JP2003288944A - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents
非水電解質二次電池の製造方法Info
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Abstract
負荷特性が向上した負極の製造方法、及びそれを使用
し、電池製造時間が短縮された非水電解質二次電池の製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 正極と、負極と、非水溶媒と電解質塩と
を含む非水電解質と、を有する非水電解質二次電池の製
造方法であって、負極活物質と疎水性溶媒と混合し、前
記負極活物質に前記疎水性溶媒を付着させる工程と、前
記疎水性溶媒が付着した負極活物質と、親水性化合物を
含む結着剤と、溶媒とを混合し、負極活物質スラリーを
作製する工程と、前記負極活物質スラリーを負極芯体に
塗布する工程と、前記負極活物質スラリーが塗布された
負極芯体を乾燥後、プレスして負極を作製する工程とを
含むことを特徴とする。
Description
の製造方法に関し、詳しくは非水電解質二次電池の負極
の負荷特性を改善する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、携帯電話やノートパソコン等の移
動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その
電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されてい
る。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二
次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるの
で、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利
用されている。 【0003】ところで、リチウムイオンを吸蔵、放出す
る炭素質物を負極に使用した非水電解質二次電池では、
リチウムが金属状態で存在しないため、樹枝状(デンド
ライト状)リチウムの析出が抑制され、電池寿命と安全
性を向上することができる。 【0004】一般的に炭素質物を使用した負極は、炭素
質物と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)から
なる結着剤とを、N−メチルピロリドン(NMP)等の
有機溶媒と混合してスラリーとし、負極芯体に塗布した
後、乾燥し、その後プレスする方法により作製される
が、スラリー作製時にNMP等の有機溶媒を使用するた
め、コスト高になるという問題がある。 【0005】上記の問題を解決するため、最近では、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)やポリエチレンオ
キシド(PEO)等の親水性化合物を含む結着剤が使用
されている。親水性化合物を含む結着剤は、水と混合す
ることによりスラリー化できるので、コストダウンを図
ることができる。しかし、CMCやPEOは、PVdF
とは結着の仕方が異なり、炭素質物粒子の表面に被膜を
形成し、この被膜が炭素質物粒子でのリチウムイオンの
脱離・挿入を妨害するため、高負荷放電時に電池容量が
低下する。さらに、炭素質物粒子表面に形成された被膜
により、炭素質物粒子と他の炭素質物粒子とが密に接す
るようになり、極板全体として空孔や隙間が少なくなる
ため、負極への電解液の含液速度が低下し、電池製造時
間が長くなる。また、充・放電時にリチウムイオンの脱
離・挿入が妨害され、電池特性が低下するという問題も
ある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情に
鑑みなされたものであって、親水性化合物を含む結着剤
を使用した場合においても、負荷特性が向上された負極
の製造方法、及びそれを使用し、製造時間が短縮された
非水電解質二次電池の製造方法を提供することを目的と
する。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、正極と、負極と、非水溶媒と電解質塩と
を含む非水電解質と、を有する非水電解質二次電池の製
造方法であって、負極活物質と疎水性溶媒とを混合し
て、前記負極活物質に前記疎水性溶媒を付着させる工程
と、前記疎水性溶媒が付着した負極活物質と、親水性化
合物を含む結着剤と、溶媒とを混合し、負極活物質スラ
リーを作製する工程と、前記負極活物質スラリーを負極
芯体に塗布する工程と、前記負極活物質スラリーが塗布
された負極芯体を乾燥後、プレスして負極を作製する工
程とを含むことを特徴とする。 【0008】上記の構成では、負極作製時、負極活物質
に疎水性溶媒を付着させ、疎水性溶媒が付着した負極活
物質と親水性化合物を含む結着剤と溶媒とを混合する。
ここで、親水性化合物は保存段階や製造段階で水を含有
することが常であり、この構成であると、負極活物質表
面に付着している疎水性溶媒が、水を含有する親水性化
合物を含む結着剤をはじくので、負極活物質表面に結着
剤による被膜が形成されにくい。このため、負極活物質
表面の結着剤による被膜が形成されない部分ができ、こ
の部分でリチウムイオンの脱挿入が良好に行われる。こ
の結果、負極の負荷特性が向上する。さらに、前記負極
活物質表面の被膜量が減少するため、負極内に空孔や隙
間が多くなる。この結果、負極に対する非水電解質の含
液が容易となるため、製造時間が短縮するとともに、電
池特性も向上する。 【0009】ここで、前記負極活物質を疎水性溶媒と混
合する工程において、負極活物質と疎水性溶媒との混合
比(負極活物質質量/疎水性溶媒質量)が10未満また
は18より多いと、十分な負荷特性の向上が得られな
い。このため、(負極活物質質量/疎水性溶媒質量)は
10以上且つ18以下であることが好ましい。 【0010】疎水性溶媒としては、特に限定されず、公
知の疎水性溶媒を用いることができるが、好ましくは脂
肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル類等を用いる
とよい。 【0011】スラリー作製時に使用する溶媒としては、
特に限定されず、親水性化合物を含む結着剤と、負極活
物質とを混合してスラリーとすることができる溶媒であ
ればよい。特に、水が好ましい。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面に基
づいて以下に詳細に説明する。本発明は下記実施の形態
に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない
範囲において適宜変更して実施することができる。 【0013】図1は本発明の製造方法で作成されたラミ
ネート外装体を用いた非水電解質電池の正面図、図2は
図1のA−A線矢視断面図、図3は非水電解質電池に用
いるラミネート外装体の断面図、図4は非水電解質電池
に用いる電極体の斜視図である。 【0014】図2に示すように、本発明による非水電解
質二次電池は電極体1を有しており、この電極体1は収
納空間2内に配置されている。この収納空間2は、図1
に示すように、ラミネート外装体3の上下端と中央部と
をそれぞれ封止部4a・4b・4cで封口することによ
り形成される。また、収納空間2には、エチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネー
トが混合された混合溶媒に、電解質塩としてLiN(C
2F5SO2)2が1M(モル/リットル)の割合で溶解さ
れた電解液が注入されている。また、図4に示すよう
に、上記電極体1は、正極5と、負極6と、これら両電
極を離間するセパレータ(図4においては図示せず)と
を偏平渦巻き状に巻回することにより作製される。 【0015】前記負極は、負極活物質と疎水性溶媒とを
混合して、前記負極活物質に前記疎水性溶媒を付着させ
る工程と、前記疎水性溶媒が付着した負極活物質と、親
水性化合物を含む結着剤と、溶媒とを混合し、負極活物
質スラリーを作製する工程と、前記負極活物質スラリー
を負極芯体に塗布する工程と、前記負極活物質スラリー
が塗布された負極芯体を乾燥後、プレスする工程とによ
り作製されたものである。 【0016】前記セパレータは、有機溶媒との反応性が
低く、安価なオレフィン系樹脂からなる微多孔膜(厚
み:0.025mm)から構成されている。 【0017】更に、上記正極5はアルミニウムから成る
正極リード7に、また上記負極6は銅から成る負極リー
ド8にそれぞれ接続され、電池内部で生じた化学エネル
ギーを電気エネルギーとして外部へ取り出し得るように
なっている。 【0018】尚、図3に示すように、上記ラミネート外
装体3の具体的な構造は、アルミニウム層11(厚み:
30μm)の両面に、各々、変性ポリプロピレンから成
る接着剤層12・12(厚み:5μm)を介してポリプ
ロピレンから成る樹脂層13・13(厚み:30μm)
が接着される構造である。 【0019】負極材料としては、天然黒鉛、カーボンブ
ラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、あるいは
これらの焼成体等の炭素質物、または該炭素質物と、リ
チウム、リチウム合金、およびリチウムを吸蔵・放出で
きる金属酸化物からなる群から選ばれる1種以上との混
合物が使用できる。 【0020】正極材料としては、LixMO2(但し、M
はCo、Ni、Mnの少なくとも1種の金属、0≦x≦
1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物が単独で、
あるいは二種以上混合して用いることができる。具体例
では、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、Li
Co0.5Ni0.5O2、Li0.5CoO2等があげられる。 【0021】また、電解質に使用する有機溶媒として
は、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン
類、ニトリル類、アミド類、スルホン系化合物、エステ
ル類、芳香族炭化水素等が単独であるいは2種以上混合
して用いることができる。具体例として、エチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、
エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−
ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール、
1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、シ
クロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、
ジメチルホルムアミド、スルホラン、蟻酸メチル、蟻酸
エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロ
ピオン酸エチルなどがあげられる。 【0022】また、電解質塩としては、LiN(C2F5
SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiClO4、Li
PF6、LiBF4等が単独で、あるいは2種以上混合し
て使用することができる。また、前期非水溶媒に対する
溶解量は0.5〜2.0モル/リットルとすることが好
ましい。 【0023】(実施例)本発明の実施例にかかる非水電
解質二次電池を、次のようにして作製した。 【0024】(実施例1)〈正極の作製〉コバルト酸リ
チウム(LiCoO2)からなる正極活物質(BET=
0.6m2/g)90質量部と、アセチレンブラックか
らなる導電剤5質量部と、ポリビニリデンフルオライド
(PVdF)からなる結着剤5質量部とを混合し、これ
をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して活
物質スラリーとした。 【0025】この活物質スラリーを、ドクターブレード
により厚み20μmのアルミニウム箔からなる正極芯体
の両面に均一に塗布した後、乾燥機中を通過させて乾燥
することにより、スラリー作製時に必要であった有機溶
媒を除去した。次いで、この極板を厚みが0.17mm
になるようにロールプレス機により圧延して正極5を作
製した。 【0026】〈負極の作製〉まず、黒鉛(d=0.33
6nm)からなる負極活物質97.5質量部と、疎水性
溶媒としてn−ヘキサン6.96質量部(黒鉛質量:n
−ヘキサン質量=14:1)とを混合し、黒鉛粒子表面
にn−ヘキサンを付着させた。次に、n−ヘキサンが付
着した黒鉛と、スチレンブタジエンゴム(SBR)1.
5質量部とカルボキシメチルセルロース(CMC)1質
量部とからなる結着剤と、適量の水とを混合して活物質
スラリーとした。この活物質スラリーを、ドクターブレ
ードにより厚み20μmの銅箔からなる負極芯体の両面
に均一に塗布した後、乾燥機中を通過させて乾燥するこ
とにより、スラリー作製時に必要であった水を除去し
た。次いで、この極板を厚みが0.14mmになるよう
にロールプレス機により圧延して負極6を作製した。 【0027】〈電解液の調製〉エチレンカーボネート1
0質量部と、プロピレンカーボネート10質量部と、ジ
エチルカーボネート80質量部とを混合した混合溶媒
に、電解質塩としてLiN(C2F5SO2)2を1M(モ
ル/リットル)となるよう溶解させ、電解液を作製し
た。この電解液90質量部とポリエチレングリコールジ
アクリレート10質量部とを混合し、プレゲル溶液を作
製した。 【0028】〈電極体の作成〉上記のように作製した正
極5と負極6に、それぞれ正極リード7あるいは負極リ
ード8を取り付けた後、両極をオレフィン系樹脂からな
る微多孔膜(厚み:0.025mm)からなるセパレー
タを間にし、かつ各極板の幅方向の中心線を一致させて
重ね合わせた。この後、巻き取り機により巻回し、最外
周をテープ止めすることにより偏平渦巻状電極体1を作
成した。 【0029】樹脂層(ポリプロピレン)/接着剤層/ア
ルミニウム合金層/接着剤層/樹脂層(ポリプロピレ
ン)の5層構造から成るシート状のラミネート材を用意
した後、アルミラミネート材における端部近傍同士の樹
脂層を重ね合わせ、重ね合わせ部を溶着して封止部4c
を形成した。次に、この筒状アルミラミネート材の収納
空間2内に電極体1を挿入した。この際、筒状アルミラ
ミネート材の一方の開口部から両リード7,8が突出す
るように電極体1を配置した。この後、両電極リードが
突出している開口部のアルミラミネート材の内側の樹脂
層を溶着して封止し、封止部4aを形成した。この際、
溶着は高周波誘導溶着装置を用いて行った。 【0030】もう一方の開口部から上記プレゲル溶液を
4.0ml注液した後、当該開口部を同様に加熱溶着し
て封止部4bを形成し、実施例1に係る本発明電池A1
を作製した。 【0031】(実施例2)黒鉛98質量部と、n−ヘキ
サン7質量部(黒鉛質量:n−ヘキサン質量=14:
1)とを混合し、黒鉛粒子表面にn−ヘキサンを付着さ
せた。次に、n−ヘキサンが付着した黒鉛と、ポリエチ
レンオキサイド(PEO)2質量部からなる結着剤と、
適量の水とを混合して活物質スラリーとした。この活物
質スラリーを、ドクターブレードにより厚み20μmの
銅箔からなる負極芯体の両面に均一に塗布した後、乾燥
機中を通過させて乾燥することにより、スラリー作製時
に必要であった水を除去した。次いで、この極板を厚み
が0.14mmになるようにロールプレス機により圧延
して負極6を作製したこと以外は、上記実施例1と同様
にして、実施例2に係る本発明電池A2を作製した。 【0032】(実施例3) 黒鉛97.5質量部:n−ヘキサン9.75質量部(黒
鉛質量:n−ヘキサン質量=10:1)にしたこと以外
は、上記実施例1と同様にして、実施例3に係る本発明
電池A3を作製した。 【0033】(実施例4) 黒鉛97.5質量部:n−ヘキサン8.13質量部(黒
鉛質量:n−ヘキサン質量=12:1)にしたこと以外
は、上記実施例1と同様にして、実施例4に係る本発明
電池A4を作製した。 【0034】(実施例5) 黒鉛97.5質量部:n−ヘキサン6.10質量部(黒
鉛質量:n−ヘキサン質量=16:1)にしたこと以外
は、上記実施例1と同様にして、実施例5に係る本発明
電池A5を作製した。 【0035】(実施例6) 黒鉛97.5質量部:n−ヘキサン5.42質量部(黒
鉛質量:n−ヘキサン質量=18:1)にしたこと以外
は、上記実施例1と同様にして、実施例6に係る本発明
電池A6を作製した。 【0036】(実施例7) 黒鉛98質量部:n−ヘキサン9.8質量部(黒鉛質
量:n−ヘキサン質量=10:1)にしたこと以外は、
上記実施例2と同様にして、実施例7に係る本発明電池
A7を作製した。 【0037】(実施例8) 黒鉛98質量部:n−ヘキサン8.17質量部(黒鉛質
量:n−ヘキサン質量=12:1)にしたこと以外は、
上記実施例2と同様にして、実施例8に係る本発明電池
A8を作製した。 【0038】(実施例9) 黒鉛98質量部:n−ヘキサン6.13質量部(黒鉛質
量:n−ヘキサン質量=16:1)にしたこと以外は、
上記実施例2と同様にして、実施例9に係る本発明電池
A9を作製した。 【0039】(実施例10) 黒鉛97.5質量部:n−ヘキサン5.44質量部(黒
鉛質量:n−ヘキサン質量=18:1)にしたこと以外
は、上記実施例1と同様にして、実施例10に係る本発
明電池A10を作製した。 【0040】(実施例11) 疎水性溶媒として、n−ヘキサンのかわりにn−ヘプタ
ンを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実
施例11に係る本発明電池A11を作製した。 【0041】(実施例12)疎水性溶媒として、n−ヘ
キサンのかわりに2,2,3−トリメチルブタンを用い
たこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例12
に係る本発明電池A12を作製した。 【0042】(実施例13)疎水性溶媒として、n−ヘ
キサンのかわりにベンゼンを用いたこと以外は、上記実
施例1と同様にして、実施例13に係る本発明電池A1
3を作製した。 【0043】(実施例14)疎水性溶媒として、n−ヘ
キサンのかわりにエチルプロピルエーテルを用いたこと
以外は、上記実施例1と同様にして、実施例14に係る
本発明電池A14を作製した。 【0044】(実施例15)プレゲル溶液のかわりに、
上記実施例1で作製した電解液を4.0ml注液したこ
と以外は、上記実施例1と同様にして、実施例15に係
る本発明電池A15を作製した。 【0045】(実施例16)プレゲル溶液のかわりに、
上記実施例1で作製した電解液を4.0ml注液したこ
と以外は、上記実施例2と同様にして、実施例16に係
る本発明電池A16を作製した。 【0046】(比較例1)黒鉛をn−ヘキサンと混合し
ないで用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、
比較例1に係る比較電池X1を作製した。 【0047】(比較例2)黒鉛をn−ヘキサンと混合し
ないで用いたこと以外は、上記実施例2と同様にして、
比較例2に係る比較電池X2を作製した。 【0048】(比較例3)黒鉛をn−ヘキサンと混合し
ないで用いたこと以外は、上記実施例15と同様にし
て、比較例3に係る比較電池X3を作製した。 【0049】(比較例4)黒鉛をn−ヘキサンと混合し
ないで用いたこと以外は、上記実施例16と同様にし
て、比較例4に係る比較電池X4を作製した。 【0050】上記のように作製して電池を、以下の条件
で充電し、低負荷放電、高負荷放電容量を測定し、負荷
特性容量維持率を算出した。 【0051】充電条件:定電流 500mA、定電圧
4.2V、充電時間 3時間、25℃ 低負荷放電条件:定電流100mA、終止電圧 2.8
V、25℃ 高負荷放電条件:定電流1500mA、終止電圧 2.
8V、25℃ 負荷特性容量維持率(%):(高負荷放電容量/低負荷
放電容量)×100 【0052】本発明電池A1、A2比較電池X1、A2
について、電池の主な構成と、負荷放電容量維持率を下
記表1に示す。 【0053】 【表1】 【0054】表1から黒鉛と疎水性溶媒とを混合するこ
とにより、負荷特性が向上した電池が得られることがわ
かる。 【0055】また、カルボキシメチルセルロース(CM
C)とスチレンブタジエンゴム(SBR)との混合系か
らなる結着剤と、ポリエチレンオキシド(PEO)から
なる結着剤とでは、ほとんど同様の負荷特性を見せてい
ることがわかる。 【0056】このことは、次のように考えられる。疎水
性溶媒が黒鉛粒子表面に付着しているため、水を含有す
るCMCあるいはPEOをはじくようになる。このた
め、黒鉛粒子表面にCMCあるいはPEOで被覆されな
い部分が存在するようになり、その部分でリチウムイオ
ンが脱離・挿入しやすくなる。さらに黒鉛粒子表面の被
膜量が減少するため、負極内の空孔や隙間が多くなるた
め、負極への非水電解質の含液性が向上し、リチウムイ
オンの脱離が良好に行われるようになる。 【0057】本発明電池A1〜A10、比較電池X1、
X2について、電池の主な構成と、負荷放電容量維持率
を下記表2に示すとともに、黒鉛質量と疎水性溶媒質量
との混合比と、負荷特性の相関を図5に示す。 【0058】 【表2】【0059】表2及び図5から、CMCとSBRとの混
合系からなる結着剤と、PEOからなる結着剤との両結
着剤系において、(黒鉛質量/疎水性溶媒質量)が10
以上18以下の時は良好な負荷特性を見せているが、
(黒鉛質量/疎水性溶媒質量)の値が14を境にして、
より大きいとき、より小さいときともに負荷特性の向上
が小さいことがわかる。このことは、黒鉛質量に対する
疎水性溶媒質量が多いときには、黒鉛粒子に付着した疎
水性溶媒が水を含むCMCあるいはPEOの多くをはじ
いてしまうため、黒鉛粒子と他の黒鉛粒子との間の空隙
が大きくなり、極板内の抵抗が大きくなるためであり、
他方、黒鉛質量に対する疎水性溶媒質量が少ないときに
は、黒鉛粒子表面に十分に疎水性溶媒が付着されなくな
り、黒鉛粒子に付着した疎水性溶媒がCMCあるいはP
EOをはじく量が減少し、結果としてCMCあるいはP
EOの被覆量が十分に減少せず、十分にリチウムイオン
の脱離・挿入が向上しなかったためと考えられる。この
ため、(黒鉛質量/疎水性溶媒質量)は10以上18以
下であることが好ましく、12以上16以下であること
がさらに好ましい。 【0060】本発明電池A1、A11〜A14につい
て、電池の主な構成と、負荷放電容量維持率を下記表3
に示す。 【0061】 【表3】 【0062】表3から、本発明に使用する疎水性溶媒と
しては、n−ヘキサンに限定されるものではなく、その
他の直鎖状炭化水素、側鎖を持った脂肪族炭化水素、芳
香族炭化水素、エーテル類等においても同様に用いるこ
とができることがわかる。 【0063】本発明電池A1、A2、A15、A16、
比較電池X1〜X4について、電池の主な構成と、負荷
放電容量維持率を下記表4に示す。 【0064】 【表4】 【0065】表4から、CMCとSBRとの混合系から
なる結着剤と、PEOからなる結着剤との両結着剤系に
おいて、液状電解質を用いた電池においても、負荷特性
の向上は見られるが、ゲル状電解質を用いた電池よりも
効果が小さい。従って、本発明に使用する電池は、液状
電解質よりもゲル状電解質のほうが好ましいことがわか
る。 【0066】このことは、ゲル状電解質により黒鉛粒子
をはじめとする極板内構成物同士が強く固定されている
ため、極板内の導電抵抗が下がったため、と考えられ
る。 【0067】尚、上記実施例ではラミネート外装体を使
用したが、円筒状、角形、コイン状、ボタン型等種々の
形状にすることができることは当然のことである。 【0068】尚、上記実施例では親水性化合物を含む結
着剤としてCMCとSBRの混合系、PEOを使用した
が、その他公知の親水性化合物を含む結着剤においても
応用することが可能である。 【0069】尚、本実施例では、疎水性溶媒に脂肪族炭
化水素、芳香族炭化水素、エーテル類を用いたが、これ
らは疎水性溶媒の一例にすぎず、その他公知の疎水性溶
媒を用いても同様である。 【0070】尚、上記の実施の形態ではドクターブレー
ドによりスラリーを塗布したが、ダイコーター、ローラ
コーティング法により塗布することもできる。また、ア
ルミニウム箔のかわりにアルミニウムメッシュを用いて
も、同様に作製することができる。 【0071】尚、上記実施例ではスラリー作製時に使用
する溶媒として水を使用したが、特に水に限定されるも
のではなく、親水性化合物を含む結着剤と、負極活物質
とを混合してスラリーとすることができる他の溶媒であ
ってもよい。 【0072】 【発明の効果】上記の結果から明らかなように、本発明
によると、負極活物質と疎水性溶媒とを混合して、前記
負極活物質に前記疎水性溶媒を付着させる工程と、前記
疎水性溶媒が付着した負極活物質と、親水性化合物を含
む結着剤と、溶媒とを混合し、負極活物質スラリーを作
製する工程とにより、負荷特性が向上し、製造時間が短
縮された非水電解質二次電池の製造方法が提供されると
いう優れた効果を奏する。
ト外装体の断面図。 【図4】本発明に係る非水電解質二次電池に用いる電極
体の斜視図。 【図5】負極活物質と疎水性溶媒との混合比と、負荷特
性との相関を表した図面。 【符号の説明】 1 電極体 2 収納空間 3 アルミラミネート外装体 4a、4b、4c 封止部 5 正極 6 負極 7 正極リード 8 負極リード
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 正極と、負極と、非水溶媒と電解質塩と
を含む非水電解質と、を有する非水電解質二次電池の製
造方法であって、 負極活物質と疎水性溶媒とを混合して、前記負極活物質
に前記疎水性溶媒を付着させる工程と、 前記疎水性溶媒が付着した負極活物質と、親水性化合物
を含む結着剤と、溶媒とを混合し、負極活物質スラリー
を作製する工程と、 前記負極活物質スラリーを負極芯体に塗布する工程と、 前記負極活物質スラリーが塗布された負極芯体を乾燥
後、プレスして負極を作製する工程と、 を含むことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方
法。
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JP2014011076A (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-20 | Toyota Motor Corp | 非水電解質二次電池およびその製造方法 |
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