JP4347338B2 - 血管年齢の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血管年齢の評価方法に関し、特に反射型脈波センサを用いて測定された加速度脈波の成分波から得られた波形指数に基づいて算出される血管老化スコアを用いて血管年齢を評価する方法に関する。
本発明の理解を高めるために、まず、加速度脈波について説明する。
脈波とは、脈圧の伝搬波であるが、これは1回拍出量と動脈系のコンプライアンスとの関数であるといえる。脈圧の波形は大動脈から末梢の動脈に行くにつれて変容していく。これは種々の部位において投射波と反射波とが合成され、共鳴が起こるからと考えられ、変容の程度は血管の性状又は特性の影響の総和とみることができる。大動脈と末梢動脈とにおける動脈内圧を比較すると、末梢動脈の平均動脈内圧は大動脈の場合よりも低いが、末梢で得られる脈波の波形は、中心脈波の波形よりも凹凸が大きく波形判別がし易いという利点がある。しかし、原波形は基線が安定せず変曲点の認識が困難な場合がある。そこで末梢脈波の原波形を2回微分して得られる二次微分波(これを「加速度脈波」と称す。)が、より評価に適した波形として研究や臨床で利用されている。現在、多く使われている脈波計は光電式指先容積脈波計である。この脈波計の原理は、指先にヘモグロビンに対して吸光特異性のある波長の光を当てて、吸収光又は反射光から血管内の血流の容積変化を求め、波形を得る方法に基づいている。容積脈波と圧脈波は反映しているものは異なるが、波形のもつ意味は同等である。
加速度脈波は心臓の収縮期の波形であり、第1図に示すように、a、b、c、d、e波の5つの成分波をもつが、これらの成分波は生体の条件により、また、加齢に応じて一定の変化をしていく。頂点aを有する成分波(a波)は原波形の立ち上がり部分の波形に相当し、頂点eを有する成分波(e波)は原波形の収縮終期のノッチ部分に相当する。頂点aから頂点eまでのa−e間隔は左室駆出時間に対応する。それゆえ、期外収縮時や頻脈時にはa−e間隔は短縮し、成分波も変形する。波形の基線より上を正、下を負の象限としたとき、a波はその頂点aが基線より常に上に位置する陽性波であり、b波はその頂点bが基線より常に下に位置する陰性波であり、c波、d波、e波はそれぞれの頂点c、d、eが生体の条件により陽性又は陰性に変化する成分波である。そこで、波形評価のパラメータとして、基線をx軸として、基線から各成分波の頂点までの距離をy軸としてとらえ、基線からa波の頂点aまでの距離を分母にして、基線からb波、c波、d波、e波の各頂点b、c、d、eまでの距離を分子としたb/a、c/a、d/a、e/aを用いて、加速度脈波が生体の何を具体的に表現しているかを解明しようとしている研究が多く行われている。
本発明者らの一人は、先行研究において、加速度脈波(APG)の波形を、1型:標準波形(standard pattern)、2型:d波形の深いもの(deeper−d pattern)、3型:c波形の深いもの(deeper−c pattern)(この場合、d波形も深い)、そして4型:b波形の浅いもの(shallow−b pattern)(この場合、d波形は深い)と4つの型に分類し、その詳細を明らかにした。その結果、波形評価法として、この4波形型に基づいて、身長を補正した相対血管年齢による簡易式を提案した。そして、相対血管年齢式を用いた分析によって、喫煙、低肺活量、高拡張期血圧、高コレステロール血症が血管老化の危険因子となることを示した。しかし、相対血管年齢式は60歳以上の対象者には不合理な数字を示し易く、臨床に応用するには不十分な指標であるという問題があった。
加速度脈波が血管の老化度(血管年齢)を表し得ることは明らかである。つまり、器質的・機能的な動脈系のコンプライアンスの変化によって波形が変化するので、この波形を合理的に評価できれば、波形による血管年齢の評価が可能である。しかし、加速度脈波の標準波形は、測定機器の種類、すなわち、光源、フィルター、波形読み取り方式、信号処理等の条件の違いによって微妙に異なる。また、加齢によって変化してゆくので、生理的変化と病的変化の判別も難しい。その上、波形に男女差もみられる。このように、測定機器、測定環境、年齢等によって異なる波形を評価して、血管老化度を判定するには、どのような条件にも適応できるような共通の波形評価法を確立しなければならない。すなわち、測定環境が同一であれば、どの器械にも、どの年齢層にも共通して使用できる共通の基準を作成し、それに基づいて評価することが必要である。
そこで、本発明者の一人は、加速度脈波の成分波であるa波、b波、c波、d波から旧来のAPGインデックスとは異なった新しい指標である波形指数Iと波形指数IIとを求め、波形指数Iの平均値及び標準偏差から導き出される血管老化スコア1と、波形指数IIの平均値及び標準偏差から導き出される血管老化スコア2とを用いて血管の老化を評価することができることを明らかにした(特許第3487829号)。このとき、波形指数Iは、(d/a)−(b/a)(この式において、aは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分のa波波形の基線から頂点までの距離を表し、bは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分の波形から数えて第2番目のb波波形の基線から頂点までの距離を表し、dは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分の波形から数えて第4番目のd波波形の基線から頂点までの距離を表す。)であり、波形指数IIは、(c/a)−(b/a)(この式において、a及びbは前記の通りであり、cは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分の波形から数えて第3番目のc波波形の基線から頂点までの距離を表す。)である。この場合、血管老化スコア1、2が、60以上の場合に血管が老化していると評価する。
ところで、上記脈波を測定するために、従来から、透過型、反射型の脈波センサが多数市販されている。反射型の脈波センサは、発光部と受光部とが並べて配置され、この発光部と受光部との上に透光板が設けられて構成され、透光板表面に被験者の指の皮膚表面を密着させて使用されるものである(例えば、特開2001−61796号公報参照)。この場合、発光部から指の皮膚に向けて光を照射し、指内部からの反射光を受光部で受光して、その受光量の変化を電圧に変換し、脈波情報として検出している。
このような反射型脈波センサの場合、指固定のためのクッションが設けられているが、このクッションにより指を押さえる際に、クッション圧により指が圧迫されると、動脈血流が阻害されて脈波が変化する。そのため、脈波波形が変化すると共に、発光部(光源)から指内部への照射光が、光源と指腹部との相対位置関係により大きく変化し、その結果、安定な脈波波形が測定できず、血管の老化を正確に評価できないという問題がある。また、指腹部から受光部(光検出器)への射出光(反射光)も、指腹部と光検出器との相対位置関係により、例えば、指の微小な動き等により、指内部の光の経路が変化して受光光量が変わるため、大きく変化し、その結果、安定な脈波波形が測定できず、血管の老化を正確に評価できないという問題もある。
従来の反射型脈波センサの場合、上記したように、発光部と受光部とが単に並べて配置されているだけであるので、指の腹部の皮膚表面と透光板表面との界面で反射した光がノイズ光として受光部に入り込むことがあり、測定結果にノイズが入りやすく、その結果、安定な脈波波形が測定できず、血管の老化を正確に評価できないという問題もある。
また、被験者の指の太さや乾・湿の程度、皮膚の厚さ等の性状や指装着状態等により、測定波形の振幅やパターンが変化するので、測定結果の再現性に乏しくかつ測定不能の出現割合が多い。
そのため、測定再現性のよい脈波センサを用いて安定な脈波波形を測定し、血管年齢をさらに正確に評価するシステムが求められている。
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決することにあり、脈波波形を安定して計測することが可能であり、かつ測定再現性のよい反射型脈波センサを用いて測定した加速度脈波から波形指数を求め、この波形指数に対する年齢対応曲線に基づいて血管年齢を決定し、血管年齢を評価する方法を提供することにある。
本発明者らは、脈波により、被験者の循環器系の状態変化や、その変化をもたらす体調の変化を推定することができることから、脈波を再現性よく測定すべく鋭意研究開発を行うと共に、加速度脈波の波形評価の共通基準を見出すべく鋭意努力を重ねてきた。その結果、指を押さえるクッション圧をできるだけ少なくし、指腹部と光源及び光検出器との相対位置関係を適切にすることにより、再現性よく脈波を測定できる脈波センサを開発することに成功し、この脈波センサを用いて測定した加速度脈波を解析し、年齢に対して強い相関を有する新しい波形指数(波形パラメータ)を見出し、この波形指数のデータベースを作成し、次いで、得られた波形指数を使って血管年齢を算出する方法を工夫した。このようにして得られた波形指数に対する年齢対応曲線に基づいて、加速度脈波を動脈系の器質的・機能的弾力性もしくは硬化性の指標として利用し、より正確な血管年齢を評価することに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明の血管年齢の評価方法は、被験者の加速度脈波の測定値から波形指数を求めて、測定した加速度脈波の波形が健常人の何歳の波形に相当するかを、健常人の波形指数の年齢と性別に応じた分布に基づいて算出し、これを被験者の血管年齢とする血管年齢の評価方法であって、被験者に対して得られた波形指数の値が、その被験者が属する年齢帯の標準分布範囲に入る時は、波形指数の若年側分布境界〜高齢側分布境界の範囲を年齢帯の年齢幅に分割して血管年齢を求めること、また、該被験者に対して得られた波形指数の値が、その被験者が属する年齢帯の標準分布範囲に入らない時は、健常人に対する年齢と性別に応じた波形指数の分布における若年側分布境界又は高齢側分布境界の値から血管年齢を求めることを特徴とする。
前記血管年齢の評価方法では、被験者が60歳以上の高齢者である場合、その被験者に対して得られた波形指数の値が、被験者が属する年齢帯の標準分布範囲から高齢者側に外れる時は、被験者の年齢における高齢側分布境界の波形指数値を通って60歳付近の高齢側分布境界の勾配を持つ直線から血管年齢を求めることを特徴とする。
前記若年側分布境界は、例えば波形指数の平均値+標準偏差であり、また、高齢側分布境界は、例えば波形指数の平均値−標準偏差である。
前記血管年齢の評価方法で用いる波形指数は、式:(d−b)/a(式中、aは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分のa波波形の基線から頂点までの距離を表し、bは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分の波形から数えて第2番目のb波波形の基線から頂点までの距離を表し、dは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分の波形から数えて第4番目のd波波形の基線から頂点までの距離を表す。)で表されるものであることを特徴とする。
前記加速度脈波は、脈波センサを用いて測定されるが、この脈波センサは、発光部と受光部とを有し、該発光部と該受光部とにより被験者の指の脈波を測定する反射型の脈波センサであって、該発光部は、該受光部より指の動脈血流の下流側に、その上面が該受光部の上面よりも突出するように配置されており、さらに赤外線透過性の窓部については、窓部上面が指の腹部を載置する床面よりも該発光部及び該受光部の上方に所定の距離だけ突出するように配置されており、さらに指の先端部が該発光部よりも指動脈血流のさらに下流側に装着されるように空間が該床面の先端部分に設けられているという特徴をもつ。
前記脈波センサにおける窓部は、その上面が指の腹部を載置する床面より0.1〜0.5mm突出するように配置されており、前記受光部は、その上面が指の腹部を載置する床面と同じレベルになるように配置されているか、又は所定の距離だけ該床面より低くなるように配置されており、そして前記指の先端部を装着する空間の床面と対向する面に押圧材を取付け、該押圧材で発光部よりも指動脈血流のさらに下流側の指の先端部の上面を押さえるように構成し、該押圧材は、この押圧材で指の先端部の上面を押さえる際の圧力が50〜200gWとなるように構成されていることを特徴とする。
第1図は、心臓の収縮期の波形であり、a、b、c、d、e波の5つの成分波をもつ加速度脈波の標準波形図である。
第2図は、本発明で用いる脈波センサの構造の一例を模式的に示す断面図であって、(A)はこの脈波センサの要部である指装着部の模式的構造を示す断面図であり、(B)はこの(A)の発光部及び受光部の近傍の拡大断面図である。
第3図は、光の指向性を示す模式図であって、(A)は従来技術における発光素子と受光素子との指向性の影響について示す図であり、(B)は本発明で用いる脈波センサにおける発光素子と受光素子との指向性の影響について示す図である。
第4図は、測定波形指数(平均値、平均値±標準偏差)を年齢帯別にプロットした折れ線グラフであり、血管老化スコアが40〜60の時の血管年齢を算出する場合を説明するためのグラフである。
第5図は、男性の測定波形指数(平均値、平均値±標準偏差)を年齢帯別にプロットした折れ線グラフであり、血管老化スコアが60を超える時の血管年齢を算出する場合を説明するためのグラフである。
第6図は、測定波形指数(平均値、平均値±標準偏差)を年齢帯別にプロットした折れ線グラフであり、血管老化スコアが60を超える時の血管年齢を算出する別の場合を説明するためのグラフである。
第7図は、測定波形指数(平均値、平均値±標準偏差)を年齢帯別にプロットした折れ線グラフであり、血管年齢を算出するさらに別の場合を説明するためのグラフである。
第8図は、従来法の年齢対平均値の直線近似式のグラフから求めた血管年齢を本発明の場合と比較して説明するためのグラフである。
以下、本発明の実施の形態に関し、まず血管年齢評価方法、次いで本発明で用いる反射型脈波センサについて説明し、そしてこの脈波センサを用いて求めた波形指数に基づいた血管年齢の評価方法についての実施例を説明する。
本発明の実施の形態に係わる血管年齢の評価方法は、加速度脈波から求めた波形指数((d−b)/a(式中、aは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分のa波波形の基線から頂点までの距離を表し、bは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分の波形から数えて第2番目のb波波形の基線から頂点までの距離を表し、dは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分の波形から数えて第4番目のd波波形の基線から頂点までの距離を表す。))の平均値と標準偏差及びそれらから導き出された血管老化スコアに基づいて血管年齢を評価するものである。
本発明の実施の形態に係わる血管年齢の評価方法は、被験者の加速度脈波の測定値から波形指数を求めて、測定した加速度脈波の波形が健常人の何歳の波形に相当するかを、健常人の波形指数の年齢と性別に応じた分布に基づいて算出し、これを被験者の血管年齢とする血管年齢の評価方法であって、
(1)該健常者の加速度脈波のa波、b波及びd波の波高値a、b及びdから算出した前記波形指数((d−b)/a)の平均値及び標準偏差を所定の年齢層別の各年齢帯に対してプロットしたグラフから得た被験者の属する年齢帯の波形指数の平均値+標準偏差及び平均値−標準偏差に基づいて、血管老化スコアを、式:AGS=10*(平均値−測定波形指数)/(標準偏差)+50から求め、
(2)(a)この血管老化スコアが40〜60の範囲に入る場合は、波形指数の平均値±標準偏差の範囲を該年齢帯の年齢幅に分割し、中央の区間を被験者の実年齢に設定し、老化スコアの値が入る区間の年齢から被験者の血管年齢を評価するものであり、また、(b)この血管老化スコアが60を超える場合は、被験者の属する年齢帯よりも上の年齢帯で、健常者分布の標準偏差下端が波形指数の測定値未満となる最初の年齢帯を求め、健常者分布の標準偏差下端と上記最初の年齢帯の標準偏差下端との間をそれらの年齢帯の年齢差で分割し、各々の区分に対応して、血管年齢を実年齢に所定の年齢を加えた年齢から順次割り当て、そして波形指数の測定値に対応する、上で求めた区間から、被験者の血管年齢を評価するものである。
本発明の実施の形態に係わる血管年齢の評価方法はまた、前記(1)に従って血管老化スコアを求め、次いで
(2)測定波形指数と、一番高齢の年齢帯以上における健常者分布標準偏差下端とを比較し、測定波形指数の方が小さい場合、一番高齢の年齢帯における健常者分布の標準偏差下端と被験者の年齢帯における健常者分布の標準偏差下端とを結んだ直線を高年齢側に延長し、
(3)該一番高齢の年齢帯における健常者分布の標準偏差下端とその前の年齢帯における健常者分布の標準偏差下端との間を所定の数に分割し、それぞれの区間の血管年齢を被験者の実年齢以上の年齢から順次割り当て、
(4)測定波形指数の値から血管年齢を外挿し、血管年齢を評価するものである。
なお、被験者の年齢が一番高齢の年齢帯より高い場合には、
(1)前記一番高齢の年齢帯における健常者分布の標準偏差下端と、その一番高齢の年齢帯より前の年齢帯における健常者分布の標準偏差下端とを結んだ直線を分割し、最後の区間を被験者の実年齢以上の年齢に割り当て、
(2)上で結んだ直線を高年齢側に延長して、波形指数の測定値から血管年齢を外挿し、血管年齢を評価する。
上記の点についてさらに詳細に説明する。先ず、血管年齢算出方法に関するアルゴリズムについて説明し、血管年齢算出方法について説明する。
(ア)被験者の所属する年齢帯M(実年齢の属する範囲)を、M=[実年齢/5]([]は、[]内の数字の整数部を表す)(年齢範囲(5*M〜5*M+4))として求める。
(イ)測定した波形指数((d/a)−(b/a))をWX1とする。
(ウ)性別X、年齢帯Mにおける波形指数の平均値をAveWX1(M)とする。
(エ)性別X、年齢帯Mにおける波形指数の標準偏差をSdWX1(M)とする。
(オ)年齢帯Mにおける波形指数の上限を、UpWX1(M)=AveWX1(M)+SdWX1(M)とする。
(カ)年齢帯Mにおける波形指数の下限を、DnWX1(M)=AveWX1(M)−SdWX1(M)とする。
(キ)血管老化スコアをAGSとする。
(A)まず、実年齢が60歳未満の場合について説明する。60歳までであれば、平均的な波形指数は年齢の増加に伴ってほぼ直線的に減少する。
(A−1)血管老化スコア(AGS)の値が、被測定者の年齢帯の標準分布範囲40〜60に入る場合について、血管年齢を算出する手続きは次の通りである。
(1)まず、被験者の属する年齢帯Mを、式:M=[実年齢/5]より、整数として求める。
(2)健常者の母集団統計テーブル(表1)より、上記年齢帯Mの波形指数の平均値AveWX1(M)と標準偏差SdWX1(M)とを求める。
(3)平均加速度脈波のa波、b波、d波の波高値a、b、dから波形指数を、式:WX1=(d/a)−(b/a)から算出する。
(4)式:AGS=10*(AveWX1(N)−WX1)/SdWX1(N))+50からAGSを求める。
(5)AGSが40〜60の範囲(すなわち、波形指数の平均値AveWX1(M)±標準偏差SdWX1(M)の範囲)を5等分し、その中央区間が被験者の実年齢となるように、それらの区間を[被験者の実年齢−2]から[被験者の実年齢+2]に割り当て、AGSの値が入る区間の年齢から被験者の血管年齢を求める。
(A−2)AGSの値が、被測定者の年齢帯の標準分布範囲60を超える場合について、血管年齢を求める手続きは次の通りである。
(A−2−1)測定波形指数が全年齢帯の標準分布範囲内に入る場合:
(1)〜(3)上記(A−1−1)の(1)〜(3)と同様にして波形指数を算出する。
(4)波形指数の上記測定値WX1から、血管老化スコアAGSを求め、AGS>60と判定する。
(5)被験者の属する年齢帯Mよりも上の年齢帯M+nで、健常者分布の標準偏差下端DnWX1(M)が、波形指数の測定値WX1未満となる最初の年齢帯M+nを求める。
(6)健常者分布の標準偏差下端DnWX1(M)と上記最初の年齢帯M+nの標準偏差下端DnWX1(M+n)との間を、5*((M+n)−M)等分し、各々の区分に対応して、血管年齢を[実年齢]+3から順次割り当てる。
(7)波形指数の測定値WX1に対応する、上で求めた区間から、被験者の血管年齢を評価する。
(A−2−2)測定波形指数が全年齢帯の標準分布範囲内に入らない場合:
(1)〜(4)上記(A−1)の(1)〜(4)と同様にして血管老化スコアAGSを求める。
(5)測定波形指数WX1と、一番高齢の年齢帯65歳以上(Mmax)における健常者分布標準偏差下端DnWX1(Mmax)とを比較する。測定値WX1の方が小さい場合、WX1は、全年齢帯の健常者の標準分布範囲から外れているので、血管年齢を健常者の標準分布に対応して求めるものとすると、血管年齢は求まらないことになる。この時は、次の手順に従って血管年齢を求めることにする。
(6)年齢帯Mmaxにおける健常者分布の標準偏差下端DnWX1と被験者の年齢帯Mにおける健常者分布の標準偏差下端DnWX1とを結んだ直線を高年齢側に延長する。
(7)年齢帯Mmaxにおける健常者分布の標準偏差下端DnWX1と、被験者の年齢帯Mにおける健常者分布の標準偏差下端DnWX1との間を(5*(Mmax−M))区間に分割し、それぞれの区間の血管年齢を被験者の実年齢+3歳から順次割り当てる。
(8)測定波形指数WX1の値から血管年齢を外挿し、年齢を評価する。
(B)次に、実年齢が60歳以上の場合について説明する。血管老化スコアが健常者の標準分布範囲内である場合、上記(A−1)と同様にして求める。この標準分布を外れる場合、60歳以上では、平均的な波形指数は年齢の増加に伴って殆ど変化しないので、前項までのアルゴリズムは適用できない。そこで、60歳付近での、年齢に対する波形指数の変化割合が、65歳以上でも続くものとして、血管年齢を算出する。
(1)年齢帯Mmaxにおける健常者分布の標準偏差下端DnWX1(Mmax)と、二つ前の年齢帯Mmax−2における健常者分布の標準偏差下端DnWX1(Mmax−2)とを結んで10等分し、最後の区間を被験者の実年齢+2に割り当てる。この時、一つ前の年齢帯Mmax−1における健常者分布の標準偏差下端DnWX1(Mmax−1)を用いると、統計的なばらつきなどの要因により誤差が大きく出る場合があり、実用的ではない。
(2)上で結んだ直線を高年齢側に延長して、波形指数の測定値から血管年齢を外挿して、被験者血管年齢を評価する。
上記から分かるように、血管年齢と言うものは、血管の物理的・生理的な特性が年齢と共に一定方向に変化し続ける、というイメージに基づいて算出する仮の特性値であって、実際には、血管の物理的・生理的な特性が変化しなくなるか、場合によっては、年齢の増加と共に、変化方向が逆転する場合もある。しかしながら、現実問題として、動脈硬化進行度の指標としての血管年齢という用語は、一般に受け入れられやすいイメージであり、より正確な血管年齢が評価できれば、この表現を商業利用において用いることは十分意味のあることである。
次に、本発明による血管年齢の評価システムについて詳細に説明する。
本発明によれば、波形評価の指標として、(d−b)/a(波形指数)を利用することにより所期の目的を達成することができる。加速度脈波の成分b波や成分d波は動脈の伸展性や末梢血管抵抗の変化によって、そのピークの位置が変動するため、パラメータb/aやd/aが動脈系のコンプライアンスを表現しうると理解されている。しかし、成分c波については未だ一定の結論は得られていない。本発明でも男性については一定の傾向がみられていない。男女によって成分c波への年齢の関わりは異なり、心拍数の影響も受けやすいといわれる。従って、これまでのAPGインデックス[(−b+c+d)/a]のように、異なる三つのパラメータをまとめた場合、成分b波や成分d波の変動性を成分c波の変動がマスクする可能性も考えられる。そこで、本発明では、(d−b)/aを波形指数として採用している。
以下の実施例で示すように、この波形指数は年齢と非常によい関連性を示す。しかし、本発明で提示した波形指数も従来のAPGインデックスと同様に波形のパターンの定量評価であるから、動脈の生理的加齢変化と病的な変化の両方を包合するものとなり、これらの数値からだけでは、動脈の変化が生理的に大多数の変化の中に収まっているのか、逸脱しているのかを判断することが困難である。しかし、加速度脈波の測定によって得られた波形が、ある年齢集団の中で、どのようなランクに位置するのかを表現することによって、その逸脱度が判断できれば、簡便に動脈の器質的・機能的評価ができる可能性が生まれる。
そこで、本発明では、以下の実施例で述べるように、集団での位置を知る最も古典的な方法である偏差値方式を採用して、所期の血管老化スコアを導き出している。つまり、20歳以上の広範な年齢集団である基準集団を設定し、集団の波形測定で計算された波形指数の男女別、年齢5歳階層別の平均値と標準偏差から、個人の偏差値を求めた。
ところで、加速度脈波計には反射型と透過型との二種類があり、さらに光源波長、フィルターの種類、微分形式等の違いにより、各製品の波形は微妙に異なっている。本発明では、下記の反射型脈波センサ(脈波計)を用いて加速度脈波を測定し、これを解析して血管年齢の評価を行った。この脈波センサを採用すれば、今後の研究の発展にも有用であると考えられる。
本発明で用いる脈波センサは、発光部と受光部とを有し、発光部と受光部とにより被験者の指の脈波を測定する反射型の脈波センサであって、この発光部を、受光部より指の動脈血流の下流側に、その上面が受光部の上面よりも突出するように配置し、また、発光部及び受光部の上方に、赤外線透過性の窓部を、その上面が腹部を載置する床面よりも所定の距離だけ突出するように配置し、そして指の先端部を発光部よりも指動脈血流のさらに下流側に装着するための空間が床面の先端部分に設けられている脈波センサである。
このように構成することにより、指の発光部に対する密着性が良好になると共に、指動脈血流の下流側が圧迫されても、上流側が圧迫されるのに比べて脈波への影響は少なく、再現性よく脈波情報を得ることができる。また、指と発光部との接触面積は発光部の上面の面積と概略等しくなり、指にかかる接触面積が小さいので、波形の変化はほとんどない。
上記指の先端部を装着する空間の床面と対向する面に押圧材を取付け、押圧材で発光部よりも指動脈血流のさらに下流側の指の先端部の上面を押さえるように構成することが好ましい。被験者は、脈波測定中に意識的・無意識的に指先に力を入れる場合がある。この場合に、力を抜くように指導すると、被験者の指の形状によっては、センサへの密着性が悪くなることがある。力を入れる場合も、力を抜く場合も、指の小さな動きによるノイズが発生する。押圧材を設けることにより、ノイズが減少し、測定データの再現性が増し、正確な脈波情報を得ることができる。
上記したように、押圧部位を指の先端部上面の小面積に限るように構成してあるので、押圧部位の上流側の指動脈血流部分の脈波を再現性よく正確に測定することができる。
上記窓部の上面は、指の腹部を載置する床面より通常0.1〜1.5mm程度、望ましくは0.2〜1.0mm程度、更に望ましくは0.3〜0.5mm程度突出するように配置されることが好ましい。
上記押圧材で窓部より先の指の先端部の上面を押さえる際の圧力を通常50〜200gW、望ましくは70〜150gWになるように構成することが好ましい。50gW未満であると、脈波の振幅が小さく、測定時の振動や被験者の指のふるえによるノイズが入りやすく、また、被験者の緊張などにより測定波形が変形しやすい。また、200gWを超えると測定波形が極端に変形する。なお、指全体を加圧すると測定波形が変形し、再現性が低下する。
なお、受光部を発光部よりも指の動脈血流の下流側に配置すると、上記したような押圧材を設けた場合、押圧部と押圧部よりも指動脈血流の下流側とにおいてうっ血が発生するので、この部分の近くに受光部を設けると末梢動脈血流の循環の悪い波形が得られ、適切な評価ができない。
上記発光部は、その上面が指の腹部を載置する床面より通常0.1〜1.5mm程度、好ましくは0.2〜1.0mm程度、さらに好ましくは0.3〜0.5mm程度突出するように配置されてもよい。発光部をこのように配置すると、指腹部の皮膚面が発光部上面から下に被さるので、測定データに対する外乱光や漏洩光や反射光の影響を小さくすることができると共に、被験者が指を装着する際に、その突出部に触れることによりセンサ位置を認識して、指を所定の位置に載置し易いという利点がある。しかし、0.1mm未満であると、センサ位置を確認し難いので、指先を所定位置に載置し難いと共に、測定データに対する反射光の影響が大きくなる。また、1.5mmを超えると、指皮膚面が床面から浮くため、不安定な装着状態になると共に、指を載置した時の指に対する圧力により波形の変形が生じて再現性が悪くなり、測定される脈波データにバラツキが生じて、正確な脈波情報を得ることが難しくなる。
上記受光部は、その上面が指の腹部を載置する床面と同じレベルになるように配置されているか、又は所定の距離だけ床面より低くなるように配置されていてもよく、これにより発光部に対する指の密着性がより良好になる。
上記発光部の側面は、発光部から指内に照射される光が外部に漏れるのを阻止しかつ指の腹部表面からの反射光を阻止するために、遮光壁で囲まれていることが好ましい。
上記発光部は、内面が照射光に対する反射特性を有する遮光壁内部に配置され、遮光壁の上端が、指の腹部を載置する床面から通常0.1〜1.5mm程度、好ましくは0.2〜1.0mm程度、さらに好ましくは0.3〜0.5mm程度突出するように構成され、指の腹部がこの上端に載置されて遮光壁上端全面を覆うようにすることが好ましい。遮光壁の上端をこのような範囲内になるように突出させると、指腹部の皮膚面が発光部上面から下に被さるので、測定データに対する外乱光や漏洩光や反射光の影響を小さくすることができると共に、被験者が指を装着する際に、遮光壁の突出位置に触れることによりセンサ位置を認識して、指を所定の位置に載置し易いという利点がある。
しかし、0.1mm未満であると、遮光壁位置を確認し難いので、指先を所定位置に載置し難いと共に、発光部からの照射光や指腹部表面からの反射光が漏れ易くなり、測定データに対する反射光の影響が大きくなる。また、1.5mmを超えると、指皮膚面が床面から浮くため、不安定な装着状態になると共に、指を載置した時の指に対する圧力により波形の変形が生じて再現性が悪くなり、測定される脈波データにバラツキが生じて、正確な脈波情報を得ることが難しくなる。
以下、図面を参照して本発明で用いることができる脈波センサについて図面を参照して詳細に説明する。
第2図は、反射型脈波センサの要部である指装着部の断面構造を示す図(第2図(a))、並びに発光部及び受光部の近傍を拡大して示す図(第2図(b))であり、指を装着した状態で示す。
この反射型脈波センサは、発光部及び受光部を有し、被験者の指を装着して脈波の測定ができるものであって、蓋部を構成する開閉自在の合成樹脂製の上方部分と、指腹部を載置することができるように構成された合成樹脂製の床部分とを有してなる。上方部分はその内面が指の外形に沿った形状をしていてもよく、また、床部分はその床面が平坦であっても又は外乱光を遮断するために指の付け根側がやや高く又は低くなるように傾斜した形状になっていてもよい。以下述べるように、上方部分の先端部には押圧材が設けられ、床面に載置した指の動脈血流の発光部よりもさらに下流側の指の先端部分を押さえて固定できるようになっており、また、床部分には発光部及び受光部が所定の位置に配置されている。この押圧材は、指の先端部分を押さえて固定できるものであればよく、例えば、クッション材や、バネ材のような板材などでよく、所定の圧力で指の先端部分を押さえることができるように構成されている。また、このセンサには、反射光の電流/電圧変換回路、増幅器が設けられており、このセンサをパーソナルコンピュータに接続すれば、センサからの出力に基づき正確な脈波情報を得ることができる。
この脈波センサの場合、指装着部に指を差し込み、指の先端部分の腹部に赤外線などの光を当てると、毛細血管中のヘモグロビン(赤血球)が光の一部を吸収し、光の反射量が変化する(血液量が多い部分は光の反射量が少なくなる)。この微妙な光の反射量の変化を検出し、検出された反射光を電流から電圧へ変換し、増幅器に送信し、増幅された信号電圧をパーソナルコンピュータを利用してAD変換して出力し、脈波情報として活用する。
脈波センサの要部を構成する指装着部には、第2図(a)及び(b)に示すように、発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子からなる発光部1が、フォトダイオード(PD)などの半導体受光素子からなる受光部2よりも被験者の指3の動脈血流の下流側に配置される。指内の発光部1からの照射光1aの経路を見ると、発光部分の光束は、指内を進むにつれて拡散して拡がる。このため、発光部1からの入射光量変化による受光部2の光量変化は大きく、受光部2の位置変化による受光する拡散光の光量変化は小さい。従って、発光部1を指に密着するようにすることが必要となる。しかし、密着性を良くすることは、指に余分の圧力を加えることにつながる。そこで、発光部1を受光部2より指動脈血流の下流側に配置し、指に余分の圧力が加わらないようにする。
また、発光部1は、その上面が受光部2の上面より所定の距離だけ突出する(すなわち、高くなる)ように配置される。すなわち、発光部1の高さHが受光部2の高さHより所定の距離だけ高くなるように構成する。指装着部の先端部分には、赤外LEDなどからなる発光部1から照射される光1aの経路よりも指動脈血流のさらに下流側に空間4が設けられ、指3の先端部がこの空間内に載置され得るように構成される。
第2図(a)及び(b)によれば、発光部1及び受光部2の上方に赤外線透過性の窓部9が設けられている。この窓部9は、その上面が被験者の指の腹部を載置する床面5よりも所定の距離(0.1mm以上、例えば約0.35mm)だけ高くなるように配置されている。窓部9を、第2図(b)に示すように、発光部1及び受光部2を覆うように床面の縁端部上に載置して固定しても、又は縁端部の切欠き上に載置して固定してもよく、その配置の仕方に制限はない。窓部9を設けることにより、発光部1及び受光部2と被験者の指とが直接接触しないようになる。これにより、通電部に影響が及ぶことはなく、また、発光部及び受光部表面の汚れを清拭しないで済み、メンテナンスが楽になる。
窓部9の外形は特に制限されず、例えば、厚さ0.5mm程度の板状でよい。この窓部9の上面を凹レンズで構成すれば、射出光の指向性をさらに広げることができる。この窓部の材料としては、赤外線に対して透光性が高い赤外線透過性材料であれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等や赤外線透過性ガラスをあげることができる。
本発明で用いる脈波センサは、発光部を、受光部より指の動脈血流の下流側に、その上面が受光部の上面よりも所定の距離突出するように配置し、また、発光部及び受光部の上方に、赤外線透過性の窓部を、その上面が腹部を載置する床面よりも所定の距離だけ突出するように配置し、そして指の先端部が発光部よりも指動脈血流のさらに下流側に装着され得るように、床面の先端部分に空間を設けてあるので、指の発光部に対する密着性が良好になると共に、指動脈血流の下流側が圧迫されても、上流側が圧迫されるのに比べて脈波への影響は少なく、再現性よく正確な脈波情報を得ることができる。
また、この脈波センサでは、発光部及び受光部の上方に赤外線透過性の窓部を、窓部の上面が指の腹部を載置する床面よりも所定の距離だけ突出するように配置してあるので、測定波形への影響は少なく、再現性よく正確な脈波情報を得ることができる。
指装着部の指腹部を載置する面は、指載置床面5として構成される。床面5には発光部1及び受光部2が所定の位置に設けられ、床面の先端部分は傾斜して立ち上がり、指の先端が適切に納まるように構成される。この指装着部において、発光部1の配置された位置より動脈血流の下流側であって、床面と対向する面に押圧材6が設けられる。この押圧材により、装着された指の先端部分(好ましくは、爪部)を軽く押さえ、装着された指が動かないように固定する。このように構成することにより、被験者の意識的・無意識的な指の小さな動きが少なくなって、ノイズ発生が減少し、その結果、測定波形の変化も少なくなる。なお、押圧材により動脈血流の下流側を圧迫しても、脈波への影響は小さい。
発光部1からの照射光1aが指の皮膚表面で反射して受光部2に入り込むと、この反射光がノイズとなり、受光部2に入る受光量が変動する。このために、正確な脈波を測定することができなくなる。また、照射光1aが脈波センサの外部に漏れると、照射光の効率が下がり、かつ、受光部が受け取る反射光2aの光量が減少して正確な脈波を測定することが困難になる。そのため、余分な反射光や漏洩光を阻止するために、発光部1の側面を遮光壁で囲んでもよい。この遮光壁は、反射光や漏洩光をなくすような形状であれば、その形状は問わないが、例えば、発光部1の外周形状に沿った円筒状などの形状が好ましい。装着された指は、この遮光壁の上面の所定の点で密着し、固定される。遮光壁は、その受光部2側が黒色であってもよく、また、その内面が鏡面であってもよい。遮光壁の材料としては、赤外線を遮る性質を有する材料であれば特に制限はなく、例えば、赤外線を実質的に透過させないポリプロピレン系樹脂やABS系樹脂などの熱可塑性樹脂など、又はこれらに黒色塗装などの表面処理を施したものをあげることができる。
発光部1の上面に赤外線透過性の絶縁体キャップを設け、発光部1と指3とが直接接触しないようにしてもよい。これは、発光部の通電部に影響を及ぼさないようにするためと、発光部表面の汚れを清拭しないで済むようにするためである。絶縁体キャップの外形は、例えば、発光体1の上方部分の形状に沿った円筒形状などの形状であればよい。絶縁体キャップの上面を凹レンズで構成すれば、射出光の指向性をさらに広げることができる。この絶縁体キャップの材料としては、赤外線に対して透光性が高い赤外線透過性材料であれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等や赤外線透過ガラスをあげることができる。また、受光部2と指3とが直接接触して指に圧力がかからないように、受光部2と指3との間に隙間を設けるような構造とすることが好ましい。
発光部1の発光素子と受光部2の受光素子との指向性の影響について第3図に示す。第3図(a)に示すように、発光部1の発光素子と受光部2の受光素子との配置が従来の指向性が強い配置の場合、発光部1の発光ダイオードの光軸がずれると、有効な検出領域もずれる。しかし、上記したように、指向性の弱い発光部1の発光素子と受光部2の受光素子とを接近して配置すれば、第3図(b)に示すように、発光ダイオードの光軸のずれに対する有効検出領域のずれは相対的に小さい。そのため、得られる脈波情報は正確となる。
発光部1からの照射光の射出角(半値角)αを通常50度以上、好ましくは50〜85度、より好ましくは50〜80度とすることにより、有効検出領域のずれは相対的に少なくなる。50度未満であると、有効検出領域のずれが大きくなり、正確な脈波データを得ることが困難になる。
上記脈波センサにおいて、発光部1と受光部2との距離が長くなる程、加速度脈波の波形であるa波の振幅は小さくなり、ノイズ成分が発生し易くなって、測定波形の変形が大きくなる傾向がある。また、この距離が長い程、圧力の影響がある指部位の脈波を測定することになり、測定波形が変形し易い。そのため、発光部と受光部との距離を、所定の距離、例えば、通常8mm以内、好ましくは6mm以内に設定すれば、加速度脈波のa波の振幅及びb波とa波との比(b/a)は適切な範囲内に納まる。この場合、光軸のずれも少なく、有効検出領域のずれも少なく、また、波形は変形し難い。なお、この距離が上記範囲を外れた動脈上流側の指部位では、動脈血管が膨らんで、b/aが小さい(絶対値が大きい)状態になり、また、下流側の指部位では、鬱血状態となって、b/aが大きい(絶対値が小さい)状態になる。また、発光部と受光部との距離の下限は、特に制限はなく、発光部と受光部との物理的な大きさや脈波センサの大きさなどに依って所望により設定できる最低距離であればよい。例えば、2〜3mm程度に設定してもよい。
また、絶縁体キャップが脱落しないようにして、脈波センサ本体の取り扱い性を向上させるため、絶縁体キャップの下方部分につば部を設けた構造としてもよい。さらに、絶縁体キャップの上面を凹レンズで構成すれば、射出光の指向性をさらに広げることができる。
上記した脈波センサでは、受光部は、指に圧力がかからないように、その上面が指装着部の床面と同一高さ又はそれより下になるように配置される。これにより、受光部に入射する光の割合が最も多い受光部上面位置にあたる指部分が圧迫されないようになる。例えば、受光部を脈波センサの指載置床面より1mm程度低くなるように配置すればよい。
以下、本発明の実施例及び比較例を図面を参照して詳細に説明する。
本実施例では、反射型脈波センサ((株)ユメディカ社製のARTETT(登録商標))を用いて、所定の数の男性、女性について加速度脈波を測定し、この値に基づいて平均値及び標準偏差を算出し、血管の老化を評価した。
加速度脈波は、男性1372人、女性714人の計2086人の健常人を測定対象として、安静時座位、心臓の高さで、右手第2〜3指にて加速度脈波を18秒間測定し、記録した。得られた加速度脈波から求めた波形指数:(d−b)/aについて、男性、女性のそれぞれの年齢層別(5歳毎の年齢帯)の平均値と標準偏差値(SD)を算出し(表1及び2)、年齢帯に対する平均値、平均値−標準偏差値、及び平均値+標準偏差値の各折れ線グラフを男性について示し、血管年齢の評価を行った。男性の波形指数について、表1のデータを第4〜7図にプロットし、この図面に基づいて以下述べるように血管年齢を評価した。表1及び2に示すデータは、健常者の母集団統計テーブルである。
Figure 0004347338
Figure 0004347338
以下、表1及び第4図〜第7図に基づいて、血管老化を評価するための血管年齢の求め方について説明する。
(A)まず、実年齢が60歳未満の場合について説明する。60歳までであれば、平均的な波形指数は年齢の増加に伴ってほぼ直線的に減少する。
(A−1)血管老化スコアの測定値が、被測定者の年齢帯の標準分布範囲の40〜60に入る場合について、血管年齢を算出する手続きは次の通りである。
(A−1−1)被験者の実年齢36歳男性の測定波形指数がWX1=0.25である場合:
(1)被験者の属する年齢帯Mを整数として求める。
M=[36/5]=7(第4図の(ア))。
(2)健常者の母集団統計テーブルより、この年齢帯M=7の波形指数:(d−a)/aの平均値AveWX1(7)(第4図の(イ))及び標準偏差SdWX1(7)(第4図の(ウ))を求める。AveWX1(7)=0.47であり、SdWX1(7)=0.28であった。第4図中、UpWX1(7)は(エ)、また、DnWX1(7)は(オ)として示してある。
(3)平均加速度脈波のa波、b波、d波の波高値a、b、dから波形指数を、式:WX1=(d−b)/aとして算出する(第4図の(カ))。
(4)老化スコアAGSを式:
AGS=10*(AveWX1(7)−WX1)/SdWX1(7))+50
から、AGS=58を得る(第4図の(キ))。
(5)老化スコアが40〜60の範囲(波形指数の平均値AveWX1(7)±標準偏差SdWX1(7)の範囲)を5等分し(第4図の(ク))、その中央区間が被験者の実年齢36歳となるように(第4図の(ケ))、それらの区間を、図の上から下へ向かって、34、35、36、37及び38歳に割り当て、老化スコアの値が入る区間(第4図のカ)から被験者の血管年齢を38歳として評価する。
(A−2)血管老化スコアの測定値が、被測定者の年齢帯の標準分布範囲の60を超える場合について、血管年齢を算出する手続きは次の通りである。
(A−2−1)被験者の実年齢36歳男性の測定波形指数がWX1=0.1である場合:
(1)〜(3)上記(A−1−1)の(1)〜(3)と同様にして波形指数を算出する。
(4)波形指数の上記測定値WX1=0.1から、AGS=63を求め、AGS>60と判定する(第5図の(サ))。
(5)被験者の属す得る年齢帯M=7よりも上の年齢帯で、健常者分布の標準偏差下端DnWX1(M)が、波形指数の測定値WX1=0.1未満となる最初の年齢帯M=9を求める(第5図の(シ))。
(6)健常者分布の標準偏差下端DnWX1(7)と上記最初の年齢帯の標準偏差下端DnWX1(9)とを直線で結び、この間を5*(9−7)=10等分し、各々の区分に対応して、血管年齢を実年齢+3=39歳から49歳まで順次割り当てる(第5図の(ス))。
(7)波形指数の測定値WX1=0.1に対応する、上で求めた区間から、被験者の血管年齢を44歳として評価する(第5図の(セ))。
(A−2−2)被験者の実年齢36歳男性の測定波形指数がWX1=−0.3である場合:
(1)〜(4)上記(A−1−1)の(1)〜(4)と同様にして老化スコアAGSを求める。
(5)測定波形指数がWX1=−0.3(第6図の(ソ))と、一番高齢の年齢帯65歳以上(Mmax=13)における健常者分布標準偏差下端DnWX1(13)=−0.27(第6図の(タ))とを比較する。測定値WX1=−0.3の方が小さい。従って、WX1=−0.3は、全年齢帯の健常者の標準分布範囲から外れているので、血管年齢を健常者の標準分布に対応して求めるものとすると、血管年齢は求まらないことになる。この時は、次の手順に従って血管年齢を求めることにする。
(6)年齢帯Mmax=13における健常者分布の標準偏差下端DnWX1(13)(第6図の(タ))と、被験者の年齢帯M=7における健常者分布の標準偏差下端DnWX1(7)(第6図の(チ))とを結んだ直線を高年齢側に延長する。
(7)年齢帯Mmax=13における健常者分布の標準偏差下端DnWX1(13)と被験者の年齢帯M=7における健常者分布の標準偏差下端DnWX1(7)との間を5*(13−7)=30分割し、それぞれの区間の血管年齢を被験者の実年齢+3歳=39歳から68歳まで順次割り当てる(第6図の(ツ))。
(8)測定波形指数WX1の値(−0.3)から血管年齢を外挿し、被験者の血管年齢を71歳として評価する。
(B)次に、実年齢が60歳を超える場合について説明する。血管老化スコアが健常者の標準分布範囲内である場合、上記(A−1−1)と同様にして求める。この標準分布を外れる場合、60歳を超えると、平均的な波形指数は年齢の増加に伴って殆ど変化しないので、前項までのアルゴリズムは適用できない。そこで、60歳付近での、年齢に対する波形指数の変化割合が、60歳を超えても続くものとして、血管年齢を算出する。
(B−1)被験者の実年齢が75歳であり、測定波形指数がWX1=−0.3(第7図の(ト))である場合:
(1)被験者の年齢帯Mmax=13における健常者分布の標準偏差下端DnWX1(13)と、二つ前の年齢帯Mmax−2=11における健常者分布の標準偏差下端DnWX1(11)とを結んで10等分し(第7図の(ナ))、最後の区間を被験者の実年齢+2(すなわち、77歳)に割り当てる(第7図の(ニ))。この時、Mmaxの一つ前の年齢帯Mmax−1=10における健常者分布の標準偏差下端DnWX1(10)を用いると、統計的なばらつきなどの要因により誤差が大きく出る場合があり、実用的ではない。
(2)上で結んだ直線を高年齢側に延長して、波形指数の測定値から血管年齢を外挿して、被験者の血管年齢を82歳として評価する(第7図の(ヌ))。
また、表2について、表1の場合と同様にプロットした図から上記と同様にして被験者の血管年齢を評価することができる。
(比較例1)
本比較例では、加速度脈波を用いて血管の老化を評価するために、第8図に基づいて、波形指数の年齢分布に関し、年齢対平均値の直線近似式のグラフから求めた血管年齢と実施例1で求めた血管年齢とを比較して説明する。
第8図に示すように、例えば、被験者が35歳であり、波形指数の測定値が0.2である場合、従来法による直線回帰式のグラフaでは、血管年齢は57歳と評価されるが、本発明におけるグラフでは、上記したように、血管年齢は35〜39歳の標準分布範囲である平均値±標準範囲内に入り、血管年齢を正確に評価することができる。
これは、ある年齢帯と性別における波形指数の標準分布範囲である平均値±標準偏差の幅が相当広いためである。上でみたように、被験者について測定した波形指数の値が、その被験者が属する年齢帯の平均値より標準偏差だけ高齢側であった時に、この直線近似式による方式で血管年齢を求めると、場合により被験者の実年齢より20歳以上も高齢になることがある。また、60歳を越えると、波形指数の平均値の分布は、年齢に対し、ほとんど変化が見られなくなる。従って、高齢者の場合には、分布全体の直線近似式により求めた血管年齢は実態に即さないのが、本発明によれば、正確に評価できることを意味している。
以上詳細に説明したように、本発明を実施する場合には、使用する反射型脈波センサの再現性が問題になるが、本発明で用いたセンサによれば、被験者の年齢や脈波センサの方式によって左右されることなく、測定加速度脈波を血管老化の指標の基準として利用することができる。
本発明によれば、(d/a)−(b/a)(この式において、a、b、dは上記の通りである。)の波形指数の平均値及び標準偏差から導き出される血管老化スコアを、動脈系の器質的・機能的弾力性又は硬化性の指標として利用することにより、臨床応用するのに充分な指標となり、また、どの測定機器にも、どの年齢層にも共通な基準となり、それに基づいて血管年齢を有意に評価することができる。
また、本発明で用いる反射型脈波センサによれば、指の発光部に対する密着性が良好になると共に、指動脈血流の下流側が圧迫されても、上流側が圧迫されるのに比べて脈波への影響は少なく、再現性よく正確な脈波情報を得ることができるので、臨床応用するのに充分な指標となり、また、任意の加速度脈波計にも、かつ任意の年齢層にも共通な基準となるパラメータである血管老化スコアを導きだし、このスコアに基づいて血管年齢を有意に評価することが可能となる。
かくして、本発明は、血管老化度を血管老化スコアや血管年齢で表現できるシステムであり、健康管理や疾病管理等の分野で適用可能である。

Claims (6)

  1. 被験者の加速度脈波の測定値から波形指数を求めて、測定した加速度脈波の波形が健常人の何歳の波形に相当するかを、健常人の波形指数の年齢と性別に応じた分布に基づいて算出し、これを被験者の血管年齢とする血管年齢の評価装置であって、被験者に対して得られた波形指数の値が、その被験者が属する年齢帯の標準分布範囲に入る時は、波形指数の若年側分布境界〜高齢側分布境界の範囲を年齢帯の年齢幅に分割して血管年齢を求めて血管年齢を評価すること、また、該被験者に対して得られた波形指数の値が、その被験者が属する年齢帯の標準分布範囲に入らない時は、健常人に対する年齢と性別に応じた波形指数の分布における若年側分布境界又は高齢側分布境界の値から血管年齢を求めて血管年齢を評価することを特徴とする血管年齢の評価装置。
  2. 被験者の加速度脈波の測定値から波形指数を求めて、測定した加速度脈波の波形が健常人の何歳の波形に相当するかを、健常人の波形指数の年齢と性別に応じた分布に基づいて算出し、これを被験者の血管年齢とする血管年齢の評価装置であって、被験者が60歳以上の高齢者である場合に、その被験者に対して得られた波形指数の値が、被験者が属する年齢帯の標準分布範囲から高齢者側に外れる時は、被験者の年齢における高齢側分布境界の波形指数値を通って60歳付近の高齢側分布境界の勾配を持つ直線から血管年齢を求めて血管年齢を評価することを特徴とする血管年齢の評価装置。
  3. 前記若年側分布境界が波形指数の平均値+標準偏差であり、また、高齢側分布境界が波形指数の平均値−標準偏差であることを特徴とする請求項1又は2記載の血管年齢の評価装置。
  4. 前記波形指数が、式:(d−b)/a(式中、aは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分のa波波形の基線から頂点までの距離を表し、bは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分の波形から数えて第2番目のb波波形の基線から頂点までの距離を表し、dは加速度脈波の成分のうち原波形の立ち上がり部分の波形から数えて第4番目のd波波形の基線から頂点までの距離を表す。)で表されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の血管年齢の評価装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の加速度脈波を、発光部と受光部とを有し、該発光部と該受光部とにより被験者の指の脈波を測定する反射型の脈波センサであって、該発光部が、該受光部より指の動脈血流の下流側に、その上面が該受光部の上面よりも突出するように配置され、さらに赤外線透過性の窓部が、その上面が指の腹部を載置する床面よりも該発光部及び該受光部の上方に所定の距離だけ突出するように配置され、さらに指の先端部が該発光部よりも指動脈血流のさらに下流側に装着されるような空間が該床面の先端部分に設けられている脈波センサを用いて測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の血管年齢の評価装置。
  6. 前記窓部は、その上面が指の腹部を載置する床面より0.1〜0.5mm突出するように配置されており、前記受光部は、その上面が指の腹部を載置する床面と同じレベルになるように配置されているか、又は所定の距離だけ該床面より低くなるように配置されており、そして前記指の先端部を装着する空間の床面と対向する面に押圧材を取付け、該押圧材で発光部よりも指動脈血流のさらに下流側の指の先端部の上面を押さえるように構成し、該押圧材は、この押圧材で指の先端部の上面を押さえる際の圧力が50〜200gWとなるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の血管年齢の評価装置。
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