JP2003287967A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

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JP2003287967A JP2002091433A JP2002091433A JP2003287967A JP 2003287967 A JP2003287967 A JP 2003287967A JP 2002091433 A JP2002091433 A JP 2002091433A JP 2002091433 A JP2002091433 A JP 2002091433A JP 2003287967 A JP2003287967 A JP 2003287967A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、定着ローラ表面の絶縁破壊を起こ
すことなく、常に安定した定着ローラ、加圧ローラの電
位関係、及びトナー層電荷と記録材裏面電荷の関係を保
ち、オフセット現象の発生の少ない、良好な画像を得る
ことができる定着装置、および画像形成装置を提供する
ことを目的としている。 【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明に係
る定着装置及び画像形成装置の代表的な構成は、少なく
とも、加熱源を有する回転体と、該回転体と圧接部を形
成する加圧部材とを有し、前記圧接部に記録材を挟持搬
送しつつ、該記録材表面に静電的に付着形成されたトナ
ー像を該記録材上に熱定着させる定着装置において、前
記回転体及び前記加圧部材に電圧を印加し、アースに接
続された電極部材を前記圧接部より下流側に設けること
により、前記圧接部から前記記録材を通してアースに流
れる電流経路を形成するバイアス印加手段を有し、前記
バイアス印加手段は、単一の電源から分岐することによ
り、前記回転体と前記加圧部材に電圧を印加することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未定着のトナー像
を記録材に定着させるための定着装置、およびこれを備
えた画像形成装置に関する。画像形成装置とは、例えば
電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の画像形成装置を図面により説明す
る。図10は従来の画像形成装置の例を示す断面図であっ
て、四色のトナーを重ねあわせることによりフルカラー
画像を得ることができるものである。図に示す画像形成
装置は、電子写真感光体として感光体ドラム1を備えて
いる。感光体ドラム1表面は帯電手段としての帯電ロー
ラ2によって一様帯電され、次に画像情報に応じて露光
手段である光学装置3によって制御されたレーザービー
ムによる走査露光が行われることにより、静電潜像が形
成される。形成された静電潜像は、現像装置4に備えら
れたブラック、マゼンタ、シアン、イエロー各色のトナ
ーを有する第一〜第四現像器4a〜dにより現像され、
各色のトナー像が形成される。
【0003】各色のトナー像は一色ごとに中間転写ベル
ト5aに重畳的に一次転写され、一括して記録材Pに二
次転写される。トナー像を担持した記録材Pは、入口ガ
イド板9を通って内部に加熱源(図示せず)を有する定
着ローラ10と加圧ローラ11に加熱加圧されながら搬送さ
れ、トナー像を定着された後に機外に排出され、画像形
成を終了する。
【0004】しかしながら、上記の構成においては、ト
ナー像を定着する際に、トナー像の一部が定着ローラ10
側にひきつけられ、定着ローラ10の一周後に再び記録材
P上にトナーが吐き出されることによるオフセット画像
が発生することがあった。
【0005】オフセットとは、通常、記録材P裏面のプ
ラス電荷により保持されている、記録材P表面のマイナ
ス極性に帯電したトナーが、表面が絶縁ないしは半導電
性の定着ローラ10及び表面が絶縁性の加圧ローラ11によ
り形成される圧接部(以下、「定着ニップ部」と呼ぶ)
に突入する際に、定着ニップ部近傍における定着ローラ
10表面電位がプラス方向に振れた際に、記録材P裏面の
プラス電荷により保持できなくなり、定着ローラ10側に
移動する現象である。この定着ローラ10に付着したトナ
ーが再び記録材Pに戻ることにより、記録材P上に画像
不良として現れてしまう。
【0006】このオフセット現象は、特に、全面にトナ
ーを載せたベタ画像や、さらには二色以上のトナーを重
ねてカラー画像を形成するカラー画像形成装置におけ
る、二色以上のトナーを重ね合わせたベタ画像におい
て、顕著となる。すなわち、トナー層が厚く堆積してい
る表面においては、記録材P裏面の電荷によりすべての
トナーを保持することが難しく、オフセット現象も発生
しやすくなる。
【0007】この現象を防止するためには、定着ローラ
10表面に導電性を持たせることが考えられるが、この場
合は、トナーのマイナス電荷が定着ローラを通して逃げ
てしまうこととなり、記録材裏のプラス電荷によってト
ナーを引き止めることができなくなってしまう。このこ
とにより、結局はオフセット現象が発生してしまうこと
となり、根本的な解決とならない。
【0008】これに対して、従来の画像形成装置におい
ては、定着ローラ10に負のバイアスを印加することによ
り、定着ローラ10とトナーの間に反発電界を生じさせる
ことによりオフセットを防止する方法が試みられてい
る。
【0009】図7は、特許第3053459号公報に掲載され
ている定着装置の構成を示した図である。図において、
定着ローラ10には、バイアス印加手段としての電源30よ
り抵抗R6を介して負バイアスが印加されている。これに
より、定着ローラ10が負に帯電し、トナーと定着ローラ
10との間に反発電界を生じ、オフセット現象を防止する
働きをもたせている。
【0010】ところが、上記の構成においてもなお、オ
フセット現象が発生する場合があった。特に、カラー画
像形成装置の場合のようにトナー層が厚く堆積している
場合においては、定着ローラ10の表面電位や、記録材P
裏面の電荷をコントロールするだけでは、オフセット現
象を解決できない場合があった。すなわち、トナー層が
厚く堆積している場合においては、マイナス帯電した各
トナー粒子が互いに反発力を生じるため、定着ローラ10
表面の電位だけをコントロールしても、トナー粒子間の
反発力により、最上層のトナーが、定着ローラ10に付着
してしまうと考えられる。
【0011】これに対して、近年、定着ローラ10にバイ
アスを印加し、定着ニップ部直後に、アースに接続され
た排出ローラを設け、定着ローラ10から記録材Pを通っ
て排出ローラからアースへと流れる電流経路を形成する
ことによりオフセット防止を図った構成が提案されてい
る。
【0012】本構成を、図8を用いて詳述する。図8に
おいて、電源30は定着ローラ10に対して負のバイアスを
印加する。また、排出ローラ18は導電化されており、ア
ースに接続されている。電源30から印加されたバイアス
は、定着ローラ10、記録材Pを通って、排出ローラ18か
らアースに流れ込むことにより、電流経路が形成され
る。このように電流経路を形成することにより、トナー
層表面と、記録材P表面の間に、電界が形成される。こ
の電界によって、トナーが厚く体積した場合において
も、トナー粒子を記録材側に押しつける力が発生し、ト
ナー最上層が定着ローラ表面に付着することなく、良好
な画像を得ることが可能となる。
【0013】また、電流経路が形成されることにより、
トナー層中に電荷が流れ込み、トナー層表面と記録材P
裏面との間に形成される電界に見合った量の電荷が、ト
ナー層中のトナー粒子に帯電される。このことにより、
特にトナーが厚く堆積しているときには、トナー層最上
層が帯電量が最も大きく、徐々に記録材表面付近に近づ
くにつれ、トナーの帯電状態が弱くなって行き、電流経
路が形成されない場合、すなわちトナー層中のトナー
が、全て一様に等しい電荷を持つ場合に比べて、記録材
表面付近のトナー粒子とトナー層最上層部のトナー粒子
との反発力が軽減される効果をもつ。このことによっ
て、トナー層最上層部のトナー粒子が定着ローラ側に付
着することがなくなり、オフセット現象が防止される。
【0014】なお、電源30から定着ローラに流れ込む電
流値を測定すると、通常環境で測定される記録材Pの抵
抗値から予想されるよりも大きな値の電流が流れてい
る。これは、定着ニップ部通過時に記録材Pより放出さ
れる水蒸気の影響によるものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の如く、定着ローラ10から、記録材P、排出ローラ
18を通ってアースに流れ込む電流経路を形成するために
は、定着ローラ10にある程度の導電性を持たせる必要が
ある。このため従来例においては、定着ローラ10の表面
層に、カーボン等の導電剤を分散した材料を使用してい
る。このことにより、定着ローラ10表面層の耐圧が不十
分な状態となってしまい、定着ローラ10から排出ローラ
18へと十分な電流を流そうとすると、定着ローラ10表面
層が絶縁破壊を起こしてしまうという問題があった。
【0016】これに対して、特開2000-338807号公報に
おいて、加圧ローラ11も導電化して、これに別電源から
バイアスを印加することにより、定着ローラ10と加圧ロ
ーラ11の電位差を低く保つことにより、表面層の絶縁破
壊を防止する構成が提案されている。
【0017】本構成を図9によって説明する。図に示す
ように、本構成の定着装置は、複数の電源30a、30bを
有し、定着ローラ用電源30aは保護抵抗R4を介して定着
ローラ10に、加圧ローラ用電源30bは保護抵抗R5を介し
て加圧ローラ11にそれぞれ接続されており、排出ローラ
18を導電化して、アースに接続している。そして電源30
aと30bに印加するバイアスの差を、定着ローラ10の表
面層が絶縁破壊を起こす電圧より低く設定することによ
り、定着ローラ10の表面層の絶縁破壊を防止している。
【0018】しかしながら、本構成においては、抵抗の
低い記録材が通紙された際に、保護抵抗による電圧降下
が大きくなることで、定着ローラ10の電位が大幅に低下
した際に、加圧ローラ11の電位との電位差が小さくなり
すぎてしまい、かえってオフセット現象を悪化させてし
まう場合があった。
【0019】また、ラベル紙(表面層の抵抗が低く、裏
面の剥離紙が樹脂ラミネート加工してあるため、裏面の
抵抗が著しく高い)や、トナーを全面に乗せたベタ画像
(トナーは高抵抗なため、記録材表面の抵抗が高く、裏
面の抵抗が低い状態となる。さらに、ベタ画像を記録し
た場合は、記録材P表面のトナー層が蓋の役割を果たす
ことで、記録材P裏面側に放出される水蒸気量が、表面
側に放出される水蒸気量に比べて著しく多くなるため、
さらに裏面の抵抗が低い状態となる)等、記録材の表面
と裏面で著しく抵抗の異なる記録材を通紙した際にも、
オフセット現象の悪化が見られる。これは、記録材表面
を通って流れる電流と、記録材裏面を通って流れる電流
との差が大きいため、抵抗R4と抵抗R5における電圧
降下のバランスが著しく崩れ、定着ローラ10と加圧ロー
ラ11の電位の差が小さくなったり、時には逆転してしま
う場合もあるばかりでなく、定着ローラ10から記録材P
表面のトナー層に流れ込む電流に対して、加圧ローラ11
から記録材P裏面に流れ込む電流の値が大きくなってし
まうためである。すなわち、定着ローラ10よりトナー層
にマイナス電荷が付与される以上に、記録材P裏面にマ
イナス電荷が付与されると、記録材P裏面の転写電荷と
トナー帯電電荷のバランスが崩れ、記録材P裏面にトナ
ーを保持する力が弱まってしまうためである。
【0020】そこで本発明は、定着ローラ表面の絶縁破
壊を起こすことなく、常に安定した定着ローラ、加圧ロ
ーラの電位関係、及びトナー層電荷と記録材裏面電荷の
関係を保ち、オフセット現象の発生の少ない、良好な画
像を得ることができる定着装置、および画像形成装置を
提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る定着装置及び画像形成装置の代表的な
構成は、少なくとも、加熱源を有する回転体と、該回転
体と圧接部を形成する加圧部材とを有し、前記圧接部に
記録材を挟持搬送しつつ、該記録材表面に静電的に付着
形成されたトナー像を該記録材上に熱定着させる定着装
置において、前記回転体及び前記加圧部材に電圧を印加
し、アースに接続された電極部材を前記圧接部より下流
側に設けることにより、前記圧接部から前記記録材を通
してアースに流れる電流経路を形成するバイアス印加手
段を有し、前記バイアス印加手段は、単一の電源から分
岐することにより、前記回転体と前記加圧部材に電圧を
印加することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】[第一実施形態]本発明に係る定
着装置及び画像形成装置の第一実施形態について、図を
用いて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置
の概略構成図、図2は本実施形態に係る定着装置の構成
図、図3は比較例1を説明する定着装置の構成図、図4
は比較例2を説明する定着装置の構成図である。
【0023】(全体構成)まず、図1を用いて画像形成
装置の全体構成について説明する。本実施形態において
は、画像形成装置として、四色のトナーを重ねあわせる
ことによりフルカラー画像を得ることができるフルカラ
ー画像形成装置を用いている。
【0024】図1に示す画像形成装置は、電子写真感光
体として感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1
表面は、まず帯電手段としての帯電ローラ2によって一
様に帯電され、次に第一の画像情報に応じて、露光手段
である光学装置3によって、ON/OFF制御されたレ
ーザービームによる走査露光が行われることにより、第
一の静電潜像が形成される。
【0025】このように形成された静電潜像は、現像手
段である現像装置4により、可視化される。現像装置4
は、第一色目のトナーとしてブラックトナーが内包され
た第一の現像器4a、第二色目のトナーとしてマゼンタ
トナーが内包された第二の現像器4b、第三色目のトナ
ーとしてシアントナーが内包された第三の現像器4c、
第四色目のトナーとしてイエロートナーが内包された第
四の現像器4dを搭載し、矢印D1方向に回転可能な回
転支持体を備えている。この回転支持体を矢印D1方向
に回転させることにより、現像に供される現像器4a〜
dを順に感光体ドラム1に対向する現像位置に配置する
構成となっている。
【0026】上述の第一の静電潜像は、第一色目のトナ
ーとしてブラックトナーが内包された第一の現像器4a
によりブラックのトナー像として現像される。現像され
た第一のトナー像は、転写手段5の一部を構成する中間
転写ベルト5a(中間転写体)に一次転写される。中間
転写ベルト5aは、たとえば厚さ50〜200μm、体積抵抗
率10^8〜10^14Ωcmに調整されたPVdF、PET、ポリカー
ボネート、ポリエチレン、シリコーン等の樹脂により構
成される。また、厚さ0.3〜2mm、体積抵抗率10^4〜10^8
Ωcmに調整されたウレタンゴム、ヒドリンゴム、NBR、E
PDM等の弾性基層上に、厚さ2〜100μm、体積抵抗率10^8
〜10^14Ωcmに調整されたゴム、または樹脂を表層とし
て設ける構成としても良い。中間転写ベルト5aは、周
長が441mmに設定されており、ローラ5b、5c、5d
に掛け渡されている。
【0027】中間転写ベルト5aは、その内側に配置さ
れた一次転写ローラ6によって、感光体ドラム1表面に
所定の押圧力をもって押圧されており、感光体ドラム1
との間に一次転写ニップ部T1を形成している。中間転
写ベルト5aは、感光体ドラム1の周速とほぼ等速度で
感光体ドラム1の回転方向(矢印D2方向)に回転駆動
される。上述の感光体ドラム1表面に形成されたトナー
像は、上述の一次転写ローラ6に対して、一次転写バイ
アス印加電源(不図示)によってトナーの帯電極性とは
逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されることに
より、中間転写ベルト5a表面に静電的に一次転写され
る。なお、一次転写が終了した感光体ドラム1表面に若
干量残存する一次転写残トナーは、クリーニング装置7
によって除去される。
【0028】続いて、上述の一連の画像形成工程、すな
わち一次帯電、露光、現像、一次転写、クリーニングを
残りの三色について繰り返し、その都度、マゼンタトナ
ーにより現像された第二のトナー像、シアントナーによ
り現像された第三のトナー像、イエロートナーにより現
像された第四のトナー像が、準じに中間転写ベルト5a
表面に一次転写されて重ねあわされる。
【0029】その後、中間転写ベルト5a表面に対して
離間状態にあった定着手段としての二次転写ローラ8が
所定の押圧力をもって中間転写ベルト5a表面に圧接さ
れ、中間転写ベルト5aとの間に二次転写ニップ部T2
を形成する。二次転写ローラ8は矢印D3方向に回転駆
動され、二次転写バイアス印加手段(不図示)によっ
て、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧(二次転写バイ
アス)が印加される。これにより、二次転写ニップ部T
2に所定のタイミングで搬送されてくる記録材P表面
に、中間転写ベルト5a表面に重ねあわされた四色のト
ナー像が一括して二次転写される。
【0030】トナー像二次転写後の記録材Pは、矢印D
4方向に定着手段として後述する定着装置へと搬送さ
れ、ここで、加熱、加圧されて永久画像として定着され
た後、機外(画像形成装置本体外部)へ排出される。
【0031】そして、トナー像を二次転写した後の中間
転写ベルト5aは、表面に若干量残存する二次転写残ト
ナーが、駆動手段(不図示)により所定のタイミングで
中間転写ベルト5a表面に対して当接状態となるクリー
ニングローラ21により除去される。このクリーニングロ
ーラ21は、たとえば芯金の周囲に厚さ2〜6mm、体積抵抗
率10^4〜10^6Ωcmに調整されたゴム、樹脂等の表層が形
成されており、感光体ドラム1表面のトナー像が中間転
写ベルト5a表面に順次一次転写されている際には、中
間転写ベルト5a表面から離間され、中間転写ベルト5
a表面のトナー像が記録材P表面に当接され、高圧電源
(不図示)によりバイアスが印加される。これにより中
間転写ベルト5a表面に残存する二次転写残トナーは、
本来の帯電極性とは逆の帯電極性に帯電され、連続して
行われる後続の画像形成工程の第一色目のブラックトナ
ーによる第一のトナー像が感光体ドラム1表面から中間
転写ベルト5a表面に一次転写されると同時に、一次転
写ニップ部T1において、中間転写ベルト5a表面から
感光体ドラム1表面へと逆転写され、中間転写ベルト5
a表面のクリーニング工程が完了する。
【0032】(定着装置)次に、本実施形態に係る定着
装置について、図2を用いて詳述する。図において定着
手段たる定着装置は、定着ローラ10及び加圧ローラ11に
よって形成された圧接部(定着ニップ部)において、記
録材を挟持搬送しつつ、該記録材表面に静電的に付着形
成されたトナー像を該記録材上に熱定着させるものであ
る。
【0033】定着ローラ10は、外径30mm、肉厚2mmのア
ルミニウム円筒10a上に、約30μm厚のPFA等のフッ素樹
脂に導電剤を分散したものをコーティングして構成され
る表面層10bをを有している。また、内部には加熱体と
して、不図示のハロゲンヒータが配設されており、所定
の制御により定着ローラ10の温度が適温となるように加
熱する。
【0034】加圧ローラ11は、芯金11a、芯金11aの外
周の弾性ゴム層11b、最外殻層となるフッ素樹脂層11c
から構成されている。具体的な例として、加圧ローラ11
のローラ径を25mm、ゴム厚3.5mmとして、芯金11aの材
質をアルミニウムとする。そして、弾性ゴム層11bのゴ
ム材質としてはシリコーンゴムを用いるが、さらに、カ
ーボンブラックなどの導電剤を添加して、体積抵抗が10
^3〜10^7Ωcmとなるように導電化している。弾性ゴム層
11bの上には、定着ローラ10の表面層と同様、導電剤を
分散することにより導電化した離型性層として、フッ素
樹脂層をコートし、これも同様に導電化している。
【0035】定着ローラ10、加圧ローラ11の表面層に分
散する導電剤としては、有機リン塩、パーフルオロアル
キル基を含む有機塩といったイオン導電性導電剤、もし
くは、カーボン等の電子導電性導電剤等、任意の導電剤
を使用することができる。本実施形態においては、定着
ローラ表面層に、カーボンを分散することにより、体積
抵抗を約10^9Ωcmに調整している。定着ローラ10表面層
の耐圧については、定着ローラ10、加圧ローラ11を圧接
させ、定着ローラ10のみに電圧を印加した際に表面層に
絶縁破壊の起こる電圧の値を調べることによって分か
る。
【0036】本実施形態の定着ローラ10においては、と
もに、約-400Vの電圧を印加した際に、表面層に絶縁破
壊が発生した。絶縁破壊が発生した箇所においては、表
面層が失われ、下地層が露出する。このため、絶縁破壊
の発生した定着ローラ10を使用した際には、絶縁破壊の
発生した箇所において、電流のリークが発生することに
よる電圧降下が起こり、オフセット防止効果が不十分と
なるため、定着ローラ10周期でのオフセット画像が発生
する。
【0037】定着ローラ10および加圧ローラ11には、記
録材Pを介して電流経路を形成するためのバイアス印加
手段たる電源30aが接続されている。また、定着ニップ
部より下流側には導電化された電極部材である排出ロー
ラ18を設け、アースに接続している。電源30から印加さ
れたバイアスは、抵抗R1を介して定着ローラ10に、さら
に抵抗R2を介して加圧ローラ11にそれぞれ印加され、さ
らに抵抗R3を介してアースに接続されている。電源より
印加するバイアスの値、およびR1、R2、R3の比を適切に
設定することにより、定着ローラ10、加圧ローラ11の電
圧を異ならせ、所望の比率で印加することができる。
【0038】本実施形態においては、電源30よりDC-100
0Vを印加し、R1:20MΩ、R2:30MΩ、R3:50MΩの抵抗
を用いている。これにより、記録材Pを搬送しない状態
での定着ローラ10、加圧ローラ11の電位はそれぞれ、-8
00V、-500Vとなり、定着ローラ表面層10bの絶縁破壊は
発生しない。
【0039】電源30から印加されたバイアスは、定着ロ
ーラ10および加圧ローラ11の定着ニップ部から、記録材
Pを通って、排出ローラ18を通してアースに流れ込むこ
とにより、電流経路が形成される。このように電流経路
を形成することにより、トナー層表面と、記録材P裏面
の間に、電界が形成される。この電界によって、トナー
が厚く堆積した場合においても、トナー粒子を記録材P
側に押し付ける力が発生し、トナー最上層が定着ローラ
表面に付着することなく、良好な画像を得ることが可能
となる。
【0040】また、電流経路が形成されることにより、
トナー層中に電荷が流れ込み、トナー層表面と記録材P
裏面との間に形成される電界に見合った量の電荷が、ト
ナー層中のトナー粒子に帯電される。このことにより、
特にトナーが厚く堆積しているときには、トナー層最上
層が帯電量が最も大きく、徐々に記録材表面付近に近づ
くにつれ、トナーの帯電状態が弱くなっていき、電流経
路が形成されない場合、すなわち、トナー層中のトナー
が全て一様に等しい電荷を持つ場合に比べて、記録材表
面付近のトナー粒子とトナー層最上層部のトナー粒子と
の反発力が軽減される効果をもつ。このことによって、
トナー層最上層部のトナー粒子が定着ローラ側に付着す
ることがなくなり、オフセット現象が防止される。
【0041】この定着装置を画像形成装置にセットし、
普通紙(Xerox社製4024(商品名)75g/m^2紙)、ラベル
紙(Avery社製5160(商品名))を、低温低湿環境(気
温15℃、湿度10%Rh)および高温高湿環境(気温30℃、
湿度80%Rh)において、先端50mm部分に、5mm角の二次
色(シアン100%、マゼンタ100%)のパッチを記録した
パターンを出力した。さらに、普通紙に関しては、画像
の上半分を二次色のベタ画像としたパターンも出力し
た。
【0042】このとき高温高湿環境においては、普通
紙、ラベル紙とも吸湿により低抵抗化すると考えられ
る。さらにラベル紙の場合は、剥離紙が高抵抗な材質で
作られているために表面抵抗が低くなるのに対し、裏面
抵抗が高いままとなり、表裏の抵抗の差が極端に大きく
なる。また普通紙にベタ画像を記録した場合、トナー層
は高抵抗層を形成するため、表面抵抗が高く、裏面抵抗
が低くなる。
【0043】そこで、抵抗R1と定着ローラ10の間の電位
VAおよび、抵抗R2と加圧ローラ11の間の地点における電
位VBを測定し、VAとVBの差ΔVを求める実験を行った。
さらに、定着ローラ10に流れ込む電流IAおよび、加圧ロ
ーラに流れ込む電流IBを測定し、IAとIBの差ΔIも求め
た。
【0044】このとき、普通紙では、高温高湿環境で、
ΔV=150V、ΔI=30μAで、オフセットは若干見られる
が、実用上問題のないレベルであった。低温低湿環境で
は、ΔV=310V、ΔI=6μAで、オフセットは全く問題の
ないレベルであった。
【0045】また、ラベル紙では、高温高湿環境で、Δ
V=150V、ΔI=30μAで、オフセットは若干見られる
が、実用上問題のないレベルであった。低温低湿環境で
は、ΔV=150V、ΔI=25μAで、オフセットは若干見ら
れるが、実用上問題のないレベルであった。
【0046】また、普通紙にベタ画像を記録したパター
ンにおいては、高温高湿環境で、ΔV=240V、ΔI=20μ
Aで、オフセットは全く問題のないレベルであった。低
温低湿環境では、ΔV=450V、ΔI=7μAで、オフセット
全く問題のないレベルであった。
【0047】(比較例1)本比較例においては、第一実
施形態と基本的な構成は同様だが、定着ローラ10に印加
するバイアスと、加圧ローラ11に印加するバイアスを別
の電源から取っている。図3に、本比較例の定着装置の
断面図を示す。図に示すごとく、バイアス印加用の電源
は、定着ローラ用の電源30aと、加圧ローラ用の電源30
bに分かれ、それぞれ抵抗R4、R5を介して、定着ローラ
10、加圧ローラ11に接続されている。
【0048】本比較例においては、定着ローラ用電源30
aは-750V、加圧ローラ用電源30bは-450Vをそれぞれ印
加する構成としている。これにより、定着ローラ10と加
圧ローラ11の表面電位の差は、記録材Pが介在しない状
態で、300Vとなり、定着ローラ表面層10bの絶縁破壊は
発生しない構成となっている。また、R4、R5の抵抗値は
ともに20MΩとした。
【0049】本比較例においても、第一実施形態と同様
に、普通紙(Xerox社製4024(商品名)75g/m^2紙)、ラ
ベル紙(Avery社製5160(商品名))を、低温低湿環境
(気温15℃、湿度10%Rh)および高温高湿環境(気温30
℃、湿度80%Rh)において、先端50mm部分に、5mm角の
二次色(シアン100%、マゼンタ100%)のパッチを記録
したパターンを出力した。さらに、普通紙に関しては、
画像の上半分を二次色のベタ画像としたパターンも出力
した。
【0050】また、第一実施形態と同様、抵抗R4と定着
ローラ10の間の電位VCおよび、抵抗R5と加圧ローラ11の
間の地点における電位VDを測定し、VCとVDの差ΔVを求
めた。さらに、定着ローラ10に流れ込む電流ICおよび、
加圧ローラに流れ込む電流IDを測定し、ICとIDの差ΔI
も求めた。
【0051】このとき、普通紙では、高温高湿環境で、
ΔV=60V、ΔI=12μAとなり、ひどいオフセット画像が
発生してしまった。また低温低湿環境では、ΔV=200
V、ΔI=4μAで、オフセットは全く問題のないレベルで
あった。
【0052】ラベル紙では、高温高湿環境で、ΔV=0
V、ΔI=15μAで、普通紙の場合と同様、ひどいオフセ
ット画像が発生してしまった。低温低湿環境では、ΔV
=170V、ΔI=8μAで、オフセットは若干見られるが、
実用上問題のないレベルであった。
【0053】また、普通紙にベタ画像を記録したパター
ンにおいては、高温高湿環境で、ΔV=150V、ΔI=7μA
で、オフセットは若干見られるが、実用上問題のないレ
ベルであった。低温低湿環境では、ΔV=480V、ΔI=-9
μAで、ひどいレベルのオフセット画像が発生してしま
った。
【0054】(比較例2)本比較例においては、第一実
施形態に対して、加圧ローラ11にバイアスを印加しない
構成とした。図4に示すごとく、電源30は抵抗R6を介し
て定着ローラ10のみに接続され、加圧ローラ11はフロー
トとしている。抵抗R6は20MΩのものを用いた。また、
電源30には-750Vの電圧を印加した。
【0055】本比較例の定着装置を画像形成装置に装着
して、数枚の画像形成を行ったところ、定着ローラ周期
のひどいオフセット画像が発生した。定着ローラ10を観
察すると、表面層に絶縁破壊が起こっており、そこから
電流がリークすることにより、定着ローラバイアスが落
ち込み、これによりオフセットが発生したものである。
【0056】(比較例3)本比較例においては、比較例
2と同様だが、電源30より印加するバイアスを-300Vと
したことが異なる。本比較例の定着装置を画像形成装置
に装着し、第一実施形態と同様の画像形成を行った。
【0057】高温高湿環境においては、普通紙で、ΔV
が60Vとなり、ひどいレベルのオフセットが発生した。
ラベル紙、ベタ画像を記録した普通紙においては、どち
らもΔVが100Vとなり、いずれの画像においても、若干
のオフセットは見られるが、実用上は問題のないレベル
であった。
【0058】低温低湿環境においては、普通紙、ラベル
紙、ベタ画像を記録した普通しにおいて、それぞれΔV
が、210V、250V、250Vとなり画像上は問題は発生しなか
った。
【0059】第一実施形態および比較例1〜3の結果を
比較すると、表1の通りとなる。
【0060】
【表1】
【0061】表1からも分かるとおり、ΔVが100Vより
小さくなることで、オフセットのレベルが悪化する。こ
れは、定着ローラ10と加圧ローラ11の間の電界が十分
形成されないため、トナーが定着ローラ側に引き寄せら
れるのを防止できなくなってしまうためである。
【0062】また、ΔIがマイナス(すなわち、加圧ロ
ーラ11側から定着ローラ10側にマイナス電荷が流れ込む
状態)となると、同様にひどいオフセット画像が発生す
ることが分かる。これは、加圧ローラ11側からマイナス
電荷が流れ込むために、転写工程によって記録材P裏面
に与えられたプラス電荷が失われてしまうため、記録材
P裏面よりトナーを引き付ける力がなくなり、トナーが
定着ローラ10側に引き付けられてしまうためである。
【0063】上記説明した如く、単一の電源30から分岐
して定着ローラ10及び加圧ローラ11に電圧を印加し、記
録材Pを通して電極部材である排出ローラ18に流れる電
流経路を形成することにより、記録材の抵抗や、表面、
裏面の抵抗バランスの如何に関わらず、定着ローラ10と
加圧ローラ11の電位関係を常に良好に保つことができ、
回転体表層の絶縁破壊を防止すると同時に、記録材表面
のトナーに与えられる電荷と記録材裏面の電荷のバラン
スを適正に保つことができ、安定してオフセット現象を
防止することが可能となる。
【0064】また定着ローラ10と加圧ローラ11に印加さ
れる電圧を異ならせることにより、定着ローラ10や加圧
ローラ11に所望の比率のバイアス電圧を印加することが
できる。また定着ローラ10と加圧ローラ11に印加される
電圧は、単一の電源から分岐された電流を異なる大きさ
の抵抗を介して印加することにより、容易に異ならせる
ことができる。
【0065】[第二実施形態]本発明に係る定着装置及
び画像形成装置の第二実施形態について、図を用いて説
明する。図5は本実施形態に係る加圧部材としての加圧
ローラの断面図であって、上記第一実施形態と説明の重
複する部分については同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0066】本実施形態は、基本構成は上記第一実施形
態と同様であるが、第一実施形態においては加圧部材と
しての加圧ローラ11の表面層を導電化した離型性層とし
ていたのに対し、本実施形態においては絶縁層とした点
において異なっている。
【0067】図5において、芯金11a、弾性ゴム層11b
は第一実施形態の加圧ローラと共通であるが、表面層11
dには、導電剤を分散しない絶縁性のPFAをコートし
た。このとき、表面層11dの体積抵抗は、10^14Ωcm以
上であった。
【0068】この加圧ローラを、第一実施形態と同様の
定着装置に装着し、この定着装置を第一実施形態と同様
の画像形成装置に装着して、第一実施形態と同様、普通
紙、ラベル紙及び普通しにベタ画像を記録したパターン
を出力した。そして第一実施形態の場合と同様、抵抗R1
と定着ローラ10の間の電位VAおよび、抵抗R2と加圧ロー
ラ11の間の地点における電位VBを測定し、VAとVBの差Δ
Vを求めた。さらに、定着ローラ10に流れ込む電流IAお
よび、加圧ローラに流れ込む電流IBを測定し、IAとIBの
差ΔIも求めた。
【0069】このとき、普通紙では、高温高湿環境でΔ
V=100V、ΔI=33μAで、オフセットは若干見られる
が、実用上問題のないレベルであった。低温低湿環境で
は、ΔV=227V、ΔI=12μAで、オフセットは全く問題
のないレベルであった。
【0070】また、ラベル紙では、高温高湿環境で、Δ
V=100V、ΔI=33μAで、オフセットは若干見られる
が、実用上問題のないレベルであった。低温低湿環境で
は、ΔV=129V、ΔI=29μAで、オフセットは若干見ら
れるが、実用上問題のないレベルであった。
【0071】また、普通紙にベタ画像を記録したパター
ンにおいては、高温高湿環境で、ΔV=129V、ΔI=29μ
Aで、オフセットは全く問題のないレベルであった。低
温低湿環境では、ΔV=259V、ΔI=7μAで、オフセット
全く問題のないレベルであった。
【0072】(比較例4)本比較例は、比較例1と同様
に(図3参照)、二つの電源を用いて、定着ローラ10と
加圧ローラ11にそれぞれ異なるバイアスを印加する構成
において、第二実施形態と同様、加圧ローラ表面層を絶
縁としたものである。
【0073】本比較例においても、第二実施形態と同様
に画像を出力したところ、普通紙では、高温高湿環境
で、ΔV=-236V(これは、加圧ローラ11が定着ローラ10
よりも強くマイナスに帯電していることを意味する)、
ΔI=27μAで、ひどいレベルのオフセット画像が発生し
てしまった。低温低湿環境では、ΔV=86V、ΔI=11μA
で、オフセットは若干発生するものの、実用上問題のな
いレベルであった。
【0074】また、ラベル紙では、高温高湿環境で、Δ
V=-236V、ΔI=27μAで、ひどいレベルのオフセットが
発生した。低温低湿環境では、ΔV=-169V、ΔI=23μA
で、やはり、ひどいレベルのオフセットが発生してしま
った。
【0075】また、普通紙にベタ画像を記録したパター
ンにおいては、高温高湿環境で、ΔV=-169V、ΔI=23
μAで、オフセットは若干発生するものの、実用上問題
のないレベルであった。低温低湿環境では、ΔV=175
V、ΔI=6μAで、オフセットは若干発生するものの、実
用上問題のないレベルであった。
【0076】第二実施形態および比較例4の結果をまと
めると、表2の通りとなる。
【0077】
【表2】
【0078】一般に、加圧ローラ表面層の抵抗が、定着
ローラ表面層の抵抗より高い場合、より少ない電位差
で、大きな電流値を得ることができるのに加えて、加圧
ローラ側からの記録材裏面へのマイナス電荷流れ込みが
ないため、通常の使用状態においては、オフセット防止
効果には、より優れると考えられる。
【0079】しかしながら、上記結果からも分かる通
り、複数の電源を備えた定着装置においては、加圧ロー
ラ表面層が絶縁の場合、定着ローラ10に印加されたバイ
アスが、表面抵抗の低い記録材が通紙されたときの電圧
降下によって、定着ローラ電位が低下することにより、
加圧ローラ11に印加されるバイアス、すなわち加圧ロー
ラ電位の値を下回ってしまう可能性が高く、定着ローラ
10と加圧ローラ11の間の電位関係が逆転してしまうこと
にから、ひどいレベルのオフセットを発生させてしまう
ことが分かる。これに対して、第二実施形態のような単
一の電源から分岐してバイアスを印加する系では、定着
ローラ10に印加されるバイアスの電圧降下に伴い、加圧
ローラ11に印加されるバイアスも下がるため、定着ロー
ラ10と加圧ローラ11の電位関係が逆転することなく、安
定して良好な画像を得ることができる。
【0080】上記説明した如く、単一の電源30から分岐
して定着ローラ10及び加圧ローラ11に電圧を印加し、記
録材Pを通して電極部材である排出ローラ18に流れる電
流経路を形成することにより、トナー非定着面に接する
側の部材である加圧ローラ11を導電ゴムに定着ローラ10
表層より高抵抗な表層を被覆して、通常使用状態におけ
るオフセットに対し有利な系を採用した場合において
も、第一の発明と同様、記録材の抵抗や、表面、裏面の
抵抗バランスの如何に関わらず、定着ローラと加圧ロー
ラの電位関係を常に良好に保つことができ、回転体表層
の絶縁破壊を防止すると同時に、記録材表面のトナーに
与えられる電荷と記録材裏面の電荷のバランスを適正に
保つことにより、安定してオフセット現象を防止するこ
とが可能となる。
【0081】[第三実施形態]本発明に係る定着装置及
び画像形成装置の第三実施形態について、図を用いて説
明する。図6は本実施形態に係る定着装置の構成図であ
って、上記第一実施形態と説明の重複する部分について
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】上記第一実施形態においては加熱源を有す
る回転体として定着ローラを備えた定着装置を用いてい
たが、本実施形態においては回転体として定着フィルム
を備えたフィルム定着装置12を用いたことを特徴とす
る。
【0083】フィルム定着装置は、フィルムガイド14に
沿って回転可能な回転体としての定着フィルム13、フィ
ルムガイド14表面に固定された発熱手段としてのヒータ
15、ヒータ裏面に配置されたサーミスタ16等からなるヒ
ータユニットと、不図示の加圧手段によりヒータユニッ
トに対して加圧される加圧ローラ11を基本構成とするも
のである。
【0084】図6を用いて、本実施形態のフィルム定着
装置について詳述する。なお、この定着装置は、特開平
4-44075〜44083号公報等に開示の、円筒状の定着フィル
ムを用いたフィルム加熱方式、加圧ローラ駆動式、テン
ションレスタイプの加熱定着装置である。
【0085】加熱源を有する回転体は、定着フィルム1
3、フィルムガイド14、ヒータ15等から構成されてい
る。加圧部材は加圧ローラ11である。
【0086】ヒータ15は薄肉、横長のセラミックヒータ
であり、セラミック基板上に配置された抵抗発熱体と電
極、保護ガラス等から構成される。フィルムガイド14
は、ヒータ15を保持し、定着ニップ部と反対方向への放
熱を防ぐ部材であり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、
PPS、PEEK等により形成されている。本例のフィ
ルムガイド14は横断面略半円弧状樋型の横長で、耐熱
性、電気絶縁性で、高い加重に耐えられる部材であり、
ヒータ15はこのフィルムガイド14の下面のほぼ中央部に
部材長手に沿って設けた溝部に表面側を下向きに露呈さ
せて嵌入して固定支持させてある。
【0087】定着フィルム13は円筒状の耐熱性フィルム
であり、ヒータを含むフィルムガイド14に対して周長に
余裕を持たせた形でルーズに外嵌させてあり、フィルム
ガイド14は定着フィルム13を内面から支える。
【0088】定着フィルム13は熱容量の小さなものであ
り、クイックスタートを可能にするために総厚100μm以
下の厚みで耐熱性、熱可塑性を有するポリイミド、ポリ
アミドイミド、PEEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等を単
独ないし混合して基層としたフィルムである。また、長
寿命の加熱定着装置を構成するために充分な強度を持
ち、耐久性に優れたフィルムとして、総厚20μm以上の
厚みが必要である。よって定着フィルム13の総厚みとし
ては20μm以上100μm以下が最適である。さらにオフセ
ット防止や記録材の分離性を確保するために表層には、
PFA、PTFE、FEP、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐
熱樹脂を混合ないし単独で被覆している。
【0089】加圧部材としての加圧ローラ11は、不図示
の軸受部材に保持させ、フィルムガイド14の下面側に固
定支持させたヒータ15の下向き表面に対して定着フィル
ム13を挟ませて、不図示の加圧手段により長手方向両端
部から加熱定着に必要な定着ニップ部を形成するべく十
分に加圧されている。加圧ローラ11は不図示の駆動手段
により矢印の反時計方向に回転駆動される(加圧用回転
体駆動方式)。この加圧ローラ11の回転駆動による該ロ
ーラの外面と定着フィルム13の外面との、定着ニップ部
における圧接摩擦力で定着フィルム13に回転力が作用し
て、該定着フィルム13はその内面が定着ニップ部におい
てヒータ15の下向き表面に密着して摺動しながら矢印の
時計方向に加圧ローラ11の回転周速度にほぼ対応した周
速度をもってフィルムガイド14の外回りを従動回転状態
になる。
【0090】この場合、フィルムガイド14の外回りを従
動回転する円筒状の定着フィルム13はその周長の定着ニ
ップ部とその近傍部の定着フィルム部分以外の定着フィ
ルム部分はテンションフリー(テンションが加わらない
状態)の状態にある。
【0091】定着フィルム13はその内面側がヒータ15お
よびフィルムガイド14の外面の一部に摺擦しながら回転
するため、ヒータ15およびフィルムガイド14と定着フィ
ルム13の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。この
ためヒータ15およびフィルムガイド14の表面に耐熱性グ
リース等の潤滑剤を少量介在させてある。これにより定
着フィルム13はスムーズに回転することが可能となる。
【0092】加圧ローラ11が回転駆動され、それに伴っ
て円筒状の定着フィルム13がフィルムガイド14の外回り
を従動回転状態になり、ヒータ15に通電がなされて、そ
の発熱で定着ニップ部の温度が所定に立ち上がって温調
された状態において、定着ニップ部に、未定着トナー像
を形成担持させた記録材Pが入口ガイド板9に沿って導
入され、定着ニップ部において記録材Pの未定着トナー
像担持面側が定着フィルム13の外面に密着して定着フィ
ルム13と一緒に定着ニップ部を挟持搬送されていく。こ
の記録材Pの挟持搬送過程において、ヒータ15の熱が定
着フィルム13を介して記録材Pに付与され、記録材P上
の未定着トナー像が熱圧定着される。
【0093】この定着装置を用いて、第二実施形態と同
様の画像形成を行ったところ、第二実施形態と同様の結
果が得られ、実用上問題のない画像を得ることができ
た。
【0094】上記説明した如く、回転体として定着フィ
ルムを用いたフィルム定着装置においても本発明を適用
してその効果を得ることができ、画像形成のクイックス
タートを可能としつつ、第一の発明と同様、記録材の抵
抗や、表面、裏面の抵抗バランスの如何に関わらず、定
着ローラと加圧ローラの電位関係を常に良好に保つこと
ができ、回転体表層の絶縁破壊を防止すると同時に、記
録材表面のトナーに与えられる電荷と記録材裏面の電荷
のバランスを適正に保つことにより、安定してオフセッ
ト現象を防止することが可能となる。
【0095】
【発明の効果】上記説明した如く、本発明に係る定着装
置及び画像形成装置においては、単一の電源から分岐し
て回転体及び加圧部材に電圧を印加し、記録材を通して
電極部材に流れる電流経路を形成することにより、記録
材の抵抗や、表面、裏面の抵抗バランスの如何に関わら
ず、定着ローラ10と加圧ローラ11の電位関係を常に良好
に保つことができ、回転体表層の絶縁破壊を防止すると
同時に、記録材表面のトナーに与えられる電荷と記録材
裏面の電荷のバランスを適正に保つことができ、安定し
てオフセット現象を防止することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る定着装置の構成図である。
【図3】比較例1を説明する定着装置の構成図である。
【図4】比較例2を説明する定着装置の構成図である。
【図5】第二実施形態に係る加圧部材としての加圧ロー
ラの断面図である。
【図6】第三実施形態に係る定着装置の構成図である。
【図7】特許第3053459号公報に掲載されている定着装
置の構成を示した図である。
【図8】定着ローラから記録材を通って排出ローラから
アースへと流れる電流経路を形成した定着装置を説明す
る図である。
【図9】定着ローラと排出ローラに別電源からバイアス
を印加した定着装置を説明する図である。
【図10】従来の画像形成装置の全体構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
P …記録材 T1 …一次転写ニップ部 T2 …二次転写ニップ部 1 …感光体ドラム 2 …帯電ローラ 3 …光学装置 4 …現像装置 4a〜d …現像器 5 …転写手段 5a …中間転写ベルト 5b〜d …ローラ 6 …一次転写ローラ 7 …クリーニング装置 8 …二次転写ローラ 9 …入口ガイド板 10 …定着ローラ 10a …アルミニウム円筒 10b …表面層 11 …加圧ローラ 11a …芯金 11b …弾性ゴム層 11c …フッ素樹脂層 11d …表面層 12 …フィルム定着装置 13 …定着フィルム 14 …フィルムガイド 15 …ヒータ 16 …サーミスタ 18 …排出ローラ 21 …クリーニングローラ 30 …電源 30a、30b …電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 慶明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 壁谷 信昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA09 BA11 BA12 BA13 BA58 BE03 2H300 EB12 EC05 EC09 EF08 EH16 EH25 EJ01 EJ15 EK01 EK03 EK07 GG01 GG02 GG03 GG11 GG29 HH08 MM17 MM25 NN04 PP02 PP07 PP08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、加熱源を有する回転体と、
    該回転体と圧接部を形成する加圧部材とを有し、前記圧
    接部に記録材を挟持搬送しつつ、該記録材表面に静電的
    に付着形成されたトナー像を該記録材上に熱定着させる
    定着装置において、 前記回転体及び前記加圧部材に電圧を印加し、アースに
    接続された電極部材を前記圧接部より下流側に設けるこ
    とにより、前記圧接部から前記記録材を通してアースに
    流れる電流経路を形成するバイアス印加手段を有し、 前記バイアス印加手段は、単一の電源から分岐すること
    により、前記回転体と前記加圧部材に電圧を印加するこ
    とを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記回転体と前記加圧部材に印加される
    電圧が異なることを特徴とする請求項1記載の定着装
    置。
  3. 【請求項3】 単一の電源から分岐された電流が、異な
    る大きさの抵抗を介することにより、前記回転体と前記
    加圧部材に印加される電圧が異なることを特徴とする請
    求項2記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 トナー定着面に接する側の部材の表層抵
    抗が、トナー非定着面に接する側の部材の表層抵抗より
    も大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 トナー非定着面には前記加圧部材が当接
    し、該加圧部材は、導電ゴムに絶縁表層を被覆してなる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の
    定着装置。
  6. 【請求項6】 トナー定着面には前記回転体が当接し、
    該回転体とは、フィルムガイド表面に固定された発熱手
    段と、前記フィルムガイドに沿って回転可能な耐熱性の
    定着フィルムであることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか1項記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 電子写真感光体と、 前記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段と、 前記帯電した電子写真感光体を露光するための露光手段
    と、 前記露光手段により前記電子写真感光体上に形成された
    静電潜像を現像するための現像手段と、 前記現像像を記録材に転写させるための転写手段と、 前記転写像を記録材に定着させるための定着手段とを有
    し、 前記定着手段として、請求項1乃至請求項6のいずれか
    1項記載の定着装置を用いたことを特徴とする画像形成
    装置。
  8. 【請求項8】 前記現像手段は少なくとも二色のトナー
    を保持し、 前記画像形成装置は、二色以上の現像像を重ねあわせる
    ことによりカラー画像を得る、カラー画像形成装置であ
    ることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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