JP2008078877A - 画像読取用の結像光学系の調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転非対称面を有する結像光学系の各部材の製造誤差により劣化した結像性能を良好に簡易な機構で調整することができる画像読取用の結像光学系の調整方法を得ること。
【解決手段】 原稿面と等価な位置に配置された主走査方向と副走査方向とで異なる形状より成る副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンを有するチャート上の該副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報を含む光束を読取手段面上に結像させる画像読取用の結像光学系の調整方法であって、
前記読取手段で得られる該副走査方向の読み取り位置ずれの情報を含む信号を用いて前記結像光学系を構成する非回転対称面の位置を調整することで、前記光束の該読取手段上での副走査方向の読み取り位置ずれを調整すること。
【選択図】 図1
【解決手段】 原稿面と等価な位置に配置された主走査方向と副走査方向とで異なる形状より成る副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンを有するチャート上の該副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報を含む光束を読取手段面上に結像させる画像読取用の結像光学系の調整方法であって、
前記読取手段で得られる該副走査方向の読み取り位置ずれの情報を含む信号を用いて前記結像光学系を構成する非回転対称面の位置を調整することで、前記光束の該読取手段上での副走査方向の読み取り位置ずれを調整すること。
【選択図】 図1
Description
本発明は原稿台上の画像情報を読取手段上に結像させるための画像読取用の結像光学系の調整方法に関するものである。
従来、原稿面上の画像情報を読み取る画像読取装置(イメージスキャナー)として、フラットベッド型のイメージスキャナーが用いられている。このうち装置の構造の簡素化を図るための一方式として反射ミラー、結像光学系、ラインセンサー等を一体化して原稿面を走査するキャリッジ一体型走査方式が採用されている。
図11は従来のキャリッジ一体型走査方式の画像読取装置の要部概略図である。
同図において、照明光源81から放射された光束は原稿台82に載置した原稿87を照明している。そして該原稿87からの反射光束を順に第1、第2、第3反射ミラー83a、83b、83cを介してキャリッジ86内部でその光路を折り曲げ、結像レンズ(結像光学系)84によりラインセンサー85面上に結像させている。そしてキャリッジ86を副走査モーター88により同図に示す矢印A方向(副走査方向)に移動させることにより原稿87の画像情報を読み取っている。同図におけるラインセンサー85は複数の受光素子を1次元方向(主走査方向)に配列した構成により成っている。
図12は図11の画像読み取り光学系の基本構成の説明図である。
同図において、84は結像光学系、85R,85G,85Bは各々R(赤色),G(緑色),B(青色)の各色を読み取るラインセンサーである。87R,87G,87Bはラインセンサー85R,85G,85Bに対応する原稿面上の読み取り範囲である。
図11に示す画像読取装置では静止している原稿面をキャリッジ86が走査している。一方、キャリッジ走査は図12のようにラインセンサー85及び結像レンズ84が静止していて、原稿面が移動することと等価である。原稿面を走査することによってある時間間隔をおいて同一箇所を異なる色光で読み取ることができる。
図11に示す構成において結像レンズ84が通常の屈折系からなる場合には軸上色収差や倍率色収差が発生する。このため基準のラインセンサー85Gに対しラインセンサー85B,85Rに結像されるライン像にデフォーカスあるいは位置ズレが発生する。したがって各色画像を重ね合わせて再現した時に色にじみやズレの目立つ画像になる。
この原因はレンズの材料がもつ特性に起因する前記軸上色収差や倍率色収差によるものであるため、開口が大きく、解像度が高い光学性能が要求される場合には対応できなくなる。
一方、結像光学系の像面側にアナモフィック面を配置した非回転対称面を有する共軸レンズ系を導入した設計例が提案されている(特許文献1参照)。
このような非回転対称な非球面を用いることで、設計時の自由度が増え、回転対称なレンズに比べ光線のコントロールが容易となり、より高い開口で、かつ高い解像度に対応ができるようになっている。
しかしながら、レンズの材料がもつ特性に起因する軸上色収差や倍率色収差はわずかながらに残ってしまい、また非回転対称な面があるため、回転対称なレンズに比べ製造誤差による副走査方向の歪曲が発生し易いという問題点がある。
一方、最近は非共軸光学系においても、基準軸という概念を導入し構成面を非対称非球面にすることで、収差が補正された小型の光学系が構築されている。
こうした非共軸光学系はオフアキシャル光学系(像中心と瞳中心を通る光線に沿った基準軸を設定し、構成面の基準軸との交点における面法線が基準軸上にない曲面を含む光学系として定義される光学系で、基準軸は折れ曲がった形状となる)と呼ばれる。
このオフアキシャル光学系は、構成面が一般には非共軸となり、反射面でもケラレが生じることがないため、反射面を使った光学系が構築し易い。
一般に反射光学系は色収差が発生しないため上述の軸上色収差や倍率色収差といった問題が発生しない。このような非対称非球面を導入した画像読み取り結像光学系が種々と提案されている(特許文献2参照)。
一方、オフアキシャル光学系では構成面の製造誤差や位置誤差があると、主走査方向(主走査断面)の像面のピント位置ずれや副走査方向(副走査断面)の像面のピント位置ずれで歪曲収差が発生し、焦点深度の減少や倍率ずれが生じる。これらは読み取りラインの湾曲という問題点となる。
特に副走査方向の歪曲については回転対称の共軸レンズ系で構成されるものと比べ非常に発生し易いという問題がある。
またオフアキシャル構成面をガラスやプラスチックの成形品で構成する場合には、各オフアキシャル構成面の製造誤差による性能劣化を防ぐため、面の精度や面同士の間隔の公差を非常に厳しいものとしなければならない。
この対策として、面を偏心させて調整する方法を用いた画像読取装置が種々と提案されている(特許文献3,4参照)。
特許文献3ではオフアキシャル反射面をX、Y、Z軸方向の3方向へ平行偏心、またはX、Y、Z軸を回転中心とし、3軸方向に偏心させてピント位置ずれや歪曲収差を補正する方法が開示されている。
特許文献4では自由曲面からなる反射面を主走査方向と平行な軸を中心として回転調整してピント位置ずれを補正する方法、または主走査方向と直交する方向に平行偏心させてピント位置ずれを補正する方法が開示されている。
特開2000−171705号公報
特開2002−335375号公報
特開2003−344956号公報
特開2005−84624号公報
前述の如く、非回転対称な面を有する結像光学系では製造誤差で歪曲収差が発生し、読み取りラインが副走査方向に湾曲してしまうという問題点がある。更に原稿87の画像情報を図11に示した3つのラインセンサーで構成される3ラインセンサーで読み取ったとする。そうすると、3つのラインセンサー位置における歪曲収差の発生量が各々異なる。このため、RGB色のラインセンサーによる読み取り結果を合成したときに歪曲収差の発生量の差が色ずれとして認識される。
しかしながら、上記特許文献4では歪曲収差が発生するという課題の提示がなく、これについては言及されていない。また上記特許文献3においては面調整によりピント位置ずれ、歪曲収差の補正という課題と対応方法を提示しているが、具体的な調整内容については提示していない。
一般にラインセンサーを読取手段として用いた画像読取装置の場合、副走査方向の画像情報を得るためには副走査方向に読み取りユニットもしくは原稿を移動させながら読み取りを行う必要がある。これと同様の構造を調整装置に組み込み、チャートもしくは光学ユニットを移動させる(以下「スキャン動作」と称す。)ことで前述の副走査方向の歪曲も検出は可能になる。
しかしながら、歪曲量が規定値以下になり、解像度が規定の値以上になるように両者を同時に満足する必要があるので、オフアキシャル反射面を偏芯させ、スキャン動作し歪曲量を測定、解像度を測定するという繰り返しが必要となる。このため1回の調整工程で何回もスキャン動作が必要となり、その結果、調整装置が大型化し、調整時間も非常に長くなってしまうという問題点が発生してくる。
本発明は原稿台上の画像情報を読取手段上に結像させるための結像光学系の各部材の製造誤差により劣化した結像性能を簡易な機構で良好に調整することができる画像読取用の結像光学系の調整方法の提供を目的とする。
請求項1の発明の画像読取用の結像光学系の調整方法は、
原稿面と光学的に等価な位置に配置された主走査方向と副走査方向とで異なる形状より成る副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンを有するチャート上の該副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報を含む光束を読取手段面上に結像させる画像読取用の結像光学系の調整方法であって、
前記読取手段で得られる該副走査方向の読み取り位置ずれの情報を含む信号を用いて前記結像光学系を構成する非回転対称面の位置を調整することで、前記読取手段上に結像される前記副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報を含む光束の該読取手段上での副走査方向の読み取り位置ずれを調整することを特徴としている。
原稿面と光学的に等価な位置に配置された主走査方向と副走査方向とで異なる形状より成る副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンを有するチャート上の該副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報を含む光束を読取手段面上に結像させる画像読取用の結像光学系の調整方法であって、
前記読取手段で得られる該副走査方向の読み取り位置ずれの情報を含む信号を用いて前記結像光学系を構成する非回転対称面の位置を調整することで、前記読取手段上に結像される前記副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報を含む光束の該読取手段上での副走査方向の読み取り位置ずれを調整することを特徴としている。
請求項2の発明は請求項1の発明において、
前記チャートは、前記副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターン及び前記読取手段上における前記結像光学系の解像力を検出するための解像力検出パターンを有しており、前記読取手段で得られる該副走査方向の読み取り位置ずれの情報及び該解像力検出パターンの情報を含む信号を用いて前記結像光学系を構成する非回転対称面の位置を調整することで、該読取手段上に結像される前記副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報及び該解像力検出パターンの情報を含む光束の該読取手段上での副走査方向の読み取り位置ずれ及び該結像光学系の解像力を同時に調整することを特徴としている。
前記チャートは、前記副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターン及び前記読取手段上における前記結像光学系の解像力を検出するための解像力検出パターンを有しており、前記読取手段で得られる該副走査方向の読み取り位置ずれの情報及び該解像力検出パターンの情報を含む信号を用いて前記結像光学系を構成する非回転対称面の位置を調整することで、該読取手段上に結像される前記副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報及び該解像力検出パターンの情報を含む光束の該読取手段上での副走査方向の読み取り位置ずれ及び該結像光学系の解像力を同時に調整することを特徴としている。
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、
前記読取り位置ずれ検出パターンは、3角形状のパターンを有していることを特徴としている。
前記読取り位置ずれ検出パターンは、3角形状のパターンを有していることを特徴としている。
請求項4の発明は請求項1、2又は3の発明において、
前記非回転対称面は、副走査断面内において該非回転対称面の形状が該非回転対称面の基準軸に対して線非対称であるオフアキシャル反射面であることを特徴としている。
前記非回転対称面は、副走査断面内において該非回転対称面の形状が該非回転対称面の基準軸に対して線非対称であるオフアキシャル反射面であることを特徴としている。
請求項5の発明は請求項1から4の何れか1項の発明において、
前記チャートは、前記読取り位置ずれ検出パターンを主走査方向に3以上有していることを特徴としている。
前記チャートは、前記読取り位置ずれ検出パターンを主走査方向に3以上有していることを特徴としている。
本発明によれば原稿台上の画像情報を読取手段上に結像させるための結像光学系の各部材の製造誤差により劣化した結像性能を簡易な機構で良好に調整することができ、これにより色ずれの少ない画像が容易に得られる画像読取用の結像光学系の調整方法を達成することができる。また部品の製造誤差をより緩和することができる画像読取装置を達成することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の結像光学系の調整方法を用いて調整された画像読取装置の概略断面図である。
図1において、1は照明手段(光源手段)であり、蛍光灯やキセノンランプから成っている。2は原稿台であり、その台上に原稿(モノクロ画像もしくはカラー画像)7が載置されている。3a,3b,3cはそれぞれ順に平面より成る第1、第2、第3の反射ミラー(平面ミラー)である。
4は結像光学系(オフアキシャル光学系)であり、副走査断面内において非回転対称面の形状が非回転対称面の基準軸に対して線非対称である非回転対称面(オフアキシャル反射面)より成る第1、第2、第3、第4のオフアキシャル光学素子4a,4b,4c,4dより構成されている。結像光学系4は原稿7の画像情報に基づく光束を読取手段5上に結像させている。
5は読取手段であり、主走査方向に複数の画素を配列したラインセンサーを3個、副走査方向に配置してなる3ラインセンサーより構成されている。
6は副走査方向に移動可能なキャリッジ(筐体)であり、各部材1,3a,3b,3c,4,5を収納している。
ここでラインセンサーの画素(センサー)の並び方向(紙面と垂直方向)が主走査方向、それに直交する方向(紙面内方向)が副走査方向である。
主走査断面は、副走査方向を法線とする断面であり、副走査断面は、主走査方向を法線とする断面と定義される。
本実施例においては照明手段1から発した光束で原稿台2の上に載置された原稿(物体)7を照明し、該原稿7からの光束を第1、第2、第3の反射ミラー3a,3b,3cを介して結像光学系4により、読取手段5上に結像している。そして原稿7とキャリッジ6との相対的位置を副走査方向(矢印A方向)に変えて原稿7の画像情報を2次元的に読み取っている。
本実施例では画像読取装置をコンパクトに構成するために第1、第2、第3の反射ミラー3a、3b、3cにより光路を折り畳んでいる。結像光学系4の光路も折り畳んで小型化に寄与している。オフアキシャル光学系より成る結像光学系4を用いることにより小型化への対応を可能とし、如いては高速読み取りを可能としている。
図2は光学ユニットを構成する結像光学系4と読取手段としてのラインセンサー5との関係を示す要部斜視図である。同図において図1に示した要素と同一要素には同符番を付している。
ここで光学ユニットはオフアキシャル反射面Saを除き不図示の鏡筒に組みつけ固定された後、後述する調整装置に設置される。
図3は調整時に用いられる原稿面と光学的に等価な位置に配置される調整用チャート44のパターン配置例を示すチャートパターン配置図である。
同図において領域Aには解像度検出パターンが配置され、領域Bには読取り位置ずれ検出パターンが配置され、領域Cには倍率検出パターンが配置されている。これらパターンは主走査方向に配置されている。
本実施例における読取り位置ずれ検出パターンは主走査方向と副走査方向とで異なる形状、又は該形状の一部分より成り、例えば後述する図5に示すように3角形状のパターン21より成っている。
尚、本実施例では読取り位置ずれ検出パターン21を主走査方向に3以上配置している。
本実施例における解像力検出パターンは、後述する図6に示すように万線の形状のパターン11より成り、結像光学系4の解像力を検出している。
上記読取り位置ずれ検出パターン21と、解像力検出パターン11に関しては、読取手段6で得られる信号を用いて、結像光学系4を構成する一部又は全ての光学部材を可動させて調整を行っている。
本実施例における倍率検出パターンは、例えば矩形状より成っている。倍率検出パターンに関しては、読取手段5で得られる信号を用いて、後述する図4において光学ユニット41とラインセンサー43とを相対的に移動させて調整を行っている。
尚、不図示であるが、上記のパターン以外にも他の光学特性を検出するためのパターンが調整用チャート44上に配置されている。
図4は本発明の実施例1の調整装置の要部断面図である。
同図において40は調整装置であり、光学ユニット41、6軸調整機構42、ラインセンサー43(図1においては符番5に相当)、調整用チャート44、そして光源45が取り付けられている。
本実施例ではこの調整装置40により、種々の光学特性の調整をチャート44とラインセンサー43との相対的位置を変移させたときに、該ラインセンサー43で得られる信号を用いて以下の方法にて行っている。
まずオフアキシャル反射面Saを除き鏡筒に組み付け固定された光学ユニット41が調整装置40に設置され、このとき調整装置40にはラインセンサー43と調整用チャート44とが取り付けられている。
この原稿面と光学的に等価な位置に配置された調整用チャート44は上記図3に示すように少なくとも解像力検出パターン11と読取り位置ずれ検出パターン21が主走査方向に複数個配置されたものであり、この他にも倍率の光学特性を見るための倍率検出パターンも配置されている。またラインセンサー43はリファレンスとなるセンサーのため、センサーの湾曲量や画素の位置ずれ量といったものが予め判っているものを使用する。
そして次に調整するオフアキシャル反射面Saが6軸調整機構42のワークに取り付けられ、規定の位置にセッティングされる。
次にラインセンサー43の出力を規格化するため、白レベルと黒レベルのデータ読み取りによりゲイン調整や白シェーディング処理や黒シェーディング処理が行われる。この白レベルと黒レベルのデータ読み取りのため、このためのパターンを追加しても良く、また別途調整装置40の中に機構を加えても良い。
次に光学ユニット41もしくはラインセンサー43を光軸方向に動かし(変移工程)、解像力検出パターン11を結像光学系4にてラインセンサー43上に結像させ(結像工程)、該ラインセンサー43からの出力に基づいてピント調整を行う。このとき調整に使用するオフアキシャル反射面Saは光学ユニット41に追従して動くように6軸調整機構42に保持されているか、あるいは光学ユニット41が設置される台座に6軸調整機構42も一緒に取り付いているようにする。(調整工程)。
ここで解像力検出パターン11は図6に示すようにその読み取り装置の必要解像度に応じて予め定められた450dpiの周波数の万線から構成されている。そして万線の読み取り処理から導き出されたCTF(Contrast Transfer Function)値が主走査方向に複数配置された各チャート位置において規定の値以上になるように光学ユニット41もしくはラインセンサー43を光軸方向に動かして調整する。または光学ユニット41とラインセンサー43とを光軸方向に相対的に動かして調整する。(調整工程)。
次に調整用チャート44の両端部に設けられた倍率検出パターンをラインセンサー43で読み取り、そのラインセンサー43からの出力を処理する。そして規定の倍率よりも大きい場合は光学ユニット41とラインセンサー43の位置を相対的に動かし、前記CTF値が規定の値以下にならず、かつ規定の倍率の範囲に入るように調整する。
次に調整用チャート44に設けられた読取り位置ずれ検出パターン21をラインセンサー43で読み取り、そのラインセンサー43からの出力を処理する。そして規定の歪曲量よりも大きい場合はオフアキシャル反射面Saを偏芯させ、規定の値以下になるように歪曲させて調整を行う。(調整工程)。
この時オフアキシャル反射面Saを偏芯させるとピント移動である像面湾曲も同時に発生するため、CTF値が規定の値以下にならないように調整しつつ、歪曲量から算出される色ずれの光学特性が規定の値以下になるように調整する。
ここで副走査方向の歪曲量とCTF値を同時に確認するためスキャン動作なしに検出するには、読取り位置ずれ検出パターン21は主走査方向と副走査方向とで異なる形状が良い。例えば図5に示すような三角形状のパターンを用いることで対応可能となる。
図5は読取り位置ずれ検出パターン(チャートパターン)21の詳細図である。
図5において三角形が読取り位置ずれ検出パターン21であり、実線aが副走査方向に歪曲がないときの理想の読み取りラインである。本来歪曲がなければこの読み取りラインが結像光学系4によりラインセンサー43面上に縮小投影される。
しかしながら副走査方向に歪曲収差があると、理想の読み取りラインとは異なった点線bの読み取りラインが結像光学系4によりラインセンサー43面上に縮小投影されることになる。
この実線aと点線bの間隔が副走査方向に発生した歪曲量Hを示しており、この歪曲量Hを複数の位置で算出することで、全体の副走査方向の歪曲が分るようになる。この全体の副走査方向の歪曲量HをRGB色の3ラインセンサーであれば3ライン分行い、この3ラインの重ね合わせ時のずれ量を算出し、色ずれの量を導くことができる。
尚、本実施例では3ラインの色ずれを例としているが、ライン数はもっと多くても良く、また歪曲量から導き出せる光学特性であれば色ずれに限らない。
図5において個々のパターン位置における歪曲量Hは、この三角形の底辺と他の2辺が成す角度をθ、理想の読み取りラインの三角形の幅をL、実際に読み取った副走査方向に歪曲がある時のラインの三角形の幅をXとするとき、
H=(L−X)/2×tanθ
で求められる。角度θを小さくし、三角形の斜面をなだらかにすることで主走査方向のラインセンサーの画素配列から算出される幅Xの精度を高めることができる。
H=(L−X)/2×tanθ
で求められる。角度θを小さくし、三角形の斜面をなだらかにすることで主走査方向のラインセンサーの画素配列から算出される幅Xの精度を高めることができる。
しかしながら、三角形は規定量の高さが必要なため角度θが小さくなると、三角形が大きくなり、他のパターンを入れるスペースがなくなってしまうため、角度θは、
10°≦θ≦60°
なる条件を満足させるのが望ましい。
10°≦θ≦60°
なる条件を満足させるのが望ましい。
そしてオフアキシャル反射面Saは図2において主走査方向へのシフトSxで副走査方向の歪曲は斜めに、また副走査方向および面法線方向へのシフトSy,Szで副走査方向の歪曲は湾曲することが判っている。またオフアキシャル反射面SaはチルトTxで湾曲、チルトTy,Tzでは斜めに、また同様にピント移動も片ボケや像面湾曲がシフト、チルトで発生することも判っている。
そこで本実施例ではこれらのシフト、チルトを組み合わせて動かすことにより、ピント方向のずれを小さくしてCTFの劣化を防ぎつつ、副走査方向の歪曲を小さくして色ずれの光学特性が規定値以下になるようにしている。
ここで6軸調整機構42は6軸全てを動かす必要はなく、斜めと湾曲成分を発生させる2軸があれば最低限は可能であり、ピントずれ量が異なる斜め成分と湾曲成分を発生させる2軸を追加し、計4軸とすればより良い調整が可能となる。
以上の手順で各調整は完了する。
このようにして調整が完了したオフアキシャル反射面Saは光硬化樹脂やエポキシ樹脂の接着剤で鏡筒に固着される。調整されるオフアキシャル反射面Saは光学素子4cと鏡筒10を直接接着しても良く、また図7に示すように調整の制御がしやすいようにオフアキシャル反射面Saと調整用部材9とを先に合体させ、合体した状態で調整用部材9を鏡筒10と調整し固定しても良い。
調整されるオフアキシャル反射面Saは本実施例では原稿側から3番目の第3のオフアキシャル光学素子4cとしているが、この光学素子の面に限定されるものではなく、面の偏心敏感度と構造的に調整し易い場所を考慮して決めるのが好ましい。
尚、読取り位置ずれ検出パターン21の形状は理想の読み取りラインと実際の読み取りラインの差から副走査方向のずれ量が算出できるものであれば、三角形に限らず、図8、図9に示すように円形、またはハの字形状であっても良い。
このように本実施例においては上述の如く副走査方向に複数のラインセンサーを配置した画像読取装置において、副走査断面内において非回転対称面の形状が非回転対称面の基準軸に対して線非対称である非回転対称面を有する結像光学系の各部材の製造誤差により劣化した結像性能を良好に簡易な機構で調整することができる。またこれにより色ずれの少ない画像が得られる画像読取装置の提供が可能となる。更には部品の製造誤差をより緩和することが可能となり、製造を容易に行うことができる。
尚、本実施例ではキャリッジ一体型の画像読取装置に本発明の調整方法を適用したが、これに限らず、図10に示すように1:2走査型の画像読取装置に適用しても本発明は上述の実施例と同様に適用することができる。
図10において照明光源61から放射された光束は直接あるいは反射笠63を介して原稿台62上の原稿67を照明している。そして照明光源61で照明された原稿67からの反射光を第1、第2、第3の反射ミラー63a,63b,63cを介して本体内部でその光束の光路を折り曲げ、結像光学系64によりCCD65面上に結像させている。このとき第1、第2、第3の反射ミラー63a,63b,63cが副走査方向に移動している。また主走査方向を電気的に走査することで原稿67の画像情報を読み取っている。このとき第2、第3の反射ミラー63b,63cは、第1の反射ミラー63aの移動量の半分移動することで原稿67とCCD65との距離を一定としている。
ここで結像光学系の構成の意味を明確にするために、本明細書中で使用のオフアキシャル光学系、及び、その骨組みとなる基準軸について以下のように定義する。
基準軸の定義一般には物体から像面にいたる基準となる基準波長の光線の光路をその光学系における基準軸と定義する。これだけでは基準となる光線の選び方に曖昧性が残るので、通常は以下に示す2つの原則のいずれかにより基準光線、つまり基準軸を設定する。
光学系に部分的にでも対称性を有する軸が存在し、収差を対称性良くとりまとめることができる場合には、その対称性を有する軸上を通る光線を基準光線とする。
光学系に一般的に対称軸が存在しない時、あるいは部分的には対称軸が存在しても、収差を対称性良くとりまとめることができる時には、以下のようになる。つまり物体面中心(被撮影、被観察範囲の中心)から出る光線のうち、光学系の指定される面の順に光学系を通り、光学系内に定義される絞り中心を通る光線を基準光線として設定する。このようにして定義される基準軸は、折れ曲がっている形状となる事が一般的である。
オフアキシャル光学系の定義上記のように定義した基準軸が曲面と交わる点において、面法線が基準軸と一致しない曲面をオフアキシャル曲面と定義し、オフアキシャル曲面を含む光学系をオフアキシャル光学系と定義する。(但し、平面反射面によって基準軸が単純に折れ曲がっている場合も面法線が基準軸と一致しないが、その平面反射面は収差の対称性を損なわないので、オフアキシャル光学系の対象から除外する。)本発明の実施例においては、光学系の基準となる基準軸を上記のように設定したが、光学系の基準となる軸の決め方は光学設計上、収差のとりまとめ上、若しくは光学系を構成する各面形状を表現する上で都合の良い軸を採用すれば良い。
しかし、一般的には像面または観察面の中心と、絞りまたは入射瞳または射出瞳または光学系の第1面の中心若しくは最終面の中心のいずれかを通る光線の経路を光学系の基準となる基準軸に設定している。各面の順番は基準軸光線が反射を受ける順番に設定している。
従って、基準軸は設定された各面の順番に沿って反射の法則に従ってその方向を変化させつつ、最終的に像面の中心に到達する。
1 照明光源
2 原稿台
3a、3b、3c 反射ミラー
4 結像光学系
4a,4b,4c,4d オフアキシャル光学素子
Sa オフアキシャル反射面
5 読取手段(3ラインセンサー)
6 キャリッジ
7 原稿
9 調整部材
10 保持部材(鏡筒)
11 解像力検出パターン
21 位置ずれ検出パターン
2 原稿台
3a、3b、3c 反射ミラー
4 結像光学系
4a,4b,4c,4d オフアキシャル光学素子
Sa オフアキシャル反射面
5 読取手段(3ラインセンサー)
6 キャリッジ
7 原稿
9 調整部材
10 保持部材(鏡筒)
11 解像力検出パターン
21 位置ずれ検出パターン
Claims (5)
- 原稿面と光学的に等価な位置に配置された主走査方向と副走査方向とで異なる形状より成る副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンを有するチャート上の該副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報を含む光束を読取手段面上に結像させる画像読取用の結像光学系の調整方法であって、
前記読取手段で得られる該副走査方向の読み取り位置ずれの情報を含む信号を用いて前記結像光学系を構成する非回転対称面の位置を調整することで、前記読取手段上に結像される前記副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報を含む光束の該読取手段上での副走査方向の読み取り位置ずれを調整することを特徴とする画像読取用の結像光学系の調整方法。 - 前記チャートは、前記副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターン及び前記読取手段上における前記結像光学系の解像力を検出するための解像力検出パターンを有しており、前記読取手段で得られる該副走査方向の読み取り位置ずれの情報及び該解像力検出パターンの情報を含む信号を用いて前記結像光学系を構成する非回転対称面の位置を調整することで、該読取手段上に結像される前記副走査方向の読み取り位置ずれ検出パターンの情報及び該解像力検出パターンの情報を含む光束の該読取手段上での副走査方向の読み取り位置ずれ及び該結像光学系の解像力を同時に調整することを特徴とする請求項1記載の画像読取用の結像光学系の調整方法。
- 前記読取り位置ずれ検出パターンは、3角形状のパターンを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取用の結像光学系の調整方法。
- 前記非回転対称面は、副走査断面内において該非回転対称面の形状が該非回転対称面の基準軸に対して線非対称であるオフアキシャル反射面であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像読取用の結像光学系の調整方法。
- 前記チャートは、前記読取り位置ずれ検出パターンを主走査方向に3以上有していることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の画像読取用の結像光学系の調整方法。
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JP2006254234A JP2008078877A (ja) | 2006-09-20 | 2006-09-20 | 画像読取用の結像光学系の調整方法 |
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JP2011087116A (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-28 | Canon Inc | 画像読取装置の検査方法および検査装置 |
JP2012119976A (ja) * | 2010-12-01 | 2012-06-21 | Canon Inc | 画像読取装置の検査方法およびそれを用いた画像読取装置の検査装置 |
-
2006
- 2006-09-20 JP JP2006254234A patent/JP2008078877A/ja active Pending
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US8792148B2 (en) | 2009-10-15 | 2014-07-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Inspection method and inspection apparatus for an image reading apparatus |
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