JP2001014671A - 磁気転写方法および磁気転写装置 - Google Patents

磁気転写方法および磁気転写装置

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JP2001014671A
JP2001014671A JP2000090270A JP2000090270A JP2001014671A JP 2001014671 A JP2001014671 A JP 2001014671A JP 2000090270 A JP2000090270 A JP 2000090270A JP 2000090270 A JP2000090270 A JP 2000090270A JP 2001014671 A JP2001014671 A JP 2001014671A
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slave medium
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JP2000090270A
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Kazunori Komatsu
和則 小松
Makoto Nagao
信 長尾
Shoichi Nishikawa
正一 西川
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気転写によって、磁気パターンの位置によ
らずに高品位の転写パターンを磁気転写用マスター担体
からスレーブ媒体へ転写する。 【解決手段】 磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永
久磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行
であって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレー
ブ媒体面に垂直となるように設け、スレーブ媒体あるい
は2個の永久磁石をトラック方向に回転させ、スレーブ
媒体面のトラック方向に磁界を印加することにより、あ
らかじめスレーブ媒体磁化をトラック方向に初期直流磁
化した後、磁気転写用マスター担体と上記初期直流磁化
したスレーブ媒体とを密着させ、スレーブ媒体面の初期
直流磁化方向と逆向きのトラック方向に転写用磁界を印
加させ磁気転写を行う磁気転写方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に多
くの情報を一度に記録する方法に関し、とくに大容量、
高記録密度の磁気記録媒体への記録情報の転写方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】デジタル画像の利用の進展等で、パソコ
ン等で取り扱う情報量が飛躍的に増加している。情報量
の増加によって、情報を記録する大容量で安価で、しか
も記録、読み出し時間の短い磁気記録媒体が求められて
いる。ハードディスク等の高密度記録媒体や、ZIP
(アイオメガ社)に代表される高密度のフロッピー(登
録商標)ディスク型の磁気記録媒体では、一般のフロッ
ピーディスクに比べて情報記録領域は狭トラックで構成
されており、狭いトラック幅を正確に磁気ヘッドを走査
し、信号の記録と再生を高S/N比で行うためには、ト
ラッキングサーボ技術を用いて正確な走査を行うことが
必要である。
【0003】そこで、ハードディスク、リムーバル型の
磁気記録媒体のような大容量の磁気記録媒体では、ディ
スクの1周のなかである間隔でトラッキング用のサーボ
信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等が記録さ
れた、いわゆるプリフォーマットがなされている。磁気
ヘッドはこのプリフォーマットの信号を読みとって自分
の位置を修正することで正確にトラック上を走行するこ
とが可能となっている。
【0004】現在のプリフォーマットはディスクを専用
のサーボ記録装置を用いて、1枚ずつ、1トラックずつ
記録して作製される。サーボ記録装置は高価であるこ
と、プリフォーマット作製に長時間を要するために製造
に長時間を要し、製造コストにも影響を及ぼすという問
題があった。そこで、1トラックずつプリフォーマット
を行わずに磁気転写で行う方式も提案されている。例え
ば、特開昭63−183623号公報、特開平10−4
0544号公報、および特開平10−269566号公
報に転写技術が紹介されている。しかしながら、磁気転
写方法において転写時に印加する磁界の条件およびその
磁界を発生するための具体的な手段をはじめとして、実
際に即した提案は行われてこなかった。
【0005】そこで、こうした従来の問題点を解決する
記録方法として、特開昭63−183623号公報や特
開平10−40544号公報において、基体の表面に情
報信号に対応する凹凸形状が形成された凹凸形状の少な
くとも凸部表面に強磁性薄膜が形成された磁気転写用マ
スター担体の表面を、強磁性薄膜あるいは強磁性粉塗布
層が形成されたシート状もしくはディスク状磁気記録媒
体の表面に接触、あるいはさらに交流バイアス磁界、あ
るいは直流磁界を印加して凸部表面を構成する強磁性材
料を励磁することによって、凹凸形状に対応する磁化パ
ターンを磁気記録媒体に記録する方法が提案されてい
る。
【0006】この方法では、磁気転写用マスター担体の
凸部表面をプリフォーマットすべき磁気記録媒体、すな
わちスレーブ媒体に密着させて同時に凸部を構成する強
磁性材料を励磁することにより、スレーブ媒体に所定の
フォーマットを形成する転写による方法であり、磁気転
写用マスター担体とスレーブ媒体との相対的な位置を変
化させることなく静的に記録を行うことができ、正確な
プリフォーマット記録が可能であるという特徴を有して
いる。しかも記録に要する時間も極めて短時間であると
いう特徴を有している。すなわち、前述した磁気ヘッド
から記録する方法では、通常数分から数十分は必要であ
り、且つ記録容量に比例して転写に要する時間はさらに
長くなるという問題があったが、この磁気転写法である
と、記録容量や記録密度に関係なく1秒以下で転写を完
了させることができると言う特徴と有している。
【0007】図1を参照して、磁気転写用マスター担体
におけるプリフォーマット用のパターンの転写を説明す
る。図1(A)は磁気転写用マスター担体の磁性層面を
模式的に説明した平面図であり、図1(B)は転写過程
を説明する断面図である。磁気転写用マスター担体1の
トラックの所定の領域に、転写すべきトラッキング用の
サーボ信号やアドレス信号のパターンを形成したプリフ
ォーマット領域2とデータ領域3が形成されており、磁
気転写用マスター担体1とスレーブ媒体4とを密着させ
てトラック方向5の転写用外部磁界6を加えることによ
ってプリフォーマット情報をスレーブ媒体側に記録情報
7として転写することができるので、効率的にスレーブ
媒体を製造することができるものである。ところが、こ
のよう方法によって転写を行った場合には、情報信号品
位が悪いものが生じることがあり、サーボ動作が不正確
となるものが生じる場合があることが明かとなった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気転写用
マスター担体とスレーブ媒体とを密着させて外部磁界を
印加してプリフォーマットパターンの転写によって作製
したスレーブ媒体のサーボ動作が不正確となることを防
止して安定的な転写方法および装置を提供することを課
題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板の表面の
情報信号に対応する部分に磁性層が形成された磁気転写
用マスター担体と転写を受ける磁気記録媒体からなるス
レーブ媒体とを密着させて転写用磁界を印加する磁気転
写方法において、磁極の軸に対称な磁界を有する2個の
永久磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平
行であって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレ
ーブ媒体面に垂直となるように設け、スレーブ媒体ある
いは2個の永久磁石をトラック方向に回転させ、スレー
ブ媒体面のトラック方向に磁界を印加することにより、
あらかじめスレーブ媒体磁化をトラック方向に初期直流
磁化した後、磁気転写用マスター担体と上記初期直流磁
化したスレーブ媒体とを密着させ、スレーブ媒体面の初
期直流磁化方向と逆向きのトラック方向に転写用磁界を
印加させ磁気転写を行う磁気転写方法である。
【0010】基板の表面の情報信号に対応する部分に磁
性層が形成された磁気転写用マスター担体と転写を受け
る磁気記録媒体からなるスレーブ媒体とを密着させて、
転写用磁界を印加する磁気転写方法において、スレーブ
媒体面のトラック方向に磁界を印加し、あらかじめスレ
ーブ媒体磁化をトラック方向に初期直流磁化した後、磁
気転写用マスター担体と上記初期直流磁化したスレーブ
媒体を密着させた密着体に対して、磁極の軸に対称な磁
界を有する2個の永久磁石を隣接して、相互の永久磁石
の磁極の方向が平行であって互いに逆方向となるよう
に、磁極の軸を密着体面に垂直となるように配設し、2
個の永久磁石あるいは磁気転写用マスター担体とスレー
ブ媒体の密着体をトラック方向に回転させ、初期直流磁
化方向と逆向きのトラック方向の転写用磁界を印加さ
せ、磁気転写を行う磁気転写方法である。
【0011】磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永久
磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行で
あって互いに反対側となるように、磁極の軸をスレーブ
媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界の
トラック方向における磁界強度分布がスレーブ媒体の保
磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置で少な
くとも1カ所以上有する前記の磁気転写方法である。
【0012】磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永久
磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行で
あって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレーブ
媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界の
トラック方向における磁界強度分布が、スレーブ媒体の
保磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置で一
方向のみで有しており、逆方向の磁界強度はいずれのト
ラック方向位置でもスレーブ媒体の保磁力Hcs未満であ
る前記の磁気転写方法である。
【0013】磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永久
磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行で
あって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレーブ
媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界の
トラック方向磁界強度分布において、最適転写磁界強度
範囲の最大値を超える磁界強度がいずれのトラック方向
位置でも存在せず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強度
となる部分が一つのトラック方向で少なくとも1カ所以
上存在し、これと逆向きのトラック方向の磁界強度がい
ずれのトラック方向位置においても最適転写磁界強度範
囲の最小値未満である前記の磁気転写方法である。最適
転写磁界強度がスレーブ媒体の保磁力Hcsに対して0.
6×Hcs〜1.3×Hcsである前記の磁気転写方法であ
る。
【0014】また、基板の表面の情報信号に対応する部
分に磁性層が形成された磁気転写用マスター担体と転写
を受ける磁気記録媒体からなるスレーブ媒体とを密着さ
せて転写用磁界を印加する磁気転写装置において、磁極
の軸に対称な磁界を有する2個の永久磁石を隣接して、
相互の永久磁石の磁極の方向が平行であって互いに逆方
向となるように、磁極の軸をスレーブ媒体面に垂直とな
るように配設し、スレーブ媒体あるいは2個の永久磁石
をトラック方向に回転させ、スレーブ媒体面のトラック
方向に磁界を印加することにより、あらかじめスレーブ
媒体磁化をトラック方向に初期直流磁化する初期直流磁
化手段、磁気転写用マスター担体と上記初期直流磁化し
たスレーブ媒体とを密着させる密着手段、スレーブ媒体
面の初期直流磁化方向と逆向きのトラック方向に転写用
磁界を印加させる転写磁界印加手段を有する磁気転写装
置である。
【0015】基板の表面の情報信号に対応する部分に磁
性層が形成された磁気転写用マスター担体と転写を受け
る磁気記録媒体からなるスレーブ媒体とを密着させて、
転写用磁界を印加する磁気転写装置において、スレーブ
媒体面のトラック方向に磁界を印加し、あらかじめスレ
ーブ媒体磁化をトラック方向に初期直流磁化する初期直
流磁化手段、磁気転写用マスター担体と上記初期直流磁
化したスレーブ媒体を密着させる密着手段、磁極の軸に
対称な磁界を有する2個の永久磁石を隣接して、相互の
永久磁石の磁極の方向が平行であって互いに逆方向とな
るように、磁極の軸をマスター担体とスレーブ媒体の密
着体面に垂直となるように設け、スレーブ媒体あるいは
2個の永久磁石をトラック方向に回転させ、初期直流磁
化方向と逆向きのトラック方向の転写用磁界を印加させ
る転写磁界印加手段を有する磁気転写装置である。
【0016】磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永久
磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行で
あって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレーブ
媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界の
トラック方向における磁界強度分布がスレーブ媒体の保
磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置で少な
くとも1カ所以上有する前記の磁気転写装置である。
【0017】磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永久
磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行で
あって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレーブ
媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界の
トラック方向における磁界強度分布が、スレーブ媒体の
保磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置で一
方向のみで有しており、逆方向の磁界強度はいずれのト
ラック方向位置でも、スレーブ媒体の保磁力Hcs未満で
ある前記の磁気転写装置である。
【0018】磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永久
磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行で
あって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレーブ
媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界の
トラック方向磁界強度分布において、最適転写磁界強度
範囲の最大値を超える磁界強度がいずれのトラック方向
位置でも存在せず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強度
となる部分が一つのトラック方向で少なくとも1カ所以
上存在し、これと逆向きのトラック方向の磁界強度がい
ずれのトラック方向位置においても、最適転写磁界強度
範囲最小値未満である前記の磁気転写装置である。最適
転写磁界強度が保磁力Hcsに対して0.6×Hcs〜1.
3×Hcsである前記の磁気転写装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者らは、磁気転写用マスタ
ー担体とスレーブ媒体とを密着させて外部より転写用磁
界を印加した際に、転写が不安定で信号品位が低下した
部分が生じるのは、転写時に印加する磁界が適切でない
ために信号品位が低下することが原因であることを見い
だし本発明を想到したものである。磁気転写用マスター
担体からスレーブ担体への磁気転写においては、スレー
ブ媒体の保持力Hcsよりも高い外部磁界を印加すると、
スレーブの磁化状態がすべて印加した方向に磁化し、こ
のために本来転写すべきパターンの記録が行なわれない
と一般には考えられていた。例えば、特開平10−40
544号公報においても、段落番号0064において、
磁気記録媒体の保持力と同程度以下とすることが好まし
いことが記載されている。
【0020】しかしながら、本発明者等の検討によって
本方式における磁気転写の原理は図1に示す様に、磁気
転写用マスター担体1のスレーブ媒体4に実質的に接触
している凸の磁性層部分では転写用外部磁界6は、その
凸部分へ吸収される磁界6aとなり、接触しているスレ
ーブ媒体4の磁性層では記録できる磁界強度とならない
が、磁気転写用マスター担体1のスレーブ媒体4に接触
していない凹の部分に対応するスレーブ媒体4の磁性層
では記録できる磁界強度となり、図の7に示す様に転写
用外部磁界6の方向に磁化され、磁気転写用マスター担
体1のプリフォーマット用パターンをスレーブ媒体4へ
記録情報7として転写することができるものであること
が判明した。
【0021】したがって、磁気転写用マスター担体から
スレーブ媒体への転写の際には、スレーブ媒体と接触し
ている部分は多くの磁界が磁気転写用マスター担体のパ
ターン部に入るために、スレーブ媒体には、保磁力Hcs
よりも高い転写磁界を印加しても反転しないものと考え
られる。そして、スレーブ媒体の保磁力Hcsと比較して
特定の関係の強度を有する転写用磁界を適用することに
よって信号品位の高いスレーブ媒体を得ることができ
る。
【0022】明瞭な転写をいかなるパターンにおいても
実現するためには、スレーブ媒体をあらかじめ一方向に
スレーブ媒体を十分大きな磁界で、保磁力Hcs以上、好
ましくはHcsの1.2倍以上で初期直流磁化しておき、
特定の強度の転写用磁界、すなわち最適転写磁界強度範
囲の磁界を印加するものであり、好ましい転写用磁界
は、 0.6×Hcs≦転写用磁界≦1.3×Hcs であり、その向きは初期直流磁化の向きと逆向きに印加
するものである。また、転写用磁界はより好ましくは
0.8〜1.2Hcsであり、更に好ましくは1〜1.1
csである。
【0023】また、サーボ用のプリフォーマットを行う
磁気記録媒体は、円盤状の記録媒体であり、回転の中心
から同心円状に描かれたトラックに沿って情報を記録し
ている。このような円盤状磁気記録媒体において、放射
状のパターンを転写する磁界印加方法は、スレーブ媒体
面のトラック方向、すなわち任意のトラック方向位置で
円弧の接線方向に磁界を印加しあらかじめスレーブ媒体
磁化をトラック方向に初期直流磁化する。
【0024】次いで、磁気転写用マスター担体と上記初
期直流磁化したスレーブ媒体を密着させスレーブ媒体面
のトラック方向に転写用磁界を印加させ磁気転写を行う
が、あらかじめスレーブ媒体にトラック方向磁界を印加
し初期直流磁化させた方向と磁気転写を行うために印加
する転写用磁界とがスレーブ媒体面において逆向きであ
ることが必要である。
【0025】したがって円盤状媒体の全面にわたって上
記印加磁界条件の磁界を印加するためには、スレーブ媒
体の保磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置
で少なくとも1カ所以上有する様な磁界強度分布の磁界
をトラック方向の一部分で発生させ、スレーブ媒体ある
いは磁界をトラック方向に1周の回転をさせることによ
り初期直流磁化を実現することができる。
【0026】また、スレーブ媒体の保磁力Hcs以上の磁
界強度部分をトラック方向位置で一方向のみで有してお
り、逆方向の磁界強度はいずれのトラック方向位置でも
スレーブ媒体の保磁力Hcs未満である様な磁界強度分布
の磁界をトラック方向の一部分で発生させ、スレーブ媒
体あるいは磁界をトラック方向に1回転させることによ
り、あらかじめスレーブ媒体磁化をトラック方向に初期
直流磁化するための磁界を印加することができる。
【0027】そして、最適転写磁界強度範囲の最大値を
越える磁界強度がいずれのトラック方向位置でも存在せ
ず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強度となる部分が一
つのトラック方向で少なくとも一カ所以上存在し、これ
と逆向きのトラック方向の磁界強度がいずれのトラック
方向位置においても最適転写磁界強度範囲の最小値未満
である様な磁界強度分布の磁界をトラック方向の一部分
で発生させ、磁気転写用マスター担体と初期直流磁化し
たスレーブ担体を密着させた状態でトラック方向に回転
させるかあるいは磁界をトラック方向に回転させること
により、スレーブ媒体面のトラック方向に転写用磁界を
印加することによっても実現できる。
【0028】また、初期直流磁化および磁気転写に用い
る永久磁石は、スレーブ媒体の一端のトラックから他端
のトラックまでの距離と同程度の大きさ、もしくはその
距離よりも大きいものが好ましく、円盤状のスレーブ媒
体にあってはスレーブ媒体の最外周トラックから最内周
トラックまでの半径方向距離と同程度の大きさもしくは
その距離よりも大きいものが好まれる。このような大き
さのものを用いることによってスレーブ媒体、スレーブ
媒体と磁気転写用マスター担体との密着体、もしくは永
久磁石のいずれかをトラック全長にわたって一方向に移
動させるか1周の回転をするのみでスレーブ媒体面に均
一な磁界を与えることが可能となる。また、永久磁石を
用いて印加する磁界強度は全トラック位置において均一
なものが要求され、そのばらつきの大きさは全トラック
位置で±5%以内が好ましく、さらには±2.5%以内
とすることがより好ましい。
【0029】以下に図面を参照して、転写方法および転
写装置について説明する。図2は、スレーブ媒体面の一
方の面に、2個の永久磁石を隣接して配設した磁界の印
加方法を説明する図である。図2(A)は、スレーブ媒
体4の少なくとも一方の面に、2個の永久磁石8a、8
bを、相互の磁極の方向が反対、すなわち隣接する磁極
が反対の極性となるように、それぞれの磁極の軸をスレ
ーブ媒体に垂直に配置したものである。このように配置
した状態で、スレーブ媒体4を回転する例を示してい
る。以上のようにスレーブ媒体4の少なくとも一方の面
に、2個の永久磁石8a、8bを、相互の磁極の方向が
反対、すなわち隣接する磁極が反対の極性となるよう
に、それぞれの磁極の軸をスレーブ媒体に垂直に配置し
たので、図2(B)に示すように、永久磁石8aの磁界
は隣接するもう一対の永久磁石8bへと向かう磁界が生
じ、スレーブ媒体4の面に対して、磁界9が与えられ
る。
【0030】図2(C)は、スレーブ媒体に与えられる
磁界強度を示す図である。スレーブ媒体に与えられる磁
界には、スレーブ媒体の保磁力Hcsを超えるピーク10
が存在しており、スレーブ媒体を回転させるか、あるい
は2個の磁石を回転させることによってスレーブ媒体を
初期直流磁化をすることができる。また、同様の方法に
よってスレーブ媒体と磁気転写用マスター担体とを密着
させて、初期直流磁化と逆方向の磁界を与えることによ
って磁気転写用マスター担体のパターンをスレーブ媒体
へ転写することができる。隣接して配置された磁石の間
の距離は、隣接する磁石によって形成される磁界がスレ
ーブ担体に対してスレーブ担体の保磁力以上の強度の磁
界を与えることが可能な距離に配置されれば良い。
【0031】図3は、磁気転写用マスター担体からスレ
ーブ媒体への転写方法を説明する図である。図3(A)
は、スレーブ媒体と磁気転写用マスター担体との密着体
への磁界の印加を説明する図であり、図3(B)は、図
3(A)の磁界の印加によって与えられる磁界の強度を
説明する図である。スレーブ媒体4を磁気転写用マスタ
ー担体1と密着させた密着体11の上面に、磁極の軸に
対して対称な磁界を有する永久磁石8a、8bを隣接す
る磁極が反対となるように隣接して配置した状態で、そ
れぞれの磁極の軸を密着体に垂直に配置し密着体11を
回転する例を示している。密着体11の上面に設けた単
一の永久磁石8a、8bは隣接する磁極が反対となるよ
うに配置したので、永久磁石8aから永久磁石8bへと
向かう磁界が生じ密着体11に対して、転写磁界12が
与えられる。
【0032】図3(B)は、磁気転写用マスター担体と
密着したスレーブ媒体に与えられる磁界強度を示す図で
ある。スレーブ媒体に与えられる磁界のうち強度の小さ
なピーク13は、最適転写磁界強度範囲に比べて遙かに
小さいので磁気転写用マスター担体からスレーブ媒体へ
のパターンの転写には何ら影響を与えず、強度の大きな
ピーク14のみが、磁気転写に寄与することとなる。ま
た、強度の大きなピーク14は、磁気転写用マスター担
体からスレーブ媒体への最適転写磁界強度範囲に含まれ
る磁界を与えることによってパターンの形状に係わらず
良好なパターンを形成することが可能となる。
【0033】また、図2および図3で示した磁気転写方
法に用いる装置には、スレーブ媒体面と永久磁石との距
離、および隣接する永久磁石の間の距離を任意に調整し
得る機構が設けられており、スレーブ媒体と永久磁石と
の間の距離、永久磁石間の距離を調整することにより、
スレーブ媒体面で所望の磁界強度が得られる。
【0034】本発明の磁気転写に使用する磁気転写用マ
スター担体の製造方法について説明する。磁気転写用マ
スター担体用の基板としては、シリコン、石英板、ガラ
ス、アルミニウム等の非磁性金属または合金、セラミッ
クス、合成樹脂等の表面が平滑な板状体であり、エッチ
ング、成膜工程での温度等の処理環境に耐性を有するも
のを用いることができる。表面が平滑な基板にフォトレ
ジストを塗布し、プリフォーマットのパターンに応じた
フォトマスクを用いて露光、現像したり、あるいはフォ
トレジストを直接にけがく等の方法によってフォトレジ
ストにプリフォーマットの情報に応じたパターンを形成
する。
【0035】次いで、エッチング工程において、反応性
エツチング、アルゴンプラズマを用いた物理的エッチン
グ、液体を用いたエッチング等の基板に応じたエッチン
グ手段によって、パターンに応じて基板のエッチングを
行う。エッチングによって形成する穴の深さは、転写情
報記録部として形成する磁性層の厚さに相当する深さと
するが、20nm以上1000nm以下であることが好
ましい。厚すぎると磁界の広がり幅が大きくなるので望
ましくない。
【0036】形成する穴は、底面が基板の表面に平行な
平面で形成されるような深さが均等な穴を形成すること
が好ましい。また、穴の形状は、面に垂直なトラック方
向の断面が長方形の形状であることが好ましい。
【0037】次いで、磁性材料を真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、
めっき法により形成した穴に対応した厚さで基板の表面
まで磁性材料を成膜する。転写情報記録部の磁気特性
は、抗磁力(Hc)は199kA/m(2500Oe)
以下、好ましくは0.4〜119kA/m(5〜150
0Oe)であり、飽和磁束密度(Bs)としては、0.
3T(テスラ)以上、好ましくは0.5T以上である。
次いで、フォトレジストをリフトオフ法で除去し、表面
を研磨して、ばりがある場合は取り除くとともに、表面
を平坦化する。
【0038】以上の説明では、基板に穴を形成し、形成
した穴に磁性材料を成膜する方法について述べたが、フ
ォトファブリーケション法によって基板上の所定の箇所
に、磁性材料を成膜して転写情報記録部の凸部を形成し
た後に、凸部の間に非磁性材料を成膜あるいは充填し、
転写情報記録部と非磁性材料部の表面を同一平面として
も良い。
【0039】また、磁性層に用いることができる磁性材
料としては、磁束密度が大きなコバルト、鉄あるいはそ
れらの合金を用いることができる。具体的には、Co、
CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPt
CrNbTa、CoCrB、CoNi、Fe、FeC
o、FePt等を挙げることができる。また、磁性層の
厚さとしては、20〜1000nmであり、好ましくは
30ないし500nmである。あまり厚いと記録分解能
が低下する。
【0040】とくに、磁束密度が大きく、スレーブ媒体
と同じ方向、例えば面内記録の場合には面内方向、垂直
記録の場合には垂直方向の磁気異方性を有していること
が明瞭な転写が行うためには好ましい。磁性材料は、細
かな磁気粒子又はアモルファス構造を有していることが
鋭利なエッジが形成できる点からも好ましい。
【0041】また、磁気材料に磁気異方性を形成するた
めには、非磁性の下地層を設けることが好ましく、結晶
構造と格子常数を磁性層と同様のものとすることが必要
である。具体的には、そのような下地層としては、C
r、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、NiA
l、Ru等をスパッタリングによって成膜することがで
きる。
【0042】また、磁性層の上にダイヤモンド状炭素膜
等の保護膜を設けても良く、潤滑剤を設けても良い。保
護膜として5〜30nmのダイヤモンド状炭素膜と潤滑
剤が存在することが更に好ましい。その上に潤滑剤が設
けられていることが必要な理由は、スレーブとの接触過
程で生じるずれを補正する際に摩擦が生じ、潤滑剤層が
ないと耐久性が不足するためである。
【0043】本発明の磁気転写用マスター担体は、ハー
ドディスク、大容量リムーバル型磁気記録媒体等のディ
スク型磁気記録媒体への磁気記録情報の転写のみではな
く、カード型磁気記録媒体、テープ型磁気記録媒体への
磁気記録情報の転写にも用いることができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を説明する。 実施例1および比較例1 (磁気転写用マスター担体の作製)真空成膜装置におい
て、室温にて1.33×10-5Pa(10-7Torr)まで
減圧した後に、アルゴンを導入して0.4Pa(3×1
-3Torr)とした条件下で、シリコン基板上に厚さ20
0nmのFeCo膜を形成し、3.5型の円盤状の磁気
転写用マスター担体とした。保磁力Hcは8kA/m
(100Oe)、磁束密度Msは28.9T(2300
0Gauss)であった。円盤状パターンを円盤中心か
ら半径方向20mm〜40mmの位置までの幅10μの
等間隔の放射状ライン、ライン間隔は半径方向20mm
の最内周位置で10μm間隔とした。
【0045】(スレーブ媒体の作製)真空成膜装置にお
いて、室温にて1.33×10-5Pa(10-7Torr)ま
で減圧した後に、アルゴンを導入して0.4Pa(3×
10-3Torr)とした条件下で、ガラス板を200℃に加
熱し、CoCrPt25nm,Ms:5.7T(450
0Gauss)、保磁力Hcs:199kA/m(250
0Oe)である3.5型の円盤状磁気記録媒体を作製し
た。
【0046】(初期直流磁化方法)ピーク磁界強度がス
レーブ媒体の表面において、スレーブ媒体の保磁力Hcs
の2倍の388kA/m(5000Oe)となるよう
に、図2で示したように永久磁石を配置して、スレーブ
媒体の初期直流磁化を行った。
【0047】(磁気転写試験方法)初期直流磁化したス
レーブ媒体と磁気転写用マスター担体とを密着させて、
図3に示した永久磁石を有する装置を用いてスレーブ媒
体の磁化とは逆の方向に印加して磁気転写を行った。ま
た、磁気転写用マスター担体とスレーブ媒体の密着は、
ゴム板を挟んでアルミニウム板上から加圧した。
【0048】(電磁変換特性評価方法)電磁変換特性測
定装置(協同電子製 SS−60)によりスレーブ媒体
の転写信号の評価を行った。ヘッドには、再生ヘッドギ
ャップ:0.27μm、再生トラック幅:2.4μm、
記録ヘッドギャップ:0.4μm、記録トラック幅:
3.1μmであるMRヘッドを使用した。読込信号をス
ペクトロアナライザーで周波数分解し、1次信号のピー
ク強度(C)と外挿した媒体ノイズ(N)の差(C/
N)を測定した。各磁場強度でのC/Nのうち、最大値
を0dBとし、相対値(△C/N)で評価を行い、表1
に示した。なお、C/N値が−20dB以下の場合、磁
気転写の信号品位が実用レベルでないため*で示した。
【0049】
【表1】 スレーブ媒体のHcs 199kA/m 転写用磁界の ピーク強度kA/m Hcsとの比 △C/N(dB) 59.7 0.3 * 99.5 0.5 −10.3 119 0.6 −4.8 159 0.8 −1.2 179 0.9 −0.4 199 1.0 0.0 219 1.1 −0.2 239 1.2 −1.2 259 1.3 −3.5 279 1.4 −6.3 298 1.5 −11.0 318 1.6 * 398 2.0 *
【0050】実施例2および比較例2 保磁力Hcsが199kA/m(2500Oe)のスレー
ブ媒体に、ピーク磁界強度が239kA/m(3000
Oe)、すなわちスレーブ媒体の保磁力のHcsの1.2
倍の磁界強度でスレーブ媒体の初期直流磁化を行い、次
に初期直流磁化したスレーブ媒体と磁気転写用マスター
担体とを密着させて磁気転写を行った点を除き実施例1
と同様にして磁気転写を行った後に、実施例1と同様に
して測定し、その結果を表2に示す。転写用磁界のピー
ク強度は、図3(C)に示す磁界強度分布のピークを示
す。
【0051】
【表2】 スレーブ媒体のHcs 199kA/m 転写用磁界の ピーク強度kA/m Hcsとの比 △C/N(dB) 59.7 0.3 * 99.5 0.5 −9.2 119 0.6 −2.6 159 0.8 −2.5 179 0.9 −0.5 199 1.0 0.0 219 1.1 −0.2 239 1.2 −1.3 259 1.3 −2.5 279 1.4 −5.7 298 1.5 −12.9 318 1.6 * 398 2.0 *
【0052】比較例3 保磁力Hcsが199kA/m(2500Oe)のスレー
ブ媒体に、ピーク磁界強度が159kA/m(2000
Oe)、すなわちスレーブ媒体の保磁力のHcsの0.8
倍の磁界強度でスレーブ媒体の初期直流磁化を行い、次
に初期直流磁化したスレーブ媒体と磁気転写用マスター
担体とを密着させて磁気転写を行った点を除き実施例1
と同様にして磁気転写を行った後に、実施例1と同様に
して測定し、その結果を表3に示す。転写用磁界のピー
ク強度は、図3(C)に示す磁界強度分布のピークを示
す。
【0053】
【表3】 スレーブ媒体のHcs 199kA/m 転写用磁界の ピーク強度kA/m Hcsとの比 △C/N(dB) 59.7 0.3 * 99.5 0.5 * 119 0.6 * 159 0.8 * 179 0.9 * 199 1.0 * 219 1.1 * 239 1.2 * 259 1.3 * 279 1.4 * 298 1.5 * 318 1.6 * 398 2.0 *
【0054】実施例3および比較例4 実施例1と同様にして作製した保磁力Hcsが159kA
/m(2000Oe)のスレーブ媒体に、ピーク磁界強
度が318kA/m(4000Oe)、すなわちスレー
ブ媒体の保磁力のHcsの2倍の磁界強度でスレーブ媒体
の初期直流磁化を行い、次に初期直流磁化したスレーブ
媒体と磁気転写用マスター担体とを密着させて図3に示
した装置を用いて磁気転写を行った点を除き実施例1と
同様にして磁気転写を行った後に、実施例1と同様にし
て測定し、その結果を表4に示す。転写用磁界のピーク
強度は、図3(C)に示す磁界強度分布のピークを示
す。
【0055】
【表4】 スレーブ媒体のHcs 318kA/m 転写用磁界の ピーク強度kA/m Hcsとの比 △C/N(dB) 47.7 0.3 * 79.6 0.5 −12.3 95.5 0.6 −2.8 127 0.8 −1.2 143 0.9 −0.5 159 1.0 −0.2 175 1.1 0.0 191 1.2 −1.1 207 1.3 −3.2 223 1.4 −6.5 239 1.5 −16.3 255 1.6 * 318 2.0 *
【0056】実施例4および比較例5 保磁力Hcsが159kA/m(2000Oe)のスレー
ブ媒体にピーク磁界強度が191kA/m(2400O
e)、すなわちスレーブ媒体の保磁力のHcsの1.2倍
の磁界強度でスレーブ媒体の初期直流磁化を行った点を
除き、実施例4と同様に初期直流磁化したスレーブ媒体
と磁気転写用マスター担体とを密着させて磁気転写をお
こなった後に、実施例1と同様にして測定し、その結果
を表5に示す。転写用磁界のピーク強度は、図3(C)
に示す磁界強度分布のピークを示す。
【0057】
【表5】 スレーブ媒体のHcs 159kA/m 転写用磁界の ピーク強度kA/m Hcsとの比 △C/N(dB) 47.7 0.3 * 79.6 0.5 −12.9 95.5 0.6 −2.6 127 0.8 −1.2 143 0.9 −0.2 159 1.0 0.0 175 1.1 −0.1 191 1.2 −1.2 207 1.3 −2.6 223 1.4 −6.3 239 1.5 −10.9 255 1.6 * 318 2.0 *
【0058】比較例6 実施例1と同様にして作製した保磁力Hcsが159kA
/m(2000Oe)のスレーブ媒体に、ピーク磁界強
度が127kA/m(1600Oe)、すなわちスレー
ブ媒体の保磁力のHcsの0.8倍の磁界強度でスレーブ
媒体の初期直流磁化を行い、次に初期直流磁化したスレ
ーブ媒体と磁気転写用マスター担体とを密着させて図3
に示した装置を用いて磁気転写を行った点を除き実施例
1と同様にして磁気転写を行った後に、実施例1と同様
にして測定し、その結果を表6に示す。転写用磁界のピ
ーク強度は、図3(C)に示す磁界強度分布のピークを
示す。
【0059】
【表6】 スレーブ媒体のHcs 159kA/m 転写用磁界の ピーク強度kA/m Hcsとの比 △C/N(dB) 47.7 0.3 * 79.6 0.5 * 95.5 0.6 * 127 0.8 * 143 0.9 * 159 1.0 * 175 1.1 * 191 1.2 * 207 1.3 * 223 1.4 * 239 1.5 * 255 1.6 * 318 2.0 *
【0060】
【発明の効果】磁気転写用マスター担体から、スレーブ
媒体への磁気転写において、スレーブ媒体のHcsに対し
て特定の強度の転写用磁界を与えることによってパター
ンの位置や形状によらずに高品位の転写パターンを有す
るスレーブ媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、磁気転写用マスター担体におけるプリ
フォーマット用のパターンの転写を説明する図である。
【図2】図2は、スレーブ媒体面の一方の面に、2個の
永久磁石を隣接して配設した磁界の印加方法を説明する
図である。
【図3】図3は、磁気転写用マスター担体からスレーブ
媒体への転写方法を説明する図である。
【符号の説明】 1…磁気転写用マスター担体、2…プリフォーマット領
域、3…データ領域、4…スレーブ媒体、5…トラック
方向、6…転写用外部磁界、6a…凸部分へ吸収される
磁界、7…記録情報、8a、8b…永久磁石、9…磁
界、10…ピーク、11…密着体、12…転写磁界、1
3…強度の小さなピーク、14…強度の大きなピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 正一 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 5D112 AA05 AA24 DD05 DD09 FA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面の情報信号に対応する部分に
    磁性層が形成された磁気転写用マスター担体と転写を受
    ける磁気記録媒体からなるスレーブ媒体とを密着させて
    転写用磁界を印加する磁気転写方法において、磁極の軸
    に対称な磁界を有する2個の永久磁石を隣接して、相互
    の永久磁石の磁極の方向が平行であって互いに逆方向と
    なるように、磁極の軸をスレーブ媒体面に垂直となるよ
    うに設け、スレーブ媒体あるいは2個の永久磁石をトラ
    ック方向に回転させ、スレーブ媒体面のトラック方向に
    磁界を印加することにより、あらかじめスレーブ媒体磁
    化をトラック方向に初期直流磁化した後、磁気転写用マ
    スター担体と上記初期直流磁化したスレーブ媒体とを密
    着させ、スレーブ媒体面の初期直流磁化方向と逆向きの
    トラック方向に転写用磁界を印加させ磁気転写を行うこ
    とを特徴とする磁気転写方法。
  2. 【請求項2】 基板の表面の情報信号に対応する部分に
    磁性層が形成された磁気転写用マスター担体と転写を受
    ける磁気記録媒体からなるスレーブ媒体とを密着させて
    転写用磁界を印加する磁気転写方法において、スレーブ
    媒体面のトラック方向に磁界を印加し、あらかじめスレ
    ーブ媒体磁化をトラック方向に初期直流磁化した後、磁
    気転写用マスター担体と上記初期直流磁化したスレーブ
    媒体を密着させた密着体に対して、磁極の軸に対称な磁
    界を有する2個の永久磁石を隣接して、相互の永久磁石
    の磁極の方向が平行であって互いに逆方向となるよう
    に、磁極の軸を密着体面に垂直となるように配設し、2
    個の永久磁石あるいは磁気転写用マスター担体とスレー
    ブ媒体の密着体をトラック方向に回転させ、初期直流磁
    化方向と逆向きのトラック方向の転写用磁界を印加さ
    せ、磁気転写を行うことを特徴とする磁気転写方法。
  3. 【請求項3】 磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永
    久磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行
    であって互いに反対側となるように、磁極の軸をスレー
    ブ媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界
    のトラック方向における磁界強度分布がスレーブ媒体の
    保磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置で少
    なくとも1カ所以上有することを特徴とする請求項1に
    記載の磁気転写方法。
  4. 【請求項4】 磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永
    久磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行
    であって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレー
    ブ媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界
    のトラック方向における磁界強度分布が、スレーブ媒体
    の保磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置で
    一方向のみで有しており、逆方向の磁界強度はいずれの
    トラック方向位置でもスレーブ媒体の保磁力Hcs未満で
    あることを特徴とする請求項1に記載の磁気転写方法。
  5. 【請求項5】 磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永
    久磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行
    であって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレー
    ブ媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界
    のトラック方向磁界強度分布において、最適転写磁界強
    度範囲の最大値を超える磁界強度がいずれのトラック方
    向位置でも存在せず、最適転写磁界強度範囲内の磁界強
    度となる部分が一つのトラック方向で少なくとも1カ所
    以上存在し、これと逆方向のトラック方向の磁界強度が
    いずれのトラック方向位置においても最適転写磁界強度
    範囲の最小値未満であることを特徴とする請求項2に記
    載の磁気転写方法。
  6. 【請求項6】 最適転写磁界強度がスレーブ媒体の保磁
    力Hcsに対して0.6×Hcs〜1.3×Hcsであること
    を特徴とする請求項5に記載の磁気転写方法。
  7. 【請求項7】 基板の表面の情報信号に対応する部分に
    磁性層が形成された磁気転写用マスター担体と転写を受
    ける磁気記録媒体からなるスレーブ媒体とを密着させて
    転写用磁界を印加する磁気転写装置において、磁極の軸
    に対称な磁界を有する2個の永久磁石を隣接して、相互
    の永久磁石の磁極の方向が平行であって互いに逆方向と
    なるように、磁極の軸をスレーブ媒体面に垂直となるよ
    うに配設し、スレーブ媒体あるいは2個の永久磁石をト
    ラック方向に回転させ、スレーブ媒体面のトラック方向
    に磁界を印加することにより、あらかじめスレーブ媒体
    磁化をトラック方向に初期直流磁化する初期直流磁化手
    段、磁気転写用マスター担体と上記初期直流磁化したス
    レーブ媒体とを密着させる密着手段、スレーブ媒体面の
    初期直流磁化方向と逆向きのトラック方向に転写用磁界
    を印加させる転写磁界印加手段を有することを特徴とす
    る磁気転写装置。
  8. 【請求項8】 基板の表面の情報信号に対応する部分に
    磁性層が形成された磁気転写用マスター担体と転写を受
    ける磁気記録媒体からなるスレーブ媒体とを密着させ
    て、転写用磁界を印加する磁気転写装置において、スレ
    ーブ媒体面のトラック方向に磁界を印加し、あらかじめ
    スレーブ媒体磁化をトラック方向に初期直流磁化する初
    期直流磁化手段、磁気転写用マスター担体と上記初期直
    流磁化したスレーブ媒体を密着させる密着手段、磁極の
    軸に対称な磁界を有する2個の永久磁石を隣接して、相
    互の永久磁石の磁極の方向が平行であって互いに逆方向
    となるように、磁極の軸をマスター担体とスレーブ媒体
    の密着体面に垂直となるように設け、スレーブ媒体ある
    いは2個の永久磁石をトラック方向に回転させ、初期直
    流磁化方向と逆向きのトラック方向の転写用磁界を印加
    させる転写磁界印加手段を有することを特徴とする磁気
    転写装置。
  9. 【請求項9】 磁極の軸に対称な磁界を有する2個の永
    久磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平行
    であって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレー
    ブ媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁界
    のトラック方向における磁界強度分布がスレーブ媒体の
    保磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置で少
    なくとも1カ所以上有することを特徴とする請求項7に
    記載の磁気転写装置。
  10. 【請求項10】 磁極の軸に対称な磁界を有する2個の
    永久磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平
    行であって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレ
    ーブ媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁
    界のトラック方向における磁界強度分布が、スレーブ媒
    体の保磁力Hcs以上の磁界強度部分をトラック方向位置
    で一方向のみで有しており、逆方向の磁界強度はいずれ
    のトラック方向位置でも、スレーブ媒体の保磁力Hcs
    満であることを特徴とする請求項7に記載の磁気転写装
    置。
  11. 【請求項11】 磁極の軸に対称な磁界を有する2個の
    永久磁石を隣接して、相互の永久磁石の磁極の方向が平
    行であって互いに逆方向となるように、磁極の軸をスレ
    ーブ媒体面に垂直となるように配設した時に発生する磁
    界のトラック方向磁界強度分布において、最適転写磁界
    強度範囲の最大値を超える磁界強度がいずれのトラック
    方向位置でも存在せず、最適転写磁界強度範囲内の磁界
    強度となる部分が一つのトラック方向で少なくとも1カ
    所以上存在し、これと逆向きのトラック方向の磁界強度
    がいずれのトラック方向位置においても、最適転写磁界
    強度範囲最小値未満であることを特徴とする請求項8に
    記載の磁気転写装置。
  12. 【請求項12】 最適転写磁界強度が保磁力Hcsに対し
    て0.6×Hcs〜1.3×Hcsであることを特徴とする
    請求項11に記載の磁気転写装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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