JP2009281754A - 走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブとその製造方法および走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】探針ホルダーとナノチューブ探針とをコーティング膜を形成して固着したものでは、電子ビーム堆積によるコーティング膜の染み出しによってコーティング膜が塑性変形してしまい、ナノチューブ探針の曲げが復元しなくなるという問題がある。また染み出し部の境界は走査型電子顕微鏡では確認できないため、ナノチューブの長さを規定することが困難であり、ナノチューブ探針の長さ、剛性が定まらなくなり、探針の個体差が発生し、信頼性が低下するという問題がある。
【解決手段】ナノチューブをコーティング膜によって探針ホルダーに固着させる際に、コーティング膜を探針ホルダーの先端部でナノチューブの周囲に回り込ませて形成する。さらに、コーティング膜の探針側終端面において切断面を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】ナノチューブをコーティング膜によって探針ホルダーに固着させる際に、コーティング膜を探針ホルダーの先端部でナノチューブの周囲に回り込ませて形成する。さらに、コーティング膜の探針側終端面において切断面を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ナノチューブを探針とする走査型プローブ顕微鏡用プローブとその製造方法に関する。また、ナノチューブプローブを備えた走査型プローブ顕微鏡に関する。
近年の半導体微細化に伴って高アスペクト比の微細構造が提案され、それに伴い計測技術にもナノメートルの精度が要求されるようになってきた。現状の半導体の微細化は45nmノードに突入しており、アスペクト比も増加し、ますます計測が難しい状況にある。現在は計測技術として、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用し、試料を劈開あるいは集束イオンビーム(FIB)加工して、その断面を観察する方法が採用されているが、破壊を伴う計測法であることから、非破壊での3次元計測が可能な技術が求められている。
その一つの解決策として、高アスペクト比の探針を搭載した走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscopy:SPM)による半導体の3次元計測が注目されている。SPMを用いた表面状態の測定技術の一つである、探針を試料と接触もしくは非接触状態にして表面形状を測定する原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)においては、高い再現性を得ることが測定値の信頼性向上のため最重要課題の一つである。
従来のSiプローブを用いたAFMの連続測定では磨耗により探針先端部形状が変形しやすいために、数10画面も測定を続けているとラフネス等の測定値やプロファイル形状が変化し、その結果、再現性が得られにくい。また、Si探針の先端形状はプローブごとに個体差を有することが多く、プローブの交換とともに測定値が変化することがしばしば起こる。
このような中で、カーボンナノチューブを主とするナノチューブがAFMの探針として用いられるようになった。ナノチューブを探針にすると、アスペクト比の高い円筒形状によって探針形状の影響を最小限に抑えることが可能になる。特にカーボンナノチューブ探針の場合は、磨耗が殆どなく、ヤング率が約1TPaと硬いうえに物理的な衝撃による座屈や曲げを生じても元の形状に復元するため、取得画像の再現性はSiプローブと比較して100倍以上高い。
そのため、ナノチューブ探針に関する様々な研究が行われてきたが、製造法に関しては長さや直径等の形状制御の困難さが問題視されてきた。そこで製造における再現性を向上させ、個体差の無いナノチューブ探針を実現することが求められている。
ナノチューブ探針の形状制御に関しては、これまでいくつかの方法が提案されており、最も代表的かつ安定な方法として、例えば特許文献1に、ナノチューブを走査型電子顕微鏡内でマニピュレーターを用いてプローブに接触させ、炭素物質によってコーティングする方法が提案されている。またナノチューブを曲げて角度を調整し固定する方法を用いた例として、特許文献2のようにナノチューブを屈曲させ、タングステンをコートして固定する方法が提案されている。
本発明に至る過程で、炭素コーティング膜や金属コーティング膜等を用いた固着法には、下記の問題があることが分かった。
カーボンナノチューブ等のナノチューブ探針を固着するコーティング膜はSEMチャンバー内に炭素ガスや有機金属ガスを導入し、電子ビーム照射によるデポジションによって実現される。しかし、このようなナノチューブ固着法では所望の領域にコーティング膜をナノメートル精度で形成することは困難であり、厳密には電子ビーム照射領域の周囲に数10nm〜数100nm程度の染み出しが必ず生じる。
ナノチューブ探針部へのコーティング膜の染み出しはナノスケールで非常に薄いため、コーティング膜境界を確認することは困難である。このため、ナノメートル精度でナノチューブ探針の長さを規定することは不可能である。すなわち、ナノチューブ探針の長さに個体差が発生しやすく、それに付随して探針の剛性がばらつくために探針性能の信頼性低下につながる。
また、ナノチューブ探針はAFM測定時に探針−試料間の応力によって曲げられる場合があるが、上記の固着法で接合されたナノチューブ探針をAFMに用いた場合には、ナノチューブ探針に染み出したコーティング膜が塑性変形することで、ナノチューブ探針の曲げが復元不可能となる場合がある。探針が変形すると取得画像が変化し、取得画像の再現性がなくなるといった問題が生じる。
さらには、ナノチューブ表面にナノチューブ作製時の副生成物や非結晶カーボン等のコンタミネーションが付着している場合は、染み出したコーティング膜の有無にかかわらずナノチューブ探針の直径等の形状特性が変化するため、AFM取得画像の信頼性を損なう。
本発明の目的は、電子ビーム照射により形成されるコーティング膜の染み出しによって生じるナノチューブ探針長さの個体差と塑性変形の問題、およびナノチューブ表面のコンタミネーション付着の問題を解決し、製造および測定における再現性と信頼性が高いナノチューブ探針を備えた走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブとその製造方法ならびに走査型プローブ顕微鏡を提供することにある。
本発明の走査型プローブ顕微鏡用のプローブは、探針ホルダー端部に平坦面を有し、平坦面から探針が突出した形状であって、突出した部分の探針は、直径がほぼ均一である形状を有することを特徴とする。直径が均一な探針としては内部に空隙を有するチューブ状、内実構造を有する棒状のいずれも使用できる。チューブ状の探針としてはカーボンナノチューブなど、棒状の探針としてはカーボンナノファイバー、タングステンナノワイヤー、金ナノワイヤーなどが挙げられる。
探針がコーティング膜によって固着されている場合には、探針ホルダーの先端部分におけるコーティング膜は探針の周囲に回り込んで形成され、かつ探針側の終端面において切断面を有することにより、直径の均一な探針が突出した形状とすることができる。
また本発明の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブは、カンチレバー上に形成された探針ホルダーの少なくとも先端部分でナノチューブ探針がコーティング膜によって探針ホルダーへ固着されており、探針ホルダー先端部の前記コーティング膜はナノチューブ探針の周囲に回り込んで形成され、かつナノチューブ探針側の終端面において切断面を有していることを特徴とする。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブは、カンチレバー上に形成された探針ホルダーの少なくとも先端部分でナノチューブ探針がコーティング膜によって探針ホルダーへ固着されており、探針ホルダーの先端部の前記コーティング膜はナノチューブ探針の周囲に回り込んで形成され、かつナノチューブ探針側の終端面において平坦面を有していることを特徴とする。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブは、カンチレバー上に形成された探針ホルダーの少なくとも先端部分でナノチューブ探針がコーティング膜によって探針ホルダーへ固着されており、探針ホルダーの先端部の前記コーティング膜はナノチューブ探針の周囲に回り込んで形成され、かつナノチューブ探針側の終端面においてナノチューブ直径の2倍以上の直径を有していることを特徴とする。
また、本発明は上記の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブにおいて、ナノチューブ探針がカーボンナノチューブ探針からなることを特徴とする。
また、本発明は上記の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブにおいて、ナノチューブ探針が探針ホルダーの先端で屈曲しており、その屈曲した部分でナノチューブ探針と探針ホルダーとがコーティング膜によって固着されていることを特徴とする。
また、本発明は上記の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブにおいて、探針ホルダーが円錐形状、多角錘形状、柱状形状のいずれかの形状を有することを特徴とする。
また、本発明は上記の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブにおいて、探針ホルダーの先端部が非先鋭化していることを特徴とする。
また、本発明は上記の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブにおいて、探針ホルダーの稜線又は面上に沿わせてナノチューブ探針が接合されていることを特徴とする。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡用プローブのカンチレバー上の探針ホルダーにナノチューブ探針を接合する工程を含む走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法において、前記ナノチューブ探針の周囲にコーティング膜を回りこませるようにして固着させ、前記コーティング膜の少なくとも一部を除去し、ナノチューブに付着したコンタミネーションを除去することを特徴とする。特に、前記探針ホルダーの少なくとも先端部分で前記ナノチューブ探針の周囲にコーティング膜を回りこませるようにして前記ナノチューブ探針を前記探針ホルダーへ固着し、前記探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜のナノチューブ探針側終端面を切り欠いて取り除くことによってナノチューブに付着するコンタミネーションを除去することを特徴とする。
また、本発明は上記の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブにおいて、ナノチューブ探針が探針ホルダーの先端部を含む複数箇所でコーティング膜によって探針ホルダーへ固着されていることを特徴とする。また、前記した複数箇所の固着部分でナノチューブ探針が前記ホルダーの先端部に到達するようコーティング膜によって曲げて固着されていることを特徴とする。
また、本発明は上記の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブにおいて、コーティング膜が電子ビーム照射によるデポジションによって形成されていることを特徴とする。
本発明の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法は、カンチレバー上に形成された探針ホルダーの少なくとも先端部分で、ナノチューブ探針の周囲にコーティング膜を回りこませてナノチューブ探針と探針ホルダーとを固着する工程を含み、さらにそのコーティング膜のナノチューブ探針側の終端面を取り除く工程と、ナノチューブ探針を切断して長さを調整する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法は、カンチレバー上の探針ホルダーの先端部を切り欠いて非先鋭化し、その非先鋭化した部分でナノチューブ探針の周囲にコーティング膜を回りこませてナノチューブ探針を探針ホルダーへ固着する工程を含み、さらにそのコーティング膜のナノチューブ探針側の終端面を取り除く工程と、ナノチューブ探針を切断して長さを調整する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法は、カンチレバー上の探針ホルダーの先端部分を含む複数の箇所でナノチューブ探針をコーティング膜により探針ホルダーへ固着し、探針ホルダーの先端部ではコーティング膜をナノチューブ探針の周囲に回り込ませて固着する工程を含み、ナノチューブ探針と探針ホルダーとの固着部分でナノチューブ探針が前記ホルダーの先端部に到達するようコーティング膜によって曲げて固着されており、探針ホルダー先端の固着部分でナノチューブ探針を所望の方向へ曲げて固定することを特徴とする。更に、その後、探針ホルダーの先端部に形成したコーティング膜のナノチューブ探針側の終端面を取り除く工程と、次いでナノチューブ探針を切断して長さを調整する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明は上記した走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法において、金属コーティング膜を、金属化合物ガスを電子ビーム照射により分解して堆積させることによって形成することを特徴とする。
本発明の走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバー上の探針ホルダーの少なくとも先端部分でナノチューブ探針がコーティング膜によって探針ホルダーへ固着されており、探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜がナノチューブ探針の周囲に回り込むように形成され、かつナノチューブ探針側の終端面において切断面を有していることを特徴とする。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバー上の探針ホルダーの少なくとも先端部分でナノチューブ探針がコーティング膜によって探針ホルダーへ固着されており、探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜がナノチューブ探針の周囲に回り込むように形成され、かつナノチューブ探針側の終端面において平坦面を有していることを特徴とする。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバー上の探針ホルダーの少なくとも先端部分でナノチューブ探針がコーティング膜によって探針ホルダーへ固着されており、探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜がナノチューブ探針の周囲に回り込むように形成され、かつナノチューブ探針側終端面においてナノチューブ直径の2倍以上の直径を有していることを特徴とする。
本発明により、電子ビーム照射で形成されたコーティング膜の染み出しで問題となるナノチューブ探針長さの個体差とコーティング膜の塑性変形によるナノチューブの曲がり問題を解決でき、製造および測定の再現性がある信頼性の高いナノチューブ探針を提供できる。さらには、ナノチューブ表面にコンタミネーションが付着している場合は、染み出したコーティング膜の除去によってコンタミネーションを除去しナノチューブ表面を清浄化することが可能となり、真のナノチューブ直径を得ることが可能となる。この結果、本来のナノチューブの優れた剛性および弾性と高アスペクト比という特徴を生かした走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブを提供できる。
本発明に至る過程で、コーティング膜形成時に電子ビーム照射領域の周囲に染み出しが生じ、コーティング膜境界が不確定となりナノチューブ探針の長さに個体差が生じ、探針性能の信頼性低下につながることを明らかにした。また、コーティング膜が塑性変形することでナノチューブ探針の曲げが復元不可能となり、AFM測定での生産性が低下することを明らかにした。
本発明では探針ホルダー端面から直径が均一である探針が突出した形状を形成することによって上記問題を回避した。特にナノチューブをコーティング膜で固定した探針に用いる場合においては、ナノチューブをコーティング膜によって探針ホルダーに固着する際に、コーティング膜を探針ホルダーの先端部でナノチューブの周囲に回り込ませて形成し、しかもコーティング膜のナノチューブ探針側終端面において切断面を形成することによって上記問題を解決するに至った。
コーティング膜をナノチューブの周囲に回りこませて形成することにより、探針ホルダーの剛性を補強することができる。さらに、ナノチューブ探針を屈曲した状態のままで保持することが可能になる。
コーティング膜のナノチューブ探針側の終端面を取り除き、切断面にすることにより、探針の長さが規定し易くなる。
コーティング膜の探針側の終端面は平坦であることが望ましく、ラフネス値(Ra値)で10nm以下にすることが望ましい。
コーティング層の厚さはナノチューブ探針を固定するのに十分な厚さとし、できればナノチューブの半径の2倍以上とすることが望ましい。例えばナノチューブの半径が5nmの場合には、コーティング層の厚さは10nm以上とすることが好ましい。これにより、例えば直径が10nmのナノチューブの周囲をコーティング層が取り囲み、全体の外径がナノチューブ直径の3倍(30nm)以上となっているものが得られ、コーティング膜の塑性変形を防止することができる。
ナノチューブ探針は、その周囲を包囲するように回り込ませたコーティング膜によって、探針ホルダー先端部で屈曲させた状態で固着することができ、これによってナノチューブ探針を任意のあらゆる角度に調整できる。
市販されているプローブでは探針ホルダーは円錐、多角錘、または柱状の形状を有している。これらの形状をした探針ホルダーの先端部を機械的にせん断、またはイオンシャワー等によって非先鋭化したのち、ナノチューブ探針を接合することが好ましく、探針ホルダー先端部を高剛性化できる。
特に機械的に切り欠くことによる加工法が好ましく、電子顕微鏡中でのマニピュレーションによって金属等のエッジ部に探針ホルダー4の先端を引掻く。図8は、機械的せん断により、探針ホルダーの先端を切欠加工する際の工程を示した拡大図である。金属板9により探針ホルダー4の先端を引掻くことで機械的に切り欠いて平面を形成したあと、電子線照射により金属化合物ガスを分解して生成物を堆積させナノチューブ探針1を接合することができる。この方法を採用することによって電子顕微鏡内で探針ホルダー4の先端部の加工とナノチューブ探針1の接合を連続して行うことができる。
市販されている探針ホルダーの先端部はナノチューブよりも細い場合があり、そこにナノチューブを安定して保持することは極めて難しい。この点からも、探針ホルダーの先端部分を切断して非先鋭化したのち、ナノチューブを固定することが好ましい。
探針ホルダーの材料にはシリコン、窒化シリコン、金属がコートされたシリコン、もしくはタングステンから選ばれたものを用いることが望ましい。プローブのカンチレバー背面に反射膜のアルミコーティングが施されているものを使用してもよい。
ナノチューブ探針は探針ホルダーの面或いは稜線に沿わせてコーティング膜によって固着される。このとき探針ホルダーの先端部の一箇所だけでなく、複数の箇所で固着するのが良い。固着はいずれもコーティング膜を形成して行うのが良い。また、図9に示すように、ナノチューブ探針がホルダーの先端部から突出するよう、ナノチューブを固着するたびに、コーティング膜によって曲げてナノチューブの方向を矯正し、ナノチューブを探針ホルダー先端中央に向かわせることが望ましい。探針ホルダーの先端部において、ナノチューブを必要に応じて所定の方向に曲げる。
ナノチューブ探針の長さを、そのバネ定数が固着されたプローブのカンチレバーのバネ定数よりも大きくなるように調節すると、走査性をよくすることができる。
探針ホルダーへのナノチューブの接合は、探針ホルダーの先端から最も遠い位置からはじめる。コーティング膜を数100nmの間隔で形成し、探針ホルダーの先端部に到達してからはナノチューブの周囲にコーティング膜を回り込ませ、ナノチューブを完全に固着する。
コーティング膜の染み出し部の除去は、コーティング膜の終端領域を金属板のエッジに押し付け、機械的に切り欠いて切断面を形成し、切断されたコーティング膜の染み出し部を取り除く方法が、簡便かつ時間短縮のためよい。
また前記コーティング膜のナノチューブ探針側終端面を取り除くことによってナノチューブに付着するコンタミネーションを除去する。ナノチューブ表面にはナノチューブ作製時の副生成物や非晶質カーボン等が付着する場合があり、これらをコーティングの染み出しとともに取り除くことが可能となる。
金属コーティング膜の形成は、電子ビーム堆積によって行うことが望ましい。この方法では電子照射によって金属化合物ガスを分解し、生成物が堆積することによって形成される金属コーティング膜によってナノチューブが固定される。堆積物としてはタングステン、金、白金等を用いることができる。タングステンの場合には、ナノチューブと探針ホルダーを接触させ、W(CO)6もしくはWF2を加熱気化させたガスを真空度の高い走査型電子顕微鏡の試料室内部に導入し、W(CO)6もしくはWF2のいずれかのガスを、ノズルを用いて接触部近傍に放出させる。これにより、探針と探針ホルダーの接触部付近に前記ガスの雰囲気を形成し、接触部に電子ビームを照射して前記ガスを分解し、析出したタングステンを照射領域である前記接触部に堆積させる。また金や白金の場合には(CH3)2Au(C5H7O2)や(C5H4C2H5)(CH3)Pt等を加熱気化させて、同様に電子ビームの照射によってガスを分解し、析出した金や白金を堆積させる。
ナノチューブ探針へのコンタミネーション付着の低減のために、ガスを分解する電子ビームの強度を一定範囲に設定し、ナノチューブの裏側にまで回り込んだ状態の金属層を堆積させることが好ましい。電子ビームの強度は、照射させる電子ビームの加速電圧およびエミッション電流を制御することによりプローブ電流を調整する。ただし、プローブ電流が大きいほど、コンタミネーションを堆積させてしまう傾向がある。したがって、コンタミネーションの堆積量を減らし、十分な強度を有する程度に金属堆積層を設けるためには、プローブ電流は100以上5000pA以下とすることが望ましい。
ナノチューブの長さ調整には通電による切断が望ましい。例えば探針ホルダーに固定したナノチューブの先端部を、対極の位置に用意した電極に接近、もしくは接触させ、探針ホルダーと電極の間にパルスの電圧を印加して、接触部分でナノチューブを切断し、この切断を繰り返して行うことで達成される。
通電の方法は限定するものではないが、特に立ち上がりが急峻なパルス電圧を印加して切断する方法では、切断を複数回繰り返すことで、ナノチューブの長さを最小で約20nmの精度で微調整していくことができ、最終的には100nm以下まで長さを調節できる。
本発明の探針ホルダー端面から直径が均一である探針が突出した形状を形成する他の方法としては、探針ホルダーの端面に設置した金属触媒よりナノチューブをCVDにより成長させたり、ナノチューブを低融点金属に埋め込んだりすることで解決することができる。
本発明によれば、CNT探針の高アスペクトな形状と優れた剛性および弾性を活かし、忠実な形状計測と高い耐久性をもった表面状態の測定を可能とする走査型プローブ顕微鏡が実現される。これにより、研究用途のみならず半導体、HDD等の製造過程に高精度な表面状態の測定(検査工程)を求められる製品検査を長時間行うことが可能になり、不要な対策を省略して、プロセスの生産性の低下を防止できる。
本発明によれば、CNT探針の高アスペクトな形状と優れた剛性および弾性を活かし、忠実な形状計測と高い耐久性をもった表面状態の測定を可能とする走査型プローブ顕微鏡が実現される。これにより、研究用途のみならず半導体、HDD等の製造過程に高精度な表面状態の測定(検査工程)を求められる製品検査を長時間行うことが可能になり、不要な対策を省略して、プロセスの生産性の低下を防止できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、これに限定されるものではない。また、コーティング膜の終端面に関して、いくつかの例を示すが、これらに限定されるものでもない。また、コーティング膜として金属コーティング膜を用いて説明したが、金属に限られるものではない。
また本発明のナノチューブ探針が使用されるAFMの一例は、カンチレバーを装着し、試料とカンチレバー探針を接触、もしくは接近させ、試料上を走査することにより表面状態を測定する装置であり、試料とカンチレバー探針との接触時の状態が一定になるようにカンチレバーもしくは試料を上下するフィードバック機構を有する。その結果、制御信号から試料の表面状態(例えば凹凸)が測定できる。他にも走査型プローブ顕微鏡としては、表面電位を検出するケルビンフォース顕微鏡(KFM)、表面磁場を検出する磁気力顕微鏡(MFM)、化学官能基の表面分布を検出する化学力顕微鏡(CFM)等に代表される全てのSPM測定において、本発明のカンチレバーをこれらに用いることで、ナノ領域の形状および表面物性情報を得ることができる。
以下に示す実施例において、同じ部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施例によるCNT探針の先端拡大図であり、図2は図1の探針を具備するナノチューブプローブ14の全体図である。本実施例のナノチューブプローブ14は、ベースプレート7に固定されたカンチレバー6と、カンチレバー6の先端部に設置された探針ホルダー4と、その探針ホルダー4の先端部に設置されたナノチューブ探針1から構成される。ナノチューブ探針1は、錘状形状をした探針ホルダー4の面上或いは稜線に沿うように、中間部金属コーティング膜3と先端部金属コーティング膜2によって固定されている。先端部金属コーティング膜2のナノチューブ探針側の先端部には切断面5が形成されている。
ナノチューブには、ノンドープの単層および多層ナノチューブやボロンや窒素をドープしたナノチューブ等が存在するが、金属原子を内包したナノチューブやナノチューブ先端に金属原子や金属微粒子を担持したナノチューブでもよく、本発明においてはこのような様々なナノチューブを走査型プローブ顕微鏡の用途に応じて選択できる。
ナノチューブ探針1を探針ホルダー4の稜線上もしくは面上に接合する金属コーティング膜は、既に説明したように、電子ビーム照射により金属化合物ガスを分解して生成物を堆積する方法によって形成される。堆積物としてはタングステンや金、もしくはプラチナ等を用いることができる。
電子ビーム堆積を用いる方法によってW(CO)6ガスを分解し、W生成物が堆積することによって形成される金属コーティング膜によってナノチューブ探針1を固定した。
この際、ナノチューブ探針へのコンタミネーションの堆積量を減らすことと、十分な強度を有する程度にコーティング膜が形成されるようにするために、プローブ電流は100以上5000pA以下とした。
先端部金属コーティング膜2は探針ホルダー4の先端部でナノチューブ探針1に回り込むように形成し、コーティング膜の探針側の終端面において切断面5を形成した。ナノチューブ探針1の切断面は図3のように平坦に作製された。
先端部金属コーティング膜2の厚さはナノチューブ探針1の半径の2倍以上とした。本発明ではナノチューブ探針の半径が7〜20nmで、金属層の厚さは14〜40nmとすることが好ましい。これにより、例えば直径が20nmのナノチューブの周囲を金属層が取り囲み、全体の外径がナノチューブ探針1の直径の3倍(40nm)以上となっているものが得られ、先端部金属コーティング膜2の塑性変形を防止することができる。
回り込んだ先端部金属コーティング膜2によってナノチューブ探針1を探針ホルダー4の先端部で屈曲し固定することができ、この方法によってナノチューブをプローブ顕微鏡に装着したときに平坦なサンプル表面に対して垂直を保つ状態にすることができた。本実施例の範囲での別のケースにおいて、試料表面の側壁形状を測定するためにナノチューブ探針1を斜めに屈曲して固定することも可能である。
本実施例では探針ホルダー4が四角錐であるが、三角錐、または円錐でも同様の結果が得られる。また、これら探針ホルダー4の先端形状を切り欠いて非先鋭化し、先端の剛性を高くすることも可能である。探針ホルダー4の材料にはSiやSiNもしくは金属コーティング膜が施されたSiがあるが、タングステン等の金属でもよく、材料には限定されない。またプローブのカンチレバー背面に反射膜のアルミコーティングが施されているものを使用してもよい。
ナノチューブ探針1を探針ホルダー4へ固定する方法としては、ナノチューブを探針ホルダー4へ接触させた後、探針ホルダー4の先端より最も遠い位置から順番に金属コーティング膜を500nm程度の間隔で角度を調整しながら3箇所程度形成し、探針ホルダー4の先端部に到達してからはナノチューブに回り込ませナノチューブを完全に固着させた。
図4は探針ホルダー4先端の金属コーティング膜の染み出しが生じたときの探針先端部の概略図である。このコーティング膜の染み出し部8を、図5に示すような手順で除去した。まずコーティング膜の染み出し部8の箇所を金属板9のエッヂに接触させる。次に金属エッヂをコーティング膜の染み出し部8へ向けて押し付ける。これにより、染み出し部8にクラックが発生し、染み出し部が切り欠かれて切断面5が形成される。次に金属板9のエッヂにコーティングの染み出し部8を引っ掛けて、ナノチューブ探針1を曲げながら探針ホルダー4の反対側へ移動させ、ナノチューブ探針1の側壁をスライドさせてコーティング膜の染み出し部8を除去した。
図10はコーティング膜の染み出し部8を除去した後にナノチューブの長さ調整を行ったときの概略図である。
探針ホルダー4に固定したナノチューブ探針1の先端部を、電極15に接触させ、探針ホルダー4と電極15の間にパルス電圧を印加して、接触部分でナノチューブ探針1の先端部を切断してゆき、この切断を繰り返して行うことで平均100nm以下の精度で長さ調整を行った。
本実施例ではコーティング膜の染み出し部8の除去をナノチューブ探針1の長さを切断し調節してから実施した場合を説明する。図11はコーティング膜の染み出し部8を除去する前にナノチューブの長さ調整を行ったときの概略図である。探針ホルダー4に固定したナノチューブ探針1の先端部を、電極15に接触させ、探針ホルダー4と電極15の間にパルス電圧を印加して、接触部分でナノチューブ探針1の先端部を切断してゆき、この切断を繰り返して行うことで平均100nm以下の精度で長さ調整を行った。
図6は、ナノチューブ探針1の側面にコンタミネーション12が付いているときに、コーティング膜の染み出し部8を除去する際にコンタミネーション12も一緒に除去することが可能である例を示している。コンタミネーションの除去はナノチューブの長さを調節する前と後の両方で実施可能であった。
ナノチューブ探針1を探針ホルダー4に固定するにあたり、ナノチューブ一本をピックアップする時に、ナノチューブ製造時の副生成物であるアモルファスカーボンや、金属触媒、ジャイアントフラーレン等が付着している場合がある。これらはナノチューブを探針ホルダー4に固定する時にナノチューブに付着している場合があり、AFMの探針へ応用する際に弊害となる。
本実施例によれば、コーティング膜の染み出し部8の除去と共にこれらのコンタミネーション12を同時に除去することができるため、ナノチューブの清浄化が可能となる。また、AFMで測定中にナノチューブ探針1に付着した不純物も本実施例の方法で取り除くことが可能である。
図12は、熱CVDによってナノチューブを成長させて探針ホルダー端面18から均一な直径の探針を成長させ作成した例を示す。探針ホルダー端面18に金属触媒19であるフェロセンを設置し、ベンジルアミンを供給しながらArH(水素3%)のガスをフローさせ窒素ドープナノチューブ17を800℃〜1000℃の熱CVDにより直接成長させることによって探針ホルダー端面から直径が均一である探針を形成した。
図13は、低融点金属にナノチューブを埋め込んで探針ホルダー端面18から均一な直径の探針を作成した例を示す。低融点金属20を加熱しナノチューブに接触させることによって埋め込み、ナノチューブ探針1を形成することによって探針ホルダー端面から直径が均一である探針を形成した。
[比較例1]
図7に本発明の比較例としてコーティング膜の染み出し部を除去しなかったナノチューブ探針1をAFMに適用した例を示す。
図7に本発明の比較例としてコーティング膜の染み出し部を除去しなかったナノチューブ探針1をAFMに適用した例を示す。
図7(a)に示すように試料表面13に探針がコーティング膜の染み出し部8で接触し負荷がかかると、コーティング膜の染み出し部8は図7(b)に示したように塑性変形してしまい。ナノチューブ探針1の取付け角度が変化してしまう。これ以後の試料表面13の観察は違った測定画像が得られるため、信頼性の低いものとなってしまう。
なお、上記実施例においては、探針としてカーボンナノチューブ探針を用いた説明を行ったが、探針はチューブ状に限らず、カーボンナノファイバー、タングステンナノワイヤー、金ナノワイヤーなどの棒状の形状を有するものでもよい。
1…ナノチューブ探針、2…先端部コーティング膜、3…中間部コーティング膜、4…探針ホルダー、5…切断面、6…カンチレバー、7…ベースプレート、8…染み出し部、9…金属板、12…コンタミネーション、13…試料表面、14…ナノチューブプローブ、15…切断用電極、16…パルス発生装置、17…CVDナノチューブ、18…探針ホルダー端面、19…金属触媒、20…低融点金属。
Claims (21)
- カンチレバーと、前記カンチレバー上に形成された探針ホルダーと、前記探針ホルダーの端部の平坦面より突出し、突出した部分の直径が均一である探針とを有する走査型プローブ顕微鏡用のプローブであって、
前記探針ホルダーの少なくとも先端部分より前記探針が突出した形状を有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用プローブ。 - 走査型プローブ顕微鏡用プローブのカンチレバー上に形成された探針ホルダーへナノチューブ探針が接合されているナノチューブプローブにおいて、前記探針ホルダーの少なくとも先端部分で前記ナノチューブ探針がコーティング膜によって固着されており、前記探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜は前記ナノチューブ探針の周囲に回り込んで形成され、かつ前記ナノチューブ探針側の終端面において切断面を有していることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 走査型プローブ顕微鏡用プローブのカンチレバー上に形成された探針ホルダーへナノチューブ探針が接合されているナノチューブプローブにおいて、前記探針ホルダーの少なくとも先端部分で前記ナノチューブ探針がコーティング膜によって固着されており、前記探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜は前記ナノチューブ探針の周囲に回り込んで形成され、かつ前記ナノチューブ探針側の終端面において平坦面を有していることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 走査型プローブ顕微鏡用プローブのカンチレバー上に形成された探針ホルダーへナノチューブ探針が接合されているナノチューブプローブにおいて、前記探針ホルダーの少なくとも先端部分で前記ナノチューブ探針がコーティング膜によって固着されており、前記探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜は前記ナノチューブ探針の周囲に回り込んで形成され、かつ前記ナノチューブ探針側の終端面においてナノチューブ直径の2倍以上の直径を有していることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、前記ナノチューブ探針がカーボンナノチューブ探針からなることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、前記ナノチューブ探針が前記探針ホルダーの先端で屈曲しており、その屈曲した部分で前記ナノチューブ探針と前記探針ホルダーとが前記コーティング膜によって固着されていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、前記探針ホルダーが円錐形状、多角錘形状、柱状形状のいずれかの形状を有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、前記探針ホルダーの先端部が非先鋭化していることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、前記探針ホルダーの稜線又は面上に沿わせて前記ナノチューブ探針が接合されていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、前記ナノチューブ探針が前記探針ホルダーの先端部を含む複数箇所でコーティング膜によって前記探針ホルダーへ固着されていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 請求項10において、前記ナノチューブ探針はホルダー上の先端部以外の部位で、前記ナノチューブ探針が前記ホルダーの先端部に到達するように曲げられてコーティング膜によって固着されていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、前記コーティング膜が電子ビーム照射によるデポジションにより形成されていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
- 走査型プローブ顕微鏡用プローブのカンチレバー上の探針ホルダーにナノチューブ探針を接合する工程を含む走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法において、前記探針ホルダーの少なくとも先端部分で前記ナノチューブ探針の周囲にコーティング膜を回りこませるようにして前記ナノチューブ探針を前記探針ホルダーへ固着し、前記探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜のナノチューブ探針側終端面を取り除く工程と、前記ナノチューブ探針を切断して長さを調整する工程を含むことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法。
- 走査型プローブ顕微鏡用プローブのカンチレバー上の探針ホルダーにナノチューブ探針を接合する工程を含む走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法において、前記探針ホルダーの先端部を切り欠いて非先鋭化し、その非先鋭化した部分で前記ナノチューブ探針の周囲にコーティング膜を回り込ませるようにして前記ナノチューブ探針と前記探針ホルダーとを固着し、前記探針ホルダーの非先鋭化した部分における前記コーティング膜のナノチューブ探針側終端面を取り除く工程と、前記ナノチューブ探針を切断して長さを調整する工程を含むことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法。
- 走査型プローブ顕微鏡用プローブのカンチレバー上の探針ホルダーにナノチューブ探針を接合する工程を含む走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法において、前記探針ホルダーの先端部分を含む複数の箇所で前記ナノチューブ探針をコーティング膜により前記探針ホルダーへ固着し、かつ固着した部分で前記ナノチューブ探針が前記ホルダーの先端部に到達するようコーティング膜によって曲げて固着されており、前記探針ホルダーの先端部分で前記ナノチューブ探針を所望の方向へ曲げると共にその曲がり部の周囲に前記コーティング膜を回りこませるようにして前記探針ホルダーへ固着し、前記探針ホルダーの先端部分に形成した前記コーティング膜のナノチューブ探針側終端面を取り除く工程と、前記ナノチューブ探針を切断して長さを調整する工程を含むことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法。
- 請求項13から15のいずれかにおいて、前記コーティング膜を、化合物ガスを電子ビーム照射により分解して堆積させることによって形成することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法。
- 請求項13から15のいずれかにおいて、前記ナノチューブ探針の周囲にコーティング膜を回りこませるようにして固着させ、前記コーティング膜の少なくとも一部を除去し、ナノチューブに付着したコンタミネーションを除去することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブの製造方法。
- カンチレバー上の探針ホルダーへナノチューブ探針が接合されているプローブを備えた走査型プローブ顕微鏡において、前記探針ホルダーの少なくとも先端部分で前記ナノチューブ探針がコーティング膜によって前記探針ホルダーへ固着されており、前記探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜が前記ナノチューブ探針の周囲に回り込んで形成され、かつナノチューブ探針側の終端面において切断面を有していることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
- カンチレバー上の探針ホルダーへナノチューブ探針が接合されているプローブを備えた走査型プローブ顕微鏡において、前記探針ホルダーの少なくとも先端部分で前記ナノチューブ探針がコーティング膜によって前記探針ホルダーへ固着されており、前記探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜が前記ナノチューブ探針の周囲に回り込んで形成され、かつナノチューブ探針側の終端面において平坦面を有していることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
- カンチレバー上の探針ホルダーへナノチューブ探針が接合されているプローブを備えた走査型プローブ顕微鏡において、前記探針ホルダーの少なくとも先端部分で前記ナノチューブ探針がコーティング膜によって前記探針ホルダーへ固着されており、前記探針ホルダーの先端部分における前記コーティング膜が前記ナノチューブ探針の周囲に回り込んで形成され、かつナノチューブ探針側の終端面においてナノチューブ直径の2倍以上の直径を有していることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
- 請求項1から4のいずれかにおいて、前記コーティング膜が金属コーティング膜であることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用ナノチューブプローブ。
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