JP2003287846A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JP2003287846A JP2002091177A JP2002091177A JP2003287846A JP 2003287846 A JP2003287846 A JP 2003287846A JP 2002091177 A JP2002091177 A JP 2002091177A JP 2002091177 A JP2002091177 A JP 2002091177A JP 2003287846 A JP2003287846 A JP 2003287846A
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Yasushi Usagawa
泰 宇佐川
Takeshi Haniyu
武 羽生
Seiwa Morita
聖和 森田
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Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度、低カブリで、熱現像後の画像保存性
に優れた熱現像感光材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有
機銀塩、還元剤及び高分子結合剤を含有する感光層と、
該感光層に隣接し高分子結合剤を含有する隣接層を有す
る熱現像感光材料において、該感光層及び隣接層の少な
くとも1層中にカルボジイミド化合物を含有し、かつ前
記有機銀塩の78質量%以上がベヘン酸銀であることを
特徴とする熱現像感光材料。尚、上記熱現像感光材料の
感光層及び隣接層の少なくとも1層中に、ポリハロメタ
ン化合物を含有することは好ましい態様である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像により画像を
形成する熱現像感光材料に関し、特に高感度、低カブリ
で、しかも現像後の画像保存性に優れた熱現像感光材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療や印刷の分野で環境保護や作
業性の面から湿式処理に伴う廃液の出ない光熱写真材料
が強く望まれており、特に熱現像により高解像度で鮮明
な黒色画像を形成することができる写真技術用途の光熱
写真材料に関する技術が商品化され急速に普及してい
る。これらの光熱写真材料は、通常、80℃以上の温度
で現像が行われるので、25〜45℃の範囲で液現像さ
れる従来の感光材料と区別され熱現像感光材料と呼ばれ
ている。
【0003】従来から、このタイプの熱現像感光材料
は、色素で分光増感された高感度のハロゲン化銀粒子、
有機銀塩及び還元剤を含む感光層と、該感光層に照射し
た光が吸収されずに通過して、支持体の界面や中間層や
接着層等で乱反射するのを防ぐイラジエーション防止層
(AI層)あるいは支持体の反対側に設けるバッキング
層(BC層)から構成され、更には感光層の上やBC層
の上に取扱い時の傷付きを防ぐための保護層が設けられ
ている。
【0004】一般に、熱現像感光材料は、露光の後に加
熱現像のみで画像が形成されるので、処理が簡便である
が、定着工程がないので現像後の画像の保存性を向上さ
せることが重要となっている。現像後の画像保存性の向
上のためには、高温度で現像して画像が出るようにする
のが良いのだが、現像温度を余り高温にするとカブリが
出易くなり、感度が低下する。そこで一般に、120±
10℃付近の温度で現像される。
【0005】カブリを下げるためにメルカプト化合物を
使用することが、特開昭63−301037号、特開平
5−341432号、同5−509182号、特開20
00−19681号等に開示される。しかし、これらの
メルカプト化合物は、何れもカブリ抑制の効果が少な
く、又、高い感度が得難く、保存性を向上させるのにも
限度がある。
【0006】ポリハロメタン化合物は、光や熱励起によ
りハロゲンラジカルを放出してカブリを低下させること
ができるので、熱現像感光材料のカブリ抑制剤として提
案されている。例えば米国特許3,874,946号、
同4,452,885号、同4,546,075号、同
4,756,999号、同5,340,712号、特公
昭54−165号、特開昭50−137126号、特開
平7−2781号、特開平9−265150号、特公平
2−32614号等を挙げることができる。
【0007】ハロゲンの放出効果を上げるために、ポリ
ハロメタン基に結合する基に各種の化学構造が考案され
ているが、未だ充分な性能を得ているとは言い難い。と
言うのも、ハロゲンラジカルの放出能が高い時には、屡
々感度を下げるからであり、ハロゲンラジカルの放出能
が小さいとカブリを抑えることが難しく、画像保存性を
向上させることが困難になるからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度、低カブリで、熱現像後の画像保存性に優れた熱現像
感光材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の構成
によって達成される。
【0010】1)支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、
有機銀塩、還元剤及び高分子結合剤を含有する感光層
と、該感光層に隣接し高分子結合剤を含有する隣接層を
有する熱現像感光材料において、該感光層及び隣接層の
少なくとも1層中にカルボジイミド化合物を含有し、か
つ前記有機銀塩の78質量%以上がベヘン酸銀である熱
現像感光材料。
【0011】2)感光層及び隣接層の少なくとも1層中
に、ポリハロメタン化合物を含有する1)記載の熱現像
感光材料。
【0012】3)感光層及び隣接層の少なくとも1層中
の高分子結合剤として、ポリ酢酸ビニル誘導体、ポリア
クリル酸誘導体、ポリメタクリル酸誘導体又はスチレン
とブタジエンの共重合体を含有する1)又は2)記載の
熱現像感光材料。
【0013】4)感光層及び隣接層の少なくとも1層中
の高分子結合剤が、イソシアナート基、アルコキシシラ
ン基又はビニルスルホン基を有する化合物の少なくとも
1種を添加して塗布される1)、2)又は3)記載の熱
現像感光材料。
【0014】本発明は、上記1)の構成により前記課題
を解決したものであるが、更に、ポリハロメタン化合物
を併用することにより、熱現像後の画像保存性を更に向
上させることができ、又、熱現像感光材料の感光層やそ
の隣接層が含有する特定の高分子結合剤に、イソシアナ
ート基、アルコキシシラン基又はビニルスルホン基を有
する化合物の少なくとも1種を添加して塗布することで
画像保存性を更に向上できることを見い出し、本発明を
為すに到った。尚、ここで熱現像後の画像保存性とは、
熱現像後の耐熱性(カブリの増加防止)及び耐光性(最
高濃度の低下と銀色調変化の防止)を言う。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する前記カルボジイミド化合物は、カルボジイミド
結合を有するものであれば如何なる化合物でも使用でき
るが、中でも下記一般式(CI)で示されるような多官
能カルボジイミド化合物が好ましい。
【0016】一般式(CI) R1−J1−N=C=N−J2−(L)n−(J3−N=C
=N−J4−R2v 式中、R1及びR2は各々、アリール基又はアルキル基を
表し、J1及びJ4は各々、2価の連結基を表し、J2
びJ3は各々、アリーレン基又はアルキレン基を表し、
Lは(v+1)価のアルキル基、アルケニル基、アリー
ル基又は複素環基もしくはこれらの基が結合基により結
合した基を表し、vは1以上の整数を表し、nは0又は
1を表す。
【0017】上記R1、R2で表されるアルキル基、アリ
ール基としては、例えばアルキル基としては、メチル、
エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基等であり、アリ
ール基としては、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キ
シレン等の残基であり、複素環基としては、フラン、チ
オフェン、ジオキサン、ピリジン、ピペラジン、モルホ
リン等の残基であり、これらの基が連結基により結合さ
れた基でもよい。
【0018】J1、J4で表される連結基は、単なる結合
手でも、炭素原子を含んでもよく、酸素原子、窒素原
子、硫黄原子、燐原子等から形成される連結基を表し、
例えばO、S、NH、CO、COO、SO、SO2、N
HCO、NHCONH、PO、PS等である。J2、J3
で表されるアルキレン基、アリーレン基としては、例え
ばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレ
ン、ヘキサメチレン等のアルキレン基;フェニレン、ト
リレン、ナフタレン等のアリーレン基である。
【0019】Lで表される(v+1)価のアルキル基と
しては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル
等であり、アルケニル基としては、エテニル、プロペニ
ル、ブタジエン、ペンタジエン等であり、アリール基と
しては、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン等
の残基であり、複素環基としては、フラン、チオフェ
ン、ジオキサン、ピリジン、ピペラジン、モルホリン等
の残基であり、これらの基が連結基により結合された基
でもよい。連結基としては、単なる結合手でも、炭素原
子を含んでもよい、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、燐
原子等から形成される連結基を表し、例えばO、S、N
H、CO、SO、SO2、NHCO、NHCONH、P
O、PS等である。vで表される1以上の整数として
は、好ましくは1〜6の整数であり、更に好ましく1、
2又は3である。
【0020】以下に、本発明に好ましく用いられるカル
ボジイミド化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されない。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】本発明のカルボジイミド化合物は、感光層
及びその隣接層の少なくとも1層中に含有させればよ
く、メタノールやエタノール等のアルコール類、メチル
エチルケトンやアセトン等のケトン類、トルエンやキシ
レン等の芳香族系やヘキサンやデカン等の非芳香族系等
の有機溶媒に溶解して添加してもよいし、水に分散して
もよいし、粉末や錠剤にして直接添加してもよい。使用
量はハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10モルの範囲
で使用することができる。
【0028】本発明で好ましく用いられるポリハロメタ
ン化合物の具体例としては、下記一般式(1)の化合物
が挙げられる。
【0029】
【化7】
【0030】式中、Qはアリール基又は複素環基を表
す。X1、X2及びX3は各々、水素原子、ハロゲン原
子、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、スルホニル基又はアリール基を表す
が、少なくとも一つはハロゲン原子である。Yは−C
(=O)−、−SO−又は−SO2−を表す。
【0031】Qで表されるアリール基は、単環又は縮環
していてもよく、好ましくは炭素数6〜30の単環又は
2環のアリール基であり、より好ましくはフェニル基、
ナフチル基であり、更に好ましくはフェニル基である。
【0032】Qで表される複素環基は、N、O又はS原
子の少なくとも一つを含む3〜10員の飽和又は不飽和
の複素環基であり、これらは単環であっても、更に他の
環と縮合環を形成してもよい。複素環基として好ましく
は、縮合環を有してもよい5〜6員の不飽和複素環基で
あり、より好ましくは縮合環を有してもよい5〜6員の
芳香族複素環基である。更に好ましくは窒素原子を含む
縮合環を有してもよい5〜6員の芳香族複素環基であ
り、特に好ましくは窒素原子を1〜4個含む縮合環を有
してもよい5〜6員の芳香族複素環基である。
【0033】このような複素環基における複素環として
好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピ
リミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリ
アジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジア
ゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナ
フチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、
プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジ
ン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾ
イミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾー
ル、インドレニン、テトラザインデン等であり、より好
ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジ
ン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジア
ゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナ
フチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、
テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミ
ダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、テ
トラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾール、
ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリア
ゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリン、フタ
ラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シ
ンノリン、テトラゾール、チアゾール、ベンゾイミダゾ
ール、ベンゾチアゾールであり、特に好ましくはピリジ
ン、チアジアゾール、キノリン、ベンゾチアゾールであ
る。
【0034】Qで表されるアリール基及び複素環基は−
Y−C(X1)(X2)(X3)の他に置換基を有しても
よく、該置換基として好ましくは、アルキル基、アルケ
ニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、ア
シルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリー
ルオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ス
ルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ウレ
イド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、ス
ルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、複素環基であり、
より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、ア
ルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、
カルバモイル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲ
ン原子、シアノ基、ニトロ基、複素環基であり、更に好
ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニル
アミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ハロゲ
ン原子、シアノ基、ニトロ基、複素環基であり、特に好
ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であ
る。
【0035】X1、X2及びX3として好ましくは、ハロ
ゲン原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、スルファモイル基、スルホニル基、複素環基であ
り、より好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、ア
シル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、スルホニル基であり、更に好ましくはハロゲ
ン原子、トリハロメチル基であり、特に好ましくはハロ
ゲン原子である。ハロゲン原子の中でも好ましくは塩
素、臭素、沃素原子であり、更に好ましくは塩素、臭素
原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
【0036】Yは−C(=O)−、−SO−、−SO2
−を表すが、好ましくは−SO2−である。
【0037】これらの化合物の具体例を以下に挙げる。
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】
【化14】
【0045】
【化15】
【0046】ポリハロメタン化合物は、感光層及びその
隣接層の少なくとも1層中に含有させればよいが、少な
くとも感光層に含有させることが好ましい。
【0047】ポリハロメタン化合物は、メタノールやエ
タノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセ
トン等のケトン類、トルエンやキシレン等の芳香族系や
ヘキサンやデカン等の非芳香族系等の有機溶媒に溶解し
て添加してもよいし、水に分散してよいし、粉末や錠剤
にして直接添加してもよい。
【0048】使用量は、ハロゲン化銀1モル当たり10
-6〜1モルの範囲で使用することができる。この範囲よ
り少ないと目的とする画像保存性の向上効果が得難く、
一方、この範囲を超えると軟調になったり塗膜が弱くな
ったりして好ましくない。
【0049】本発明においては、フタラジン化合物を併
用することが好ましい。フタラジン化合物とは、フタラ
ジン、及びフタラジン環に各種置換基を導入して得られ
る化合物を意味する。本発明において好ましいフタラジ
ン化合物は、フタラジン環に下記置換基を導入した化合
物である。
【0050】置換基:ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロ
キシル基、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、芳香族
基、複素環基等。これらアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基及びアルコキシ基の炭素数は、それぞれ1〜
60が好ましく、1〜40が特に好ましい。炭素数が6
0を超えるとカブリ抑制、色調、保存性において良い効
果が得られなくなる。上記置換基の置換位置としては、
フタラジン環の2及び3位を除く1〜8位までの位置に
導入することができる。
【0051】本発明に用いられるフタラジン化合物の具
体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0052】f1:フタラジン f2:6−アミノフタラジン f3:5−メチルフタラジン f4:6−クロロフタラジン f5:6−i−プロピルフタラジン f6:6−(4,6−ジ−t−アミルフェニル)フタラ
ジン f7:6−フェニルフタラジン f8:6−メトキシフタラジン f9:1,4−ジメチルフタラジン f10:5,6−ジメトキシフタラジン f11:6−i−ブチルフタラジン フタラジン化合物は、メタノールやエタノール等のアル
コール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン
類、トルエンやキシレン等の芳香族系やヘキサンやデカ
ン等の非芳香族系等の有機溶媒に溶解して添加してもよ
いし、水に分散してもよいし、粉末や錠剤にして直接添
加してもよい。使用量は、ハロゲン化銀1モル当たり1
-6〜1モルの範囲で使用することができる。この範囲
より少ないと、画像保存性の向上効果が得難く、この範
囲を超えると、軟調になったり、塗膜が弱くなったりし
て好ましくない。
【0053】次に、本発明の熱現像感光材料に使用され
る感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤、結合
剤、架橋剤、その他の素材等について順次説明する。
【0054】熱現像感光材料の感光層中に含有する感光
性ハロゲン化銀粒子は、シングルジェットもしくはダブ
ルジェット法等の写真技術の分野で公知の任意の方法に
より、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等の何
れかの方法で予め調製し、次いで本発明の他の成分と混
合して本発明に用いる組成物中に導入することができ
る。この場合に、感光性ハロゲン化銀粒子と有機銀塩の
接触を充分に行わせるため、例えば感光性ハロゲン化銀
粒子を調製する時の保護ポリマーとして、米国特許3,
706,564号、同3,706,565号、同3,7
13,833号、同3,748,143号、英国特許
1,362,970号等に記載されたポリビニルアセタ
ール類等のゼラチン以外のポリマーを用いる手段や、英
国特許1,354,186号に記載されるような感光性
ハロゲン化銀乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、又は
米国特許4,076,539号に記載されるように、感
光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製する
ことによって保護ポリマーの使用を省略する手段等の各
手段を適用することができる。
【0055】感光性ハロゲン化銀粒子は、画像形成後の
白濁を低く抑えるために、又、良好な画質を得るため
に、粒子サイズの小さいものが好ましい。平均粒径で
0.1μm以下、好ましくは0.01〜0.1μm、特
に0.02〜0.08μmが好ましい。ハロゲン化銀粒
子の形状には特に制限はなく、立方体、八面体の所謂正
常晶や正常晶でない球状、棒状、平板状等の粒子を用い
ることができる。又、ハロゲン化銀組成としても特に制
限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃
臭化銀、沃化銀の何れであってもよい。
【0056】感光性ハロゲン化銀粒子の量は、ハロゲン
化銀と有機銀塩の合計質量に対し50質量%以下が適当
であり、好ましくは25〜0.1質量%、更に好ましく
は15〜0.1質量%の範囲である。感光性ハロゲン化
銀粒子として、ハロゲン化銀の形成成分を用いて有機銀
塩の一部をハロゲン化銀に変換させてもよく、この工程
の反応温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は生産時の
消費エネルギーを最小にするため適宜設定することがで
きるが、通常、反応温度は−23〜74℃、その反応時
間は0.1秒〜72時間であり、その反応圧力は大気圧
に設定されるのが好ましい。
【0057】上記した各種の方法によって調製される感
光性ハロゲン化銀粒子は、例えば含硫黄化合物、金化合
物、白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合
物、クロム化合物又はこれらの組合せによって化学増感
することができる。この化学増感の方法及び手順につい
ては、例えば米国特許4,036,650号、英国特許
1,518,850号、特開昭51−22430号、同
51−78319号、同51−81124号等に記載さ
れている。
【0058】感光性ハロゲン化銀粒子は、必要により分
光増感色素で増感することができ、分光増感色素とし
て、例えば特開昭63−159841号、同60−14
0335号、同63−231437号、同63−259
651号、同63−304242号、同63−1524
5号、米国特許4,639,414号、同4,740,
455号、同4,741,966号、同4,751,1
75号、同4,835,096号等に記載された増感色
素を使用することができる。
【0059】本発明に有用な増感色素は、例えばRes
earch Disclosure(以下、RDと略
記)17643,23頁IV−A項(1978年12
月)、同1831,437頁X項(1978年8月)に
記載もしくは引用された文献に記載される。特に、各種
スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増
感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9
−34078号、同9−54409号、同9−8067
9号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0060】熱現像感光材料に含有される有機銀塩は還
元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する
有機酸、ヘテロ有機酸及び酸ポリマーの銀塩等が用いら
れる。又、配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対
する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用
である。有機銀塩の例は、RD17029及び2996
3に記載されており、有機酸の塩(没食子酸、蓚酸、ベ
ヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、
ラウリン酸等の塩)も挙げられている。
【0061】本発明で好ましく用いられる有機銀塩は脂
肪族カルボン酸の銀塩であり、具体的にはベヘン酸、ア
ラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の銀塩であ
り、これらの内、ベヘン酸銀塩が78質量%以上含まれ
るものである。
【0062】熱現像感光材料が含有する還元剤は、有機
銀塩を還元して銀画像を形成するものである。好ましい
還元剤の例は、米国特許3,770,448号、同3,
773,512号、同3,593,863号、RD17
029及び29963等に記載されており、具体例とし
ては、例えば次のものが挙げられる。
【0063】 K1:1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン K2:ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メ
チルフェニル)メタン K3:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン K4:4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6
−メチルフェノール) K5:2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン還元剤は、水に分散したり、有機
溶媒に溶解して感光層用塗布液や、その隣接層用塗布液
に含有させて、これらの層に含有させることができる。
有機溶媒は、メタノールやエタノール等のアルコール類
やアセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、トルエ
ンやキシレン等の芳香族系を任意に選択することができ
る。
【0064】還元剤の使用量は、銀1モル当たり1×1
-2〜10モルの範囲が適当であり、好ましくは1×1
-2〜1.5モルである。
【0065】熱現像感光材料の感光層及びその隣接層並
びにその他の非感光層の高分子結合剤としては、通常、
無色の透明ないし半透明の高分子結合剤が用いられる。
高分子結合剤としては、ポリビニルブチラール、ポリア
クリルアミド、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル誘導体、
ポリウレタン、ポリアクリル酸誘導体、ポリメタクリル
酸誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体等
が挙げられる。
【0066】本発明に使用する結合剤としては、乾燥後
の塗膜の平衡含水率の低いものが好ましく、例えば有機
溶媒系のセルロースアセテート、セルロースアセテート
ブチレート及びポリアセタールを挙げることができる。
中でも、ポリアセタールは、ポリ酢酸ビニルを鹸化する
ことによりポリビニルアルコールを製造し、このポリビ
ニルアルコールをアルデヒド化合物で反応させて得られ
るポリマーを意味するが、ブチルアルデヒドでアセター
ル化をしたポリブチラール、アセトアルデヒドでアセタ
ール化したポリアセタール(狭義でのポリアセタール)
が好ましい。本発明に好ましいポリアセタールは、ポリ
酢酸ビニルの鹸化度が60〜99.9%であり、アセタ
ール化は1〜100%まで理論的には存在するが、実用
的には20〜95%が好ましい。アセタール化度が低い
と水酸基が多くなり、写真性能において湿度に弱い特性
を示し、アセタール化度が高いと反応温度や時間が過酷
になり、コストや生産性が低下する。
【0067】本発明に係る結合剤として、ポリ酢酸ビニ
ル誘導体、ポリアクリル酸誘導体、ポリメタクリル酸誘
導体又はスチレンとブタジエンの共重合体を用いるのが
好ましい。
【0068】ポリ酢酸ビニル誘導体とは、酢酸ビニル又
はその誘導体の単量体単位を有する重合体(共重合体を
包含する)を意味し、ポリアクリル酸誘導体とは、アク
リル酸又はアクリル酸エステルの単量体単位を有する重
合体(共重合体を包含する)を意味し、ポリメタクリル
酸誘導体とは、メタアクリル酸又はメタアクリル酸エス
テルの単量体単位を有する重合体(共重合体を包含す
る)を意味する。
【0069】本発明において、感光層及びその隣接層の
それぞれの層が含む全結合剤のそれぞれ少なくとも70
質量%が、ポリ酢酸ビニル誘導体、ポリアクリル酸誘導
体、ポリメタクリル酸誘導体又はスチレンとブタジエン
の共重合体であることが好ましい。
【0070】酢酸ビニル誘導体又はポリ(メタ)アクリ
ル酸誘導体の共重合成分は、アクリル酸及びメタクリル
酸の置換基を有してもよい炭素数1〜12の直鎖、分
岐、又は環状のアルキルエステルが好ましく、共重合比
はポリ酢酸ビニル誘導体の場合は0〜50モル%、ポリ
(メタ)アクリル酸誘導体の場合は80〜99.9モル
%が好ましく、平均重合度は、数平均重合度で100〜
3000が好ましく、特に200〜2000が好まし
い。
【0071】水系塗布用結合剤としては、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレンとアクリル酸アルキルエス
テル又はメタクリル酸アルキルエステル類の共重合体、
アクリル酸アルキルエステル類−メタクリル酸アルキル
エステル共重合体を挙げることができる。この水分散系
ポリマーは、平均粒子径が1nm〜数μmの範囲の微粒
子にして水系分散媒中に分散されたものが好ましい。水
分散系ポリマーは、水系塗布の結合剤として広く使用さ
れている中で、耐水性を向上させることができる点から
疎水性であることが特に好ましい。ポリマーの重合度
は、10〜1万程度まで自由に選択することができる
が、100〜6000が塗布性や合成する際の生産性か
ら好ましい。
【0072】本発明の熱現像感光材料では、感光層及び
隣接層の少なくとも1層中の高分子結合剤が、イソシア
ナート基、アルコキシシラン基又はビニルスルホン基を
有する化合物の少なくとも1種を添加して塗布されるこ
とを特徴とする。
【0073】結合剤は、単独でも熱現像感光材料の各層
を造膜することにより、下層や上層との接着を保持し、
傷の付き難い膜強度を与えるが、上述した各官能基を有
する架橋剤を使用することにより、更に膜接着や膜強度
を高めることができる。
【0074】好ましい架橋剤は、アルコキシシラン基、
イソシアナート基、エポキシ基(グリシジル基)、ビニ
ルスルホニル基又はカルボジイミド基を有する架橋剤が
好ましい。特に好ましい架橋剤はイソシアナート基を少
なくとも2個有する架橋剤、少なくとも2個のアルコキ
シ基を有するアルコキシシラン架橋剤、ビニルスルホニ
ル基を少なくとも2個有するビニルスルホニル架橋剤を
挙げることができる。好ましい架橋剤の例を下記に示
す。
【0075】H1:ヘキサメチレンジイソシアナート H2:ヘキサメチレンジイソシアナートの3量体 H3:トリレンジイソシアナート H4:フェニレンジイソシアナート H5:キシリレンジイソシアナート H6:1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘ
キサン H7:テトラメチレンキシリレンジイソシアナート H8:m−i−プロペニル−α,α−ジメチルベンジル
イソシアナート H9:フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン H10:p−メチルフェニルプロピルトリメトキシシラ
ン H11:ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン H12:ジエトキシアミノプロピルトリエトキシシラン H13:1,3−ビス(ビニルスルホンアミド)プロパ
ン H14:1,2−ビス(ビニルスルホンアミド)エタン H15:1,3−ビス(ビニルスルホンアミド)−2−
ヒドロキシプロパン H16:ビス(ビニルスルホンアミドメチル)エーテル 上記架橋剤は、水、アルコール類、ケトン類、非極性の
有機溶媒類に溶解して添加してもよいし、塗布液中に固
形のまま添加してもよい。添加量は、架橋する基と当量
が好ましいが10倍まで増量してもよいし、10分の1
以下まで減量してもよい。少なすぎると架橋反応が進ま
ないし、多すぎると未反応の架橋剤が写真性を劣化させ
るので好ましくない。
【0076】熱現像感光材料は、感光層が支持体の片面
だけにある形態及び両面にある形態の何れでもよい。感
光層が支持体の片面だけにある場合には、感光層の反対
側に設けられるBC層(裏面層)、場合によってはその
保護層等を有する形態が含まれる。感光層の隣接層は、
例えば感光層の下側にあるハレーション防止層(AH
層)、上側にある保護層等である。
【0077】熱現像感光材料には、必要により該熱現像
感光材料のハレーション防止用のAH層及び/又はハレ
ーション防止用のBC層が設けられ、該AH層及びBC
層に用いられる染料としては画像露光光を吸収する染料
であればよいが、好ましくは米国特許5,384,23
7号等に記載される熱消色性染料が用いられる。染料が
熱消色性でない場合は、使用量が熱現像感光材料に画像
障害を及ぼさない範囲に限定されるが、熱消色性染料で
あれば必要にして十分な量の染料を添加することができ
る。
【0078】熱現像感光材料は保護層を設けることがで
きる。保護層にはマット剤を含有させることが好まし
い。マット剤としては有機物及び無機物の何れでもよ
く、無機物のマット剤としては、例えばスイス特許33
0,158号に記載のシリカ、スイス特許330,15
8号に記載のポリスチレンあるいはポリメタアクリレー
ト、米国特許3,079,257号に記載のポリアクリ
ロニトリル、米国特許3,022,169号に記載のポ
リカーボネート等からなるマット剤を用いることができ
る。
【0079】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
もよいが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算し
た時の直径で表される。マット剤の粒径を球形換算した
直径で示す時、本発明に用いるマット剤は、平均粒径が
0.5〜10μmであることが好ましく、更に好ましく
は1.0〜8.0μmである。又、粒径分布の変動係数
は50%以下であることが好ましく、更に好ましくは4
0%以下であり、特に好ましくは20%以下となるマッ
ト剤である。マット剤の添加方法は、予め塗布液中に分
散させて塗布する方法でもよいし、塗布液を塗布した
後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用
いてもよい。
【0080】熱現像感光材料の支持体としては、紙、合
成紙、不織布、金属箔、プラスチックフィルム等の支持
体が使用可能であり、又、これらを組み合わせた複合シ
ートを任意に用いることができる。
【0081】熱現像感光材料の露光方法は任意である。
露光方法として例えば、特開平9−304869号、同
9−311403号及び特開2000−10230号各
記載の方法によりレーザーで露光することができる。
【0082】熱現像感光材料を現像する装置は公知のも
のを使用することができる。例えば、特開平11−65
067号、同11−72897号及び同84619号記
載の装置を使用することができる。
【0083】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
の実施の態様はこれらにより限定されない。尚、特に断
りない限り、実施例中の「%」は「質量%」を示す。
【0084】実施例1 〈下引済み支持体の作製〉厚さ175μmのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)支持体の両面に12W/m
2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗
布液a−1を乾燥膜厚0.6μmになるように塗設し乾
燥させて下引層A−1を設け、又、反対側の面に下記下
引塗布液b−1を乾燥膜厚0.6μmになるように塗設
し乾燥させて下引層B−1を設けた。 (下引塗布液a−1)ブチルアクリレート/t−ブチル
アクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチルアクリ
レート(30/20/25/25%)の共重合体ラテッ
クス液(固形分30%)を15倍に希釈した液。
【0085】(下引塗布液b−1)ブチルアクリレート
/スチレン/グリシジルアクリレート(40/20/4
0質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%)を
15倍に希釈した液。
【0086】引き続き、下引層A−1及び下引層B−1
の上表面に、12W/m2・分のコロナ放電を施し、下
引層A−1の上には下記下引上層塗布液a−2を塗布・
乾燥して下引層A−2を設け、下引層B−1の上には下
記下引上層塗布液b−2を塗布・乾燥して帯電防止機能
を持つ下引上層B−2を設けた。各素材の数値は何れも
1m2当たりの付量を示す。 (下引上層塗布液a−2) スチレン/ブタジエン(1/2質量比)共重合体 0.4g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.05g (下引上層塗布液b−2) スチレンとブタジエンの1:2(質量比)共重合体 0.4g 酸化錫微粒子(平均粒径16nm) 0.023g 〈感光層塗布液の作製〉 〈ハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製〉水900ml中にイ
ナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶
解して温度28℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀
74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比
の臭化カリウムと沃化カリウムを硝酸銀に対して等モル
含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールド
ダブルジェット法で10分間かけて添加した。硝酸銀の
添加と同期してヘキサクロロイリジウムのナトリウム塩
を10-6モル/銀1モル添加した。その後、4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ン(安定剤)0.3gを添加し、水酸化ナトリウムでp
Hを5に調整して平均粒子サイズ0.036μm、投影
直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立
方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を
用いて凝集沈降させ、脱塩処理後、水を加えて160m
lに仕上げた。
【0087】(水分散有機銀塩の調製)3980mlの
純水にベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8
g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に
高速で攪拌しながら1.5モルの水酸化ナトリウム水溶
液540.2mlを添加し、濃硝酸6.9mlを加えた
後、55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。こ
の有機酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、
前記ハロゲン化銀粒子乳剤A(銀0.038モルを含
む)と純水420mlを添加し5分間攪拌した。次に1
モルの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加
し、更に20分攪拌し、濾過により水溶性塩類を除去し
た。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱
イオン水による水洗、濾過を繰り返し、最後に遠心脱水
後、乾燥した。
【0088】一方、ベヘン、アラキジン酸、ステアリン
酸の仕込み比を変え、同様に有機銀塩を調製し、各有機
銀塩の質量比率が表1に示す様にした。
【0089】〈感光層側の塗布〉前記下引層を施した支
持体のA−2層上に以下の各層を順次形成し、熱現像感
光材料試料を作製した。尚、乾燥は各々、45℃で1分
間行った。又、各塗布組成中の素材量は何れも1m2
たりの付量である。 (AH層塗布組成) 結合剤:表1記載 0.8g C1(染料) 1.2×10-5モル カルボジイミド化合物(表1記載) 1.0×10-4モル (感光層塗布組成) 感光層形成のため以下の組成物の塗布液を調製し、以下
の付量(1m2当たり)になるように塗布・乾燥した。
銀量として1.36g/m2になる量の前記有機銀塩の
調製液をポリマー結合剤と混合した。
【0090】 結合剤:表1記載 5.0g カルボジイミド化合物(表1記載) 3.2×10-4モル A1(分光増感色素) 2×10-5モル ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド(カブリ防止剤) 0.3mg イソチアゾロン(カブリ防止剤) 1.2mg 還元剤(例示化合物K1) 3.3ミリモル フタラジン 2×10-4モル (表面保護層)下記組成の塗布液を、以下の付量(1m
2当たり)になるように感光層上に塗布・乾燥して表面
保護層を形成した。
【0091】 セルロースアセテートブチレート 2.0g 4−メチルフタル酸 0.7g テトラクロロフタル酸 0.2g テトラクロロフタル酸無水物 0.5g シリカマット剤(平均粒径5μm) 0.5g カルボジイミド化合物(表1記載) 1.0×10-4モル 尚、結合剤は、ポリアセタールとスチレンとブタジエン
の共重合体の2種を使用し、ポリアセタールの場合は有
機溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)を使用し、
スチレン−ブタジエン共重合体の場合は溶媒としてi−
プロパノール及びエタノール各1%を含む水を使用し、
これに添加剤を微粒子分散し塗布した。ポリアセタール
は、重合度500のポリ酢酸ビニルを98%鹸化後、残
存水酸基の86%をブチラール化して使用した(「PV
B−1」と記す)。スチレン−ブタジエン共重合体は、
スチレン/ブタジエン(1/2質量比)組成のものを常
法で乳化共重合させた(「SB−1」と記す)。
【0092】〈BC層側の塗布〉バック面側には以下の
付量(1m2当たり)となるように調製したBC層及び
その保護層用の各塗布液をB−2層上に順次塗布・乾燥
してBC層及び保護層を形成した。 (BC層組成) PVB−1(結合剤) 1.8g C1(染料) 1.2×10-5モル (BC保護層塗布液) セルロースアセテートブチレート 1.1g マット剤(ポリメチルメタクリレート:平均粒子径5μm) 0.12g
【0093】
【化16】
【0094】このようにして熱現像感光材料試料101
〜108を作製した。 《写真性能の評価》上記の各熱現像感光材料試料を三つ
に分け、一つを25℃・RH(相対湿度)48%の雰囲
気下に3日間保存した後、810nmの半導体レーザー
露光用の感光計で露光し、露光後120℃で8秒間加熱
して得られた試料を即試料(処理を「即処理」と記す)
とした。即試料の感度及びカブリを濃度計により測定し
た。感度はカブリ濃度より0.3高い濃度を与える露光
量の比の逆数で評価し、試料101の感度を100とす
る相対値で表した。
【0095】二つ目の試料は、一つ目の試料と同様にレ
ーザー露光用感光計で露光し、現像後の試料を10,0
00ルクスのシャーカステン上に10時間放置した後、
画像保存性の一つの耐光性の指標として最高濃度の低下
(Δmax)を測定し、同時に色調を観察した。Δma
xは、即試料と耐光性試験試料の最高濃度を濃度計によ
り測定し、その低下値で表した。又、色調については、
下記評価基準に基づき5段階評価した。
【0096】 5:全く問題ない色調 4:実技上問題のない色調 3:僅かに黄色味を帯びているが問題ない色調 2:不快な色調であり、問題となる可能性がある色調 1:明らかに顕著な変化が認められ実技上問題となる色
調 三つ目の試料も、一つ目の試料と同様にレーザー露光用
感光計で露光し、現像後、55℃・RH20%の暗室に
3日間保存した後のカブリ(画像保存性の一つの耐熱
性)を測定した。画像保存性の一つである耐熱性の指標
として、前記即試料と耐熱試験を行った試料のカブリの
増加(Δカブリ)を用いた。
【0097】尚、上記試料のレーザー露光及び現像処理
は25±1℃・RH48±1%に調湿した部屋で行っ
た。カブリの増加値や最高濃度の低下値の少ない程、
又、色調の変化の少ない程、画像保存性が良いことを示
す。結果を併せて表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】表1から、カルボジイミド化合物を使用
し、有機銀塩の78質量%以上がベヘン酸銀である試料
は、熱現像時の写真性能(感度及びカブリ)が良好であ
り、画像保存性の一つの耐光性(最高濃度の低下と色調
変化の防止)と、もう一つの画像保存性の耐熱性(カブ
リの増加防止)に優れていることが判る。
【0100】実施例2 実施例1と同様に試料201〜208を作製し性能を評
価したが、ここではカルボジイミド化合物及び一般式
(1)のポリハロメタン化合物をAH層、感光層及び保
護層のそれぞれに以下の量を添加し、実施例1と同様に
即処理の写真性能及び画像保存性を試験した。
【0101】カルボジイミド化合物:AH層、感光層及
び保護層の添加量は実施例1と同量 一般式(1)の化合物:AH層に1×10-4モル/m2
添加 一般式(1)の化合物:感光層に2×10-4モル/m2
添加 一般式(1)の化合物:保護層に1×10-4モル/m2
添加 尚、有機酸銀塩組成(含量)は前記試料103と同じに
なるように調製した。ここで、相対感度は、試料201
の感度を100とする相対値で表した。結果を表2に示
す。
【0102】
【表2】
【0103】表2から、カルボジイミド化合物にポリハ
ロメタン化合物を併用し、かつ有機銀塩の78質量%以
上がベヘン酸銀である試料は、即処理の写真性能(感度
及びカブリ)が良好であり、画像保存性の一つの耐光性
(最高濃度の低下と色調変化の防止)と、もう一つの画
像保存性の耐熱性(カブリの増加防止)に優れているこ
とが判る。
【0104】実施例3 実施例1と同様に試料301〜310を作製したが、こ
の実施例では架橋剤をAH層、感光層、保護層及びBC
層に添加した。感光層中には2.8×10-4モル/
2、保護層には0.8×10-4モル/m2、AH層には
0.9×10-4モル/m2、BC層には2.8×10-4
モル/m2添加した。尚、有機酸銀塩組成(含量)は前
記試料103と同じになるように調製した。又、同一試
料中では同一の架橋剤を使用した。写真性能及び画像保
存性は実施例1と同様に評価した。相対感度は、試料3
01の感度を100とする相対値で表した。結果を表3
に示す。
【0105】
【表3】
【0106】表3から、カルボジイミド化合物にポリハ
ロメタン化合物と架橋剤を併用し、有機銀塩の78質量
%以上がベヘン酸銀である試料は、即処理の写真性能
(感度及びカブリ)が良好であり、画像保存性の一つの
耐光性(最高濃度の低下と色調変化の防止)と、もう一
つの画像保存性の耐熱性(カブリの増加防止)に優れて
いることが判る。
【0107】
【発明の効果】本発明により、高感度、低カブリで、熱
現像後の画像保存性に優れた熱現像感光材料を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H123 AB00 AB01 AB03 AB23 AB25 BA00 BA14 BB00 BB09 BB12 BB25 BB27 BB39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有
    機銀塩、還元剤及び高分子結合剤を含有する感光層と、
    該感光層に隣接し高分子結合剤を含有する隣接層を有す
    る熱現像感光材料において、該感光層及び隣接層の少な
    くとも1層中にカルボジイミド化合物を含有し、かつ前
    記有機銀塩の78質量%以上がベヘン酸銀であることを
    特徴とする熱現像感光材料。
  2. 【請求項2】 感光層及び隣接層の少なくとも1層中
    に、ポリハロメタン化合物を含有することを特徴とする
    請求項1記載の熱現像感光材料。
  3. 【請求項3】 感光層及び隣接層の少なくとも1層中の
    高分子結合剤として、ポリ酢酸ビニル誘導体、ポリアク
    リル酸誘導体、ポリメタクリル酸誘導体又はスチレンと
    ブタジエンの共重合体を含有することを特徴とする請求
    項1又は2記載の熱現像感光材料。
  4. 【請求項4】 感光層及び隣接層の少なくとも1層中の
    高分子結合剤が、イソシアナート基、アルコキシシラン
    基又はビニルスルホン基を有する化合物の少なくとも1
    種を添加して塗布されることを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の熱現像感光材料。
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