JP2003295083A - 光線束走査装置及び光線束走査方法 - Google Patents

光線束走査装置及び光線束走査方法

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JP2003295083A
JP2003295083A JP2002095924A JP2002095924A JP2003295083A JP 2003295083 A JP2003295083 A JP 2003295083A JP 2002095924 A JP2002095924 A JP 2002095924A JP 2002095924 A JP2002095924 A JP 2002095924A JP 2003295083 A JP2003295083 A JP 2003295083A
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Jiro Yamamoto
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大径のビームを用い、高速で直線走査を行
う。 【解決手段】 光線束を出射する光源と、第1入射面と
第1出射面とを有し、第1入射面及び第1出射面が仮想
軸と交差し、光源から出射された光線束が第1入射面に
入射し、第1出射面から出射するように配置され、第1
入射面から入射した光線束の進行方向を、仮想軸に直交
する特定の第1偏向方向に向かって偏向させる第1光学
部材と、第2入射面と第2出射面とを有し、第2入射面
及び第2出射面が仮想軸と交差し、第1出射面から出射
した光線束が第2入射面に入射し、第2出射面から出射
するように配置され、第2入射面から入射した光線束の
進行方向を、仮想軸に直交する特定の第2偏向方向に向
かって偏向させる第2光学部材と、第1光学部材を第1
偏向方向とともに、仮想軸を中心として回転させる第1
回転機構と、第2光学部材を第2偏向方向とともに、仮
想軸を中心として回転させる第2回転機構とを有する光
線束走査装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光線束を光学部材
に入射して走査する光線束走査装置及び光線束走査方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでの技術では、大径のレーザビー
ムを用い高速で直線加工を行うことが困難であった。
【0003】揺動運動部をもつスキャナ、たとえばガル
バノスキャナの場合にはモータの回転方向を反転させ
て、ミラーを揺動させねばならず、その1往復には50
ms程度の時間を必要とする。またクランク機構を用い
たスキャナの場合、モータは一方向の回転運動をするが
ミラーは揺動運動をし、これは1往復に10ms程を要
する。これらはポリゴンミラーを用いたレーザ加工装置
に比べかなり低速である。また、これら揺動運動部をも
つスキャナで大径のレーザビームを走査するためには、
ミラーを大きくする必要があり、ますます高速揺動が困
難となる。更に、ガルバノスキャナ及びクランク機構を
用いたスキャナには、振動が発生するという問題もあっ
た。
【0004】ポリゴンミラーを用いれば、1スキャン1
ms程の高速スキャンが可能である。しかしポリゴンミ
ラーでレーザビームを走査する場合には、ポリゴンミラ
ーの相互に隣り合う平面鏡の境界線がビーム内を通過す
る間、ビームが2方向に分岐してしまう。レーザビーム
が大径であれば、2方向に分岐される時間が長くなって
しまう。更に、非常に大きなポリゴンミラーを必要とす
ることになり、高速回転が困難になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大き
な断面を有する光線束を高速で走査するのに適した光線
束走査方法及び光線束走査装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、光線束を出射する光源と、第1の入射表面と第1の
出射表面とを有し、該第1の入射表面及び該第1の出射
表面が仮想軸と交差し、前記光源から出射された光線束
が該第1の入射表面に入射し、該第1の出射表面から出
射するように配置され、該第1の入射表面から入射した
光線束の進行方向を、該仮想軸に直交する特定の第1の
偏向方向に向かって偏向させる第1の光学部材と、第2
の入射表面と第2の出射表面とを有し、該第2の入射表
面及び該第2の出射表面が前記仮想軸と交差し、前記第
1の出射表面から出射した光線束が該第2の入射表面に
入射し、該第2の出射表面から出射するように配置さ
れ、該第2の入射表面から入射した光線束の進行方向
を、該仮想軸に直交する特定の第2の偏向方向に向かっ
て偏向させる第2の光学部材と、前記第1の光学部材を
前記第1の方向とともに、前記仮想軸を中心として回転
させる第1の回転機構と、前記第2の光学部材を前記第
2の方向とともに、前記仮想軸を中心として回転させる
第2の回転機構とを有する光線束走査装置が提供され
る。
【0007】該光線束走査装置の前記第1の光学部材と
前記第2の光学部材とを、前記仮想軸を中心として適当
な回転角だけ回転させることにより、前記仮想軸に直交
する走査平面上の走査可能領域内の任意の点にビームを
照射することができる。これにより、2次元のレーザ加
工を行うことができる。
【0008】また、前記光線束走査装置の前記第1の光
学部材と前記第2の光学部材とを、前記仮想軸の周囲に
同一の速さで反対方向に回転させ、前記第1の入射表面
に前記光線束を入射させる。前記第1の光学部材が、前
記仮想軸と平行に前記第1の入射表面に入射する光線束
を前記第1の偏向方向に向かって偏向させる偏向角度
と、前記第2の光学部材が、前記仮想軸と平行に前記第
2の入射表面に入射する光線束を前記第2の偏向方向に
向かって偏向させる偏向角度とが等しい場合、前記第1
の入射表面に入射し、前記第2の出射表面から進行方向
を変えられ出射される光線束が、前記走査平面上に描く
軌跡の往路と復路とを直線に近づけることができる。こ
の走査される光線束を用いて直線状の加工が可能とな
る。また、補正手段を用いることにより、この閉曲線上
の走査を直線状の走査に補正して直線加工を行うことも
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施例による光線
束走査方法を説明する。
【0010】図1(A)は、第1の実施例で用いるプリ
ズム2の斜視図である。プリズム2は直円柱形の透明部
材の上部を、底面と角度αをなす平面で切断した形状を
もつ。したがって上面形状は楕円である。この楕円の中
心をOとする。また、楕円周上に点M、Nを、線分MN
が楕円の長径となるように、かつ点Mからプリズム底面
までの距離が、点Nからプリズム底面までの距離よりも
大きくなるように定める。更に、円形底面の中心をO'
とし、底面円周上に点M'を、線分M'Mと線分O'Oと
が平行になるように定める。線分O'Oをプリズム2の
中心軸と呼ぶ。中心軸O'Oを鉛直方向に一致させ、か
つ円形の底面を下に向けてプリズム2を配置する。たと
えば断面形状が円である光線束1が、鉛直上方から中心
軸に沿って、プリズム2の上面に入射する。プリズム2
は、光線束1の進行方向を、中心軸O'Oに直交する特
定の方向(O'からM'に向かう方向)に向けてある角度
だけ変化させ、底面から出射させる。
【0011】図1(B)は、前出のプリズム2を使用し
た光学装置の概略図である。プリズム2が、中心軸O'
Oを鉛直方向に一致させ、かつ円形の底面を下に向けて
配置されている。回転機構4は、プリズム2を中心軸
O'Oを中心として回転させることができる。また、そ
の回転の速さ及び方向を調節することができる。
【0012】まず、プリズム2を回転させることなく、
図1(B)に示す光学装置に、鉛直上方から、たとえば
断面形状が円形の光線束1を入射させる。光線束1は、
鉛直上方からプリズム2の上面に入射する。光線束1は
屈折してプリズム2内を進み、プリズム2の底面から出
射する。出射方向は、O'からM'に向かう方向に向かっ
て、鉛直下方と角度βをなす方向である。プリズム2が
屈折率n=1.5の材料で形成され、プリズム2上面の
底面に対する傾き角αが30°である場合、プリズム2
が光線束1を偏向させる角度βはおよそ10°になる。
【0013】次に、回転機構4により、プリズム2を中
心軸O'Oを中心として回転させながら、図1(B)に
示す光学装置に、鉛直上方から光線束1を入射させる。
点M'もプリズム2とともに回転しているため、光線束
1の軌跡は中心軸O'Oの延長線を中心とする直円錐形
の錐面を構成する。プリズム2の下方に、プリズム2の
中心軸O'Oと垂直な水平面を考え、これをXY平面6
とすると、光線束1とXY平面6との交わり部分の軌跡
は円周となる。
【0014】図1(C)は、プリズム2及びプリズム2
と同型、同材質、同一特性のプリズム3を使用した光学
装置の斜視図である。プリズム2及び3は、互いの中心
軸の延長線が一致し、かつ円形面どうしが向き合うよう
に、位置合わせをされている。また、一致する中心軸の
延長線が、鉛直方向と平行になるように配置されてい
る。2個のプリズムのうち、鉛直上方にあるのがプリズ
ム2である。図1(C)においては、2個のプリズム
は、それぞれの楕円面の中心における法線が、同一平面
内に存在し、かつ平行でないように並べられている。プ
リズム2の楕円面に、鉛直上方から中心軸に沿って、た
とえば断面形状が円である光線束1を入射させる。プリ
ズム2の楕円面に、プリズム2の中心軸と平行に光線束
1が入射し円形面から出射する場合に、プリズム2が光
線束1を偏向させる角度と、プリズム3の円形面に、プ
リズム3の中心軸と平行に光線束1が入射し楕円面から
出射する場合に、プリズム3が光線束1を偏向させる角
度とは等しい。図1(C)のように並べられたプリズム
2及び3は、光線束1の進行方向を、中心軸O'Oに直
交する特定の方向(O'からM'に向かう方向)に向け
て、前出βよりも大きいある角度だけ変化させ、プリズ
ム3の楕円面から出射する。
【0015】図1(D)は、前出の2個のプリズム2及
び3を用いて構成される光学装置の概略図である。2個
のプリズムは、図1(C)に示したのと同じ位置合わせ
及び配置がなされている。回転機構4及び5が、それぞ
れプリズム2及び3を、それぞれの中心軸を中心として
回転させることができる。また、それぞれその回転の速
さ及び方向を調節することができる。
【0016】図1(D)に示す光学装置に、鉛直上方か
ら、たとえば断面形状が円形の光線束1を入射させる。
光線束1は、鉛直上方からプリズム2の楕円面に入射す
る。プリズム2及び3を回転しない初期の状態において
は、光線束1は、図1(C)を用いて述べたように偏向
してプリズム3の楕円面から出射し、プリズム2及び3
の中心軸に垂直な水平面であるXY平面6に入射する。
光線束1とXY平面6との交わり部分の形状は楕円であ
る。この楕円の中心をX1とする。
【0017】図2は、XY平面6を示す。プリズム2及
び3の中心軸の延長線とXY平面6との交点をXY平面
6の原点とし、X軸、Y軸を、X1がX軸上の正座標の
点となるように画定する。
【0018】図1(D)を参照する。プリズム2の楕円
面に、鉛直上方から、たとえば断面形状が円形の光線束
1を入射させながら、回転機構4及び5により、それぞ
れプリズム2及び3を回転させる。回転の速さを同一に
し、向きを反対にする。たとえば上面視において、既述
の初期状態から、プリズム2を反時計回りに、プリズム
3を時計回りに、同一の速さで回転させる。
【0019】再び図2を参照する。初期状態からプリズ
ム2が上面視において反時計回りにθ(0≦θ<2π)
だけ回転している瞬間、鉛直上方からプリズム2に入射
した光線束1は、プリズム2により矢印10方向に向け
てある角度だけ偏向され出射する。そして光線束1は、
時計回りにθだけ回転しているプリズム3に入射し、矢
印11方向に向けてある角度だけ偏向され出射する。こ
の二つのプリズム2及び3によって、光線束1が偏向さ
れる角度は等しい。その結果、光線束1は2個のプリズ
ム2及び3により、θ≠π/2、3π/2のとき、X軸
方向に偏向されて、プリズム3の楕円面から出射する。
θ=π/2、3π/2のときは、鉛直下方に向けて出射
する。また、光線束1はプリズム2に入射後、プリズム
2及び3の中心軸と直交する方向に変位されて、プリズ
ム3から出射する。すなわち、入射位置に比し、光線束
1の出射位置は水平方向に変位している。したがって、
XY平面6に入射した光線束1の軌跡は、たとえば図2
に実線で示したような、閉じた環状部分となる。なお、
一点鎖線で記したのは、XY平面6に入射する光線束1
の中心が描く軌跡である。Y1はθ=π/2のときの、
2はθ=πのときの、Y2はθ=3π/2のときの光線
束1の中心とXY平面6との交点である。プリズム2及
び3の回転に従って、光線束1の中心とXY平面6との
交点は、X1から、Y1、X2、Y2と閉じた曲線上を反時
計回りに辿ってX1に戻ってくる。この周期は、プリズ
ム2及び3の回転周期と等しい。
【0020】ここでXY平面6の原点とY1との間の距
離は、光線束1がプリズム2に入射後プリズム3から出
射するまでに、Y軸方向に変位した距離に等しい。また
XY平面6の原点とX1との間の距離は、プリズム3に
おける光線束1の出射位置からXY平面6までの距離に
比例する。したがってプリズム3の出射面(楕円面)か
らXY平面6までの距離をある程度とれば、XY平面6
の原点とX1との間の距離は、XY平面6の原点とY1
の間の距離に比して非常に大きくすることができ、曲線
112(往路)及び曲線X221(復路)は直線に
近づく。
【0021】たとえば円形断面を有する光線束1が鉛直
上方からプリズム2の上面中心部に入射する。プリズム
2及び3の屈折率n=1.5、プリズム2及び3上面の
傾き角α=30°、光線束1の中心が入射する位置から
プリズム2底面までの距離を5cmとし、プリズム2と
プリズム3の配置間隔(各プリズムの円形面間の距離)
を1cmとすると、XY平面6の原点とY1との間の距
離は0.9cmとなる。また、光線束1がプリズム3よ
り出射される位置からXY平面6までの距離を43cm
とすると、XY平面6の原点とX1との間の距離は25
cmとなる。
【0022】図3は、図1(D)に示した光学装置の下
方と上方に、それぞれ補正レンズ7、補正レンズ8を配
置した光学装置の概略図である。補正レンズ7はたとえ
ば凸シリンドリカルレンズ、補正レンズ8はたとえば凹
シリンドリカルレンズである。光線束1は、補正レンズ
8を透過後プリズム2に入射し、プリズム3から出射後
補正レンズ7を透過して、XY平面6に入射する。補正
レンズ7によって、光線束1とXY平面6との交わり部
分の軌跡が直線に近づくように、プリズム3の楕円面か
ら出射した光線束1の光路を補正することができる。補
正レンズ8をも具備することが好ましい。補正レンズ7
及び8により、光線束1の、ほぼ直線状の往復に近似さ
れるX1122上の周回走査は、更により直線状に近
い往復に補正されて、X12間を往復する直線走査と近
似されるようになる。
【0023】この直線往復走査の周期はプリズムの回転
周期に等しい。プリズムは8000〜10000rpm
の速さで回転させることができるので、たとえばガルバ
ノミラーを使用したビーム走査の6倍以上の速さで直線
走査を行うことが可能である。
【0024】以上記したように、2個の同一特性のプリ
ズムを用い、光線束を直線的に高速走査することができ
る。また、XY平面6の任意の位置へ光線束を到達させ
ることも可能である。
【0025】上記光線束走査方法でプリズムの代わりに
回折光学素子(DOE,Diffractive Optical Elemen
t)を使用することができる。
【0026】図4(A)はDOE21の断面を示す概略
図である。DOE21の一方の面に回折格子が形成され
ている。
【0027】図4(B)に示すように、DOE21は、
この回折格子によって、プリズム2と同様に、入射する
光線束20の進路を変えることが可能である。
【0028】図4(C)は、図3に示した光学装置にお
いて、2個のプリズムのかわりに2個のDOEを使用し
た光学装置の概略図である。2個のDOEについては、
断面図を示してある。DOE21及び22は、それぞれ
の回折格子の形成された面を平行にし、かつそれらが水
平方向にのびるように配置されている。
【0029】回転機構23により、DOE21は、DO
E21を鉛直方向に貫く回転軸を中心にして回転する。
また、回転機構24により、DOE22は、DOE22
を鉛直方向に貫く回転軸を中心にして回転する。更にD
OE21及び22は、それぞれの回転軸の延長線が一致
するように位置合わせがなされている。回転機構23
は、DOE21の回転の速さ及び方向を調節することが
でき、回転機構24は、DOE22の回転の速さ及び方
向を調節することができる。
【0030】DOE21とDOE22とを、それぞれの
回転軸を中心として、同一の速さで逆向きに回転させな
がら、たとえば円形断面を有する光線束20を、回転軸
の鉛直上方からDOE21の回折格子が形成された面に
入射させるとすると、これまでプリズム2及び3を用い
て説明してきたのと同様に、DOE22から出射した光
線束20とXY平面6との交わり部(楕円)の中心の描
く軌跡は、図2に示した軌跡と同様の閉曲線になる。補
正レンズ25及び26を挿入すると、その軌跡はより直
線に近づく。
【0031】なお、DOE21及び22の回折角は、プ
リズム2及び3の屈折角よりも大きくとることができ
る。したがって、図3と図4(C)に示した光学装置を
比較した場合、プリズム3の光線束出射位置からXY平
面6までの距離と、DOE22の光線束出射位置からX
Y平面6までの距離とが等しいとすると、DOEを用い
た図4(C)の光学装置の方が、XY平面6上において
より長い線分上の往復走査を可能にする。
【0032】DOE21とDOE22とは、回折格子の
形成されている面を向き合わせて配置される。これは、
光線束20が、DOE21で回折されてからDOE22
で回折されるまでに進行する距離を短くするためであ
る。回折格子の形成されている面を向き合わせることに
よって、向き合わせない配置に比し、仮に、補正レンズ
25及び26がない場合には、図2に示すXY平面6の
原点とY1とを結ぶ線分に対応する部分の長さが短くな
る。このように、2個のDOEを一定の間隔で配置する
とき、回折格子の形成されている面間の距離を最小にす
るようにDOEを向かい合わせると、XY平面6上にお
いて、光線束20は、より直線走査に近い走査を行う。
また、回折格子の形成されている面を向き合わせていな
い場合に比べ、直線走査に近づける補正も容易になる。
【0033】図5は本発明の第2の実施例によるレーザ
加工装置の概略図である。レーザ発振器29、たとえば
CO2レーザ発振器からレーザビームが出射される。マ
スク30がレーザビームの断面を、たとえば円形に整形
する。エキスパンダ31がレーザビームを拡大する。拡
大されたレーザビームはコリメーションレンズ32を通
過する。コリメートレンズ32を通過したレーザビーム
は、たとえば直径100mmの円形断面を有する平行光
にされる。反射ミラー33で反射され、たとえば凹シリ
ンドリカルレンズである補正レンズ44に入射する。そ
の後、DOE34に垂直に入射し、DOE35から出射
する。DOE34及び35は同型で同一特性のDOEで
あり、図4(C)と同様の配置がなされている。回転機
構37及び39は、それぞれDOE34及び35を、そ
れぞれの回転軸を中心にして回転させることができる。
また、それぞれの回転の速さと方向とを調節することが
できる。DOE35から出射されたレーザビームは、た
とえば凸シリンドリカルレンズである補正レンズ40、
レーザビームの焦点を加工対象物43表面に結ばせるf
θレンズ41を経て、XY平面42上に据えられた加工
対象物43に入射する。補正レンズ40によって、加工
対象物43に入射するレーザビームは、直線走査に近似
される走査を行うように光路を補正される。よりよい補
正のために、補正レンズ44をも具備することが好まし
い。
【0034】第1の実施例による光線束走査方法で説明
したようにDOE34とDOE35を逆方向に同じ速さ
で回転させ、レーザビームの進路を補正レンズ40及び
44で補正すると、レーザビームはXY平面42上にお
いて、たとえばX軸方向に往復直線走査に近似される走
査を行う。これにより、XY平面42上においてX軸方
向の高速直線加工が可能になる。またDOE34及び3
5の回転方向の位置を制御することにより、レーザビー
ムをXY平面42上の任意の点に入射させることができ
る。これによりXY平面42上における2次元加工が可
能となる。
【0035】図6は本発明の第3の実施例によるレーザ
加工装置の概略図である。図5に示した第2の実施例の
構成と異なるところは、fθレンズのかわりに焦点レン
ズを用いていること、固定された反射ミラーでなく揺動
するガルバノミラーを使用していることである。図5に
おけるfθレンズ41には、2個のDOE及び補正レン
ズ40を透過した後のレーザビームが入射したが、図6
における焦点レンズ53には、補正レンズ64及び2個
のDOEに入射する前のレーザビームが入射する。他の
構成は第2の実施例に等しい。
【0036】焦点レンズ53はXY平面62上に据えら
れた加工対象物63上に、レーザビームの焦点を結ばせ
る。
【0037】ガルバノミラー61は揺動することによ
り、XY平面62上においてレーザビームをY方向に走
査する。
【0038】DOE54とDOE55の相対的な位置関
係は、図5に示したレーザ加工装置の場合と同じであ
る。レーザビームは、DOE54の回折格子が形成され
た面に垂直に入射する。
【0039】DOE54及びDOE55を、同一の速さ
で反対方向に回転させ、レーザビームの光路を補正レン
ズ60及び64で補正することにより、XY平面62に
入射するレーザビームにX方向の高速直線往復スキャン
を行わせることができる。ガルバノミラー61は、その
際レーザビームをY方向に低速でスキャンさせる。すな
わち、第3の実施例によるレーザ加工装置は2個のDO
E54、55とガルバノミラー61によって2次元のレ
ーザ加工を行うことができる。X方向には高速スキャン
が必要であり、Y方向には高速のスキャンを必要としな
い用途に適する。
【0040】なお、加工対象物63上に集光するレーザ
ビームのビームスポットを小さくするため、焦点レンズ
53に入射する直前の、レーザビームの進行方向と直交
するレーザビーム断面を内包する円の中で最小のものの
直径を5mm以上とすることが望ましい。
【0041】第2及び第3の実施例によるレーザ加工装
置で直線走査に近似できる走査を行う際、DOEの一回
転につき、レーザビームの走査は一往復である。つまり
DOEを駆動するモータの回転角度に対しビームの走査
距離が小さいため、加工対象物上に集光するレーザビー
ムのビームスポットの位置精度を高めることができる。
したがって第2及び第3の実施例によるレーザ加工装置
で行う加工の特性として、高い位置分解能を実現するこ
とができる。
【0042】なお、上記の各実施例においては2個のプ
リズムまたは2個のDOEを用いた場合について説明し
たが、これが入射ビームをビームの進行方向に変化を与
えて透過させる他の光学部材であっても、またはプリズ
ムやDOEを含むそれらの適切な組み合わせであって
も、適用できることは明らかであろう。また第3の実施
例においてY方向のスキャンにガルバノミラーを用いた
が、これが別の光学手段、たとえばピエゾを用いたスキ
ャナであっても、適用できることは明らかであろう。
【0043】以上、本発明の実施例について示したが、
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なこと
は当業者には自明であろう。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大きな断面を有する光線束を高速で走査することのでき
る光線束走査方法及び光線束走査装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)及び(D)は、本発明
の第1の実施例を説明するための光学装置の概略図であ
る。
【図2】第1の実施例を説明するためのXY平面を示
す。
【図3】第1の実施例を説明するための光学装置の概略
図である。
【図4】(A)及び(B)は、DOEの断面を示す概略
図であり、(C)は、第1の実施例を説明するための光
学装置の概略図である。
【図5】本発明の第2の実施例によるレーザ加工装置の
概略図である。
【図6】本発明の第3の実施例によるレーザ加工装置の
概略図である。
【符号の説明】
1 光線束 2、3 プリズム 4、5 回転機構 6 XY平面 7、8 補正レンズ 10、11 矢印 20 光線束 21、22 DOE 23、24 回転機構 25、26 補正レンズ 29 レーザ発振器 30 マスク 31 エキスパンダ 32 コリメーションレンズ 33 反射ミラー 34、35 DOE 37、39 回転機構 40 補正レンズ 41 fθレンズ 42 XY平面 43 加工対象物 44 補正レンズ 49 レーザ発振器 50 マスク 51 エキスパンダ 52 コリメーションレンズ 53 焦点レンズ 54、55 DOE 57、59 回転機構 60 補正レンズ 61 ガルバノミラー 62 XY平面 63 加工対象物 64 補正レンズ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光線束を出射する光源と、 第1の入射表面と第1の出射表面とを有し、該第1の入
    射表面及び該第1の出射表面が仮想軸と交差し、前記光
    源から出射された光線束が該第1の入射表面に入射し、
    該第1の出射表面から出射するように配置され、該第1
    の入射表面から入射した光線束の進行方向を、該仮想軸
    に直交する特定の第1の偏向方向に向かって偏向させる
    第1の光学部材と、 第2の入射表面と第2の出射表面とを有し、該第2の入
    射表面及び該第2の出射表面が前記仮想軸と交差し、前
    記第1の出射表面から出射した光線束が該第2の入射表
    面に入射し、該第2の出射表面から出射するように配置
    され、該第2の入射表面から入射した光線束の進行方向
    を、該仮想軸に直交する特定の第2の偏向方向に向かっ
    て偏向させる第2の光学部材と、 前記第1の光学部材を前記第1の偏向方向とともに、前
    記仮想軸を中心として回転させる第1の回転機構と、 前記第2の光学部材を前記第2の偏向方向とともに、前
    記仮想軸を中心として回転させる第2の回転機構とを有
    する光線束走査装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の光学部材が、光線束が前記仮
    想軸に平行に入射した場合に、該光線束を前記第1の偏
    向方向に偏向させる角度と、前記第2の光学部材が、光
    線束が前記仮想軸に平行に入射した場合に、該光線束を
    前記第2の偏向方向に偏向させる角度とが等しい請求項
    1に記載の光線束走査装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の回転機構が、それぞ
    れ第1の光学部材と第2の光学部材とを、相互に反対方
    向に同一の速さで回転させる請求項1または2に記載の
    光線束走査装置。
  4. 【請求項4】 更に、前記光線束走査装置が、前記第2
    の光学部材の前記第2の出射表面から出射した光線束
    と、前記仮想軸に垂直な平面との交わり部分の軌跡が直
    線に近づくように、前記第2の出射表面から出射した光
    線束の光路を補正する補正手段を含む請求項3に記載の
    光線束走査装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の光学部材がともにプ
    リズムであるかまたはともに回折光学素子である請求項
    1〜4のいずれかに記載の光線束走査装置。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の光学部材がともに回
    折光学素子であり、かつ前記2個の回折光学素子を一定
    の間隔で配置するとき、該2個の回折光学素子が、回折
    格子の形成された面間の距離を最小とするように配置さ
    れている請求項1〜4に記載の光線束走査装置。
  7. 【請求項7】 更に、前記第2の光学部材の前記第2の
    出射表面から出射した前記光線束が加工対象物に入射
    し、前記光線束走査装置が、前記光源から前記加工対象
    物に至る前記光線束の光路上に配置されて、前記光線束
    を前記加工対象物表面に収束させる集光レンズを含み、
    かつ該集光レンズに入射する直前の前記光線束の進行方
    向と直交する該光線束の断面を内包する円の中で最小の
    ものの直径を5mm以上とするように調整する光学手段
    を含む請求項1〜6のいずれかに記載の光線束走査装
    置。
  8. 【請求項8】 光源から光線束を出射する工程と、 該光源から出射された光線束を、第1の入射表面と第1
    の出射表面とを有し、該第1の入射表面及び該第1の出
    射表面が仮想軸と交差し、該第1の入射表面から入射し
    た光線束の進行方向を、該仮想軸に直交する特定の第1
    の偏向方向に向かって偏向させて前記第1の出射表面か
    ら出射させる第1の光学部材に入射させる工程と、 該第1の出射表面から出射された光線束を、第2の入射
    表面と第2の出射表面とを有し、該第2の入射表面及び
    該第2の出射表面が前記仮想軸と交差し、該第2の入射
    表面から入射した光線束の進行方向を、該仮想軸に直交
    する特定の第2の偏向方向に向かって偏向させて前記第
    2の出射表面から出射させる第2の光学部材に入射させ
    る工程と、 前記第1の光学部材を前記第1の偏向方向とともに、前
    記第2の光学部材を前記第2の偏向方向とともに、前記
    仮想軸を中心として回転させる工程とを有する光線束走
    査方法。
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