JP2003287888A - 壁状構造体及びその製造方法 - Google Patents

壁状構造体及びその製造方法

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JP2003287888A
JP2003287888A JP2002363847A JP2002363847A JP2003287888A JP 2003287888 A JP2003287888 A JP 2003287888A JP 2002363847 A JP2002363847 A JP 2002363847A JP 2002363847 A JP2002363847 A JP 2002363847A JP 2003287888 A JP2003287888 A JP 2003287888A
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wall
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shaped structure
horizontal plane
molecule
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JP2002363847A
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Inventor
Yasunari Kawabata
耕也 川畑
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高アスペクト比で、安価で製造可能なパター
ン構造体等の提供。 【解決手段】 配向軸を有する配向分子が配向軸方向に
配向されてなり、該配向分子が、重合性官能基を有する
化合物を重合させて得られることを特徴とする壁状構造
体である。配向分子の配向軸に対する配向パラメーター
が、0.5以上である態様、水平面上に配置され、該水
平面と交差し、且つ、互いに対向する壁面を有してな
り、該水平面と垂直方向であって、且つ、前記対向する
壁面と交差する平面で切断してなる断面における、前記
対向する壁面のうち少なくとも一方の長さをAとした
時、該水平面から1/2Aの長さの位置における該壁面
上の接線と前記水平面とのなす角度が、85〜95度で
ある態様等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚膜レジストパタ
ーン、PDP用リブ形成の型、マイクロマシーン用構造
体などに好適に用いられる高アスペクト比の壁状構造体
に関し、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高アスペクト比を持つ構造体を形
成する方法として、感光性材料を用いたフォトリソグラ
フィー等が挙げられる(例えば、特許文献1及び2参
照)。しかし、フォトリソグラフィーでは、一般的に、
露光光線が平行光であっても、感光性材料中での光の強
度がLambert−Beerの法則に従って減衰する
ため、深さ方向での露光量が一定にはならない。このた
め、露光部の厚み方向で光化学的な反応量に分布が発生
した結果、現像工程後の露光部と非露光部の境界が露光
光線に対して平行にならないという問題があった。又、
露光に平行光線を用いた場合でも、フォトマスクを通過
した時点で回折による光の広がりが発生し、感光性材料
中で完全に平行光線のみを照射することは困難であり、
一般には拡散光に応じたパターンが形成される傾向があ
るため問題があった。
【0003】従って、高アスペクト比のパターン形成
は、一般的なフォトリソグラフィーでは困難であり、高
価な設備を要するイオンビーム加工やX線リソグラフィ
ー等が必要とされ、コスト的に非常に高いという問題が
あった。
【0004】
【特許文献1】特開平5−217875号公報
【特許文献2】特開2002−030118号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、高アスペクト比で、安価で
製造可能な壁状構造体及びその効率的な製造方法を提供
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> 配向軸を有する配向分子が配向軸方向に配向さ
れてなり、該配向分子が、重合性官能基を有する化合物
を重合させて得られることを特徴とする壁状構造体であ
る。 <2> 配向分子の配向軸に対する配向パラメーター
が、0.5以上である<1>に記載の壁状構造体であ
る。 <3> 配向軸を有する配向分子からなり、該配向分子
の配向軸に対する配向パラメーターが、0.5以上であ
ることを特徴とする壁状構造体である。
【0007】<4> 水平面上に配置され、該水平面と
交差し、且つ、互いに対向する壁面を有してなり、該水
平面と垂直方向であって、且つ、前記対向する壁面と交
差する平面で切断してなる断面における、前記対向する
壁面のうち少なくとも一方の長さをAとした時、該水平
面から1/2Aの長さ位置における該壁面上の接線と該
水平面とのなす角度が、85〜95度である<1>又は
<3>に記載の壁状構造体である。 <5> 水平面上に配置され、該水平面と交差し、且
つ、互いに対向する壁面を有してなり、該水平面と垂直
方向であって、且つ、前記対向する壁面と交差する平面
で切断してなる断面における、前記対向する壁面のうち
少なくとも一方の長さをAとした時、該水平面から1/
2Aの長さ位置における該壁面上の接線と該水平面との
なす角度が、85〜95度である壁状構造体である。 <6> 水平面上に配置され、該水平面と交差し、且
つ、互いに対向する壁面を有してなり、該水平面と垂直
方向であって、且つ、前記対向する壁面と交差する平面
で切断してなる断面における、前記対向する壁面のうち
少なくとも一方の長さをAとした時、該水平面から1/
3Aの長さ位置における該壁面上の接線と該水平面との
なす角度、及び、前記水平面から2/3Aの長さの位置
における前記壁面上の接線と前記水平面のなす角度が、
85〜95度である<1>、<3>及び<5>のいずれ
かに記載の壁状構造体である。 <7> 水平面上に配置され、該水平面と交差し、且
つ、互いに対向する壁面を有してなり、該水平面と垂直
方向であって、且つ、前記対向する壁面と交差する平面
で切断してなる断面における、垂直方向の長さが、1μ
m以上である<1>、<3>、及び<5>のいずれかに
記載の壁状構造体である。
【0008】<8> 水平面上に配置され、該水平面と
交差し、且つ、互いに対向する壁面を有してなる壁状構
造体において、該水平面と垂直方向であって、且つ、前
記対向する壁面と交差する平面で切断してなる断面にお
ける、垂直方向の長さをB、水平方向の長さ(前記壁状
構造体が水平面に接している部分の長さ)をC、とした
ときのアスペクト比(B/C)が、1以上である<1
>、<3>、及び<5>のいずれかに記載の壁状構造体
である。 <9> 重合性官能基を有する化合物の重合が、重合開
始剤を用いて行われる<1>に記載の壁状構造体であ
る。 <10> 重合性官能基を有する化合物が、液晶性化合
物である<1>に記載の壁状構造体である。
【0009】<11> 重合性官能基を有する化合物に
おいて、1分子当たりの重合性官能基数が、2以上であ
る<1>に記載の壁状構造体である。 <12> 配向軸を有する配向分子が配向軸方向に配向
されてなり、該配向分子が、重合性官能基を有する化合
物を重合させて得られる壁状構造体の製造方法であっ
て、重合性官能基を有する化合物を重合させて配向軸を
有する配向分子を形成し、該配向分子を略配向軸方向に
配向させる配向工程を少なくとも含むことを特徴とする
壁状構造体の製造方法である。 <13> 配向軸を有する配向分子からなり、該配向分
子の配向軸に対する配向パラメーターが、0.5以上で
ある壁状構造体の製造方法であって、重合性官能基を有
する化合物を重合させて配向軸を有する配向分子を形成
し、該配向分子を略配向軸方向に配向させる配向工程を
少なくとも含むことを特徴とする壁状構造体の製造方法
である。
【0010】<14> 水平面上に配置され、該水平面
と交差し、且つ、互いに対向する壁面を有してなり、該
水平面と垂直方向であって、且つ、前記対向する壁面と
交差する平面で切断してなる断面における、前記対向す
る壁面のうち少なくとも一方の長さをAとした時、該水
平面から1/2Aの長さの位置における該壁面上の接線
と前記水平面とのなす角度が、85〜95度である、壁
状構造体の製造方法であって、重合性官能基を有する化
合物を重合させて配向軸を有する配向分子を形成し、該
配向分子を略配向軸方向に配向させる配向工程を少なく
とも含むことを特徴とする壁状構造体の製造方法であ
る。 <15> 配向工程における重合が、重合開始剤により
行われる<12>から<14>のいずれかに記載の壁状
構造体の製造方法である。 <16> 配向工程における配向が、配向膜により行な
われる<12>から<14>のいずれかに記載の壁状構
造体の製造方法である。
【0011】<17> 配向工程における配向が、外部
刺激により行なわれる<12>から<14>のいずれか
に記載の壁状構造体の製造方法である。 <18> 外部刺激が、磁場、光、及び、電場の少なく
ともいずれかの印加である<17>に記載の壁状構造体
の製造方法である。 <19> 配向工程後、エネルギーを印加する、エネル
ギー印加工程を含む<12>から<14>のいずれかに
記載の壁状構造体の製造方法である。 <20> エネルギー印加工程後、エネルギーを印加し
たエネルギー印加部、及び、エネルギーを印加していな
いエネルギー非印加部のいずれかを、溶解除去する、<
19>に記載の壁状構造体の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [壁状構造体]本発明の第一の壁状構造体は、配向軸を
有する配向分子が配向軸方向に配向されてなり、該配向
分子が、重合性官能基を有する化合物を重合させて得ら
れる。本発明の第二の壁状構造体は、配向軸を有する配
向分子からなり、該配向分子の配向軸に対する配向パラ
メーターが0.5以上である。本発明の第三の壁状構造
体は、水平面上に配置され、該水平面と交差し、且つ、
互いに対向する壁面を有してなり、該水平面と垂直方向
であって、且つ、前記対向する壁面と交差する平面で切
断してなる断面における、前記対向する壁面のうち少な
くとも一方の長さをAとした時、該水平面から1/2A
の長さ位置における該壁面上の接線と前記水平面とのな
す角度が、85〜95度である。
【0013】−重合性官能基を有する化合物− 前記重合性官能基を有する化合物としては、重合性官能
基を有し、かつ、重合して、配向軸を有する配向分子を
形成可能であれば特に制限はなく、例えば、液晶性化合
物のほか、アゾベンゼン類等の化合物が挙げられる。こ
れらの中でも、特に好適に配向・重合等が可能であり、
高アスペクト比の壁状構造体を形成可能である点で、液
晶性化合物等が好ましい。
【0014】前記液晶性化合物としては、棒状液晶性化
合物、ディスコティック液晶性化合物等が挙げられる
が、高アスペクト比の壁状構造体を好適に形成可能であ
る点で、棒状液晶性化合物が好ましい。該棒状液晶性化
合物としては、ネマチック配向の液晶性化合物、コレス
テリック配向の液晶性化合物、及び、スメクチック配向
の液晶性化合物がいずれも好適に挙げられるが、配向処
理の簡便性の点で、ネマチック配向の液晶性化合物等が
特に好ましい。
【0015】前記棒状液晶性化合物としては、公知の液
晶性分子等からなる液晶性化合物が総て好適に挙げら
れ、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェ
ニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル
類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シ
アノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピ
リジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニ
ルシクロヘキシルベンゾニトリル類、などが好適に挙げ
られる。該液晶性分子の例示化合物を、下記構造式
(a)〜(w)に示す。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】前記液晶性分子の例示化合物における構造
式(s)及び(t)において、nは1〜1000の整数
を表す。前記各例示化合物においては、その側鎖連結基
が、以下の構造であるものも同様に好適になものとして
挙げることができる。
【0020】
【化4】
【0021】前記液晶性化合物においては、更に重合性
官能基を導入して用いてもよい。該重合性官能基として
は、例えば、以下に示す重合性官能基((P1)〜(P
18))等が挙げられる。
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】前記重合性官能基としては、不飽和重合性
基(前記具体例において、(P1)、(P2)、(P
3)、(P7)、(P8)、(P15)、(P16)、
及び、(P17)、及び、エポキシ基(前記具体例にお
いて、(P6)、及び、(P18))が好ましく、不飽
和重合性基がより好ましく、エチレン性不飽和重合性基
(前記具体例において、(P1)、(P7)、(P
8)、(P15)、(P16)、及び、(P17))が
最も好ましい。
【0029】前記重合性官能基を有する化合物におい
て、1分子当たりの重合性官能基数としては、2以上で
あるのが好ましく、2〜4であるのがより好ましい。前
記重合性官能基数が、2未満であると、重合が充分でな
く、高アスペクト比の壁状構造体が得られないことがあ
る。また4を超えると、耐光性に劣ることがある。
【0030】前記重合性官能基を有する化合物の前記壁
状構造体における含有量としては、20〜99.9質量
%が好ましく、80〜99.9質量%がより好ましい。
前記含有量が、20質量%未満であると、高アスペクト
比の壁状構造体が得られないことがある一方、99.9
質量%を超えると、重合感度が下がることがある。
【0031】−重合開始剤− 本発明の壁状構造体は、前記重合性官能基を有する化合
物を円滑に重合するために、重合開始剤を含有してもよ
い。前記重合開始剤としては、前記重合性官能基を有す
る化合物を重合可能であれば特に制限はないが、特に光
重合開始剤が好ましい。該光重合開始剤としては、特に
制限はなく、公知のものの中から適宜選択することがで
き、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキ
シスチリル)−5−トリクロロメチル1,3,4−オキ
サジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジ
メチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズ
ケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベ
ンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキ
サントン/アミン等が挙げられる。これらは、1種単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】前記重合開始剤の前記壁状構造体における
含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、0.
5〜5質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質
量%未満であると、重合が不充分となり、高アスペクト
比のパターン構造体が得られないことがある一方、10
質量%を超えると、重合性化合物の均一な配向状態が得
られないことがある。
【0033】−その他の成分− 前記壁状構造体を形成する配向分子に含まれる、前記重
合性官能基を有する化合物、及び、前記重合開始剤以外
の成分としては、例えば、空気界面配向剤等が挙げられ
る。該空気界面配向剤としては、例えば、下記具体例
(Q1)〜(Q14)で表される化合物等が挙げられ
る。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。これらの空気界面配向剤の中でも、特
に高アスペクト比の壁状壁面体が得られる点で、(Q
1)、(Q6)、(Q7)、(Q10)〜(Q13)が
好ましく、(Q6)、及び(Q10)〜(Q13)が特
に好ましい。
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】<壁状構造体の物性、形状等>前記壁状構
造体においては、配向分子の配向軸に対する配向パラメ
ーターが、0.5以上であり、0.6以上であるのが好
ましく、0.7以上であるのがより好ましく、0.8以
上であるのが特に好ましく、1に近い程好ましい。前記
配向分子の配向パラメーターが、0.5以上であると、
高アスペクト比の壁状構造体となる。
【0041】尚、前記「配向パラメーター」は、個々の
配向分子の配向パラメーターを指し、壁状構造体におい
て、配向軸に対する各々の配向分子における主鎖の傾き
をθ度としたとき、下記式(1)で求められる値(P)
である。 式(1):P=(3cosθ−1)/2
【0042】前記「配向パラメーター」は、実際には、
IR(赤外吸収)測定やNMR(核磁気共鳴スペクト
ル)測定等により、重合性官能基を有する化合物におけ
る固有複屈折値を求めて算出することができる。
【0043】前記壁状構造体の概略断面図を図1に示
す。図1において、壁状構造体10は、壁面1を有し、
水平面2上に立設されている。壁状構造体10の水平面
2と垂直方向の断面において、壁面1の高さ方向の長さ
をAとしたとき、1/2Aの位置における接線と水平面
2とのなす角度αとしては、85〜95度であり、90
〜95度であるのが好ましい。更に、1/3Aの位置に
おける接線と水平面2とのなす角度、及び、2/3Aの
位置における接線と水平面2とのなす角度としては、8
5〜95度であり、90〜95度であるのが好ましい。
【0044】前記壁状構造体を、水平面上に立設させた
場合における該水平面と垂直方向の断面における高さ方
向の長さBとしては、1μm以上であり、2μm以上で
あるのが好ましい。前記長さBが、1μm以上であれ
ば、高アスペクト比の壁状構造体が容易に得られる。
【0045】前記壁状構造体のアスペクト比としては、
1以上であり、3以上であるのが好ましい。尚、前記
「アスペクト比」は、水平面上に配置され、該水平面と
交差し、且つ、互いに対向する壁面を有してなる本発明
の壁状構造体において、該水平面と垂直方向であって、
且つ、前記対向する壁面と交差する平面で切断してなる
断面における、垂直方向の長さB、水平面方向の長さ
(前記壁状構造体が水平面に接している部分の長さ)を
C、としたとき、B/Cで表される比を指す。図1にお
いて、壁状構造体10のアスペクト比は、水平面2上に
配置させた場合における水平面2と垂直方向の断面にお
ける高さ方向の長さをBとし、該断面における厚み(壁
状構造体が水平面と接している部分の長さ)をCとした
とき、B/Cで表される比である。
【0046】[壁状構造体の製造方法]本発明の壁状構
造体の製造方法は、重合性官能基を有する化合物を重合
させて配向軸を有する配向分子を形成し、該配向分子を
略配向軸方向に配向させる配向工程を含む。詳細には、
本発明の壁状構造体の製造方法では、重合性官能基を有
する化合物等を基材上に塗布し、前記配向工程及びエネ
ルギーを印加するエネルギー印加工程を経て、エネルギ
ーを印加したエネルギー印加部、及び、エネルギーを印
加してないエネルギー非印加部のいずれかを溶解除去処
理を行うのが好ましい。
【0047】前記重合性官能基を有する化合物は、前記
本発明の壁状構造体で述べたのと同様のものが総て好適
に用いられる。
【0048】−基材− 前記基材の材質としては、特に制限はなく、壁状構造体
を形成する際に用いられる公知の基材が総て好適に挙げ
られる。例えば、ガラス基板、セラミック基板、及びプ
ラスチック基板等が挙げられる。該基材の厚みとして
は、10μm〜10mm程度が好ましい。
【0049】−塗布− 前記塗布の方法としては、特に制限はなく、例えば、ス
ピンコート法、バーコート法等の公知の方法が総て好適
に挙げられる。
【0050】−配向− 前記配向工程においては、重合性官能基を有する化合物
を重合させて配向軸を有する配向分子を形成し、該配向
分子を略配向軸方向に配向させる。該配向としては、配
向膜により行なわれるもののほか、外部刺激により行な
われるもの等が好適に挙げられる。
【0051】前記配向膜の材質としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール(PVA)、ポリイミド、ポリアミ
ド、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリブチルテレフタレ
ート(PBT)、ポリエステル、ポリシクロヘキシルメ
タクリレート、ポリビニルシンナメート、ポリブレン、
及び、ポリアセタール等が挙げられる。これらは、1種
単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前
記配向膜の厚みとしては、0.01〜5μmが好まし
く、0.01〜1μmがより好ましい。該配向膜は、表
面をラビング処理等の公知の方法によって配向処理を施
したものであってもよい。
【0052】前記外部刺激としては、重合性官能基を有
する化合物が配向可能であれば特に制限はなく、例え
ば、磁場の印加、光の印加、電場の印加等のほか、圧力
の印加、加熱、等が挙げられる。これらの中でも、磁場
の印加、光の印加、及び、電場の印加等が好ましい。
【0053】前記外部刺激が、前記磁場の印加である場
合、該磁場の強さとしては、1〜30kGが好ましく、
3〜10kGがより好ましい。前記磁場の強さが、前記
数値範囲内であれば、良好に配向が行なわれ、高アスペ
クト比の壁状構造体を効率的に得ることができる。
【0054】前記外部刺激が、前記光の印加である場
合、該光の波長としては、100nm〜400nmが好
ましく、200nm〜400nmがより好ましい。また
該光の強さとしては、10〜1000(mJ/cm
が好ましく、10〜100(mJ/cm)がより好ま
しい。前記光の強さが、前記数値範囲内であれば、良好
に配向が行なわれ、高アスペクト比の壁状構造体を効率
的に得ることができる。尚、前記光を印加する場合、光
の作用により配向する光配向剤を、前記配向分子中に含
有させて配向させてもよい。
【0055】前記外部刺激が電場の印加である場合、該
電場の強さとしては、0.1〜100Vが好ましく、1
〜10Vがより好ましい。前記電場の強さが、前記数値
範囲内であれば、良好に配向が行なわれ、高アスペクト
比の壁状構造体を効率的に得ることができる。
【0056】−エネルギーの印加− 前記本発明の壁状構造体の製造方法においては、前述の
ように配向させた後、エネルギーを印加する。前記エネ
ルギーを印加することにより、配向した重合性官能基を
有する化合物を重合させ、配向を固定するのが好まし
い。該重合の方法としては、特に制限はなく、適宜、前
記重合開始剤等を選択し、熱、光等の印加により重合さ
せることができる。光を印加する場合には、重合開始剤
吸収波長である光を印加するのが特に好ましい。
【0057】前記本発明のパターン構造体の製造方法に
おいては、前述のようにしてエネルギーを印加した後、
エネルギーを印加したエネルギー印加部、及び、エネル
ギーを印加していないエネルギー非印加部のいずれか
を、溶解除去するのが好ましい。このように溶解除去を
行なうことにより、所望形状の壁状構造体を効率良く得
ることができる。
【0058】前記溶解除去に用いる溶剤としては、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、及びクロロホルム等が挙げられる。これらは、1種
単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0059】
【実施例】以下、本発明を、実施例を用いて詳細に説明
するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0060】(実施例1)前記構造式(w)で表される
ネマチック配向の液晶性化合物392質量部と、重合開
始剤(商品名;AS−842、ヨドリ化学(株)製)8
質量部と、前記具体例(Q13)で表される空気界面配
向剤(NLO−1695)0.8質量部とを含む配向分
子を、溶剤(シクロヘキサノン)1600質量部に配合
し、スピンコーターを用いて、配向膜(材質:ポリイミ
ド、厚み;0.1μm)が形成されたガラス基板(厚
み:700μm)上に塗布した。これを、ネマチック相
温度(90℃)条件において、前記重合開始剤吸収波長
(λ=330nm)の光をフォトマスク上から照射し、
一部の領域のみに露光することにより紫外線重合させ
た。その後、溶剤(メチルエチルケトン)を用いて非露
光部を洗い流し、前記配向膜が形成されたガラス基板上
に、壁状構造体を形成した。
【0061】<壁状構造体の形状・物性等の測定> <<配向パラメーターの測定・算出>>形成された壁状
構造体について、IR(赤外吸収)測定を行い、配向パ
ラメーターを測定・算出したところ、配向パラメーター
は、0.7であった。
【0062】<<1/2Aの位置における接線と水平面
(ガラス面)とのなす角度の測定>>得られた壁状構造
体を水平面上に該壁状構造体の互いに対向する壁面が該
水平面と交差するように配置し、前記水平面(ガラス
面)と垂直方向であって、且つ、前記対向する壁面と交
差する平面で切断してなるの断面において、前記対向す
る壁面の少なくとも一方の長さをAとしたとき、前記水
平面から1/2Aの位置における前記壁面上の接線と、
水平面(ガラス面)とのなす角度を、断面を切り出し走
査型電子顕微鏡(SEM)による撮影から幾何学的に算
出したところ、85度であった。
【0063】<<壁状構造体の高さ方向の長さの測定>
>得られた壁状構造体を水平面上に該壁状構造体の互い
に対向する壁面が該水平面と交差するように配置し、前
記水平面(ガラス面)と垂直方向であって、且つ、前記
対向する壁面と交差する平面で切断してなる断面におけ
る、垂直方向の長さBを、同様にして走査型電子顕微鏡
(SEM)による撮影から幾何学的に算出したところ、
50μmであった。
【0064】<<アスペクト比の測定・算出>>得られ
た壁状構造体を水平面上に該壁状構造体の互いに対向す
る壁面が該水平面と交差するように配置し、前記水平面
(ガラス面)と垂直方向であって、且つ、前記対向する
壁面と交差する平面で切断してなる断面における、垂直
方向の長さBと、水平面方向の長さ(前記壁状構造体が
水平面に接している部分の長さ)をCとを、同様にして
走査型電子顕微鏡(SEM)による撮影から幾何学的に
算出し、アスペクト比(B/C)を求めたところ、5で
あった。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、高アスペクト比で、安
価で製造可能な壁状構造体、及び、その効率的な製造方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の壁状構造体の概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 壁面 2 水平面 10 壁状構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA03 AB14 AB16 AB17 AB20 AC01 AD01 BC14 BC42 BC83 BD23 BJ10 CA00 EA03 FA15 5C027 AA09 AA10 5C040 FA10 GF02 GF03 GF18 GF19 JA02 JA15 KA16 LA14 MA22 MA26

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向軸を有する配向分子が配向軸方向に
    配向されてなり、該配向分子が、重合性官能基を有する
    化合物を重合させて得られることを特徴とする壁状構造
    体。
  2. 【請求項2】 配向分子の配向軸に対する配向パラメー
    ターが、0.5以上である請求項1に記載の壁状構造
    体。
  3. 【請求項3】 配向軸を有する配向分子からなり、該配
    向分子の配向軸に対する配向パラメーターが、0.5以
    上であることを特徴とする壁状構造体。
  4. 【請求項4】 水平面上に配置され、該水平面と交差
    し、且つ、互いに対向する壁面を有してなり、該水平面
    と垂直方向であって、且つ、前記対向する壁面と交差す
    る平面で切断してなる断面における、前記対向する壁面
    のうち少なくとも一方の長さをAとした時、該水平面か
    ら1/2Aの長さ位置における該壁面上の接線と該水平
    面とのなす角度が、85〜95度である請求項1又は3
    に記載の壁状構造体。
  5. 【請求項5】 水平面上に配置され、該水平面と交差
    し、且つ、互いに対向する壁面を有してなり、該水平面
    と垂直方向であって、且つ、前記対向する壁面と交差す
    る平面で切断してなる断面における、前記対向する壁面
    のうち少なくとも一方の長さをAとした時、該水平面か
    ら1/2Aの長さ位置における該壁面上の接線と該水平
    面とのなす角度が、85〜95度である壁状構造体。
  6. 【請求項6】 水平面上に配置され、該水平面と交差
    し、且つ、互いに対向する壁面を有してなり、該水平面
    と垂直方向であって、且つ、前記対向する壁面と交差す
    る平面で切断してなる断面における、前記対向する壁面
    のうち少なくとも一方の長さをAとした時、該水平面か
    ら1/3Aの長さ位置における該壁面上の接線と該水平
    面とのなす角度、及び、前記水平面から2/3Aの長さ
    の位置における前記壁面上の接線と前記水平面のなす角
    度が、85〜95度である、請求項1、3及び5のいず
    れかに記載の壁状構造体。
  7. 【請求項7】 水平面上に配置され、該水平面と交差
    し、且つ、互いに対向する壁面を有してなり、該水平面
    と垂直方向であって、且つ、前記対向する壁面と交差す
    る平面で切断してなる断面における、垂直方向の長さ
    が、1μm以上である請求項1、3、及び5のいずれか
    に記載の壁状構造体。
  8. 【請求項8】 水平面上に配置され、該水平面と交差
    し、且つ、互いに対向する壁面を有してなる壁状構造体
    において、該水平面と垂直方向であって、且つ、前記対
    向する壁面と交差する平面で切断してなる断面におけ
    る、垂直方向の長さをB、水平方向の長さ(前記壁状構
    造体が水平面に接している部分の長さ)をC、としたと
    きのアスペクト比(B/C)が、1以上である請求項
    1、3、及び5のいずれかに記載の壁状構造体。
  9. 【請求項9】 重合性官能基を有する化合物の重合が、
    重合開始剤を用いて行われる請求項1に記載の壁状構造
    体。
  10. 【請求項10】 重合性官能基を有する化合物が、液晶
    性化合物である請求項1に記載の壁状構造体。
  11. 【請求項11】 重合性官能基を有する化合物におい
    て、1分子当たりの重合性官能基数が、2以上である、
    請求項1に記載の壁状構造体。
  12. 【請求項12】 配向軸を有する配向分子が配向軸方向
    に配向されてなり、該配向分子が、重合性官能基を有す
    る化合物を重合させて得られる壁状構造体の製造方法で
    あって、重合性官能基を有する化合物を重合させて配向
    軸を有する配向分子を形成し、該配向分子を略配向軸方
    向に配向させる配向工程を少なくとも含むことを特徴と
    する壁状構造体の製造方法。
  13. 【請求項13】 配向軸を有する配向分子からなり、該
    配向分子の配向軸に対する配向パラメーターが、0.5
    以上である壁状構造体の製造方法であって、重合性官能
    基を有する化合物を重合させて配向軸を有する配向分子
    を形成し、該配向分子を略配向軸方向に配向させる配向
    工程を少なくとも含むことを特徴とする壁状構造体の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 水平面上に配置され、該水平面と交差
    し、且つ、互いに対向する壁面を有してなり、該水平面
    と垂直方向であって、且つ、前記対向する壁面と交差す
    る平面で切断してなる断面における、前記対向する壁面
    のうち少なくとも一方の長さをAとした時、該水平面か
    ら1/2Aの長さの位置における該壁面上の接線と前記
    水平面とのなす角度が、85〜95度である、壁状構造
    体の製造方法であって、重合性官能基を有する化合物を
    重合させて配向軸を有する配向分子を形成し、該配向分
    子を略配向軸方向に配向させる配向工程を少なくとも含
    むことを特徴とする壁状構造体の製造方法。
  15. 【請求項15】 配向工程における重合が、重合開始剤
    により行われる請求項12から14のいずれかに記載の
    壁状構造体の製造方法。
  16. 【請求項16】 配向工程における配向が、配向膜によ
    り行なわれる、請求項12から14のいずれかに記載の
    壁状構造体の製造方法。
  17. 【請求項17】 配向工程における配向が、外部刺激に
    より行なわれる、請求項12から14のいずれかに記載
    の壁状構造体の製造方法。
  18. 【請求項18】 外部刺激が、磁場、光、及び、電場の
    少なくともいずれかの印加である請求項17に記載の壁
    状構造体の製造方法。
  19. 【請求項19】 配向工程後、エネルギーを印加する、
    エネルギー印加工程を含む請求項12から14のいずれ
    かに記載の壁状構造体の製造方法。
  20. 【請求項20】 エネルギー印加工程後、エネルギーを
    印加したエネルギー印加部、及び、エネルギーを印加し
    ていないエネルギー非印加部のいずれかを溶解除去する
    請求項19に記載の壁状構造体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005255578A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Fuji Photo Film Co Ltd 化合物、液晶組成物および光学材料
JP2008214270A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Fujifilm Corp トリアジン誘導体、液晶組成物、異方性材料、及びそれを用いた液晶表示装置
JP2012167214A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Tokyo Institute Of Technology ジアセチレン構造を有する液晶性高分子
WO2022270562A1 (ja) * 2021-06-23 2022-12-29 富士フイルム株式会社 化合物、組成物、硬化物、光学異方体、光学素子、及び導光素子

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