JP2003296917A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2003296917A
JP2003296917A JP2003017689A JP2003017689A JP2003296917A JP 2003296917 A JP2003296917 A JP 2003296917A JP 2003017689 A JP2003017689 A JP 2003017689A JP 2003017689 A JP2003017689 A JP 2003017689A JP 2003296917 A JP2003296917 A JP 2003296917A
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Jiyunichi Nakamigawa
順一 中三川
Shoichi Nishikawa
正一 西川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の磁気ヘッドでは飽和磁気記録ができな
い磁気記録媒体において、飽和磁気記録を行う。 【解決手段】 支持体上に非磁性層と、強磁性体微粉末
を結合剤中に分散してなる磁性層をこの順に設けてな
る、強磁性体微粉末の、振動試料型磁束計を用いた測定
による保磁力Hc(VSM)が、Hc(VSM)≧15
8kA/m、熱的な揺らぎのパラメータであるKuV/
kTが、KuV/kT≦100であるフレキシブル磁気
記録媒体の磁性層に、所定の情報に応じた磁化パターン
を磁気転写により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気転写により磁
化パターンが形成された磁気記録媒体に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】磁気記録媒体においては一般に、情報量
の増加に伴い、多くの情報を記録する大容量で、安価
で、かつ、好ましくは短時間で必要な箇所が読み出せ
る、いわゆる高速アクセスが可能な媒体が望まれてお
り、この一例として、ハードディスク、ZIP(アイオ
メガ社)等のフレキシブルディスクからなる高密度磁気
記録媒体が知られている。これらの高密度磁気記録媒体
は情報記録領域が狭トラックで構成されており、狭いト
ラック幅を正確に磁気ヘッドにより走査させて高いS/
Nで信号を再生するためには、いわゆるトラッキングサ
ーボ技術が大きな役割を担っている。 【0003】トラック位置決めのためのサーボ信号や、
そのトラックのアドレス信号、再生クロック信号等のサ
ーボ情報は、磁気記録媒体の製造時にプリフォーマット
として予め磁気記録媒体に記録する必要があり、現在は
専用のサーボ記録装置(サーボトラックライター)を用
いてプリフォーマットが行われている。従来のサーボ記
録装置によるプリフォーマットは、磁気記録媒体1枚ず
つ、磁気ヘッドにより記録する必要があるため、相当の
時間がかかり生産効率の点で問題がある。 【0004】一方、プリフォーマットを正確にかつ効率
よく行う方法として、マスター担体に形成されたサーボ
情報を担持するパターンを磁気記録媒体へ磁気転写によ
り転写する方法が、特許文献1〜3等において提案され
ている。 【0005】磁気転写は、転写すべき情報を担持するマ
スター担体を磁気ディスク媒体等の磁気記録媒体(スレ
ーブ媒体)と密着させた状態で、転写用磁界を印加する
ことにより、マスター担体の有する情報パターンに対応
する磁化パターンをスレーブ媒体に磁気的に転写するも
ので、マスター担体とスレーブ媒体との相対的な位置を
変化させることなく静的に記録を行うことができ、正確
なプリフォーマット記録が可能であり、しかも記録に要
する時間も極めて短時間であるという利点を有してい
る。 【0006】特許文献2および3においては、転写すべ
き情報を凹凸パターンとして有するパターンドマスター
担体を用いた磁気転写方法が開示されており、また、同
様にパターンドマスター担体を用いた磁気転写方法とし
て、本出願人が、マスター担体の基板の凸部表面に形成
される磁性層として保磁力の小さい軟磁性層を採用し、
スレーブ媒体の磁性層を予めトラックの一方向へ直流磁
化させた後、マスター担体の軟磁性層と密着させた状態
でスレーブ媒体の初期直流磁化方向と略反対方向に転写
用磁界を印加することにより、磁化パターンを転写する
方法を特許文献4等において提案している。 【0007】 【特許文献1】特開昭63−183623号公報 【0008】 【特許文献2】特開平10−40544号公報 【0009】 【特許文献3】特開平10−269566号公報 【0010】 【特許文献4】特開平2001−14667号 【0011】 【発明が解決しようとする課題】さて、磁気記録媒体に
おいては、高密度記録を行うためには記録層を構成する
磁性体の保磁力Hcを高くし、該磁性体の粒子体積を小
さくする必要があることが知られている。一方で、現状
の磁気ヘッド技術においては、磁気記録媒体の記録層に
磁化パターンを記録する際、所定の保磁力Hc以上の記
録層に対しては、飽和磁気記録が困難となるという問題
がある。また、磁気ヘッドによる高周波数の信号パター
ンの記録時には、実質的な保磁力が現実の保磁力Hcよ
り大きくなる傾向がある。 【0012】磁気記録媒体のデータ信号部分について
は、完全な飽和磁気記録がなされていなくても、すなわ
ち、情報を担持する磁化パターンを構成する各磁区が完
全に飽和磁化に達していなくても、PRML等の信号処
理により信号検出(再生)は可能である。しかしなが
ら、サーボ信号部分については、高精度なサーボフォロ
ーイングを行うために、データ信号部分よりもより高い
S/Nで高品位な再生信号を得る必要があり、飽和磁気
記録された磁化パターンとしてサーボ信号が記録されて
いることが求められる。 【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、磁気ヘッドでは飽和磁気記録できない磁気記
録媒体であって、飽和磁気記録された磁化パターンを有
する磁気記録媒体を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、支持体上に非磁性層と、強磁性体微粉末を結合剤中
に分散してなる磁性層をこの順に設けてなるフレキシブ
ル磁気記録媒体であって、前記強磁性体微粉末の、振動
試料型磁束計を用いた測定による保磁力Hc(VSM)
が、Hc(VSM)≧158kA/m、熱的な揺らぎの
パラメータであるKuV/kT(ここでKuは異方性定
数、Vは体積、kはボルツマン定数、Tは絶対温度であ
る。)が、KuV/kT≦100であり、所定の情報に
応じた磁化パターンが前記磁性層に磁気転写により形成
されたものであることを特徴とするものである。 【0015】前記強磁性体微粉末としては、強磁性金属
微粉末もしくは強磁性六方晶フェライト微粉末であるこ
とが好ましい。 【0016】なお、特に、Hc(VSM)≧278kA
/mであれば、読出し専用の磁気記録媒体として好適で
ある。 【0017】ここで、振動試料型磁束計を用いた保磁力
Hcは該保磁力近傍における観測時間10秒で行った値
とする。 【0018】なお、前記磁性層の粗さRa(中心面平均
粗さ)が3nm以下であることが好ましい。また、前記
磁性層の磁束密度×磁性層の厚み(φm)が5×10-2
・μm以下であることが好ましい。 【0019】前記強磁性体微粉末の体積Vは1×10-17
cm3以下であること好ましい。また、前記強磁性体微
粉末の異方性定数Kuは1×104J/m3以上であること
が好ましい。 【0020】「非磁性層」とは、完全に非磁性層である
もののみならず、磁性を有するものであっても、「強磁
性体微粉末を結合剤中に分散してなる磁性層」と比較し
て十分に小さく、実質的に非磁性であればよい。 【0021】なお、磁気記録媒体への磁化パターンの形
成は、表面に情報に応じた磁性層パターンを有するマス
ター担体と密着された状態で転写用磁界が印加されるこ
とにより、前記磁性層パターンに対応する磁化パターン
を転写する磁気転写方法により行うものであることが望
ましい。「情報に応じた磁性層パターン」とは、表面に
凹凸パターンを有する基板と該基板上の少なくとも凸部
に設けられた磁性層とからなるもの、凹凸パターンを有
する基板と該基板の凹部に磁性層が埋め込まれてなるも
の、平板基板とその上にパターン状に形成された磁性層
等種々の態様を含むものである。すなわち、上記マスタ
ー担体は、磁化パターンではなく磁性層パターンとして
情報を有する、所謂パターンドマスター担体である。な
お、マスター担体の磁性層としては、軟質磁性層が最適
である。 【0022】なお、前記「所定の情報」としてはサーボ
信号が好適である。 【0023】 【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、磁性層に含ま
れる強磁性体微粉末の、振動試料型磁束計を用いた測定
による保磁力Hc(VSM)が、Hc(VSM)≧15
8kA/m、熱的な揺らぎのパラメータであるKuV/
kTが、KuV/kT≦100であり、通常の磁気ヘッ
ドでの書き込み時の信号周波数において実質的な保磁力
が上昇するため、通常の磁気ヘッドでは飽和磁気記録す
ることができないが、所定の情報に応じた磁化パターン
が前記磁性層に磁気転写により形成されたものであるの
で、該磁化パターンとして磁気飽和記録されたものを得
ることができる。 【0024】文献”IEEE TRANS.ON MAG-17, NO.6,NOV.1
981pp3020-3022”に記載されているように、Hcの磁化
反転時間依存性は、 【数1】 で表され、Hc(VSM)で規格化すると、振動試料型
磁束計(VSM)によるHc近傍の測定時間は10秒程
度であるため、 【数2】 で表される。なおここで、Ku:異方性定数、Ms:飽
和磁化、k:ボルツマン定数(1.38×10-16erg/K)、
T:絶対温度、V:体積、A:スピン歳差周波数(2×1
09/sec)、τ:磁化反転時間である。 【0025】例えば、絶対温度T=300Kのとき、K
uV/kTが、75,100,150,200の場合の
Hc(τ)/Hc(VSM)のτに伴う変化は表1のよ
うになる。 【0026】 【表1】 図3は表1をグラフ化したものである。図3に示すよう
に、いずれもτが小さくなると実質的な保磁力が大きく
なる。また、同一τにおいて、KuV/kTが小さいも
のほど、実質的な保磁力が大きくなることが分かる。特
に、KuV/kTが100以下のとき、その実質的な保
磁力の磁化反転時間依存性が大きく、磁気ヘッドによる
書き込み、消去等の際の現状の信号周波数における磁化
反転時間1×10-7〜1×10-8でHc(VSM)の1.5
倍以上となっている。したがって、Hc(VSM)が1
58kA/m以上、かつ、KuV/kTが100以下で
あれば、上述の通り、磁気ヘッドでの書き込み時の信号
周波数における実質的な保磁力が非常に大きくなるた
め、現状の磁気ヘッドでは磁気記録媒体に飽和磁気記録
することができない。しかしながら、本発明の磁気記録
媒体は、磁気転写により書き込みが行われており、磁気
転写は静的に行うものであるために、書き込み時におい
ても実質的な保磁力の上昇を伴わず、磁気記録媒体の保
磁力Hcよりも十分に大きな転写磁界を印加することが
できるので、磁気ヘッドでは飽和磁気記録できない磁気
記録媒体においても、飽和磁気記録された信号(磁化パ
ターン)を有するものとすることができる。したがって
磁気転写により転写された磁化パターンがサーボ信号に
応じたものであれば、良好な再生サーボ信号を得ること
ができ、高精度のサーボフォローイングが可能な磁気記
録媒体を得ることができる。 【0027】なお、磁気転写を用いて所望の磁化パター
ンを形成しているので、コストを抑えた磁気記録媒体を
提供することができる。また、所定の情報としてサーボ
信号のみならずデータ信号も磁気転写により記録するよ
うにすれば、安価な配布用磁気記録媒体を作製すること
も可能となる。 【0028】なお、磁気記録媒体において、1Gbit/i
nch2以上の高密度記録を行うためには、微粒子の磁性体
を使用し、磁性層面を平滑にし、磁性層を薄くする必要
があること、詳細には、磁性層面が粗いと記録時のスペ
ーシングロスや変調ノイズが発生しS/Nが低下するこ
と、磁性層のφmが大きすぎると自己減磁による出力低
下や波形干渉によりS/Nが低下すること、磁性体粒子
が大きすぎるとノイズが増加すること、および異方性定
数が小さすぎると記録した磁化が消滅してしまいS/N
が低下することが本発明者らの研究により明らかになっ
た。さらに、より具体的には、磁性層の粗さRa(中心
面平均粗さ)が3nm以下、磁性層の磁束密度×磁性層
の厚み(φm)が5×10-2T・μm以下、強磁性体微粉
末の体積Vが1×10-17cm3以下、および/または強磁
性体微粉末の異方性定数Kuが1×104J/m3以上であ
れば、S/Nの低下を防止することができることが明ら
かになった。 【0029】すなわち、本発明の磁気記録媒体におい
て、特に、磁性層の粗さRa、φm、強磁性体微粉末の
体積Vおよび/または異方性定数Kuを上記範囲を満た
すものとすれば、良好なS/Nの高密度記録磁気記録媒
体とすることができる。 【0030】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。図1は、本発明の磁気転写用磁気記録媒体
2と該磁気記録媒体2へ情報を転写するためのマスター
担体3、4とを示す斜視図である。また、図2は本磁気
転写用磁気記録媒体2への磁気転写の基本工程を説明す
るための図である。 【0031】磁気転写用磁気記録媒体は、例えば、両面
または片面に磁気記録層が形成されたフレキシブルな円
盤状磁気記録媒体であり、図1に示す磁気記録媒体は、
円盤状の支持体2aの両面にそれぞれ磁気記録層2b,
2cが形成されてなるものである。より詳細には、支持
体2a上に実質的に非磁性である下地層が形成され、そ
の上に強磁性金属微粉末または強磁性六方晶フェライト
微粉末を結合剤中に分散してなる磁性層が形成されてな
る。この磁性層に含まれる強磁性金属微粉末または強磁
性六方晶フェライト微粉末は、振動試料型磁束計を用い
た測定による保磁力Hc(VSM)が、Hc(VSM)
≧158kA/m、熱的な揺らぎのパラメータであるK
uV/kTが、KuV/kT≦100を満たすものとす
る。なお、磁性層の粗さRa(中心面平均粗さ)が3n
m以下、磁性層の磁束密度×磁性層の厚み(φm)が5
×10-2T・μm以下、強磁性体微粉末の体積Vが1×10
-1 7cm3以下、強磁性体微粉末の異方性定数Kuが1×
104J/m3以上であることがより好ましい。 【0032】マスター担体3、4は図1に示すように、
円環状ディスクに形成されたものであり、スレーブ媒体
である磁気記録媒体2の記録再生層2b、2cに転写す
べき情報(例えばサーボ信号)に応じた凹凸パターンを
表面に有する基板3a、4aと、該基板3a、4aの凹
凸パターンに沿って形成された軟磁性層3b、4bとを
備えてなる。なお、マスター担体3、4には、それぞれ
スレーブ媒体2の下側記録層2b用の凹凸パターン、上
側記録層2c用の凹凸パターンが形成されている。マス
ター担体3を例に挙げると、凹凸パターンは、図中点線
で囲まれたドーナツ型の領域に形成されている。 【0033】なお、マスター担体3、4は、本実施の形
態の構成に限るものではなく、軟磁性層が基板の凹凸パ
ターンの凸部上面にのみ形成されていてもよい。さらに
は、平面状の基板表面の上に軟磁性層からなる凸部をパ
ターン状に形成した凸部自体が磁性層からなるものであ
ってもよい。 【0034】マスター担体3の基板3aとしては、ニッ
ケル、シリコン、石英板、ガラス、アルミニウム、セラ
ミックス、合成樹樹脂等が用いられる。また、軟磁性層
3bの磁性材料としては、Co、Co合金(CoNi、
CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金
(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlS
i、FeAl、FeTaN)、Ni、Ni合金(NiF
e)を用いることができ、特に好ましいのはFeCo、
FeCoNiである。 【0035】マスター担体の凹凸パターンの形成は、ス
タンパー法、フォトリソグラフィー法等を用いて行うこ
とができる。 【0036】基板の凹凸パターン上への軟磁性層3bの
形成は、磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法など
を用いて行う。軟磁性層の厚みは、50〜500nmの範囲
が好ましく、さらに好ましくは80〜300nmである。 【0037】なお、この凸部表面の軟磁性層の上に5〜
30nmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)等の保
護膜を設けることが好ましく、さらに潤滑剤層を設けて
も良い。また、軟磁性層と保護膜の間に、Si等の密着
強化層を設けてもよい。潤滑剤を設けることにより、ス
レーブ媒体との接触過程で生じるずれを補正する際の、
摩擦による傷の発生などの耐久性の劣化が改善される。 【0038】次に、本発明の磁気記録媒体へ磁気転写用
マスター担体を用いて磁化パターンを記録する磁気転写
方法の実施形態について図2を参照して説明する。図2
(a)は磁気記録媒体を初期直流磁化する工程、(b)
はマスター担体と磁気記録媒体とを密着して転写用磁界
Hduを印加する工程、(c)は磁気転写後の磁気記録媒
体の磁化状態を示す、それぞれ示すトラック長手方向の
一部断面図である。なお、図2において磁気記録媒体2
についてはその下側記録層2b側のみを示している。 【0039】まず、図2(a)に示すように、予め磁気記
録媒体2に初期直流磁界Hinをトラック方向に沿った一
方向に印加して磁気記録層2bの磁化を初期直流磁化さ
せておく。その後、図2(b)に示すように、この磁気記
録媒体2の記録層2b側の面とマスター担体3の凸部表
面の軟磁性層3b側の面とを密着させ、前記初期直流磁
界Hinとは逆向きに転写用磁界Hduを印加して磁気転写
を行う。その結果、図2(c)に示すように、磁気記録媒
体2の磁気記録層2bにはマスター担体3の凸部パター
ンに応じた情報(例えばサーボ信号)が磁気的に転写記
録される。ここでは、磁気記録媒体2の下側記録層2b
への下側マスター担体3による磁気転写について説明し
たが、図1に示すように、スレーブ媒体2の上側記録層
2cについても上側マスター担体4と密着させて下側記
録層と同様にして磁気転写を行う。磁気転写は片面ずつ
行ってもよいし、両面同時に行ってもよい。 【0040】また、マスター担体3の凹凸パターンが図
2のポジパターンと逆の凹凸形状のネガパターンの場合
であっても、初期磁界Hinの方向および転写用磁界Hdu
の方向を上記と逆方向にすることによって同様の情報を
磁気的に転写記録することができる。 【0041】なお、初期直流磁界および転写用磁界は、
スレーブ媒体の保磁力、マスター担体およびスレーブ媒
体の比透磁率等を勘案して定められた値を採用する必要
がある。 【0042】以下、本発明の実施例および比較例につい
て説明する。 【0043】Baフェライト磁性粉末を用い、Hc、K
uV/kT等の条件が異なるフレキシブル磁気ディスク
(実施例1〜9および比較例1、2)を作製し、各磁気
ディスクについて、磁気ヘッドによる信号記録してその
再生信号におけるS/N1の測定、および磁気転写で信
号を記録してその再生信号におけるS/N2の測定を行
い評価した。 【0044】磁気特性の測定は、振動試料型磁束計(東
英工業社製)を用いて行った。最大印加磁場10kOe
(796kA/m)、Hc近傍の観測時間は10秒とし
た。 【0045】異方性定数の測定は、東英工業社製の磁気
トルクメーターRTR−2を用いて行った。消磁した試
料に低磁場から10kOe(796kA/m)までの回
転ヒステリシス損失Wrの値を順次測定した。印加磁界
の逆数(1/H)に対してプロットし、高印加磁場側に
おいてWrが0になる磁場をWrカーブの直線部分を外
挿して求めHkとし、Ku=Hk×Ms/2(Msは飽
和磁化)から求めた。 【0046】S/N1は、Guzik社製RWA1601リ
ードライトアナライザーと協同電子システム社製スピン
スタンドLS90、記録コアのギャップ長0.4μm、
材質パーマロイ/シールドギャップ長0.25μm/再
生トラック幅2μmのインダクティブ/MR複合ヘッド
を用い、磁気ディスクの半径22mmの位置において、
記録波長150kfci(flux change per inch)の信号を
記録した後、ヘッド増幅器の再生出力をアドバンテスト
社製TR4171型スペクトラムアナライザで測定して
得た。 【0047】S/N2は、前述の実施形態のようにして
磁気転写により波長150kfciの信号を記録し、Guzik
社製RWA1601リードライトアナライザーと協同電
子システム社製スピンスタンドLS90、記録コアのギ
ャップ長0.4μm、材質パーマロイ/シールドギャッ
プ長0.25μm/再生トラック幅2μmのインダクテ
ィブ/MR複合ヘッドを用い、磁気ディスクの半径22
mmの位置における、ヘッド増幅器の再生出力をアドバ
ンテスト社製TR4171型スペクトラムアナライザで
測定して得た。 【0048】実施例1〜9として、Hc(VSM)≧1
58kA/m、KuV/kT≦100を満たす磁気ディ
スクを用意し、一方、比較例1として、KuV/kT≦
100を満たすがHc(VSM)が158kA/mより
小さい磁気ディスク、比較例2として、Hc(VSM)
≧158kA/mを満たすが、KuV/kTが100よ
り大きい磁気ディスクを用意した。各実施例および比較
例の磁性体微粉末のサイズ、保磁力Hc、熱揺らぎパラ
メータKuV/kT等の条件および測定結果は表2に示
す通りである。なおここでは、磁化パターン記録前の各
磁気ディスクを実施例および比較例と称している。 【0049】 【表2】 表2において、板径、板厚は、それぞれ六方晶Baフェ
ライト結晶についての六角形の対向する頂点間の距離
(六角板径)および厚みである。 【0050】実施例1〜9は磁気ヘッドで記録したとき
のS/N1の測定値は全て20dB未満であるが、S/
N2の測定値は全て20dB以上となった。20dB以
上のSN比であれば、サーボ信号の再生信号として十分
である。 【0051】一方、比較例1は、磁気ヘッドで記録した
ときのS/N1の測定値と磁気転写で記録したときのS
/N2の測定値が共に20dB未満であり、サーボ信号
が十分に読み出せない状態であった。また、比較例2は
磁気ヘッドで記録したときのS/N1の測定値が20d
Bであり、磁気ヘッドでサーボ信号を記録することが可
能である。 【0052】このように、本発明のHcおよびKuV/
kTの条件を満たす実施例1〜9は、磁気ヘッドでは良
好な磁化パターンの形成が困難であるが、磁気転写によ
り良好な磁化パターンの形成が可能な磁気記録媒体であ
った。一方、本発明の条件を満たさない比較例1は磁気
転写によっても良好な磁化パターンの形成が行えず、磁
気ヘッドによる記録信号にも磁気転写による信号記録に
も適さない磁気記録媒体であった。また、比較例2は磁
気ヘッドによっても良好な磁化パターンの形成が可能で
あり、必ずしも磁気転写を行う必要のない磁気記録媒体
であった。 【0053】また、実施例1〜9において、磁性層の粗
さRaが3nm以下、かつ、磁性層の磁束密度×磁性層
の厚み(φm)が5×10-2T・μm以下、かつ、強磁性
体微粉末の体積Vは1×10-17cm3以下、かつ、強磁性
体微粉末の異方性定数Kuは1×104J/m3以上の条件
を満たしている実施例1〜5は特にS/N2の測定値
が、これらのいずれかの条件が不足している実施例6〜
9のS/N2の測定値と比較して高く、より好ましいも
のであることが明らかになった。
【図面の簡単な説明】 【図1】スレーブ媒体とマスター担体とを示す斜視図 【図2】磁気転写方法の基本工程を示す図 【図3】表1のグラフを示す図 【符号の説明】 2 磁気転写用磁気記録媒体 2a 磁気記録媒体の基板 2b、2c 磁気記録媒体の磁気記録層 3、4 マスター担体

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上に非磁性層と、強磁性体微粉末
    を結合剤中に分散してなる磁性層をこの順に設けてなる
    フレキシブル磁気記録媒体であって、 前記強磁性体微粉末の、振動試料型磁束計を用いた測定
    による保磁力Hc(VSM)が、Hc(VSM)≧15
    8kA/m、熱的な揺らぎのパラメータであるKuV/
    kT(ここでKuは異方性定数、Vは体積、kはボルツ
    マン定数、Tは絶対温度である。)が、KuV/kT≦
    100であり、 所定の情報に応じた磁化パターンが前記磁性層に磁気転
    写により形成されたものであることを特徴とする磁気記
    録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI547706B (zh) * 2015-07-28 2016-09-01 中國鋼鐵股份有限公司 粉體磁力性質之測量方法及其測量座
US9818517B2 (en) 2013-03-26 2017-11-14 Fujifilm Corporation Hexagonal ferrite magnetic particles, magnetic recording powder, and magnetic recording medium

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