JP2003293262A - 二酸化チタン担持ガラス繊維の製造方法 - Google Patents

二酸化チタン担持ガラス繊維の製造方法

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幸一 中村
Koichi Matsumoto
公一 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い二酸化チタン含有皮膜強度を有し粉落ち
が抑制された二酸化チタン担持ガラス繊維の製造方法を
提供する。 【解決手段】 ガラス繊維と該ガラス繊維の表面に形成
された二酸化チタン含有層とを備える二酸化チタン担持
ガラス繊維の製造方法であって、二酸化チタンと無機バ
インダーと水とを含む混合液をガラス繊維に付着させ、
混合液付着ガラス繊維を得る付着工程と、前記混合液付
着ガラス繊維を冷却して、前記混合液を前記ガラス繊維
に付着させた状態で凍結させ、凍結物付着ガラス繊維を
得る凍結工程と、前記凍結物付着ガラス繊維を凍結乾燥
する乾燥工程と、を含むことを特徴とする二酸化チタン
担持ガラス繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化チタン担持
ガラス繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二酸化チタン等の光触媒と、無機又は有
機の接着剤とを含有するスラリーやゾルを無機基材に塗
布して、これを乾燥(場合によっては更に焼成)して、
光触媒機能を持つ基材を得る方法が知られている。
【0003】例えば、特開平2−253848号公報に
は、二酸化チタン、活性炭、金属(白金等)を含むスラ
リーを無機質繊維の塗布して乾燥する方法が開示されて
おり、特開平7−100378号公報には、二酸化チタ
ンゾルを石英ガラス管に塗布し630℃で焼成する方法
が開示されている。また、特開平11−323191号
公報には二酸化チタンと、チタネート系又はアルミニウ
ム系カップリング剤と、フッ素系界面活性剤含有エチル
シリケートとを含む塗料を基材に塗布し、乾燥する方法
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−253848号公報に開示された方法では、スラリ
ーを用いて形成した光触媒の皮膜強度が低く、はく離や
粉落ちが生じやすい問題がある。また、特開平7−10
0378号公報に開示されたゾルを用いて形成した光触
媒の皮膜は、皮膜強度が高いものの焼成温度が高温のた
めに、基材として耐熱性が非常に優れた材料しか使用で
きず、ガラス繊維が基材として適用できないという問題
がある。
【0005】そして、特開平11−323191号公報
に開示された塗料を用いて作製した光触媒皮膜は、有機
物を含有するために、経時的に当該有機物が光触媒によ
り分解され、皮膜が脆くなる問題がある。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、二酸化チタンを付着させる基材
としてガラス繊維を用いることができ、形成される二酸
化チタン含有皮膜の強度を高めることが可能であり、二
酸化チタン含有皮膜の経時的な粉落ちを抑制することも
可能な、二酸化チタン担持ガラス繊維の製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、二酸化チタンを含
む混合溶液を付着させたガラス繊維を凍結させて減圧乾
燥させる工程を実施することにより、上記目的が達成可
能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明は、ガラス繊維と該ガラ
ス繊維の表面に形成された二酸化チタン含有層とを備え
る二酸化チタン担持ガラス繊維の製造方法であって、
(1)二酸化チタンと無機バインダーと水とを含む混合
液をガラス繊維に付着させ、混合液付着ガラス繊維を得
る付着工程と、(2)前記混合液付着ガラス繊維を冷却
して、前記混合液を前記ガラス繊維に付着させた状態で
凍結させ、凍結物付着ガラス繊維を得る凍結工程と、
(3)前記凍結物付着ガラス繊維を凍結乾燥する乾燥工
程と、を含むことを特徴とする二酸化チタン担持ガラス
繊維の製造方法を提供するものである。
【0009】本発明の製造方法は、二酸化チタンと無機
バインダーと水とを含む混合液を凍結させて乾燥(凍結
乾燥)することから、混合液中の固形分が固定された状
態で水等の溶媒が除去されるため、得られる二酸化チタ
ン含有皮膜の粉落ちが防止される。また、焼成を実施し
ない場合であっても上記皮膜強度が高いことから、高温
では劣化が生じやすいガラス繊維を基材として用いるこ
とができる。また、混合液に有機成分を添加しない場合
でも十分な皮膜強度が得られるため、二酸化チタンによ
る有機成分の分解という問題が生じない。そして、凍結
乾燥を行うために、得られる皮膜が多孔質となり表面積
が増大して、優れた光触媒機能を発揮する二酸化チタン
担持ガラス繊維を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の二酸化チタン担持
ガラス繊維の製造方法の実施の形態について説明する。
【0011】(付着工程)付着工程においては、二酸化
チタンと無機バインダーと水とを含む混合液をガラス繊
維に付着させ、混合液付着ガラス繊維を得る。
【0012】本工程で用いられるガラス繊維としては、
ガラス繊維モノフィラメント、ガラス繊維モノフィラメ
ントを複数本束ねたガラス繊維束(ガラス繊維ストラン
ド、ガラス繊維ヤーン、ガラス繊維ロービング等)、ガ
ラス繊維布が挙げられる。なお、ガラス繊維布として
は、ガラス繊維ストランド(ガラス繊維チョップドスト
ランド等)を結合剤で結合して得られるガラス繊維不織
布、ガラス繊維束を織ることにより得られるガラスクロ
ス、ガラス繊維束を編むことにより得られるガラス繊維
編物が挙げられる。本発明において上記混合液を付着さ
せるガラス繊維は、ガラス繊維布が好ましく、ガラスク
ロスが特に好ましい。
【0013】本工程で用いられる混合液は、二酸化チタ
ンと無機バインダーと水とを必須成分としている。混合
液に用いる二酸化チタンは、二酸化チタン粒子であるこ
とが好ましく、二酸化チタン粒子は、結晶構造が異なる
ものの混合物であっても同一結晶構造のみからなるもの
であってもよいが、アナターゼ型の結晶構造を有する二
酸化チタン粒子を含有するものであることが好ましい。
【0014】二酸化チタン粒子の平均粒径は5〜30n
mが好ましい。二酸化チタン粒子の平均粒径が5nm未
満である場合は、工業的に入手困難であり、30nmを
超す場合は、比表面積が小さく光触媒効率が低下する傾
向がある。なお、上記平均粒径は二酸化チタンの一次粒
子の平均粒径を意味し、上記平均粒径の二酸化チタン粒
子は混合液中で二次粒子を形成していてもよい。
【0015】混合液が含有する無機バインダーは、二酸
化チタンをガラス繊維に固定するこのできるものであれ
ばよいが、二酸化チタンを強固にガラス繊維に固定する
ことが可能であることから、金属酸化物ゾルを用いるこ
とが好ましい。金属酸化物ゾルは、金属酸化物粒子を溶
媒中に均一に分散させたものであり、粒子形状として
は、棒状、球状及び繊維状等が可能である。また、金属
酸化物粒子の結晶状態は任意であり、アモルファスであ
っても特定の結晶状態を有していていてもよく、その粒
径は、例えば、数十〜数千オングストロームとすること
ができる。
【0016】混合液の溶媒は、水が好ましいが、アルコ
ールやその他有機溶媒を用いてもよく、水と有機溶媒の
混合物であってもよい。また、混合液には安定剤として
酸や塩基を添加することもできる。金属酸化物として
は、Al23 、ZnO、SnO2、SiO2及びFe2
3等が挙げられ、これらの単独のゾルや、これらを混合
したゾルが使用できる。本発明においては、二酸化チタ
ンのガラス繊維への固着能力が優れることからアルミナ
ゾルを用いることが好ましい。
【0017】上記混合物は、二酸化チタンと金属酸化物
ゾル(金属酸化物と水とを必須成分として含む)を混合
して作製することが好ましく、混合物100重量部中、
二酸化チタンの重量を10〜50重量部(好ましくは、
20〜40重量部)とし、残部を金属酸化物ゾルとする
ことが好ましい。そして、金属酸化物ゾル100重量部
中、金属酸化物の重量は10〜50重量部(好ましく
は、15〜30重量部)が好ましく、残部の90重量%
以上は水であることが好ましい。
【0018】本工程において、ガラス繊維に付着させる
混合物の量は、ガラス繊維100重量部に対して二酸化
チタンが10〜50重量部(好ましくは、20〜40重
量部)となるような量であることが好ましい。なお、混
合物をガラス繊維に付着させる方法としては、公知の方
法、例えば、スプレー、ディッピング、ロールコート
等、が挙げられ、付着量が過剰であった場合は、マング
ル等を通し付着量を上記範囲に調整することが好適であ
る。
【0019】(凍結工程)凍結工程においては、上述し
た付着工程で得られたガラス繊維(混合液付着ガラス繊
維)を冷却して、混合液をガラス繊維に付着させた状態
で凍結させ、凍結物付着ガラス繊維を得る。
【0020】冷却は、ガラス繊維に付着した混合物中の
溶媒(少なくとも水)の凍結が可能な温度で実施する必
要があり、これは、例えば、混合液付着ガラス繊維を公
知の冷却機の中で0℃以下に保持することにより実施可
能である。
【0021】このように、本発明においては、付着させ
た二酸化チタンを含む混合液を凍結させることが大きな
特徴である。凍結は本工程に続く乾燥工程において凍結
乾燥を行うための前段階として実施するものであるが、
凍結乾燥を実施することにより、混合液に含まれる水等
の溶媒を加熱乾燥等により除去する従来の方法に比べ
て、得られる二酸化チタン含有皮膜の皮膜強度を向上さ
せることが可能になる。
【0022】本工程においては、混合物付着ガラス繊維
をフィルムで被覆して冷却することが好ましい。ここで
用いられるフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、
ポリ塩化ビニリデンフィルム等のような、凍結による混
合物の体積変化に追随可能な柔軟性の高い樹脂フィルム
が挙げられる。なお、フィルムとしては蒸気透過性のも
のを用いることが好ましい。凍結時にフィルムで表面を
被覆することにより、ガラス繊維に付着した凍結後の混
合物の表面を平滑にすることができ、これにより最終的
に得られる二酸化チタン含有層の粉落ちを効果的に防止
することができる。
【0023】本工程においては、また、混合液付着ガラ
ス繊維を加圧条件で冷却することが好ましい。加圧条件
で冷却することにより、付着物がガラス繊維に押し付け
られた状態で凍結するために、ガラス繊維に対する凍結
物の付着強度が上昇し、これにより、最終的に得られる
二酸化チタン含有層のガラス繊維への接着強度が向上し
て粉落ちが効果的に防止される。
【0024】本工程を実施するにあたり、混合液付着ガ
ラス繊維を袋に挿入して該袋内を減圧にすることによ
り、混合液付着ガラス繊維を加圧条件で冷却することが
特に好ましい。混合液付着ガラス繊維を袋に入れて袋内
部を減圧にすると、袋が混合液付着ガラス繊維に密着
し、上述した「凍結物付着ガラス繊維にフィルムを付着
させた状態」を実現できる。また、内部が減圧であるこ
とから大気圧により混合液付着ガラス繊維が加圧され、
上述した「前記混合液付着ガラス繊維を加圧条件で冷却
する」ことが可能になる。すなわち、かかる方法を採用
することにより、上記2つの条件を一度に実施すること
が可能になる。なお、ここで用いる袋としては樹脂から
なる袋(プラスチックバッグ)が挙げられる。
【0025】(乾燥工程)乾燥工程においては、上述し
た凍結工程で得られた凍結物付着ガラス繊維を凍結乾燥
する。凍結乾燥は常法にしたがって凍結状態で減圧にす
ることにより実施ができ、本工程によりガラス繊維に付
着している凍結状態の混合液から、水を含む溶媒が除去
され、ガラス繊維上に二酸化チタン含有層が形成され
る。
【0026】ここで得られる二酸化チタン含有層は、二
酸化チタンと無機バインダーを必須成分として含む層で
あり、上記混合物がこれら以外に不揮発成分を含有する
ときは当該不揮発成分を更に含有するものとなる。な
お、無機バインダーや不揮発成分は、冷却及び凍結乾燥
により初期の状態と比べて物理的・化学的変化が生じる
場合がある。
【0027】凍結工程において、混合物付着ガラス繊維
をフィルムで被覆して冷却した場合においては、乾燥工
程において、凍結物付着ガラス繊維にフィルムを付着さ
せた状態で凍結乾燥を行うことが好ましい。凍結乾燥は
フィルムをはく離した後に実施することもできるが、フ
ィルムを付着させた状態で凍結乾燥を行うことにより、
得られる二酸化チタン含有層の表面状態が良好(平滑)
になり、二酸化チタンの粉落ちを防止することが可能に
なる。
【0028】本発明は二酸化チタン担持ガラス繊維を得
るにあたり、本工程及び上記各工程を実施することか
ら、二酸化チタン含有層が脆弱とならず皮膜強度が向上
する。また、二酸化チタン含有層がガラス繊維に強固に
接着することから粉落ちが生じ難い。また、高温の加熱
が必要ないことからガラス繊維が劣化することがない。
そして、凍結乾燥により二酸化チタン含有層は多孔質に
なるため、表面積が大きく、二酸化チタン担持ガラス繊
維を光触媒として用いたときの触媒機能が優れるように
なる。
【0029】(焼成工程)本発明の二酸化チタン担持ガ
ラス繊維の製造方法においては、乾燥工程の後に、乾燥
工程で得られたガラス繊維を焼成する焼成工程を備える
ことが好ましい。焼成は、例えば、乾燥工程で得られた
ガラス繊維をオーブン中で250〜550℃(好ましく
は450℃)に加熱することにより実施することができ
る。焼成を行うことにより、二酸化チタン含有層をより
強固にガラス繊維に接着させることができ、また、二酸
化チタン及び/又は無機バインダーの結晶構造等の制御
も可能となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0031】(実施例1)二酸化チタン粒子(日本アエ
ロジル社製、titan oxide P25、平均粒径25nm)1
5gと、アルミナゾル(日産化学工業社製、アルミナゾ
ル520、アルミナ含有量:22重量%)85gとを室
温で混合し、混合液を得た。この混合液をロールコータ
ーを用いて、10cm×10cmに切断したガラスクロ
ス(日東紡績社製、WEA7628、IPCスペック 7628
スタイル)に付着させ、マングルで過剰に付着した混合
液を除去して、ガラスクロス100重量部に対して二酸
化チタンが30重量部付着するようにして、混合液付着
ガラスクロスを得た。
【0032】次いで、かかる混合液付着ガラスクロス2
枚の間にセロファンフィルムを挟んで、これをポリプロ
ピレン製真空バッグ(厚さ200μm)に入れ、真空ポ
ンプで内部を減圧にして真空バッグを密閉し、真空バッ
クが混合液付着ガラスクロスに密着するようにした。
【0033】次に、かかる真空バッグ(当該バッグは、
混合液付着ガラスクロスを被覆するフィルムを兼ねるも
のである。)を液体窒素中で10分間冷却し、ガラスク
ロスに付着した混合液を凍結させた。そして、液体窒素
で真空バッグを冷却しながら、真空バッグの吸引口に真
空ポンプ(日立社製、ダイレクトドライブロータリーバ
キュームポンプSVR 5F 排気量55L/分)を接続
し、100時間減圧して揮発成分を除去し、二酸化チタ
ン担持ガラスクロスを得た。得られた二酸化チタン担持
ガラスクロスの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図1
に示す。図1に示すように、得られた二酸化チタン担持
ガラスクロスにおける二酸化チタン含有層は表面が平滑
であり、表面を指で擦ったところ二酸化チタン含有層の
強度は高く、粉落ちも生じなかった。また、得られた二
酸化チタン担持ガラスクロスの断面をSEMで観察し
た。得られたSEM写真を図2に示すが、図に示される
ように、二酸化チタン含有層は、ガラスクロスを構成す
るガラス繊維モノフィラメント表面上に密着して形成さ
れていた。
【0034】(比較例1)実施例1と同様にして混合液
付着ガラスクロスを得た。次いで、かかる混合液付着ガ
ラスクロスを、130℃に10時間加熱して、揮発成分
を除去することにより、二酸化チタン担持ガラスクロス
を得た。得られた二酸化チタン担持ガラスクロスのSE
M写真を図3に示す。図3に示すように、得られた二酸
化チタン担持ガラスクロスにおける二酸化チタン含有層
は表面の荒れが大きく、表面を指で擦ったところ二酸化
チタン含有層は脆いことがわかった。
【0035】(二酸化チタン含有層の接着性)実施例1
及び比較例1で得られた二酸化チタン担持ガラスクロス
に、カッターナイフを用いて1mm間隔で縦横それぞれ
11本ずつ碁盤目状の切り目を入れた。そして、切り目
を入れた面に粘着テープを貼ってそれを剥がし、そのと
きの状態を以下の表1の判断基準で評価した。その結
果、実施例1は○であり、比較例1では×であった。
【表1】
【0036】(光触媒としての評価)o−クロロフェノ
ールの10ppm水溶液に実施例1及び比較例1で得ら
れた二酸化チタン担持ガラスクロスを浸漬し、BLBラ
ンプで紫外線を照射し(照射条件:1mW/cm2、λ
=380nm)、10時間後のo−クロロフェノールの
濃度により分解効率を算出した。この結果、分解効率
は、実施例1の二酸化チタン担持ガラスクロスにおいて
は95%であり、比較例2の二酸化チタン担持ガラスク
ロスにおいては75%であった。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
二酸化チタンを付着させる基材としてガラス繊維を用い
ることができ、形成される二酸化チタン含有皮膜の強度
を高めることが可能であり、二酸化チタン含有皮膜の経
時的な粉落ちを抑制することも可能な、二酸化チタン担
持ガラス繊維の製造方法を提供することが可能になる。
そして、かかる製造方法で得られる二酸化チタン担持ガ
ラス繊維は、有機物の分解効率の高い光触媒として用い
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた、二酸化チタン担持ガラス
クロスの表面のSEM写真(倍率:300倍)である。
【図2】実施例1で得られた、二酸化チタン担持ガラス
クロスの断面のSEM写真(倍率:5000倍)であ
る。
【図3】比較例1で得られた、二酸化チタン担持ガラス
クロスの表面のSEM写真(倍率:300倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/45 C03C 25/02 T // D06M 101:00 Fターム(参考) 4G060 BA05 BC00 BD07 BD15 BD22 CA09 4G069 AA03 AA08 BA01B BA04A BA04B BA14A BA14B BA37 BA48A DA05 EA03X EA03Y FA03 FB15 FB37 FB57 4L031 AA26 AB32 BA09 DA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維と該ガラス繊維の表面に形成
    された二酸化チタン含有層とを備える二酸化チタン担持
    ガラス繊維の製造方法であって、 二酸化チタンと無機バインダーと水とを含む混合液をガ
    ラス繊維に付着させ、混合液付着ガラス繊維を得る付着
    工程と、 前記混合液付着ガラス繊維を冷却して、前記混合液を前
    記ガラス繊維に付着させた状態で凍結させ、凍結物付着
    ガラス繊維を得る凍結工程と、 前記凍結物付着ガラス繊維を凍結乾燥する乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする二酸化チタン担持ガラス繊維の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記凍結工程において、前記混合液付着
    ガラス繊維をフィルムで被覆して冷却することを特徴と
    する請求項1記載の二酸化チタン担持ガラス繊維の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記乾燥工程において、前記凍結物付着
    ガラス繊維に前記フィルムを付着させた状態で凍結乾燥
    を行うことを特徴とする請求項2記載の二酸化チタン担
    持ガラス繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記凍結工程において、前記混合液付着
    ガラス繊維を加圧条件で冷却することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の二酸化チタン担持ガラ
    ス繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記凍結工程において、前記混合液付着
    ガラス繊維を袋に挿入して該袋内を減圧にすることによ
    り、前記混合液付着ガラス繊維を加圧条件で冷却するこ
    とを特徴とする請求項4記載の二酸化チタン担持ガラス
    繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記乾燥工程の後に、前記乾燥工程で得
    られたガラス繊維を焼成する焼成工程を備えることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の二酸化チ
    タン担持ガラス繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ガラス繊維は、ガラスクロスである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の
    二酸化チタン担持ガラス繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記無機バインダーは、金属酸化物ゾル
    であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に
    記載の二酸化チタン担持ガラス繊維の製造方法。
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