JP5080550B2 - 自律神経機能評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、脈波解析法を利用した自律神経機能評価装置に関する。
従来から、心拍変動性による自律神経機能を定量的指標で評価するために、非侵襲的で簡便に実施できる方法として、もっぱら心電計による計測に基づく評価法が実施されている。この心電図記録による自律神経機能判定は、100拍、150拍、2分間で判定されることが多い。この場合、心電図のR−R間隔の変動係数を求めて、年齢別の「正常値」を参考に臨床的に診断するのが一般的である。ただし、いわゆる「正常値」は普遍的な数値ではなく、文献上の数値を参考にした上で、各医療機関で独自に決めている。
心拍変動性は加齢の影響を受け、その変動係数は加齢によって減少する。これは、これまで報告された心拍変動係数をまとめて示す表1から明らかである。
Figure 0005080550
上記心拍変動係数の「正常値」に性差はないといわれている。また、昼間の心拍変動係数は低く、夜間の心拍変動係数は高いという日内変動を示すが、日中変動の幅は2%以内であって有意差はなく判定に影響はないことが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。また、心拍変動性の低下は、自律神経機能の異常、なかでも副交感神経機能低下を反映するものと考えられている。この自律神経機能の異常とは、交感神経機能と副交感神経機能とのバランスの異常である。
例えば、糖尿病患者では、しびれ、アキレス腱反射の減弱又は消失、振動覚障害などの体性神経障害とともに、消化管機能異常、排尿障害、起立性低血圧などの自律神経障害が多くみられるが、このような自律神経症状のない患者でも、心電図R−R間隔の心拍変動係数は減少していることが多い(例えば、非特許文献2参照)。また、一部の脳梗塞患者や、神経疾患の患者でも心拍変動係数の低下がみられる(例えば、非特許文献3参照)。このような自律神経機能異常は循環動態の不安定化を招き、合併症のリスクを高める。
また、脈波による心拍変動の計測も実験的には行われており、例えば、検出した容積脈波を微分した速度脈波を解析して心電図のR−R間隔に相当する情報を取り出す脈波解析法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、脈波による心拍変動の計測は未だ医療の現場では実用化されていない。
脈圧とは収縮期血圧と拡張期血圧との差であるが、これは1回拍出量と動脈系のコンプライアンスとの関数である。脈圧の波形は大動脈から末梢の動脈に行くにつれて変容していく。これは種々の部位において投射波と反射波とが合成され、共鳴が起こるからと考えられ、変容の程度は血管の性状又は特性の影響の総和とみることができる。大動脈と末梢動脈とにおける動脈内圧を比較すると、末梢動脈における平均動脈圧及び拡張期血圧は大動脈の場合よりも低い。しかし、収縮期血圧は、投射波と反射波との合成により、末梢動脈の方が高くなるため、脈圧は大きくなるという現象が起こる。それ故、末梢脈波の波形ほど中心脈波よりも凹凸が大きく波形判別がし易いという利点がある。それでも原波形は基線が安定せず変曲点の認識が困難な場合がある。
そこで、指先で測定する末梢脈波である容積脈波の原波形を2回微分して得られる二次微分波である加速度脈波が、より評価に適した波形として研究や臨床で利用されている。現在、多く使われている脈波計は光電式指先容積脈波計である。この脈波計の原理は、指先にヘモグロビンに吸光特異性のある波長の光を当てて、吸収光、又は反射光から血管内の血流の容積変化を求め、波形を得る方法に基づいている。容積脈波と圧脈波とは反映しているものは異なるが、波形のもつ意味は同等である。
上記末梢脈波の加速度脈波が生体のどのような生理活動(自律神経機能など)を表現しているのかについては、平均波形の変化と自律神経機能との対応の研究については知られているが、個々の成分波の変化と自律神経機能との対応を検討した研究については知られていない。
加速度脈波は心臓の収縮期の波形であり、a〜e波の5つの成分波をもつ(図1)。これらの成分波は、生体の条件により、また、加齢に応じて一定の変化をする。頂点aを有する成分波(a波)は原波形の立ち上がり部分の波形に相当し、頂点eを有する成分波(e波)は原波形の収縮終期のノッチ部分に相当する。それゆえ、期外収縮時や頻脈時にはa−e間隔は短縮し、各成分波も変形する。波形の基線より上を正、下を負の象限としたとき、a波は基線より常に上に位置する陽性波であり、b波は基線より常に下に位置する陰性波であり、c波、d波、e波は生体の条件により陽性又は陰性に変化する成分波である。
また、加速度脈波の波形は、加齢によって変化していくので、生理的変化と病的変化の判別も難しい。測定器械、測定環境、年齢などによって異なる波形を正しく評価するには、どのような条件にも適応できるような共通の波形評価法を確立しなければならない。すなわち、測定環境が同一であれば、どの器械にも、どの年齢層にも共通して使用できる共通の基準を作成し、それに基づいて評価することが必要であるが、いまだ有用な評価法は確立されていない。
特開2001−70265号公報(特許請求の範囲)
景山茂他:心電図R−R間隔変動、内科、55: 242-246(1985) Bernardi L., Ricordi L., Lazzari P. et al:Impaired circadian modulation of simpathetic activity in diabetes, Circulation, 1992; 86: 1443-1452 宮田正和、松浦達雄:CVR-R、心身医療、Vol. 3, No. 8 1991
自律神経活動評価としての心拍変動測定の基礎は、心臓の拍動の原因である心電パルスの発生間隔の変動である。特に、心室収縮の開始を表すR波の間隔(R−R間隔)を評価する。しかし、心電計による計測は簡便ではない。特に、体温計や血圧計による計測の場合と異なり、患者が家庭で測定して経過を見るということはできない。従って、上記のような心電図のR−R間隔の変動係数を求めて、自律神経機能を評価する簡便な方法の実施に使用するための自律神経機能評価装置の開発が求められている。
また、心電図のR−R間隔の変動係数の代わりに、容積脈波や速度脈波を利用して自律神経機能を評価しようとしても、基線変動や体動ノイズなどによる脈の誤診や検出ミスがあり、特に脈が小さい場合、判定が困難であるという問題もある。
そこで、本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、心電図に基づくのではなく、加速度脈波を用いて自律神経機能などを評価するための加速度脈波の解析法を利用する自律神経機能評価装置を提供することにある。
本発明の加速度脈波の変動解析による自律神経機能評価装置は、生体の脈波を検出して脈波の大きさに応じた信号を出力する脈波計測手段と、該脈波計測手段により得られた脈波の波形を2次微分して算出された加速度脈波の波形からその波形パラメータを解析する波形パラメータ解析手段とを備え、該波形パラメータ解析手段が、所定の時間連続して計測した脈波の波形を2次微分して加速度脈波を算出する手段と、この加速度脈波の連続する波形から心電図のR−R間隔の変動に対応するa−a間隔の変動を求める手段とを有し、さらに、隣り合うa−a間隔の変化が一定範囲を外れるものを除外したa−a間隔について、これらの値により標準a−a間隔を構成して、a−a間隔の異常を判定する手段を有することを特徴とする。
上記自律神経機能評価装置は、生体の脈波から心電図のR−R間隔の変動に対応する情報を求める脈波解析法であって、所定の時間連続して計測した脈波の波形を2次微分して加速度脈波を算出し、この加速度脈波の連続する波形からa−a間隔を求め、このa−a間隔の変動を心電図のR−R間隔の変動に対応する間隔とすることからなる脈波解析法において、隣り合うa−a間隔の変化が一定範囲を外れるものを除外したa−a間隔について、これらの値により標準a−a間隔を構成して、a−a間隔の異常を判定する脈波解析法の実施に使用することができる。
本発明によれば、所定の時間連続して計測した生体脈波の波形を2次微分して算出した加速度脈波の連続する波形からa−a間隔を求めて、このa−a間隔の変動が心電図のR−R間隔の変動に対応することから、このa−a間隔の変動性の評価を心電図による心拍変動性評価と同等のものとして、自律神経機能評価などに用いることができるという効果を奏する。本発明によれば、長時間連続測定や期外収縮波の検出も可能である。
また、これまでの心電計を用いる方法ではできなかった期外収縮補正後のa−a間隔変動のパワースペクトルが算出できるので、臨床上応用可能の範囲が広がるという利点がある。
さらに、加速度脈波測定は着衣の着脱もなく、座位にて指先の脈波を測定するだけであるから、心電図の場合よりもより簡便である。さらにまた、加速度脈波測定装置は心電計に比べて安価である。
従って、本発明によれば、糖尿病、神経障害、脳血管疾患、冠動脈疾患、喘息、更年期障害など多方面において、合併症リスクの予測や、治療効果判定、自己管理などにも幅広く用いることができる。
a、b、c、d、e波の5つの成分波をもつ加速度脈波の標準波形でり、心臓の収縮期の波形図。 脈波センサを用いて測定・記録した容積脈波、速度脈波(一次微分波)、加速度脈波(二次微分波)の波形図。 心電図(ECG)と加速度脈波(APG)とを同時測定した波形を示す波形図。 同時測定した加速度脈波のa−a間隔と心電図のR−R間隔との関係を示すグラフ。 加速度脈波解析のフロー図。 加速度脈波の波高差の積分(差積分)による類似度判定について説明するためのグラフ。 a−a間隔再判定処理の流れを説明するためのグラフ。 a−a間隔の異常値判定を説明するための、拍数に対するa−a間隔(msec)の関係を示すグラフ。 Taaの分布全体から正常範囲を決定すると異常a−a間隔が検出されないケースはあることを説明するための、拍数に対するa−a間隔(msec)の関係を示すグラフ。 拍数に対するa−a間隔(msec)の関係を示すグラフであって、単純推移平均ではうまくいかないケースを説明するためのグラフ。 a−a間隔の異常値判定に関し、推移平均と標準a−a間隔とを比較して、拍数に対するa−a間隔(msec)の関係を示すグラフ。 健康人についての加速度脈波のa−a間隔の変動係数(CVaa%)の平均値と標準偏差との関係を示すグラフ。 図12に示す各年代における標準的な変動係数の範囲を、[平均値−標準偏差]〜[平均値+標準偏差]として示すグラフ。 糖尿病患者の加速度脈波のa−a間隔の変動係数を健康人の場合と比較して示すグラフ。 本発明で用いることができる脈波センサの構造を示す断面図であり、(a)はこの脈波センサの要部である指装着部の模式的構造を示す断面図、(b)は図15(a)の発光部及び受光部の近傍の拡大断面図。 光の指向性を示す模式図であり、(a)は従来技術における発光素子と受光素子との指向性の影響について示す図、(b)は本発明における発光素子と受光素子との指向性の影響について示す図。 本発明で用いることができる別の脈波センサにおいてつば部を有する絶縁体キャップの周辺の模式的構造を示す断面図。 本発明で用いることができる更に別の脈波センサの構造を示す断面図であり、(a)はこの脈波センサの要部である指装着部の模式的構造を示す断面図、(b)は(a)の発光部及び受光部の近傍の拡大断面図。
本発明によれば、加速度脈波を変動解析し、この変動解析に基づいて自律神経機能などを評価し、各種医療診断や健康診断を行うことができる。この変動解析は、生体の指先に取り付けて使用される脈波センサの計測・検出結果に基づき行われる。この脈波センサからなる脈波測定装置は、所定の加速度脈波情報からa−a間隔を抽出するための脈波解析プログラムが組み込まれたマイクロコンピュータを有している。
図2に脈波センサ((株)ユメディカ社製のARTETT(登録商標))を用いて測定・記録した容積脈波、速度脈波(一次微分波)、加速度脈波(二次微分波)を示す。この加速度脈波は、図1に示すようにa波、b波、c波、d波、e波の5つの成分波をもつ。これら5つの成分波で構成される加速度脈波は心臓収縮期の波であり、これらの成分波は、生体の状態により、また、加齢に応じて一定の変化をしていく。ただし、e波は収縮と拡張の境界波である。なお、この脈波センサを用いて測定することにより、体動などによるノイズの発生を極力押さえた連続波形データを得ることができる。
図3に、心電図(ECG)と加速度脈波(APG)とを同時測定した波形を示す。図3から明らかなように、心電図R波の出現に一定の時間的な遅れ(α)を伴って、加速度脈波のa波が出現している。このとき、加速度脈波のa−a間隔(APG/aa間隔(Taa))は、心電図のR−R間隔(ECG/RR間隔)にほぼ一致する(図4)。
[加速度脈波a−a間隔の計測と変動係数算出]
本発明者らの知見によれば、血管の老化の程度を評価するための加速度脈波波形評価には、10秒から20秒程度までの測定期間において容積脈波が安定している期間の10拍程度が検出できれば充分であった。しかしながら、自律神経機能評価のためには、100拍以上、場合によっては15分以上の連続測定が必要であって、脈拍間隔の1msec以内の精度での連続測定が要求される。従って、一拍毎の個別加速度脈波の精度の高い検出と、a波の時間位置検出精度が問題となる。
上記したように、従来の自律神経活動評価における心拍変動測定の基礎は、心臓の拍動の原因である心電パルスの発生間隔の変動、特に、心室収縮の開始を表すR波の間隔(R−R間隔)の変動を測定し、評価することにある。このR−R間隔を、他の心拍検出手段で代用することも様々に行われている。例えば、心音や、頸動脈圧脈波、指尖容積脈波などで心拍数若しくは脈拍数を測定することが行われている。従来の方法では、一般的には、これらの拍動を電気信号に変換したもの(一般的には電圧)が一定レベルを超えるときにパルスを発生させて、1分間の拍数をカウントしているに過ぎない。
しかるに、数%程度の変動を計測しなければならない自律神経機能の評価のためには、ミリ秒程度の精度で個々の拍動の間隔を計測する必要があるので、パルスの発生位置が問題となる。
容積脈波は、基線が変動し、安定した検出が困難である。また、時間位置精度もでない。気温が低い場合や体調の影響により、脈波の振幅が非常に小さい場合があり、この場合、S/N(信号/雑音)比が小さくなり、脈の検出そのものができない場合がある。速度脈波や加速度脈波の検出も試みられているが、S/N比が悪い場合には、ノイズのピークが多く発生し、検出すべきピークの同定が困難である。
そして、この計測された心拍間隔が心電図のR−R間隔と一致していれば問題はないが、このことは必ずしも自明ではない。例えば、指尖容積脈波の極小点や極大点を拍動の時間位置として検出することが考えられるが、これらは、基線変動の影響を受けるし、個々の心拍の駆出力などの生理的な変動の影響も受けやすい。そして、検出する心拍変動係数が小さく、心電図のR−R間隔が1%以内となる自律神経障害を有効に検出するためには、少なくとも心電図のR−R間隔と数ミリ秒以内の精度での対応付けができている必要がある。しかし、従来の方法では、このような精度を達成することは困難である。
また、実用的な応用において、パーソナルコンピュータによる自動解析の出力結果が信頼できるものであるためには、異常なa−a間隔を検出したときに、誤検出(ノイズ若しくはa波以外のピークをa波として検出した場合)、又は検出ミス(実際に存在するa波を検出し損なった場合)によってa−a間隔を間違って計測したのか、あるいは実際のa−a間隔を検出しているのかが問題となる。
平均波形を算出して波形の特徴量だけを求める場合には、確実に個々の脈波を検出して検出できたものだけで平均を取ればよいが、連続するa−a間隔の変動を検出し、a−a間隔の異常、正常の判定をするためには、個々の脈波の検出精度を飛躍的に高める必要がある。実際上は、測定波形とa波検出位置とを同時に表示して確認するのが最善であり、如何に解析ソフトの解析精度が向上しようとも、視覚的な確認の必要性は残ると考えられるが、誤検出や検出ミスはできうる限り排除できるように構成すべきである。
以下、個別加速度脈波の検出・解析について、図5のフロー図を参照して説明する。
1.標準加速度脈波パラメータの初期値算出
測定開始時に、類似度判定のための標準加速度脈波とそのパラメータ及びa−a間隔異常判定のためのa−a間隔変動幅の初期値を求める必要がある。このため、波形をモニターしながら容積脈波の基線の変動及びノイズが少ないことを確認して測定を始め、容積脈波のピークやボトム若しくは立ち上がりを検出して脈波を切り出して、その時間間隔からa−a間隔とその変動幅を求めると共に、平均波形を求め、これから標準加速度脈波とa波波高値の初期値を求める。または、速度脈波や加速度脈波が安定していることを確認して、同様の処理をする。
以後、上で算出した標準値を用いて、測定開始時点から、改めて次の解析を行う。
2.a波候補の抽出
(1)測定加速度脈波の極大点を求め、求めた極大値とa波の標準波高値とを比較して、一定範囲(例えば、60〜180%)に入るものをa波候補とする。60%未満のものはノイズ若しくはe波を検出しているかもしれず、180%を超えるものはノイズの可能性が高いという問題がある。
3.個別加速度脈波のa波判定
上記したように、個別加速度脈波のa波判定条件として、a波の波高値で規格化した個別加速度脈波と標準加速度脈波との波高差の積分値若しくは多重(二重)積分値を用いて類似度を算出し、判定している。
(1)測定加速度脈波の波形を、標準加速度脈波のa波の波高値若しくはこのa波の波高値とa波候補の波高値との中間値で規格化する。この規格化は、測定加速度脈波の振幅に[(標準加速度脈波のa波の波高値)+q*(a波候補の波高値)]/[(1+q)*(a波候補の波高値)](qは0以上の実数値であり、実用的には1程度である)を乗じて行う。
(2)測定加速度脈波のa波候補点と標準加速度脈波のa波との時間(t)位置を合わせ(Taとする)、a波の波高値で規格化した測定加速度脈波と標準加速度脈波との波高差を求める。
(3)Ta−t1〜Ta+t2の範囲で、求めた波高差の絶対値を積分して類似度とする。ここで、t1は、例えば0.1秒とし、t2は、例えばa−e間隔程度の時間とすればよい。この範囲を広く取りすぎると、期外収縮などの不整脈で、e波直後に次ぎのa波が出現した場合など、拡張期の標準波形との差が大きく出て、類似度が小さくなり、脈が検出できなくなる。
この場合、Ta−t1〜Ta+t2の範囲で、波高差を積分したものの絶対値を更に積分(二重積分)して類似度としてもよい。
(4)類似度が高いとき、a波候補をa波として確定する。類似度が低いときは、a波候補をa波と判定せず、ノイズと判定して、再度a波候補の抽出を行う。
(5)今回確定したa波と前回のa波との時間差を求めて、これをa−a間隔Taaとして算出する。
上記した加速度脈波の波高差の積分値若しくは多重積分値を用いて類似度を評価する根拠は以下の通りである。
(1)一般的に、加速度脈波は基線変動に強いので、波高差で評価しても、容積脈波、速度脈波の基線変動の影響を受けないというメリットがある。しかし、微分波形は一般に高周波ノイズの影響を受けやすく、波高差での評価ではスパイク状のノイズには対応できない。
(2)加速度脈波の積分は基本的には速度脈波なので、速度脈波の波高差を類似度とすることが考えられる。しかしながら、この場合、速度脈波の基線変動が大きいと、判定ミスが発生する。これは、速度脈波の波形がまったく同形でも、基線変化分だけの波高差が発生するからである。一方、速度脈波の微分波形である加速度脈波の値は、速度脈波の波形の勾配であり、積分値は速度脈波の波高値の変化を表し、基線変動の影響を受けない。そこで、速度脈波に基線変動があっても、変動の影響が除去される微分波形(加速度脈波)から積分値を求めて、これから類似度を算出して評価することにより、安定した個別脈波の判定が可能となる。
(3)速度脈波にスパイク状のノイズが無視できない場合には、上記第3(3)項に示した二重積分による類似度評価が有効である。類似度を求めるための積分の変形として、特に限られるわけではなく、上記した絶対値の積分以外に、波形データを二乗したものを積分し、これの平方根を算出してもよい。
(4)なお、速度脈波の波高差を用いて類似度を評価する場合の上記問題点(基線変動が大きい)を解決するため、速度脈波を脈拍周期で積分した値を速度脈波の基線として補正することが考えられるが、不整脈がある場合にはうまくいかない。
次に、上記した加速度脈波の波高差の積分(差積分)による類似度判定について、図6を参照して詳細に説明する。図6の横軸は時間(msec)であり、縦軸は波高値である。
測定加速度脈波A1と標準加速度脈波A0との差A1−A0のゼロ点T(n)では、標準加速度に対応する速度脈波(標準速度脈波)V0の勾配と、測定加速度脈波に対応する速度脈波(測定速度脈波)V1の勾配とは一致しており、このときのV0に対するV1の波高差(V1−V0の値)をΔV(n)とする(図の場合、この値は負になっている)。差A1−A0が正の期間では、測定加速度脈波は標準加速度脈波に対して相対的に上昇し、負の期間では下降する。例えば、正の期間(T(0)からT(1)までの期間)における差分A1−A0の積分値は、速度脈波の波高値の上昇ΔV(1)−ΔV(0)を表しており、負の期間(T(1)からT(2)までの期間)におけるA1−A0の積分値は、速度脈波の波高値の下降ΔV(2)−ΔV(1)を表している。
一般的に、速度脈波は基線変動により全体のレベルが変化していることがある。図6に示した場合では、測定速度脈波V1の基線は低くなっており、このような場合、速度脈波の波高値で脈拍を検出すると検出ミスが発生することがある。標準速度脈波V0に対する測定速度脈波V1の波高差の変化は、このような基線変動の影響を受けない。従って、差分A1−A0の絶対値の積分は、速度脈波の基線変動の影響を受けずに、標準速度脈波V0に対する測定速度脈波V1の形状差の目安とすることができる。
しかしながら、波高差で評価する場合には、高周波ノイズやパルス状のノイズがあると、類似度の評価値が悪くなる。この問題は、差分A1−A0(絶対値ではない)の積分を行い、これの絶対値の積分から類似度を評価することにより解決できる。この場合は、基線変動の影響を除いて容積脈波の形状差を評価していることになる。
また、リアルタイム性を重視する場合、計算量削減のために上記第3(2)〜(4)項と第3(5)項とは順番を逆にしてもよい。つまり、a波候補と前回a波との時間間隔が正常範囲の時、類似度を評価せずにa波と判定し、a−a間隔が異常なときのみ、類似度を評価することもできる。
4.a−a間隔の異常値判定法
測定中にa−a間隔の異常が生じた場合、以下のようにしてその異常が判定される。
隣り合うa−a間隔Taaの変化DTaa、すなわち(a−a間隔変動)DTaa[n]=Taa[n]−Taa[n−1]が、一定範囲(例えば、DTaaの標準偏差Sdv_DTaaの2倍以内)を外れるTaaを除外したTaaについて、これらの値により標準a−a間隔を構成して、a−a間隔の異常を判定する。この標準a−a間隔は判定対象データ前後のデータの推移平均を用いることができるが、リアルタイム性考慮する場合、過去データの(重み付き)平均を用い、異常判定がでたデータに対して、未来データを含む(重み付き)平均で再判定すればよい。
リアルタイム性を考慮して、アルゴリズムを構成する場合は、評価している時点でのa−a間隔が、過去の平均的なa−a間隔、若しくは直前のa−a間隔(標準a−a間隔)を基準として、一定の基準値(例えば、4*Sdv_DTaa)を超えるとき、その時点の直後から順次、隣り合うa−a間隔の変化DTaaが一定範囲(例えば、2*Sdv_DTaa)内に入るTaaを数点選び出し、これらの値により標準a−a間隔を更新して、a−a間隔の異常を判定してもよい。
図7に基づいて、a−a間隔再判定処理の流れを説明する。
(1)t=0までのデータを用いて求めた標準a−a間隔をSt_Taa(補正前)とする。この標準a−a間隔の算出式は、例えば、後出(段落番号[0061]及び[0062])の重み付き平均による更新の際の算式による。
(2)t=1の時のTaa(Taa(1))をSt_Taa(補正前)と比較して異常と判定する。
(3)DTaa(2)=Taa(2)−Taa(1)を評価して、Taa(2)を平均値算出データとする。この評価は、前述のように、DTaaの標準偏差Sdv_DTaaから定めた閾値よりも、評価しているDTaaが小さければ平均値算出データとし、大きければ平均値算出データに含めないものとする。
(4)同様にして、DTaa(3)、DTaa(4)、DTaa(5)を評価し、Taa(3)、Taa(4)は平均値算出データから除外し、Taa(5)を平均値算出データとする。
(5)St_Taa(補正前)とTaa(2)、Taa(5)の平均値を求めてSt_Taa(補正後)とする。
(6)Taa(1)をSt_Taa(補正後)と比較し、(2)で一旦異常と判定した結果を、正常と再判定する。
図8は、実測データに本アルゴリズムを適用した場合の標準a−a間隔の推移を示す。図には、Taaの変化(前回Taaとの差)も示してあるが、これから分かるように、前回Taaの差のみでは異常Taaを判定することができない。
心拍間隔の変化は、カオス的であるともフラクタル的な変化パターンを示すとも言われており、非常に複雑であって、単一の判定基準で判定することが困難である。図8に示すようなステップ状の変化も正常な変化として解析データに含める必要がある。
一般によく用いられる単一の基準を適用する場合の問題点を次に説明する。
正常範囲を標準a−a間隔の±15%(85%〜115%)のような一定範囲とすることが考えられるが、a−a間隔の変動は個人差が大きいので、変動が大きい被験者の場合には、正常な変動を異常とする検出ミスが発生することが考えられ、逆に変動が小さい被験者の場合には、異常な変動を正常とする誤検出が発生することが考えられるので、好ましくない。
a−a間隔の平均値を基準にして、a−a間隔の分布全体から正常a−a間隔の範囲を定めた場合、上記と異なり、次のような問題点がある。ゆっくりした大きな変動において、例えばTaaが長いときに変動範囲内の短いTaaが発生すると、異常a−a間隔と判定すべきところが正常a−a間隔と判定されることになる(図9)。
また、判定対象になっているa−a間隔測定値Taa[n]の前後数拍の平均値を標準a−a間隔とすることの問題点、すなわち、推移平均から求めた標準a−a間隔からの差のみでは異常Taaが判定できない理由は次の通りである(図10)。
呼吸周期の変動幅が小さい場合に、大きなゆっくりした変化があるときで、呼吸周期の変動幅を超える階段状の変化があるとき、変化点前後の中間値が標準a−a間隔となる。このとき、この変化を正常と見なすのであれば、正常範囲の限界ThrDDTaaはこの階段状の変化の半分以上にする必要がある。ところがこの場合、単発のa−a間隔異常でこのThrDDTaa以内のものは、検出できないことになる。
また、図10に示すように、必ずしも異常とはいえないのに異常と判定される場合がある。
図11に、a−a間隔異常値判定に関し、上記で求めた標準a−a間隔と推移平均法で求めた標準a−a間隔とを、実測データについて比較したグラフを示す。この図から明らかなように、推移平均では、データ列に階段状のギャップがあるような場合に、正常データを異常データと判定するケースが発生するが、本法により判定ミス(誤判定)を回避することができる。
5.異常データの処理
(1)a−a間隔の統計解析(変動解析)においては、異常と判定されたa−a間隔は全て除外して解析する。
(2)スペクトル解析においては、以下の判定条件により期外収縮と判定された場合は、補正して解析を行う。その他の異常データがある場合は、異常データが含まれないよう、解析区間を分割して解析すべきである。
隣り合うa−a間隔の最初のa−a間隔が、標準a−a間隔より正常範囲を外れて短い場合で、前回a−a間隔と今回a−a間隔との和が、標準a−a間隔の1倍若しくは2倍を基準にして所定の範囲(例えば、0.75〜1.25若しくは1.5〜2.5倍)に入るとき、期外収縮と定める。
上記所定の範囲は、望ましくは隣り合うa−a間隔の差の変動の分布から定める。例えば、隣り合うa−a間隔の差の標準偏差をSdv_DTaaとして、±n*Sdv_DTaa(nの値は前者の場合、4〜5、後者の場合8〜10程度が望ましい)を所定の範囲とする。
6.標準波形及び標準パラメータの更新
前回測定のa波Ta[n−1]と今回測定のa波Ta[n]との差Taa[n]=Ta[n]−Ta[n−1]が、上記したように定めた正常範囲に入るとき、標準a−a間隔(St_Taa)、a−a間隔の変動幅(Sdv_DTaa)、標準a波波高値(St_ACCa)及び標準加速度脈波波形を更新する。
この更新は、例えば、平均値若しくは重み付き平均値による。重み付き平均による更新は次のような算式によってもよい。
St_Taa(今回)=((k−1)*St_Taa(前回)+Taa(正常測定値))/k
この場合、k=1のときは、今回測定のa−a間隔を次回の標準a−a間隔とすることに相当する。
標準加速度脈波については、前回a波Ta[n−1]を基準とする前回加速度脈波で、標準加速度脈波の波形を更新する。正常範囲に入らないときは更新しない。
上記のようにして個別加速度脈波を検出・解析すれば、期外収縮波やその他の異常値を除去して推定変動係数を算出できるので、期外収縮が存在する事実と変動係数評価とを別にでき、臨床上有用である。
[加速度脈波のa−a間隔の変動係数の標準参考値]
次に、加速度脈波のa−a間隔の変動係数の標準参考値、糖尿病患者のa−a間隔の変動係数、加速度脈波による自律神経機能評価の価値について説明する。
図4に示すように、心電図のR−R間隔と加速度脈波のa−a間隔とは一致している。通常、心電図は仰臥位で測定するのに対して、加速度脈波は座位で測定する。仰臥位と座位のふたつの姿勢においては、自律神経バランスの状態が異なるため、同一人であっても、それぞれの変動係数が異なることが考えられる。そこで、健康人121人について、加速度脈波を2分間記録して、a−a間隔の変動係数(CVaa%)の平均値と標準偏差とを年令別に算定した。年代別の変動係数を図12に示す。また、各年代における標準的な変動係数の範囲を、[平均値−標準偏差]〜[平均値+標準偏差]として図13に示す。
これらの図12及び13から明らかなように、加速度脈波のa−a間隔の変動係数は、加齢と共に減少するが、その標準偏差はほぼ同じ範囲内に入ることが分かる。
[糖尿病患者のa−a間隔の変動係数]
上記加速度脈波のa−a間隔の変動係数について、糖尿病患者と健康人とを比較した。糖尿病患者26人の加速度脈波を2分間記録して、上記したようにしてa−a間隔の変動係数を算出した。図14に健康人(Normal)と糖尿病患者(DM)との変動係数を比較して示す。図14から明らかなように、40代及び50代において糖尿病患者の変動係数の低下が見られた。
[加速度脈波による自律神経機能評価法の価値]
上記したように、加速度脈波a−a間隔の変動と心電図R−R間隔の変動とは対応する。従って、加速度脈波のa−a間隔の変動性の評価は心電図による心拍変動性評価と同等のものであるといえる。加速度脈波のa−a間隔の変動係数は、心電図のR−R間隔の変動係数よりも、年齢により0.2〜1.5程度高くでる可能性があるが、これは、座位測定のために仰臥位よりは呼吸の影響が大きいためであると考えられる。そこで、a−a間隔の変動係数は、その年代別標準参考値を参照しながら心拍変動性を判定することにより、自律神経機能評価に用いることができる。
上記システムでは、長時間連続測定や期外収縮波の検出も可能である。また、このシステムは、期外収縮除去後の推定変動係数を算出できるので、臨床上応用可能の範囲が広がるという利点がある。さらに、加速度脈波測定は着衣の着脱もなく、座位にて指先の脈波を測定するだけであるから、心電図の場合よりもより簡便である。さらにまた、加速度脈波測定装置は心電計に比べて安価である。従って、糖尿病、神経障害、脳血管疾患、冠動脈疾患、喘息、更年期障害など多方面において、合併症リスクの予測や、治療効果判定、自己管理などに幅広く用いることができる。
上記加速度脈波を測定するための脈波センサについて以下説明する。
本発明で用いることができる脈波センサは、発光部と受光部とを有し、発光部と受光部とにより被験者の指の脈波を測定する反射型の脈波センサであって、波形がかわってもa波の検出ができるものであれば特に制限はなく、従来の脈波計測装置を用いることができる。例えば、本発明者らが開発した脈波センサであって、発光部を、受光部より指の動脈血流の下流側に、その上面が受光部の上面よりも突出しかつ所定の距離だけ指の腹部を載置する床面よりも突出するように配置し、そして指の先端部を発光部よりも指動脈血流のさらに下流側に装着するための空間が床面の先端部分に設けられているようなものであってもよい。この場合、このように構成することにより、指の発光部に対する密着性が良好になると共に、指動脈血流の下流側が圧迫されても、上流側が圧迫されるのに比べて脈波への影響は少なく、再現性よく脈波情報を得ることができる。また、指と発光部との接触面積は発光部の上面の面積と等しくなり、指にかかる接触面積が小さいので、波形の変化はほとんどない。
上記発光部は、その上面が指の腹部を載置する床面より通常0.1〜1.5mm程度、好ましくは0.2〜1.0mm程度、さらに好ましくは0.3〜0.5mm程度突出するように配置されてもよい。発光部をこのように配置すると、指腹部の皮膚面が発光部上面から下に被さるので、測定データに対する外乱光や漏洩光や反射光の影響を小さくすることができると共に、被験者が指を装着する際に、その突出部に触れることによりセンサ位置を認識して、指を所定の位置に載置し易いという利点がある。しかし、0.1mm未満であると、センサ位置を確認し難いので、指先を所定位置に載置し難いと共に、測定データに対する反射光の影響が大きくなる。また、1.5mmを超えると、指皮膚面が床面から浮くため、不安定な装着状態になると共に、指を載置した時の指に対する圧力により波形の変形が生じて再現性が悪くなり、測定される脈波データにバラツキが生じて、正確な脈波情報を得ることが難しくなる。
上記受光部は、その上面が指の腹部を載置する床面と同じレベルになるように配置されているか、又は所定の距離だけ床面より低くなるように配置されていることが好ましく、これにより発光部に対する指の密着性がより良好になる。
上記指の先端部を装着する空間の床面と対向する面に押圧材を取付け、押圧材で発光部よりも指動脈血流のさらに下流側の指の先端部の上面を押さえるように構成することが好ましい。被験者は、脈波測定中に意識的・無意識的に指先に力を入れる場合がある。この場合に、力を抜くように指導すると、被験者の指の形状によっては、センサへの密着性が悪くなることがある。力を入れる場合も、力を抜く場合も、指の小さな動きによるノイズが発生する。押圧材を設けることにより、ノイズが減少し、測定データの再現性が増し、正確な脈波情報を得ることができる。
上記したように、押圧部位を指の先端部上面の小面積に限るように構成してあるので、押圧部位の上流側の指動脈血流部分の脈波を再現性よく正確に測定することができる。
上記発光部の側面は、発光部から指内に照射される光が外部に漏れるのを阻止しかつ指の腹部表面からの反射光を阻止するために、遮光壁で囲まれていることが好ましい。
上記発光部は、内面が照射光に対する反射特性を有する遮光壁内部に配置され、遮光壁の上端が、指の腹部を載置する床面から通常0.1〜1.5mm程度、好ましくは0.2〜1.0mm程度、さらに好ましくは0.3〜0.5mm程度突出するように構成され、指の腹部がこの上端に載置されて遮光壁上端全面を覆うようにすることが好ましい。遮光壁の上端をこのような範囲内になるように突出させると、指腹部の皮膚面が発光部上面から下に被さるので、測定データに対する外乱光や漏洩光や反射光の影響を小さくすることができると共に、被験者が指を装着する際に、遮光壁の突出位置に触れることによりセンサ位置を認識して、指を所定の位置に載置し易いという利点がある。
しかし、0.1mm未満であると、遮光壁位置を確認し難いので、指先を所定位置に載置し難いと共に、発光部からの照射光や指腹部表面からの反射光が漏れ易くなり、測定データに対する反射光の影響が大きくなる。また、1.5mmを超えると、指皮膚面が床面から浮くため、不安定な装着状態になると共に、指を載置した時の指に対する圧力により波形の変形が生じて再現性が悪くなり、測定される脈波データにバラツキが生じて、正確な脈波情報を得ることが難しくなる。
上記押圧材で指の先端部の上面を押さえる際の圧力を通常50〜200gW、望ましくは70〜150gWになるように構成することが好ましい。
また、本発明で用いることができる脈波センサは、発光部と受光部とを有し、発光部と受光部とにより被験者の指の脈波を測定する反射型の脈波センサにおいて、発光部を、受光部より指の動脈血流の下流側に、その上面が受光部の上面よりも突出するように配置し、また、発光部及び受光部の上方に、赤外線透過性の窓部を、窓部上面が指の腹部を載置する床面よりも所定の距離だけ突出するように配置し、そして指の先端部を発光部よりも指動脈血流のさらに下流側に装着するための空間が床面の先端部分に設けられているものであっても良い。
上記窓部の上面は、指の腹部を載置する床面より通常0.1〜1.5mm程度、望ましくは0.2〜1.0mm程度、更に望ましくは0.3〜0.5mm程度突出するように配置されることが好ましい。
上記押圧材で窓部より先の指の先端部の上面を押さえる際の圧力を通常50〜200gW、望ましくは70〜150gWになるように構成することが好ましい。50gW未満であると、脈波の振幅が小さく、測定時の振動や被験者の指のふるえによるノイズが入りやすく、また、被験者の緊張などにより測定波形が変形しやすい。また、200gWを超えると測定波形が極端に変形する。なお、指全体を加圧すると測定波形が変形し、再現性が低下する。
以下、図面を参照して本発明で用いることができる脈波センサについて図面を参照して詳細に説明する。
図15は、反射型脈波センサの要部である指装着部の断面構造を示す図(図15(a))、並びに発光部及び受光部の近傍を拡大して示す図(図15(b))であり、指を装着した状態で示す。
この反射型脈波センサは、発光部及び受光部を有し、被験者の指を装着して脈波の測定ができるものであって、蓋部を構成する開閉自在の合成樹脂製の上方部分と、指腹部を載置することができるように構成された合成樹脂製の床部分とを有してなる。上方部分はその内面が指の外形に沿った形状をしていてもよく、また、床部分はその床面が平坦であっても又は外乱光を遮断するために指の付け根側がやや高く又は低くなるように傾斜した形状になっていてもよい。以下述べるように、上方部分の先端部には押圧材が設けられ、床面に載置した指の動脈血流の発光部よりもさらに下流側の指の先端部分を押さえて固定できるようになっており、また、床部分には発光部及び受光部が所定の位置に配置されている。この押圧材は、指の先端部分を押さえて固定できるものであればよく、例えば、クッション材や、バネ材のような板材などでよく、所定の圧力で指の先端部分を押さえることができるように構成されている。また、このセンサには、反射光の電流/電圧変換回路、増幅器が設けられており、このセンサをパーソナルコンピュータに接続すれば、センサからの出力に基づき正確な脈波情報を得ることができる。
この脈波センサの場合、指装着部に指を差し込み、指の先端部分の腹部に赤外線などの光を当てると、毛細血管中のヘモグロビン(赤血球)が光の一部を吸収し、光の反射量が変化する(血液量が多い部分は光の反射量が少なくなる)。この微妙な光の反射量の変化を検出し、検出された反射光を電流から電圧へ変換し、増幅器に送信し、増幅された信号電圧をパーソナルコンピュータを利用してAD変換して出力し、脈波情報として活用する。
脈波センサの要部を構成する指装着部には、図15(a)及び(b)に示すように、発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子からなる発光部1が、フォトダイオード(PD)などの半導体受光素子からなる受光部2よりも被験者の指3の動脈血流の下流側に配置される。指内の発光部1からの照射光1aの経路を見ると、発光部分の光束は、指内を進むにつれて拡散して拡がる。このため、発光部1からの入射光量変化による受光部2の光量変化は大きく、受光部2の位置変化による受光する拡散光の光量変化は小さい。従って、発光部1を指に密着するようにすることが必要となる。しかし、密着性を良くすることは、指に余分の圧力を加えることにつながる。そこで、本発明では、発光部1を受光部2より指動脈血流の下流側に配置し、指に余分の圧力が加わらないようにする。
また、発光部1は、その上面が受光部2の上面より所定の距離だけ突出する(すなわち、高くなる)ように配置される。すなわち、発光部1の高さH1が受光部2の高さH2より所定の距離だけ高くなるように構成する。指装着部の先端部分には、赤外LEDなどからなる発光部1から照射される光1aの経路よりも指動脈血流のさらに下流側に空間4が設けられ、指3の先端部がこの空間内に載置され得るように構成される。
指装着部の指腹部を載置する面は、指載置床面5として構成される。床面5には発光部1及び受光部2が所定の位置に設けられ、床面の先端部分は傾斜して立ち上がり、指の先端が適切に納まるように構成される。この指装着部において、発光部1の配置された位置より動脈血流の下流側であって、床面と対向する面に押圧材6が設けられる。この押圧材により、装着された指の先端部分(好ましくは、爪部)を軽く押さえ、装着された指が動かないように固定する。このように構成することにより、被験者の意識的・無意識的な指の小さな動きが少なくなって、ノイズ発生が減少し、その結果、測定波形の変化も少なくなる。なお、押圧材により動脈血流の下流側を圧迫しても、脈波への影響は小さい。
発光部1からの照射光1aが指の皮膚表面で反射して受光部2に入り込むと、この反射光がノイズとなり、受光部2に入る受光量が変動する。このために、正確な脈波を測定することができなくなる。また、照射光1aが脈波センサの外部に漏れると、照射光の効率が下がり、かつ、受光部が受け取る反射光2aの光量が減少して正確な脈波を測定することが困難になる。そのため、本発明では、余分な反射光や漏洩光を阻止するために、発光部1の側面を遮光壁7で囲むことが好ましい。
この遮光壁7は、反射光や漏洩光をなくすような形状であれば、その形状は問わないが、例えば、発光部1の外周形状に沿った円筒状などの形状が好ましい。装着された指は、この遮光壁の上面に7aの点で密着し、固定される。遮光壁7は、その受光部2側が黒色であってもよく、また、その内面が鏡面であってもよい。遮光壁の材料としては、赤外線を遮る性質を有する材料であれば特に制限はなく、例えば、赤外線を実質的に透過させないポリプロピレン系樹脂やABS系樹脂などの熱可塑性樹脂など、又はこれらに黒色塗装などの表面処理を施したものをあげることができる。
発光部1の上面に赤外線透過性の絶縁体キャップ8を設け、発光部1と指3とが直接接触しないようにする。これは、発光部の通電部に影響を及ぼさないようにするためと、発光部表面の汚れを清拭しないで済むようにするためである。絶縁体キャップ8の外形は、例えば、発光体1の上方部分の形状に沿った円筒形状などの形状であればよい。絶縁体キャップ8の上面を凹レンズで構成すれば、射出光の指向性をさらに広げることができる。この絶縁体キャップの材料としては、赤外線に対して透光性が高い赤外線透過性材料であれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂などをあげることができる。また、受光部2と指3とが直接接触して指に圧力がかからないように、受光部2と指3との間に隙間を設けるような構造とすることが好ましい。
発光部1の発光素子と受光部2の受光素子との指向性の影響について図16に示す。図16(a)に示すように、発光部1の発光素子と受光部2の受光素子との配置が従来の指向性が強い配置の場合、発光部1の発光ダイオードの光軸がずれると、有効な検出領域もずれる。しかし、本発明におけるように、指向性の弱い発光部1の発光素子と受光部2の受光素子とを接近して配置すれば、図16(b)に示すように、発光ダイオードの光軸のずれに対する有効検出領域のずれは相対的に小さい。そのため、得られる脈波情報は正確となる。
発光部1からの照射光の射出角(半値角)αを通常50度以上、好ましくは50〜85度、より好ましくは50〜80度とすることにより、有効検出領域のずれは相対的に少なくなる。50度未満であると、有効検出領域のずれが大きくなり、正確な脈波データを得ることが困難になる。
上記脈波センサにおいて、発光部1と受光部2との距離が長くなる程、加速度脈波の波形であるa波の振幅は小さくなり、ノイズ成分が発生し易くなって、測定波形の変形が大きくなる傾向がある。また、この距離が長い程、圧力の影響がある指部位の脈波を測定することになり、測定波形が変形し易い。そのため、発光部と受光部との距離を、所定の距離、例えば、通常8mm以内、好ましくは6mm以内に設定すれば、加速度脈波のa波の振幅及びb波とa波との比(b/a)は適切な範囲内に納まる。この場合、光軸のずれも少なく、有効検出領域のずれも少なく、また、波形は変形し難い。なお、この距離が上記範囲を外れた動脈上流側の指部位では、動脈血管が膨らんで、b/aが小さい(絶対値が大きい)状態になり、また、下流側の指部位では、鬱血状態となって、b/aが大きい(絶対値が小さい)状態になる。また、発光部と受光部との距離の下限は、特に制限はなく、発光部と受光部との物理的な大きさや脈波センサの大きさなどに依って所望により設定できる最低距離であればよい。例えば、2〜3mm程度に設定してもよい。
また、絶縁体キャップが脱落しないようにして、脈波センサ本体の取り扱い性を向上させるため、図17に示すように、絶縁体キャップ14の下方部分につば部14aを設けた構造としてもよい。図17において、11は発光部、11aは発光部からの照射光、12は受光部、13は遮光壁、15は指載置床面を示す。発光部11、受光部12、遮光壁13、床面15などの配置位置関係については、図15に示す場合と同様である。また、遮光壁13及び絶縁体キャップ14の材料も、図15に示す遮光壁7及び絶縁体キャップ8の材料と同様である。さらに、絶縁体キャップ14の上面を凹レンズで構成すれば、射出光の指向性をさらに広げることができる。
上記した脈波センサでは、受光部は、指に圧力がかからないように、その上面が指装着部の床面と同一高さ又はそれより下になるように配置される。これにより、受光部に入射する光の割合が最も多い受光部上面位置にあたる指部分が圧迫されないようになる。例えば、受光部を脈波センサの指載置床面より1mm程度低くなるように配置すればよい。
図18は、さらに別の反射型脈波センサの要部である指装着部の断面構造を示す図(図18(a))、並びに発光部及び受光部の近傍を拡大して示す図(図18(b))であり、指を装着した状態で示す。図18において、図15と同じ構成要素については同じ参照符号で示す。以下、図15の場合と異なる構成要素について説明する。
図18(a)及び(b)に示す実施の形態によれば、発光部1及び受光部2の上方に赤外線透過性の窓部9が設けられている。この窓部9は、その上面が被験者の指の腹部を載置する床面5よりも所定の距離(0.1mm以上、例えば約0.35mm)だけ高くなるように配置されている。窓部9を、図18(b)に示すように、発光部1及び受光部2を覆うように床面の縁端部上に載置して固定しても、又は縁端部の切欠き上に載置して固定してもよく、その配置の仕方に制限はない。窓部9を設けることにより、発光部1及び受光部2と被験者の指とが直接接触しないようになる。これにより、通電部に影響が及ぶことはなく、また、発光部及び受光部表面の汚れを清拭しないで済み、メンテナンスが楽になる。
窓部9の外形は特に制限されず、例えば、厚さ0.5mm程度の板状でよい。この窓部9の上面を凹レンズで構成すれば、射出光の指向性をさらに広げることができる。この窓部の材料としては、赤外線に対して透光性が高い赤外線透過性材料であれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂などをあげることができる。
上記脈波センサによれば、発光部を、受光部より指の動脈血流の下流側に、その上面が受光部の上面よりも所定の距離突出しかつ所定の距離だけ指の腹部を載置する床面よりも突出するように配置し、そして指の先端部が発光部よりも指動脈血流のさらに下流側に装着され得るように、床面の先端部分に空間を設けてあるので、指の発光部に対する密着性が良好になると共に、指動脈血流の下流側が圧迫されても、上流側が圧迫されるのに比べて脈波への影響は少なく、再現性よく正確な脈波情報を得ることができる。
また、発光部及び受光部の上方に赤外線透過性の窓部を配置する場合、窓部の上面が指の腹部を載置する床面よりも所定の距離だけ突出するように配置してあるので、測定波形への影響は少なく、再現性よく正確な脈波情報を得ることができる。
以下、本発明の自立神経機能評価装置に関連する技術に関して説明する。
本発明の自立神経機能評価装置において利用する脈波解析法は、生体の脈波から心電図のR−R間隔の変動に対応する情報を求める脈波解析法であって、所定の時間連続して計測した脈波の波形を2次微分して加速度脈波を算出し、この加速度脈波の連続する波形からa−a間隔を求め、このa−a間隔の変動を心電図のR−R間隔の変動に対応する間隔とすることからなる。
上記脈波解析法はまた、生体の脈波から心電図のR−R間隔の変動に対応する情報を求める脈波解析法であって、過去の加速度脈波、好ましくは過去数拍から数十拍の加速度脈波から求めた基準(標準)となる波形を標準加速度脈波とし、この標準加速度脈波と測定加速度脈波との波形の類似度を評価して個別加速度脈波を決定し、この個別加速度脈波の連続する波形からa−a間隔を求め、このa−a間隔の変動を心電図のR−R間隔の変動に対応する間隔とすることからなる。
上記波形の類似度の評価を、測定加速度脈波のa波候補の波高値が標準加速度脈波のa波の波高値と同一若しくは両者の中間値になるように規格化した波形を用いて行い、また、標準加速度脈波のa波と測定加速度脈波のa波候補との時間位置を合わせ、規格化した測定加速度脈波と標準加速度脈波との波高差を求めて行うことからなる。
上記波形の類似度の評価を、個別加速度脈波のa波判定条件として、測定加速度脈波をそのa波候補の波高値と標準加速度脈波のa波波高値との中間値若しくはa波波高値で規格化した個別加速度脈波と標準加速度脈波との波高差の積分値又は多重積分値を用いて算出した類似度に基づいて行うことからなる。
上記脈波解析法において、隣り合うa−a間隔の変化が一定範囲を外れるものを除外したa−a間隔について、これらの値により標準a−a間隔を構成して、a−a間隔の異常を判定することからなる。
上記標準a−a間隔として、過去のデータの平均若しくは重み付き平均を用い、異常判定がでたデータに対して、未来データを含む平均若しくは重み付き平均で再判定することを特徴とする。以下、「平均若しくは重み付き平均」を簡略的に「(重み付き)平均」と言うこともある。
上記脈波解析法において、評価している時点のa−a間隔が、過去の平均的なa−a間隔、又は未来よりも過去のa−a間隔データの重みを大きくした重み付き推移平均、又は直前のa−a間隔を基準として、一定の基準値を超えるとき、その時点の直後から順次、隣り合うa−a間隔の変化が一定範囲内に入るものを数点選び出し、これらの値により標準a−a間隔を更新して、a−a間隔の異常を判定することからなる。
上記脈波解析法において、生体の脈波を、発光部と受光部とを有する反射型脈波センサであって、発光部が、受光部より指の動脈血流の下流側に、その上面が受光部の上面よりも突出しかつ所定の距離だけ指の腹部を載置する床面よりも突出するように配置され、そして指の先端部を発光部よりも指動脈血流のさらに下流側に装着するための空間が床面の先端部分に設けられている脈波センサに指先を装着して測定することからなる。
脈波の測定は、上記脈波センサの発光部がその上面が指の腹部を載置する床面より0.1〜1.5mm突出するように、発光部が配置されている脈波センサを用いて行われる。
上記脈波の測定は、脈波センサの受光部の上面が発光部の上面と同一レベルか若しくはそれより下になるように、また、所定の距離だけ床面より低くなるように、受光部が配置されている脈波センサを用いて行われる。
上記脈波の測定は、脈波センサの指の先端部を装着する空間の床面と対向する面に押圧材が取付けられ、この押圧材で発光部よりも指動脈血流のさらに下流側の指の先端部の上面を押さえるように構成されている脈波センサを用いて行われる。
上記押圧材は、この押圧材で発光部よりも指動脈血流のさらに下流側の指の先端部の上面を50〜200gWの圧力で押さえるように構成されている。
上記脈波の測定は、脈波センサの発光部の側面が、内面が照射光に対する反射特性を有する遮光壁で囲まれ、そして遮光壁上端が指の腹部を載置する床面から0.1〜1.5mm突出するように構成されている脈波センサを用いて行われる。
上記脈波の測定は、脈波センサの発光部及び受光部の上方に、赤外線透過性の窓部を、窓部上面が指の腹部を載置する床面よりも所定の距離だけ突出するように配置してある上記脈波センサを用いて行われることを特徴とする。
上記窓部の上面が指の腹部を載置する床面より0.1〜0.5mm突出するように配置されている。
また、自律神経機能評価法は、上記脈波解析法に基づき、連続するa−a間隔について、隣り合うa−a間隔の最初のa−a間隔が標準a−a間隔より正常範囲を外れて短い場合で、かつ、前回のa−a間隔と今回のa−a間隔との和が標準a−a間隔の1倍若しくは2倍を基準にしてa−a間隔の変動の分布から定まる所定の範囲に入るとき、期外収縮と判定することを特徴とする。
この自律神経機能評価法はまた、a−a間隔の統計量に基づいて自律神経機能を評価する方法であって、上記脈波解析法に基づき、a−a間隔が正常範囲を外れる場合はこれを除外してa−a間隔の統計量を算出し、これに基づいて自律神経機能を評価することを特徴とする。
この自律神経機能評価法はまた、a−a間隔の時間変動を周波数解析して自律神経機能を評価する方法であって、隣り合うa−a間隔について、最初のa−a間隔が、上記脈波解析法に基づき、標準a−a間隔より正常範囲を外れて短い場合で、かつ、最初のa−a間隔と次のa−a間隔との和が、標準a−a間隔の1倍若しくは2倍を基準にして所定の範囲(例えば、0.75〜1.25若しくは1.5〜2.5倍)に入る時、1倍を基準とする場合には、最初のa−a間隔を最初のa−a間隔と次のa−a間隔との両者の和に補正して次のa−a間隔を削除し、また、2倍を基準とする場合には、それぞれ二つのa−a間隔を両者の和の二分の一に補正して、周波数解析することにより自律神経機能を評価することを特徴とする。
上記自律神経機能評価法において、a−a間隔の変動性を各年代別標準参考値を参照しながら評価することにより、自律神経機能を評価することを特徴とする。
上記自律神経機能評価法において、上記脈波解析法に基づき、長時間連続測定や期外収縮波の検出を行うことにより、また、期外収縮除去後の推定変動係数を算出することにより、糖尿病、神経障害、脳血管疾患、冠動脈疾患、喘息、更年期障害などを含めて、合併症リスクの予測や、治療効果判定、自己健康管理を行うことを特徴とする。
1 発光部 2 受光部
2a 反射光 H1 発光部の高さ
2 受光部の高さ 3 指
4 空間 5 指載置床面
6 押圧材 7 遮光壁
7a 指と遮光壁との密着点 9 窓部
15 指載置床面 α 照射光の射出角(半値角)

Claims (1)

  1. 生体の脈波を検出して脈波の大きさに応じた信号を出力する脈波計測手段と、該脈波計測手段により得られた脈波の波形を2次微分して算出された加速度脈波の波形からその波形パラメータを解析する波形パラメータ解析手段とを備え、該波形パラメータ解析手段が、所定の時間連続して計測した脈波の波形を2次微分して加速度脈波を算出する手段と、この加速度脈波の連続する波形から心電図のR−R間隔の変動に対応するa−a間隔の変動を求める手段とを有し、さらに、隣り合うa−a間隔の変化が一定範囲を外れるものを除外したa−a間隔について、これらの値により標準a−a間隔を構成して、a−a間隔の異常を判定する手段を有することを特徴とする加速度脈波の変動解析による自律神経機能評価装置。
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