JP2003290162A - 脈波計測装置及びノイズ成分除去方法 - Google Patents

脈波計測装置及びノイズ成分除去方法

Info

Publication number
JP2003290162A
JP2003290162A JP2002101630A JP2002101630A JP2003290162A JP 2003290162 A JP2003290162 A JP 2003290162A JP 2002101630 A JP2002101630 A JP 2002101630A JP 2002101630 A JP2002101630 A JP 2002101630A JP 2003290162 A JP2003290162 A JP 2003290162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse wave
frequency
finger
filter
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002101630A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003290162A5 (ja
JP3927997B2 (ja
Inventor
Kazuo Okino
加州男 沖野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MEDICA Inc U
U-MEDICA Inc
Original Assignee
MEDICA Inc U
U-MEDICA Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MEDICA Inc U, U-MEDICA Inc filed Critical MEDICA Inc U
Priority to JP2002101630A priority Critical patent/JP3927997B2/ja
Publication of JP2003290162A publication Critical patent/JP2003290162A/ja
Publication of JP2003290162A5 publication Critical patent/JP2003290162A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3927997B2 publication Critical patent/JP3927997B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用電源周波数由来のノイズ成分を除去
可能な脈波計測装置、及びノイズ成分を除去する方法の
提供 【解決手段】 脈波センサと、脈波信号を濾波するフィ
ルターと、濾波された脈波信号に基づいて脈波情報を計
測する手段とからなり、該フィルターが、1次又は2次
アナログローパスフィルターと、初段デジタルローパス
フィルターと、後段高域カットデシタル微分フィルター
とで構成される。初段のフィルターにおいて、商用電源
周波数50Hz又は60Hzの一方での応答を零点付近
とするように構成し、後段のフィルターにおいて、他方
の商用電源周波数での応答を零点付近とするように構成
する。この装置を用いてノイズ成分が除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脈波計測装置及び
ノイズ成分除去方法に関し、特に、指先容積脈波計測装
置、並びに脈波センサを用いて脈波情報を計測する際
に、商用電源周波数、その高調波に由来するノイズ成分
及びその他のノイズ成分を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光電式脈波計においては、被験者
の指先がフォトダイオードからなる電極、特にアノード
に接近して置かれることから、また、フォトダイオード
の光電流を検出するための電流アンプの入力インピーダ
ンスが非常に高低抗であることから、電流アンプの出力
には被験者の指先からの誘導ノイズが大変乗りやすい。
しかも、室内の測定においては商用電源ラインからの誘
導ノイズが大変大きいため(図1に示すノイズの乗った
波形例を参照)、有用な脈波計測装置を提供するために
は、商用電源周波数50Hzと60Hzとの両方に由来
する誘導ノイズを除去する必要がある。
【0003】脈波において有効な周波数領域の20Hz
程度を遮断周波数とすれば、50Hzでの減衰率を−6
0dB(1/1,000:10ビットの分解能で無視でき
る減衰率)以下とすることができるアナログローパスフ
ィルター(Low Pass Filter)は10次以上となるので、
高価なものとなる。この際、遮断周波数特性を急峻なも
のにすると、階段状波形入力で発生するリンギング状の
波形変形が無視できなくなる。
【0004】また、加速度脈波(a、b、c、d、e波)
を利用して脈波情報を得ようとする場合、この加速度脈
波は元の指先容積脈波を2回微分して求めるので、微分
処理に伴う問題点に十分注意する必要がある。一般的
に、微分フィルターでは、高周波成分の振幅が周波数に
比例して大きく出るため、高周波成分の信号を強調して
見ることができるという利点はある。しかし、この際に
高周波のノイズも大きく強調されて見えるため、不要な
ノイズを有効な信号から明確に区別して適切に除去する
手段を設けることが必要となる。従って、この加速度脈
波を求めるための、精度の良いアナログフィルター回路
は複雑で高価なものとなる。
【0005】このため、従来から、誘導ノイズ除去にデ
ジタルフィルターを用いることが提案されている。この
場合、従来の脈波計で用いられているサンプリング周波
数100〜200Samples/sec(Hz)を用いると、サン
プリング周波数付近の商用電源周波数高調波(120H
z、150Hz、180Hz等)を除去することができ
ないという問題がある。また、デジタルフィルターの次
数(係数の数)が大きく、遮断周波数特性の急峻なフィル
ターを設計する必要があるが、上記したように、遮断周
波数特性を急峻にすると波形のリンギングが発生するこ
とになる。
【0006】そこで、以上の問題を解決するために、従
来提案されている光電式脈波計測装置においては、遮断
周波数10Hz程度のアナログフィルターが用いられて
いるのが実情である。この脈波計測装置では、通常、遮
断周波数10Hz程度の高域カットフィルターと、加速
度脈波を得るための微分処理を行うアナログ回路による
アナログフィルターとで構成される。微分フィルター
は、そのままでは、周波数特性が周波数に比例するた
め、高周波数由来のノイズに弱い。また、この場合、急
峻な立ちあがりのエッジや、心室弁閉止後に現れること
がある10Hz以上の揺らぎ等は計測できない。
【0007】従って、加速度脈波を得るために二次微分
処理を行う際、高次の高精度高域カットフィルターを構
成する必要があり、従来の脈波計測装置では高価で規模
の大きな回路構成となってしまう。このため、上記した
ように、アナログフィルターの代わりにデジタルフィル
ターで処理する技術が開発され、例えば、一般に広く使
用されている光電式指尖容積脈波計では、次のような処
理をすることにより、その解決を図ろうとしている。
【0008】例えば、脈波アンプを、高域遮断周波数2
8Hzの二次ローパスフィルターを通してから、10.
6Hzの一次ローパスフィルターを通すように構成して
いる。A/D変換器では、サンプリング周波数250Sa
mples/secとし、デジタルフィルターとしては、微分フ
ィルターとして、差分フィルターとローパスフィルター
(17次のFinite Impulse Response Filter:以下、
「FIR」フィルターと称す。)とで構成したものを使
用している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
提案された脈波アンプの場合、サンプリング周波数25
0Samples/secのFIRフィルターでローパスフィルタ
ーを構成すると、商用電源周波数50Hzの場合は、誘
導ノイズの減衰率60dB以上を達成することが可能で
ある。しかし、周波数特性にリンギングが発生するた
め、西日本地域における商用電源周波数60Hzでの誘
導ノイズの減衰率は50dB程度にしかならないという
問題がある。
【0010】二次ないし三次のローパスフィルターで
は、電源ラインからの誘導ノイズの振幅が、電源環境に
よっては容積脈波の振幅に達する。従って、商用電源周
波数60Hz由来のノイズ成分を加速度脈波の振幅に対
して100分の1以下とするためには、約1万倍の80
dB以上の減衰率を達成する必要がある。微分フィルタ
ーを差分フィルターで構成した場合には、サンプリング
周波数の四分の一の周波数(サンプリング周波数250S
amples/secの場合、62.5Hz)までが、周波数とと
もに感度が増大する微分特性を示し、サンプリング周波
数の二分の一の周波数(サンプリング周波数250Sampl
es/secの場合、125Hz)で感度がゼロとなる特性を
示す。電源周波数60Hzは、加速度脈波の主要な周波
数である5〜7Hzに対して、約10倍の周波数帯であ
る。従って、微分フィルターの周波数特性から、加速度
脈波においては、60Hz帯域のノイズは、加速度脈波
に対して約100倍に増幅されてしまうことになる。
【0011】また、デジタルフィルターを用いる場合、
上記従来技術におけるように、微分フィルターとして、
差分フィルターとローパスフィルターとで構成したもの
を用い、振幅の小さい波形で増幅度を上げると、商用電
源周波数のノイズを完全には除去できず、二次微分波形
に商用電源周波数のノイズ成分が見られるのが実情であ
る(図1参照)。さらに、デジタルフィルターの特性とし
て、サンプリング周波数付近のノイズは0Hz付近に折
り返されて出現する。従って、例えば、商用電源周波数
60Hzの4次の高調波240Hzのノイズは10Hz
のノイズとして出現する。本発明の課題は、上記従来技
術の問題点を解決することにあり、商用電源周波数とそ
の高調波由来のノイズ成分、及びその他のノイズ成分を
除去可能な脈波計測装置、及びこれらのノイズ成分を有
効に除去する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、脈波により
被験者の循環器系の状態変化や、その変化をもたらす体
調の変化を推定することができることより、脈波を再現
性よく測定し、かつ、測定の際の誘導ノイズを除くべく
鋭意研究開発を行ってきた。その結果、特定の構成を有
する脈波センサとデジタルフィルターとを用いることに
より、誘導ノイズが出現することなく、再現性よく正確
に脈波を測定できることに気がつき、本発明を完成させ
るに至った。
【0013】本発明の脈波計測装置は、脈波を検出して
脈波信号を出力する脈波センサと、該脈波信号を濾波し
て出力するフィルターと、該フィルターで濾波された脈
波信号に基づいて脈波情報を計測する手段とからなる脈
波計測装置であって、該フィルターが、遮断周波数20
〜30Hzの1次又は2次のローパスフィルターである
アナログフィルターと、遮断周波数15〜40Hzの初
段のデジタルローパスフィルターと、遮断周波数15〜
40Hzの後段の高域カットデシタル微分フィルターと
で構成されており、初段のデジタルローパスフィルター
において、商用電源周波数50Hz又は60Hzの一方
での応答が零点付近になるように構成すると共に、後段
の高域カットデジタル微分フィルターにおいて、該商用
電源周波数の他方での応答が零点付近となるように構成
することを特徴とする。このように構成することによ
り、商用電源周波数とその高調波由来のノイズ成分、及
びその他のノイズ成分が有効に除去され得る。
【0014】上記脈波計測装置の構成において1次、2
次のアナログローパスフィルターの遮断周波数を20〜
30Hzとすれば、所望の減衰率を達成でき、また、急
峻な入力波形に対する応答にリンギング状の波形変形は
発生しない。また、初段のデジタルローパスフィルター
及び後段の広域カットデジタル微分フィルターにおける
遮断周波数が、15Hz未満であると従来の場合と同等
程度の性能しか得られず、また、遮断周波数が40Hz
を超えると急峻な変化のある入力波形に対する応答にリ
ンギング(振動波形)が生じる。
【0015】上記初段のデジタルローパスフィルターに
おいて、商用電源周波数50Hz又は60Hzの一方で
の応答が零点付近になるように構成する場合、減衰率の
極大値が80dB(1/1000)以上となるように構成
すると共に、上記後段の高域カットデジタル微分フィル
ターにおいて、該商用電源周波数の他方での応答が零点
付近になるように構成する場合、減衰率の極大値が40
dB(1/100)以上となるように構成することが好ま
しい。初段のデジタルローパスフィルターにおいて、減
衰率の極大値が80dB未満となるように構成すると、
商用電源周波数由来のノイズ成分を加速度脈波の振幅に
対して100分の1以下とすることができず、誘導ノイ
ズを有効に除去できない。また、後段の高域カットデジ
タル微分フィルターにおいて、減衰率が40dB未満と
なるように構成すると、同様に誘導ノイズを有効に除去
できない。
【0016】上記脈波センサは、発光部と受光部とによ
り人体の指の脈波を測定する反射型の脈波センサであっ
て、該発光部を、該受光部より指の動脈血流の下流側
に、その上面が該受光部の上面よりも突出し、かつ所定
の距離だけ指の腹部を載置する床面よりも高くなるよう
に配置し、そして指の先端を該発光部よりも指動脈血流
のさらに下流側に装着するための空間が該床面の先端部
分に設けられていることを特徴とする。この脈波センサ
を組み込んだ脈波計測装置は、商用電源周波数とその高
調波由来のノイズ成分、及びその他のノイズ成分の除去
された有用な脈波情報を得ることができる。
【0017】上記したように、発光部を、その上面が受
光部の上面よりも高くなるように配置し、指の先端が照
射光の経路よりも指動脈血流のさらに下流側に装着され
得る構造をとることにより、指の発光部に対する密着性
が良好になると共に、指動脈血流の下流側が圧迫されて
も、上流側が圧迫されるのに比べて脈波への影響は少な
く、その結果、再現性よく脈波情報を得ることができ
る。また、発光部が床面から突出しているため、指との
接触面積は発光部の上面の面積と等しくなる。これに対
し、発光部が床面から突出していない場合は、指と床面
との接触面積が増えるため、床面から突出している場合
と同一の単位面積あたりの接触圧を得るには、指にかか
る全圧力は突出している場合よりも大きな圧力となる。
この結果、波形の変化も大きなものとなる。
【0018】また、受光部を発光部よりも指の動脈血流
の下流側に配置すると、以下述べるような押圧材を設け
た場合、押圧部と押圧部よりも指動脈血流の下流側では
うっ血が発生するので、この部分の近くに受光部を設け
ると抹消動脈血流の循環の悪い波形が得られ、適切な評
価ができない。
【0019】上記脈波センサにおいて、該発光部は、そ
の上面が指の腹部を載置する床面より通常0.2〜2.
0mm程度、好ましくは0.3〜1.5mm程度、さら
に好ましくは0.4〜1.0mm程度高くなるように配
置されることが好ましい。発光部をこのような範囲内に
配置すると、指腹部の皮膚面が発光部上面から下に被さ
るので、測定データに対する外乱光や漏洩光や反射光の
影響を小さくすることができると共に、被験者が指を装
着する際に、その突出部に触れることによりセンサー位
置を認識して、指を所定の位置に載置し易いという利点
がある。しかし、0.2mm未満であると、センサー位
置を確認し難いので、指先を所定位置に載置し難いと共
に、測定データに対する反射光の影響が大きくなる。ま
た、2.0mmを超えると、指皮膚面が床面から浮くた
め、不安定な装着状態になると共に、指を載置した時の
指に対する圧力により波形の変形が生じて再現性が悪く
なり、測定される脈波データにバラツキが生じて、正確
な脈波情報を得ることが難しくなる。
【0020】上記受光部は、その上面が指の腹部を載置
する床面と同じレベルになるように配置されているか、
又は所定の距離だけ該床面より低くなるように配置され
ていることが好ましい。発光部に対する指の密着性がよ
り良好になる。なお、受光部が指を押圧するような構造
とすると、その部分でうっ血が発生し、動脈血流の循環
が悪くなり、波形変化が生じ、適切な評価ができない。
上記指の先端を装着する空間の床面と対向する面に押圧
材を設け、該押圧材で発光部よりも指動脈血流のさらに
下流側の指先先端部を押さえるようにする。被験者は、
脈波測定中に意識的・無意識的に指先に力を入れる場合
がある。この場合に、力を抜くように指導すると、被験
者の指の形状によっては、センサーへの密着性が悪くな
ることがある。力を入れる場合も、力を抜く場合も、指
の小さな動きによるノイズが発生する。本発明のように
押圧材を設けることにより、ノイズが減少し、測定デー
タの再現性が増し、正確な脈波情報を得ることができ
る。
【0021】上記したように、指の押圧部を発光部上面
の小面積に限るように構成してあるので、受光部は押圧
部の上流側の指動脈血流部分の脈波を正確に測定するこ
とができる。指が発光部上面以外をも押圧する場合に
は、押圧部位が指動脈血流の下流側にあったとしても、
受光部の測定部位が押圧の影響を受けるため、測定の再
現性が低下する。上記発光部の側面は、該発光部から指
内に照射される光が外部に漏れるのを阻止しかつ指の腹
部表面からの反射光を阻止するために、筒状の遮光壁で
囲まれていることが好ましい。
【0022】上記受光部は、その上面が指の腹部を載置
する床面と同じレベルに配置されているか、又は所定の
距離だけ該床面より低くなるように配置されており、該
指の先端を装着する空間の床面と対向する面にクッショ
ン部材を設け、該クッション部材で指先を押さえるよう
に構成し、該発光部の側面は、該発光部から指内に照射
される光が外部に漏れるのを阻止しかつ指の腹部表面か
らの反射光を阻止するために、筒状の遮光壁で囲まれて
いる。上記発光部の側面は、該発光部から指内に照射さ
れる光が外部に漏れるのを阻止しかつ指の腹部表面から
の反射光を阻止するために、筒状の遮光壁で囲まれてい
ることが好ましい。
【0023】上記発光部は、内面が照射光に対する反射
特性を有する筒型の遮光壁内部に配置され、該遮光壁の
上端が、指の腹部を載置する床面から通常0.2〜2.
0mm程度、好ましくは0.3〜1.5mm程度、さら
に好ましくは0.4〜1.0mm程度突出するように構
成され、指の腹部がこの上端に載置されて遮光壁上端全
面を覆うようにすることが好ましい。
【0024】遮光壁の上端をこのような範囲内になるよ
うに突出させると、指腹部の皮膚面が発光部上面から下
に被さるので、測定データに対する外乱光や漏洩光や反
射光の影響を小さくすることができると共に、被験者が
指を装着する際に、遮光壁の突出位置に触れることによ
りセンサ位置を認識して、指を所定の位置に載置し易い
という利点がある。しかし、0.2mm未満であると、
遮光壁位置を確認し難いので、指先を所定位置に載置し
難いと共に、発光部からの照射光や指腹部表面からの反
射光が漏れ易くなり、測定データに対する反射光の影響
が大きくなる。また、2.0mmを超えると、指皮膚面
が床面から浮くため、不安定な装着状態になると共に、
指を載置した時の指に対する圧力により波形の変形が生
じて再現性が悪くなり、測定される脈波データにバラツ
キが生じて、正確な脈波情報を得ることが難しくなる。
【0025】また、本発明のノイズ成分除去方法は、脈
波センサで脈波を検出して脈波信号を出力し、フィルタ
ーで該脈波信号を濾波して出力し、該濾波された脈波信
号に基づいて脈波情報を計測する際に、該脈波センサか
ら出力された脈波信号を、遮断周波数20〜30Hzの
1次又は2次のローパスフィルターであるアナログフィ
ルターを通して濾波し、この濾波された脈波信号を、遮
断周波数15〜40Hzの初段のデジタルローパスフィ
ルターであって、商用電源周波数50Hz又は60Hz
の一方での応答が零点付近になるように構成されたフィ
ルターを通して容積脈波の濾波を行い、次いで遮断周波
数15〜40Hzの後段の高域カットデシタル微分フィ
ルターであって、該商用電源周波数の他方での応答が零
点付近となるように構成されたフィルターを通してさら
に加速度脈波の濾波を行い、商用電源周波数50Hz及
び60Hzにおいて速度脈波及び加速度脈波に乗る電源
周波数、その高調波に由来するノイズ成分を除去するこ
とを特徴とする。
【0026】該初段のデジタルローパスフィルターとし
て、商用電源周波数50Hz又は60Hzの一方での応
答が零点付近になるように構成する場合、減衰率の極大
値が80dB以上となるように構成されたフィルターを
用いて濾波を行い、また、該後段の高域カットデジタル
微分フィルターとして、該商用電源周波数の一方での応
答が零点付近になるように構成する場合、減衰率の極大
値が40dB以上となるように構成されたフィルターを
用いて濾波を行うことが好ましい。
【0027】上記ノイズ成分除去方法において、AD変
換のサンプリング周波数は、特に臨界的なものではな
く、高い程よい。例えば、制御用マイクロコンピュータ
に安価なものを用いて、連続繰返しAD変換の最大周波
数が例えば35kHz程度の変換速度が遅いものを用い
た場合でも、制御処理等のプログラムを考慮すれば、有
効な脈波情報を得るためのサンプリング周波数として5
00Samples/sec(Hz)程度以上を得ることができる。
サンプリング周波数を500Samples/sec未満とする
と、有効な脈波情報を得るためには、4次以上のアンチ
エイリアシングフィルターを設けなければならず、装置
構成が複雑になる。また、AD変換の際のサンプリング
周波数が高い程、ADコンバーターが高価になると共
に、フィルターの演算量が増えデジタル処理に時間がか
かる。そのため、サンプリング周波数の上限は、適正な
装置価格や処理時間等を考慮して適宜設定すればよい。
【0028】以上のようなサンプリング周波数を採用
し、ローパスフィルターの零点(減衰率の極大点)を商用
電源周波数の50Hz又は60Hzとし、微分フィルタ
ーとして高周波数で減衰を効かせてローパスフィルター
の零点の周波数とは異なる商用電源周波数を零点となる
ように構成したものを用いることにより、上記のような
プロセスを経て、商用電源周波数とその高調波由来のノ
イズ、及びその他のノイズ成分を有効に除去することが
可能となる。本発明のノイズ成分除去方法で用いる脈波
センサ、フィルターは、上記した通りである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を従来例と比較して説明する。アナログフィル
ターの設計と回路例によれば、1次ローパスフィルター
(LPF)と2次LPFとは、オペアンプ1個に数本の抵
抗とコンデンサーを設けるだけでよいので、安価に構成
することができる。図2にVCVS(電圧制御電圧源)型
の2次LPFの一例を示す。LPFの遮断周波数を30
Hzとすると、−50dB(約1/300)減衰する周波
数は1次LPFでは約10kHz、2次LPFでは約5
00Hzとなる。従って、アナログLPFを1次LPF
とすると、必要なA/D変換のサンプリング周波数は2
0kHz程度となり、また、2次LPFとすると必要な
A/D変換のサンプリング周波数は1,000Samples/s
ec(1kHz)程度となる。
【0030】日本国内における商用電源周波数が50H
z及び60Hzであることから、有用な脈波計測装置を
提供するには、デジタルフィルターで50Hzと60H
zとがともに大きく減衰する構成を考える必要がある。
一つのLPFで、50Hz及び60Hzでの応答が共に
零点近くになるように構成することは可能であるが、デ
ジタルフィルター構成の性質上、急峻な遮断特性とな
り、リンギングの発生を無視することができない。ま
た、デジタルフィルターの場合は丁度零点となるように
構成することは困難であるので、実用上は、例えば減衰
率が80dB以上となるように構成する。
【0031】そこで、図3(a)に示すように、初段のデ
ジタルLPFにおいて、50Hz又は60Hzの一方
(例えば、60Hz)での応答が零点付近になるよう構成
すると共に、図3(b)に示すように、高域カットデジタ
ル微分フィルターにおいて、他方の周波数(例えば、5
0Hz)での応答が零点付近となるように構成する。こ
のとき、デジタルLPFにおいて零点に設定しなかった
方の商用電源周波数(例えば、50Hz)における減衰率
は40dB以上となるように構成することが望ましい。
この構成により、50Hz、60Hzの両地域におい
て、共に速度、加速度脈波から商用電源周波数等由来の
ノイズを除去することができる。また、デジタルLPF
において零点に設定しなかった方の商用電源周波数地域
(例えば、50Hz)においては、脈波信号に乗る商用電
源周波数のノイズは実用上無視できるレベルになる。
【0032】上記のように商用電源周波数(60Hz、
50Hz)での応答を零点付近とするフィルター係数の
算出法は、以下の通りである。FIR(Finite Impulse
Response)デジタルフィルターのフィルター係数をC
(k)とすると、出力(y)と入力(x)との関係は次式(1)
で示される。
【数1】
【0033】また、周波数特性を表す伝達関数H(f)
は、次式(2)で示される。
【数2】 (ただし、式(2)中、サンプリング周波数fを1とす
る。)
【0034】時間的に対称なFIRフィルターは、C
(k) = C(−k)である。
【数3】
【0035】fを遮断周波数とする理想フィルターの
フィルター係数をh(k)とすると、このフィルター係数
は次式(4)で示される。
【数4】 理想フィルターではリンギングによる波形歪みが発生す
るので、FIRデジタルフィルターのフィルター係数
は、窓関数w(k)を用いて次式(5)で示される。
【0036】
【数5】 この窓関数w(k)は、例えば、ハニング窓w(k)であ
れば、次式(6)で示される。
【数6】
【0037】上式(5)のフィルター係数を式(3)に代入
すると、周波数特性H(f)が求まる。例えば、商用電源
周波数60Hzでの応答を零とするには、次式(7):
【数7】 とし、この式から、f、f、Nを求める。一般に
は、正確な解は求まらず、目的にあった適当な近似解を
採用する。
【0038】上記した構成において、例えば20Hzを
デジタルLPFの遮断周波数とした場合に、アナログL
PF、デジタルLPFとも、リンギング発生の極めて少
ないなだらかな周波数特性となるように構成してあるの
で、高域カットデジタル微分フィルターの遮断周波数を
より高周波側に設定すれば、20Hzよりも高周波の加
速度脈波信号成分も評価可能になる。また、サンプリン
グ周波数を500Samples/sec程度以上、好ましくは5
00〜20,000Samples/sec程度、さらに好ましくは
1,000〜5,000Samples/sec程度とし、初段のデ
ジタルLPFの零点(減衰率の極大点)を商用電源周波数
の50Hz又は60Hzとし、デジタル微分フィルター
として、高周波数で減衰を効かせてデジタルLPFの零
点の周波数とは異なる商用電源周波数を零点となるよう
に構成したものを用いることにより、上記のようなプロ
セスを経て、商用電源周波数とその高調波由来のノイ
ズ、及びその他のノイズ成分を有効に除去し、有効な脈
波情報を得ることができる。
【0039】本発明の脈波計測装置で用いる反射型脈波
センサについて、以下、図面を参照して説明する。図4
は、反射型脈波センサの構造の一例を示す断面図であ
り、(a)は脈波センサの要部である指装着部の模式的構
造を示す断面図であり、(b)は発光部及び受光部の近傍
の拡大断面図であり、指を装着した状態で示す。
【0040】この反射型脈波センサは、指先端部を装着
することができる形状を有するものであって、蓋部を構
成する開閉自在の合成樹脂製の上方部分と、指腹部を載
置することができるように構成された合成樹脂製の床部
分とを有してなる。上方部分はその内面が指の外形に沿
った形状をしていてもよく、また、床部分はその床面が
平坦であっても又は外乱光を遮断するために指の付け根
側がやや高く又は低くなるように傾斜した形状になって
いてもよい。以下述べるように、上方部分の先端部には
押圧材が設けられ、床面に載置した指の動脈血流の発光
部よりもさらに下流側の指先先端部分を押さえて固定で
きるようになっており、また、床部分には発光部及び受
光部が所定の位置に配置されている。この押圧材は、指
の先端部分を押さえて固定できるものであればよく、例
えば、クッション材や、バネ材のような板材等でよい。
また、このセンサには、反射光の電流/電圧変換回路、
増幅器が設けられており、このセンサをパーソナルコン
ピュータ等に接続すれば、センサからの出力に基いて正
確な脈波情報を得ることができる本発明の脈波計測装置
となる。
【0041】この脈波センサの場合、指装着部に指を差
し込み、指の先端部分の腹部に赤外線等の光を当てる
と、毛細血管中のヘモグロビン(赤血球)が光の一部を吸
収し、光の反射量が変化する(血液量が多い部分は光の
反射量が少なくなる)。この微妙な光の反射量の変化を
検出し、検出された反射光を電流から電圧へ変換し、増
幅器に送信し、増幅された信号電圧をパーソナルコンピ
ュータを利用してAD変換して出力し、脈波情報として
活用する。
【0042】脈波センサの要部を構成する指装着部に
は、図4(a)及び(b)に示すように、発光ダイオード
(LED)等の半導体発光素子からなる発光部1が、フォ
トダイオード(PD)等の半導体受光素子からなる受光部
2よりも人体の指3の動脈血流の下流側に配置される。
指内の発光部1からの照射光1aの経路を見ると、発光
部分の光束は、指内を進むにつれて拡散して拡がる。こ
のため、発光部1からの入射光変化による受光部2の光
量変化は大きく、受光部2の位置変化による受光する拡
散光の光量変化は小さい。従って、発光部1を指に密着
するようにすることが必要となる。しかし、密着性を良
くすることは、指に余分の圧力を加えることにつなが
る。そこで、この脈波センサでは、発光部1を受光部2
より指動脈血流の下流側に配置し、指に余分の圧力が加
わらないようにする。
【0043】また、発光部1は、その上面が受光部2の
上面より所定の距離だけ高くなるように配置される。す
なわち、発光部1の高さHが受光部2の高さHより
所定の距離だけ高くなるように構成する。指装着部の先
端部分には、赤外LED等からなる発光部1から照射さ
れる光1aの経路よりも指動脈血流のさらに下流側に空
間4が設けられ、指3の先端部がこの空間内に載置され
得るように構成される。
【0044】指装着部の指腹部を載置する面は、指載置
床面5として構成される。床面5には発光部1及び受光
部2が所定の位置に設けられ、床面の先端部分は傾斜し
て立ち上がり、指の先端が適切に納まるように構成され
る。この指装着部において、発光部1の配置された位置
より動脈血流の下流側であって、床面と対向する面に押
圧材6が設けられる。この押圧材により、装着された指
の先端部分(爪部)を軽く押さえ、装着された指が動かな
いようにする。このように構成することにより、被験者
の意識的・無意識的な指の小さな動きが少なくなって、
ノイズ発生が減少し、その結果、測定波形の変化も少な
くなる。なお、押圧材により動脈血流の下流側を圧迫し
ても、脈波への影響は小さい。
【0045】発光部1からの照射光1aが指の皮膚表面
で反射して受光部2に入り込むと、この反射光がノイズ
となり、受光部2に入る受光量が変動する。このため
に、正確な脈波を測定することができなくなる。また、
照射光1aが脈波センサの外部に漏れると、照射光の効
率が下がり、かつ、受光部が受け取る反射光2aの光量
が減少して正確な脈波を測定することが困難になる。そ
のため、本発明では、余分な反射光や漏洩光を阻止する
ために、発光部1の側面を筒状の遮光壁7で囲んであ
る。
【0046】この遮光壁7は、反射光や漏洩光をなくす
ような形状であれば、その形状は問わないが、例えば、
発光部1の外周形状に沿った円筒状等の形状が好まし
い。装着された指は、この遮光壁の上面に7aの点で密
着し、固定される。遮光壁7は、その受光部2側が黒色
であってもよく、また、その内面が鏡面であってもよ
い。遮光壁の材料としては、赤外線を遮る性質を有する
材料であれば特に制限はなく、例えば、赤外線を実質的
に透過させないポリプロピレン系樹脂やABS系樹脂等
の熱可塑性樹脂等、又はこれらに黒色塗装等の表面処理
を施したものをあげることができる。
【0047】上記脈波センサでは、発光部1の上面に赤
外線透過性の絶縁体キャップ8を設け、発光部1と指3
とが直接接触しないようにしてもよい。これは、発光部
の通電部に影響を及ぼさないようにするためと、発光部
表面の汚れを清拭しないで済むようにするためである。
絶縁体キャップ8の外形は、例えば、発光体1の上方部
分の形状に沿った円筒形状等の形状であればよい。絶縁
体キャップ8の上面を凹レンズで構成すれば、射出光の
指向性をさらに広げることができる。この絶縁体キャッ
プの材料としては、赤外線に対して透光性が高い赤外線
透過性材料であれば特に制限はなく、例えば、アクリル
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
スチレン樹脂等をあげることができる。また、受光部2
と指3とが直接接触して指に圧力がかからないように、
受光部2と指3との間に隙間を設けるような構造とする
ことが好ましい。
【0048】発光部1の発光素子と受光部2の受光素子
との指向性の影響について図5に示す。図5(a)に示す
ように、発光部1の発光素子と受光部2の受光素子との
配置が従来の指向性が強い配置の場合、発光部1の発光
ダイオードの光軸がずれると、有効な検出領域もずれ
る。しかし、図5(b)に示すように、指向性の弱い発光
部1の発光素子と受光部2の受光素子とを接近して配置
すれば、発光ダイオードの光軸のずれに対する有効検出
領域のずれは相対的に小さい。そのため、得られる脈波
情報は正確となる。上記脈波センサーにおいて、発光部
1からの照射光の射出角(半値角)αを通常50度以上、
好ましくは50〜85度、より好ましくは50〜80度
とすることにより、有効検出領域のずれは相対的に少な
くなる。50度未満であると、有効検出領域のずれが大
きくなり、正確な脈波データを得ることが困難になる。
【0049】上記脈波センサーにおいて、発光部1と受
光部2との距離が長くなる程、加速度脈波の波形である
a波の振幅は小さくなって、ノイズ成分が発生し易くな
り、測定波形の変形が大きくなる傾向がある。また、そ
の距離が長い程、圧力の影響がある指部位の脈波を測定
することになり、測定波形が変形し易い。そのため、発
光部と受光部との距離を、所定の距離、例えば、通常8
mm以内、好ましくは6mm以内に設定すれば、加速度
脈波のa波の振幅及びb波とa波との比(b/a)は適切
な範囲内に納まる。この場合、光軸のずれも少なく、有
効検出領域のずれも少なく、また、波形は変形し難い。
なお、この距離が上記範囲を外れた動脈上流側の指部位
では、動脈血管が膨らんで、b/aが小さい(絶対値が大
きい)状態になり、また、下流側の指部位では、鬱血状
態となって、b/aが大きい(絶対値が小さい)状態にな
る。また、発光部と受光部との距離の下限は、特に制限
はなく、発光部と受光部との物理的な大きさや脈波セン
サーの大きさ等に依って設定できる最低距離であればよ
い。例えば、2〜3mm程度に設定してもよい。
【0050】また、絶縁体キャップが脱落しないように
して、脈波センサ本体の取り扱い性を向上させるため、
図6に示すように、絶縁体キャップ14の下方部分につ
ば部14aを設けた構造としてもよい。図6において、
11は発光部、11aは発光部からの照射光、12は受
光部、13は遮光壁を示す。発光部11、受光部12、
遮光壁13等の配置位置関係については、図4に示す場
合と同様である。また、遮光壁13及び絶縁体キャップ
14の材料としても、図4に示す遮光壁7及び絶縁体キ
ャップ8の材料と同様である。さらに、絶縁体キャップ
14の上面を凹レンズで構成すれば、射出光の指向性を
さらに広げることができる。
【0051】上記したように、受光部は、指に圧力がか
からないように、その上面が指装着部の床面と同一高さ
又はそれより下になるように配置される。これにより、
受光部に入射する光の割合が最も多い受光部上部位置に
あたる指部分が圧迫されないようになる。例えば、受光
部を脈波センサの指載置床面より1mm程度低くなるよ
うに配置すればよい。上記した脈波センサをパーソナル
コンピュータ等に接続して、このセンサからの出力脈波
信号に基づいてノイズ成分のない脈波情報を計測し、提
示することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遮断周波数20〜30Hzの1次又は2次のアナログロ
ーパスフィルターと、遮断周波数15〜40Hzの初段
のデジタルローパスフィルターと、遮断周波数15〜4
0Hzの後段の高域カットデシタル微分フィルターとで
構成されているフィルターを有し、初段のデジタルロー
パスフィルターにおいて、商用電源周波数50Hz又は
60Hzの一方での応答が零点付近になるように構成す
ると共に、後段の高域カットデジタル微分フィルターに
おいて、商用電源周波数の他方での応答が零点付近とな
るように構成してあるので、商用電源周波数とその高調
波由来のノイズ、及びその他のノイズ成分を除去するこ
とが可能な脈波計測装置を提供することができる。
【0053】また、本発明の装置において脈波を検出し
て脈波信号を出力する脈波センサは、発光部を、受光部
より指の動脈血流の下流側に、その上面が受光部の上面
よりも所定の距離突出し、かつ所定の距離だけ指の腹部
を載置する床面よりも高くなるように配置し、そして指
の先端が発光部からの照射光の経路よりも指動脈血流の
さらに下流側に装着され得るように、床面の先端部分に
空間を設けているので、指の発光部に対する密着性が良
好になると共に、指動脈血流の下流側が圧迫されても、
上流側が圧迫されるのに比べて脈波への影響は少なく、
再現性よく正確な脈波信号を得ることができる。その結
果として、本発明の脈波計測装置により、誘導ノイズが
出現することなく、再現性のよい正確な脈波情報を提供
することができる。また、本発明のノイズ成分除去方法
は、上記脈波計測装置を用いて実施されるので、商用電
源周波数とその高調波由来のノイズ、及びその他のノイ
ズ成分を有効に除去することができると共に、再現性よ
く正確な脈波を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の光電式指尖容積脈波計による出力波形
図であり、ノイズの乗った脈波波形の一例を示す波形
図。
【図2】 VCVS(電圧制御電圧源)型の2次ローパス
フィルターの回路例。
【図3】 本発明で用いるフィルターの設計例を説明す
るための波形例であり、(a)は初段のデジタルローパス
フィルターの設計例を示す波形図、(b)は後段の高域カ
ットデジタル微分フィルターの設計例を示す波形図。
【図4】 本発明の脈波計測装置で用いる脈波センサの
構造の一例を示す断面図であり、(a)は脈波センサの要
部である指装着部の模式的構造を示す断面図、(b)は発
光部及び受光部の近傍の拡大断面図。
【図5】 脈波センサにおける光の指向性を示す模式図
であり、(a)は従来技術における発光素子と受光素子と
の指向性の影響について示す図、(b)は本発明の装置で
に用いる脈波センサーおける発光素子と受光素子との指
向性の影響について示す図。
【図6】 本発明の装置で用いる脈波センサーの構造の
別の例を示す断面図。
【符号の説明】
1 発光部 2 受光部 1a 照射光 2a 反射光 H発光部の高さ H受光部
の高さ 3 指 4 空間 5 指載置床面 6 押圧材 7 遮光壁 7a 指と遮光壁
との密着点 8 絶縁体キャップ 14 絶縁体キャ
ップ 14a つば部 α 照射光の
射出角(半値角)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脈波を検出して脈波信号を出力する脈波
    センサと、該脈波信号を濾波して出力するフィルター
    と、該フィルターで濾波された脈波信号に基づいて脈波
    情報を計測する手段とからなる脈波計測装置であって、
    該フィルターが、遮断周波数20〜30Hzの1次又は
    2次のローパスフィルターであるアナログフィルター
    と、遮断周波数15〜40Hzの初段のデジタルローパ
    スフィルターと、遮断周波数15〜40Hzの後段の高
    域カットデシタル微分フィルターとで構成されており、
    該初段のデジタルローパスフィルターにおいて、商用電
    源周波数50Hz又は60Hzの一方での応答が零点付
    近になるように構成すると共に、該後段の高域カットデ
    ジタル微分フィルターにおいて、該商用電源周波数の他
    方での応答が零点付近となるように構成することを特徴
    とする脈波計測装置。
  2. 【請求項2】 前記初段のデジタルローパスフィルター
    において、商用電源周波数50Hz又は60Hzの一方
    での応答が零点付近になるように構成する場合、減衰率
    の極大値が80dB以上となるように構成すると共に、
    前記後段の高域カットデジタル微分フィルターにおい
    て、該商用電源周波数の他方での応答が零点付近になる
    ように構成する場合、減衰率の極大値が40dB以上と
    なるように構成することを特徴とする請求項1記載の脈
    波計測装置。
  3. 【請求項3】 前記脈波センサが、発光部と受光部とに
    より人体の指の脈波を測定する反射型の脈波センサであ
    って、該発光部を、該受光部より指の動脈血流の下流側
    に、その上面が該受光部の上面よりも突出し、かつ所定
    の距離だけ指の腹部を載置する床面よりも高くなるよう
    に配置し、そして指の先端を該発光部よりも指動脈血流
    のさらに下流側に装着するための空間が該床面の先端部
    分に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記
    載の脈波計測装置。
  4. 【請求項4】 前記発光部は、その上面が指の腹部を載
    置する床面より0.2〜2.0mm高くなるように配置
    されており、前記受光部は、その上面が指の腹部を載置
    する床面と同じレベルになるように配置されているか、
    又は所定の距離だけ該床面より低くなるように配置され
    ており、該指の先端を装着する空間の床面と対向する面
    に押圧材を設け、該押圧材で発光部よりも指動脈血流の
    さらに下流側の指先先端部を押さえるように構成し、該
    発光部の側面が筒状の遮光壁で囲まれ、該発光部から指
    内に照射される光が外部に漏れるのを阻止しかつ指の腹
    部表面からの反射光を阻止するように構成されているこ
    とを特徴とする請求項3記載の脈波計測装置。
  5. 【請求項5】 前記発光部は、内面が照射光に対する反
    射特性を有する筒型の遮光壁内部に配置され、該遮光壁
    の上端を、指の腹部を載置する床面から0.2〜2.0
    mm突出するように構成し、指の腹部がこの上端に載置
    されて遮光壁上端全面を覆うようにすることを特徴とす
    る請求項3又は4記載の脈波計測装置。
  6. 【請求項6】 脈波センサで脈波を検出して脈波信号を
    出力し、フィルターで該脈波信号を濾波して出力し、該
    濾波された脈波信号に基づいて脈波情報を計測する際
    に、該脈波センサから出力された脈波信号を、遮断周波
    数20〜30Hzの1次又は2次のローパスフィルター
    であるアナログフィルターを通して濾波し、この濾波さ
    れた脈波信号を、遮断周波数15〜40Hzの初段のデ
    ジタルローパスフィルターであって、商用電源周波数5
    0Hz又は60Hzの一方での応答が零点付近になるよ
    うに構成されたフィルターを通して容積脈波の濾波を行
    い、次いで遮断周波数15〜40Hzの後段の高域カッ
    トデシタル微分フィルターであって、該商用電源周波数
    の他方での応答が零点付近となるように構成されたフィ
    ルターを通してさらに加速度脈波の濾波を行い、該商用
    電源周波数50Hz及び60Hzにおいて速度脈波及び
    加速度脈波に乗る電源周波数、その高調波に由来するノ
    イズ成分を除去することを特徴とするノイズ成分除去方
    法。
  7. 【請求項7】 前記初段のデジタルローパスフィルター
    として、商用電源周波数50Hz又は60Hzの一方で
    の応答が零点付近になるように構成する場合、減衰率の
    極大値が80dB以上となるように構成されたフィルタ
    ーを用いて濾波を行うと共に、前記後段の高域カットデ
    ジタル微分フィルターとして、該商用電源周波数の他方
    での応答が零点付近になるように構成する場合、減衰率
    の極大値が40dB以上となるように構成されたフィル
    ターを用いて濾波を行うことを特徴とする請求項6記載
    のノイズ成分除去方法。
  8. 【請求項8】 AD変換のサンプリング周波数を500
    Samples/sec以上で行うことを特徴とする請求項6又は
    7記載のノイズ成分除去方法。
  9. 【請求項9】 前記脈波センサとして、請求項3〜5の
    いずれかに記載の脈波センサを用いて脈波を検出するこ
    とを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のノイズ
    成分除去方法。
JP2002101630A 2002-04-03 2002-04-03 脈波計測装置 Expired - Fee Related JP3927997B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002101630A JP3927997B2 (ja) 2002-04-03 2002-04-03 脈波計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002101630A JP3927997B2 (ja) 2002-04-03 2002-04-03 脈波計測装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003290162A true JP2003290162A (ja) 2003-10-14
JP2003290162A5 JP2003290162A5 (ja) 2005-09-15
JP3927997B2 JP3927997B2 (ja) 2007-06-13

Family

ID=29241898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002101630A Expired - Fee Related JP3927997B2 (ja) 2002-04-03 2002-04-03 脈波計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3927997B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004358022A (ja) * 2003-06-06 2004-12-24 U-Medica Inc 脈波解析法、この解析法に基づく自律神経機能評価法及び自律神経機能評価装置
JP2005287820A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 U-Medica Inc 生体現象測定記録装置及びノイズ成分除去方法
JP2006006897A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 Sony Corp 血圧測定方法及び装置
WO2016031221A1 (ja) * 2014-08-27 2016-03-03 セイコーエプソン株式会社 生体情報検出装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004358022A (ja) * 2003-06-06 2004-12-24 U-Medica Inc 脈波解析法、この解析法に基づく自律神経機能評価法及び自律神経機能評価装置
JP4625886B2 (ja) * 2003-06-06 2011-02-02 株式会社ユメディカ 脈波解析法及び自律神経機能評価装置
JP2005287820A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 U-Medica Inc 生体現象測定記録装置及びノイズ成分除去方法
JP2006006897A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 Sony Corp 血圧測定方法及び装置
WO2016031221A1 (ja) * 2014-08-27 2016-03-03 セイコーエプソン株式会社 生体情報検出装置
JP2016047105A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 セイコーエプソン株式会社 生体情報検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3927997B2 (ja) 2007-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0706776B1 (en) Organism information measuring apparatus and pulse-wave measuring apparatus
JP5672709B2 (ja) 生体情報検出器、生体情報測定装置および生体情報検出器における反射部の設計方法
US6155983A (en) Pulse wave detecting device and pulse measurer
US20020026109A1 (en) Low-noise optical probes
JP6229338B2 (ja) 光検出ユニット及び生体情報検出装置
EP3106086B1 (en) Photoelectric-type pulse signal measurement method and measurement device
KR102362727B1 (ko) 맥박 측정 장치 및 이를 이용한 컴퓨팅 장치
JP2005040261A (ja) 脈波センサ
US20070270702A1 (en) Portable electronic device
JP2004000467A (ja) 脈波センサ
GB2519075A (en) Apparatus and method for measuring pulse rate
JP4419540B2 (ja) 脈波検出装置
JP2003290162A (ja) 脈波計測装置及びノイズ成分除去方法
JP3965435B2 (ja) 脈波計測・解析装置
CN206565935U (zh) 一种新型反射式光电传感器
JP5327194B2 (ja) 生体状態検出装置
JP2005287820A (ja) 生体現象測定記録装置及びノイズ成分除去方法
US20240099637A1 (en) A fetal doppler and a detection method
JP4347338B2 (ja) 血管年齢の評価方法
JP2013208467A (ja) 生体状態検出装置
JPH0450009Y2 (ja)
CN201005691Y (zh) 反射式红外动脉波形采集器及传感器
JP3416257B2 (ja) 脈拍検出装置
CN217033574U (zh) 抗干扰性强的spo2传感器
JP2000107147A (ja) 光電脈波検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050404

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3927997

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100316

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140316

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees