JP2003293805A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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JP2003293805A
JP2003293805A JP2002099095A JP2002099095A JP2003293805A JP 2003293805 A JP2003293805 A JP 2003293805A JP 2002099095 A JP2002099095 A JP 2002099095A JP 2002099095 A JP2002099095 A JP 2002099095A JP 2003293805 A JP2003293805 A JP 2003293805A
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internal combustion
combustion engine
rotary structure
combustion chamber
chamber
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JP2002099095A
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Hiroshi Nomura
啓 野村
Mutsumi Kanda
睦美 神田
Daisuke Uchida
大輔 内田
Yoshihiro Okada
吉弘 岡田
Toshimi Kashiwakura
利美 柏倉
Takashi Hajima
孝志 羽島
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で各種の付加機能を実現する自由
度の高い内燃機関を提供する。 【解決手段】 吸気弁31と排気弁41との間のシリン
ダヘッド13に転動可能かつ一部を燃焼室12に露出さ
せた形でロータリー構造体2が配置される。このロータ
リー構造体2は、周方向の一部が切りかかれてチャンバ
ー20が形成されており、このチャンバー20が燃焼室
12と連通する状態と連通しない状態とを切り替えるこ
とで可変圧縮比の内燃機関1が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に関し、特
にその燃焼室付近の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関は、気筒内で燃料を燃焼させて
そのエネルギーを運動エネルギーとして取り出すもので
あり、通常は、気筒内へ空気あるいは燃料混合気を供給
するための吸気弁と、燃焼ガスを排出するための排気弁
とを備えている。
【0003】特開2000186514号公報には、吸
気弁と排気弁をロータリー弁とし、かつ、排気ロータリ
ー弁に燃焼室に露呈可能な凹部を設け、排気ロータリー
弁自体を軸方向に移動させることで、この凹部が燃焼室
内に露呈する状態と露呈しない状態とを切り替えること
で圧縮比を可変する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術では、排気弁と圧縮比可変装置とが共用されているた
めに、圧縮比可変装置としての自由度が低く、排気動作
中には排気弁としてしか機能できない。
【0005】また、燃焼室に副室を設けたり、排気ガス
を気筒内へと再循環させるEGR系を設けたりする技術
が知られているが、内燃機関の構造が複雑なものになり
やすい。
【0006】そこで本発明は、簡易な構成で各種の付加
機能を実現する自由度の高い内燃機関を提供することを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る内燃機関は、吸気弁と排気弁を備える
内燃機関において、これらの吸気弁、排気弁から独立し
て燃焼室内に臨む位置に転動可能に配置され、その一部
を燃焼室内に露出させているロータリー構造体を備えて
いることを特徴とする。
【0008】ここで、ロータリー構造体の一部が燃焼室
内に露出されている、とは、ピストンヘッドが上死点位
置に存在するときに、ピストンヘッドとシリンダヘッド
間に形成される空間(燃焼室)内にロータリー構造体の
一部が露出していることを指す。このロータリー構造体
を利用することで、副室、EGR系、可変圧縮比等の付
加機能を高い自由度で実現することができる。
【0009】このロータリー構造体は、吸気弁と排気弁
の間に配置されていることが好ましい。このようにする
と、ロータリー構造体の一部を燃焼室内へ露出させるの
が容易になる。そして、一列に並べて配置される複数の
気筒を備え、ロータリー構造体は複数の気筒の列方向に
回転軸が延在するよう配置されており、その端部に回転
駆動手段をさらに備えていることが好ましい。このよう
にすると、ロータリー構造体を転動させる機構が複数の
気筒で共有できる。
【0010】ロータリー構造体は、周方向の一部に凹部
を有していることが好ましい。このようにすると、ロー
タリー構造体を転動させることで、気筒の圧縮比を変更
することができる。さらに周方向に大きさの異なる複数
の凹部を配置すると、圧縮比を様々に変えることが可能
となる。
【0011】あるいは、複数の凹部のうちいずれか1つ
が燃焼室に臨むよう転動配置され、この凹部に向けて燃
料を噴射する筒内燃料噴射装置をさらに備えていてもよ
い。このように構成すると、筒内噴射式の火花点火内燃
機関において、凹部に燃料を集中させることで成層燃焼
を好適に行うことができる。合わせて、燃焼室の容積を
変更することもできる。
【0012】このロータリー構造体は、クランクシャフ
トの回転に同期して回転し、凹部が燃焼室と連通してい
ない位置にあるときにその凹部に向けて燃料を噴射する
燃料噴射装置をさらに備えているものでもよい。このよ
うに構成すると、燃焼室から隔離された状態の凹部内に
燃料を噴射することで、成層燃焼を行うのに理想的な状
態の混合気を生成することができる。こうして生成され
た混合気は、ロータリー構造体が回転して凹部が燃焼室
と連通した時点で燃焼室内へと拡散するが、その拡散速
度は、燃焼室内に直接燃料を噴射した場合に形成される
混合気の拡散に比べて遅くなるため、成層燃焼を確実に
行うことができる。
【0013】あるいは、ロータリー構造体表面から突出
するフィンをさらに備えていてもよい。ロータリー構造
体を転動させることで、この突出するフィンによって燃
焼室内の空気(混合気)を攪乱して、筒内の混合気を均
質化し、火炎伝播性能を向上させる。
【0014】ロータリー構造体には、その回転によって
燃焼室、吸気通路、排気通路のうちいずれか2つの連通
と遮断を切り替え可能な通路が配置されているものでも
よい。これにより、EGRを行うことができる。この場
合、低負荷時の吸気行程中に、燃焼室と吸気通路とを連
通させるとともに、吸気弁を閉弁停止させるか、排気行
程中に、燃焼室と吸気通路とを連通可能とするか、吸気
行程中に、燃焼室と排気通路とを連通可能とするか、吸
気行程もしくは排気行程中に、吸気通路と排気通路とを
連通可能とすることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理
解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に
対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説
明は省略する。
【0016】(第1の実施形態)図1、図2は、本発明
に係る内燃機関の第1の実施形態を示す断面構成図であ
る。この内燃機関1は、シリンダ10内に往復移動する
ピストン11が配置され、図のピストン11上部のシリ
ンダヘッド13との間の空間が燃焼室12を形成してい
る。シリンダヘッド13には、吸気管30と排気管40
への連通・遮断をそれぞれ切り替える吸気弁31と排気
弁41が配置されており、その間にロータリー構造体2
と点火プラグ50が配置されている。
【0017】このロータリー構造体2は、円柱構造をな
し、シリンダヘッド13内の略円管状の凹部14内に軸
中心を中心として転動可能に配置されている。ここで、
凹部14は、その円管側面が燃焼室12に連通開放され
ており、燃焼室13近傍の部分の周の一部を切り欠くこ
とで、ロータリー構造体2と凹部14との間にチャンバ
ー20を形成している。
【0018】この内燃機関1は、例えば、直列4気筒の
内燃機関であって、図3に示されるように、各気筒が一
直線上に並べて配置されており、1本の円柱状のロータ
リー構造体2は、気筒の配列方向に延在している。そし
て、一端にロータリー構造体2を転動させる駆動機構2
1が配置されている。
【0019】本実施形態では、図示していないエンジン
ECUの指示によりロータリー構造体2を転動させるこ
とで、チャンバー20が燃焼室12と連通する状態(図
1に示される状態)と、チャンバー20が燃焼室12か
ら遮断される状態(図2に示される状態)とを切り替え
ることができる。チャンバー20が燃焼室12と連通し
た状態(図1)では、連通していない状態(図2)に比
べてチャンバー20の分だけ燃焼室12の実効容積が増
えるため、圧縮比が低下する。つまり、2段階で圧縮比
を変更することができる。
【0020】本実施形態では、チャンバー20を含めた
燃焼室12の形状は複雑なものとならないため、燃焼室
12の表面積増加に伴う熱効率の低下や既燃ガスの掃気
の悪化を抑制することができるので、運転条件に応じて
圧縮比を変えて、出力の増大や燃費の向上といったメリ
ットを最大限に生かすことができる。また、ロータリー
構造体2を転動させるだけの簡単な構成で実現できるの
で、部品点数の増加も僅かであり、その転動位置の制御
も燃焼室12とチャンバー20が連通するか、遮断され
るかを切り替えればよいため、制御精度をそれほど必要
とせず、駆動機構21の構成が簡単ですみ、制御も容易
である。
【0021】図4はこのロータリー構造体2の好適な配
置を説明する図である。圧縮比の可変幅を大きくする場
合、つまり、燃焼室12の容積に比べてチャンバー20
の容積を大きくする場合には、図4(a)に示されるよ
うに、チャンバー20を燃焼室12の中央位置、つま
り、吸気弁31から排気弁41へ至る混合気・排気ガス
の流路の中間位置に配置することが好ましい。図4
(b)に示される位置に、図4(a)に示される位置に
配置したのと同一形状のチャンバー20を配置した場合
には、チャンバー20の下面の一部20a部分しか燃焼
室12に向かって開口しないので、燃焼室表面積増加に
よる冷却損失や絞り損失が発生して熱効率が悪化してし
まう。また、既燃ガスが十分に掃気されない問題も発生
する。
【0022】以上の説明では、1気筒当たり4弁(吸気
2弁、排気2弁)を有する内燃機関の場合を例に説明し
てきたが、2弁(吸気、排気各1弁)の場合も基本的な
考え方は同様である。ロータリー構造体2(キャビティ
20)の配置位置としては、図5(a)〜図5(c)に
示されるように、吸気弁31と排気弁41の間に配置し
ても良く、図5(d)、図5(e)に示されるように、
吸気弁31、吸気弁41を片側に配置し、弁が配置され
ていない側にロータリー構造体2(キャビティ20)を
配置してもよい。いずれの場合でも、燃焼室12内で吸
気弁31からキャビティ20を経て排気弁41へと流れ
る空気流が形成されるよう吸気管30から排気管40に
至る構造を形成することが好ましい。
【0023】(第2の実施形態)図6は、本発明に係る
内燃機関の第2の実施形態を示す概略構成図である。こ
の内燃機関1aの構成は、図1に示される第1の実施形
態の内燃機関1と基本的な構成は同一であって、ロータ
リー構造体2の断面形状のみが相違する。すなわち、第
1の実施形態では、ロータリー構造体2はチャンバー2
0を1つのみ備えていたが、この第2の実施形態では、
周方向に大きさの異なる2つのチャンバー201と20
2が配置されている。
【0024】本実施形態では、ロータリー構造体2を転
動させることで、(1)チャンバー201のみが燃焼室
12と連通する状態(図1に示される状態)、(2)チ
ャンバー202のみが燃焼室12と連通する状態、
(3)チャンバー201、202いずれも燃焼室12か
ら遮断される状態の3つの状態を切り替えることができ
る。チャンバー201はチャンバー202より容積が大
きいため、(1)(2)(3)の順に燃焼室12の実効
的な容積が小さくなり、圧縮比を高くすることができ、
3段階で圧縮比を変更することができる。
【0025】図7は、この実施形態における第1の実施
形態の図3に対応する図である。図に示されるように、
複数の気筒上にロータリー構造体2を延在させる場合に
は、周方向における各チャンバーの配置位置は、同一位
置に配置することが好ましい。このようにすると、単一
の駆動機構21により、各気筒の圧縮比を同一に制御す
ることができる。
【0026】ここでは、周方向に2個のチャンバーを配
置する例を説明したが、3個以上の大きさの異なるチャ
ンバーを配置してもよい。この場合も基本的な考え方は
同一である。
【0027】(第3の実施形態)図8は、本発明に係る
内燃機関の第3の実施形態を示す断面構成図である。こ
の内燃機関1bは、気筒(燃焼室12)内に直接燃料を
噴射して点火プラグ50を用いて着火させる筒内噴射式
火花点火内燃機関であり、シリンダ10のピストンヘッ
ド11上死点位置より上の側壁部分にノズルを露出させ
た高圧式のインジェクタ61が配置されている。このイ
ンジェクタ61の噴射方向は、ロータリー構造体2の燃
焼室12内に露出させたチャンバー201方向である。
このロータリー構造体2は、容積の異なる2つのチャン
バー201、202を有しており、図示していないエン
ジンECUの指示によりロータリー構造体2を転動させ
ることで、チャンバー201、202のうちいずれか一
方が、燃焼室12内に露出してインジェクタ61のノズ
ル方向に面するよう配置させることができる。
【0028】この内燃機関1bでは、成層運転域内の高
負荷領域においては、容積の大きいチャンバー201を
燃焼室12内に向けて露出させ(図8の状態)、インジ
ェクタ61から燃料をチャンバー201に向けて噴出す
ることにより、チャンバー201付近に理論空燃比ない
しこれよりやや濃い混合気を形成して、チャンバー20
1に近接する点火プラグ50を用いて着火することで、
燃焼室13全体としては理論空燃比よりも薄い空燃比で
あっても、安定した燃焼を行うことができる。
【0029】一方、成層運転域内の低負荷領域において
は、容積の小さいチャンバー202を燃焼室12内に向
けて露出させ、インジェクタ61から前述の高負荷領域
の場合より少ない燃料をチャンバー202へ向けて噴出
することにより、チャンバー201付近に理論空燃比な
いしこれよりやや濃い混合気を形成して、チャンバー2
01に近接する点火プラグ50を用いて着火すること
で、燃焼室13全体としては理論空燃比よりも薄い空燃
比であっても、安定した燃焼を行うことができる。この
ように理論空燃比に近い濃混合気を集中させるチャンバ
ー201、202の容積を運転状態に応じて変えること
で、濃混合気の量の調整範囲が拡大し、広い運転範囲で
理想的な成層燃焼を行うことができる。これにより、濃
混合気の量に対してチャンバー容積が大きい場合におこ
るNOxの発生や失火を抑制するとともに、濃混合気の量
に対してチャンバー容積が小さい場合に過濃混合気とな
ることにより起こる燃費悪化や混合気がチャンバーから
はみ出すことによる成層燃焼の不安定発生などを抑制し
て、低エミッションと低燃費を実現することができる。
【0030】さらに、成層運転の軽負荷域では、圧縮比
を増大させ、他の領域では圧縮比を低下させることで、
他の領域でのノッキングの発生を抑制しつつ、成層軽負
荷域の燃費を改善することができる。
【0031】図9は、この実施形態における第1の実施
形態の図3に対応する図である。図に示されるように、
複数の気筒上にロータリー構造体2を延在させる場合に
は、周方向における各チャンバーの配置位置は、同一位
置に配置することが好ましい。このようにすると、単一
の駆動機構21により、各気筒のチャンバー容積を同時
に変更することができる。
【0032】(第4の実施形態)図10は、本発明に係
る内燃機関の第4の実施形態を示す断面構成図である。
この内燃機関1cは、副室式の内燃機関であって、シリ
ンダヘッド13の燃焼室12に臨む位置の円管状の凹部
14内にロータリー構造体2が転動可能に配置されてい
る。このロータリー構造体2は、クランクシャフトの回
転に同期して1サイクルで1回転、つまり、クランクシ
ャフトの半分の角速度で回転するように設定されてい
る。ロータリー構造体2は、その断面の一部が切り欠か
れて形成されたチャンバー20を有している。
【0033】ロータリー構造体2の上、すなわち、ロー
タリー構造体2が燃焼室12に面している側と反対の側
には、燃料インジェクタ62とエアインジェクタ63の
各ノズルがロータリー構造体2に向けて配置されてい
る。この内燃機関1cは、吸気管30上にもインジェク
タ61が配置されている。
【0034】次に、この内燃機関1cの動作を図11を
参照して説明する。まず、図11(d)に示される排気
行程では、ロータリー構造体2のチャンバー20は、燃
焼室12とは隔絶された状態にあり、燃料インジェクタ
62のノズルと連通した状態にある。そして、燃料イン
ジェクタ62から所定の量の燃料がチャンバー20内へ
と供給される。一方、吸気管30内には、インジェクタ
61からも燃料が供給されている。ここで、インジェク
タ61から供給される燃料の量は、燃焼室12内に希薄
混合気を形成する量である。このとき、排気弁41が開
かれ、吸気弁31が閉じられていることで、ピストン1
1の上昇に伴い、燃焼室12内の既燃ガスは排気管40
へと送られる。
【0035】続く、吸気行程(図11(a)参照)で
は、排気弁41を閉じ、吸気弁31を開くことで、ピス
トン11の下降に伴って、吸気管30内の希薄混合気が
燃焼室12内へと導入される。このとき、ロータリー構
造体2のチャンバー20は、燃焼室12とは引き続き隔
絶された状態にあり、エアインジェクタ63のノズルと
連通した状態にある。そして、エアインジェクタ62か
らは、チャンバー20内へ、前の排気行程でチャンバー
20内に導入された燃料と合わせてチャンバー20内に
理論空燃比あるいはやや濃い混合気を形成するのに足り
るだけの空気が供給される。次の圧縮工程までの間にチ
ャンバー20内の気化燃料と空気は良好に混合して略一
様の濃混合気となる。
【0036】次の圧縮工程(図11(b)参照)では、
吸気弁31も閉じ、燃焼室12内に導入された希薄混合
気は、ピストン11の上昇に伴って、圧縮される。この
とき、ロータリー構造体2の回転によりチャンバー20
と燃焼室12が連通し、チャンバー20の燃焼室12へ
の開口部も徐々に広がる。このため、チャンバー20内
の濃混合気66は燃焼室12のチャンバー20近傍へと
広がるが、チャンバー20付近に偏在するため、良好な
成層混合気の分布状態を作り出すことができる。
【0037】チャンバー20が燃焼室12と対向して、
燃焼室12の一部を形成した時点(ピストン11が上死
点位置に達した前後)に点火プラグ50により混合気に
点火する(図10参照)。このとき、濃混合気66が点
火プラグ50付近に偏在しているので、燃焼室12全体
としては空燃比がリーンな状態であっても確実に着火が
行える。着火後は、濃混合気66から周囲の希薄混合気
へと火炎が伝播し、燃焼室12(チャンバー20を含
む)内での燃焼を安定させることができる。このとき、
チャンバー20が燃焼室12の一部を形成していること
から、一般の副室式燃焼室のような冷却損失や絞り損失
が発生することがなく、チャンバー20からの混合気の
噴出による拡散やチャンバー20に未燃焼の混合気が残
ったままチャンバー20と燃焼室が遮断されることがな
い。
【0038】燃焼により、燃焼ガスは膨張し、ピストン
11が押し下げられ、燃焼エネルギーが運動エネルギー
として回収される膨張行程に至る(図11(c)参
照)。クランクシャフトの回転にしたがって、ロータリ
ー構造体2は回転し、チャンバー20は内部に既燃ガス
を取り込んだ状態のまま燃焼室12から遮断される。
【0039】そして、最初に説明した排気行程(図11
(d)参照)へと戻る。チャンバー20内に高温の既燃
ガスが残留しているため、燃料インジェクタ62から噴
射した燃料の気化が促進される。以上の行程を繰り返す
ことで、確実な成層燃焼を行うことができる。
【0040】このロータリー構造体2を複数の気筒上に
延在させる場合、第1〜第3の実施形態と異なり、気筒
間で周方向のチャンバー20の位置を異ならせる必要が
ある。以下、直列4気筒の場合を例に説明する。図12
は、4気筒を上から見た図であり、図13は、駆動機構
21側からロータリー構造体2を見た図である。この直
列4気筒内燃機関の場合には、クランク角度にして18
0度(1/4サイクル)ずらして、10a、10c、1
0d、10bの順に点火を行う。ロータリー構造体2
は、クランクシャフト1回転ごとに半回転するから、各
チャンバー20a20c、20d、20bはその半分の
90度ずつその回転方向に位相をずらして配置されてい
る。このように配置することで、各気筒の運転サイクル
に合わせてチャンバー20と燃焼室12および燃料イン
ジェクタ62、エアインジェクタ63との連通、遮断を
切り替えることが可能である。
【0041】チャンバー20と燃焼室12とを連通させ
たときの、燃焼室12内の圧力とチャンバー20内の圧
力との差を小さくすることが好ましい。チャンバー20
内の圧力が燃焼室12内の圧力より高すぎる場合には、
チャンバー20が燃焼室12に向けて連通すると同時に
開口部からチャンバー20内の混合気66が燃焼室12
内へと噴出し、拡散してしまうため理想的な成層混合気
分布を形成することが困難になる。逆に、チャンバー2
0内の圧力が燃焼室12内の圧力より低すぎると、燃焼
室12内の希薄混合気や既燃ガス等がチャンバー20内
へ侵入してしまい、混合気が薄められて、着火しがたく
なってしまう。
【0042】そこで、駆動機構21をギヤ、ベルト、チ
ェーン等によってクランクシャフトに単に直結するので
はなく、駆動機構21内に位相可変機構を組み込むこと
により、ロータリー構造体2の回転位相を進角、遅角で
きるようにすることが好ましい。このようにすると、燃
焼室12とチャンバー20の圧力差が小さい時点で両者
を連通させるようその連通時期を調整することができ
る。
【0043】なお、図10に示される実施形態では、吸
気管30にもインジェクタ60を配置しているが、吸気
管30にはインジェクタ60を配置しない構成を採って
もよい。この場合、筒内に形成される混合気分布は、点
火プラグ50付近の開口したチャンバー20近傍のみに
混合気66が集中し、その周辺領域は燃料を全く含まな
い空気あるいは空気と既燃ガスの混合気が占める成層分
布となる。
【0044】図14、図15はそれぞれ本実施形態の変
形形態を示す断面構成図である。図14に示される内燃
機関1dは、図10に示される内燃機関1cの燃料イン
ジェクタ62とエアインジェクタ63の機能をエアブラ
ストノズル64により共用させている。この場合は、所
定の空燃比の混合気を直接チャンバー20内に供給する
ことができる。
【0045】図15に示される内燃機関1eは、ロータ
リー構造体2の構成が図10に示される内燃機関1cと
相違し、チャンバー201とチャンバー202とが18
0度位相をずらして配置されている。この実施形態では
ロータリー構造体2は、クランクシャフト1回転ごとに
1/4回転する。つまり、1サイクルで半回転する。こ
のようにすると、チャンバー201、202の燃焼室1
2との連通時間を長く採れるため、混合気の拡散を抑制
することができ、理想的な成層燃焼を行うことができ
る。
【0046】チャンバー201、202内には高温の既
燃ガスが残留したほうが燃料の気化促進の観点からは有
利であるが、既燃ガスの残留量が多いと、必要な空燃比
の混合気を形成するためにはよりチャンバー201、2
02内の圧力を高める必要があり、特に、エアインジェ
クタ63の噴射圧力を高める必要がある。そこで、図1
5に示されるように、吸気弁31が開いた段階でチャン
バー202(あるいは201)が吸気弁31近傍で開口
しているようなタイミングでロータリー構造体2を回転
させることで、燃焼後にチャンバー201、202内を
吸入空気により掃気することで、低いチャンバー20
1、202内の圧力で必要な空燃比の混合気を形成する
ことを可能とすることが好ましい。
【0047】図16は、内燃機関1eの構成を直列4気
筒形式の内燃機関に適用した場合のロータリー構造体2
のチャンバー201、202配置を説明する図である。
図13に示されるロータリー構造体2に比べてクランク
シャフトの回転数が同一でもその回転速度は半分になる
ため、各チャンバー201a、201c、201d、2
01b、202a、202c、202d、202bは4
5度ずつその回転方向に位相をずらして配置されてい
る。
【0048】(第5の実施形態)図17は、本発明に係
る内燃機関の第5の実施形態を示す断面構成図である。
この内燃機関1fは、吸気弁31と排気弁41の間のシ
リンダヘッド13に、側面が燃焼室12に向けて開口さ
れた略円管状の凹部14内が形成され、この凹部14内
にロータリー構造体2が転動可能に配置されている。こ
のロータリー構造体2は、半月状の断面を有し、凹部1
4との間に形成されるチャンバー20内に軸中心から径
方向に広がるとともに、軸方向に沿って延びる複数のフ
ィン23が配置されている。
【0049】この内燃機関1fでは、ロータリー構造体
2を回転させることで、フィン23によって燃焼室12
内の空気に乱れを形成するものである。この制御は、図
示していないエンジンECUにより、駆動機構を制御す
ることで行われる。
【0050】吸気行程中はロータリー構造体2を回転さ
せ、フィン23によって燃焼室12内に乱れを形成し、
混合気を均質化させる。圧縮行程中は、チャンバー20
が燃焼室12から遮断した状態でロータリー構造体2の
回転を止めることで、圧縮中に圧縮比が脈動しないよう
にすることが好ましい。点火後の膨張行程中は、ロータ
リー構造体2を回転させることでフィン23によって燃
焼室12内に乱れを形成して火炎伝播を促進することに
より、ノッキングの発生を抑制する。排気行程中もロー
タリー構造体2を回転させることで、フィン23によっ
て燃焼室12内に乱れを形成し、筒内の既燃ガスの掃気
効率を向上させる。残留ガス割合を低下させることで次
サイクルでのノッキングを抑制することができる。
【0051】ロータリー構造体2の回転数は、フィン2
3による乱れ効果を高めるため、クランクシャフトの回
転数より高いことが好ましい。圧縮行程で停止させる場
合には、これを駆動させる駆動機構21は、クランクシ
ャフトから切り離し可能な構成とすることが好ましい。
あるいは、モーター等の独自の駆動源を有していてもよ
い。この場合は、各気筒ごとに独自の駆動機構が必要と
なる。
【0052】圧縮行程で停止させない場合には、クラン
クシャフトの1回転ごとに数回転する構成とし、図18
に示されるように複数の気筒間に延在させて駆動機構2
1を共有することも可能である。フィン23の配置は気
筒ごとに異ならせてもよいが、図18に示されるように
周方向で同じ位置に配置してもよい。
【0053】また、ロータリー構造体2は、燃焼室12
の上部に設ける必然性はなく、図19に示される内燃機
関1gのように吸気弁31近傍のシリンダ10の側壁に
配置しても良く、図20に示される内燃機関1hのよう
に排気弁41近傍のシリンダ10の側壁に配置してもよ
い。いずれの場合であっても、図示していないピストン
が上死点に達した場合でもキャビティ20が燃焼室12
に連通可能となる位置にロータリー構造体2を配置する
必要がある。
【0054】以上の説明では、乱れ形成のため、ロータ
リー構造体2に径方向に広がるフィン23を設ける例を
説明してきたが、ロータリー構造体2を軸中心を中心と
するらせん状のフィンが配置された構造としてもよい。
【0055】(第6の実施形態)図21は、本発明に係
る内燃機関の第6の実施形態を示す断面構成図である。
この内燃機関1iは、吸気弁31と排気弁41の間のシ
リンダヘッド13に、側面が燃焼室12に向けて開口さ
れた略円管状の凹部14内が形成され、この凹部14内
にロータリー構造体2が転動可能に配置されている。こ
のロータリー構造体2には、円周上の2点を連結して連
通させる連通孔24が配置されている。そして、ロータ
リー構造体2の回転により、この連通孔24と吸気管3
0とを連通可能とする吸気孔32が設けられている。こ
のとき、吸気孔32と連通孔24とにより燃焼室13と
吸気管30とが連通する。また、吸気弁31には図示し
ていない弁停止機構を備えている。
【0056】この内燃機関1iでは、低負荷時つまり吸
入空気量が少ないときには、図示していないエンジンE
CU1の指示により、弁停止機構を作動させて吸気弁3
1を停止させる。そして、吸気行程の通常の吸気弁31
の開タイミング内において、図示していない駆動機構に
よりロータリー構造体2を転動させて連通孔24を燃焼
室13、吸気孔32と連通させる。連通孔24の流路断
面積を吸気弁31の開面積より小さく設定することで、
吸気の流速を速め、筒内の吸気流動を強めることができ
る。つまり、低負荷時には、通常の吸気弁31に代えて
ロータリー構造体2を吸気弁として使用する。この連通
孔24には、傘状の弁が存在しないため、流量が少ない
場合でも連通孔24から燃焼室12へ導入される空気の
流線が弁の形状による影響を受けることがなく、流路を
絞って流速を速める効果を十分に活用することができ
る。
【0057】吸入が終了したら、図示していない駆動機
構によりロータリー構造体2を転動させて連通孔24を
燃焼室13、吸気孔32から遮断する。
【0058】中負荷等の混合気流量が標準範囲の場合に
は、図示していないエンジンECU1の指示により、弁
停止機構を停止させて吸気弁31を所定のタイミングで
開閉させることで、吸気弁31を介しての吸気を行う。
スロットル全開時などの吸入空気量を極力確保したい状
況においては、吸気弁31を所定のタイミングで開閉す
るとともに、このタイミングに合わせて図示していない
駆動機構によりロータリー構造体2を転動させること
で、連通孔24を介して燃焼室12内にさらに大量の混
合気を導入することが好ましい。これにより、吸気量を
拡大するとともに、燃焼室12内の混合を促進すること
ができる。
【0059】図21に示される連通孔24を使用した場
合には、燃焼室12内には、図において時計回りに回転
する正のタンブル流が得られる。これに対して、図22
に示される形状の連通孔24を使用すれば、燃焼室12
内には、図において反時計回りに回転する負のタンブル
流が得られる。いずれの場合であっても、軽負荷時の混
合気の混合を促進する効果は同一である。
【0060】連通孔24の形状は図に示した形状に限ら
れるものではなく、燃焼室12内に拡散させる形状や1
気筒あたり複数の連通孔24を配置して乱れを促進して
もよい。
【0061】(第7の実施形態)図23は、本発明に係
る内燃機関の第7の実施形態を示す断面構成図である。
この内燃機関1jは、吸気弁31と排気弁41の間のシ
リンダヘッド13に、側面が燃焼室12に向けて開口さ
れた略円管状の凹部14内が形成され、この凹部14内
にロータリー構造体2が転動可能に配置されている。こ
のロータリー構造体2には、円周上の2点を連結して連
通させる連通孔24が配置されており、ロータリー構造
体2の回転により、この連通孔24は、吸気管30と燃
焼室12の連通、遮断を切り替え可能とされている。こ
のロータリー構造体2の転動駆動は、クランクシャフト
の回転と同期して半分の回転数で回転する機構を用いて
行えばよい。
【0062】図24は、この内燃機関1jにおける吸排
気弁31、41とロータリー構造体2の連通孔24の作
動タイミングを表すタイムチャートである。縦軸はリフ
ト量もしくは開口率を示し、横軸中央のTDCが排気上
死点を示している。この実施形態では、ピストン11が
膨張行程を終え、下死点(BDC)に到達した後の排気
行程中に排気弁41を開くとともに、図示していない駆
動機構によってロータリー構造体2を転動させて連通孔
24によって燃焼室12と吸気管30とを連通させる。
これにより、燃焼室12内の既燃ガスは排気管40へと
排出されるとともに、その一部が吸気管30へと戻され
る。
【0063】ピストン11がTDCに到達し、排気行程
が終了するまでに排気弁41は閉じられ、これと前後し
て図示していない駆動機構によってロータリー構造体2
を転動させることで、連通孔24による燃焼室12と吸
気管30との連通を解除する。排気弁41の閉止と前後
して吸気弁31を開くことで、吸気管30の上流側から
供給される新気と、排気行程中に吸気管30に戻された
既燃ガスとが燃焼室12内へと導かれる。こうして既燃
ガスを再度燃焼室13内へ導くEGRを行うことで、筒
内ガス温度を上昇させてインジェクタ61から噴出され
る燃料の気化を促進し、燃焼を安定させ、エミッション
を向上させることができる。
【0064】本実施形態では、EGR導入のためにロー
タリー構造体2を利用しているため、このロータリー構
造体2の回転位相をずらすだけで、EGRガスの流量、
送出タイミングを制御することができる。これはカム・
バルブ機構においていわゆる二重カムを用いる場合に比
べて簡単な構造でタイミング可変を実現することがで
き、その制御も容易である。さらに、吸気/排気弁3
0、31の駆動に2段カムを利用することで、同様のE
GRを行おうとすると弁のリフト回数が倍になるため、
高回転数で動作させようとすると、応答性・耐久性が問
題となり、カム機構周辺の構造が複雑になってしまう
が、本実施形態では、弁のリフト回数は通常の場合と変
わらず、ロータリー構造体2自体の構成は簡単であるた
め、応答性・耐久性の点で有利である。
【0065】このようなEGRガスの導入を行うための
構造は図23の構造に限られるものではない。以下その
変形形態のいくつかについて説明する。
【0066】図25に示される内燃機関1kの連通孔2
5は、ロータリー構造体2の回転により、排気管40と
燃焼室12との連通、遮断を切り替えるものである。具
体的には、吸気行程(図26のTDC以降BDC以前)
において、吸気弁31を開くとともに、連通孔25によ
って排気管40と燃焼室12とを連通させることで、直
前の排気行程で排気管40に送出された既燃ガスの一部
を燃焼室12へと戻す。これにより、上述した内燃機関
1jと同様の効果が得られる。
【0067】図27に示される内燃機関1lの連通孔2
6は、ロータリー構造体2の回転により、吸気管30と
排気管40との連通、遮断を切り替えるものである。具
体的には、排気行程(図28の最初のBDC以前TDC
以降)において、図27に示されるように排気弁41を
開くとともに、連通孔26によって吸気管30と排気管
40とを連通させることで、燃焼室12内から排気管4
0に送出される既燃ガスの一部を吸気管30へと送出す
る。次の吸気行程(図28のTDC以降次のBDC以
前)においてこの既燃ガスは、新気とともに燃焼室12
へ導入される。これにより、上述した内燃機関1jと同
様の効果が得られる。
【0068】あるいは、この内燃機関1lにおいて、ロ
ータリー構造体2によるEGR制御は以下のように行う
こともできる。排気行程(図30の最初のBDC以前T
DC以降)では、排気弁41のみを開き、燃焼室12内
から排気管40に既燃ガスを送出送出する。次の吸気行
程(図30のTDC以降次のBDC以前)では、図29
に示されるように吸気弁31を開くとともに、連通孔2
6によって吸気管30と排気管40とを連通させること
で、直前の排気行程で排気管40に送出された既燃ガス
の一部を吸気管30を介して燃焼室12へと戻す。これ
により、上述した内燃機関1jと同様の効果が得られ
る。
【0069】さらに、両者を組み合わせて図31に示さ
れるように、連通孔26による吸気管30と排気管40
の連通を排気行程と吸気行程の2度行ってもよい。この
場合は吸気・排気行程では連通を行い、続く圧縮・膨張
行程では遮断を行う必要があるので、圧縮・膨張行程中
はロータリー構造体2の回転を止めることが可能な駆動
装置を用いる必要がある。この場合でも上述した内燃機
関1jと同様の効果が得られる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、燃
焼室に臨み、その一部を燃焼室内に露出させたロータリ
ー構造体を配置することで、様々な機能を実現すること
ができる。
【0071】このロータリー構造体に1つあるいは複数
の凹部を配置し、燃焼室に凹部が連通しない状態と、所
定の凹部が連通する状態とを切り替えることで、可変圧
縮比の内燃機関が実現される。
【0072】ロータリー構造体の凹部に向けて燃料を噴
射することで、凹部(キャビティ)近辺に混合気を集中
させるようにすると、理想的な成層燃焼が実現できる。
【0073】ロータリー構造体をクランクシャフトの回
転に同期して、回転させ、キャビティが燃焼室から遮断
されている時点でキャビティ内に燃料を噴射して良好な
混合気を形成し、その後、キャビティを燃焼室に連通さ
せると、気筒内に良好な成層混合気分布を形成すること
ができる。
【0074】ロータリー構造体にフィンを形成して、運
転状態に合わせて構造体を回転させると、このフィンに
よって燃焼室内の混合気(空気、既燃ガス)に乱れを形
成することができ、燃焼の安定性向上や、掃気の効率を
向上させることができる。
【0075】ロータリー構造体に連通孔を設け、その回
転によって吸気管、排気管、燃焼室のうちいずれか2つ
を連通可能とすると、EGR導入や低負荷時の吸気制御
が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の第1の実施形態を示す
断面構成図である。
【図2】図1の内燃機関の別の状態を示す断面構成図で
ある。
【図3】図1の実施形態の内燃機関(直列4気筒)を上
から見た図である。
【図4】図1の実施形態におけるロータリー構造体の好
適な配置位置を説明する図である。
【図5】図1の実施形態の別の変形例のいくつかを上か
ら見た図である。
【図6】本発明に係る内燃機関の第2の実施形態を示す
断面構成図である。
【図7】図6の実施形態を上から見た図である。
【図8】本発明に係る内燃機関の第3の実施形態を示す
断面構成図である。
【図9】図8の実施形態を上から見た図である。
【図10】本発明に係る内燃機関の第4の実施形態を示
す断面構成図である。
【図11】図10の機関の1サイクルの動きを示す図で
ある。
【図12】図10の機関を上から見た図である。
【図13】図10の機関におけるロータリー構造体の凹
部の配置を説明する図である。
【図14】図10の実施形態の変形例を示す断面構成図
である。
【図15】図10の実施形態の別の変形例を示す断面構
成図である。
【図16】図15の機関におけるロータリー構造体の凹
部の配置を説明する図である。
【図17】本発明に係る内燃機関の第5の実施形態を示
す断面構成図である。
【図18】図17の機関を上から見た図である。
【図19】図17の実施形態の変形例を示す断面構成図
である。
【図20】図17の実施形態の別の変形例を示す断面構
成図である。
【図21】本発明に係る内燃機関の第6の実施形態を示
す断面構成図である。
【図22】図21の実施形態の変形例を示す断面構成図
である。
【図23】本発明に係る内燃機関の第7の実施形態を示
す断面構成図である。
【図24】図23の機関における吸排気弁とEGR通路
の開閉タイミングを説明するタイムチャートである。
【図25】図23の実施形態の第1の変形例を示す断面
構成図である。
【図26】図25の機関における吸排気弁とEGR通路
の開閉タイミングを説明するタイムチャートである。
【図27】図23の実施形態の第2の変形例を示す断面
構成図である。
【図28】図27の機関における吸排気弁とEGR通路
の開閉タイミングを説明するタイムチャートである。
【図29】図27の変形例の別の状態を示す断面構成図
である。
【図30】図27の機関の別の吸排気弁とEGR通路の
開閉タイミングを説明するタイムチャートである。
【図31】図27の機関のさらに別の吸排気弁とEGR
通路の開閉タイミングを説明するタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…ロータリー構造体、10…シリン
ダ、11…ピストン、12…燃焼室、13…シリンダヘ
ッド、14…凹部、20、201、202…チャンバ
ー、23…フィン、24〜26…連通孔、30…吸気
管、31…吸気弁、40…排気管、41…排気弁、50
…点火プラグ、60、61、62…燃料インジェクタ、
63…エアインジェクタ、64…エアブラストノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 13/02 F02D 13/02 H J 21/08 301 21/08 301A 41/04 320 41/04 320 43/00 301 43/00 301S 301Z 45/00 312 45/00 312J F02F 1/24 F02F 1/24 D (72)発明者 内田 大輔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岡田 吉弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 柏倉 利美 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 羽島 孝志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G023 AA01 AB01 AC04 AC05 AD02 AD04 AD05 AD09 3G024 AA01 AA03 AA09 AA11 AA13 AA16 DA01 DA03 3G084 AA03 BA23 DA02 DA38 3G092 AA01 AA06 AA10 AA11 AA12 AA13 AB02 BB19 DA01 DA03 DA08 DA11 DD08 DD10 DE03S DF01 DF02 DG01 EA14 FA16 FA21 FA24 GA05 HA12X HC05X 3G301 HA01 HA04 HA19 JA02 JA21 JA22 KA08 LA07 LB04 MA29 PA01Z

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁と排気弁を備える内燃機関におい
    て、 前記吸気弁、排気弁から独立して燃焼室内に臨む位置に
    転動可能に配置され、その一部を燃焼室内に露出させて
    いるロータリー構造体を備えている内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記ロータリー構造体は、前記吸気弁と
    前記排気弁の間に配置されている請求項1記載の内燃機
    関。
  3. 【請求項3】 一列に並べて配置される複数の気筒を備
    え、前記ロータリー構造体は前記複数の気筒の列方向に
    回転軸が延在するよう配置されており、その端部に回転
    駆動手段をさらに備えている請求項2記載の内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記ロータリー構造体は、周方向の一部
    に凹部を有している請求項1〜3のいずれかに記載の内
    燃機関。
  5. 【請求項5】 周方向に大きさの異なる複数の凹部が配
    置されている請求項4記載の内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記複数の凹部のうちいずれか1つが燃
    焼室に臨むよう転動配置され、この凹部に向けて燃料を
    噴射する筒内燃料噴射装置をさらに備えている請求項5
    記載の内燃機関。
  7. 【請求項7】 前記ロータリー構造体は、クランクシャ
    フトの回転に同期して回転し、前記凹部が燃焼室と連通
    していない位置にあるときに該凹部に向けて燃料を噴射
    する燃料噴射装置をさらに備えている請求項4に記載の
    筒内燃料噴射装置。
  8. 【請求項8】 周方向に大きさが同じ複数の凹部が配置
    されている請求項7記載の内燃機関。
  9. 【請求項9】 前記ロータリー構造体表面から突出する
    フィンをさらに備えている請求項1〜3のいずれかに記
    載の内燃機関。
  10. 【請求項10】 前記ロータリー構造体は、その回転に
    よって燃焼室、吸気通路、排気通路のうちいずれか2つ
    の連通と遮断を切り替え可能な通路が配置されている請
    求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関。
  11. 【請求項11】 低負荷時の吸気行程中に、前記ロータ
    リー構造体によって燃焼室と吸気通路とを連通させると
    ともに、前記吸気弁を閉弁停止させる請求項10記載の
    内燃機関。
  12. 【請求項12】 排気行程中に、前記ロータリー構造体
    によって燃焼室と吸気通路とを連通可能とする請求項1
    0記載の内燃機関。
  13. 【請求項13】 吸気行程中に、前記ロータリー構造体
    によって燃焼室と排気通路とを連通可能とする請求項1
    0記載の内燃機関。
  14. 【請求項14】 吸気行程もしくは排気行程中に、前記
    ロータリー構造体によって吸気通路と排気通路とを連通
    可能とする請求項10記載の内燃機関。
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