JP2003293183A - フェルールの製造方法及びその製造装置 - Google Patents
フェルールの製造方法及びその製造装置Info
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Abstract
る際に、真円度と同軸度を高め、フェルールの品質と生
産性を向上させる。また、この高品質の金属被膜の製造
装置を、単純な構成で廉価に得る。 【解決手段】 保持具20にて保持した芯線2を、一本
又は複数本水平方向に配置する電鋳槽1と、この電鋳槽
1内の芯線2を円周方向に回転させる回動手段と、電鋳
槽1内の電鋳液10及び芯線2に通電する通電手段とか
ら構成し、水平に配置した芯線2及び電鋳金属に通電す
るとともに、芯線2を円周方向に回転させて、芯線2の
外表面に金属被膜3を形成する。
Description
るためのフェルールの製造方法及びその製造装置に係る
もので、電鋳により芯線に金属を析出接着させてフェル
ール用の金属被膜を形成する際に、該金属被膜の真円度
及び同軸度を高め、高精度なフェルールを得るととも
に、生産性を向上可能とするものである。
して使用されるフェルールは、セラミックジルコニア製
のものが多く製造されているが、材料自体が高価である
とともに、成形や研磨加工等のための手間や高価な装置
が必要で、生産性に劣っていた。また、フェルールの外
径や穴の内径等の寸法にばらつきを生じたり、同軸度や
真円度も低く、製品の品質の低下を生じる事があった。
芯線の表面に、ニッケル等の金属を析出接着させて形成
した金属被膜を切断・加工する事により製造した金属製
のフェルールの需要が高まってきた。この金属製のフェ
ルールでは、材料が廉価であるし、金属被膜の加工性に
も優れ、高価な装置や複雑な手間を必要とする事なく、
低コストな製品を得る事ができた。
001−192883号公報記載の発明の如く、ニッケ
ル等の電鋳金属と、その溶媒となるスルファミン酸ニッ
ケル等の電鋳液を収納した電鋳槽を用いている。そし
て、鉛直方向に配置したステンレス線等の芯線を複数
本、治具に円弧状に配置し、この治具ごと複数の芯線
を、前記電鋳槽内に浸漬する。そして、治具を介して芯
線に負極電流を通電するとともに、電鋳金属に陽極電流
を通電する事により、電気分解によって芯線の表面に金
属を析出接着させて電鋳を行い、金属被膜を形成するも
のである。この電鋳の際に、電鋳槽内で治具を円周方向
に回転させるとともに、治具の接続した芯線も各々自転
させる事で、芯線に均一な肉厚で金属被膜を形成しよう
としていた。
置では、芯線の太さや配置位置等の要因で芯線間で通電
性に差が生じ易く、芯線外面に形成される金属被膜の肉
厚にばらつきを生じる虞があった。そこで、特開200
1−228363号公報記載の発明では、各芯線に電流
器を接続して通電を行うとともに、各芯線ごとに電流値
を計測し、この電流値により金属被膜の肉厚を検知可能
としている。この従来発明では、電鋳の際に各芯線ごと
に電流値を計測して、何れかの芯線の電流値が一定に達
したら、当該芯線のみの通電を停止して金属被膜の形成
をストップするが、一定の電流値に達していない芯線に
ついては、引き続き通電による電鋳を続行するものであ
る。本従来発明の如く、芯線の通電管理を一本ずつ個別
に行う事により、全ての芯線の金属被膜の肉厚を、より
均一に形成する事が可能であった。
を向上させるには、上記金属被膜の真円度と同軸度を高
める必要があるが、前記各従来発明では、電鋳槽内に芯
線を鉛直方向に配置しているため、重力の作用によって
芯線の下方に金属が析出接着され易い。そのため、各芯
線に形成される金属被膜は、一端よりも他端が径大なテ
ーパー状となり易く、高い同軸度や真円度を得にくいも
のとなり、フェルールの品質や生産性を向上させるには
限界があった。
るものであって、金属製のフェルールを製造するための
金属被膜を電鋳により形成する際に、金属被膜の真円度
と同軸度を高める事が可能な方法を得るものである。そ
して、金属被膜から形成されるフェルールの製作精度を
高めて、高品質な製品を廉価に形成可能とする。また、
この高品質なフェルールが得られる製造装置を、簡易な
構造で廉価に形成するものである。
を解決するため、フェルールの製造方法は、電鋳により
形成した金属被膜を切断・加工して形成するフェルール
に於いて、電鋳金属及び電鋳液を収納した電鋳槽の内部
に、保持具により保持した芯線を、一本又は複数本水平
方向に配置し、前記電鋳金属及び芯線に通電するととも
に、芯線を回動手段にて電鋳槽内部で円周方向に回転さ
せて、芯線の外表面に金属被膜を形成し電鋳を行うもの
である。
り形成した金属被膜を切断・加工して形成するフェルー
ルに於いて、電鋳金属及び電鋳液を収納し、保持具にて
保持した芯線を、一本又は複数本水平方向に配置する電
鋳槽と、この電鋳槽に配置した芯線を円周方向に回転さ
せる回動手段と、電鋳槽内の電鋳金属及び芯線に通電す
る通電手段とから成るものである。
は芯線の保持具を回動可能に挿通配置するスリットを一
本又は複数本、鉛直方向に開口し、該スリットを介して
内部の電鋳液をオーバーフローさせながら芯線に接触さ
せても良い。
鋳槽の外部で保持する保持具に、電鋳槽の外部に配置し
た駆動ギアを接続し、この駆動ギアを電動モータにて回
動する事により、芯線を回転可能としても良い。
鋳槽の内部で保持する保持具に、電鋳槽の外部に配置し
た駆動ギアを接続し、この駆動ギアを電動モータにて回
動する事により、芯線を回転可能としても良い。
着脱可能に配置する治具に回動可能に接続し、治具の着
脱により保持具とともに電鋳槽への芯線の設置と移動を
可能とするとともに、電鋳槽側に設けた治具の載置部
と、該治具との対向面の何れか一方に凸部を設け、この
凸部を係合可能な凹部を他方に設け、これらの凹凸係合
により、芯線をスリット内に挿入配置する際の位置合わ
せ手段としても良い。
とし、この測定値を基に、芯線の外表面に形成される金
属被膜の肉厚を検知して、芯線への通電を停止可能とし
ても良い。
によりフェルール用の金属被膜を形成するには、芯線の
表面に析出接着するためのニッケル等の電鋳金属と、そ
の溶媒となる電鋳液を収納した電鋳槽内に、両端を保持
具で保持したステンレス線等の長尺な芯線を、水平方向
に配置する。また、電鋳槽内に配置する芯線は、ばね部
材等で引っ張りながら保持具にて保持する事により、電
鋳槽内で弛む事なく、張り状態を保つ事ができる。ま
た、芯線は、一本のみ電鋳槽内に配置しても良いが、生
産性を向上させるためには、複数本の芯線を電鋳槽に配
置するのが好ましい。そして、例えば芯線を陰極に接続
し、電鋳金属を陽極に接続して、電鋳槽内に通電を行う
とともに、適宜の回動手段にて各芯線を円周方向に回転
させる。これらの操作を行うと、電気分解により芯線の
外表面には、円筒状の金属被膜が形成される。
配置していたので、重力の作用により、上方に配置した
芯線の一端側よりも下方に配置した芯線の他端側が径大
なテーパー状の金属被膜が形成され、高い真円度や同軸
度が得にくく、製品の品質や生産性を悪くしていた。し
かし、本発明では、芯線を水平方向に配置しているか
ら、芯線の長さ方向では、何れの位置でも重力は均一に
作用するし、更に水平方向に配置した芯線を円周方向に
回転している。従って、芯線に形成される金属被膜は長
さ方向で肉厚が均一となるとともに、真円度及び同軸度
を高める事が可能となる。このような高い真円度と同軸
度を持つ金属被膜を使用する事により、高精度で品質に
優れたフェルールを、容易な加工技術や加工装置で廉価
に形成する事ができ、生産性を向上させる事ができる。
また、芯線を水平に配置可能とするだけで、高い真円度
と同軸度が得られるから、フェルールの製造装置を単純
な構成で廉価に得る事が可能となる。
ルミニウム、銅、鉄、ステンレス鋼等の合金、或いは
金、銀等の金属、又は導電処理されたプラスチック等の
非金属を使用する事ができる。そして、電鋳の終了後
に、金属被膜から芯線を除去した後、個々のフェルール
に加工するが、この芯線の除去は、芯線の材質に応じ
て、薬品による溶解、引き抜き、押し出し等により容易
に行う事ができる。
しても良いが、ニッケル又はその合金、鉄又はその合
金、銅又はその合金、コバルト又はその合金、タングス
テン合金等を使用すれば、材料が廉価であるし、加工性
にも優れるとともに他の部材との溶接も容易となり、フ
ェルールの生産性を高める事ができる。更に、硬度や化
学的安定性に優れた高品質のフェルールを得る事ができ
る。また、使用する電鋳金属に応じて、電鋳液として、
スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケ
ル、スルファミン酸第一鉄、ホウフッ化第一鉄、ピロリ
ン酸銅、硫酸銅、ホウフッ化銅、ケイフッ化銅、チタン
フッ化銅、アルカノールスルフォン酸銅、硫酸コバル
ト、タングステン酸ナトリウム等の水溶液を使用するこ
とができる。
線又は芯線の保持具を挿通配置可能なスリットを一本又
は複数本、鉛直方向に開口し、該スリットを介して内部
の電鋳液をオーバーフローさせながら芯線に接触させれ
ば、電鋳液を芯線に満遍なく接触させる事ができる。そ
のため、金属イオンと芯線との接触頻度が高まり、良好
な析出接着が可能となり、より均一な肉厚の金属被膜を
形成する事ができる。また、スリットに芯線又は芯線の
保持具を挿通配置する事により、電鋳槽内での芯線及び
保持具の載置安定性や回動時の安定性が向上するものと
なる。
を電鋳槽の外部で保持する保持具に、電鋳槽の外部に配
置した駆動ギアを接続し、この駆動ギアを電動モータに
て回動する事により、芯線を回転可能としても良い。こ
のように芯線の両端を電鋳槽の外部で保持する事によ
り、保持具と電鋳液との接触を防止して、保持具の耐久
性が向上するとともに、保持具に金属が付着するのを防
止する事ができる。
る保持具では、外部に突出した芯線の両端には、金属被
膜が形成されない。そのため、金属被膜の重みで、金属
被膜の非形成部である芯線の両端に偏荷重がかかり易
く、芯線の断線を生じる虞がある。この不具合を解消す
るため、前記芯線の回動手段は、芯線の両端を電鋳槽の
内部で保持する保持具に、電鋳槽の外部に配置した駆動
ギアを接続し、この駆動ギアを電動モータにて回動する
事により、芯線を回転可能としても良い。このように芯
線を電鋳槽内で保持する事により、芯線の両端にも金属
被膜が均一に形成されるので、偏荷重を防いで、断線防
止効果を高める事ができる。
持した場合と、外部で保持した場合の何れに於いても、
電動モータにて駆動ギアを回動する際に、電動モータの
回転速度を調整する事により、芯線を任意の一定速度で
回転可能となり、金属被膜の肉厚をより均一に形成可能
となる。特に、複数の芯線を電鋳槽に配置する場合に
は、互いの駆動ギアを噛合するように形成すれば、一つ
の電動モータで、複数の芯線を同一方向に同一速度で、
同時に回転させる事ができ、回動操作が容易となるし、
芯線間の金属被膜の均一化にも役立つものとなる。ま
た、電動モータと駆動ギアを電鋳槽内の外部に配置して
いるから、これらの部材と電鋳液との接触を防止して、
作動の正確性や耐久性を高める事ができる。
部に着脱可能に配置する治具に回動可能に接続し、治具
の着脱により保持具とともに電鋳槽への芯線の設置と移
動を可能とすれば、複数の芯線の設置と移動を効率的に
行う事ができる。更に、電鋳槽に設けた治具の載置部
と、該治具との対向面の何れか一方に凸部を設け、この
凸部を係合可能な凹部を他方に設け、これらの凹凸係合
により、芯線をスリット内に挿入配置する際の位置合わ
せ手段とすれば、ミクロン単位の極細の芯線を複数本、
各スリット内に正確に配置可能となり、芯線の断線等を
良好に防ぐとともに、作業効率も向上し、生産性を高め
る事ができる。
とし、この測定値を基に、芯線外表面に形成される金属
被膜の肉厚を検知して、芯線への通電を停止可能として
も良い。そして、芯線ごとに、芯線の電流値又は電圧を
計測して、その計測値が目標値を示したら、通電を停止
する事により、当該芯線には一定の肉厚の金属被膜が形
成されるものとなる。特に、複数本の芯線を電鋳槽に配
置して、同時に電鋳を行う際は、芯線ごとに金属被膜の
肉厚を管理する事ができ、各芯線間での金属被膜の肉厚
のばらつきを防止して、高い均一性を得る事が可能とな
る。
すると、(1)は電鋳槽で、内部に水平に配置した長尺な
芯線(2)の外表面に、電鋳処理にて、図6に示す如く、
フェルール用の金属被膜(3)を形成するものである。本
実施例では、前記芯線(2)は、鏡面処理を施した真円度
の高い直径0.125mmのステンレス線を使用する事に
より、フェルール形成時の金属被膜(3)からの芯線(2)
の除去を容易とするとともに、この芯線(2)の除去後に
金属被膜(3)内に形成される光ファイバー挿通用の穴の
寸法の均一性や真円度、円滑性等を高めている。
す如く、双方の両側壁(4)に一対の通電ラック(7)を配
置し、この通電ラック(7)と整流器(5)とを、陽極ケー
ブル(6)を介して接続するとともに、ニッケルペレット
を収納した金網を複数個吊り下げてアノード(8)として
いる。更に、電鋳槽(1)内に、電鋳液としてスルファミ
ン酸ニッケルの水溶液を充填している。尚、図1では、
前記陽極ケーブル(6)と後述の陰極ケーブル(31)を図
示しているが、図2〜図5では、これらの図示を省略し
ている。
液(10)を電鋳槽(1)に供給するとともに、この電鋳液
(10)の温度、pH、濃度の管理を行うための管理槽
(11)を配置している。尚、前記電鋳液(10)の温度
は、管理槽(11)内に配置したヒーター(9)により、適
温状態が保たれている。また、電鋳槽(1)と管理槽(1
1)とを循環パイプ(12)を介して連結し、この循環パ
イプ(12)に設けたポンプ(13)の吸引力により、フィ
ルター(14)を介して、管理槽(11)から電鋳槽(1)内
に高純度の電鋳液(10)を常時供給可能としている。そ
して、循環パイプ(12)は、電鋳槽(1)内に配置した散
液パイプ(15)と接続され、この散液パイプ(15)に開
口した複数の散液穴(16)を介して、電鋳槽(1)内部に
電鋳液(10)が供給されるものである。また、装置の使
用後等は、電鋳槽(1)内の電鋳液(10)を、下端に設け
たドレン(29)を介して、管理槽(11)内に回収可能と
している。
ーバーフロー槽(17)を配置し、内部の電鋳液(10)を
両側壁(4)を介してオーバーフロー槽(17)内にオーバ
ーフローさせている。そして、オーバーフロー槽(17)
内の電鋳液(10)は、循環パイプ(19)を介して管理槽
(11)内に回収・再生された後、電鋳槽(1)に供給さ
れ、電鋳液(10)の循環と再使用を可能としている。
に、図3、図4に示す如く、鉛直方向に開口するスリッ
ト(18)を複数対、平行に設けている。そして、各対の
スリット(18)の各々に、一対の保持具(20)にて両端
を保持した芯線(2)を、水平方向に挿通配置可能として
いる。このようにスリット(18)を設ける事により、芯
線(2)の安定性が向上するだけでなく、電鋳槽(1)内の
電鋳液(10)が、スリット(18)を介して芯線(2)に接
触しながらオーバーフローするものとなる。そのため、
ニッケルイオンを含む良質な電鋳液(10)と芯線(2)と
の接触率が高まり、効率的な電鋳処理が可能となる。
く、スリット(18)は、上端から下端までを同一幅で形
成し、下端に芯線(2)を載置するものであっても良い
が、他の異なる実施例として、上端を芯線(2)よりも幅
広とするV字形状に形成しても良い。このようなV字形
のスリット(18)では、上端が幅広なので、芯線(2)の
挿通時に引っ掛かり等を防止して、作業効率が高まると
ともに、芯線(2)の断線防止効果も高まる。更に、V字
形のスリット(18)に芯線(2)を配置すると、芯線(2)
とスリット(18)下端との間に隙間を生じるので、芯線
(2)の上面及び下面の双方から電鋳液(10)をオーバー
フローさせる事ができ、電鋳液(10)と芯線(2)との接
触率を更に高める事ができる。
ット(18)から突出する両端に、一対の保持具(20)を
装着している。この保持具(20)は、電気伝導性に優
れ、芯線(2)を保持固定する通電部(21)と、絶縁性の
駆動ギア(22)とで構成している。そして、本実施例の
如く、保持具(20)の通電部(21)及び駆動ギア(22)
を、電鋳槽(1)の外部に配置する事により、電鋳液(1
0)との接触を避け、保持具(20)の耐久性や回動の安
定性を向上させるとともに、保持具(20)への金属被膜
(3)の形成を防止している。
(21)に、陰極ケーブル(31)を接続し、芯線(2)ごと
に陰極電流を通電可能としている。そして、このように
形成した芯線(2)の保持具(20)を複数個、図1、図4
に示す如く、電鋳槽(1)の開口部に着脱可能に配置する
治具(23)に、回動可能に並列接続し、各保持具(20)
の駆動ギア(22)を互いに噛合させている。この治具
(23)を電鋳槽(1)の外側に設けた載置部(24)に着脱
する事により、複数の保持具(22)及び芯線(2)を、電
鋳槽(1)に設置したり、電鋳終了後に移動させる作業を
効率的に行えるようにしている。
部(24)に、図2、図3に示す如く、上部方向に突出す
る三角形状の凸部(25)を設け、この凸部(25)に係合
可能な凹部(26)を治具(23)の下面に設けている。そ
して、載置部(24)への治具(23)の載置の際に、前記
凸部(25)と凹部(26)とを係合する事により、複数の
極細の芯線(2)を、当該スリット(18)内に、位置ズレ
を生じる事なく確実に挿通配置させる事ができる。そし
て、芯線(2)と電鋳液(10)との良好な接触を可能とす
るとともに、芯線(2)の断線等も防いで、電鋳作業を良
好に行う事が可能となる。また、他の異なる実施例とし
て、凸部(25)を治具(23)に設け、凹部(26)を載置
部(24)に設けても良い。
手段として、前述の如く保持具(20)に駆動ギア(22)
を設けるとともに、電鋳槽(1)の一方の両側壁(4)の一
側に、電動モータ(27)を配置している。そして、電動
モータ(27)側の保持具(20)の駆動ギア(22)と、電
動モータ(27)との間に、図4に示す如く、複数の回動
ギア(28)を配置し、この回動ギア(28)を介して電動
モータ(27)の回動力を駆動ギア(22)に伝達可能とし
ている。更に、電動モータ(27)を設けていない他方の
両側壁(4)にも回動ギア(28)を複数配置するととも
に、他方側回動ギア(28)と電動モータ(27)側の回動
ギア(28)とを棒状の連動体(30)で連結し、両側の回
動ギア(28)を、一体に回動可能としている。
(23)に接続した複数の保持具(20)を一体に回動さ
せ、複数の芯線(2)を、同時に、同一速度で同一方向に
回転可能となる。また、保持具(20)と同様に、電動モ
ータ(27)と回動ギア(28)も電鋳槽(1)の外部に設置
し、電鋳液(10)との接触を防止しているので、電動モ
ータ(27)と回動ギア(28)の作動の正確性や耐久性も
向上するものとなる。
7)と駆動ギア(22)との間に複数の回動ギア(28)を
介在して、回転力を伝達可能としているが、他の異なる
実施例として、電動モータ(27)と駆動ギア(22)とを
無端ベルト等で連結し、電動モータ(27)の回転力を駆
動ギア(22)に伝達しても良いし、他の何れの手段を用
いても良い。
る金属被膜(3)の肉厚を、芯線(2)間で均一に形成可能
とするため、前述の如く、芯線(2)ごとに陰極電流を通
電するとともに、各芯線(2)に電流計又は電圧計(図示
せず)を接続し、通電管理を芯線(2)ごとに個別に行っ
ている。これらの電流値や電圧は、金属被膜(3)の肉厚
に対応して変化するものであるから、芯線(2)の電流値
又は電圧が一定の値に達したら、金属被膜(3)が目的の
肉厚に形成されたものとなる。従って、電流値又は電圧
が一定に達した芯線(2)から、順次通電を停止する事に
より、電鋳槽(1)内に配置した複数の芯線(2)の金属被
膜(3)を、均一な肉厚で形成する事が可能となる。
属被膜(3)を形成するには、治具(23)に接続した複数
の保持具(20)に、各々ステンレス製の芯線(2)を、互
いに平行に接続固定する。そして、治具(23)の凹部
(26)と載置部(24)の凸部(25)とを係合させなが
ら、載置部(24)上面に治具(23)を設置する事によ
り、電鋳槽(1)の両側壁(4)に設けた複数対のスリット
(18)の各々に、芯線(2)が水平に挿通配置される。次
に、各保持具(20)の通電部(21)に、陰極電流を通電
し、アノード(8)に陽極電流を通電するとともに、電動
モータ(27)を駆動して、回動ギア(28)を介して各保
持具(20)の駆動ギア(22)を一斉に回動し、電鋳液
(10)内にて全ての芯線(2)を、同一方向に同一速度で
一斉に回転させる。
(11)から電鋳槽(1)内に電鋳液(10)を連続的に供給
し、電鋳槽(1)の両側壁(4)上端から電鋳液(10)をオ
ーバーフローさせるとともに、スリット(18)からも芯
線(2)に接触させながら電鋳液(10)をオーバーフロー
させる。この電鋳液(10)のオーバーフローにより、ニ
ッケルイオンを含んだ電鋳液(10)と芯線(2)とが良好
に接触し、電気分解により該ニッケルが芯線(2)の表面
に析出接着して、図6に示す如く、円筒状の金属被膜
(3)が形成される。そして、各芯線(2)の電流値又は電
圧を計測し、その計測値が一定値に達して、金属被膜
(3)が目的の肉厚に形成されたら、当該芯線(2)のみの
通電を停止させる。全ての芯線(2)の電流値又は電圧が
一定値に達して、通電を停止したら、治具(23)を持ち
上げて、芯線(2)を電鋳槽(1)から引き上げる。
の肉厚を管理できるから、各芯線(2)ごとの金属被膜
(3)の肉厚を均一に形成する事ができる。更に、複数の
芯線(2)を水平に配置して電鋳液(10)内で回転させて
いるから、重力の作用による肉厚の不均一化も解消可能
となるから、真円度及び同軸度の高い金属被膜(3)を得
る事ができる。そして、このように形成された金属被膜
(3)から、引き抜き、押し出し等によって芯線(2)を除
去し、適宜の長さに切断して、研磨加工等を施し、フェ
ルールを形成するが、金属被膜(3)の真円度や同軸度が
高いので、加工も容易であるとともに、高い製作精度で
製品を形成可能となる。また、芯線(2)を複数本、治具
(23)に配置する事により、フェルール用の金属被膜
(3)の大量生産が可能となり、真円度と同軸度に優れた
高品質なフェルールを、廉価に形成する事が可能とな
る。
外部で芯線(2)の両端を保持具(20)で保持しているの
で、外部に突出した芯線(2)の両端には、金属被膜(3)
が形成されない。そのため、金属被膜(3)の重みで、芯
線(2)の両端に偏荷重がかかり、芯線(2)が断線する虞
がある。この問題を解決するため、他の異なる第2実施
例では、図7に示す如く、電鋳槽(1)の芯線(2)を電鋳
槽(1)の内部で保持可能としている。即ち、保持具(2
0)の通電部(21)を長尺に形成して、通電部(21)を
スリット(18)に挿通配置する事により、芯線(2)全体
を電鋳槽(1)内部に配置可能とするものである。このよ
うな構成では、芯線(2)の両端にも、金属被膜が形成さ
れ、芯線(2)への偏荷重が解消され、芯線(2)の断線防
止効果が高まるものである。また、第2実施例に於いて
も、保持具(20)の駆動ギア(22)、電動モータ(2
7)、回動ギア(28)を、電鋳槽(1)の外部に配置して
いるので、これらの作動の正確性と耐久性を向上させる
事ができる。
鋳によりフェルール用の金属被膜を形成する際に、金属
を析出接着するための芯線を、金属イオンを含有する電
鋳液内に水平に配置して回転させている。従って、従来
の鉛直に配置した芯線の如く、重力の作用により金属被
膜の肉厚がテーパー状に形成される事がなく、本発明で
は、均一な肉厚で、真円度、同軸度の高い金属被膜を長
尺に形成する事が可能となる。また、電鋳によって形成
しているから、芯線を除去した後の、光ファイバー挿通
用の穴も、円滑で真円度が高く、寸法誤差も生じにくい
ものとなる。
ェルールに成形する際の加工性にも優れるから、真円度
と同軸度の高い高品質なフェルールを、廉価に形成する
事が可能となり、生産性も高める事が可能となる。ま
た、芯線を水平に配置可能な装置とするだけで、真円度
と同軸度の高いフェルール用の金属被膜が形成でき、高
価な成形装置等を必要とせず、フェルールの製造装置を
単純な構造で廉価に形成する事が可能となる。
図。
具付近の部分拡大断面図。
Claims (12)
- 【請求項1】 電鋳により形成した金属被膜を切断・加
工して形成するフェルールに於いて、電鋳金属及び電鋳
液を収納した電鋳槽の内部に、保持具により保持した芯
線を、一本又は複数本水平方向に配置し、前記電鋳金属
及び芯線に通電するとともに、芯線を回動手段にて電鋳
槽内部で円周方向に回転させて、芯線の外表面に金属被
膜を形成し電鋳を行う事を特徴とするフェルールの製造
方法。 - 【請求項2】 電鋳により形成した金属被膜を切断・加
工して形成するフェルールに於いて、電鋳金属及び電鋳
液を収納し、保持具にて保持した芯線を、一本又は複数
本水平方向に配置する電鋳槽と、この電鋳槽に配置した
芯線を円周方向に回転させる回動手段と、電鋳槽内の電
鋳金属及び芯線に通電する通電手段とから成る事を特徴
とするフェルールの製造装置。 - 【請求項3】 電鋳槽は、両側壁面上端に、芯線又は芯
線の保持具を回動可能に挿通配置するスリットを一本又
は複数本、鉛直方向に開口し、該スリットを介して内部
の電鋳液をオーバーフローさせながら芯線に接触させる
事を特徴とする請求項1のフェルールの製造方法。 - 【請求項4】 電鋳槽は、両側壁面上端に、芯線又は芯
線の保持具を回動可能に挿通配置するスリットを一本又
は複数本、鉛直方向に開口し、該スリットを介して内部
の電鋳液をオーバーフローさせながら芯線に接触させる
事を特徴とする請求項2のフェルールの製造装置。 - 【請求項5】 芯線の回動手段は、芯線の両端を電鋳槽
の外部で保持する保持具に、電鋳槽の外部に配置した駆
動ギアを接続し、この駆動ギアを電動モータにて回動す
る事により、芯線を回転可能とした事を特徴とする請求
項1のフェルールの製造方法。 - 【請求項6】 芯線の回動手段は、芯線の両端を電鋳槽
の外部で保持する保持具に、電鋳槽の外部に配置した駆
動ギアを接続し、この駆動ギアを電動モータにて回動す
る事により、芯線を回転可能とした事を特徴とする請求
項2のフェルールの製造装置。 - 【請求項7】 芯線の回動手段は、芯線の両端を電鋳槽
の内部で保持する保持具に、電鋳槽の外部に配置した駆
動ギアを接続し、この駆動ギアを電動モータにて回動す
る事により、芯線を回転可能とした事を特徴とする請求
項1のフェルールの製造方法。 - 【請求項8】 芯線の回動手段は、芯線の両端を電鋳槽
の内部で保持する保持具に、電鋳槽の外部に配置した駆
動ギアを接続し、この駆動ギアを電動モータにて回動す
る事により、芯線を回転可能とした事を特徴とする請求
項2のフェルールの製造装置。 - 【請求項9】 芯線の保持具は、電鋳槽の開口部に着脱
可能に配置する治具に回動可能に接続し、治具の着脱に
より保持具とともに電鋳槽への芯線の設置と移動を可能
とするとともに、電鋳槽側に設けた治具の載置部と、該
治具との対向面の何れか一方に凸部を設け、この凸部を
係合可能な凹部を他方に設け、これらの凹凸係合によ
り、芯線をスリット内に挿入配置する際の位置合わせ手
段とする事を特徴とする請求項3のフェルールの製造方
法。 - 【請求項10】 芯線の保持具は、電鋳槽の開口部に着
脱可能に配置する治具に回動可能に接続し、治具の着脱
により保持具とともに電鋳槽への芯線の設置と移動を可
能とするとともに、電鋳槽側に設けた治具の載置部と、
該治具との対向面の何れか一方に凸部を設け、この凸部
を係合可能な凹部を他方に設け、これらの凹凸係合によ
り、芯線をスリット内に挿入配置する際の位置合わせ手
段とする事を特徴とする請求項4のフェルールの製造装
置。 - 【請求項11】 芯線は、電流値又は電圧を測定可能と
し、この測定値を基に、芯線の外表面に形成される金属
被膜の肉厚を検知して、芯線への通電を停止可能とした
事を特徴とする請求項1のフェルールの製造方法。 - 【請求項12】 芯線は、電流値又は電圧を測定可能と
し、この測定値を基に、芯線の外表面に形成される金属
被膜の肉厚を検知して、芯線への通電を停止可能とした
事を特徴とする請求項2のフェルールの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002101317A JP2003293183A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | フェルールの製造方法及びその製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002101317A JP2003293183A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | フェルールの製造方法及びその製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003293183A true JP2003293183A (ja) | 2003-10-15 |
JP2003293183A5 JP2003293183A5 (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=29241746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002101317A Pending JP2003293183A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | フェルールの製造方法及びその製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003293183A (ja) |
-
2002
- 2002-04-03 JP JP2002101317A patent/JP2003293183A/ja active Pending
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