JP2003294221A - 動植物油の燃焼方法及び動植物油の燃焼システム - Google Patents

動植物油の燃焼方法及び動植物油の燃焼システム

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JP2003294221A
JP2003294221A JP2002100713A JP2002100713A JP2003294221A JP 2003294221 A JP2003294221 A JP 2003294221A JP 2002100713 A JP2002100713 A JP 2002100713A JP 2002100713 A JP2002100713 A JP 2002100713A JP 2003294221 A JP2003294221 A JP 2003294221A
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vegetable oil
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Makoto Oga
誠 大賀
Shigeru Oga
繁 大賀
Hiromitsu Iwasaki
博光 岩崎
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Yamaichi Metal Co Ltd
Yamaichi New Technology Co Ltd
Original Assignee
Yamaichi Metal Co Ltd
Yamaichi New Technology Co Ltd
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】動植物油、例えば廃食用油を燃料として場合に
は、都市ガス等と併用しなければならず、また、燃焼シ
ステムも耐久性に乏しかった。 【解決手段】動植物油を貯めるメインタンク3と、動植
物油を微細化するミキサー7及び超音波ユニット27
と、動植物油を燃焼させる油バーナー53と、可燃性ガ
スを燃焼させるガスバーナー54とを備え、油バーナー
53が、耐火・蓄熱性の耐火煉瓦で囲まれた燃焼システ
ム。ガスバーナー54を先に起動して、燃焼室56内に
動植物油の火力と同程度の熱エネルギーを付与し、その
後に油バーナー53を起動する。すると、ガスバーナー
54を停止しても、油バーナー53から燃焼室56内に
供給された動植物油は燃焼を継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動植物油の燃焼方法
及び動植物油の燃焼システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般家庭や食品工場から出される動植物
油、典型的には廃食用油の殆どは、現在のところ廃棄物
として埋立てや焼却によって処理されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近では、環境上の観
点から、こうした廃棄物をバイオマス資源として積極的
に活用しようとの要請がある。これに応えて、動植物油
を燃料として利用することが提案されている(特開平1
1−325442、特開平11−223326等)。し
かしながら、動植物油は石油等と比べて点火しにくく、
しかも動植物油のみでは燃焼を継続させるのが難しいこ
とから、都市ガス等の燃料を併用することが必要であっ
た。また、特に廃食用油は、配管やノズル内に滞留する
と固化してしまうため、これを燃料とした場合には、ボ
イラー等の熱源として所望時に燃焼させることができ且
つ耐久性のある燃焼システムを構成することができなか
った。従って、経済上の観点からは燃料としての価値は
依然として低いのが現状である。
【0004】本発明は上記した問題点に鑑みて為された
ものであり、動植物油を効率良く燃料として利用するこ
とができる動植物油の燃焼方法及び動植物油の燃焼シス
テムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1の発明は、動植物油に燃焼を継続できる大き
さの熱エネルギーを付与することにより燃焼を開始させ
て反応領域を形成し、その反応領域に動植物油を継続し
て供給することで動植物油の燃焼を継続させることを特
徴とする動植物油の燃焼方法。ここで、「反応領域」と
は着火用の火炎と燃焼を継続できる熱量が存在する燃焼
反応領域、より詳細に言えば、そこに十分な動植物油と
酸化剤ガスを供給するだけで動植物油の燃焼反応が継続
する領域を意味する。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載した廃
動植物油の燃焼方法において、動植物油を溶融した上で
反応領域に供給することを特徴とする動植物油の燃焼方
法である。ここで、「溶融した」とは必ずしも人為的に
加熱処理等を施した動植物油に限定されず、動植物油が
常温で十分な流動性を有している場合にはその動植物油
は無処理でも溶融した動植物油に含まれることは言うま
でもない。
【0007】請求項3の発明は、請求項2に記載した動
植物油の燃焼方法において、動植物油を30〜350℃
に加熱溶融することを特徴とする動植物油の燃焼方法で
ある。この温度は、動植物油を人為的に加熱して溶融す
る場合の好ましい範囲である。
【0008】請求項4の発明は、請求項2又は3に記載
した動植物油の燃焼方法において、溶融した動植物油を
微細化した上で供給することを特徴とする動植物油の燃
焼方法である。ここで、「微細化」とは、動植物油のク
ラスターを小さくするとともに、動植物油に天ぷら滓等
の固形物が含まれている場合にはこれも細かく破砕す
る。また、動植物油に水分が含まれている場合には、こ
れのクラスターも小さくして動植物油とエマルジョンさ
せることを意味する。
【0009】請求項5の発明は、請求項4に記載した動
植物油の燃焼方法において、ミキサーと超音波振動を併
用して動植物油を微細化することを特徴とする動植物油
の燃焼方法である。ミキサーと超音波振動の併用は、微
細化方法の好ましい手法である。
【0010】請求項6の発明は、請求項2から5のいず
れかに記載した動植物油の燃焼方法において、溶融した
動植物油を噴霧により供給することを特徴とする動植物
油の燃焼方法である。動植物油を溶融した液体の状態で
燃焼させる場合には、酸化剤ガスとの混合を十分にして
完全燃焼させるために、噴霧するのが好ましい。
【0011】請求項7の発明は、請求項1から6のいず
れかに記載した動植物油の燃焼方法において、動植物油
として廃食用油を使用することを特徴とする動植物油の
燃焼方法である。動植物油中、現在バイオマス資源とし
て活用することが一番望まれているのが廃食用油である
が、水分や固形滓が含まれているために一番燃料として
活用し難いのも廃食用油である。しかしながら、本発明
の燃焼方法は、そのような廃食用油の燃料としての活用
こそ意図したものである。
【0012】請求項8の発明は、請求項1から7のいず
れかに記載した動植物油の燃焼方法において、水を含む
動植物油を使用することを特徴とする動植物油の燃焼方
法である。水を積極的に動植物油に含ませることで、動
植物油の粘度を低くできる。なお、水は動植物油に積極
的に加えてもよいし、動植物油を廃天ぷら油等のように
元々水を含んだ状態で入手した場合には、そのまま利用
することができる。水は、動植物油全体に対して40重
量%以内で混入されることが好ましい。なお、水を含む
動植物油を使用する場合には、ミキサーにより水と動植
物油とのエマルジョンを確実に形成した方が好ましい。
【0013】請求項9の発明は、動植物油の燃焼システ
ムにおいて、動植物油を貯めるメインタンクと、前記メ
インタンク内の動植物油を微細化する微細化処理部と、
前記メインタンク内の動植物油を燃焼させる油燃焼部
と、可燃性燃料を燃焼させる着火燃料燃焼部とを備え、
前記微細化処理部で処理済みの動植物油を前記油燃焼部
に供給し、且つ、前記着火燃料燃焼部を起動して前記油
燃焼部内に動植物油の燃焼を開始且つ継続できる反応領
域を形成できる熱エネルギーを付与し、その後に前記油
燃焼部を起動させて前記反応領域に動植物油を供給する
ことで動植物油を着火させ、その後は前記着火燃料燃焼
部を停止して動植物油の燃焼を継続させることを特徴と
する動植物油の燃焼システムである。動植物の燃焼方法
を実施するときに必要な燃焼システムの一例である。
【0014】請求項10の発明は、請求項9に記載した
動植物油の燃焼システムにおいて、更に、油燃焼部内の
動植物油を吸引する残吸引排出部を備え、油燃焼部の停
止期間に前記残吸引排出部を起動させることを特徴とす
る動植物油の燃焼システムである。
【0015】請求項11の発明は、請求項9又は10に
記載した動植物油の燃焼システムにおいて、油燃焼部は
開口を有し、耐火・蓄熱性の材料で囲まれた燃焼室で構
成され、着火燃料燃焼部はその火炎が前記開口に対向す
るよう配置されていることを特徴とする動植物油の燃焼
システムである。例えば、耐火・蓄熱性の代表的な材料
であるセラミック製の筒で燃焼室を構成する。
【0016】請求項12の発明は、請求項9から11の
いずれかに記載した動植物油の燃焼システムにおいて、
更に、着火燃料燃焼部をパージするパージ部を備え、油
燃焼部の停止期間に前記パージ部を起動させることを特
徴とする動植物油の燃焼システムである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
1〜図4に従って説明する。本発明における動植物油の
燃焼システム1の構成について説明する。この燃焼シス
テム1は、ボイラーの熱源として利用される。使用する
動植物油は廃天ぷら油であり、この廃天ぷら油中には1
0重量%の水が含まれている。符号3は廃食用油を貯め
るメインタンクを示し、このメインタンク3にはヒータ
ー5、ミキサー7、温度センサ8が備えられている。な
お、このメインタンク3は、使用済みの天ぷら油等の廃
食用油が給油される。符号9はホースリールを示し、こ
のホースリール9に巻かれたホース11の途中部分には
バルブ13が設けられている。ホース11はパイプ15
の一端に接続され、このパイプ15の途中部分にはバル
ブ17が備えられている。パイプ15の他端はパイプ1
9の途中部分に接続されており、パイプ19の一端はメ
インタンク3へその底部から貫入され、他端はメインタ
ンク3へその上部から貫入されている。パイプ19の一
端とパイプ15の接続部との間にはバルブ21が備えら
れている。さらにパイプ19には、ポンプ23が備えら
れ、このポンプ23はパイプ19の他端とパイプ15の
接続部との間に配置されている。
【0018】パイプ25にはポンプ26が備えられ、こ
のポンプ26はパイプ25の他端と超音波ユニット27
との間に配置されている。パイプ25の一端はメインタ
ンク3のその底部から貫入され、他端は超音波ユニット
27のタンク28に接続されている。パイプ25の途中
部分にはバルブ29が備えられ、このバルブ29より他
端側の途中部分にパイプ31が接続されている。パイプ
31の途中部分にはバルブ33が備えられている。
【0019】超音波ユニット27のタンク28内には超
音波振動器35が備えられており、この超音波振動器3
5が作動した際に冷却を行うための冷却装置41が備え
られている。この冷却装置41は給水機構37と排水機
構39とによって構成されている。超音波ユニット27
のタンク28はパイプ42を介してサブタンク43に接
続されている。このサブタンク43の上部には気体排出
パイプ45が接続されている。サブタンク43の底部に
はパイプ47の一端が接続され、このパイプ47の途中
部分にはポンプ49が備えられている。なおパイプ47
の他端は後述するパイプ51の途中部分に接続されてい
る。
【0020】パイプ51の一端はメインタンク3に接続
され、他端は油バーナー53に接続されている。パイプ
51の途中部分には2つのバルブ55、57が備えられ
ており、パイプ51に対するパイプ47の接続部を境に
してバルブ55はメインタンク3側に、バルブ57は油
バーナー53側に配置されている。油バーナー53は収
容室54に収容されており、この収容室54の前方側に
は燃焼室56が設けられている。燃焼室56を画する筒
状の壁部58は耐火性材料の一種である耐火煉瓦によっ
て構成されており、壁部58には開口60が形成され、
この開口60に油バーナー53のノズルが対向してい
る。符号64は収容室54へ送風するためのブロワを示
す。このブロワ64は燃焼システムを操業しているとき
には常時運転している。また、壁部58の下部には開口
60に向かって突出するように温度センサ62が設けら
れている。
【0021】パイプ59の一端は吸込みタンク61に接
続されており、この吸込みタンク61はパイプ63を介
してメインタンク3に接続されている。パイプ63には
バルブ65が備えられている。パイプ59の他端はパイ
プ47のバルブ57と油バーナー53との間に接続され
ている。パイプ59の途中部分にはバルブ67が備えら
れている。
【0022】パイプ69の一端は吸込みタンク61に接
続され、他端はコンプレッサー71に接続されており、
パイプ69の途中部分にはバルブ73が備えられてい
る。パイプ75の一端はコンプレッサー71に接続さ
れ、他端は油バーナー53の側部に接続されている。パ
イプ75の途中部分にはバルブ77が備えられている。
パイプ79の一端はLPGガス供給源81に接続され、
他端はガス(点火)バーナー82に接続されている。ガ
スバーナー82のノズルは、ガスバーナー82の火炎が
開口60に対向するよう配置されている。パイプ79の
途中部分にはバルブ83が備えられている。ブロワ85
は収容室54の後方側に設けられており、送風すること
により燃焼時における後方側の過熱を防止する。このブ
ロワ85は燃焼システムを操業しているときには常時運
転している。パイプ87の一端はコンプレッサー71に
接続され、他端はパイプ79に接続されている。このパ
イプ87の途中部分にはバルブ89が備えられている。
【0023】給油部等各処理部毎にその動作を以下に説
明する。給油部は、ホース11、バルブ13、ホースリ
ール9、パイプ15、バルブ17、パイプ19、及びポ
ンプ23で構成されている。メインタンク3に廃食用油
を供給するには、ホース11をホースリール9から引き
出し図示しないフィルターでろ過済みの廃食用油が入れ
られているドラム缶等に入れて、バルブ13とバルブ1
7を開け、バルブ21を閉じた状態でポンプ23を作動
させる。これによりドラム缶等に入れられている廃食用
油はホース11、パイプ15及びパイプ19を通ってメ
インタンク3へ送られる。廃食用油をメインタンク3へ
供給する作業は、メインタンク3内の廃食用油の量によ
って適宜行う。なお、給油工程の開始後、ヒーター5を
作動させて、メインタンク3内を廃食用油の溶融温度以
上、例えば50℃程度に暖める。従って、メインタンク
3内の廃食用油は十分な流動性を維持している。油の温
度は、温度センサ8によりセンシングされている。
【0024】油撹拌部は、微細化処理部の1つであり、
ミキサー7、パイプ19、バルブ21、及びポンプ23
で構成されている。油撹拌部を起動すると、バルブ17
が閉じ、バルブ21が開いた状態でポンプ23とミキサ
ー7が作動して、メインタンク3内の廃食用油がパイプ
19を通ってミキサー7に送られる。図5に示す符号1
01は、ミキサー7の円筒ケーシングである。このケー
シング101内はガイドベーン室とカレントカッター室
とに区画されている。このガイドベーン室には、ガイド
ベーン103が設けられて螺旋状の流路が画定されてお
り、そのガイドベーン室に廃食用油が入ることにより
「螺旋」流となる。このカレントカッター室には、きの
こ状の衝突体105が多数中心部に従って突出してい
る。このカレントカッター室に螺旋流の廃食用油が入る
ことにより、螺旋流がきのこ状の衝突体に衝突し、微細
化される。即ち油の粘度が低下してサラサラになると共
に、天ぷら滓等の固形物が含まれている場合にはミキサ
ー7により細かく破砕される。破砕により固形物は3μ
m程度まで微粒化される。
【0025】油循環部は、パイプ25、バルブ29、ポ
ンプ26、超音波ユニット27、パイプ42、サブタン
ク43、パイプ47、ポンプ49、及びパイプ51で構
成されている。油循環部を起動すると、バルブ67が閉
じ、バルブ29とバルブ55が開いた状態で、ポンプ2
6、ポンプ49が作動する。これにより、メインタンク
3内の廃食用油はパイプ25、超音波ユニット28、パ
イプ42、サブタンク43、パイプ51を通り、メイン
タンク3へ戻される、即ち循環される。
【0026】微細化処理部の1つである超音波微細化部
は、油循環部の途中に設けられた超音波ユニット27と
サブタンク43により構成されている。超音波微細化部
を起動させると、超音波振動子35が振動を開始し、超
音波ユニット27内に入った廃食用油を更に微細化す
る。また、冷却装置41も冷却を開始する。超音波ユニ
ット27から出た廃食用油はパイプ42を通ってサブタ
ンク43に送られる。超音波振動子35によって廃食用
油が振動させられると、廃食用油中に気泡が発生する
が、この気泡はサブタンク43に収容されている間に上
昇してパイプ45から排出される。従って、廃食用油は
気泡が除去された上でメインタンク3に戻される。な
お、超音波ユニット27は、この実施の形態では、流量
は360cc/分程度、周波数を18〜20KHz程度
に作動するように設定する。
【0027】パージ部は、ブロワ64によって構成され
ている。本実施の形態では、燃焼していないときにブロ
ワ64を起動させて送風することで、油バーナー53、
ガスバーナー82、収容室54、燃焼室56に廃食用油
が残留していても、この残留物が確実に排出される。従
って、後述するガスバーナー82を着火した際の残留物
による爆発の発生を防止することができる。
【0028】着火燃料としてガスを使用するガス燃焼部
は、LPGガス供給源81、パイプ79、バルブ83、
ガスバーナー82、コンプレッサー71、パイプ82、
及びバルブ89で構成されている。ガス燃焼部を起動さ
せると、バルブ83とバルブ89が開き、コンプレッサ
ー71が作動して、LPGガス供給源81からの燃料ガ
スとコンプレッサー71からの空気が混合されてガスバ
ーナー82へ供給され、図示しない着火手段によって着
火される。このガスバーナー82の火力(熱量)は後述
する油バーナー53の火力(熱量)と同程度である。ガ
スバーナー82の火力(熱量)は50000kcal/
hr.である。
【0029】油燃焼部は、油バーナー53、壁部58等
によって構成されている。油燃焼部を起動させると、バ
ルブ55が閉じ、バルブ67が開いた状態で、ポンプ4
9が作動して、廃食用油が油バーナー53へ供給され
る。また、バルブ77が開いた状態で、コンプレッサー
71が作動して、酸化剤ガスとしてのエアーが油バーナ
ー53へ供給される。油バーナー53のノズルは廃食用
油用の内筒と該内筒を囲むように設けられたエアー供給
用の外筒とによって構成されている。また、内筒の後方
には、図示しないが供給された廃食用油が旋回流となる
ように旋回流路が形成されている。従って、ノズルの先
端からは廃食用油が螺旋状に回転しながら噴霧されると
共に、エアーも放出されて着火・燃焼を開始する。な
お、壁部58の温度は、温度センサ62によりセンシン
グされている。
【0030】残吸引排出部は、パイプ69、コンプレッ
サー71、バルブ73、吸込みタンク61、パイプ5
9、バルブ67等によって構成されている。残吸引排出
部を起動させると、バルブ73が開き、バルブ63が閉
じた状態で、バルブ67が開き、コンプレッサー71の
作用により、ノズル内の廃食用油が吸引されて吸込みタ
ンク61内に溜まる。所定時間が経過すると、図示しな
いタイマーから停止信号が出されて、バルブ73が閉じ
ると共に、バルブ63が開いて、吸込みタンク61内に
溜められた廃食用油がタンク3内に落下する。従って、
廃食用油が固化した状態でノズルやその近傍のパイプに
残留しない。
【0031】次に、図2〜図4に示す動植物油の燃焼シ
ステムの操業のフローチャートに従って、動植物油の燃
焼システム1の動作を説明する。この動作は、本発明の
燃焼方法に従ってものである。動植物油の燃焼システム
1のスタート釦をONにすると、操業を開始し、フロー
チャートに従って各処理部が起動する。先ず、油撹拌部
と、油循環部が起動し、その後、超音波微細化部が起動
する。これらの起動により、メインタンク3内の廃食用
油は微細化される。その後ブロワ64、85が起動す
る。ブロワ64の起動は燃焼前ではパージ部の起動に相
当するので、自動的に燃焼前のプレパージ段階に入ると
同時に、図示しないタイマーがカウントを開始する。そ
して、所定時間(この実施の形態では30秒間)、経過
すると、ガス燃焼部が起動してガスバーナー82が着火
すると同時にタイマーがカウントを開始する。
【0032】ガス燃焼部の起動後所定時間(この実施の
形態では3分間)経過すると、油循環部が停止して、油
燃焼部が起動する。なお、ここでの所定時間が経過した
状態とは、ガスバーナー82により燃焼室56の雰囲気
が加温されるとともに、壁部58も加熱されて輻射熱を
発生しており、燃焼室56内にガスバーナー82の火炎
と熱からなり、廃食用油を燃焼できる反応領域が既に形
成されている状態を意味する。従って、油燃焼部が起動
すると、廃食用油がその反応領域に供給されて燃焼を開
始する。温度センサ8と温度センサ62により、油温度
と筒壁温度がセンシングされ、油温度が40℃以上且つ
筒壁温度が50℃以上との報告を受け取ると、ガス燃焼
部が停止するが、その後も廃食用油は燃焼を継続する。
ガス燃焼部が停止する時点では、当然のことながら、燃
焼室内の反応領域は、そこに十分な廃食用油とエアーを
供給するだけで燃焼反応を継続できる状態となってい
る。
【0033】ボイラーからの停止信号が入ると、油燃焼
部が停止する。そして、残吸引排出部が起動する。ま
た、ブロワ64は引続き起動しているので、油燃焼部の
停止により自動的にパージ部の起動状態、即ちポストパ
ージ段階に入る。残吸引排出部が作業終了により停止す
ると、油循環部が再起動する。残吸引排出部の停止と同
時に、燃焼システム1の停止釦がONになっているか否
かを判断する。燃焼システム1の停止釦がONになって
いる場合には超音波微細化部部と、油循環部と、油撹拌
部と、パージ部を停止させて、燃焼システム1の操業を
停止する。燃焼システム1を停止した後は、必要に応じ
て、バルブ29とバルブ33を開いてメインタンク3内
の廃食用油を他の容器に移した上で、燃焼システム1の
メンテナンスを行う。
【0034】一方、燃焼システム1の停止釦がONにな
っておらず、且つボイラーからの停止信号も入っていな
い場合には、自動的にプレパージ段階に入り、再び、ガ
ス燃焼〜油燃焼〜残吸引排出の順に各処理部を起動させ
て、廃食用油を燃焼させる。この燃焼システム1によれ
ば、他の燃料を併用することなく、廃食用油を燃焼で
き、しかも、耐久性に優れている。また、廃食用油を燃
料として利用しているので、燃料費がかからない上に、
鉱物系燃料を使用した場合に比べて二酸化炭素の排出量
を大幅に減らすことができる。
【0035】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明の具体的構成がこの実施の形態に限定されるもの
では無く、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更
等があっても本発明に含まれる。例えば、動植物油に天
ぷら滓等の固形物等のゴミが無いときにはミキサーを省
いても良い。動植物油に動物油脂等が無く常温でも固形
しないものであれば、ヒーターを省いても良い。動植物
油の燃焼時に煤や煙がでても良いような完全燃焼を期待
しない利用方法であれば超音波微細化部を省いても良
い。タンクを含む微細化処理部と燃焼部は、直接パイプ
により連結させないで利用することもできる。例えば微
細化処理の完了した動植物油を、一度ドラム缶に取り、
この微細化処理の完了した動植物油を、離れた場所のバ
ーナーで利用する。
【0036】微細化処理に時間をかけても良い場合に
は、ミキサーとして、比較的処理時間がかかるが、比較
的安価な他の汎用撹拌装置(ファン形攪拌機・プロペラ
式等)を利用することもできる。超音波の周波数は、1
8〜20KHz以外でも良い反応領域を作る為の燃焼部
は、ガス以外の燃料を利用しても良いミキサーは2つ以
上を並列に使用してもよい。超音波微細化部は、油燃焼
部を起動させているときは停止してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の動植物油の燃焼
方法及び動植物油の燃焼システムによれば、動植物油を
効率良く燃料として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の燃焼システムの模式図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態の燃焼システムを操業した
ときのフローチャートである。
【図3】図2に続くフローチャートである。
【図4】図3に続くフローチャートである。
【図5】ミキサーの構造の断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼システム 3 メインタンク 7 ミキサー 27 超音波ユニット 43 サブタンク 53 油バーナー 82 ガスバーナー 56 燃焼室 58 壁部 60 開口 64 ファン 71 コンプレッサー 61 吸込みタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大賀 繁 静岡県裾野市呼子3丁目1番2号 株式会 社ヤマイチニューテクノロジー内 (72)発明者 岩崎 博光 静岡県裾野市呼子3丁目1番2号 株式会 社ヤマイチニューテクノロジー内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動植物油に燃焼を継続できる大きさの熱エ
    ネルギーを付与することにより燃焼を開始させて反応領
    域を形成し、その反応領域に動植物油を継続して供給す
    ることで動植物油の燃焼を継続させることを特徴とする
    動植物油の燃焼方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した廃動植物油の燃焼方法
    において、動植物油を溶融した上で反応領域に供給する
    ことを特徴とする動植物油の燃焼方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載した動植物油の燃焼方法に
    おいて、動植物油を30〜350℃に加熱溶融すること
    を特徴とする動植物油の燃焼方法。
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載した動植物油の燃焼
    方法において、溶融した動植物油を微細化した上で供給
    することを特徴とする動植物油の燃焼方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載した動植物油の燃焼方法に
    おいて、ミキサーと超音波振動を併用して動植物油を微
    細化することを特徴とする動植物油の燃焼方法。
  6. 【請求項6】請求項2から5のいずれかに記載した動植
    物油の燃焼方法において、溶融した動植物油を噴霧によ
    り供給することを特徴とする動植物油の燃焼方法。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれかに記載した動植
    物油の燃焼方法において、動植物油として廃食用油を使
    用することを特徴とする動植物油の燃焼方法。
  8. 【請求項8】請求項1から7のいずれかに記載した動植
    物油の燃焼方法において、水を含む動植物油を使用する
    ことを特徴とする動植物油の燃焼方法。
  9. 【請求項9】動植物油の燃焼システムにおいて、動植物
    油を貯めるメインタンクと、前記メインタンク内の動植
    物油を微細化する微細化処理部と、前記メインタンク内
    の動植物油を燃焼させる油燃焼部と、可燃性燃料を燃焼
    させる着火燃料燃焼部とを備え、前記微細化処理部で処
    理済みの動植物油を前記油燃焼部に供給し、且つ、前記
    着火燃料燃焼部を起動して前記油燃焼部内に動植物油の
    燃焼を開始且つ継続できる反応領域を形成できる熱エネ
    ルギーを付与し、その後に前記油燃焼部を起動させて前
    記反応領域に動植物油を供給することで動植物油を着火
    させ、その後は前記着火燃料燃焼部を停止して動植物油
    の燃焼を継続させることを特徴とする動植物油の燃焼シ
    ステム。
  10. 【請求項10】請求項9に記載した動植物油の燃焼シス
    テムにおいて、更に、油燃焼部内の動植物油を吸引する
    残吸引排出部を備え、油燃焼部の停止期間に前記残吸引
    排出部を起動させることを特徴とする動植物油の燃焼シ
    ステム。
  11. 【請求項11】請求項9又は10に記載した動植物油の
    燃焼システムにおいて、油燃焼部は開口を有し、耐火・
    蓄熱性の材料で囲まれた燃焼室で構成され、着火燃料燃
    焼部はその火炎が前記開口に対向するよう配置されてい
    ることを特徴とする動植物油の燃焼システム。
  12. 【請求項12】請求項9から11のいずれかに記載した
    動植物油の燃焼システムにおいて、更に、着火燃料燃焼
    部をパージするパージ部を備え、油燃焼部の停止期間に
    前記パージ部を起動させることを特徴とする動植物油の
    燃焼システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009138956A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 New Delta Ind Co 植物性食用油の廃油燃焼システム
ITRM20080382A1 (it) * 2008-07-15 2010-01-16 Eon Srl Processo ed apparato per accorciare le molecole di olio vegetale per mezzo di ultrasuoni
US8381701B2 (en) 2006-01-17 2013-02-26 Tetuo Sugioka Bio-diesel fuel engine system and bio-diesel fuel engine operating method

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