JP2003296913A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2003296913A
JP2003296913A JP2002098903A JP2002098903A JP2003296913A JP 2003296913 A JP2003296913 A JP 2003296913A JP 2002098903 A JP2002098903 A JP 2002098903A JP 2002098903 A JP2002098903 A JP 2002098903A JP 2003296913 A JP2003296913 A JP 2003296913A
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Yoshiyuki Kuboki
孔之 久保木
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定磁気ディスク記憶装置などに用いられる
磁気記録媒体およびその製造方法に関し、高保磁力、高
角型比、高垂直磁気異方性、人工格子膜結晶粒微細化、
および、低ノイズ化を実現する。 【解決手段】 Al非磁性基板1上にNiP無電解メッ
キ膜2を成膜し、軟磁性材料からなる軟磁性層3を成膜
し、fcc構造を有する非磁性下地層4を成膜する。非
磁性下地層4上に、Pt,Pd,Auのいずれかを主成
分とする遷移金属層51およびCoを主成分とするCo
磁性層52がそれぞれ複数層交互に積層された人工格子
膜5を成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体および
その製造方法に関する。特に詳細には、固定磁気ディス
ク記憶装置などに用いられる磁気記録媒体およびその製
造方法に関し、高保磁力、高角型比、高垂直磁気異方
性、人工格子膜結晶粒微細化、および、低ノイズ化を図
った磁気記録媒体およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録媒体は、非常な勢いで高
記録密度化が進んでいる。現在、この磁気記録媒体にお
いては、記録磁化の方向を面内に向け記録する長手記録
方式が用いられている。長手記録方式において線記録密
度を向上するには、記録時の反磁界の影響を減少するた
めに記録媒体である磁性膜の残留磁化(Mr)と磁性膜
厚(t)の積(Mr・t)を小さくし、保磁力を増大す
る必要がある。また、磁化遷移領域から発生する媒体雑
音を低減するために磁性層結晶粒の微細化と結晶粒間の
交換相互作用の低減による活性化粒径の低減が必要であ
る。しかし、このように磁性層結晶粒の微細化や粒間相
互作用の低減により、活性化粒径が低減した媒体では、
熱的には不安定となり残留磁化の減少とそれに伴う記録
遷移幅の増大が起き、結果としてヘッド出力の時間減少
を加速させてしまう。
【0003】一方、記録磁化方向を垂直方向に向け記録
する垂直記録方式は、隣り合う記録ビットが互いに反平
行になるように磁区を形成する記録方式であり、記録ビ
ット境界での磁界が小さくなり、高記録密度ほど磁化が
安定するという利点があり、次世代の磁気記録方式とし
て有力な手法の一つである。
【0004】垂直磁化膜としては、CoCr合金にP
t,Pd,Ta,Ni,Nb,Hf,Ti,Bなどを添
加した合金膜が用いられている。このCo合金磁性膜
は、主としてhcp構造を有しており、磁化容易軸であ
るc軸を垂直方向に配向させて垂直磁化膜としている。
そして磁気記録を行なったときの記録密度や再生出力を
向上し、メディアノイズを減少させて記録再生特性を向
上するために、上記Co合金膜のc軸の垂直配向性を向
上するとともに、結晶粒径の制御が必要であり、Co合
金膜の組成適正化や配向、粒径制御用の下地層を形成す
るなどの改善策が従来から行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Co合金膜
を用いた垂直磁気記録媒体において、粒径の微細化と熱
揺らぎを両立するためには、磁性層組成や下地層材料な
どの最適化が必要である。特に熱安定性を確保するため
に、磁気異方性を高める効果のあるPtを多く添加した
場合に粒間交換相互作用低減を促進する磁性層結晶粒界
へのCr偏析を阻害してしまい、低ノイズ化と熱揺らぎ
を両立する組成を選択することが困難であった。また、
Pt量を変えたことにより磁性層の格子定数が変化し、
c軸垂直配向性が劣化してしまう。このために保磁力や
角型比も劣化してしまうことから、下地層組成や成膜プ
ロセスも調整しなければならず、保磁力および角型比を
向上する点においても課題があった。
【0006】そこで本発明の目的は、高保磁力、高角型
比、高垂直磁気異方性、人工格子膜結晶粒微細化、およ
び、低ノイズ化を実現した磁気記録媒体およびその製造
方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の一態様では、非磁性基板上に配置された軟
磁性材料からなる磁性層と、該磁性層上に配置された非
磁性材料からなる非磁性層と、Pt,Pd,Auのいず
れかを主成分とする遷移金属層上にCoを主成分とする
他の磁性層が積層されてなり、前記非磁性層上に配置さ
れた人工格子膜とを積層されてなる磁気記録媒体であっ
て、前記非磁性層はfcc構造を有する形態の磁気記録
媒体を実施した。
【0008】ここで、前記非磁性材料の格子定数は0.
35nm〜0.42nmの範囲とすることができる。
【0009】ここで、前記非磁性層は複数種の非磁性材
料を積層されてなることができる。
【0010】ここで、前記非磁性材料の結晶格子面のミ
ラー指数(111)の結晶面は前記非磁性基板に対し平
行とされてなることができる。
【0011】ここで、前記他の磁性層の膜厚は2Å〜1
2Åの範囲とされてなることができる。
【0012】ここで、前記遷移金属層および前記他の磁
性層の結晶格子面のミラー指数(111)の結晶面は前
記非磁性基板に対し平行とされてなることができる。
【0013】ここで、前記非磁性基板は、Al,ガラ
ス,プラスチックのいずれかとされてなることができ
る。
【0014】また、上記の目的を達成するために本発明
の他の態様では、非磁性基板上に軟磁性材料からなる磁
性層を成膜する第1ステップと、該磁性層上に、非磁性
材料からなり、fcc構造を有する非磁性層を成膜する
第2ステップと、該非磁性層上に、Pt,Pd,Auの
いずれかを主成分とする遷移金属層とCoを主成分とす
る他の磁性層を積層して人工格子膜を成膜する第3ステ
ップとからなる形態の磁気記録媒体の製造方法を実施し
た。
【0015】ここで、前記第2ステップにおいて、前記
非磁性材料として格子定数が0.35nm〜0.42n
mのものを用いることができる。
【0016】ここで、前記第2ステップにおいて、複数
種の非磁性材料を積層させて前記非磁性層を成膜するこ
とができる。
【0017】ここで、前記非磁性基板の加熱を行なわず
に前記第2ステップを実行することで、前記非磁性材料
の結晶格子面のミラー指数(111)の結晶面が前記非
磁性基板に対し平行となるように成膜を行なうことがで
きる。
【0018】ここで、前記第3ステップにおいて、前記
他の磁性層の膜厚を2Å〜12Åの範囲として成膜を行
なうことができる。
【0019】ここで、前記非磁性基板の加熱を行なわず
に前記第3ステップを実行することで、前記遷移金属層
および前記他の磁性層の結晶格子面のミラー指数(11
1)の結晶面が前記非磁性基板に対し平行となるように
成膜を行なうことができる。
【0020】ここで、前記非磁性基板としてAl,ガラ
ス,プラスチックのいずれかを用いて前記第1ステップ
を実行することができる。
【0021】さらに、前記第1乃至第3ステップをスパ
ッタ法により実行することができる。
【0022】さらに、前記第1乃至第3ステップを蒸着
法により実行することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る磁気記録媒体
の実施形態の断面図であり、同図を参照して本発明に係
る磁気記録媒体およびその製造方法について説明する。
【0024】例えばAlを用いた非磁性基板1上にNi
P無電解メッキ膜2を成膜し、NiP無電解メッキ膜2
上に軟磁性材料からなる軟磁性層3を成膜し、軟磁性層
3上にfcc構造を有する非磁性下地層4を成膜する。
これらの成膜工程はスパッタ法を用いて行なうことがで
きる。非磁性下地層4に用いる非磁性材料の結晶格子面
のミラー指数(111)の結晶面を非磁性基板1に対し
平行とするために、基板の加熱を行なわずに成膜する。
【0025】さらに非磁性下地層4上に、Pt,Pd,
Auのいずれかを主成分とする遷移金属層51およびC
oを主成分とするCo磁性層52(他の磁性層)がそれ
ぞれ複数層交互に積層された人工格子膜5を、同様にD
Cマグネトロンスパッタ法を用いて順次成膜する。
【0026】上記のようにして製造した磁気記録媒体に
よれば、従来のCoCr合金磁性層と比較して、高保磁
力、高角型比とし、かつ磁性層結晶粒径を従来のCoC
r合金磁性層と同等かもしくは微細とすることができ
る。
【0027】さらに、積層されて成膜された人工格子膜
5上に保護層6と潤滑層7を形成する。これは、本発明
を実施するための必須の要素ではない。また、非磁性基
板1上のNiP無電解メッキ膜2についても、Al以外
の非磁性材料(ガラス,プラスチック等)を基板として
用いる場合には必要でなく、本発明を実施するための必
須の要素ではない。また成膜法はスパッタ法に限定され
ず、蒸着法により成膜を行なってもよい。
【0028】上記本発明に係る製造方法により作製した
試料において、人工格子膜5の遷移金属層51と磁性層
52の積層数を調整することで高い保磁力と角型比が得
られる。また、人工格子膜5下層である非磁性下地層4
にfcc構造を有する非磁性材料を用いたことから、こ
の材料の格子定数を人工格子膜5中の遷移金属層51の
格子定数に近い材料を用いることでエピタキシャル成長
を促進し、かつ膜厚を制御することで人工格子膜5の配
向が良好で結晶粒径が微細な磁気記録媒体を作製するこ
とができる。このとき、fcc構造を持つ非磁性材料か
らなる下地層4は一層である必要はなく、2種類以上の
材料を用いて積層させることも良い、積層させることに
より一層毎の膜厚を低減でき、さらに人工格子膜5の結
晶粒径を微細にすることが可能である。
【0029】
【実施例】以下、種々実施例について具体的なパラメー
タを挙げて説明する。 (実施例1)Al非磁性基板1上に、NiP無電解メッ
キ膜2を10μmの膜厚に形成し、予熱加熱を行なわず
にCoTaZr軟磁性層3を200nmの膜厚とし、A
l非磁性下地層4を50nmの膜厚とするように、順次
DCマグネトロンスパッタ法で形成した。次にAu遷移
金属層51およびCo磁性層52で構成される人工格子
膜5をそれぞれ(Au遷移金属層51の膜厚1nm,C
o磁性層52の膜厚0.2nm)という膜厚になるよう
にAu遷移金属層51をRFマグネトロンスパッタ法
で、Co磁性層52をDCマグネトロンスパッタ法で同
時放電させながら基板1を回転させて成膜し、人工格子
膜5を15周期形成した。その後ダイヤモンドライクカ
ーボン保護層6を4nmの膜厚にCVD法で形成し、保
護膜6上にフロロカーボン系の液体潤滑剤を1.5nm
塗布して潤滑層7を形成した。
【0030】こうして得られた磁気記録媒体について、
カー測定装置を用い、最大印加磁場15kOeにて保磁
力Hcおよび角型比を測定した。同時に、透過電子顕微
鏡(TEM)を用いて人工格子膜結晶粒径を評価した。
表1に評価結果を示す。
【0031】なお、X線回折装置を用いて30kV−2
00mAの条件で構造解析を行った結果、非磁性下地層
4および人工格子膜5(遷移金属層51とCo磁性層5
2が複数回積層されたもの)はfcc構造を有してお
り、(111)面が基板に対して平行に配向していたこ
とが確認できた。
【0032】・比較例(1) 実施例1に示した層構造の磁気記録媒体において、Ni
無電界メッキ膜2を形成後、200℃の温度で予備加熱
を行ない、非磁性下地層4をTi20Cr、人工格子膜
5をCo20Cr10Ptからなる膜厚15nmの単層
磁性膜とした以外は、実施例1と同様に作製して磁気記
録媒体を得た。
【0033】こうして得られた磁気記録媒体について実
施例1と同様にカー測定装置を用いて保磁力Hcおよび
角型比を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて人工格子
膜結晶粒径を評価した。表1に評価結果を示す。
【0034】・比較例(2) 実施例1に示した層構造の磁気記録媒体において、非磁
性基板1を強化ガラスとし、NiP無電解メッキ膜2を
形成せずに非磁性下地層4をRu、人工格子膜5を比較
例1と同様の単層磁性膜とした以外は、実施例1と同様
に作製して磁気記録媒体を得た。
【0035】こうして得られた磁気記録媒体について実
施例1と同様にカー測定装置を用いて保磁力Hcおよび
角型比を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて人工格子
膜結晶粒径を評価した。表1に評価結果を示す。
【0036】(実施例2)実施例1に示した層構造の磁
気記録媒体において、非磁性基板1を強化ガラスとし、
NiP無電解メッキ膜2を形成せず非磁性下地層4をI
rからなる20nmの膜厚とし、遷移金属層51をPt
からなる0.8nmの膜厚とした以外は実施例1と同様
に作製して磁気記録媒体を得た。
【0037】こうして得られた磁気記録媒体について実
施例1と同様にカー測定装置を用いて保磁力Hcおよび
角型比を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて人工格子
膜結晶粒径を評価した。表1に評価結果を示す。
【0038】なお、X線回折装置を用いて30kV−2
00mAの条件で構造解析を行った結果、非磁性下地層
4および人工格子膜5(遷移金属層51とCo磁性層5
2が複数回積層されたもの)はfcc構造を有してお
り、(111)面が基板に対して平行に配向していたこ
とが確認できた。
【0039】(実施例3)実施例1に示した層構造の磁
気記録媒体において、非磁性基板1にプラスチックを用
いて、またNiP無電解メッキ膜2を形成せずに、非磁
性下地層4をIrからなる5nmの膜厚とし、さらに上
層にPtからなる膜厚5nmの層を設け積層化し、遷移
金属層51をPdからなる1.0nmの膜厚とした以外
は実施例1と同様に作製して磁気記録媒体を得た。
【0040】こうして得られた磁気記録媒体について実
施例1と同様にカー測定装置を用いて保磁力Hcおよび
角型比を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて人工格子
膜結晶粒径を評価した。表1に評価結果を示す。
【0041】なお、X線回折装置を用いて30kV−2
00mAの条件で構造解析を行った結果、非磁性下地層
4および人工格子膜5(遷移金属層51とCo磁性層5
2が複数回積層されたもの)はfcc構造を有してお
り、(111)面が基板に対して平行に配向していたこ
とが確認できた。
【0042】(実施例4)実施例2に示した層構造の磁
気記録媒体において人工格子膜5を10周期形成した以
外は、実施例1と同様の磁気記録媒体を得た。
【0043】こうして得られた磁気記録媒体について実
施例1と同様にカー測定装置を用いて保磁力Hcおよび
角型比を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて人工格子
膜結晶粒径を評価した。表1に評価結果を示す。
【0044】なお、X線回折装置を用いて30kV−2
00mAの条件で構造解析を行った結果、非磁性下地層
4および人工格子膜5(遷移金属層51とCo磁性層5
2が複数回積層されたもの)はfcc構造を有してお
り、(111)面が基板に対して平行に配向していたこ
とが確認できた。
【0045】(実施例5)実施例2に示した層構造の磁
気記録媒体において、非磁性下地層4をAuからなる膜
厚1nmの層、Agからなる膜厚2nmの層、VO
0.95からなる膜厚5nmの層、と順次形成した積層
構造とし、遷移金属層51をAuからなる1nmの膜厚
とし、Co磁性層52をCo15Crからなる0.5n
mの膜厚とした人工格子膜5を7周期形成した以外は、
実施例1と同様の磁気記録媒体を得た。
【0046】こうして得られた磁気記録媒体について実
施例1と同様に透過電子顕微鏡(TEM)を用いて磁性
層結晶粒径を評価した。表1に評価結果を示す。
【0047】なお、X線回折装置を用いて30kV−2
00mAの条件で構造解析を行った結果、非磁性下地層
4および人工格子膜5(遷移金属層51とCo磁性層5
2が複数回積層されたもの)はfcc構造を有してお
り、(111)面が基板に対して平行に配向していたこ
とが確認できた。
【0048】(実施例6)実施例3に示した層構造の磁
気記録媒体において、非磁性下地層4をCr50Ptか
らなる膜厚1nmの層、Pdからなる膜厚5nmの層と
順次形成した積層構造とし、遷移金属層51をPtZn
からなる1.0nmの膜厚とし、Co磁性層52をCo
15Crからなる0.4nmの膜厚とした人工格子膜5
を5周期形成した以外は、実施例1と同様な磁気記録媒
体を得た。
【0049】こうして得られた磁気記録媒体について実
施例1と同様に透過電子顕微鏡(TEM)を用いて磁性
層結晶粒径を評価した。表1に評価結果を示す。
【0050】なお、X線回折装置を用いて30kV−2
00mAの条件で構造解析を行った結果、非磁性下地層
4および人工格子膜5(遷移金属層51とCo磁性層5
2が複数回積層されたもの)は、fcc構造を有してお
り、(111)面が基板に対して平行に配向していたこ
とが確認できた。
【0051】以上の各実施例と比較例の磁性層結晶粒径
を透過電子顕微鏡(TEM)で測定した結果を以下に示
す。
【0052】
【表1】
【0053】表1の保磁力と角型比および人工格子膜平
均結晶粒径の通り、非磁性基板上に、軟磁性材料からな
る層、fcc構造を有する非磁性材料からなる層を形成
し、Pt,Pd,Auのいずれかを主成分とする遷移金
属層を介して、Coを主成分とする磁性層が積層された
人工格子膜を順次スパッタ法または蒸着法にて成膜して
作製した試料は従来のCoCr合金垂直磁化膜よりも高
保磁力、高角型比を有し、かつ記録層である人工格子膜
の平均粒径を微細化することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、記録層
を、Pt,Pd,Auのいずれかを主成分とする遷移金
属層を介して、Coを主成分とする磁性層が積層された
人工格子膜として遷移金属層組成、Co磁性層組成およ
びその膜厚と積層周期数を調整することで高保磁力、高
角型比が得られ、人工格子膜下層のfcc構造を有する
非磁性下地層を用いることで(111)面内配向が実現
でき、かつ5nm以下の膜厚で複数積層することによ
り、保磁力、角型比、(111)面内配向を劣化させず
に記録層である人工格子膜の平均粒径を微細化した磁気
記録媒体およびその製造方法を提供できる。これによ
り、近年の磁気記録媒体の必要特性である低雑音化と熱
的安定化の両立を行うことが可能となり、情報記録密度
の高い大容量記憶装置を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体の模式
的な断面図である。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 NiP無電解メッキ膜 3 軟磁性層 4 非磁性下地層 5 人工格子膜 6 保護層 7 液体潤滑層 51 遷移金属層 52 Co磁性層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/851 G11B 5/851 H01F 10/16 H01F 10/16 10/28 10/28 41/32 41/32 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB07 BB08 CA01 CA03 CA06 CB01 CB04 DA03 DA08 EA03 FA09 5D112 AA02 AA03 AA04 AA05 AA06 AA24 BA01 BA03 BA06 BB01 BB06 BD03 FA02 FA04 5E049 AA04 BA06 DB02 DB04 DB06

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に配置された軟磁性材料か
    らなる磁性層と、 該磁性層上に配置された非磁性材料からなる非磁性層
    と、 Pt,Pd,Auのいずれかを主成分とする遷移金属層
    上にCoを主成分とする他の磁性層が積層されてなり、
    前記非磁性層上に配置された人工格子膜とを積層されて
    なる磁気記録媒体であって、 前記非磁性層はfcc構造を有することを特徴とする磁
    気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、 前記非磁性材料の格子定数は0.35nm〜0.42n
    mの範囲とされていることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、 前記非磁性層は複数種の非磁性材料を積層されてなるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、 前記非磁性材料の結晶格子面のミラー指数(111)の
    結晶面は前記非磁性基板に対し平行とされていることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、 前記他の磁性層の膜厚は2Å〜12Åの範囲とされてい
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、 前記遷移金属層および前記他の磁性層の結晶格子面のミ
    ラー指数(111)の結晶面は前記非磁性基板に対し平
    行とされていることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、 前記非磁性基板は、Al,ガラス,プラスチックのいず
    れかよりなることを特徴とする磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 非磁性基板上に軟磁性材料からなる磁性
    層を成膜する第1ステップと、 該磁性層上に、非磁性材料からなり、fcc構造を有す
    る非磁性層を成膜する第2ステップと、 該非磁性層上に、Pt,Pd,Auのいずれかを主成分
    とする遷移金属層とCoを主成分とする他の磁性層を積
    層して人工格子膜を成膜する第3ステップとからなるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の製造方法において、 前記第2ステップにおいて、前記非磁性材料として格子
    定数が0.35nm〜0.42nmのものを用いること
    を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の製造方法において、 前記第2ステップにおいて、複数種の非磁性材料を積層
    させて前記非磁性層を成膜することを特徴とする磁気記
    録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の製造方法において、 前記非磁性基板の加熱を行なわずに前記第2ステップを
    実行することで、前記非磁性材料の結晶格子面のミラー
    指数(111)の結晶面が前記非磁性基板に対し平行と
    なるように成膜を行なうことを特徴とする磁気記録媒体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項8に記載の製造方法において、 前記第3ステップにおいて、前記他の磁性層の膜厚を2
    Å〜12Åの範囲として成膜を行なうことを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載の製造方法において、 前記非磁性基板の加熱を行なわずに前記第3ステップを
    実行することで、前記遷移金属層および前記他の磁性層
    の結晶格子面のミラー指数(111)の結晶面が前記非
    磁性基板に対し平行となるように成膜を行なうことを特
    徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項8に記載の製造方法において、 前記非磁性基板としてAl,ガラス,プラスチックのい
    ずれかを用いて前記第1ステップを実行することを特徴
    とする磁気記録媒体の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項8〜14のいずれかに記載の製
    造方法において、 前記第1乃至第3ステップをスパッタ法により実行する
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項8〜14のいずれかに記載の製
    造方法において、 前記第1乃至第3ステップを蒸着法により実行すること
    を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107004429A (zh) * 2014-11-18 2017-08-01 索尼公司 磁记录介质

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