JP2003292525A - 重合体粉体の製造方法 - Google Patents

重合体粉体の製造方法

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JP2003292525A
JP2003292525A JP2002095354A JP2002095354A JP2003292525A JP 2003292525 A JP2003292525 A JP 2003292525A JP 2002095354 A JP2002095354 A JP 2002095354A JP 2002095354 A JP2002095354 A JP 2002095354A JP 2003292525 A JP2003292525 A JP 2003292525A
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Masaki Omote
昌樹 面手
Akihiro Toritani
明弘 鳥谷
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化重合で製造された重合体ラテックスを凝
集した後の湿潤粉体を乾燥して、乾燥重合体粉体を製造
するに際し、多品種生産に好適で、安全性に優れ、効率
的に乾燥・捕集が行える製造法を提供する。 【解決手段】 湿潤粉体を、気流乾燥し、気流乾燥粉を
第一のサイクロンに投入し、ここで捕集した乾燥粉はさ
らに流動乾燥する。一方、第一のサイクロンからでた排
ガスはマルチサイクロンまたはウェットスクラバーに送
り、排ガス中の微粉末を捕集する。流動乾燥の排ガスは
第二のサイクロンに送り、その排ガスはマルチサイクロ
ンに送り同伴する微粉末を捕集する。第二のサイクロン
で捕集された乾燥粉は流動乾燥に戻される。流動乾燥粉
およびマルチサイクロンで捕集された微粉末は製品ビン
に蓄えられる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、重合体、特に乳化
重合法により得られる重合体の粉体の製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】乳化重合法で製造された重合体は、通常
重合体が水溶媒に分散したラテックスの形で得られる。
塗料等にラテックスのままで使用する場合は問題ない
が、成形物、樹脂等の改質剤に使用するような場合、重
合体はラテックスから単離されて、重合体粉末とされる
必要があり、その方法は種々報告されている。 【0003】例えば、ラテックスから重合体粉体を製造
する方法として、酸や塩をテラックスに添加して重合体
を凝集させ、凝集した重合体を濾過等で湿粉として集
め、必要により洗浄を行った後、乾燥する方法がある。 【0004】ここで用いられる乾燥方法として、通常、
気流乾燥法、流動乾燥法が取られる。気流乾燥法は、短
い滞在時間で粉体中の多くの水分を飛ばすことができる
ため、高い水分含有重合体粉体の乾燥に好適である。ま
た、流動乾燥法は、滞在時間を長くすることができ、粉
体中の水分を十分低下させることが可能なため、低水分
含有重合体粉体の乾燥に好適である。 【0005】また、気流乾燥により乾燥された重合体の
捕集方法のひとつとして、サイクロンとバグフィルター
による捕集方法がある。この方法は、サイクロンで大部
分の粉体を捕集し、残りの粉体をバグフィルターにより
捕集する方法であり、大気に排出する粉体量を少なくす
ることができるため、重合体粉末の捕集装置として好適
である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、気流乾
燥機は、水分の多い湿粉から短時間で水分を飛ばすこと
はできるが、乾燥粉の含水率を1.0dry%以下にす
るには、かなり大型化する必要があり、設備コストが高
くなる。 【0007】流動乾燥機は、コンパクトな装置でも滞在
時間を長くすることができるため、流動乾燥機出口での
乾燥粉の水分を下げるには、経済的な設備であるが、高
水分含有粉体が侵入した場合、乾燥機内で被乾燥粉体が
十分に流動せず、未乾燥のままとなる可能性がある。 【0008】また、捕集方法に関しては、多品種生産を
考えた場合、洗浄が困難なバグフィルターで捕集された
粉体は、品種混合の原因となる可能性がある。また、自
己酸化性を有する粉体を捕集する場合、バグフィルター
内に滞留した粉体は、粉塵爆発、火災を起こす危険性が
ある。このように多品種生産に好適で、安全性に優れ、
効率的に乾燥・捕集が行えるシステムは未だ開示されて
いない。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記事情を鑑
みてなされたもので、乳化重合法により得られる高水分
含有粉体を乾燥して、十分に乾燥された粉体を得るに
は、気流乾燥機により予備乾燥を行い、そこで得られた
予備乾燥粉体を流動乾燥機により乾燥させること、ま
た、サイクロンから排出される微粉状の分体を含む乾燥
ガスから微粉状の粉体を最終的に捕集する装置として、
マルチサイクロンもしくはウェットスクラバーを採用す
ることにより、装置内の洗浄が容易となり、品種混合が
防止でき、かつ粉塵爆発、火災の可能性のある重合体微
粉体を安全に捕集できることを見出した。 【0010】本発明は、乳化重合法により得られるラテ
ックスを凝集させスラリーとし、さらにそれを脱水して
得られる含水率20〜100dry%の湿粉を乾燥して
重合体粉体を製造するに際し、下記工程を有することを
特徴とする。 (1)湿粉を気流乾燥機1で予備乾燥し、予備乾燥した
重合体粉体を気流乾燥機1に導入したガスとともに第一
のサイクロン2に投入し、ここで捕集した予備乾燥粉を
流動乾燥機3に送る。一方、第一のサイクロン2で捕集
されない微粉末を含有したガスをマルチサイクロン5も
しくはウェットスクラバー6に送る。 (2)流動乾燥機3で乾燥した重合体粉体を製品ビン7
に送る。一方、流動乾燥機3で使用したガスを第二のサ
イクロン4に送る。 (3)第二のサイクロン4で捕集した粉体を再度流動乾
燥機3に戻す。一方、第二のサイクロン4から出たガス
をマルチサイクロン5に送る。 (4)上記(1)および(3)でマルチサイクロン5に
送られたガスから重合体微粉末をマルチサイクロン5で
捕集し、ここで捕集した重合体微粉末を製品ビン7に送
る。 【0011】なお、ウェットスクラバー6で捕集された
重合体粉体は、廃棄される。また、本発明で使用される
ガスは、ウェットスクラバー6あるいはマルチサイクロ
ン5から排ガスとして廃棄される。 【0012】 【発明の実施の形態】以下に発明を詳細に説明する。 【0013】本発明において重合方法としては、公知の
乳化重合法等を用いることができる。ここで、重合開始
剤としては、特に限定されるものではないが、過硫酸カ
リウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの
水溶性過硫酸塩、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ク
メインハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイドなどの有機過酸過物、およびこれら過酸化
物と亜硫酸塩、スルホナート、ブドウ糖等とのレドック
ス系開始剤等を用いることができる。また、ジビニルベ
ンゼン、1,3−ブチレンジメタクリレート、アリルメ
タクリレート、グリシジルメタクリレートなどの架橋
剤、メルカプタン類等の連鎖移動剤を併せて使用するこ
とも可能である。 【0014】本発明において重合体ラテックスとして、
芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽
和カルボン酸系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエス
テル系単量体、ハロゲン化ビニル系単量体、マレイミド
系単量体等を単独重合した時に得られる重合体ラテック
ス、あるいはこれらから選択される2種以上の単量体を
共重合した時に得られる重合体ラテックス、あるいは得
られる単独重合体又は共重合体にさらにシード重合若し
くはグラフト重合した時に得られる重合体ラテックス
等、また、ジエン系共重合体、アクリル系ゴム状重合
体、シリコン系重合体等のゴム状共重合体に、不飽和ニ
トリル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳
香族ビニル系単量体、若しくはこれらの単量体及びこれ
らの単量体と共重合可能な単量体等をグラフト共重合し
た時に得られる重合体ラテックス(例えばアクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合体、メチルメタクリ
レート−ブタジエン−スチレン共重合体等のラテック
ス)を例示することができる。 【0015】次に図に基づいて、本発明に係る実施形態
の重合体粉体の乾燥・捕集手段について説明する。 【0016】なお、図1は本実施形態の乾燥・捕集手段
の全体構造を示す概略フロー図であり、図2(a)は、
本実施形態の捕集手段に備えられた後述するマルチサイ
クロンの概略断面図であり、図2(b)は、マルチサイ
クロン内胴筒を拡大して示した概略断面図である。ま
た、図3は、本実施形態の捕集手段に備えられた後述す
るウェットスクラバーを拡大して示す概略断面図であ
る。 【0017】図1に示すように、本実施形態の乾燥・捕
集手段は、湿粉の予備乾燥として気流乾燥機1、本乾燥
として流動乾燥機3を使用しており、気流乾燥機で予備
乾燥された粉体は全て、乾燥ガスと共に第一のサイクロ
ン2に供給され、サイクロン2で捕集された粉体のみが
流動乾燥機3に供給されるように構成されている。な
お、本発明において、乾燥ガスは特に限定されるもので
はないが、空気、窒素等の不活性ガスを使用することが
できる。 【0018】第一のサイクロン2で捕集されない重合体
粉体は、マルチサイクロン5もしくはウェットスクラバ
ー6で捕集される。ここで、マルチサイクロン5を選択
した場合は、捕集された粉体は製品ビン7で回収され、
ウェットスクラバー6を選択した場合は、捕集された粉
体は、廃棄処分される。 【0019】流動乾燥機3に供給された粉体は、乾燥機
3内で1.0dry%以下の水分になるまで乾燥され、
その後製品ビン7で回収される。乾燥に使用された一部
重合体粉体を含有したガスは、流動乾燥機3上部より乾
燥機外に排出される。排出されたガスは、第二のサイク
ロン4およびマルチサイクロン5を通過し、大気に放出
される。第二のサイクロン4で捕集された重合体粉体は
流動乾燥機3に戻され、マルチサイクロン5で捕集され
た重合体粉体は製品ビン7で回収される。 【0020】本発明における湿粉とは、乳化重合体ラテ
ックスを凝集・脱水した後に得られ、下記の式1で定義
される湿粉含水率Wcが、20〜100dry%のもの
である。 【0021】 【数1】 Wc=((Ww−Wd)/Wd)×100 (dry%) (式1) (ここで、Wc:湿粉含水率、Ww:湿粉重量、Wd:
乾燥粉重量である。) 【0022】本発明において、気流乾燥機の出口より排
出される湿粉の湿粉含水率Wcは、30dry%以下で
あることが好ましく、さらに好ましくは、20dry%
以下である。気流乾燥機の出口より得られる予備乾燥粉
の湿粉含水率が30dry%を超えた場合、気流乾燥機
内の壁面に重合体粉末が付着しやすくなるとともに、流
動乾燥機内で壁面付着が起きやすくなる傾向にある。 【0023】本実施形態で使用される気流乾燥機および
流動乾燥機は、公知の乾燥機を使用することができる。
また、サイクロンについては、公知のサイクロン形状の
ものを使用することができる。 【0024】次に、本実施形態で使用されるマルチサイ
クロン5を、図2を用いて説明する。 【0025】マルチサイクロン5は、装置内に直筒部9
およびこの直筒部9から最下端に向かって径が漸減する
逆円錐台形筒部10を持つ胴筒8と粉体を含んだ空気流
を前記直筒部9の上端付近から吹込むように設けられた
粉体導入部13と、胴筒8内に渦流を形成するための案
内羽根11と、沈降する粉体を回収するために前記胴筒
下端に設けられた粉体回収部とを備えた捕集装置を有す
るマルチサイクロン5である。 【0026】本実施形態において、マルチサイクロン5
内の胴筒の本数は、特に制限はないが、マルチサイクロ
ン5への供給風量に対して、胴筒1本当たりの入口風速
が10〜30m/sとなるような本数にすることが好ま
しい。10m/sより小さいと粉体導入部13で粉体が
閉塞してしまう可能性があり、30m/sより大きいと
胴筒8内で粉体の再飛散が起こり十分に粉体を捕集でき
なくなる可能性がある。 【0027】本実施形態で使用されるマルチサイクロン
内胴筒8は、軸対称な形状の本体と、粉体を胴筒上部か
ら吸込むように設けられた粉体導入部13と、胴筒8上
部に空気が内周に沿って渦流を形成するための案内羽根
11、胴筒8上部の中心軸線上に配置され、一端が胴筒
8内に開口すると共に他端が外に向かって開口する排気
内筒12により構成されている。 【0028】本発明において、乾燥により得られる重合
体粉体は、粉体導入部13、案内羽根11を通って胴筒
8へ導入される。導入されたガスは、胴筒8内で旋回し
ながら下降し、胴筒8の下部のある点で、流れが下降か
ら上昇へ反転する。ガスに含まれていた重合体粉体は旋
回による遠心力で胴筒8の内周壁面側に移動し、内周壁
面に沿って落下する。こうして、内周壁面に沿って落下
した重合体粉体はガスと分離され、流れ方向を反転され
たガスは、胴筒8中心部を通って排気内筒12から流出
する。排気内筒12から流出したガスは必要によりブロ
アーを経て大気に放出される。また、粉体導入部13に
は、エアーブロー口より空気が流されており、粉体導入
部13での粉体の閉塞を防止することができる。 【0029】次に、本実施形態に使用されるウェットス
クラバー6を、図3を用いて説明する。 【0030】ウェットスクラバー6は、装置内に多孔板
シーブトレイ14が3段設置され、各トレイ段部には堰
板15があり、それぞれ交互に下降管を介して連結され
ている。ガス入口16より導入されたガスは、水平に配
置されたトレイの多孔板孔内を、下方より上方に順次通
り抜けて上昇する。多孔板を通過するガスは、トレイ上
の液を液漏れすることなく安定した所定の泡沫層を形成
する。泡沫層は、トレイ上を流れ、溢流堰15をオーバ
ーフローし、下降管17中を流下して、下段のトレイへ
給液される。同様に液は順次下段へ流下し、最後に循環
槽18に戻る。ガスは、各トレイの泡沫層で効率良く気
液接触し、粉体の捕集及び臭気成分の除去が行われ、上
方デミスター19で同伴ミストを分離した後、上方ガス
出口20から排出される。 【0031】本発明において、トレイの形状は、特に制
限はないが、構造が簡単であり、付着物の堆積が少ない
多孔板であることが好ましい。 【0032】 【実施例】次に、本発明に係る実施例及び従来例につい
て説明する。 【0033】まず、各実施例及び比較例において用いた
評価項目及び評価方法について詳述する。 【0034】(評価項目及び評価方法) <重合体粉体の大気排出量>粉体の大気排出量は、マル
チサイクロン、ウェットスクラバー、バグフィルター出
口において、それぞれ等速吸引法を用いて粉塵濃度測定
を行って計算した。 【0035】<品種混合(コンタミ)の評価>コンタミ
率(A:%)は、最終捕集装置(マルチサイクロンまた
はバグフィルター)で得られた粉体の成分を求め、被乾
燥粉体原料に含まれていない成分がどれだけあるかによ
り、下記式2より求めた。なお、P1はGPLにより測
定した。 【0036】 【数2】 A(%)=(P1/P)×100 (式2) (ここで、A:コンタミ率、P1:被乾燥粉体原料に含
まれていない成分(kg)およびP:粉体量[kg]であ
る。) 【0037】参考例1 (湿潤重合体粉体Aの合成) スチレン25質量部、パラメンタンハイドロパーオキサ
イド0.3質量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.15
質量部、牛脂脂肪酸カリウム0.18質量部および脱イ
オン水(以下、単に「水」と略記とする。)250質量
部をオートクレーブ(実用耐圧1.0MPaG)に仕込
んで窒素置換を行なった後、1,3−ブタジエン75質
量部を仕込んだ。その後、攪拌しながら昇温し、45℃
になった時点で、硫酸第一鉄七水塩0.003質量部、
含水結晶葡萄糖0.2質量部、水10質量部の混合物を
反応器内に投入し、そのまま60℃まで昇温した。重合
転化率が97%になった時点で重合を終了し、ブタジエ
ンゴム重合体ラテックスを得た。なお、得られたブタジ
エンゴム重合体ラテックスの分散粒子径は0.09μm
であった。 【0038】次いで、上述のようにして得られたブタジ
エンゴム重合体ラテックス583質量部(固形分として
233質量部)、水85質量部、牛脂脂肪酸カリウム
5.0質量部を反応器に仕込み、窒素置換した後、ナト
リウムホルムアルデヒドスルホキシレート二水和物0.
3質量部を添加し、70℃に昇温した。その後、メチル
メタクリレート28質量部、エチルアクリレート7質量
部、クメインハイドロパーオキサイド0.15質量部の
混合物を30分かけて連続添加し、100分間保持し
た。次いで、スチレン55質量部、クメインハイドロパ
ーオキサイド0.20質量部の混合物を100分かけて
連続添加した後、120分間保持した。さらに、メチル
メタクリレート10質量部、クメインハイドロパーオキ
サイド0.05質量部の混合物を30分かけて連続添加
後、120分間保持して重合を終了して、重合体ラテッ
クスを得た。 【0039】ここで得られた重合体ラテックスをっ凝固
剤(濃硫酸として1.6部)と接触させて凝集し、減圧
濾過、遠心脱水により重合体粉体を得た。得られた湿潤
重合体粉体Aの含水率は60.0dry%であった。 【0040】参考例2 [湿潤重合体粉体Bの合成] 撹拌機付反応器内に、メチルメタクリレート68部、ブ
チルメタクリレート29部、ブチルアクリレート3部、
t−ドデシルメルカプタン0.005部、アルケニルコ
ハク酸カリウム1.0部、水220部を仕込み、窒素置
換を行った後、攪拌しながら昇温を開始した。その後、
反応器内の温度が、45℃に到達した時点で過硫酸カリ
ウム0.15部、脱イオン水10部の混合物を反応器内
に投入し重合を開始し、90分保持した。そして、得ら
れた重合体ラテックス(固形分30.2%)を反応器内
より取り出し、重合体ラテックスを得た。 【0041】ここで得られた重合体ラテックスを凝固剤
(濃硫酸として1.6部)と接触させて凝集させ、減圧
濾過、遠心脱水して重合体粉体を得た。ここで得られた
湿潤重合体粉体Bの含水率は66.7dry%であっ
た。 【0042】実施例1 参考例2で得た湿潤重合体粉体B2250Kgを塔内ガ
ス速度7.9m/sの気流乾燥機(径0.9m、塔高1
0m)に供給し、乾燥させた。このときの乾燥ガスの出
口温度は65℃であった。気流乾燥機出口より排出され
る重合体粉体の含水率は17.2dry%であった。こ
こで得られた重合体粉体を乾燥ガスと共に第一のサイク
ロン(径1.4m、高さ5.0m)に供給した。このと
き、第一のサイクロンの入口風速は、16.4m/sで
あった。ガス出口の後に、マルチサイクロン(径10c
mの捕集装置60本内蔵、)を設置し、第一のサイクロ
ンで捕集できなかった重合体粉体を捕集し、製品ビンに
回収した。このとき、マルチサイクロンの入口風量は3
00m3/minであった。一方、第一のサイクロンで
捕集された重合体粉体を流動乾燥機(乾燥床面積20m
2)に供給して乾燥を行い、粉体出口より製品ビンに供
給した。このときの流動乾燥機の出口温度は52℃であ
った。また、粉体の滞留時間は1時間であった。 【0043】流動乾燥機で使用された乾燥用ガスを、流
動乾燥機上部より一部の粉体と共に第二のサイクロン
(径1.1m、高さ5.2m)に供給した。このとき、
第二のサイクロンの入口風速は18.6m/sであっ
た。第二のサイクロンのガス出口の後に、マルチサイク
ロンを設置し、サイクロンで捕集できなかった重合体粉
体を捕集し、製品ビンに回収した。このとき、マルチサ
イクロンの入口風量は550m3/minであった。 【0044】定常状態になったとき(運転2時間後)に
製品ビンに集められた重合体粉体の量は850Kgで、
その含水率は0.8dry%であった。 【0045】運転3時間後に湿潤重合体粉体Bの供給を
やめ、さらに3時間空運転し、その後、湿潤重合体粉体
Aを上述と同様の操作で乾燥・捕集した。運転が定常状
態(湿潤重合体粉体供給開始後2時間)になったところ
で、第一のサイクロンから出たガスが供給されるマルチ
サイクロン出口の粉塵濃度を測定した。更に、該マルチ
サイクロンで捕集された粉体をサンプリングし、ジエン
系重合体中にアクリル重合体が含まれる割合(コンタミ
率)を測定した。結果を表1に示す。 【0046】実施例2 実施例1において、第1のサイクロンの後のマルチサイ
クロンを図3に示すウェットスクラバーにした以外は実
施例1と同様にして、湿潤重合体粉体B、Aを乾燥し
た。なお、ウェットスクラバー中の水の循環量は170
0L/minであった。結果を表1に示す。 【0047】比較例1 実施例1において、第1のサイクロンの後のマルチサイ
クロンをバグフィルター(濾布面積400m2)にした
以外は実施例1と同様にして、湿潤重合体粉体B、Aを
乾燥した。結果を表1に示す。 【0048】比較例2 実施例1において、気流乾燥機と第1のサイクロンを使
用せず、直接流動乾燥機に湿潤重合体Bを供給して乾燥
しようとしたが、水分が多くて、流動層の棚に重合体が
堆積し、乾燥できなかった。結果を表1に示す。 【0049】比較例3 実施例1において、湿潤重合体粉体の供給量を1500
Kgと変更し、流動乾燥機と第二のサイクロンを使用せ
ず、気流乾燥機および第一のサイクロンで製品を得た。
結果を表1に示す。 【0050】 【表1】【0051】実施例1、2および比較例1のように、乾
燥を気流乾燥機、流動乾燥機で行うことにより、最終的
に得られた重合体粉体を十分に乾燥することができた。
しかし、比較例2のように気流乾燥機を使用しない場合
は、流動乾燥機内で粉が堆積して連続運転が不能になっ
た。また、比較例3に示すように流動乾燥機を使用しな
い場合は、最終的に得られた重合体粉体の含水率は高
く、そのままでは製品としては取り扱えないレベルであ
った。 【0052】また、実施例1および2のように、最終捕
集装置がマルチサイクロン、ウェットスクラバーである
場合は、出口粉塵濃度が非常に小さく、また、コンタミ
率も非常に小さかった。しかし、比較例1にあるよう
に、最終捕集装置にバグフィルターを用いると、出口の
粉塵濃度は非常に小さいものの、コンタミ率が非常に高
いものであった。したがって、バグフィルターに比べる
と、マルチサイクロン、ウェットスクラバーは、装置内
での粉体の滞留がほとんどないことが明らかである。 【0053】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、1次
乾燥として気流乾燥機、2次乾燥として流動乾燥機を用
いて乾燥し、気流乾燥機後のサイクロンの後にマルチサ
イクロン、もしくはウェットスクラバーを採用し、流動
乾燥機に設置したサイクロンの後にマルチサイクロンを
採用したことにより、重合体粉体の十分な乾燥と、装置
内でのコンタミの防止および粉体の滞留を削減させる捕
集が可能となった。
【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は、本発明に係る実施形態の乾燥・捕集
手段の概略フロー図である。 【図2】 図2(a)は、本発明に係る実施形態のマル
チサイクロンの概略断面図であり、図2(b)は、マル
チサイクロン内胴筒の概略断面図である。 【図3】 図は、本発明に係る実施形態のウェットスク
ラバーの概略断面図である。 【符号の説明】 1 気流乾燥機 2 第一のサイクロン 3 流動乾燥機 4 第二のサイクロン 5 マルチサイクロン 6 ウェットスクラバー 7 製品ビン 8 胴筒部 9 直胴部 10 逆円錐台形筒部 11 案内羽根 12 排気内筒 13 粉体導入部 14 トレイ 15 堰板 16 ガス入口 17 下降管 18 循環槽 19 デミスター 20 ガス出口

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 乳化重合法により得られるラテックスを
    凝集させスラリーとし、さらにそれを脱水して得られる
    含水率20〜100dry%の湿粉を乾燥して重合体粉
    体を製造するに際し、下記工程を有することを特徴とす
    る重合体粉体の製造方法。 (1)湿粉を気流乾燥機1で予備乾燥し、予備乾燥した
    重合体粉体を気流乾燥機1に導入したガスとともに第一
    のサイクロン2に投入し、ここで捕集した予備乾燥粉を
    流動乾燥機3に送る。一方、第一のサイクロン2で捕集
    されない微粉末を含有した気流をマルチサイクロン5も
    しくはウェットスクラバー6に送る。 (2)流動乾燥機3で乾燥した重合体粉体を製品ビン7
    に送る。一方、流動乾燥機3で使用したガスを第二のサ
    イクロン4に送る。 (3)第二のサイクロン4で捕集された粉体を再び流動
    乾燥機3に戻す。一方、第二のサイクロン4から出たガ
    スをマルチサイクロン5に送る。 (4)上記(1)および(3)でマルチサイクロン5に
    送られた気流から重合体微粉末を捕集し、ここで捕集し
    た重合体微粉末を製品ビン7に送る。
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