JP2003292315A - カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属表面にカーボンナノチューブを形成するた
めのカーボンナノチューブの製造方法であって、電気的
導電性ならびに構造的強度に優れた金属との接合を有す
るカーボンナノチューブの製造方法を提供する。 【解決手段】金属表面にカーボンナノチューブを形成す
るためのカーボンナノチューブの製造方法であって、加
熱した金属に対して炭素源となるガスを流して、化学気
相成長法により該金属表面にカーボンナノチューブを成
長させるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンナノチュ
ーブの製造方法に関し、さらに詳細には、カーボンナノ
チューブを接触子として形成したプローブを製造する際
などに用いて好適なカーボンナノチューブの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、走査トンネル顕微鏡(ST
M)などの走査プローブ顕微鏡(SPM)のプローブの
先端に設けられる接触子として、カーボンナノチューブ
を用いることが提案されている。
【0003】こうしたカーボンナノチューブを接触子と
して形成したプローブを製造するに際しては、例えば、
金属の表面に接着剤を塗布し、その接着剤によりカーボ
ンナノチューブを金属の表面に貼着する、または、金属
の表面にカーボンナノチューブを接触させてその上から
接着剤を塗布するという手法が用いられている。
【0004】しかしながら、上記した接着剤を介して金
属とカーボンナノチューブとを接着する手法は、電気的
導電性が良くないとともに構造的に脆弱であり、信頼性
に劣るという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、金属表面にカーボンナ
ノチューブを形成するためのカーボンナノチューブの製
造方法であって、電気的導電性ならびに構造的強度に優
れた金属との接合を有するカーボンナノチューブの製造
方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるカーボンナノチューブの製造方法は、
化学気相成長法(Chemical Vapor De
position)を用いて金属表面に直接カーボンナ
ノチューブを成長させるという手法により、カーボンナ
ノチューブを製造するものである。
【0007】本発明によるカーボンナノチューブの製造
方法によれば、接着剤を用いることなしに金属表面にカ
ーボンナノチューブを直接成長させることができるの
で、電気的導電性に優れているとともに、金属表面とカ
ーボンナノチューブとは化学結合により結合されている
ので構造的強度に優れている。
【0008】即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明
は、金属表面にカーボンナノチューブを形成するための
カーボンナノチューブの製造方法であって、加熱した金
属に対して炭素源となるガスを流して、化学気相成長法
により該金属表面にカーボンナノチューブを成長させる
ようにしたものである。
【0009】また、本発明のうち請求項2に記載の発明
は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記
金属を炭素骨格を持つ分子を解離吸着させることができ
る遷移金属としたものである。
【0010】また、本発明のうち請求項3に記載の発明
は、本発明のうち請求項2に記載の発明において、上記
遷移金属をタングステン、ニッケルあるいはコバルトの
いずれかとしたものである。
【0011】また、本発明のうち請求項4に記載の発明
は、本発明のうち請求項1、請求項2または請求項3の
いずれか1項に記載の発明において、上記炭素源となる
ガスを炭素骨格を有するガスとしたものである。
【0012】また、本発明のうち請求項5に記載の発明
は、本発明のうち請求項4に記載の発明において、上記
炭素骨格を有するガスをエチレン、メタンまたはアセチ
レンのいずれかとしたものである。
【0013】また、本発明のうち請求項6に記載の発明
は、本発明のうち請求項1、請求項2、請求項3、請求
項4または請求項5のいずれか1項に記載の発明におい
て、上記金属に対して、化学気相成長法により該金属表
面にカーボンナノチューブを成長させる前に、表面に微
細な凹凸を形成する処理を施すようにしたものである。
【0014】また、本発明のうち請求項7に記載の発明
は、本発明のうち請求項6に記載の発明において、上記
金属の表面に微細な凹凸を形成する処理として、上記金
属の表面に酸化物の微結晶を生成する処理を用いるよう
にしたものである。
【0015】また、本発明のうち請求項8に記載の発明
は、本発明のうち請求項1、請求項2、請求項3、請求
項4、請求項5、請求項6または請求項7のいずれか1
項に記載の発明において、上記金属に対し、化学気相成
長法により該金属表面にカーボンナノチューブを成長さ
せる前に、所定の領域をカーボンによりコーディングす
るようにしたものである。
【0016】また、本発明のうち請求項9に記載の発明
は、タングステンの表面にカーボンナノチューブを形成
するためのカーボンナノチューブの製造方法であって、
フッ化水素溶液内において化学的にエッチングされた後
に酸素中で加熱された棒状体のタングステンを石英ガラ
ス管内に配置して、アルゴンガスを流している状態で該
タングステンを加熱する第1のステップと、上記タング
ステンを加熱した状態において、エチレンガスを流す第
2のステップとを有するようにしたものである。
【0017】また、本発明のうち請求項10に記載の発
明は、本発明のうち請求項9に記載の発明において、上
記タングステンに対し、上記酸素中で加熱した後に、所
定の領域をカーボンによりコーディングするようにした
ものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて、本
発明によるカーボンナノチューブの製造方法の実施の形
態の一例について詳細に説明するものとする。
【0019】図1には、本発明によるカーボンナノチュ
ーブの製造方法を実施する際に用いる製造装置の一例の
概念構成説明図が示されている。
【0020】この製造装置においては、石英ガラス管1
0内に、その表面にカーボンナノチューブを製造するた
めの金属として、先端部12aを先鋭に形成された棒状
体のタングステン(W)のティップ(以下、単に「タン
グステンティップ」と適宜に称する。)12が配設され
ている。石英ガラス管10内には、炭素源となるガスが
流されており、化学気相成長法によりタングステンティ
ップ12の表面にカーボンナノチューブが成長されるこ
とになる。
【0021】ここで、タングステンティップ12として
は、その表面に酸化物として酸化タングステンの微結晶
を形成する処理を施されたものを用いることができる。
【0022】タングステンティップ12の表面に酸化タ
ングステンの微結晶を形成する処理としては、例えば、
酸素中でタングステンティップ12を600℃乃至80
0℃で加熱する処理を用いることができる。この酸素中
での加熱処理により、タングステンティップ12の表面
には、ナノメータースケールの酸化タングステンの微結
晶が生成されて、ナノメータースケールの微細な凹凸が
形成されることになる。
【0023】以下、図1に示す装置を用いて本願発明者
が行った実験の結果について説明する。なお、タングス
テンティップ12としては、46%のフッ化水素溶液内
において化学的に5秒間エッチングして、タングステン
ティップ12の表面の酸化タングステンや不純物を除去
し、その後に酸素中でタングステンティップ12を60
0℃乃至800℃で加熱する処理を行って、タングステ
ンティップ12の表面にナノメータースケールの酸化タ
ングステンの微結晶を生成することにより、タングステ
ンティップ12の表面にナノメータースケールの微細な
凹凸を形成したものを用いた。
【0024】まず、石英ガラス管10内にアルゴン(A
r)ガスを500sccmの流量で流している状態で、
表面にナノメータースケールの酸化タングステンの微結
晶を生成して微細な凹凸を形成したタングステンティッ
プ12を700℃まで加熱する。
【0025】上記のようにしてタングステンティップ1
2を700℃まで加熱した状態において、炭素源となる
ガスとしてエチレン(C)ガスを2.5sccm
の流量で1分間流すことにより、タングステンティップ
12の表面にカーボンナノチューブを成長させることが
できた。
【0026】図2は上記した実験結果を示す走査型電子
顕微鏡(SEM)写真であり、また、図3は図2に示す
SEM写真の理解を容易にするために図2に示すSEM
写真を模式的に表した説明図である。タングステンティ
ップ12の先端部12aの表面には、多数のカーボンナ
ノチューブ20が成長している。
【0027】図2に示されているように、上記した本願
発明者による実験によれば、カーボンナノチューブ20
が直接的にタングステンティップ12の表面に成長され
ることになる。図2に示されているカーボンナノチュー
ブ20は、長さが約100nm乃至2μmであり、直径
が約10nmであった。
【0028】上記した手法を用いることにより、タング
ステンティップ12の表面に多数のカーボンナノチュー
ブを成長させることができるものであるが、STMなど
のSPMのプローブの先端に設けられる接触子としてカ
ーボンナノチューブを用いる場合には、タングステンテ
ィップ12の先端部12aにカーボンナノチューブ20
を1本のみ成長させるようにすることが好ましい。この
ため、タングステンティップ12の表面に選択的にカー
ボンナノチューブ20を成長させることのできる手法が
求められるものであり、以下この手法について説明す
る。
【0029】その手法とは、化学気相成長法によりタン
グステンティップ12の表面にカーボンナノチューブ2
0を成長させる前に、タングステンティップ12の表面
にカーボンをコーティングしておくということである。
化学気相成長法によりタングステンティップ12の表面
にカーボンナノチューブ20を成長させる前に、タング
ステンティップ12の表面にカーボンをコーティングし
ておくと、カーボンをコーディングした領域にはカーボ
ンナノチューブが成長することはなかった。
【0030】この手法に関する本願発明者の実験結果に
ついて説明すると、まず、図4のカーボンコーティング
領域の説明図に示すように、タングステンティップ12
の先端部12aの頂部12aaの微小領域(タングステ
ンティップ12の先端部12aの頂部12aaから基部
12b方向へ、例えば、100nmほど進んだ領域であ
る。)Aのみを残して、タングステンティップ12の先
端部12aの頂部12aaから基部12b方向へ、例え
ば、6μmほど進んだ領域Bの表面に、カーボンをコー
ディングする。これにより、タングステンティップ12
には、カーボンをコーディングされない微小領域Aおよ
び領域Cと、カーボンをコーディングされた領域B’
(B’=B−A)とが形成されることになる。
【0031】なお、タングステンティップ12へのカー
ボンのコーティングについては、例えば、SEMのチャ
ンバー内で領域B’に対して電子ビームを照射すること
によって、領域B’にアモルファスカーボンをコーディ
ングすることができる。
【0032】上記のようにして領域B’にアモルファス
カーボンをコーディングしたタングステンティップ12
を用いて、当該タングステンティップ12を700℃ま
で加熱した状態において、炭素源となるガスとしてエチ
レン(C)ガスを0.5sccmの流量で1分間
流すことにより、微小領域Aにはカーボンナノチューブ
を1本のみ成長させ、領域B’にはカーボンナノチュー
ブを全く成長させることがなく、領域Cには多数のカー
ボンナノチューブを成長させることができた。
【0033】図5は上記した実験結果を示すSEM写真
であり、また、図6は図5に示すSEM写真の微小領域
Aを中心として示すSEM写真であり、図7は図5に示
すSEM写真の理解を容易にするために図5に示すSE
M写真を模式的に表した説明図である。タングステンテ
ィップ12の先端部12aの微小領域Aにはカーボンナ
ノチューブ20が1本のみ成長し、領域B’にはカーボ
ンナノチューブが全く成長しておらず、領域Cには多数
のカーボンナノチューブ20が成長している。
【0034】なお、本願発明者の実験によれば、微小領
域Aの面積を制御することにより、微小領域Aに成長す
るカーボンナノチューブ20の数を制御することができ
る。即ち、微小領域Aの面積を極めて小さくすることに
より、図5乃至図7や、SEM写真(図8)ならびに図
8に示すSEM写真を模式的に表した説明図(図9)に
示すように、先鋭に形成された領域Bの最先端部に位置
する微小領域Aにカーボンナノチューブ20を1本のみ
成長させることが可能となる。
【0035】図10乃至図12には、図5乃至図9に示
すようなタングステンティップ12、即ち、上記した本
発明の手法により微小領域Aにカーボンナノチューブ2
0を1本のみ成長させたタングステンティップ12をプ
ローブとして用いたSTMにより、C60モノレイヤー
を観察した際のSTM写真である。微小領域Aに成長し
たカーボンナノチューブ20は、プローブの接触子とし
て用いられる。
【0036】なお、このプローブとして用いたタングス
テンティップ12は、カーボンナノチューブ20に吸着
した分子を取り除くために、タングステンフィラメント
に付着させてUHVチャンバー内において約600℃で
10時間アニーリングしたものである。また、タングス
テンティップ12の微小領域Aに成長させたカーボンナ
ノチューブ20のサイズは、長さが約200nmであ
り、直径が約10nmであった。
【0037】図10乃至図12に示すSTM写真を得た
実験の後に、タングステンティップ12の微小領域Aに
成長したカーボンナノチューブ20をSEMにより観察
したところ、タングステンティップ12の微小領域Aに
成長したカーボンナノチューブ20は全く損傷していな
かった。
【0038】図10乃至図12に示すSTM写真からわ
かるように、微小領域Aにカーボンナノチューブ20を
1本のみ成長させたタングステンティップ12をプロー
ブとして用いたSTMでも、従来の金属ティップをプロ
ーブとして用いたSTMと同様に、C60の島構造を観
察することができた。しかしながら、分解能を高くした
場合には、ハチの巣状の構造(ハニカム構造:hone
ycomb structure)は観察されたが、従
来の金属ティップをプローブとして用いた場合とはかな
り異なる画像が得られた。なお、参考のために、図13
として、プラチナ(Pt)とイリジウム(Ir)とを材
料とした金属ティップをプローブとして用いた図12に
対応するSTM写真を示す。
【0039】また、図14乃至図15には、微小領域A
にカーボンナノチューブ20を1本のみ成長させたタン
グステンティップ12をプローブとして用いたSTMに
よるSi(111)7×7表面の写真が示されている。
【0040】次に、Si(111)7×7表面上におい
て、微小領域Aにカーボンナノチューブ20を1本のみ
成長させたタングステンティップ12を用いたSTS計
測について説明する。
【0041】図16にはSTS計測の際に得られたST
M写真が示されており、図17には横軸にサンプル電圧
をとるとともに縦軸にトンネル電流をとったI−V曲線
を示すグラフが示されており、図18には横軸にサンプ
ル電圧をとるとともに縦軸にdI/dVをとったグラフ
が示されている。
【0042】ここで、図17に示すI−V曲線が非線形
である原因として、一つにはカーボンナノチューブ20
の先端に存在するキャップの影響が考えられる。
【0043】このキャップは酸素あるいは水素中で加熱
することによって除去できることが知られているので、
微小領域Aにカーボンナノチューブ20を1本のみ成長
させたタングステンティップ12を酸素あるいは水素中
で加熱して、カーボンナノチューブ20の先端のキャッ
プを除去する。こうして、先端のキャップを除去したカ
ーボンナノチューブ20を形成して、プローブの接触子
として用いるようにすれば、図17のグラフに示すよう
な非線形応答性を解消することができる。
【0044】本願発明者の実験によれば、微小領域Aに
カーボンナノチューブ20を1本のみ成長させたタング
ステンティップ12を水素中において400℃で加熱す
ることによって、カーボンナノチューブ20の先端のキ
ャップを取り除いたもの形成し、これを用いてSTS計
測を行ったところ、非線形応答性の問題を解消すること
ができた。
【0045】また、図17に示すI−V曲線が非線形で
ある原因として、もう一つの可能性は、カーボンナノチ
ューブ20そのものが半導体である可能性がある。この
場合には、カーボンナノチューブ20の内部に金属を詰
めるようにして、内部に金属を詰めたカーボンナノチュ
ーブ20をプローブの接触子として用いるようにすれ
ば、図17のグラフに示すような非線形応答性を解消す
ることができる。あるいは、ピーポッド(peapo
d)と称されるカーボンナノチューブ内にC60分子を
詰めたカーボンナノチューブを形成し、これをプローブ
の接触子として用いるようにしても、図17のグラフに
示すような非線形応答性を解消することができる。
【0046】なお、上記した実施の形態は、以下の
(1)乃至(4)に示すように変形してもよい。
【0047】(1)上記した実施の形態に示す化学気相
成長法における成長条件は単なる例示に過ぎないもので
あり、上記した実施の形態に示すものに限られるもので
はなく、適宜に変更してよいことは勿論である。
【0048】例えば、ガスの流量については、適宜に変
更してもよい。即ち、炭素源となるガスとしてエチレン
(C)を用いた場合には、例えば、0.5scc
mから10sccmの範囲の流量においてカーボンナノ
チューブを成長させることができた。なお、エチレン
(C)の流量の増加とともに、成長するカーボン
ナノチューブの長さが短くなる傾向がある。
【0049】また、ガスの種類については、上記した実
施の形態においては炭素源となるガスとしてエチレン
(C)を用いた場合について説明したが、炭素源
となるガスはエチレン(C)に限られるものでは
ない。炭素源となるガスとしては、例えば、メタン(C
)あるいはアセチレン(C)を用いるように
してもよい。
【0050】なお、炭素源となるガスとしてアセチレン
(C)を用いた場合には、金属表面上に製造され
るカーボンナノチューブは、曲線的なものの割合が大き
くなる。これは、成長時に欠陥が導入され易いためと考
えられる。
【0051】一方、炭素源となるガスとしてメタン(C
)を用いた場合には、炭素源となるガスとしてエチ
レン(C)やアセチレン(C)を用いた場
合と比較すると、単位面積あたりに成長するカーボンナ
ノチューブの本数が少なくなる。これは、メタン(CH
)は他の分子よりも安定であり、脱水素化反応が起こ
りにくいためと考えられる。
【0052】また、カーボンナノチューブを成長させる
金属については、上記した実施の形態のタングステンに
限られるものではなく、例えば、炭素骨格を持つ分子を
解離吸着させることができる遷移金属を適宜に用いるこ
とができる。即ち、カーボンナノチューブを成長させる
金属として、ニッケルあるいはコバルトなどのような他
の種類の金属を用いるようにしてもよい。
【0053】即ち、カーボンナノチューブを成長させる
金属としては、タングステン以外でもよく、表面に酸化
物の微結晶を生成することができる金属、例えば、炭素
骨格を持つ分子を解離吸着させることができる遷移金属
であれば、どのような金属にでもカーボンナノチューブ
を成長させることができる。本願発明者の実験によれ
ば、上記したニッケルならびにコバルトの表面に酸化物
の微結晶を生成し、当該表面にカーボンナノチューブを
成長させることができた。
【0054】なお、金属の表面に酸化物の微結晶を生成
する条件を制御することにより、当該表面に成長させる
カーボンナノチューブの密度を制御することができる。
【0055】また、成長温度についても、上記した実施
の形態において示した700℃に限られるものではな
く、炭素源となるガスの種類やカーボンナノチューブを
成長させる金属の種類などに応じて、適宜に変更してよ
いことは勿論である。
【0056】例えば、炭素源となるガスとしてエチレン
(C)を用いるとともに、カーボンナノチューブ
を成長させる金属としてタングステンを用いた場合に
は、上記した実施の形態において示した700℃に限ら
れるものではなく、本願発明者の実験によれば、600
℃から750℃の範囲でカーボンナノチューブを成長さ
せることができた。なお、成長温度が低い方が、より直
径の細いカーボンナノチューブを得ることができた。
【0057】(2)上記した実施の形態においては、タ
ングステンティップの表面に微細な凹凸を形成するため
に、タングステンティップを酸素中において加熱して、
タングステンティップの表面に酸化タングステンの微結
晶を形成するようにしたが、これに限られるものではな
いことは勿論である。即ち、タングステンやニッケルあ
るいはコバルトなどの金属の表面に微細な凹凸を形成す
るための処理は、上記したように金属を酸素中において
加熱して表面に酸化物を生成する処理に限られるもので
はなく、適宜に他の代替の処理を用いるようにしてもよ
い。
【0058】(3)上記した実施の形態においては、タ
ングステンティップを46%のフッ化水素溶液内におい
て化学的に5秒間エッチングして、タングステンティッ
プ表面の酸化タングステンや不純物を除去するようにし
たが、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、タングステンティップに対して上記したエッチン
グ処理を行うことなしに、その表面にカーボンナノチュ
ーブを成長させるようにしてもよい。
【0059】また、エッチング処理を行う際において
も、エッチング処理の条件が上記した実施の形態に示す
ものに限られるものではなく、適宜の条件でエッチング
処理を行ってもよい。
【0060】(4)上記した実施の形態においては、本
発明によるカーボンナノチューブの製造方法を用いて、
STMなどのSPMのプローブの先端に設けられる接触
子としてカーボンナノチューブを形成する場合について
説明した。しかしながら、本発明によるカーボンナノチ
ューブの製造方法の適用範囲は、上記したプローブの接
触子を形成する場合に限られるものではなく、例えば、
以下の(a)乃至(d)に示すものを形成する場合に適
用することができる。
【0061】(a)ディスプレイなどに応用することの
できるフィールドエミッター(FE) 本発明によるカーボンナノチューブの製造方法は、ディ
スプレイなどに応用することのできるフィールドエミッ
ターを形成する場合に適用することができる。図19に
は、本発明によるカーボンナノチューブの製造方法を適
用したフィールドエミッターの製造方法が示されてい
る。なお、図19において「CNT」とは、本発明によ
るカーボンナノチューブの製造方法によりメタル上に成
長されたカーボンナノチューブを示している。
【0062】従来、カーボンナノチューブをフィールド
エミッターとすることで、低消費電力、低コストのフィ
ールドエミッター素子を作成することが可能であると考
えられてきた。ところが、従来の手法によればフィール
ドエミッター素子の作成過程で磁性金属の導入が必要で
あり、この磁性金属の導入は、電子線を利用するフィー
ルドエミッター素子を微細化する上で致命的な欠点とな
り得る。本発明によるカーボンナノチューブの製造方法
を用いれば、図19に示すように、磁性材料を排除して
非磁性材料のみによってフィールドエミッター素子を構
成することが可能となる。
【0063】(b)電子デバイス内での素子や配線 本発明によるカーボンナノチューブの製造方法は、電子
デバイス内での素子や配線を形成する場合に適用するこ
とができる(図20(a)(b)参照)。なお、図20
において「CNT」とは、本発明によるカーボンナノチ
ューブの製造方法によりメタル上に成長されたカーボン
ナノチューブを示している。
【0064】即ち、本発明によるカーボンナノチューブ
の製造方法によれば、カーボンをコーディングするとい
う手法を用いることにより、高い成長選択性を利用し
て、任意の場所にカーボンナノチューブを成長させるこ
とが可能であるので、電子デバイス内での素子や配線に
適用することができる。
【0065】また、本発明によるカーボンナノチューブ
の製造方法においては、従来の半導体リソグラフィー技
術および既存の製造ラインにも適応性の高い金属上に、
直接にカーボンナノチューブを成長させることができる
ため、何ら新たな設備投資を行うことなしに、カーボン
ナノチューブの優れた物理化学的安定性、伝導特性を利
用することができるようになる。
【0066】(c)プローブ 本発明によるカーボンナノチューブの製造方法は、上記
した実施の形態において説明したように、プローブの接
触子を形成する場合に適用することができる(図21乃
至図23参照)。なお、図21乃至図23において「C
NT」とは、本発明によるカーボンナノチューブの製造
方法によりメタル上に成長されたカーボンナノチューブ
を示している。
【0067】一般に、原子間力走査プローブ型顕微鏡に
おいては、カーボンナノチューブの高いアスペクト比
(太さに対する長さの比)が、複雑な形状や深い溝状の
形状をもつ試料表面の測定にとって重要であることが示
されきた(図21参照)。本発明によるカーボンナノチ
ューブの製造方法によれば、カーボンナノチューブを直
接に金属上に成長させているため、カーボンナノチュー
ブと金属との電気的接続が良好である(図22参照)。
そして、上記形状を有する典型的な試料、例えば、3次
元加工(リソグラフィー)を施された集積回路内の個々
の素子やナノスケールで構築された材料や構造の電気特
性検査などに応用することができるようになる(図23
参照)。
【0068】(d)センサー 本発明によるカーボンナノチューブの製造方法は、セン
サーを形成する場合に適用することができる(図24乃
至図25参照)。なお、図24乃至図25において「C
NT」とは、本発明によるカーボンナノチューブの製造
方法によりメタル上に成長されたカーボンナノチューブ
を示している。
【0069】カーボンナノチューブの先端には、炭素原
子からなる5員環と6員環と共存しており、カーボンナ
ノチューブの側面に比べて化学的活性度が高い。このた
め、ごく先端にのみ所望の機能を有する分子を結合させ
て、その分子特有の相互作用選択性をセンサー機能とし
て利用することができる。高感度かつ高精度の検出のた
めには、単一のセンサーを作成することが重要であり、
本発明による選択的な成長の手法が重要である。
【0070】また、相互作用が電荷の移動を伴う場合に
は、カーボンナノチューブが金属と良好な電気的接続を
有するという特徴が重要となる。例えば、ある病原体に
対する抗体をカーボンナノチューブの先端に取り付ける
(結合させる)と、病原体が存在する場合には、カーボ
ンナノチューブの先端に病原体を保持することが可能に
なる(図24参照)。この状態をカーボンナノチューブ
全体の共振周波数の変化などを観測することにより、病
原体の有無あるいは種類を特定することができる(図2
5参照)。なお、この共振周波数を利用する検出法は、
プローブの先端にのみ変化が起こるという条件を満たさ
なければ正確な検出法とはなり得ないので、プローブの
先端にのみ所望の機能を有する分子を結合させるという
カーボンナノチューブの持つ特徴が必要である。
【0071】(5)上記した実施の形態ならびに上記し
た(1)乃至(4)に示す変形例は、適宜に組み合わせ
るようにしてもよい。
【0072】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、金属表面にカーボンナノチューブを形成す
るためのカーボンナノチューブの製造方法であって、電
気的導電性ならびに構造的強度に優れたなカーボンナノ
チューブの製造方法を提供することができるという優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカーボンナノチューブの製造方法
を実施する際に用いる製造装置の一例の概念構成説明図
である。
【図2】本願発明者による実験結果を示す走査型電子顕
微鏡(SEM)写真である。
【図3】図2に示すSEM写真の理解を容易にするため
に、図2に示すSEM写真を模式的に表した説明図であ
る。
【図4】タングステンティップにおけるカーボンコーテ
ィング領域の説明図である。
【図5】本願発明者による実験結果を示すSEM写真で
ある。
【図6】図5に示すSEM写真の微小領域Aを中心に示
すSEM写真である。
【図7】図5に示すSEM写真の理解を容易にするため
に、図5に示すSEM写真を模式的に表した説明図であ
る。
【図8】先鋭に形成された領域Bの最先端部に位置する
微小領域Aにカーボンナノチューブ20を1本のみ成長
させた状態を示すSEM写真である。
【図9】図8に示すSEM写真の理解を容易にするため
に、図8に示すSEM写真を模式的に表した説明図であ
る。
【図10】本発明の手法により微小領域Aにカーボンナ
ノチューブを1本のみ成長させたタングステンティップ
をプローブとして用いたSTMにより、C60モノレイ
ヤーを観察した際のSTM写真である。微小領域Aに成
長したカーボンナノチューブは、プローブの接触子とし
て用いられている。
【図11】本発明の手法により微小領域Aにカーボンナ
ノチューブを1本のみ成長させたタングステンティップ
をプローブとして用いたSTMにより、C60モノレイ
ヤーを観察した際のSTM写真である。微小領域Aに成
長したカーボンナノチューブは、プローブの接触子とし
て用いられている。
【図12】本発明の手法により微小領域Aにカーボンナ
ノチューブを1本のみ成長させたタングステンティップ
をプローブとして用いたSTMにより、C60モノレイ
ヤーを観察した際のSTM写真である。微小領域Aに成
長したカーボンナノチューブは、プローブの接触子とし
て用いられている。
【図13】プラチナ(Pt)とイリジウム(Ir)とを
材料とした金属ティップをプローブとして用いた図12
に対応するSTM写真である。
【図14】微小領域Aにカーボンナノチューブを1本の
み成長させたタングステンティップをプローブとして用
いたSTMによるSi(111)7×7表面の写真であ
る。微小領域Aに成長したカーボンナノチューブは、プ
ローブの接触子として用いられている。
【図15】微小領域Aにカーボンナノチューブを1本の
み成長させたタングステンティップをプローブとして用
いたSTMによるSi(111)7×7表面の写真であ
る。微小領域Aに成長したカーボンナノチューブは、プ
ローブの接触子として用いられている。
【図16】Si(111)7×7表面上において、微小
領域Aにカーボンナノチューブを1本のみ成長させたタ
ングステンティップを用いたSTS計測の際に得られた
STM写真である。
【図17】STS計測における横軸にサンプル電圧をと
るとともに縦軸にトンネル電流をとったI−V曲線を示
すグラフである。
【図18】STS計測における横軸にサンプル電圧をと
るとともに縦軸にdI/dVをとったグラフである。
【図19】本発明によるカーボンナノチューブの製造方
法を適用したフィールドエミッターの製造方法を示す説
明図である。
【図20】(a)ならびに(b)は、本発明によるカー
ボンナノチューブの製造方法を電子デバイス内での素子
や配線を形成する場合に適用する際の説明図である。
【図21】本発明によるカーボンナノチューブの製造方
法をプローブの接触子を形成する場合に適用する際の説
明図である。
【図22】本発明によるカーボンナノチューブの製造方
法をプローブの接触子を形成する場合に適用する際の説
明図である。
【図23】本発明によるカーボンナノチューブの製造方
法をプローブの接触子を形成する場合に適用する際の説
明図である。
【図24】本発明によるカーボンナノチューブの製造方
法をセンサーを形成する場合に適用する際の説明図であ
る。
【図25】本発明によるカーボンナノチューブの製造方
法をセンサーを形成する場合に適用する際の説明図であ
る。
【符号の説明】
10 石英ガラス管 12 タングステンティップ 12a 先端部 12aa 頂部 20 カーボンナノチューブ CNT カーボンナノチューブ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年3月11日(2003.3.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明
は、金属表面にカーボンナノチューブを形成するための
カーボンナノチューブの製造方法であって、加熱した金
属に対して炭素源となるガスを流して、化学気相成長法
により該金属表面にカーボンナノチューブを成長させる
ものであるカーボンナノチューブの製造方法において、
上記金属は、化学気相成長法により上記金属表面にカー
ボンナノチューブを成長させる前に、上記金属表面に酸
化物の微結晶を生成することにより、上記金属表面に微
細な凹凸を形成する処理を施すようにしたものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また、本発明のうち請求項2に記載の発明
は、金属表面にカーボンナノチューブを形成するための
カーボンナノチューブの製造方法であって、加熱した金
属に対して炭素源となるガスを流して、化学気相成長法
により該金属表面にカーボンナノチューブを成長させる
ものであるカーボンナノチューブの製造方法において、
上記金属は、化学気相成長法により上記金属表面にカー
ボンナノチューブを成長させる前に、所定の領域をカー
ボンによりコーディングするようにしたものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、本発明のうち請求項3に記載の発明
は、金属表面にカーボンナノチューブを形成するための
カーボンナノチューブの製造方法であって、加熱した金
属に対して炭素源となるガスを流して、化学気相成長法
により該金属表面にカーボンナノチューブを成長させる
ものであるカーボンナノチューブの製造方法において、
上記金属は、化学気相成長法により上記金属表面にカー
ボンナノチューブを成長させる前に、表面に微細な凹凸
を形成する処理を施すとともに所定の領域をカーボンに
よりコーディングするようにしたものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、本発明のうち請求項4に記載の発明
は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記
金属は、化学気相成長法により上記金属表面にカーボン
ナノチューブを成長させる前に、所定の領域をカーボン
によりコーディングするようにしたものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また、本発明のうち請求項5に記載の発明
は、本発明のうち請求項1、請求項2、請求項3または
請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記金
属を炭素骨格を持つ分子を解離吸着させることができる
遷移金属としたものである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、本発明のうち請求項6に記載の発明
は、本発明のうち請求項5に記載の発明において、上記
遷移金属をタングステン、ニッケルあるいはコバルトの
いずれかとしたものである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、本発明のうち請求項7に記載の発明
は、本発明のうち請求項1、請求項2、請求項3、請求
項4、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の
発明において、上記炭素源となるガスを炭素骨格を有す
るガスとしたものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、本発明のうち請求項8に記載の発明
は、本発明のうち請求項7に記載の発明において、上記
炭素骨格を有するガスをエチレン、メタンまたはアセチ
レンのいずれかとしたものである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】図10乃至図12は、図5乃至図9に示す
ようなタングステンティップ12、即ち、上記した本発
明の手法により微小領域Aにカーボンナノチューブ20
を1本のみ成長させたタングステンティップ12をプロ
ーブとして用いたSTMにより、C60モノレイヤーを
観察した際のSTM写真である。微小領域Aに成長した
カーボンナノチューブ20は、プローブの接触子として
用いられる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】一般に、原子間力走査プローブ型顕微鏡に
おいては、カーボンナノチューブの高いアスペクト比
(太さに対する長さの比)が、複雑な形状や深い溝状の
形状をもつ試料表面の測定にとって重要であることが示
されてきた(図21参照)。本発明によるカーボンナノ
チューブの製造方法によれば、カーボンナノチューブを
直接に金属上に成長させているため、カーボンナノチュ
ーブと金属との電気的接続が良好である(図22参
照)。そして、上記形状を有する典型的な試料、例え
ば、3次元加工(リソグラフィー)を施された集積回路
内の個々の素子やナノスケールで構築された材料や構造
の電気特性検査などに応用することができるようになる
(図23参照)。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】カーボンナノチューブの先端には、炭素原
子からなる5員環と6員環とが共存しており、カーボン
ナノチューブの側面に比べて化学的活性度が高い。この
ため、ごく先端にのみ所望の機能を有する分子を結合さ
せて、その分子特有の相互作用選択性をセンサー機能と
して利用することができる。高感度かつ高精度の検出の
ためには、単一のセンサーを作成することが重要であ
り、本発明による選択的な成長の手法が重要である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青野 正和 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 Fターム(参考) 4G146 AA11 BA12 BC08 BC44 BC48 4K030 AA09 BA27 FA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属表面にカーボンナノチューブを形成
    するためのカーボンナノチューブの製造方法であって、 加熱した金属に対して炭素源となるガスを流して、化学
    気相成長法により該金属表面にカーボンナノチューブを
    成長させるものであるカーボンナノチューブの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカーボンナノチューブ
    の製造方法において、 前記金属は、炭素骨格を持つ分子を解離吸着させること
    ができる遷移金属であるカーボンナノチューブの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のカーボンナノチューブ
    の製造方法において、 前記遷移金属は、タングステン、ニッケルあるいはコバ
    ルトのいずれかであるカーボンナノチューブの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3のい
    ずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法に
    おいて、 前記炭素源となるガスは、炭素骨格を有するガスである
    カーボンナノチューブの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のカーボンナノチューブ
    の製造方法において、 前記炭素骨格を有するガスは、エチレン、メタンまたは
    アセチレンのいずれかであるカーボンナノチューブの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4または請求項5のいずれか1項に記載のカーボンナノ
    チューブの製造方法において、 前記金属は、化学気相成長法により該金属表面にカーボ
    ンナノチューブを成長させる前に、表面に微細な凹凸を
    形成する処理を施されたものであるカーボンナノチュー
    ブの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のカーボンナノチューブ
    の製造方法において、 前記金属の表面に微細な凹凸を形成する処理は、前記金
    属の表面に酸化物の微結晶を生成する処理であるカーボ
    ンナノチューブの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6または請求項7のいずれか1項
    に記載のカーボンナノチューブの製造方法において、 前記金属は、化学気相成長法により該金属表面にカーボ
    ンナノチューブを成長させる前に、所定の領域をカーボ
    ンによりコーディングしたものであるカーボンナノチュ
    ーブの製造方法。
  9. 【請求項9】 タングステンの表面にカーボンナノチュ
    ーブを形成するためのカーボンナノチューブの製造方法
    であって、 フッ化水素溶液内において化学的にエッチングされた後
    に酸素中で加熱された棒状体のタングステンを石英ガラ
    ス管内に配置して、アルゴンガスを流している状態で該
    タングステンを加熱する第1のステップと、 前記タングステンを加熱した状態において、エチレンガ
    スを流す第2のステップとを有するカーボンナノチュー
    ブの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のカーボンナノチュー
    ブの製造方法において、 前記タングステンは、前記酸素中で加熱された後に、所
    定の領域をカーボンによりコーディングしたものである
    カーボンナノチューブの製造方法。
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