JP2003292306A - 三弗化窒素ガスの精製方法 - Google Patents
三弗化窒素ガスの精製方法Info
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Abstract
に除去することのできるNF3ガスの精製方法を提供す
る。 【解決手段】 三弗化窒素ガスの精製方法において、酸
化二窒素を含有する三弗化窒素ガスと硫酸水溶液とを接
触させることにより酸化二窒素を除去することを特徴と
する三弗化窒素ガスの精製方法。
Description
製方法に関する。更に詳しくは、三弗化窒素ガス中の酸
化二窒素を除去することを特徴とする三弗化窒素ガスの
精製方法に関する。
すことがある)は、半導体のドライエッチング剤やCV
D装置のクリーニングガスとして近年注目されている
が、これらの用途に使用されるNF3ガスは高純度のも
のが要求されている。
または弗化アンモニウムと弗化水素を原料とするNH4
F・xHFを電気分解するいわゆる溶融塩電解法や、ア
ンモニアと弗素を反応させる方法など、種々の方法で製
造される。
は、N2、N2O、CO2及び弗化水素等の種々の化合物
が不純物として含有されていることが知られている。本
発明者等は、上記のいずれの方法で得られたNF3ガス
も、ほとんどの場合、酸化二窒素(以下、N2Oと表す
ことがある)を比較的多量に含有しており、特に溶融塩
電解法で得られたNF3ガスは、多い場合、数千ppm
程度(ppmは容積基準を表す。以下同様)のN2Oを
含有していることを確認した。従って、高純度のNF3
ガスを得るためには、これらの不純物を除去する必要が
ある。
の方法が提案されている。
開示されているように、合成ゼオライトなどの吸着剤に
N2Oを含有するNF3ガスを通気し、N2Oを吸着させ
精製する方法が一般的である。
がある量に達すると、N2Oが吸着剤からリークするよ
うになるため、吸着剤の再生作業や交換作業が必要とな
る。このため連続運転を行う場合、予備塔の設置、吸着
剤再生装置の設置等を必要とし精製システムが複雑とな
るなどの問題がある。また吸着剤には高価なものもある
ため、高コストとなるという問題もある。
術の問題点に鑑み、N2Oを選択的にかつ効率よくしか
も経済的に除去することのできるNF3ガスの精製方法
を提供することを目的とする。
を達成するため、NF3ガス中のN2Oの除去方法につい
て鋭意検討を重ねた結果、N2Oを含有するNF3ガスを
硫酸水溶液と接触させると、NF3ガス中のN2Oを極め
て効率よく経済的に除去できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
とができる。 (1) 三弗化窒素ガスの精製方法において、酸化二窒
素を含有する三弗化窒素ガスと硫酸水溶液とを接触させ
ることにより酸化二窒素を除去することを特徴とする三
弗化窒素ガスの精製方法。 (2) 硫酸水溶液が、0.01〜98質量%の硫酸濃
度を有する硫酸水溶液である(1)記載の三弗化窒素ガ
スの精製方法。 (3) 硫酸水溶液が、液中のCO2を予め除去したも
のである、(1)または(2)記載の三弗化窒素ガスの
精製方法。 (4) 酸化二窒素を含有する三弗化窒素ガスと硫酸水
溶液との接触時間が1〜1200sである(1)ないし
(3)のいずれかに記載の三弗化窒素ガスの精製方法。 (5) 酸化二窒素を含有する三弗化窒素ガスと硫酸水
溶液との接触を、バブラー装置を用いて行う(1)ない
し(4)のいずれかに記載の三弗化窒素ガスの精製方
法。 (6) 酸化二窒素を含有する三弗化窒素ガスと硫酸水
溶液との接触を、スクラバー装置を用いて行う(1)な
いし(4)のいずれかに記載の三弗化窒素ガスの精製方
法。 (7) バブラー装置またはスクラバー装置が、接液部
または接ガス部に耐酸性の樹脂からなる部材が用いられ
たものである(5)または(6)記載の三弗化窒素ガス
の精製方法。 (8) バブラー装置またはスクラバー装置が、接液部
または接ガス部に耐酸性の樹脂コーテイングもしくはラ
イニングを施されたものである(5)または(6)記載
の三弗化窒素ガスの精製方法。
は、少なくともN2Oを含むものであるが、N2O以外の
不純物を含むものであってもよい。また、キャリアーガ
スとして、He、ArまたはN2等の不活性ガスを混合
して通気し、硫酸水溶液と接触させてもよい。
溶液とを接触させてN2Oを除去しNF3ガスを精製する
方法について述べる。
いが、市販の工業用硫酸を用いるのが好ましい。
は、通常は、0.01〜98質量%であり、好ましく
は、0.1〜50質量%である。
上とするとN2Oの除去が効果的に行われるので好まし
い。また、硫酸水溶液の硫酸濃度を98質量%以下にす
ると、硫酸水溶液を調製するのに使用する硫酸として、
工業用硫酸を使用することができるので、大量に、容易
に入手することができ、また亜硫酸ガスの発生などの問
題を生ずる虞もない。。
溶解していることがあるところから、本発明に使用する
硫酸水溶液は、予めCO2を除去しておくのが好まし
い。硫酸水溶液からCO2を予め除去する方法として
は、例えば、硫酸水溶液を20〜150℃の温度で1〜
20時間予熱し除去する方法、放散塔による硫酸水溶液
放水やN2などの不活性ガスをバブリングする方法等を
挙げることができる。これらのうちでは、放散塔による
硫酸水溶液散水がより好ましい。
工程にCO2除去装置を設ける必要がなくなり、あるい
は、CO2除去装置を設けた場合においても、負荷を減
少することができるので、経済的な面からも予めCO2
を除去した硫酸水溶液を使用するのが好ましい。
を接触させる時間(接触時間と表すことがある)は、一
般的には1〜1200sの範囲であり、好ましくは10
〜600sの範囲である。
水溶液への吸収効率が向上するので好ましい。接触時間
を1200s以下とすると、N2Oを含有するNF3ガス
と硫酸水溶液とを接触させるために用いる装置の大型化
が抑えられ経済的に好ましい。
に接触させる温度は特に限定されるものではないが、硫
酸濃度の高い硫酸水溶液を用いたときには、寒冷地では
固結し、気液接触が行われない場合があるので、硫酸水
溶液の温度を、融点を超える温度であって沸点未満の温
度とするのが好ましい。また、N2Oを含有するNF3ガ
スを、硫酸水溶液に接触させる圧力も特に限定されるも
のではないが、一般的には、−0.05〜5MPaのゲ
ージ圧の下で行うことができる。
溶液との接触操作について述べる。
の接触を行う装置は、特に限定されず、公知の装置を用
いればよい。例えば、バブラー装置、スクラバー装置を
挙げることができる。
2Oを含有するNF3ガスと硫酸水溶液との接触を行う装
置の一例である、バブラー装置の概要を示す。図1に示
したバブラー装置は、硫酸水溶液を張る容器1、容器1
中の硫酸水溶液にN2Oを含有するNF3ガスを吹き込む
ガス入口管2および硫酸水溶液と接触させたNF3ガス
を系外に導出するガス出口管3を有する。図1に示した
バブラー装置は構造が単純で、保守点検性に優れ安価で
あるという利点があるが、接触時間が比較的短くなる。
のバブラー装置の概要を示す。図2に示したバブラー装
置は、硫酸水溶液を張る容器1、容器1中の硫酸水溶液
にN 2Oを含有するNF3を吹き込むガス入口管2、撹拌
翼5を備えた撹拌機4および硫酸水溶液と接触させたN
F3ガスを系外に導出するガス出口管3を有する。図2
に示したバブラー装置は、図1に示したバブラー装置よ
りも接触時間を長くすることができるが、攪拌機のシー
ル部のからのガス漏れを防止する機構を必要とする。
N2Oを含有するNF3ガスと硫酸水溶液との接触を行う
装置の一例である、スクラバー装置の概要を示す。図3
に示したスクラバー装置は、スクラバー本体6にN2O
を含有するNF3ガスを導入するガス入口管2、スクラ
バー本体内に充填された充填材9、硫酸水溶液を系内に
循環するための循環ポンプ8、系内に循環させる硫酸水
溶液を貯留する循環容器7および硫酸水溶液と接触させ
たNF3ガスを系外に導出するガス出口管3を有する。
ガス入口管2から導入されたN2Oを含有するNF3ガス
は、スクラバー本体6において、特に、充填材が充填さ
れた層(充填層と表すことがある)において、系内を循
環する硫酸水溶液と向流接触しN2Oが除去せしめられ
ガス出口管3から系外に導出される。
0%のサイズを有するラシヒリング、テラレット、サド
ルなどを用いることができる。充填層における硫酸水溶
液の流量は、通常、硫酸とNF3ガスとの重量モル比で
3〜20000の範囲であり、好ましくは5〜2000
の範囲である。図3に示したスクラバー装置は、高価で
はあるが、上述したバブラー装置に比較し、接触時間
((スクラバー容積÷単位時間当たりのガス流量)によ
り定義する)を長く取ることができる。これにより、N
2Oの除去効率を非常に高くすることができるという利
点を有する。更に、硫酸水溶液の循環量やNF3ガス流
量を比較的広範囲に操作できるので、生産量の変動に追
従できるシシテムを構築することができるといった利点
も挙げられる。
含有するNF3ガスと硫酸水溶液との接触を行う装置と
しては、耐酸性の材料からなる部材を用いて構成された
装置、あるいは、耐酸性の材料からなる、コーテイング
若しくはライニングが施された装置が好ましい。特に、
NF3ガス等のガス相と接触する接ガス部、硫酸水溶液
等の液相と接触する接液部等の部材が、少なくとも、耐
酸性の材料からなる部材であるもの、あるいは、金属材
料からなる部材から構成された装置にあっては、耐酸性
の材料からなる、コーテイング若しくはライニングが施
されているものを用いるのが好ましい。
ロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
耐酸性の樹脂等を挙げることができる。
により、硫酸水溶液等の液状物質や、NF3ガス等によ
る腐食が防止され、金属製の部材の場合に、腐食によっ
生成する水素とNF3ガスとの反応により引き起こされ
る虞のある爆発等の事故を防止することができる。
明する。これらは、発明の理解を深めることを目的とす
るものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
なお、本実施例において、特に明記しない限り、%およ
びppmは容量基準を表す。
を行いNF3ガスを得た。得られたNF3ガス(未精製N
F3ガスと表すことがある)をTCD検出器を備えたガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、NF3:
58%、N2:39%、N2O:1300ppmであっ
た。図1に示したバブラー装置を使用して、表1に示す
実験条件で、このNF3ガスを精製した。
30mm、高さ500mm)に、硫酸濃度が98質量%
の硫酸水溶液300mlを充たし、ガス入口管2より5
ml/minの流量で未精製NF3ガスを導入しガス出
口管3より精製したNF3ガスを取り出した。
は、第1表に示す通り、700ppmであった。尚、こ
のとき、硫酸水溶液中へNF3ガスを導入してからNF3
ガス気泡が液面まで到達するのに要した時間(接触時
間)は、1.5sであった。
用したこと以外は実施例1と同様にして、NF3ガスを
精製した。
0質量%の硫酸水溶液300mlを充たした容器1(内
径30mm、高さ500mm)に、外径25mm、幅6
mmの十字パドル撹拌翼5を4つ備えた攪拌機4を設置
したものである。硫酸水溶液は、回転数100rpmで
撹拌した。
のN2O含有量を表1に示した。また、接触時間は4s
であった。
使用し、ガス入口管2より導入するNF3ガスの流量を
20ml/minとした以外は実施例1と同様にしてN
F3ガスの精製を行った。
本体6(内径25mm、高さ1000mm、充填材の充
填高600mm)に、充填材9(外径3mm、内径2m
m、長さ3mmのリング)を充填し、硫酸濃度が12質
量%の硫酸水溶液5Lを充たした循環容器7より、循環
ポンプ8を用いて32ml/minの流量で硫酸水溶液
を定量的に循環するものである。
N2O含有量を表1に示した。また、接触時間は、28
0sであった。
質量%とした以外は、実施例3と同様にしてNF 3ガス
の精製を行った。また、接触時間は280sであった。
N2O含有量を表1に示した。
F3ガスの精製方法は、N2Oを含有するNF3ガスを硫
酸水溶液に接触させることによりN2Oを簡単に除去す
ることを可能としたものであり、本発明の実施によりN
2O含有量の少ない精製NF3ガスを効率良く経済的に提
供することができる。
一例の概要を示す模式図である。
他の一例の概要を示す模式図である。
の一例の概要を示す模式図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 三弗化窒素ガスの精製方法において、酸
化二窒素を含有する三弗化窒素ガスと硫酸水溶液とを接
触させることにより酸化二窒素を除去することを特徴と
する三弗化窒素ガスの精製方法。 - 【請求項2】 硫酸水溶液が、0.01〜98質量%の
硫酸濃度を有する硫酸水溶液である請求項1記載の三弗
化窒素ガスの精製方法。 - 【請求項3】 硫酸水溶液が、液中のCO2を予め除去
したものである、請求項1または2記載の三弗化窒素ガ
スの精製方法。 - 【請求項4】 酸化二窒素を含有する三弗化窒素ガスと
硫酸水溶液との接触時間が1〜1200sである請求項
1ないし3のいずれかに記載の三弗化窒素ガスの精製方
法。 - 【請求項5】 酸化二窒素を含有する三弗化窒素ガスと
硫酸水溶液との接触を、バブラー装置を用いて行う請求
項1ないし4のいずれかに記載の三弗化窒素ガスの精製
方法。 - 【請求項6】 酸化二窒素を含有する三弗化窒素ガスと
硫酸水溶液との接触を、スクラバー装置を用いて行う請
求項1ないし4のいずれかに記載の三弗化窒素ガスの精
製方法。 - 【請求項7】 バブラー装置またはスクラバー装置が、
接液部または接ガス部に耐酸性の樹脂からなる部材が用
いられたものである請求項5または6記載の三弗化窒素
ガスの精製方法。 - 【請求項8】 バブラー装置またはスクラバー装置が、
接液部または接ガス部に耐酸性の樹脂コーテイングもし
くはライニングを施されたものである請求項5または6
記載の三弗化窒素ガスの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002095205A JP4010847B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 三弗化窒素ガスの精製方法 |
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JP4010847B2 JP4010847B2 (ja) | 2007-11-21 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006249040A (ja) * | 2005-03-14 | 2006-09-21 | Tokuyama Corp | 歯科用硬化性組成物 |
CN111039266A (zh) * | 2019-12-29 | 2020-04-21 | 中船重工(邯郸)派瑞特种气体有限公司 | 一种除去三氟化氮中氧化亚氮的装置及方法 |
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2002
- 2002-03-29 JP JP2002095205A patent/JP4010847B2/ja not_active Expired - Fee Related
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