ
るか否かを判断し、肯定判断のときはステップ104へ
進み、否定判断のときはステップ102へ進み温度調整
フィードバック処理を実行した後に本ルーチンを終了す
る。この温度調整フィードバック処理は、設定値の温調
温度を維持する処理であり、測定温度と最適温度との差
異が生じたときにペルチエ素子50により熱エネルギを
印加し、最適温度を維持することを継続する処理であ
る。なお、光源30において最初に本ルーチンが実行さ
れる場合もステップ100では肯定される。
出の欄で説明したようにして求め、メモリ62に記憶さ
れた最適温度Tthを読み取る。なお、本実施の形態で
は、メモリ62に記憶された最適温度Tthを用いる場合
を説明するが、経時変化などの対応で、ステップ100
で肯定された場合、ステップ102では、最適温度Tth
の読み取りに代えて、上述の最適温度の導出の欄で説明
した手順により、最適温度Tthの導出処理を再度実行
し、求めた再実行結果の値を最適温度Tthとして更新す
る。
り温度を検出し、次のステップ108おいて許容温度か
否かを判断する。すなわち、検出器48の検出温度がス
テップ102で読み取った(または再設定した)温度に
対して予め定めた許容温度範囲内か否かを判断する。肯
定判断のときはステップ102へ進み温調フィードバッ
ク処理を継続して本ルーチンを終了する。
テップ110へ進み、ペルチエ素子50へ印加する電流
値を導出し、次のステップ112においてその電流値を
ペルチエ素子50へ印加する。ここでは測定温度と最適
温度とに差異が生じたときにその差異に相当するペルチ
エ素子50により印加すべき熱エネルギ対応する電流値
を導出して、その導出した電流値をペルチエ素子50へ
印加することで、熱エネルギを供給して、加熱または冷
却する。
12の処理が、温調フィードバック処理に相当する。
ック処理するか否かを判断する。温調フィードバック処
理は最適温度を維持するまで継続するが、環境が悪条件
であったり素子の不具合があったりする場合には、加熱
または冷却を繰り返すことになり、装置として不具合が
生じる場合がある。そこで、予め定めた所定時間以内の
継続を越えた場合や素子不具合が検出された場合を判断
条件とすることで、これを回避することができる。な
お、この場合、オペレータに報知することが好ましい。
最適温度または再設定した最適温度を、現在時間と共に
履歴として記憶する。この履歴は、最適温度に変動が生
じた場合にその変動時期を把握することが可能になると
共に、どの程度変動したのかを把握することが可能にな
る。また、最適温度に変動がない場合には、どの程度の
期間について最適温度を維持しているのかを把握するこ
とが可能になる。
のレーザ露光装置10では、入力された駆動信号によっ
て半導体レーザ32から射出された光ビームの波長を、
導波路型のSHG素子34により第2高調波に変換して
射出するにあたって、半導体レーザ32の駆動信号に、
予め定めた高周波信号を重畳して半導体レーザ32を駆
動すると共に、半導体レーザ32からフォトダイオード
40の間の素子が、最適温度Tthとなるようにペルチエ
素子50で加熱または冷却するための熱エネルギが印加
される。これによって、導波路型のSHG素子34にお
ける変換特性すなわち半導体レーザ32の駆動電流が増
加するに伴って導波路型のSHG素子34の出力が徐々
に増加する単調増加傾向になり、かつ温度調整により安
定的かつ効率的な出力が得られ、滑らかな変動特性を得
ることができる。
施の形態を説明する。本実施の形態では、導波路型のS
HG素子34において生じるノイズを効率的に抑制する
場合に適用したものである。なお、本実施の形態は、上
記の実施の形態とほぼ同様の構成のため、同一部分には
同一符号を付して詳細な説明を省略する。
高周波重畳による駆動及び温度調整を行うことで、レー
ザ露光装置10の光源30では、導波路型のSHG素子
34における変換特性が単調増加特性として得られる。
ところが、半導体レーザ32の高周波重畳駆動により、
半導体レーザ32の発振波長の変動すなわち波長シフト
は小さくなるが、半導体レーザ32の微細な変動(波長
の揺らぎ)が残存する。この波長の揺らぎは、導波路型
のSHG素子34で効率的に変換可能な波長域に許容さ
れる場合やそれを越える場合がある。これらの場合にあ
っては導波路型のSHG素子34の出力に影響する場合
がある。この波長の揺らぎによると、導波路型のSHG
素子34のノイズとして検出される場合が多い。
HG素子34のノイズが最小となる温度を最適温度とし
て決定するものである。
32の駆動電流に依存する。図11には、或る駆動電流
Iにおいて、温調温度Tを変化させた場合の導波路型の
SHG素子34のノイズ成分(%rms)の特性を示し
た。図から理解されるように、或る駆動電流Iに対して
ノイズ成分が最小となる温調温度Tが存在する。
jで、複数の温調温度Tu(uは任意の温度)、及びその
ときの導波路型のSHG素子34の出力強度Luにおけ
るノイズ成分Zuを求める。すなわち、一定の駆動電流
Ijの下で離散的に温調温度Tuを変化させ、この温調温
度Tuに対応する出力強度Luのノイズ成分Zuをu=0
〜M(Mは最大測定数)まで測定する。この測定を複数
の駆動電流で行う。
流Ijと温調温度Tuのときの導波路型のSHG素子34
のノイズ成分Zuが最小となる、温調温度Tuを最適温度
Tthと設定し、また駆動電流Ijとする。
変換を行う場合の駆動電流Iと温調温度Tとの関係を求
めることができ、ノイズを効率的に抑制することができ
る。
施の形態を説明する。本実施の形態では、導波路型のS
HG素子34において波長変換する変換効率を向上させ
る場合に適用したものである。なお、本実施の形態は、
上記の実施の形態とほぼ同様の構成のため、同一部分に
は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
で、導波路型のSHG素子34の変換効率が変動するこ
とを実験的に得ている。図12には、一定駆動電流にお
いて温調温度Tを変動させた場合における、導波路型の
SHG素子34の出力特性を示したものである。図から
理解されるように、導波路型のSHG素子34から一定
の出力を得ようとして半導体レーザ32を駆動する場
合、その駆動電流も変動することになる。ここで、半導
体レーザ32の寿命を考慮すると、半導体レーザ32の
駆動電流は極力小さい方が半導体レーザ32は長寿命に
なる。
HG素子34の変換効率が最大となる温度を最適温度と
して決定するものである。
いて、温調温度Tを変化させた場合の導波路型のSHG
素子34の変換効率は最大値を有するものとなる。そこ
で、半導体レーザ32を定電流駆動モードすなわち駆動
電流を一定にして、その任意の半導体レーザ32の駆動
電流Iwで、複数の温調温度Tv(vは任意の温度)、及
びそのときの導波路型のSHG素子34の出力強度Lv
を求める。すなわち、一定の駆動電流Iwの下で離散的
に温調温度Tvを変化させ、この温調温度Tvに対応する
出力強度Lvをv=0〜S(Sは最大測定数)まで測定
する。この測定を複数の駆動電流で行う。
流Iwと温調温度Tvのときの導波路型のSHG素子34
の出力強度Lvが最大となる、温調温度Tvを、駆動電流
Iwのときの最適温度Tthと設定する。
変換を行う場合の駆動電流Iと温調温度Tとの関係を求
めることができ、導波路型のSHG素子34による変換
効率を最大にできる温度を容易に設定でき、効率的に波
長変換をすることができる。
換特性が単調増加特性となるように半導体レーザの駆動
信号に高周波信号を重畳して半導体レーザから変換素子
の間の素子が予め定めた所定温度を維持させるので、変
換特性が単調増加傾向でかつ温調による安定的な出力で
得られ、滑らかな変動特性を得ることができる、という
効果がある。
を示すブロック図である。
路型の波長変換素子の出力特性を滑らかにすることを説
明するための説明図である。
装置の構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
長変換素子の出力特性を滑らかにすることの説明図であ
り、(A)は半導体レーザの駆動電流と出力との関係を
示し、(B)は、発振波長の変動を示し、(C)は発振
波長の安定化を示している。
導出する過程を説明するための測英値との回帰曲線の関
係を示す特性図である。
導出するときに、最適温度を判定する第1判定法の説明
図である。
導出するときに、最適温度を判定する第2判定法の説明
図である。
装置における光源を最適温度に設定する処理の流れを示
すフローチャートである。
による波長揺らぎにより導波路型の波長変換素子の変換
効率が変化することを説明する説明図である。
と導波路型の波長変換素子によるノイズ成分との関係を
示す特性図である。
と導波路型の波長変換素子の出力強度との関係を示す特
性図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 入力された駆動信号により光ビームを射
出する半導体レーザと、 前記半導体レーザから射出された光ビームの波長を第2
高調波に変換して該変換された波長の光ビームを射出す
る変換素子と、 前記半導体レーザから所定光量の光ビームを射出するた
めの信号に、予め定めた高周波信号を重畳した駆動信号
を生成して前記変換素子における変換特性が単調増加特
性となるように前記半導体レーザを駆動する駆動手段
と、 少なくとも前記半導体レーザから前記変換素子の間の素
子を加熱または冷却するための熱エネルギを印加する印
加手段と、 前記半導体レーザから前記変換素子の間の素子が予め定
めた所定温度を維持するように、前記印加手段を制御す
る制御手段と、 を備えたことを特徴とする半導体レーザ駆動装置。 - 【請求項2】 前記半導体レーザ駆動装置の制御手段に
おける予め定めた所定温度は、前記半導体レーザへ供給
する駆動信号のうち駆動電流について任意の駆動電流領
域で測定した有限の離散測定値に対して特定の関数形に
よる回帰曲線を求め、隣り合う測定点の測定値間の傾き
と、その何れかの測定点における回帰曲線の微分係数と
を複数の測定点について比較して決定することを特徴と
する請求項1に記載の半導体レーザ駆動装置。 - 【請求項3】 前記半導体レーザ駆動装置の制御手段に
おける予め定めた所定温度は、前記半導体レーザへ供給
する駆動信号のうち駆動電流について任意の駆動電流領
域で測定した有限の離散測定値に対して特定の関数形に
よる回帰曲線を求め、駆動電流と変換素子の出力との特
性図上で、隣り合う測定点を結ぶ直線と前記回帰曲線と
に囲まれる領域の大きさに基づいて決定することを特徴
とする請求項1に記載の半導体レーザ駆動装置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、前記変換素子で変換さ
れた光ビームのノイズが最小となるように、予め定めた
熱エネルギを印加するように前記印加手段を制御するこ
とを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ駆動装
置。 - 【請求項5】 前記制御手段は、前記変換素子の変換変
換効率が最大となるように、予め定めた熱エネルギを印
加するように前記印加手段を制御することを特徴とする
請求項1に記載の半導体レーザ駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002095480A JP2003298180A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 半導体レーザ駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002095480A JP2003298180A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 半導体レーザ駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003298180A true JP2003298180A (ja) | 2003-10-17 |
Family
ID=29387232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002095480A Pending JP2003298180A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 半導体レーザ駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003298180A (ja) |
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-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002095480A patent/JP2003298180A/ja active Pending
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