JP2003289170A - 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび半導体レーザモジュールを用いた光ファイバ増幅器 - Google Patents

半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび半導体レーザモジュールを用いた光ファイバ増幅器

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JP2003289170A JP2003072712A JP2003072712A JP2003289170A JP 2003289170 A JP2003289170 A JP 2003289170A JP 2003072712 A JP2003072712 A JP 2003072712A JP 2003072712 A JP2003072712 A JP 2003072712A JP 2003289170 A JP2003289170 A JP 2003289170A
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定し、高利得を得ることができ、また発振
波長を任意に制御できるラマン増幅器用光源に適した半
導体レーザ装置、半導体レーザモジュール、および発振
波長を制御できる励起光源を使用したラマン増幅器を提
供することを目的とする。 【解決手段】 n−InP基板1上に順次n−InPク
ラッド層2、GRIN−SCH−MQW活性層3、p−
InPスペーサ層4、p−InPクラッド層6、P−I
nGaAsPコンタクト層8を積層し、n−InP基板
1の下部にはn型電極11を配置する。また、p−In
Pスペーサ層4の一部領域において回折格子13を配置
し、P−InGaAsPコンタクト層8上には回折格子
13に対応した領域にp側電極10bを、それ以外の領
域にp側電極10aを配置し、p側電極10a、10b
の間には電気的分離溝16を配置して互いを空間的に、
または、電気的に分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】安定した光利得を得ることの
できる光ファイバ増幅器の励起光源と、レーザ光の発振
波長を広範囲の波長域に渡って制御することができる励
起光源、およびこれらを用いた光ファイバ増幅器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットをはじめとする様
々なマルチメディアの普及に伴って、光通信に対する大
容量化の要求が大きくなっている。従来、光通信では、
光ファイバによる光の吸収が少ない波長である1310
nmもしくは1550nmの帯域において、それぞれ単
一の波長による伝送が一般的であった。この方式では、
多くの情報を伝達するためには伝送経路に敷設する光フ
ァイバの芯数を増やす必要があり、伝送容量の増加に伴
ってコストが増加するという問題点があった。
【0003】そこで、高密度波長分割多重(DWDM:
Dense-Wavelength Division Multiplexing)通信方式が
用いられるようになった。このDWDM通信方式は、主
にEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)を用い、
この動作帯域である1550nm帯において、複数の波
長を使用して伝送を行う方式である。このDWDM通信
方式あるいはWDM通信方式では、1本の光ファイバを
用いて複数の異なる波長の光信号を同時に伝送すること
から、新たな線路を敷設する必要がなく、ネットワーク
の伝送容量の飛躍的な増加をもたらすことを可能として
いる。
【0004】このEDFAを用いた一般的なWDM通信
方式では、利得平坦化の容易な1550nm帯から実用
化され、最近では、利得係数が小さいために利用されて
いなかった1580nm帯にまで拡大している。しかし
ながら、EDFAで増幅可能な帯域に比して光ファイバ
の低損失帯域の方が広いことから、EDFAの帯域外で
動作する光ファイバ増幅器、たとえば、ラマン増幅器へ
の関心が高まっている。
【0005】ラマン増幅器は、エルビウムのような希土
類イオンを媒体とした光ファイバ増幅器がイオンのエネ
ルギー準位によって利得波長帯が決まるのに対し、励起
光の波長によって利得波長帯が決まるという特徴を持
ち、励起光波長を選択することによって任意の波長帯を
増幅することができる。
【0006】ラマン増幅では、光ファイバに強い励起光
を入射すると、誘導ラマン散乱によって、励起光波長か
ら約100nm程度長波長側に利得が現れ、この励起さ
れた状態の光ファイバに、この利得を有する波長帯域の
信号光を入射すると、この信号光が増幅されるというも
のである。したがって、ラマン増幅器を用いたWDM通
信方式では、EDFAを用いた通信方式に比して、信号
光のチャネル数をさらに増加させることができる。
【0007】図22は、WDM通信システムに用いられ
る従来のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
図22において、ファブリペロー型の半導体発光素子1
80a〜180dとファイバグレーディング181a〜
181dとがそれぞれ対となった半導体レーザモジュー
ル182a〜182dは、励起光のもとになるレーザ光
を偏波合成カプラ61a,61bに出力する。各半導体
レーザモジュール182a,182bが出力するレーザ
光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ61aによっ
て異なる偏波面をもった光を合成している。同様にし
て、各半導体レーザモジュール182c,182dが出
力するレーザ光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ
61bによって異なる偏波面をもった光を合成してい
る。偏波合成カプラ61a,61bは、それぞれ偏波合
成したレーザ光をWDMカプラ62に出力する。なお、
偏波合成カプラ61a,61bから出力されるレーザ光
の波長は異なる。
【0008】WDMカプラ62は、アイソレータ60を
介して偏波合成カプラ61a,61bから出力されたレ
ーザ光を合波し、WDMカプラ65を介し、励起光とし
て増幅用ファイバ64に出力する。この励起光が入力さ
れた増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が、信
号光入力ファイバ69からアイソレータ63を介して入
力され、励起光と合波してラマン増幅される。
【0009】増幅用ファイバ64内においてラマン増幅
された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およ
びアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67
に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号
光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を
出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力す
る。
【0010】制御回路68は、入力された一部の増幅信
号光をもとに各半導体発光素子180a〜180dの発
光状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯
域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0011】図23は、ファイバグレーディングを用い
た半導体レーザモジュールの概要構成を示す図である。
図23において、この半導体レーザモジュールは、半導
体発光素子202と光ファイバ203とを有する。半導
体発光素子202は、活性層221を有する。活性層2
21は、一端に光反射面222が設けられ、他端に光出
射面223が設けられる。活性層221内で生じた光
は、光反射面222で反射して、光出射面223から出
力される。
【0012】半導体発光素子202の光出射面223に
は、光ファイバ203が配置され、光出射面223と光
結合される。光ファイバ203内のコア232には、光
出射面223から所定位置にファイバグレーディング2
33が形成され、ファイバグレーディング233は、特
性波長の光を選択的に反射する。すなわち、ファイバグ
レーディング233は、外部共振器として機能し、ファ
イバグレーディング233と光反射面222との間で共
振器を形成し、ファイバグレーディング233によって
選択された特定波長のレーザ光が増幅されて出力レーザ
光241として出力される。
【0013】
【非特許文献1】Yuichi Tohmori 他6名、「Broad-Ra
nge Wavelength-TunableSuperstructure Grating(SSG)
DBR Lasers」、IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONIC
S、pp1817-1823、VOL.29、NO.6、JUNE 1993
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た半導体レーザモジュール(182a〜182d)は、
ファイバグレーディング233と半導体発光素子202
との間隔が長いため、ファイバグレーディング233と
光反射面222との間の共振によって相対強度雑音(R
IN:Relative Intensity Noise)が大きくなる。ラマ
ン増幅では、増幅の生じる過程が早く起こるため、励起
光強度が揺らいでいると、ラマン利得も揺らぐことにな
り、このラマン利得の揺らぎがそのまま増幅された信号
強度の揺らぎとして出力されてしまい、安定したラマン
増幅を行わせることができないという問題点があった。
【0015】また、上述した半導体レーザモジュール
は、ファイバグレーディング233を有した光ファイバ
203と、半導体発光素子202とを光結合する必要が
あり、組立時の光軸合わせに時間と労力とがかかるとと
もに、共振器内における機械的な光結合であるために、
レーザの発振特性が機械的振動などによって変化してし
まうおそれがあり、安定した励起光を提供することがで
きない場合が生じるという問題点があった。
【0016】なお、ラマン増幅器としては、図22に示
したラマン増幅器のように信号光に対して後方から励起
する後方励起方式のほかに、信号光に対して前方から励
起する前方励起方式および双方向から励起する双方向励
起方式がある。現在、ラマン増幅器として多用されてい
るのは、後方励起方式である。その理由は、弱い信号光
が強い励起光とともに同方向に進行する前方励起方式で
は、励起光強度が揺らぐという問題があるからである。
したがって、前方励起方式にも適用できる安定した励起
光源の出現が要望されている。すなわち、従来のファイ
バグレーディングを用いた半導体レーザモジュールを用
いると、適用できる励起方式が制限されるという問題点
があった。
【0017】また、ラマン増幅器におけるラマン増幅で
は、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とが一致する
ことを条件としている。すなわち、ラマン増幅では、増
幅利得の偏波依存性があり、信号光の偏波方向と励起光
の偏波方向とのずれによる影響を小さくする必要があ
る。ここで、後方励起方式の場合、信号光は、伝搬中に
偏波がランダムとなるため、問題は生じないが、前方励
起方式の場合、偏波依存性が強く、励起光の直交偏波合
成、デボラライズなどによって偏波依存性を小さくする
必要がある。すなわち、偏光度(DOP:Degree Of Po
larization)を小さくする必要がある。
【0018】さらに、ラマン増幅は、得られるラマン利
得が比較的低いため、高出力のラマン増幅用励起光源の
出現が望まれていた。また、波長多重されたラマン増幅
器に使用される励起光源は波長に対する要求が厳しく、
波長の種類が多いだけでなくいったん波長が固定される
と変更ができないため、製造、在庫、コストなどの面で
問題となっていた。
【0019】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
安定し、高利得を得ることができ、また発振波長を任意
に制御できるラマン増幅器用光源に適した半導体レーザ
装置、半導体レーザモジュール、および発振波長を制御
できる励起光源を使用したラマン増幅器を提供すること
を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる半導体レーザ装置は、第1導電型
の半導体基板と、該半導体基板上に積層された第1導電
型の半導体バッファ層と、該半導体バッファ層上に積層
された活性層と、該活性層上に積層された第1の電極
と、前記半導体基板下面に配置された第2の電極とを有
する半導体レーザ装置において、前記活性層上に積層さ
れた第2導電型のスペーサ層と、該第2導電型のスペー
サ層の一部領域に配置され、特定の中心波長を有する複
数の発振縦モードを備えたレーザ光を選択する回折格子
とを備え、前記第1の電極が、前記回折格子が配置され
た前記一部領域上に配置された第3の電極と、他の領域
に配置された第4の電極とに空間的に、または、電気的
に分離されていることを特徴とする。
【0021】この請求項1の発明によれば、回折格子が
配置された一部領域上に配置された第3の電極と、それ
以外の領域に配置された第4の電極とに空間的に、また
は、電気的に分離されているため、光発光出力を制御す
る電流と、回折格子の屈折率変化を制御する電流とを別
々に印加することができる。
【0022】また、請求項2にかかる半導体レーザ装置
は、第1導電型の半導体基板と、該半導体基板上に積層
された第1導電型の半導体バッファ層と、該半導体バッ
ファ層上に積層された活性層と、該活性層上に積層され
た第1の電極と、前記半導体基板下面に配置された第2
の電極とを有する半導体レーザ装置において、前記活性
層上に積層された第2導電型のスペーサ層と、該第2導
電型のスペーサ層の一部領域に配置され、特定の中心波
長を有する複数の発振縦モードを備えたレーザ光を選択
する回折格子とを備え、前記第1の電極が、前記回折格
子が配置された前記一部領域上において、櫛形構造を有
することを特徴とする。
【0023】この請求項2の発明によれば、回折格子に
流入する電流が一様でなく、場所に応じて電流密度が異
なるため、回折格子を構成する各格子の屈折率を任意に
変化させることができる。
【0024】また、請求項3にかかる半導体レーザ装置
は、第1導電型の半導体基板と、該半導体基板上に積層
された第1導電型の半導体バッファ層と、該半導体バッ
ファ層上に積層された活性層と、該活性層上に積層され
た第1の電極と、前記半導体基板下面に配置された第2
の電極とを有する半導体レーザ装置において、前記活性
層上に積層された第2導電型のスペーサ層と、該第2導
電型のスペーサ層の一部領域に配置され、特定の中心波
長を有する複数の発振縦モードを備えたレーザ光を選択
する回折格子と、を備え、前記第1の電極が、前記回折
格子が配置された前記一部領域上に配置された第3の電
極と、他の領域に配置された第4の電極とに空間的に、
または、電気的に分離され、前記第3の電極は、櫛形構
造を有することを特徴とする。
【0025】この請求項3の発明によれば、第3の電極
と第4の電極とに空間的に、または、電気的に分離する
ことで光出力制御のための電流と、回折格子の屈折率制
御のための電流とを別々に制御することができ、櫛形構
造を有することで、回折格子に流入する電流の密度を場
所に応じて変化させることにより回折格子を構成する各
格子の屈折率を任意に変化させることができる。
【0026】また、請求項4にかかる半導体レーザ装置
は、前記回折格子の上部に形成された前記第3の電極あ
るいは前記第1の電極に印加する電流量を変化させて前
記特定の中心波長をシフトさせることを特徴とする。
【0027】この請求項4の発明によれば、前記回折格
子の上部に形成された前記第3の電極あるいは前記第1
の電極に印加する電流量を変化させて前記特定の中心波
長をシフトさせるようにし、マルチモード発振の可変波
長レーザを実現している。
【0028】また、請求項5にかかる半導体レーザ装置
は、前記一部領域と異なる他の一部領域に設けられ、前
記回折格子の反射モード間隔とは異なる他の反射モード
間隔を有する他の回折格子を備え、前記第1の電極が、
前記他の回折格子が配置された前記他の一部領域上に配
置された第5の電極にさらに分離され、前記第3の電極
と前記第5の電極とに対する少なくとも一方の電流量を
変化させ、前記回折格子の反射モード間隔と前記他の回
折格子の反射モード間隔との差に基づいて前記特定の中
心波長をシフトさせることを特徴とする。
【0029】この請求項5の発明によれば、前記第3の
電極と前記第5の電極とに対する少なくとも一方の電流
量を変化させ、前記回折格子の反射モード間隔と前記他
の回折格子の反射モード間隔との差に基づいて前記特定
の中心波長をシフトさせるようにし、大きなシフト量を
有するマルチモード発振の可変波長レーザを実現してい
る。
【0030】また、請求項6にかかる半導体レーザ装置
は、上記の発明において、前記第1導電型の半導体バッ
ファ層と前記活性層との間に積層された第1導電型のク
ラッド層と、前記第2導電型のスペーサ層と前記第1の
電極との間に積層された第2導電型のクラッド層とをさ
らに有することを特徴とする。
【0031】この請求項6の発明によれば、活性層を上
下からクラッド層で挟み込む構造とすることで、ダブル
へテロ構造となり活性層にキャリアが集中するため、高
い効率でレーザ発振する半導体レーザ装置を実現でき
る。
【0032】また、請求項7にかかる半導体レーザモジ
ュールは、請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体
レーザ装置と、該半導体レーザ装置の温度を制御する温
調モジュールと、前記半導体レーザ装置から出射された
レーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体レ
ーザ装置と前記光ファイバと光結合をおこなう光結合レ
ンズ系とを備えたことを特徴とする。
【0033】この請求項7の発明によれば、請求項1〜
6のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置を用いるこ
とで、ファイバグレーディングを不要とし光軸あわせな
どをおこなう必要がなく、組立容易でありかつ機械的振
動などによって発振特性が変化することのない半導体レ
ーザモジュールを実現することができる。
【0034】また、請求項8にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装置
の光出力を測定する光検出器と、光ファイバ側からの反
射戻り光の入射を抑制するアイソレータとをさらに備え
たことを特徴とする。
【0035】この請求項8の発明によれば、光検出器を
設けることで光出力のモニタが可能で光出力の安定化を
図ることができ、アイソレータを備えたことで外部から
の反射光を防ぐことができる。
【0036】また、請求項9にかかる光ファイバ増幅器
は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体レーザ
装置、あるいは請求項5または6に記載の半導体レーザ
モジュールを用いた励起光源と、信号光と励起光とを合
成するためのカプラと、増幅用光ファイバとを備えたこ
とを特徴とする。
【0037】この請求項9の発明によれば、上記半導体
レーザ装置もしくは半導体レーザモジュールを含むこと
によって高い増幅率を有し、かつ安定した増幅をおこな
うことのできる光ファイバ増幅器を実現することができ
る。
【0038】また、請求項10にかかる光ファイバ増幅
器は、上記の発明において、前記増幅用光ファイバは、
ラマン増幅により光を増幅することを特徴とする。
【0039】この請求項10の発明によれば、ラマン増
幅によりおこなうことでより好適に光増幅をおこなうこ
とができる。
【0040】また、請求項11にかかる光ファイバ増幅
器は、レーザ光の波長を制御する手段を有する1以上の
励起光源と、前記励起光源から出力された励起光を光伝
送路に導入する合波器と、信号光を前記励起光によって
増幅する増幅媒体と、増幅された信号光出力の波長特性
を測定する測定手段と、前記励起光源を制御する制御回
路と、前記測定手段および前記制御回路と電気的に接続
された演算手段を有する光ファイバ増幅器であって、前
記演算手段は所定の利得波長特性を目標値として持ち、
前記測定手段による信号光出力の波長特性の測定結果を
もとにその測定結果が前記目標値に略一致するよう前記
制御回路の動作条件を与えることを特徴とする。
【0041】この請求項11の発明によれば、柔軟に励
起光波長を制御することにより容易に所望の利得波長特
性を満足するラマン増幅を行うことができる。
【0042】また、請求項12にかかる光ファイバ増幅
器は、励起光源の数が2以上であって、レーザ光の波長
を制御する手段を有する1以上の励起光源と複数の励起
光を合波する合波器を有し、前記複数の励起光源から出
力された励起光を前記合波器で合波したのちに合波器を
介して光伝送路に導入することを特徴とする。
【0043】この請求項12の発明によれば、励起光波
長を任意に制御することにより励起光源を交換すること
なく容易に増幅帯域を変化させることが可能な光ファイ
バ増幅器を与えることができる。
【0044】また、請求項13にかかる光ファイバ増幅
器は、請求項12に記載の光ファイバ増幅器であって、
前記複数の励起光を合波する合波器は、波長合波器であ
ることを特徴とする。
【0045】この請求項13の発明によれば、波長合波
器の適用波長帯を適切なものに設定することによって、
より広範囲の波長帯に適用可能な増幅帯域可変の光ファ
イバ増幅器を与えることができる。
【0046】また、請求項14にかかる光ファイバ増幅
器は、請求項12記載の光ファイバ増幅器であって、前
記複数の励起光を合波する合波器は、偏波合成器である
ことを特徴とする。
【0047】この請求項14の発明によれば、レーザ光
の波長を制御する手段を有する励起光源によって、その
他の任意の励起光源が所定の増幅利得を発生しなくなっ
た場合でも速やかに所定の光増幅特性に復帰させること
のできる、信頼度の高い光増幅器を与えることができ
る。
【0048】また、請求項15にかかる光通信システム
は、請求項11の光ファイバ増幅器が複数接続され、前
記複数の光ファイバ増幅器が互いに増幅利得の波長特性
を補償しあうように構成されていることを特徴とする。
【0049】この請求項15の発明によれば、複数の光
ファイバ増幅器が互いに増幅利得の波長特性を補償しあ
うことによって、システム全体として常に好適な光信号
強度を保つことができる。
【0050】また、請求項16にかかる光ファイバ増幅
器は、請求項11の光ファイバ増幅器と、前記光ファイ
バ増幅器の動作状態を確認する監視部、前記光ファイバ
増幅器を制御するための条件の入出力部を備えた制御部
を有し、前記光ファイバ増幅器と前記監視部、前記制御
部は互いに通信回線によって接続されていることを特徴
とする。
【0051】この請求項16の発明によれば、請求項1
1の光ファイバ増幅器の動作状況をシステム管理者が随
時管理し、適切な増幅特性を保つための作業を容易に行
うことができる。
【0052】また、請求項17にかかる光通信システム
は、請求項15の光通信システムであって、複数の光フ
ァイバ増幅器が通信回線上で接続されており、前記通信
回線にはさらに前記複数の光ファイバ増幅器の動作状態
を確認する監視部、制御するための制御部とが接続され
ており、前記監視部は前記複数の光ファイバ増幅器を含
む光通信システムの動作状況を監視し、前記制御部は前
記複数の光ファイバ増幅器を、前記監視部から得た情報
に基づき制御を行うことを特徴とする。
【0053】この請求項17の発明によれば、光通信シ
ステムの動作状況をシステム管理者が監視し、システム
全体として常に好適な光増幅特性を保つように複数の光
ファイバ増幅器を統合的に制御することが可能となる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明に
かかる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよ
び光ファイバ増幅器の好適な実施の形態について説明す
る。図面の記載において同一または類似部分には同一あ
るいは類似な符号を付している。ただし、図面は模式的
なものであり、層の厚みと幅との関係、各層の厚みの比
率などは現実のものとは異なることに留意する必要があ
る。また、図面の相互間においても互いの寸法の関係や
比率が異なる部分が含まれていることはもちろんであ
る。
【0055】(実施の形態1)まず、この発明の実施の
形態1にかかる半導体レーザ装置について、説明する。
図1は、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の側面
断面図を示し、図2は、図1に示す半導体レーザ装置の
A−A線断面図である。
【0056】本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置
は、図1に示すように、n−InP基板1の(100)
面上に、n−InPクラッド層2、GRIN−SCH−
MQW(Graded Index-Separate Confinement Hetero s
tructure Multi Quantum Well: 分布屈折率分離閉じ
こめ単一量子井戸)活性層3、p−InPスペーサ層
4、p−InPクラッド層6、p−InGaAsPコン
タクト層8、p側電極10が順次積層されている。ま
た、n−InP基板1下には、n側電極11が配置され
ている。
【0057】n−InPクラッド層2は、バッファ層と
しての機能およびクラッド層としての機能を果たすため
のものである。n−InPクラッド層2およびp−In
Pクラッド層6によってGRIN−SCH−MQW活性
層3を挟み込むことで本実施の形態1にかかる半導体レ
ーザ装置はダブルへテロ構造を有し、キャリアを効果的
に閉じ込めることで高い発光効率を有する。
【0058】また、図2に示すように、n−InPクラ
ッド層2の上部およびGRIN−SCH−MQW活性層
3、p−InPスペーサ層4、およびp−InPクラッ
ド層6の下部に接触してp−InPブロッキング層9
b、n−InPブロッキング層9aが順に配置されてい
る。これらp−InPブロッキング層9b、n−InP
ブロッキング層9aは、注入される電流がリークしない
よう電流をブロックするためのもの(BH構造)であ
り、かかる構造とすることでGRIN−SCH−MQW
活性層3を流れる電流の密度が高められ、発光効率が向
上する構造となっている。また、BH構造にすること
で、横モードが単一に制御された光を出力するので、レ
ーザの安定動作を行う機能がある。
【0059】また、本実施の形態1にかかる半導体レー
ザ装置は、出射側端面(図1における右側面)において
低反射膜15が全面に渡って配置され、反射側端面(図
1における左側面)において高反射膜14が全面に渡っ
て配置されている。
【0060】高反射膜14は、反射率80パーセント以
上、好ましくは98パーセント以上の光反射率を有す
る。一方、低反射膜15は、出射側端面におけるレーザ
光の反射を防止するためのものである。したがって、低
反射膜15は反射率の低い膜構造からなり、光反射率は
1パーセント以下、望ましくは0.5パーセント以下の
膜構造からなる。さらに好適には、0.1%以下の反射膜を
有する誘電体反射膜からなる。
【0061】さらに、p−InPスペーサ層4内部であ
りかつ出射側端面近傍において、回折格子13がレーザ
光の出射方向に配置されている。また、回折格子13
は、膜厚20nmを有し、レーザ光出射方向に50μm
の長さを有し、周期が約220nmである周期的な構造
となっているため、中心波長1480nm帯で複数の発
振縦モードを有するレーザ光を選択する。
【0062】回折格子13を構成する各格子は、p−I
nGaAsPで構成されており、本実施の形態1におい
て回折格子13は単一の周期からなる各格子の配列によ
って形成される。なお、回折格子13の低反射膜15側
の端部は、低反射膜15と接する構造とすることが望ま
しいが、100μm以内の距離であれば、低反射膜15
から離れた構造としてもよい。
【0063】回折格子13の上部であって、p−InG
aAsPコンタクト層8とp側電極10bとの間には電
気的分離溝16が配置されている。電気的分離溝16
は、p側電極10から注入された電流を回折格子13を
含む低反射膜15の近傍において流さないためのもので
ある。
【0064】次に、本実施の形態にかかる半導体レーザ
装置の動作について、説明する。p側電極10から注入
された電流は、GRIN−SCH−MQW活性層3にお
いてキャリアの発光再結合を引き起こし、発光した光は
回折格子13によって特定波長成分が選択され、出射側
端面から出射される。まず、簡単のためp側電極10b
を通じて流入する電流IbについてIb=0とした場合に
ついて、説明する。
【0065】本実施の形態1における半導体レーザ装置
は、ラマン増幅器の励起用光源として用いられることを
前提とし、その発振波長λ0は、1100nm〜155
0nmであり、共振器長Lは、800μm以上3200
μm以下としている。ところで、一般に、半導体レーザ
装置の共振器によって発生する縦モードのモード間隔Δ
λは、実効屈折率を「n」とすると、次式で表すことが
できる。すなわち、Δλ=λ02/(2・n・L)であ
る。ここで、発振波長λ0を1480nmとし、実効屈
折率を3.5とすると、共振器長Lが800μmのと
き、縦モードのモード間隔Δλは、約0.39nmとな
り、共振器長が3200μmのとき、縦モードのモード
間隔Δλは、約0.1nmとなる。すなわち、共振器長
Lを長くすればするほど、縦モードのモード間隔Δλは
狭くなり、単一縦モードのレーザ光を発振するための選
択条件が厳しくなる。
【0066】一方、本実施の形態1において、回折格子
13は、そのブラッグ波長によって縦モードを選択す
る。この回折格子13による選択波長特性は、図3に示
す発振波長スペクトル20として表される。
【0067】図3に示すように、本実施の形態1では、
回折格子13を有した半導体レーザ装置による発振波長
スペクトル20の半値幅Δλhで示される波長選択特性
内に、発振縦モードを複数存在させるようにしている。
従来のDFB(DistributedFeedback)半導体レーザ装
置あるいはDBR(Distributed Bragg Reflrector)半
導体レーザ装置では、共振器長Lを800μm以上とす
ると、単一縦モード発振が困難であったため、かかる共
振器長Lを有した半導体レーザ装置は用いられなかっ
た。しかしながら、この実施の形態1の半導体レーザ装
置では、共振器長Lを積極的に800μm以上とするこ
とによって、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に複
数の発振縦モードを含ませてレーザ出力するようにして
いる。図3では、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内
に3つの発振縦モード21〜23を有している。
【0068】複数の発振縦モードを有するレーザ光を用
いると、単一縦モードのレーザ光を用いた場合に比し
て、レーザ出力のピーク値を抑えて、高いレーザ出力値
を得ることができる。たとえば、この実施の形態1に示
した半導体レーザ装置では、図4(b)に示すプロファ
イルを有し、低いピーク値で高レーザ出力を得ることが
できる。これに対し、図4(a)は、同じレーザ出力を
得る場合の単一縦モード発振の半導体レーザ装置のプロ
ファイルであり、高いピーク値を有している。
【0069】ここで、半導体レーザ装置をラマン増幅器
の励起用光源として用いる場合、ラマン利得を大きくす
るために励起光出力パワーを増大することが好ましい
が、そのピーク値が高いと、誘導ブリルアン散乱が発生
し、雑音が増加するという不具合が発生する。誘導ブリ
ルアン散乱の発生は、誘導ブリルアン散乱が発生する閾
値Pthを有し、同じレーザ出力パワーを得る場合、図4
(b)に示すように、複数の発振縦モードを持たせ、そ
のピーク値を抑えることによって、誘導ブリルアン散乱
の閾値Pth内で、高い励起光出力パワーを得ることがで
き、その結果、高いラマン利得を得ることが可能とな
る。
【0070】また、発振縦モード21〜23の波長間隔
(モード間隔)Δλは、0.1nm以上としている。こ
れは、半導体レーザ装置をラマン増幅器の励起用光源と
して用いる場合、モード間隔Δλが0.1nm以下であ
ると、誘導ブリルアン散乱が発生する可能性が高くなる
からである。この結果、上述したモード間隔Δλの式に
よって、上述した共振器長Lが3200μm以下である
ことが好ましいことになる。
【0071】このような観点から、発振波長スペクトル
20の半値幅Δλh内に含まれる発振縦モードの本数
は、複数であることが望ましい。ところで、ラマン増幅
では、増幅利得に偏波依存性があるため、信号光の偏波
方向と励起光の偏波方向とのずれによる影響を小さくす
る必要がある。このための方法として、励起光を無偏光
化(デポラライズ)する方法があり、具体的には、2台
の半導体レーザ装置からの出力光を偏波合成する方法の
ほか、デポラライザとして所定長の偏波面保持ファイバ
を用いて、1台の半導体レーザ装置から出射されたレー
ザ光を、この偏波面保持ファイバに伝搬させる方法があ
る。無偏光化の方法として、後者の方法を使用する場合
には、発振縦モードの本数が増大するに従ってレーザ光
のコヒーレンシーが低くなるので、無偏光化に必要な偏
波面保持ファイバの長さを短くすることができる。特
に、発振縦モードが4,5本となると、急激に、必要な
偏波面保持ファイバの長さが短くなる。従って、ラマン
増幅器に使用するために半導体レーザ装置から出射され
るレーザ光を無偏光化する場合に、2台の半導体レーザ
装置の出射光を偏波合成して利用しなくても、1台の半
導体レーザ装置の出射レーザ光を無偏光化して利用する
ことが容易となるので、ラマン増幅器に使用される部品
数の削減、小型化を促進することができる。
【0072】ここで、発振波長スペクトル幅が広すぎる
と、波長合成カプラによる合波ロスが大きくなるととも
に、発振波長スペクトル幅内における波長の動きによっ
て、雑音や利得変動を発生させることになる。このた
め、発振波長スペクトル20の半値幅Δλhは、3nm
以下、好ましくは2nm以下とする必要がある。
【0073】さらに、従来の半導体レーザ装置では、図
23に示したように、ファイバグレーディングを用いた
半導体レーザモジュールとしていたため、ファイバグレ
ーディング233と光反射面222との間の共振によっ
て相対強度雑音(RIN)が大きくなり、安定したラマ
ン増幅を行うことができないが、この実施の形態1に示
した半導体レーザ装置では、ファイバグレーディング2
33を用いず、低反射膜15から出射したレーザ光をそ
のまま、ラマン増幅器の励起用光源として用いているた
め、相対強度雑音が小さくなり、その結果、ラマン利得
の揺らぎが小さくなり、安定したラマン増幅を行わせる
ことができる。
【0074】また、本実施の形態1にかかる半導体レー
ザ装置は、p−InGaAsPコンタクト層8上であっ
て、回折格子13に対応した領域にp側電極10bが配
置され、p側電極10bを通じて電流Ibが回折格子1
3に対して注入される。以下、回折格子13に対して電
流Ibが注入されることによる影響について、説明す
る。
【0075】一般に、回折格子13を構成するp−In
GaAsPおよびp−InPスペーサ層4は、注入電流
Ibが印加されることにより、発熱による影響が支配的
で、屈折率が増大するする。そのため、Ib=0の場合
と比較して光路長は長くなり、回折格子13の実効的な
周期も変化する。そのため、Ib≠0においては、Ibの
値の変化に対応して、回折格子13によって選択される
中心波長は変化する。
【0076】したがって、本実施の形態1にかかる半導
体レーザ装置は、Ibの値を制御することによって選択
される中心波長を制御することができる。これにより、
たとえば、実際に製造した半導体レーザ装置が、設計段
階で想定した中心波長を選択できない場合であっても、
Ibを制御することで所望の中心波長を選択することが
できる。そのため、本実施の形態1にかかる半導体レー
ザ装置は、実際の製造工程において、歩留まりを向上さ
せることができる。また、設計段階で想定した中心波長
と異なる中心波長を選択させたい場合であっても、Ib
を制御することで所望の中心波長を選択させることがで
きる。
【0077】さらに、光出力を制御するIaは、回折格
子13の選択する中心波長を制御するIbとは無関係に
変動させることができるため、選択する中心波長を一定
に保持したままで、半導体レーザ装置の光出力を任意に
変化させることができる。
【0078】ここで、図5は、上述した波長可変レーザ
としての半導体レーザ装置の反射特性を示している。図
5に示すように、ある波長帯域では高反射膜14は、8
0%以上の反射率を有し、ほぼこの反射率は変化しな
い。これは、たとえば、高反射率を有する誘電体多層膜
を反射側劈開面にコーティングすることによって実現で
きる。ところが、図5に示すように、低反射膜15の反
射特性は、回折格子13による波長選択特性を有する。
この回折格子13の物理特性は、回折格子13が、図3
に示すような多重モード発振を許容するに十分な帯域幅
の光を反射するような選択がなされる。すなわち、図5
に示した反射曲線20´は、図3に示した発振波長スペ
クトル20に対応する。さらに、図5において、反射曲
線20´は、p側電極10bを介して回折格子13に注
入される電流値に対応して波長がシフトする。図6は、
注入電流の変化によって達成される波長変化の具体例を
示している。図6に示すように、回折格子13への注入
電流によって2nm以上波長可変することができる。
【0079】(実施の形態2)次に、実施の形態2にか
かる半導体レーザ装置について、説明する。図7は、実
施の形態2にかかる半導体レーザ装置の構造を示す側面
断面図である。実施の形態2にかかる半導体レーザ装置
は、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置と同様に、
n−InP基板1の(100)面上に、n−InPクラ
ッド層2、GRIN−SCH−MQW活性層3、p−I
nPスペーサ層4、p−InPクラッド層6、p−In
GaAsPコンタクト層8が順次積層されている。ま
た、n−InP基板1下には、n側電極11が配置され
ている。さらに、レーザ光出射側(図7における右方
向)端面に低反射膜15が配置され、反射側(図7にお
ける左方向)端面に高反射膜14を有し、高反射膜14
の光反射率は80パーセント以上、低反射膜15の光反
射率は1パーセント以下としているのも実施の形態1と
同様である。さらに、p−InPスペーサ層4内部であ
って、低反射膜15の近傍には同一の周期および同一の
周期を有する回折格子13が配置されている。
【0080】そして、p−InGaAsPコンタクト層
8上にはp側電極24が配置されている。ここで、p側
電極24は、回折格子13の上部に対応した領域である
p側電極24bと、それ以外の領域であるp側電極24
aに分離して考えることができる。p側電極24aは、
p−InGaAsPコンタクト層8上に一様に堆積され
た構造を有するのに対し、p側電極24bは、p−In
GaAsPコンタクト層8に対して歯が接する誘電体電
気的分離溝を用いた櫛形構造からなる。したがって、p
側電極24から注入される電流は、p側電極24aの下
部においては一様に流入するのに対して、p側電極24
bの下部においては、櫛形構造の歯の部分から電流が注
入される。したがって、p側電極24bの下部において
は、流れる電流は一様ではなく、櫛形構造に依存して電
流密度は変化する。
【0081】ここで、実施の形態1においても説明した
ように、回折格子13およびその周囲の領域では、流入
する電流の大きさに応じて屈折率の変化が生じる。した
がって、元来回折格子13は単一の周期からなる構造で
あるが、p側電極24bから注入される電流の密度の変
化に応じて屈折率が変化し、光路長も変化する。したが
って、回折格子13は、実効的には異なる周期を有する
回折格子の集合となり、各周期は、p側電極24bを通
じて注入される電流の大きさによって制御される。
【0082】一例として、図8(a)に示すようにp側
電極24bの櫛形構造が、歯の太さが周期的に変化する
場合を示す。この場合に、p側電極24bから電流を注
入することにより回折格子13も、屈折率を加味して考
えると図8(a)に示すような構造となる。すなわち、
p側電極24bの櫛の歯の太さに対応して、注入される
電流の値は変化するため、その電流の大きさに応じて回
折格子13を構成する各格子はレーザ光出射方向に対し
て大きさが変化する。p側電極24bの櫛の歯の太さを
周期的に変化させることによって、回折格子13は、実
質的にはグレーティング周期を周期的に変化させた、図
8(b)に示すような、いわゆるチャープドグレーティ
ングとなる。このようなチャープドグレーティング構造
とすることにより、回折格子13の波長選択性に揺らぎ
を発生させ、発振波長スペクトルの半値幅を広げ、半値
幅内の発振縦モードの本数を増大させることができる。
【0083】また、他の例として、p側電極24bをさ
らに2つに分割し、櫛形構造が周期Λ1を有するp側電
極25aと、櫛形構造が周期Λ2(≠Λ1)を有するp側
電極25bとからなるp側電極24bを考える。この場
合、p側電極25aから流入する電流と、p側電極25
bから流入する電流の密度は異なり、電流密度の違いに
起因して回折格子13は、屈折率を考慮した実効的な周
期Λ1を有する部分と、同じく実効的な周期Λ2(≠Λ
1)を有する部分とに分かれる。
【0084】したがって、回折格子13によって、異な
る2つの中心波長λ1、λ2が選択され、発振されるレー
ザ光のスペクトルは図9(b)に示すような複合発振波
長スペクトルとなる。図9(b)において、周期Λ1の
部分によって、波長λ1の発振波長スペクトルを形成
し、この発振波長スペクトル内に3本の発振縦モードを
選択する。一方、周期Λ2の部分によって、波長λ2の発
振波長スペクトルを形成し、この発振波長スペクトル内
に3本の発振縦モードを形成する。また、図7において
は、中心波長λ1の短波長側の発振縦モードと、中心波
長λ2の長波長側の発振縦モードとが重なり合う構成と
なっている。
【0085】したがって、周期Λ1,Λ2の回折格子によ
る複合発振波長スペクトル35は、この複合発振波長ス
ペクトル35内に4〜5本の発振縦モードが含まれるこ
とになる。この結果、単一の中心波長に基づく複数の発
振縦モードを形成するときに比べ、一層多くの発振縦モ
ードを容易に選択出力することができ、光出力の増大を
もたらすことができる。
【0086】(実施の形態3)次に、実施の形態3にか
かる半導体レーザ装置について、図10を参照して説明
する。図10は、実施の形態3にかかる半導体レーザ装
置の構造を示す側面断面図である。なお、図10におい
て、図1および図7と同一または類似の部分についての
説明は省略する。
【0087】実施の形態3にかかる半導体レーザ装置
は、p−InGaAsPコンタクト層8上に配置された
p側電極が、一様に堆積されたp側電極27aと、櫛形
構造からなるp側電極27bとからなり、p側電極27
a、27bの間には電気的分離溝26が配置された構造
を有する。したがって、p側電極27a、27bから注
入される電流Ia、Ibは相互に独立に制御することがで
きる。
【0088】本実施の形態3にかかる半導体レーザ装置
は、p側電極27a、27bを電気的に絶縁した構造を
有することで、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置
と同様の利点を有する。すなわち、半導体レーザ装置の
光出力を制御するために変動するIaと無関係にIbを一
定の値に保持することができるため、Ibにより特定波
長の発振を得ることができる。
【0089】また、実施の形態1の場合と同様に、光出
力を制御する電流Ibと、回折格子13の選択する中心
波長を制御するIaとを互いに無関係に制御できるた
め、半導体レーザ装置の光出力を一定に保持したまま選
択する中心波長を変化させることができる。
【0090】さらに、本実施の形態3にかかる半導体レ
ーザ装置が、櫛形構造を有するp側電極27bを有する
ことで実施の形態2にかかる半導体レーザ装置同様、次
の利点を有する。すなわち、櫛形構造を有することで回
折格子13に流入する電流密度は一様ではなく、場所に
よって異なる。したがって、回折格子13を構成する各
格子およびその周囲の領域における屈折率の変化は一様
とはならずに、櫛形構造に依存する。そのため櫛形構造
をたとえば図8(a)、図9(a)に示すパターンとす
ることにより回折格子13の周期等を変化させたのと同
様の効果を得ることができ、チャープドグレイティング
構造や、2つの異なる選択波長を有する半導体レーザ装
置を実現することができる。なお、実施の形態1から3
において、電流注入を防ぐために絶縁膜を用いたが、p
型コンタクト層の上にn型半導体層、又は、n-p-n型半
導体多層構造による電流非注入構造であっても良い。さ
らに、実施の形態2、または、3に図示されている、電
極分離溝の下部に位置するp-GaInAsPコンタク
ト層および、p-InPクラッド層の一部を除去した構
造は、作製プロセス上、工程が複雑になるが、電気的分
離を行なうには、より好適な構造である。
【0091】(実施の形態4)つぎに、この発明の実施
の形態4について説明する。図11は、この発明の実施
の形態4である半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図
である。図11において、この半導体レーザ装置は、実
施の形態1に示した半導体レーザ装置の構成に、さらに
高反射膜14側に回折格子13cを設け、この回折格子
13cの上部には、p側電極10とは電気的に分離され
たp側電極10cを有する。なお、回折格子13bは、
図1に示した回折格子13に対応する。
【0092】ここで、回折格子13b,13cは物理的
に分離された領域に形成され、かつp側電極10b,1
0cによってそれぞれ独立して電流注入を行うことがで
き、回折格子13b,13cの波長選択性を個別に制御
することができる。これによって、さらに波長選択性を
詳細かつ柔軟に設定することができる。
【0093】この実施の形態4に示すように、低反射膜
15側と高反射膜14側との双方に回折格子13b,1
3cを設けると、各回折格子13b,13cの離散的な
反射モードのバーニア効果によって広い可変波長域を実
現することができる。
【0094】図12に示すように、回折格子13cによ
って選択される波長がλ1〜λnとし、回折格子13b
によって選択される波長がλ1´〜λn´とすると、λ
1´〜λn´の各波長間隔は、λ1〜λnの各波長間隔
に比してほんの少し異なるように設定される。この選択
状態において、それぞれ電流注入の変化ΔIを与える
と、各波長λ1〜λnおよび各波長λ1´〜λn´は、
シフトする。バーニア効果は、この状態において、波長
λ1〜λnと波長λ1´〜λn´とが一致する波長のみ
が発振波長して選択出力される。図12では、波長λ1
と波長λ1´とが一致し、波長λ1(=λ1´)が発振
波長として選択される。例えば数十nm程度の波長シフ
トレンジを実現できる。なお、回折格子13bあるいは
回折格子13cの一方の選択波長のみを電流注入量変化
によってシフトさせてもよいし、回折格子13b,13
cの双方の選択波長を、それぞれ独立して電流注入量変
化によってシフトさせるようにしてもよい。
【0095】図13〜図15は、この実施の形態4の具
体例を示している。図13は、この発明の実施の形態4
の具体例である半導体レーザ装置の一部破断図である。
図13において、この半導体レーザ装置は、長さ120
0μmの活性領域(3)と長さ200μmの前部回折格
子領域(13b)と長さ750μmの後部回折格子領域
(13c)とを形成している。
【0096】図14は、回折格子の周期構成を示す図で
ある。図14に示すように、回折格子は、1400nm
に一致する周期Λ1から1500nmに一致する周期Λn
までリニアにチャープされている。このリニアなチャー
プ周期Δsは各回折格子内の反射モード間隔を決定す
る。ここで、図13に示した回折格子領域(13b)の
反射モード間隔は9.7nmであり、回折格子領域(1
3c)の反射モード間隔は8.7nmである。このよう
な回折格子構造は、上述したバーニア効果に要求される
モード間隔の違いを与える。
【0097】図15は、図13に示した半導体レーザ装
置における前部回折格子領域と後部回折格子領域の反射
モードの波長間隔を示している。図15において波長λ
1〜λnは、反射率2%以下の前部回折格子領域における
選択波長を示し、波長λ1´〜λn´は、反射率95%以
上の後部回折格子領域における選択波長を示している。
図15において、波長λ1と波長λ1´のみが一致し、そ
の他の波長、たとえば、波長λ2と波長λ2´、波長λ3
と波長λ3´、などは一致していない。この場合、前部
回折格子領域あるいは後部回折格子領域のいづれか一方
あるいは双方に対する電流注入量を変化させて反射モー
ドをシフトさせることによって、他の波長、たとえば波
長λ2と波長λ2´のみを一致させることができる。この
ようにして、広範囲の波長シフトを実現できる可変波長
レーザとしての半導体レーザ装置が得られる。
【0098】図16は、図13に示した半導体レーザ装
置のマルチモード可変波長範囲を示す図である。図16
では、電流変化量±80mAで、103nmという広範
囲の波長シフトを実現している。
【0099】さらに、この実施の形態4の変形例につい
て説明する。この変形例では図13に対応した半導体レ
ーザ装置であるが、後部回折格子領域が電流注入変化さ
れずに、固定されたやや平坦な反射特性を有する回折格
子が含まれ波長選択特性はシフトしない。これに対し、
前部回折格子領域には電流注入変化が与えられ、離散的
な反射モードλ1〜λnが広範囲に出現している。図17
は、この変形例に対応した後部回折格子領域と前部回折
格子領域の選択波長特性を示す図である。上述したよう
に、後部回折格子領域の選択波長特性は固定であり、平
坦な特性を有するため、この後部回折格子領域の選択波
長領域に含まれる前部回折格子領域の反射モードの複数
の波長が選択されることなる。したがって、マルチモー
ドスペクトルの出力が複数選択されるが、この選択され
たマルチモードスペクトルのうちの不要なマルチモード
スペクトルは、選択的な減衰機構を用い、あるいは半導
体レーザ装置の外部に波長減衰器を接続することによっ
て排除すればよい。
【0100】なお、上述した実施の形態2,3も同様に
適用することができ、チャーピングによって選択波長ス
ペクトルを広げるようにしてもよい。また、半導体レー
ザ装置のGRIN−SCH−MQW活性層3に注入され
る電流は、p側電極10b,10cに注入される電流も
加えられた値であり、この電流値で半導体レーザ装置の
出力が決定される。したがって、p側電極10b,10
cに加えられる電流量を加味したレーザ出力の電流制御
を行う必要がある。
【0101】(実施の形態5)次に、この発明の実施の
形態5について説明する。この実施の形態5では、上述
した実施の形態1〜4に示した半導体レーザ装置をモジ
ュール化したものである。
【0102】図18は、この発明の実施の形態5である
半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。
本実施の形態5にかかる半導体レーザモジュールは、上
述した実施の形態1〜4で示した半導体レーザ装置に対
応する半導体レーザ装置51を有する。なお、この半導
体レーザ装置51は、p側電極がヒートシンク57aに
接合されるジャンクションダウン構成としている。半導
体レーザモジュールの筐体として、セラミックなどによ
って形成されたパッケージ59の内部底面上に、温度制
御装置としてのペルチェ素子58が配置される。ペルチ
ェ素子58上にはベース57が配置され、このベース5
7上にはヒートシンク57aが配置される。ペルチェ素
子58には、図示しない電流が与えられ、その極性によ
って冷却および加熱を行うが、半導体レーザ装置51の
温度上昇による発振波長ずれを防止するため、主として
冷却器として機能する。すなわち、ペルチェ素子58
は、レーザ光が所望の波長に比して長い波長である場合
には、冷却して低い温度に制御し、レーザ光が所望の波
長に比して短い波長である場合には、加熱して高い温度
に制御する。この温度制御は、具体的に、ヒートシンク
57a上であって、半導体レーザ装置51の近傍に配置
されたサーミスタ58aの検出値をもとに制御され、図
示しない制御装置は、通常、ヒートシンク57aの温度
が一定に保たれるようにペルチェ素子58を制御する。
また、図示しない制御装置は、半導体レーザ装置51の
駆動電流を上昇させるに従って、ヒートシンク57aの
温度が下がるようにペルチェ素子58を制御する。この
ような温度制御を行うことによって、半導体レーザ装置
51の出力安定性を向上させることができ、歩留まりの
向上にも有効となる。なお、ヒートシンク57aは、た
とえばダイヤモンドなどの高熱伝導率をもつ材質によっ
て形成することが望ましい。これは、ヒートシンク57
aがダイヤモンドで形成されると、高電流印加時の発熱
が抑制されるからである。
【0103】ベース57上には、半導体レーザ装置51
およびサーミスタ58aを配置したヒートシンク57
a、第1レンズ52、および電流モニタ56が配置され
る。半導体レーザ装置51から出射されたレーザ光は、
第1レンズ52、アイソレータ53、および第2レンズ
54を介し、光ファイバ55上に導波される。第2レン
ズ54は、レーザ光の光軸上であって、パッケージ59
上に設けられ、外部接続される光ファイバ55に光結合
される。なお、電流モニタ56は、半導体レーザ装置5
1の反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。
【0104】ここで、この半導体レーザモジュールで
は、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に戻
らないように、半導体レーザ装置52と光ファイバ55
との間にアイソレータ53を介在させている。このアイ
ソレータ53には、ファイバグレーディングを用いた従
来の半導体レーザモジュールと異なり、インライン式の
ファイバ型でなく、半導体レーザモジュール内に内蔵で
きる偏波依存型のアイソレータを用いることができるた
め、アイソレータによる挿入損失を小さく、さらに低い
相対強度雑音(RIN)を達成することができ、部品点
数も減らすことができる。
【0105】この実施の形態5では、実施の形態1〜4
で示した半導体レーザ装置をモジュール化しているた
め、偏波依存型のアイソレータを用いることができ、挿
入損失を小さくすることができ、低雑音化および部品点
数の減少を促進することができる。
【0106】(実施の形態6)次に、この発明の実施の
形態6について説明する。この実施の形態6では、上述
した実施の形態5に示した半導体レーザモジュールをラ
マン増幅器に適用したものである。
【0107】図19は、この発明の実施の形態6である
ラマン増幅器の構成を示すブロック図である。このラマ
ン増幅器は、WDM通信システムに用いられる。図19
において、このラマン増幅器は、上述した実施の形態5
に示した半導体レーザモジュールと同一構成の半導体レ
ーザモジュール60a〜60dを用い、図22に示した
半導体レーザモジュール182a〜182dを、上述し
た半導体レーザモジュール60a〜60dに置き換えた
構成となっている。
【0108】各半導体レーザモジュール60a,60b
は、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モ
ードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61aに出力
し、各半導体レーザモジュール60c,60dは、偏波
面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有
するレーザ光を偏波合成カプラ61bに出力する。ここ
で、半導体レーザモジュール60a,60bが発振する
レーザ光は、同一波長である。また、半導体レーザモジ
ュール60c,60dが発振するレーザ光は、同一波長
であるが半導体レーザモジュール60a,60bが発振
するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が
偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ61
a,61bによって偏波依存性が解消されたレーザ光と
して出力するようにしている。
【0109】各偏波合成カプラ61a,61bから出力
された、異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ
62によって合成され、合成されたレーザ光は、WDM
カプラ65を介してラマン増幅用の励起光として増幅用
ファイバ64に出力される。この励起光が入力された増
幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が入力され、
ラマン増幅される。
【0110】増幅用ファイバ64内においてラマン増幅
された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およ
びアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67
に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号
光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を
出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力す
る。
【0111】制御回路68は、入力された一部の増幅信
号光をもとに各半導体レーザモジュール60a〜60d
のレーザ出力状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増
幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック
制御する。
【0112】この実施の形態6に示したラマン増幅器で
は、たとえば図22に示した半導体発光素子180aと
ファイバグレーディング181aとが偏波面保持ファイ
バ71aで結合された半導体レーザモジュール182a
を用いず、実施の形態1〜4で示した半導体レーザ装置
が内蔵された半導体レーザモジュール60aを用いるよ
うにしているので、偏波面保持ファイバ71aの使用を
削減することができる。なお、上述したように、各半導
体レーザモジュール60a〜60dは、複数の発振縦モ
ードを有しているため、偏波面保持ファイバ長を短くす
ることができる。この結果、ラマン増幅器の小型軽量化
とコスト低減を実現することができる。
【0113】なお、図19に示したラマン増幅器では、
偏波合成カプラ61a,61bを用いているが、図20
に示すように半導体レーザモジュール60a,60cか
ら、それぞれ偏波面保持ファイバ71を介して直接WD
Mカプラ62に光出力するようにしてもよい。この場
合、半導体レーザモジュール60a,60cの偏波面
は、偏波面保持ファイバ71に対して45度となるよう
に入射する。これによって、偏波面保持ファイバ71か
ら出力される光出力の偏波依存性をなくすことができ、
一層、小型かつ部品点数の少ないラマン増幅器を実現す
ることができる。
【0114】また、半導体レーザモジュール60a〜6
0d内に内蔵される半導体レーザ装置として発振縦モー
ド数が多い半導体レーザ装置を用いると、必要な偏波面
保持ファイバ71の長さを短くすることができる。特
に、発振縦モードが4,5本になると、急激に、必要な
偏波面保持ファイバ71の長さが短くなるため、ラマン
増幅器の簡素化と小型化を促進することができる。さら
に、発振縦モードの本数が増大すると、コヒーレント長
が短くなり、デポラライズによって偏光度(DOP:De
gree Of Polarization)が小さくなり、偏波依存性をな
くすことが可能となり、これによっても、ラマン増幅器
の簡素化と小型化とを一層促進することができる。
【0115】また、このラマン増幅器では、ファイバグ
レーディングを用いた半導体レーザモジュールに比して
光軸合わせが容易であり、共振器内に機械的な光結合が
ないため、この点からも、ラマン増幅の安定性、信頼性
を高めることができる。
【0116】さらに、上述した実施の形態1〜4の半導
体レーザ装置では、複数の発振モードを有しているた
め、誘導ブリルアン散乱を発生させずに、高出力の励起
光を発生することができるので、安定し、かつ高いラマ
ン利得を得ることができる。
【0117】また、図19および図20に示したラマン
増幅器は、後方励起方式であるが、上述したように、半
導体レーザモジュール60a〜60dが安定した励起光
を出力するため、前方励起方式であっても、双方向励起
方式であっても、安定したラマン増幅を行うことができ
る。
【0118】この図9あるいは図10に示したラマン増
幅器は、上述したようにWDM通信システムに適用する
ことができる。図12は、図9あるいは図10に示した
ラマン増幅器を適用したWDM通信システムの概要構成
を示すブロック図である。
【0119】図11において、複数の送信機Tx1〜T
xnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器
80によって合波され、1つの光ファイバ85に集約さ
れる。この光ファイバ85の伝送路上には、図9あるい
は図10に示したラマン増幅器に対応した複数のラマン
増幅器81,83が距離に応じて配置され、減衰した光
信号を増幅する。この光ファイバ85上を伝送した信号
は、光分波器84によって、複数の波長λ1〜λnの光信
号に分波され、複数の受信機Rx1〜Rxnに受信され
る。なお、光ファイバ85上には、任意の波長の光信号
を付加し、取り出したりするADM(Add/Drop Multipl
exer)が挿入される場合もある。
【0120】なお、上述した実施の形態6では、実施の
形態1〜4に示した半導体レーザ装置あるいは実施の形
態5に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅用
の励起光源に用いる場合を示したが、これに限らず、た
とえば、980nm,1480nmなどのEDFA励起
用光源として用いることができるのは明らかである。
【0121】(実施の形態7)次に、この発明の実施の
形態7について説明する。この実施の形態7は、上述し
た実施の形態5に示した半導体レーザモジュールのう
ち、特に実施の形態3もしくは実施の形態4に示した半
導体レーザ装置を使用したものをラマン増幅器の励起光
源として適用したものである。
【0122】本実施の形態では、図19に示すラマン増
幅器において、半導体レーザモジュール60a〜60d
には実施の形態4に示した半導体レーザ装置が使用され
ており、駆動電流を制御することで光出力を制御できる
だけでなく、外部からIbおよび/もしくはIcを与え
ることによって発振波長を任意に変化させることができ
る。また、制御回路68は例えば図24に示すように、
中央制御部101、波長制御部102、励起光出力制御
部103から構成されている。さらに、波長制御部10
2は図25に示すように、波長分波器111、受光器1
15、波長調節回路105から構成されている。
【0123】図19に示すラマン増幅器において、増幅
用ファイバ64を伝搬してきた信号光は、ラマン増幅さ
れたのちにモニタ光分配用カプラ67でその一部が分岐
され、制御回路68に導入される。このモニタ光は図2
4に示すように、制御回路68を構成する波長制御部1
02に導入される。波長制御部102では、ラマン増幅
された信号光出力の波長特性が測定される。
【0124】波長制御部102の動作の詳細について、
図25を用いて説明する。モニタ光はまず波長分波器1
11で各波長成分に分波され、複数の受光器115に導
入される。複数の受光器115で検出された各波長の信
号光強度情報は、電気信号に変換されて波長調節回路1
05から中央制御部101および励起光出力制御部10
3に送られる。
【0125】図24ではモニタ光分配用カプラ67は増
幅用ファイバ64の後方側にのみ設置しているが、もち
ろん、増幅用ファイバの前方にも設置して同様に波長分
波器111、複数の受光器115と接続し、増幅用ファ
イバへの入力光の波長依存性をモニタしてもよい。受光
器115を波長制御回路に接続し、増幅用ファイバの前
後で信号光強度の波長特性をモニタすることにより、利
得の波長特性を測定することができる。
【0126】中央制御部101には所望の利得波長プロ
ファイルを得るために必要な情報および演算手段等がメ
モリされており、目標とする利得波長特性との差から各
励起光の波長および光出力の設定値を計算する。これら
の情報が制御指令として波長制御部102および励起光
出力制御部103に送られ、それをもとに波長制御部1
02および励起光出力制御部103は各励起光源の波長
および出力を制御する。
【0127】波長制御部は、その他に図26のような構
成を取ることもできる。図26において、分岐器112
はモニタ光分配用カプラ67で分岐された信号光の一部
をさらに分岐の数だけ光パワーを等配分する。配分され
た信号光の一部は、バンドパスフィルタ113で各信号
光波長成分のみ取り出されたのちに各受光器115に導
入される。その後の過程は前述のものと同一であるの
で、説明は割愛する。
【0128】なお、波長モニタの手段としては、上述の
ものの他に、光スペクトラムアナライザなどの測定器を
用いてより精密な測定を行ってもかまわない。上述の方
法においては、サンプリングする波長ポイントは最小で
2箇所となる。この場合は利得波長プロファイルの傾き
の情報のみが得られる。サンプリングポイントは多いほ
ど精密な測定ができるが、各励起光のラマン利得が得ら
れる波長、およびその間隔に合わせて設置したり、信号
光波長に合わせる形で設置したりしてもよい。前者は利
得の各ピークにモニタ波長が一致し、後者は信号光の一
部にモニタ波長が一致するため、より正確な測定が期待
できる。
【0129】また、励起光源としては、本発明による広
い可変波長域をもち、発光電流と独立に発振波長の制御
を行うことができる半導体レーザ装置およびそれを適用
した半導体レーザモジュールだけでなく、その他光出力
と波長のそれぞれを制御でき、ラマン増幅に必要な特性
が得られる光源であれば、どのようなものを用いてもよ
い。
【0130】以上のように、ラマン増幅器から出力され
る信号光の出力、もしくは利得の波長プロファイルをモ
ニタし、その情報をもとに各励起光源の波長と光出力の
両方にフィードバックをかけ制御することにより、より
柔軟にかつ精密に最適なラマン増幅特性を得ることがで
きるようになる。このフィードバック制御を繰り返し行
うことによって、より最適に近い条件を得ることができ
るようになる。
【0131】中央制御部101は、図24に示すよう
に、ネットワークを介してその他複数の増幅器201、
202およびリモートデバイスコントローラ121とも
接続される。リモートデバイスコントローラ121はヒ
ューマンインターフェースを有し、システム管理者が遠
隔地からシステムを監視しながら、その他複数の増幅器
201、202と共にシステム全体の伝送品質を所望の
レベルに保つよう制御を行うことができる。リモートデ
バイスコントローラ121では、システム状態を左右す
るパラメータである各増幅器間のファイバ損失や励起光
間ラマン効果、その他付加された損失媒体などの情報を
加味してシミュレーション等を行い、各増幅器ごとに最
適な波長および励起光出力の条件を算出し、その結果を
もとに各増幅器に対し動作条件や指令等を送るようにす
ることができる。なお、このようにして計算したり測定
で得た情報は、リモートデバイスコントローラや中央制
御部101にメモリしておき、ラマン増幅器を動作させ
る際の設定条件として使用することができる。
【0132】(実施の形態8)次に、この発明の実施の
形態8について説明する。以後の実施の形態において
は、実施の形態7で示された半導体レーザモジュールを
波長可変励起光源と称する。この実施の形態8は図27
に示すように、波長可変励起光源141〜145が波長
合波器132で合波され、そののち波長可変励起光源1
46と合波器131を介して接続されている。各波長可
変励起光源141〜146は、実施の形態3もしくは実
施の形態4に示した半導体レーザ装置を用いたレーザモ
ジュールを使用している。なお、波長制御部102等を
含む制御回路68やリモートデバイスコントローラ12
1等、実施の形態7で説明したものはこれと同様であ
り、特に図示はしない。
【0133】波長合波器132は、マッハツェンダ型や
多層膜フィルタ型などが用いられる。波長可変励起光源
141〜145は、あらかじめ合波器によって決められ
る波長に調節される。これらはそれぞれ順に、211T
Hz〜207THzまで、1THz間隔で波長設定され
ている。合波器131は、偏波合成器や波長合波器など
が使用できるが、本実施の形態では波長可変励起光源1
45の設定波長である207THz(1448.3n
m)から2THz(約6nm)程度長波長側のところよ
り始まり少なくとも2THz(約25nm)の間はほぼ
一定の透過率を有する多層膜フィルタ型の波長合波器を
使用している。このような合波器を用いることで、波長
可変励起光源146の波長を変化させ、ラマン利得帯域
を変化させることができる。なお、本実施の形態におい
ては、ラマン利得の励起光偏波依存性を解消するための
デポラライザ(図示しない)は、各波長可変励起光源1
41〜146の出力用光ファイバか、合波器131の直
後に取り付けられる。
【0134】波長可変励起光源146の設定波長を、上
記の条件下では205THzから204THzまで、励
起光源145との波長間隔が2THzから3THzまで
0.5THz間隔で変化させた時のラマン利得波長プロ
ファイルを図28〜33に示す。図28、30、32は
それぞれ波長間隔が2、2.5、3THzの利得波長プ
ロファイル、図29、31、33はそれらの拡大図を示
している。図中、「A」は増幅器全体でのラマン利得プ
ロファイル、「B」は励起光源141〜145によるト
ータルのラマン利得プロファイル、「C」は波長可変励
起光源146によるラマン利得プロファイルを示す。ま
た、各図において、細線はそれぞれ、励起光源141〜
145単独のラマン利得プロファイルを示す。
【0135】図29、31、33を比較すると、波長可
変励起光源146の発振波長を2THz変化させること
で、平坦な利得が得られる帯域が、3THzから5TH
zまで拡大できることがわかる。しかし反面、若干のリ
ップルが発生し、平坦性は低下している。
【0136】波長合波器132はフィルタ型でもマッハ
ツェンダ型でもよい。マッハツェンダ型は透過帯域が狭
いことから、その中で各波長可変光源の発振波長を変化
させるのには適さない。しかし、多層膜フィルタ型の場
合は、各励起波長の間隔の設定によって設計を変えら
れ、所定の帯域では平坦な透過特性が得られるため、本
実施例のように長波長側の励起光源だけでなく、各励起
光源の波長を変えられるように設定することも可能であ
る。例えば、波長可変励起光源141〜145までの波
長間隔を本実施例の1THz程度からそれぞれ、2TH
z程度にすることによって、各波長可変励起光源の波長
調節幅は約1THz程度得ることができる。各励起光源
の波長間隔は、だいたい6〜35nm(約1〜4THz
程度)の間にあれば概ね平坦な利得プロファイルが得ら
れることがわかっている。
【0137】なお、本実施の形態においては6つの波長
可変励起光源141〜146を使用したが、波長可変励
起光源141〜145までは波長可変機能を有する励起
光源でなく通常の励起光源を使用しても良い。その場合
は、波長可変励起光源146のみで増幅帯域の調節を行
う。
【0138】(実施の形態9)次に、この発明の実施の
形態9について説明する。本実施の形態は、実施の形態
8の構成において合波器131は持たず、波長合波器1
32が5波でなく8波であり、第1から第8までの励起
光源がそれぞれ211〜204THzまで、1THzお
きになるよう、波長が調節され配置されている。すなわ
ち、第1から第5までの励起光源は実施の形態8と同一
であるが、本実施例では第6の励起光源は動作させず、
第7と第8の励起光源を動作させている。この場合も、
デポラライザは図示しないが、各波長可変励起光源の出
力用ファイバか、波長合波器132の直後に接続され
る。
【0139】図34に本実施例によるラマン増幅器の利
得プロファイル全体を、図35に拡大図を示す。実施の
形態8において、図33で示した結果と同程度の利得帯
域が確保されていることが、図35からわかる。しか
し、図32のCで示したように、実施の形態8において
は波長可変励起光源146の1つだけで約8dBの利得
を確保しているのに対し、本実施の形態では図34細線
のうち、右側の2つ(第7および第8の励起光源による
ラマン利得プロファイル)の光源によって同等の利得を
確保している(図34のC)。そのため、第7および第
8の励起光源は、単独では約5dB以下のラマン利得と
なっている。このように動作させることで、個々の励起
光源に対する負荷を低減させることが可能となる。
【0140】本実施の形態のように、励起波長数が多い
方が同等の特性を確保する上でもより柔軟にシステム全
体の設計を行うことができる。なお、励起波長数は本実
施形態のものに限らず、より多くても少なくてもよい。
【0141】(実施の形態10)次に、この発明の実施
の形態10について説明する。図27に示すラマン増幅
器において、合波器131として偏波合成器を使用す
る。この場合は、波長可変励起光源141〜146、お
よび波長合波器132からの出力ファイバは偏波保持フ
ァイバからなる。なお、波長可変励起光源146に偏波
合成される励起光源は、必ずしも複数の波長可変励起光
源141〜145が波長合波器132のようなもので合
波されている必要はなく、また波長可変励起光源である
必要もない。すなわち、少なくとも1つの励起光源があ
ればよい。したがって、最小限の場合、1つの波長可変
励起光源を含む2つの励起光源が合波器131(偏波合
成器)によって偏波合成されればよいことになる。この
場合、デポラライザは合波器131(偏波合成器)の直
後に取り付けられる。
【0142】図27に示すラマン増幅器の合波器131
に偏波合成器を用いた場合、通常の増幅器動作は波長可
変励起光源141〜145を使用することによって行
う。波長可変励起光源146はこの状態では動作してお
らず、そのため励起光も発生しない。波長可変励起光源
146は、その他の励起光源のいずれか1つが何らかの
理由によって通常の光出力特性が得られなくなった場合
に動作するようになっており、いわゆる冗長系を構成し
ている。
【0143】本実施の形態におけるラマン増幅器の動作
時、増幅された信号光出力の波長プロファイルは図示さ
れない制御回路68によってモニタされており、波長可
変励起光源141〜145のいずれかが正常な動作を行
わなくなった場合には、それによって起こる信号光出力
の波長プロファイルの変化を検知する。制御回路68は
その変化がどの励起光波長に起因するのかを解析し、正
常な状態に復帰させるために最適な励起波長に波長可変
励起光源146の波長を調節し、適切な駆動電流によっ
て励起光強度を調節する。このようにして本発明による
波長可変励起光源146を使用することにより、予備の
励起光源を余分に用意する必要もなく、非常に広いラマ
ン増幅帯域をカバーする冗長構成が非常に簡便に実現さ
れる。その結果、励起光源に起因するトラブルに対して
も非常に信頼度の高いラマン増幅器を構成することがで
きる。
【0144】本実施の形態において合波器に偏波合成器
を使用することと実施の形態8において波長合波器を使
用することの相違点は次に説明する通りである。まず実
施の形態8の様に波長合波器を使用する場合は、波長合
波器の特性上、波長可変励起光源146の波長をその他
励起光源の波長帯域と重複させることができない。すな
わち、この場合は波長可変励起光源146は帯域拡張の
用途に使用される。
【0145】偏波合成器を合波器として使用する場合
は、合波される波長可変励起光源146からの励起光と
もう一方の励起光は互いに直交する偏光状態を有してい
るため、両者の波長は一致していても違っていても構わ
ない。実際、複屈折結晶等を使用した偏波合成器は合波
する光の波長が20〜30nm程度違っていても、過剰
な損失がほとんどなく合波できることが知られている。
すなわち、偏波合成器を使用する場合は、帯域拡張の用
途と冗長系を構成する用途の両方で使用することができ
る。
【0146】(実施の形態11)次に、この発明の実施
の形態11について説明する。図36に示すように複数
の光ファイバ増幅器151a〜151cが光伝送路上に
縦列に接続されている。複数の光ファイバ増幅器はラマ
ン増幅器であっても、エルビウムなどに代表される、希
土類を添加したファイバを増幅媒体として使用した光フ
ァイバ増幅器であってもよい。図面左側より光ファイバ
増幅器151aに入力した信号光は、光ファイバ増幅器
151b、151cによって順次増幅された後に画面右
側より出力される。図37の図中、Aに光ファイバ増幅
器151a〜151cによる信号光の利得プロファイル
を示す。図示されたように、この状態での利得プロファ
イルには波長λa、λb付近に利得のくぼみがある。
【0147】光ファイバ増幅器151cの出力後には、
WDMカプラ65を介して波長可変励起光源152が接
続される。この波長可変励起光源152は図示されない
制御回路68によって、少なくとも図37中、λa〜λ
bを含む波長帯において、自由に発振波長を設定するこ
とができるようになっている。
【0148】図示されない制御回路68は、この利得の
くぼみを検知したのち、利得プロファイル全体の情報か
ら波長可変励起光源152が最も効果的にこれを補償す
ることができる波長を演算する。その結果によって、制
御回路68は波長可変励起光源152の発振波長および
駆動電流を設定し制御する。
【0149】図37の図中、B1aとB1bはそれぞ
れ、波長可変励起光源の発振波長がλa、λbに設定さ
れ、適切な光出力に制御された場合を示している。この
ように、本発明による波長可変励起光源を適切に制御す
ることにより、効果的に所望の利得プロファイル(この
場合は波長に対し平坦な利得プロファイル)により近い
ものを得ることができるようになる。
【0150】このような構成は、例えばエルビウムドー
プ光ファイバ増幅器(EDFA)の利得プロファイルの
平坦化などに有効である。EDFAの利得プロファイル
は波長依存性が大きいため、従来は利得等価器(GE
Q)などを使用し、利得が高い波長に対し損失を与える
ことで増幅帯域全体として平坦な利得プロファイルを得
ていた。この方法には効率が悪いことや、雑音特性が低
下するなどの問題がある。またそれだけでなく、利得を
調整するために励起光出力を調節した際、平坦な利得プ
ロファイルを維持することができない。
【0151】本実施の形態のように波長可変励起光源を
用いることによって、利得が低い波長帯域を重点的に増
幅し効率を改善することができ、雑音特性も改善でき
る。また、EDFAの利得を変化させた時にもそれに応
じて波長可変励起光源の波長と励起光出力を制御し、適
切なラマン利得を得ることによって平坦な利得プロファ
イルを維持することができるようになる。
【0152】(実施の形態12)次に、この発明の実施
の形態12について説明する。図38において、光伝送
路上に複数のラマン増幅用励起光源161〜163が縦
列にWDMカプラ65を介して接続されている。各ラマ
ン増幅用励起光源はそれぞれ、n個の波長可変励起光源
からなるものとする。合波器、デポラライザ、アイソレ
ータなどの各機能部品については図示しないが、それぞ
れ適切な場所に配置されているものとする。
【0153】ラマン増幅用励起光源161の励起光波長
の組合せを、図38に示すようにλ1、λ2・・λnと
する。このとき図39のAに示されたような利得プロフ
ァイルが得られた。図示されたように励起光源の利得ピ
ークに対応した波長が凸となっており、その中間には利
得のくぼみがある。ラマン増幅用励起光源162、16
3の各波長可変励起光源はそれぞれ図示されない制御装
置68によって、この利得のくぼみを補償し平坦な利得
プロファイルが得られるよう、最適な発振波長と励起光
出力に設定される。このようにして設定された励起光源
162、163の励起波長の組合せはそれぞれ、図38
に示したようにλ11、λ12・・λ1n、および、λ
21、λ22・・λ2nとなった。図39のBとCに、
その結果得られた励起光源162、163の利得プロフ
ァイルを示す。BとCは、それぞれAのパターンとは少
しずつずれ、Aのくぼみを補って全体として平坦な利得
プロファイルが得られるように設定されている。
【0154】図38の各波長可変励起光源の発振波長λ
1、λ2・・λn、λ11、λ12・・λ1n、およ
び、λ21、λ22・・λ2nは必ずしも図39A〜C
のような利得プロファイルに設定されるとは限らない。
その組合せは発振波長を決定するための最適化手法によ
って異なる組合せとなる場合もある。最適化手法の一つ
として、利得プロファイルの波形をフーリエ変換などに
よって解析し、各励起光源の利得波形が凹凸を打ち消し
あうようにするものなどがあげられる。
【0155】(実施の形態13)次に、この発明の実施
の形態13について説明する。本実施の形態は図40に
示すように、一つの波長可変励起光源171からなるラ
マン増幅器である。波長可変励起光源171から出力さ
れた励起光は、図示しないデポラライザ、アイソレータ
等を経てWDMカプラ65によって光伝送路に導入さ
れ、信号光と合波される。
【0156】図41に本実施の形態によるラマン増幅器
の利得プロファイルを示す。励起光源は1波のみなの
で、増幅帯域を広く取ることができない反面(図中、R
a0とRa1)、励起光源の発振波長が広い範囲(図
中、Rp)で調節することができる。実施の形態4に示
された半導体レーザ装置が波長可変励起光源171の発
光素子として使用された場合、Rpは103nmという
広範囲で調節される。信号光の増幅波長帯域(図中、R
s)も同程度が確保される。すなわち、1種類の励起光
源のみ用意されれば、100nm以上の範囲におよぶ多
様な増幅器の仕様に対応できることになり、かつ、同一
のラマン増幅器を波長の異なるラマン増幅器として使用
する際にも最小限の変更で済ませることができ、非常に
経済的である。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、回折格子が配置された一部領域上に配置された
第3の電極と、それ以外の領域に配置された第4の電極
とに空間的に、または、電気的に分離された構成とした
ため、光発光出力を制御する電流と、回折格子の屈折率
変化を制御する電流とを別々に印加することができると
いう効果を奏する。
【0158】また、請求項2の発明によれば、回折格子
に流入する電流が一様でなく、場所に応じて電流密度が
異なるため、回折格子を構成する各格子の屈折率を任意
に変化させることができるという効果を奏する。
【0159】また、請求項3の発明によれば、第3の電
極と第4の電極とに空間的に、または、電気的に分離す
ることで光出力制御のための電流と、回折格子の屈折率
制御のための電流とを別々に制御することができ、櫛形
構造を有することで、回折格子に流入する電流の密度を
場所に応じて変化させることにより回折格子を構成する
各格子の屈折率を任意に変化させることができるという
効果を奏する。
【0160】また、請求項4の発明によれば、前記回折
格子の上部に形成された前記第3の電極あるいは前記第
1の電極に印加する電流量を変化させて前記特定の中心
波長をシフトさせるようにし、マルチモード発振の可変
波長レーザを実現することができるという効果を奏す
る。
【0161】また、請求項5の発明によれば、前記第3
の電極と前記第5の電極とに対する少なくとも一方の電
流量を変化させ、前記回折格子の反射モード間隔と前記
他の回折格子の反射モード間隔との差に基づいて前記特
定の中心波長をシフトさせるようにし、大きなシフト量
を有するマルチモード発振の可変波長レーザを実現する
ことができるという効果を奏する。
【0162】また、請求項6の発明によれば、活性層を
上下からクラッド層で挟み込む構造とすることで、ダブ
ルへテロ構造となり活性層にキャリアが集中するため、
高い効率でレーザ発振する半導体レーザ装置を実現でき
るという効果を奏する。
【0163】また、請求項7の発明によれば、請求項1
〜4のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置を用いる
ことで、ファイバグレーディングを不要とし光軸あわせ
などをおこなう必要がなく、組立容易でありかつ機械的
振動などによって発振特性が変化することのない半導体
レーザモジュールを実現することができるという効果を
奏する。
【0164】また、請求項8の発明によれば、光検出器
を設けることで光出力のモニタが可能で光出力の安定化
を図ることができ、アイソレータを備えたことで外部か
らの反射光を防ぐことができるという効果を奏する。
【0165】また、請求項9の発明によれば、上記半導
体レーザ装置もしくは半導体レーザモジュールを含むこ
とによって高いラマン利得を有し、かつ安定した増幅を
おこなうことのできる光ファイバ増幅器を実現すること
ができるという効果を奏する。
【0166】また、請求項10の発明によれば、ラマン
増幅によりおこなうことでより好適に光り増幅をおこな
うことができるという効果を奏する。
【0167】また、この請求項11の発明によれば、柔
軟に励起光波長を制御することにより容易に所望の利得
波長特性を満足するラマン増幅を行うことができるとい
う効果を奏する。
【0168】また、この請求項12の発明によれば、励
起光波長を任意に制御することにより励起光源を交換す
ることなく容易に増幅帯域を変化させることが可能な光
ファイバ増幅器を与えることができるという効果を奏す
る。
【0169】また、この請求項13の発明によれば、波
長合波器の適用波長帯を適切なものに設定することによ
って、より広範囲の波長帯に適用可能な増幅帯域可変の
光ファイバ増幅器を与えることができるという効果を奏
する。
【0170】また、この請求項14の発明によれば、レ
ーザ光の波長を制御する手段を有する励起光源によっ
て、その他の任意の励起光源が所定の増幅利得を発生し
なくなった場合でも速やかに所定の光増幅特性に復帰さ
せることのできる、信頼度の高い光増幅器を与えること
ができるという効果を奏する。
【0171】また、この請求項15の発明によれば、複
数の光ファイバ増幅器が互いに増幅利得の波長特性を補
償しあうことによって、システム全体として常に好適な
光信号強度を保つことができるという効果を奏する。
【0172】また、この請求項16の発明によれば、請
求項11の光ファイバ増幅器の動作状況をシステム管理
者が随時管理し、適切な増幅特性を保つための作業を容
易に行うことができるという効果を奏する。
【0173】また、この請求項17の発明によれば、光
通信システムの動作状況をシステム管理者が監視し、シ
ステム全体として常に好適な光増幅特性を保つように複
数の光ファイバ増幅器を統合的に制御することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の構造
を示す側面断面図である。
【図2】図1に示した半導体レーザ装置のA−A線断面
図である。
【図3】図1に示した半導体レーザ措置において、1つ
の中心波長に関する発振波長スペクトルと発振縦モード
との関係図である。
【図4】単一発振縦モードと複数発振縦モードとのレー
ザ光出力パワーの関係および誘導ブリルアン散乱のしき
い値を示す図である。
【図5】後部端面と前部回折格子領域における反射モー
ドスペクトルを示す図である。
【図6】回折格子に電流注入した場合における発振波長
の注入電流依存性を示す図である。
【図7】実施の形態2にかかる半導体レーザ装置の構造
を示す側面断面図である。
【図8】(a)は、実施の形態2におけるp側電極の構
造の一例を示す模式図であり、(b)は、(a)の構造
により回折格子の屈折率を考慮した実効的な周期の変動
を示すグラフ図である。
【図9】(a)は、実施の形態2におけるp側電極の構
造の一例を示す模式図であり、(b)は、(a)の構造
を有する場合に半導体レーザ装置が出力するレーザ光の
複合発振波長スペクトルを示すグラフ図である。
【図10】実施の形態3にかかる半導体レーザ装置の構
造を示す側面断面図である。
【図11】実施の形態4にかかる半導体レーザ装置の構
造を示す側面断面図である。
【図12】後部回折格子領域と前部回折格子領域におけ
る反射モードスペクトルを示す図である。
【図13】この発明の実施の形態4である半導体レーザ
装置の具体例を示す破断図である。
【図14】回折格子の周期設定を示す図である。
【図15】バーニア効果を説明する図である。
【図16】回折格子への電流注入による発振波長の注入
電流依存性を示す図である。
【図17】この発明の実施の形態4の変形例を説明する
図である。
【図18】実施の形態5にかかる半導体レーザモジュー
ルの構成を示す側面断面図である。
【図19】実施の形態6にかかるラマン増幅器の構成を
示すブロック図である。
【図20】実施の形態6にかかるラマン増幅器の変形例
の構成を示すブロック図である。
【図21】実施の形態6にかかるラマン増幅器を用いた
WDM通信システムの概要構成を示すブロック図であ
る。
【図22】従来のラマン増幅器の概要構成を示すブロッ
ク図である。
【図23】従来のラマン増幅器に用いる半導体レーザモ
ジュールの構成を示す図である。
【図24】本発明に関するラマン増幅器の制御回路の詳
細を説明する図である。
【図25】本発明に関するラマン増幅器の制御回路に使
用する波長制御部の構成を説明する図である。
【図26】本発明に関するラマン増幅器の制御回路に使
用する波長制御部のその他の構成について説明する図で
ある。
【図27】実施の形態8、実施の形態10にかかるラマ
ン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図28】実施の形態8において、波長可変励起光源の
設定波長を、隣り合う励起光源の波長との間隔が2TH
zになるように調節した際のラマン増幅器のラマン利得
プロファイルを示すグラフ図である。
【図29】図28のラマン利得帯域を拡大したグラフ図
である。
【図30】実施の形態8において、波長可変励起光源の
設定波長を、隣り合う励起光源の波長との間隔が2.5
THzになるように調節した際のラマン増幅器のラマン
利得プロファイルを示すグラフ図である。
【図31】図30のラマン利得帯域を拡大したグラフ図
である。
【図32】実施の形態8において、波長可変励起光源の
設定波長を、隣り合う励起光源の波長との間隔が3TH
zになるように調節した際のラマン増幅器のラマン利得
プロファイルを示すグラフ図である。
【図33】図32のラマン利得帯域を拡大したグラフ図
である。
【図34】実施の形態9にかかるラマン増幅器のラマン
利得プロファイルを示すグラフ図である。
【図35】図34のラマン利得帯域を拡大したグラフ図
である。
【図36】実施の形態11にかかるラマン増幅器の構成
を示すブロック図である。
【図37】実施の形態11にかかるラマン増幅器の動作
による利得波長プロファイルの制御の概念を示す図であ
る。
【図38】実施の形態12にかかるラマン増幅器の構成
を示すブロック図である。
【図39】実施の形態12にかかるラマン増幅器の動作
による利得波長プロファイルの制御の概念を示す図であ
る。
【図40】実施の形態13にかかるラマン増幅器の構成
を示すブロック図である。
【図41】実施の形態13にかかるラマン増幅器の動作
による利得波長プロファイルの制御の概念を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 n−InP基板 2 n−InPクラッド層 3 GRIN−SCH−MQW活性層 4 p−InPスペーサ層 6 p−InPクラッド層 8 p−InGaAsPコンタクト層 9a n−InPブロッキング層 9b p−InPブロッキング層 10a、10b、10c、24、24a、24b、25
a、25b、27a、27b p側電極 11 n側電極 13 回折格子 14 高反射膜 15 低反射膜 16、26 電気的分離溝 20 発振波長スペクトル 21、22、23 発振縦モード 35 複合発振波長スペクトル 51 半導体レーザ装置 52 第1レンズ 53 アイソレータ 54 第2レンズ 55 光ファイバ 56 電流モニタ 57 ベース 57a ヒートシンク 58 ペルチェ素子 58a サーミスタ 59 パッケージ 60a〜60d 半導体レーザモジュール 61a,61b 偏波合成カプラ 62,65 WDMカプラ 63,66 アイソレータ 64 増幅用ファイバ 67 モニタ光分配用カプラ 68 制御回路 69 信号光入力ファイバ 70 信号光出力ファイバ 71 偏波面保持ファイバ 81,83 ラマン増幅器 101 中央制御部 102 波長制御部 103 励起出力制御部 105 波長調節回路 111 波長分波器 112 分岐器 113 バンドパスフィルタ 115 受光器 121 リモートデバイスコントローラ 122 ネットワーク 131 合波器 132 波長合波器 141〜146 波長可変励起光源 151a〜151c 光ファイバ増幅器 152 波長可変励起光源 161〜163 ラマン増幅用励起光源 171 波長可変励起光源 201、202 その他の増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 順自 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2K002 AA02 AB30 BA01 DA10 HA23 5F073 AA46 AA65 AA74 AA83 AB27 AB28 AB30 BA01 CA12 EA03 EA15 FA02 FA15 FA25 GA12 GA14 GA15 GA23

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板と、該半導体基
    板上に積層された第1導電型の半導体バッファ層と、該
    半導体バッファ層上に積層された活性層と、該活性層上
    に積層された第1の電極と、前記半導体基板下面に配置
    された第2の電極とを有する半導体レーザ装置におい
    て、 前記活性層上に積層された第2導電型のスペーサ層と、 該第2導電型のスペーサ層の一部領域に配置され、特定
    の中心波長を有する複数の発振縦モードを備えたレーザ
    光を選択する回折格子と、 を備え、前記第1の電極が、前記回折格子が配置された
    前記一部領域上に配置された第3の電極と、他の領域に
    配置された第4の電極とに空間的に、または、電気的に
    分離されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 第1導電型の半導体基板と、該半導体基
    板上に積層された第1導電型の半導体バッファ層と、該
    半導体バッファ層上に積層された活性層と、該活性層上
    に積層された第1の電極と、前記半導体基板下面に配置
    された第2の電極とを有する半導体レーザ装置におい
    て、 前記活性層上に積層された第2導電型のスペーサ層と、 該第2導電型のスペーサ層の一部領域に配置され、特定
    の中心波長を有する複数の発振縦モードを備えたレーザ
    光を選択する回折格子と、 を備え、前記第1の電極が、前記回折格子が配置された
    前記一部領域上において、櫛形構造を有することを特徴
    とする半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 第1導電型の半導体基板と、該半導体基
    板上に積層された第1導電型の半導体バッファ層と、該
    半導体バッファ層上に積層された活性層と、該活性層上
    に積層された第1の電極と、前記半導体基板下面に配置
    された第2の電極とを有する半導体レーザ装置におい
    て、 前記活性層上に積層された第2導電型のスペーサ層と、 該第2導電型のスペーサ層の一部領域に配置され、特定
    の中心波長を有する複数の発振縦モードを備えたレーザ
    光を選択する回折格子と、 を備え、前記第1の電極が、前記回折格子が配置された
    前記一部領域上に配置された第3の電極と、他の領域に
    配置された第4の電極とに空間的に、または、電気的に
    分離され、前記第3の電極は、櫛形構造を有することを
    特徴とする半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記回折格子の上部に形成された前記第
    3の電極あるいは前記第1の電極に印加する電流量を変
    化させて前記特定の中心波長をシフトさせることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体レー
    ザ装置。
  5. 【請求項5】 前記一部領域と異なる他の一部領域に設
    けられ、前記回折格子の反射モード間隔とは異なる他の
    反射モード間隔を有する他の回折格子を備え、 前記第1の電極が、前記他の回折格子が配置された前記
    他の一部領域上に配置された第5の電極にさらに分離さ
    れ、 前記第3の電極と前記第5の電極とに対する少なくとも
    一方の電流量を変化させ、前記回折格子の反射モード間
    隔と前記他の回折格子の反射モード間隔との差に基づい
    て前記特定の中心波長をシフトさせることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体レーザ装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1導電型の半導体バッファ層と前
    記活性層との間に積層された第1導電型のクラッド層
    と、 前記第2導電型のスペーサ層と前記第1の電極との間に
    積層された第2導電型のクラッド層と、 をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1つに記載の半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の半
    導体レーザ装置と、 該半導体レーザ装置の温度を制御する温調モジュール
    と、 前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に
    導波する光ファイバと、 前記半導体レーザ装置と前記光ファイバと光結合をおこ
    なう光結合レンズ系と、 を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  8. 【請求項8】 前記半導体レーザ装置の光出力を測定す
    る光検出器と、 光ファイバ側からの反射戻り光の入射を抑制するアイソ
    レータと、 をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の半導
    体レーザモジュール。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の半
    導体レーザ装置、あるいは請求項7または8に記載の半
    導体レーザモジュールを用いた励起光源と、 信号光と励起光とを合成するためのカプラと、 増幅用光ファイバと、 を備えたことを特徴とする光ファイバ増幅器。
  10. 【請求項10】 前記増幅用光ファイバは、ラマン増幅
    により光を増幅することを特徴とする請求項9に記載の
    光ファイバ増幅器。
  11. 【請求項11】 レーザ光の波長を制御する手段を有す
    る1以上の励起光源と、前記励起光源から出力された励
    起光を光伝送路に導入する合波器と、信号光を前記励起
    光によって増幅する増幅媒体と、増幅された信号光出力
    の波長特性を測定する測定手段と、前記励起光源を制御
    する制御回路と、前記測定手段および前記制御回路と電
    気的に接続された演算手段を有する光ファイバ増幅器で
    あって、 前記演算手段は所定の利得波長特性を目標値として持
    ち、前記測定手段による信号光出力の波長特性の測定結
    果をもとにその測定結果が前記目標値に略一致するよう
    前記制御回路の動作条件を与えることを特徴とする光フ
    ァイバ増幅器。
  12. 【請求項12】 励起光源の数が2以上であって、レー
    ザ光の波長を制御する手段を有する1以上の励起光源と
    複数の励起光を合波する合波器を有し、前記複数の励起
    光源から出力された励起光を前記合波器で合波したのち
    に合波器を介して光伝送路に導入することを特徴とする
    請求項11記載の光ファイバ増幅器。
  13. 【請求項13】 前記複数の励起光を合波する合波器
    は、波長合波器であることを特徴とする請求項12記載
    の光ファイバ増幅器。
  14. 【請求項14】 前記複数の励起光を合波する合波器
    は、偏波合成器であることを特徴とする請求項12記載
    の光ファイバ増幅器。
  15. 【請求項15】 請求項11の光ファイバ増幅器が複数
    接続され、前記複数の光ファイバ増幅器が互いに増幅利
    得の波長特性を補償しあうように構成されていることを
    特徴とする光通信システム。
  16. 【請求項16】 請求項11の光ファイバ増幅器と、前
    記光ファイバ増幅器の動作状態を確認する監視部、前記
    光ファイバ増幅器を制御するための条件の入出力部を備
    えた制御部を有し、前記光ファイバ増幅器と前記監視
    部、前記制御部は互いに通信回線によって接続されてい
    ることを特徴とする光ファイバ増幅器。
  17. 【請求項17】 請求項15の光通信システムであっ
    て、複数の光ファイバ増幅器が通信回線上で接続されて
    おり、前記通信回線にはさらに前記複数の光ファイバ増
    幅器の動作状態を確認する監視部、制御するための制御
    部とが接続されており、前記監視部は前記複数の光ファ
    イバ増幅器を含む光通信システムの動作状況を監視し、
    前記制御部は前記複数の光ファイバ増幅器を、前記監視
    部から得た情報に基づき制御を行うことを特徴とした、
    光通信システム。
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