JP2003287683A - 画像読み取り光学系 - Google Patents

画像読み取り光学系

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JP2003287683A
JP2003287683A JP2002090172A JP2002090172A JP2003287683A JP 2003287683 A JP2003287683 A JP 2003287683A JP 2002090172 A JP2002090172 A JP 2002090172A JP 2002090172 A JP2002090172 A JP 2002090172A JP 2003287683 A JP2003287683 A JP 2003287683A
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power
axial
reflecting surface
image
optical system
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JP2002090172A
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English (en)
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Makoto Oki
誠 大木
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像読み取り光学系の軽量化、製造効率の向
上および低コスト化を図りながら、温度変化による性能
変動を抑える。 【解決手段】 樹脂材料の表面に形成されたパワーを有
する2面以上の反射面と、絞りと、1次元撮像素子とで
画像読み取り光学系を構成する。撮像素子に平行な方向
についての軸上光束の径端のサグ量の符号を全ての反射
面で同じにするときは、それらのサグ量の絶対値の最大
値を最小値の3倍以下として、サグ量の和を小さくし、
撮像素子に平行な方向における温度変化による像面移動
を抑える。また、サグ量の符号を反射面によって異なら
せるときは、多い方の符号の反射面を形成する樹脂材料
の線膨張係数を、少ない方の符号の反射面を形成する樹
脂材料の線膨張係数よりも小さくして、像面移動を相殺
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原稿上の画像を読み
取る画像読み取り光学系に関し、複写機等で入力手段と
して利用される。
【0002】
【従来の技術】従来の画像読み取り光学系の大多数はガ
ラスレンズで構成されている。ガラスの線膨張係数は
7.5×10-6程度と小さく、これを材料とするレンズ
で構成した画像読み取り光学系の性能は、多少の温度変
化があっても安定している。ただし、ガラスは重く、ま
た、レンズとするために多くの工程が必要であり、重
量、製造効率および製造コストの観点からは、ガラスを
材料として用いることはあまり得策でないといえる。
【0003】そこで、画像読み取り光学系を成す光学素
子を樹脂で作製することが提案されている。例えば、特
開平10−111458号公報では、樹脂製の凹面ミラ
ーを光学系に含めるようにしている。樹脂はガラスに比
べて軽く、成形によって容易に光学素子とすることがで
きる。
【0004】しかし、樹脂は一般に線膨張係数が大き
く、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、
ノボルネン等の代表的な光学材料樹脂であっても、線膨
張係数は7.0〜9.0×10-5であり、ガラスに比べ
て10倍程度大きい。このため、樹脂で作製した光学素
子を含む画像読み取り光学系は、温度変化に伴って性能
が変動し易く、その対策を講じないと実用的な光学系と
ならない。上記公報では、樹脂製のミラーを1つのみと
し、ガラス製のミラーを併用して、温度変化による樹脂
ミラーの性能変動をガラスミラーによって補償するよう
にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、樹脂ミラー
を1つのみとし、温度変化によるその性能変動を補償す
るためにガラスミラーを備えるのでは、軽量化、製造効
率の向上、コスト低減に限界があり、光学系に樹脂ミラ
ーを含めることの意味が半減する。
【0006】本発明はこの点に鑑みてなされたもので、
画像読み取り光学系の一層の軽量化、製造効率の向上、
および低コスト化を図りながら、温度変化による性能変
動を抑えることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、所定位置に配置される原稿からの光を
撮像素子に結像させて、原稿上の画像を読み取る画像読
み取り光学系は、樹脂材料の表面に形成されたパワーを
有する2面以上の反射面と、光束径を規制する絞りを含
み、原稿の中心からの光束を軸上光束、軸上光束のうち
絞りの中心を通る光線を軸上主光線、軸上主光線がパワ
ーを有する反射面に最初に入射する方向をX方向、X方
向に垂直で互いに垂直な2方向をY方向とZ方向、軸上
主光線とパワーを有する反射面の交点をパワーを有する
反射面の面頂点、パワーを有する反射面のサグ量の符号
を、入射する光に対して凸面となるときに正、凹面とな
るときに負、面頂点を含むXY断面内での軸上光束の径
端のサグ量をパワーを有する反射面の軸上光束径端サグ
量と定めるとき、軸上光束径端サグ量の符号がパワーを
有する全ての反射面で同じであり、パワーを有する全て
の反射面の軸上光束径端サグ量の絶対値の最大値がそれ
ら絶対値の最小値の3倍以下である構成とする。
【0008】この画像読み取り光学系は、パワーを有す
る2面以上の反射面、つまり2つ以上の曲面ミラーを有
し、それらは樹脂材料の表面に形成されている。樹脂ミ
ラーの性能が温度変化によって変動し易いのは上述のと
おりであるが、特に大きな問題となるのが像面移動、つ
まり原稿からの光が結像する結像面のその法線方向への
移動である。そして、像面移動はパワーを有する反射面
の軸上光束の径端におけるサグ量におおよそ比例する。
【0009】この画像読み取り光学系では、面頂点を含
むXY断面のサグ量の符号、したがってパワーの符号
が、全ての反射面について同じである。このように反射
面のパワーの符号が同じ場合、光学系全体として必要な
パワーは、いずれかの反射面に他の反射面よりも大きな
パワーをもたせることでも、全ての反射面のパワーを略
一様にすることでも得られる。ただし、全ての反射面の
サグ量の和は、各反射面のパワーをどのように設定する
かによって異なり、いずれかの反射面が他の反射面より
も大きなパワーを有する場合は、その反射面のサグ量が
特に大きくなって、全ての反射面が同程度のパワーを有
する場合よりも大きくなる。
【0010】ここで、XY断面内の軸上光束の径端のサ
グ量(軸上光束径端サグ量)を、パワーを有する反射面
間で3倍以内として、特にサグ量の大きな反射面が存在
しないようにしたことにより、パワーを有する反射面の
サグ量の和は、少なくともY方向については、小さい。
したがって、少なくともこの方向においては、像面移動
を少なくすることができ、高い解像度で画像を読み取る
ことが可能である。温度変化による性能変動を補償する
ために、ガラス製の光学素子を備える必要もない。
【0011】本発明ではまた、所定位置に配置される原
稿からの光を撮像素子に結像させて、原稿上の画像を読
み取る画像読み取り光学系は、樹脂材料の表面に形成さ
れたパワーを有する2面以上の反射面と、光束径を規制
する絞りを含み、原稿の中心からの光束を軸上光束、軸
上光束のうち絞りの中心を通る光線を軸上主光線、軸上
主光線がパワーを有する反射面に最初に入射する方向を
X方向、X方向に垂直で互いに垂直な2方向をY方向と
Z方向、軸上主光線とパワーを有する反射面の交点をパ
ワーを有する反射面の面頂点、パワーを有する反射面の
サグ量の符号を、入射する光に対して凸面となるときに
正、凹面となるときに負、面頂点を含むXY断面内での
軸上光束の径端のサグ量をパワーを有する反射面の軸上
光束径端サグ量と定めるとき、軸上光束径端サグ量の符
号がパワーを有する反射面によって異なり、軸上光束径
端サグ量が負のパワーを有する反射面が形成されている
樹脂材料の線膨張係数が、軸上光束径端サグ量が正のパ
ワーを有する反射面が形成されている樹脂材料の線膨張
係数よりも小さい構成とする。
【0012】この画像読み取り光学系も、パワーを有す
る2面以上の反射面を有し、これらは樹脂材料の表面に
形成されている。面頂点を含むXY断面のサグ量の符
号、したがってパワーの符号は、反射面によって異な
る。このように、パワーの符号が異なる場合、パワーを
有する全ての反射面のサグ量の和は、正のものと負のも
のが打ち消しあって比較的小さくなるが、光学系全体と
してのパワーを正とするために、サグ量が負となる反射
面が多くなる。
【0013】ここで、軸上光束径端サグ量が負の反射面
を成す樹脂材料の線膨張係数を、軸上光束径端サグ量が
正の反射面を成す樹脂材料の線膨張係数よりも小さくし
て、より多い負のサグ量に起因する像面移動がより少な
い正のサグ量に起因する像面移動によって打ち消される
ようにしたことで、少なくともY方向については、像面
移動が少なくなり、高い解像度で画像を読み取ることが
可能である。温度変化による性能変動を補償するため
に、ガラス製の光学素子を備える必要もない。
【0014】上記いずれの画像読み取り光学系も、撮像
素子がラインセンサであってY方向に平行に配置されて
おり、パワーを有する反射面のうちの少なくとも1面
が、Y方向とY方向に垂直な方向とで異なるパワーを有
する構成とすることができる。Y方向は画像読み取りの
主走査方向に相当し、これに垂直な方向は副走査方向に
相当する。パワーを有する反射面のうちの少なくとも1
面が、主走査方向と副走査方向とで異なるパワーを有す
るようにすることで、パワー設定の自由度が高まり、パ
ワーを有する反射面の数を少なく抑えつつ、読み取り範
囲の大きさが著しく相違する主走査方向と副走査方向の
いずれについても、高い解像度で画像を読み取ることが
できる。
【0015】また、撮像素子がラインセンサであってY
方向に平行に配置されており、パワーを有する反射面の
うちの少なくとも1面が、軸上主光線に対してY方向に
垂直な方向に傾斜し、かつ、Y方向に平行な対称面を有
さない構成とすることもできる。この構成では、パワー
を有する反射面の少なくとも1面に、光が副走査方向に
ついて斜めに入射することになり、その反射面について
は、入射光と反射光の光路を副走査方向に分離すること
ができる。このため、主走査方向で光路の分離をする必
要がなく、主走査方向のパワー設定の自由度が高まっ
て、主走査方向における像面移動を少なくすることが容
易になる。しかも、その反射面が副走査方向に非対称で
あるため、斜め入射に起因する副走査方向の収差の発生
も抑えることが可能である。パワーを有する全ての反射
面をこのような設定としてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像読み取り光学
系の実施形態について図面を参照しながら説明する。第
1の実施形態の画像読み取り光学系1の構成および光路
を図1および図2に示す。画像読み取り装置光学系1
は、パワーを有する3つのミラーM1、M2、M3およ
び撮像素子4より成り、所定位置に配置された原稿(不
図示)からの光を、ミラーM1〜M3で順に反射して撮
像素子4に結像させ、原稿が表す画像を撮像素子4によ
って読み取る。
【0017】3つのミラーM1、M2、M3はいずれも
樹脂で作製されている。撮像素子4はCCD型のライン
センサ(画素が一次元に配列された一次元撮像素子)で
あり、原稿の画像を1ラインずつ読み取る。原稿は、撮
像素子4が一度に読み取るラインの方向である主走査方
向に対して垂直な方向である副走査方向に可動である。
【0018】画像読み取り光学系1のコンストラクショ
ンデータを表1〜表4に示す。長さの単位はmm、角度
の単位は度(゜)である。各表において、3つのミラー
M1〜M3の反射面は各ミラーと同じ符号で表してい
る。物面は原稿面であり、像面は撮像素子4の受光面が
配置される面である。反射面M2は光束径を規制する絞
りを兼ねる。
【0019】座標系の定義を図7および図8に示す。コ
ンストラクションデータのうち、自由曲面係数以外は、
図7に示した光学系1全体の直交座標系で定義してお
り、自由曲面係数は、図8に示した反射面M1〜M3ご
との直交座標系で定義している。図7、図8において、
LAは原稿の中心点からの光束である軸上光束、L0は
軸上光束LAのうち、絞り(反射面M2)の中心を通る
軸上主光線である。
【0020】図7に示すように、光学系1全体の座標系
(X、Y、Z)は、原稿からの光が最初に入射する反射
面M1と軸上主光線L0の交点を原点、原稿からの光が
反射面M1に入射する方向をX方向、X方向に垂直で撮
像素子4(の画素の配列)に平行な方向をY方向、X方
向とY方向に垂直な方向をZ方向と定めている。つま
り、Y方向が画像読み取りの主走査方向、Y方向に垂直
な方向が副走査方向である。また、軸上主光線L0と反
射面M1〜M3の交点を各反射面M1〜M3の面頂点と
している。図8に示すように、反射面M1〜M3ごとの
座標系(x、y、z)は、軸上主光線L0と各反射面M
1〜M3の交点すなわち面頂点を原点、Y方向に平行な
方向をy方向、y方向に垂直な方向をz方向、y方向と
z方向に垂直な方向をx方向と定めている。
【0021】表3の自由曲面は式1によって定義してい
る。ここで、xはサグ量を表す。なお、自由曲面係数A
ijのうち表3に記していないものの値は全て0である。
【数1】
【0022】表3に示したように、反射面M1〜M3は
いずれも自由曲面であり、iの次数が奇数の係数Aij
存在しないことから判るように、Y方向すなわち主走査
方向については対称面を有し、また、jの次数が奇数の
係数Aijが存在することから判るように、Z方向すなわ
ち副走査方向については対称面を有さない。また、表1
に示したように、反射面M1〜M3の面頂点のY座標は
いずれも0であり、したがって、画像読み取り装置1は
全体として主走査方向について面対称である。
【0023】図1はXY断面図、図2はXZ断面図であ
る。なお、図1においては、軸上光束LAのほか、原稿
の周辺部の点からの光束である軸外光束LBも示してい
る。XY断面内における軸上光束LAの径端での反射面
M1〜M3のサグ量(軸上光束径端サグ量という)を表
4に示す。サグ量の符号は、各反射面M1〜M3が面頂
点において入射光に対して凸面となるときを正、凹面と
なるときを負としている。
【0024】反射面M1〜M3はいずれも凹面であり、
サグ量の符号はいずれも負である。サグ量の絶対値は反
射面M1で最大値の0.07921mm、反射面M3で
最小値の0.03830mmであり、最小値に対する最
大値の比は2.07である。このように、パワーを有す
る反射面のサグ量が全て同符号の場合、サグ量の絶対値
の最大値と最小値の比を3以下とすることで、サグ量の
和が小さくなる。
【0025】反射面M1〜M3は樹脂材料の表面に形成
されており、表1に示したように各樹脂材料の線膨張係
数は7.0×10-5であってガラスの10倍程度大き
い。このため、反射面M1〜M3のサグ量の和が大きけ
れば、温度変化に起因する像面移動が多くなる。しか
し、上記の設定により像面移動が抑えられ、高い解像度
で画像を読み取ることが可能である。特に、撮像素子4
としてラインセンサを用いる画像読み取り光学系1で
は、画像を読み取る幅は主走査方向の方が副走査方向よ
りもはるかに大きいため、像面移動は主走査方向におい
て現れ易いが、XY断面内での軸上光束LAの径端のサ
グ量を上記のように設定したことで、主走査方向におけ
る像面移動が良好に抑えられ、主走査方向についても高
い解像度が得られる。画像読み取り光学系1のMTFス
ルーフォーカスグラフを図3に示す。
【0026】画像読み取り光学系1は、現在の一般的な
画像読み取り装置の標準的な解像度である6LP(ライ
ンピッチ)/mm以上の解像度を有する。樹脂材料の表
面を反射面とし、全ての反射面のサグ量を同符号とする
場合に、サグ量の絶対値の最大値と最小値の比が3を超
えると、解像度は6LP/mm未満となってしまい、画
像読み取り光学系としての性能が不十分になる。
【0027】図2より明らかなように、原稿からの光
は、いずれの反射面M1〜M3に対しても、副走査方向
について斜めに入射する(入射角が0゜でない)。これ
により、各反射面M1〜M3における入射光と反射光の
光路が副走査方向に分離し、主走査方向について反射面
M1〜M3を対称にすることができる。斜め入射に起因
する収差は反射面M1〜M3をそれぞれ副走査方向につ
いて非対称とすることで除去されており、画像読み取り
光学系1は、副走査方向についても6LP/mm以上の
解像度を有する。また、反射面M1〜M3に光が斜めに
入射するようにしたことで、画像読み取り装置1は、原
稿から撮像素子4までの光路長の割に占有する空間の小
さいコンパクトな構成となっている。
【0028】第2の実施形態の画像読み取り光学系2の
構成および光路を図4および図5に示す。画像読み取り
装置光学系2も、パワーを有する3つのミラーM1、M
2、M3および撮像素子4より成り、所定位置に配置さ
れた原稿(不図示)からの光を、ミラーM1〜M3で順
に反射して撮像素子4に結像させ、原稿が表す画像を撮
像素子4によって読み取る。3つのミラーM1、M2、
M3はいずれも樹脂で作製されている。撮像素子4はC
CD型のラインセンサである。
【0029】画像読み取り光学系2のコンストラクショ
ンデータを表5〜表8に示す。長さの単位はmm、角度
の単位は度(゜)である。各表において、3つのミラー
M1〜M3の反射面は各ミラーと同じ符号で表してい
る。物面は原稿面であり、像面は撮像素子4の受光面が
配置される面である。反射面M2は光束径を規制する絞
りを兼ねる。
【0030】座標系の定義は、第1の実施形態と同様で
ある。反射面M1〜M3の定義も前掲の式1に従ってい
る。
【0031】自由曲面係数Aijのうち表7に記していな
いものの値は全て0である。表7に示したように、反射
面M1〜M3はいずれも自由曲面であり、Y方向すなわ
ち主走査方向については対称面を有し、Z方向すなわち
副走査方向については対称面を有さない。また、表1に
示したように、反射面M1〜M3の面頂点のY座標はい
ずれも0であり、したがって、画像読み取り装置2は全
体として主走査方向について面対称である。
【0032】図4はXY断面図、図5はXZ断面図であ
る。XY断面内における軸上光束LAの径端での反射面
M1〜M3のサグ量(軸上光束径端サグ量)を表8に示
す。サグ量の符号は、前述のように、各反射面M1〜M
3が面頂点において入射光に対して凸面となるときを
正、凹面となるときを負としている。
【0033】反射面M1、M3は凹面、反射面M2は凸
面であり、軸上光軸径端サグ量の符号は、反射面M1、
M3では負、反射面M2では正である。このように、パ
ワーを有する反射面のサグ量の符号が反射面によって異
なる場合、多い方の符号の反射面(ここでは反射面M
1、M3)の材料の線膨張係数を、少ない方の符号の反
射面(ここでは反射面M2)の材料の線膨張係数よりも
小さくすることで、温度変化による像面移動が、前者と
後者で打ち消し合って、少なくなる。
【0034】表4に示したように、反射面M1、M3が
形成されている樹脂の線膨張係数は7.0×10-5、反
射面M2が形成されている樹脂の線膨張係数は9.0×
10 -5であり、前者の方が小さい。これにより像面移動
が抑えられ、高い解像度で画像を読み取ることが可能で
ある。特に、撮像素子4としてラインセンサを用いる画
像読み取り光学系2では、画像を読み取る幅は主走査方
向の方が副走査方向よりもはるかに大きいため、像面移
動は主走査方向において現れ易いが、XY断面内での軸
上光束LAの径端のサグ量の符号と樹脂材料の線膨張係
数の関係を上記のように設定したことで、主走査方向に
おける像面移動が良好に抑えられ、主走査方向について
も高い解像度が得られる。画像読み取り光学系2のMT
Fスルーフォーカスグラフを図6に示す。
【0035】画像読み取り光学系2も6LP/mm以上
の解像度を有する。符号が異なる反射面を線膨張係数の
等しい材料の表面に形成すると、このような解像度の実
現は難しく、画像読み取り光学系としての性能が不十分
になる。
【0036】図5より明らかなように、画像読み取り光
学系2においても、原稿からの光は、いずれの反射面M
1〜M3に対しても、副走査方向について斜めに入射す
る。これにより、各反射面M1〜M3における入射光と
反射光の光路が副走査方向に分離し、主走査方向につい
て反射面M1〜M3を対称にすることができる。斜め入
射に起因する収差は反射面M1〜M3をそれぞれ副走査
方向について非対称とすることで除去されており、画像
読み取り光学系2は、副走査方向についても6LP/m
m以上の解像度を有する。また、反射面M1〜M3に光
が斜めに入射するようにしたことで、画像読み取り装置
2は、原稿から撮像素子4までの光路長の割に占有する
空間の小さいコンパクトな構成となっている。
【0037】なお、軸上光束径端サグ量が全ての反射面
で同符号の場合に、その絶対値の最大値と最小値の比を
3以上にすること、および、軸上光束径端サグ量の符号
が反射面によって異なる場合に、符号の多い方の反射面
を符号の少ない方の反射面よりも線膨張係数の小さい材
料の表面に形成することは、画素が1列に配置された撮
像素子を備える例示の構成に限らず、画素が複数列(例
えば、赤色光、緑色光および青色光用の3列)に配置さ
れた撮像素子を備える場合にも有用である。また、多数
の画素が2次元に配置されたエリアセンサを備える構成
にも適用可能である。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】
【発明の効果】所定位置に配置される原稿からの光を撮
像素子に結像させて、原稿上の画像を読み取る画像読み
取り光学系において、本発明のように、樹脂材料の表面
に形成されたパワーを有する2面以上の反射面と、光束
径を規制する絞りを含み、原稿の中心からの光束を軸上
光束、軸上光束のうち絞りの中心を通る光線を軸上主光
線、軸上主光線がパワーを有する反射面に最初に入射す
る方向をX方向、X方向に垂直で互いに垂直な2方向を
Y方向とZ方向、軸上主光線とパワーを有する反射面の
交点をパワーを有する反射面の面頂点、パワーを有する
反射面のサグ量の符号を、入射する光に対して凸面とな
るときに正、凹面となるときに負、面頂点を含むXY断
面内での軸上光束の径端のサグ量をパワーを有する反射
面の軸上光束径端サグ量と定めるとき、軸上光束径端サ
グ量の符号がパワーを有する全ての反射面で同じであ
り、パワーを有する全ての反射面の軸上光束径端サグ量
の絶対値の最大値がそれら絶対値の最小値の3倍以下で
ある構成とすると、少なくともY方向については、特に
サグ量の大きい反射面が存在しなくなって、パワーを有
する全ての反射面のサグ量の和が小さくなる。したがっ
て、少なくともこの方向においては、像面移動を少なく
することができ、高い解像度で画像を読み取ることが可
能である。温度変化による性能変動を補償するために、
ガラス製の光学素子を備える必要もなく、軽量で、製造
効率に優れ、低コストの画像読み取り光学系となる。
【0047】所定位置に配置される原稿からの光を撮像
素子に結像させて、原稿上の画像を読み取る画像読み取
り光学系において、本発明のように、樹脂材料の表面に
形成されたパワーを有する2面以上の反射面と、光束径
を規制する絞りを含み、原稿の中心からの光束を軸上光
束、軸上光束のうち絞りの中心を通る光線を軸上主光
線、軸上主光線がパワーを有する反射面に最初に入射す
る方向をX方向、X方向に垂直で互いに垂直な2方向を
Y方向とZ方向、軸上主光線とパワーを有する反射面の
交点をパワーを有する反射面の面頂点、パワーを有する
反射面のサグ量の符号を、入射する光に対して凸面とな
るときに正、凹面となるときに負、面頂点を含むXY断
面内での軸上光束の径端のサグ量をパワーを有する反射
面の軸上光束径端サグ量と定めるとき、軸上光束径端サ
グ量の符号がパワーを有する反射面によって異なり、軸
上光束径端サグ量が負のパワーを有する反射面が形成さ
れている樹脂材料の線膨張係数が、軸上光束径端サグ量
が正のパワーを有する反射面が形成されている樹脂材料
の線膨張係数よりも小さい構成とすると、少なくともY
方向については、より大きい負のサグ量に起因する像面
移動を、より小さい正のサグ量に起因する像面移動によ
って打ち消すことができる。したがって、少なくともこ
の方向においては、像面移動を少なくすることができ、
高い解像度で画像を読み取ることが可能である。温度変
化による性能変動を補償するために、ガラス製の光学素
子を備える必要もなく、軽量で、製造効率に優れ、低コ
ストの画像読み取り光学系となる。
【0048】ここで、撮像素子がラインセンサであって
Y方向に平行に配置されており、パワーを有する反射面
のうちの少なくとも1面が、Y方向とY方向に垂直な方
向とで異なるパワーを有する構成とすると、パワー設定
の自由度が高まり、パワーを有する反射面の数を少なく
抑えつつ、読み取り範囲の大きさが著しく相違する主走
査方向と副走査方向のいずれについても、高い解像度で
画像を読み取ることが可能である。
【0049】また、撮像素子がラインセンサであってY
方向に平行に配置されており、パワーを有する反射面の
うちの少なくとも1面が、軸上主光線に対してY方向に
垂直な方向に傾斜し、かつ、Y方向に平行な対称面を有
さない構成とすると、少なくとも反射面の1面について
は、入射光と反射光の光路を副走査方向に分離すること
ができて、主走査方向についての像面移動を少なくする
ことが容易になる。しかも、その反射面が副走査方向に
非対称であるため、斜め入射に起因する副走査方向の収
差の発生も抑えることが可能である。また、占有空間の
小さいコンパクトな画像読み取り光学系となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の画像読み取り光学系の構成
および光路を示すXY断面図。
【図2】 第1の実施形態の画像読み取り光学系の構成
および光路を示すXZ断面図。
【図3】 第1の実施形態の画像読み取り光学系のMT
Fスルーフォーカスグラフを示す図。
【図4】 第2の実施形態の画像読み取り光学系の構成
および光路を示すXY断面図。
【図5】 第2の実施形態の画像読み取り光学系の構成
および光路を示すXZ断面図。
【図6】 第2の実施形態の画像読み取り光学系のMT
Fスルーフォーカスグラフを示す図。
【図7】 第1、第2の実施形態の画像読み取り光学系
の反射面の位置関係を定める全体の座標系を示す図。
【図8】 第1、第2の実施形態の画像読み取り光学系
の自由曲面を定める反射面ごとの座標系を示す図。
【符号の説明】
1、2 画像読み取り光学系 M1、M2、M3 反射面 4 撮像素子 L0 軸上主光線 LA 軸上光束 LB 軸外光束

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定位置に配置される原稿からの光を撮
    像素子に結像させて、原稿上の画像を読み取る画像読み
    取り光学系において、 樹脂材料の表面に形成されたパワーを有する2面以上の
    反射面と、光束径を規制する絞りを含み、 原稿の中心からの光束を軸上光束、 軸上光束のうち絞りの中心を通る光線を軸上主光線、 軸上主光線がパワーを有する反射面に最初に入射する方
    向をX方向、 X方向に垂直で互いに垂直な2方向をY方向とZ方向、 軸上主光線とパワーを有する反射面の交点をパワーを有
    する反射面の面頂点、 パワーを有する反射面のサグ量の符号を、入射する光に
    対して凸面となるときに正、凹面となるときに負、 面頂点を含むXY断面内での軸上光束の径端のサグ量を
    パワーを有する反射面の軸上光束径端サグ量と定めると
    き、 軸上光束径端サグ量の符号がパワーを有する全ての反射
    面で同じであり、 パワーを有する全ての反射面の軸上光束径端サグ量の絶
    対値の最大値がそれら絶対値の最小値の3倍以下である
    ことを特徴とする画像読み取り光学系。
  2. 【請求項2】 所定位置に配置される原稿からの光を撮
    像素子に結像させて、原稿上の画像を読み取る画像読み
    取り光学系において、 樹脂材料の表面に形成されたパワーを有する2面以上の
    反射面と、光束径を規制する絞りを含み、 原稿の中心からの光束を軸上光束、 軸上光束のうち絞りの中心を通る光線を軸上主光線、 軸上主光線がパワーを有する反射面に最初に入射する方
    向をX方向、 X方向に垂直で互いに垂直な2方向をY方向とZ方向、 軸上主光線とパワーを有する反射面の交点をパワーを有
    する反射面の面頂点、 パワーを有する反射面のサグ量の符号を、入射する光に
    対して凸面となるときに正、凹面となるときに負、 面頂点を含むXY断面内での軸上光束の径端のサグ量を
    パワーを有する反射面の軸上光束径端サグ量と定めると
    き、 軸上光束径端サグ量の符号がパワーを有する反射面によ
    って異なり、 軸上光束径端サグ量が負のパワーを有する反射面が形成
    されている樹脂材料の線膨張係数が、軸上光束径端サグ
    量が正のパワーを有する反射面が形成されている樹脂材
    料の線膨張係数よりも小さいことを特徴とする画像読み
    取り光学系。
  3. 【請求項3】 撮像素子がラインセンサであってY方向
    に平行に配置されており、 パワーを有する反射面のうちの少なくとも1面が、Y方
    向とY方向に垂直な方向とで異なるパワーを有すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読み
    取り光学系。
  4. 【請求項4】 撮像素子がラインセンサであってY方向
    に平行に配置されており、 パワーを有する反射面のうちの少なくとも1面が、軸上
    主光線に対してY方向に垂直な方向に傾斜し、かつ、Y
    方向に平行な対称面を有さないことを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の画像読み取り光学系。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100738361B1 (ko) * 2005-02-04 2007-07-12 캐논 가부시끼가이샤 결상광학계 및 그것을 이용한 화상판독장치

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