JP2008054201A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 結像光学系の結像性能を簡易な機構で良好に補正することができる画像読取装置を得ること。
【解決手段】 原稿面上の画像情報を照明する照明手段と、原稿面からの光束を順次反射させる複数の反射ミラーと、複数の反射ミラーで反射した光束を集光する結像光学系と、結像光学系によって該画像情報の像が形成される位置に配置した読取手段とを有し、読取手段は主走査方向に複数の画素を配列したラインセンサーを複数個、副走査方向に配置して構成されており、原稿面と読取手段との副走査方向の相対的位置を変えて、画像情報を該読取手段で読み取る画像読取装置において、複数の反射ミラーのうち、少なくとも1つの反射ミラーには、その反射面の主走査方向及び副走査方向の形状を変化させる反射ミラー湾曲手段が設けられていること。
【選択図】 図1
【解決手段】 原稿面上の画像情報を照明する照明手段と、原稿面からの光束を順次反射させる複数の反射ミラーと、複数の反射ミラーで反射した光束を集光する結像光学系と、結像光学系によって該画像情報の像が形成される位置に配置した読取手段とを有し、読取手段は主走査方向に複数の画素を配列したラインセンサーを複数個、副走査方向に配置して構成されており、原稿面と読取手段との副走査方向の相対的位置を変えて、画像情報を該読取手段で読み取る画像読取装置において、複数の反射ミラーのうち、少なくとも1つの反射ミラーには、その反射面の主走査方向及び副走査方向の形状を変化させる反射ミラー湾曲手段が設けられていること。
【選択図】 図1
Description
本発明は画像読取装置に関し、複数のラインセンサーを有し、高解像力で小型の結像光学系を用いたイメージスキャナー等のカラー画像を読み取る際に好適なものである。
従来、原稿面上の画像情報を読み取る画像読取装置(イメージスキャナー)として、フラットベッド型のイメージスキャナーが用いられている。このうち装置の構造の簡素化を図るための一方式として反射ミラー、結像光学系、ラインセンサー等を一体化して原稿面を走査するキャリッジ一体型走査方式が採用されている。
図7は従来のキャリッジ一体型走査方式の画像読取装置の要部概略図である。
同図において、照明光源81から放射された光束は原稿台82に載置した原稿87を照明している。そして該原稿87からの反射光束を順に第1、第2、第3反射ミラー83a、83b、83cを介してキャリッジ86内部でその光路を折り曲げ、結像レンズ(結像光学系)84によりラインセンサー85面上に結像させている。そしてキャリッジ86を副走査モーター88により同図に示す矢印A方向(副走査方向)に移動させることにより原稿87の画像情報を読み取っている。同図におけるラインセンサー85は複数の受光素子を1次元方向(主走査方向)に配列した構成により成っている。
図8は図7の画像読み取り光学系の基本構成の説明図である。
同図において、84は結像光学系、85R,85G,85Bは各々R(赤色),G(緑色),B(青色)の各色を読み取るラインセンサーである。87R,87G,87Bはラインセンサー85R,85G,85Bに対応する原稿面上の読み取り範囲である。
図7に示す画像読取装置では静止している原稿面をキャリッジ86が走査している。一方、キャリッジ走査は図8のようにラインセンサー85及び結像レンズ84が静止していて、原稿面が移動することと等価である。原稿面を走査することによってある時間間隔をおいて同一箇所を異なる色で読み取ることができる。
図8に示す構成において結像レンズ84が通常の屈折系からなる場合には軸上色収差や倍率色収差が発生する。このため基準のラインセンサー85Gに対しラインセンサー85B,85Rに結像されるライン像にデフォーカスあるいは位置ズレが発生する。したがって各色画像を重ね合わせて再現した時に色にじみやズレの目立つ画像になる。このため開口が大きく、解像度が高い光学性能が要求される場合には対応できなくなる。
一方、最近は非共軸光学系においても、基準軸という概念を導入し構成面を非対称非球面にすることで、収差が補正された小型の光学系が構築されている。
こうした非共軸光学系はオフアキシャル光学系(像中心と瞳中心を通る光線に沿った基準軸を設定し、構成面の基準軸との交点における面法線が基準軸上にない曲面を含む光学系として定義される光学系で、基準軸は折れ曲がった形状となる)と呼ばれる。
このオフアキシャル光学系は、構成面が一般には非共軸となり、反射面でもケラレが生じることがないため、反射面を使った光学系が構築し易い。
一般に反射光学系は色収差が発生しないため上述の軸上色収差や倍率色収差といった問題が発生しない。このような非対称非球面を導入した画像読み取り結像光学系が種々と提案されている(特許文献1参照)。
一方、オフアキシャル光学系では構成面の製造誤差や位置誤差があると、主走査方向(主走査断面)の像面のピント位置ずれや副走査方向(副走査断面)の像面のピント位置ずれで歪曲収差が発生し、焦点深度の減少や倍率ずれが生じる。これらは読み取りラインの湾曲という問題点となる。
またオフアキシャル構成面をガラスやプラスチックの成形品で構成する場合には、各オフアキシャル構成面の製造誤差による性能劣化を防ぐため、面の精度や面同士の間隔の公差を非常に厳しいものとしなければならない。
この対策として、面を偏心させて調整する方法を用いた画像読取装置が種々と提案されている(特許文献2,3参照)。
特許文献2ではオフアキシャル反射面をX、Y、Z軸方向の3方向へ平行偏心、またはX、Y、Z軸を回転中心とし、3軸方向に偏心させてピント位置ずれや歪曲収差を補正する方法が開示されている。
特許文献3では自由曲面からなる反射面を主走査方向と平行な軸を中心として回転調整してピント位置ずれを補正する方法、または主走査方向と直交する方向に平行偏心させてピント位置ずれを補正する方法が開示されている。
特開2002−335375号公報
特開2003-344956号公報
特開2005-84624号公報
RGB色用の3つのラインセンサーで構成される3ラインセンサーのように副走査方向に複数のラインセンサーを有する読取手段を用いる場合には製造誤差に対して上記のような調整を行っても、別の問題点が発生する。
例えば製造誤差で歪曲収差が発生し、これを面偏心により小さくなるように調整した後に図8に示した3つのラインセンサーで構成される3ラインセンサーで読み取ったとする。そうすると、3つのラインセンサー位置における歪曲収差の発生量が各々異なる。このため、RGB色のラインセンサーによる読み取り結果を合成したときに歪曲収差の発生量の差が色ずれとして認識される。
この色ずれは特許文献2において複数の面(オフアキシャル反射面)で調整を行うという方法をとれば対応が可能である。しかしながら複数のパワーを有した面を動かす場合は調整の機構とその調整シーケンスが複雑化してくる。また調整面を減らして機構を単純化すると、主走査方向及び副走査方向のピント位置ずれと、歪曲収差と、該歪曲収差の結果発生する色ずれと、の補正が不十分なものとなってくる。
本発明は結像光学系の結像性能を簡易な機構で良好に調整することができる画像読取装置の提供を目的とする。
請求項1の発明の画像読取装置は、
原稿面上の画像情報を照明する照明手段と、該原稿面からの光束を順次反射させる複数の反射ミラーと、該複数の反射ミラーで反射した光束を結像させる結像光学系と、該結像光学系によって該画像情報の像が形成される位置に配置した読取手段と、を有し、
該読取手段は主走査方向に複数の画素を配列したラインセンサーを複数個、副走査方向に配置して構成されており、
該原稿面と該読取手段との副走査方向の相対的位置を変えて、該画像情報を該読取手段で読み取る画像読取装置において、
該複数の反射ミラーのうち、少なくとも1つの反射ミラーには、その反射面の主走査方向及び副走査方向の形状を変化させる反射ミラー湾曲手段が設けられていることを特徴としている。
原稿面上の画像情報を照明する照明手段と、該原稿面からの光束を順次反射させる複数の反射ミラーと、該複数の反射ミラーで反射した光束を結像させる結像光学系と、該結像光学系によって該画像情報の像が形成される位置に配置した読取手段と、を有し、
該読取手段は主走査方向に複数の画素を配列したラインセンサーを複数個、副走査方向に配置して構成されており、
該原稿面と該読取手段との副走査方向の相対的位置を変えて、該画像情報を該読取手段で読み取る画像読取装置において、
該複数の反射ミラーのうち、少なくとも1つの反射ミラーには、その反射面の主走査方向及び副走査方向の形状を変化させる反射ミラー湾曲手段が設けられていることを特徴としている。
請求項2の発明は請求項1の発明において、
前記結像光学系は、副走査断面内のみを対称面とする面対称形状の複数のオフアキシャル反射面を有していることを特徴としている。
前記結像光学系は、副走査断面内のみを対称面とする面対称形状の複数のオフアキシャル反射面を有していることを特徴としている。
請求項3の発明は請求項2の発明において、
前記オフアキシャル反射面のうち少なくとも1つは、変移可能な調整部材を介して保持部材に保持されていることを特徴としている。
前記オフアキシャル反射面のうち少なくとも1つは、変移可能な調整部材を介して保持部材に保持されていることを特徴としている。
請求項4の発明は請求項1、2又は3の発明において、
前記反射ミラー湾曲手段は、前記反射ミラーの主走査断面内と副走査断面内の面形状の最大変形量を各々M、Sとするとき、
S<M/30
なる条件を満足するように変形させていることを特徴としている。
前記反射ミラー湾曲手段は、前記反射ミラーの主走査断面内と副走査断面内の面形状の最大変形量を各々M、Sとするとき、
S<M/30
なる条件を満足するように変形させていることを特徴としている。
本発明によれば結像光学系の結像性能を簡易な機構で良好に調整することができ、これにより色ずれの少ない画像が容易に得られる画像読取装置を達成することができる。また部品の製造誤差をより緩和することができる画像読取装置を達成することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1の画像読取装置の要部断面図である。
図1において、1は照明手段(光源手段)であり、蛍光灯やキセノンランプから成っている。2は原稿台であり、その台上に原稿(モノクロ画像もしくはカラー画像)7が載置されている。3a,3b,3cはそれぞれ順に平面より成る第1、第2、第3の反射ミラー(平面ミラー)である。
本実施例では複数の反射ミラー3a,3b,3cのうち、第1の反射ミラー3aには、その反射面の主走査方向及び副走査方向の形状を変化させる反射ミラー湾曲手段8が設けられている。
4は結像光学系(オフアキシャル光学系)であり、副走査断面内のみを対称面とする面対称形状のオフアキシャル反射面より成る第1、第2、第3、第4のオフアキシャル光学素子4a,4b,4c,4dより構成されている。
結像光学系4は原稿7の画像情報に基づく光束を読取手段5上に結像させている。また本実施例においては複数のオフアキシャル光学素子4a,4b,4c,4dのうち、第3のオフアキシャル光学素子4cの反射面Saは、後述する図4に示すように変移可能な調整部材9を介して保持部材(鏡筒)10に保持されている。
5は読取手段であり、主走査方向に複数の画素を配列したラインセンサーを複数個、副走査方向に配置してなる3ラインセンサーより構成されている。
6は副走査方向に移動可能なキャリッジ(筐体)であり、各部材1,3a,3b,3c,4,5,8を収納している。
ここでラインセンサーの画素(センサー)の並び方向(紙面と垂直方向)が主走査方向、それに直交する方向(紙面内方向)が副走査方向である。
本実施例においては照明手段1から発した光束で原稿台2の上に載置された原稿(物体)7を照明し、該原稿7からの光束を第1、第2、第3の反射ミラー3a,3b,3cを介して結像光学系4により、読取手段5上に結像している。そして原稿7とキャリッジ6との相対的位置を副走査方向(矢印A方向)に変えて原稿7の画像情報を2次元的に読み取っている。
本実施例では画像読取装置をコンパクトに構成するために第1、第2、第3の反射ミラー3a、3b、3cにより光路を折り畳んでいる。結像光学系4の光路も折り畳んで小型化に寄与している。オフアキシャル光学系より成る結像光学系4を用いることにより小型化への対応を可能とし、如いては高速読み取りを可能としている。
次にオフアキシャル反射面を有する結像光学系の製造誤差や位置誤差により劣化した結像性能を調整する方法について説明する。
図2は本実施例の結像光学系4とラインセンサー5との関係を示す要部斜視図である。同図において図1に示した要素と同一要素には同符番を付している。
ここで結像光学系4の各反射面はオフアキシャル反射面Saを除き鏡筒(不図示)に組みつけ固定された後、キャリッジ6に取り付けられる。尚、このとき画像読取装置の筐体の製造誤差で原稿台2に傾きが発生し、倍率がずれることもあるため、オフアキシャル反射面Saを除き鏡筒に組みつけられたユニットはキャリッジ内で可動状態にしておいても良い。
次に図3に示す特定のチャート31が原稿台2上と等価な位置に設置される。チャート31は倍率と歪曲が検出できるパターンより成っている。そしてオフアキシャル反射面Saは規定の位置に配置され、既にキャリッジ6内に組付けられた複数の反射ミラーを通して読取手段5上にチャート像が結像する。
このチャート像をCCDの読取素子(撮像素子)を使って検出し、その出力結果を参照しながら第1の反射ミラー3aの反射面の変形量の設定と、オフアキシャル反射面Saの位置の制御が行われる。
このときの調整の流れについて以下、説明する。
図4は第3のオフアキシャル光学素子4cの反射面Saの位置の調整方法を示した要部断面図である。
まず結像光学系4の基準軸中心に対し主走査方向に非対称に発生している歪曲収差やピント位置ズレ(像面湾曲)については、読取手段5からの出力に基づいて調整部材9を変移させてオフアキシャル反射面Saの位置を動かし調整を行う。
調整は調整部材9により図2に示すようにX方向に平行移動(Sx)とX軸周りに回転(Tx)、Y方向に平行移動(Sy)とY軸周りに回転(Ty)の4方向で行うのが良い。
そして調整終了後、オフアキシャル反射面Saを光硬化樹脂やエポキシ樹脂の接着剤で固着する。
尚、調整されるオフアキシャル反射面Saはオフアキシャル光学素子4cと鏡筒(保持部材)10を直接接着しても良い。あるいは調整の制御がしやすいようにオフアキシャル反射面Saと調整部材9とを先に合体させ、合体した状態で調整部材9を鏡筒10と調整し固定しても良い。
次に対称に発生している歪曲収差やピント位置ズレ(像面湾曲)については、読取手段5からの出力に基づいて第1の反射ミラー3aの面形状を反射ミラー湾曲手段8により変化(湾曲)させて調整を行う。
ここで図5を用いて第1の反射ミラー3aの面形状を反射ミラー湾曲手段(変形手段)8により変化させる方法について説明する。
図5において第1の反射ミラー3aは、その両端部もしくはその近傍が板バネや接着剤を使ってキャリッジに固定されている。そして第1の反射ミラー3aの中央部に反射ミラー湾曲手段8を構成する偏心コロ11を当接させ、この当接位置と偏心コロ11の回転量を変えることで、該第1の反射ミラー3aの湾曲量を制御する。これにより主走査方向と副走査方向を同時に変形制御が行われる。
尚、偏心コロ11の当接する場所を副走査方向で第1の反射ミラー3aの中央部に変更することで、主走査方向だけの変形制御も可能となる。
そして調整終了後は、反射ミラー湾曲手段8が動かないように接着剤で固定する。
尚、本実施例では調整される反射ミラーを最も原稿7側の第1の反射ミラー3aとしたが、これに限らず、他の反射ミラーを用いても何ら問題はない。また2以上の反射ミラーの面を主走査方向と副走査方向で変形させても良い。
ここで調整に用いられる反射ミラーの材料はガラスに限らずプラスチックでも良い。調整用の反射ミラーは、厚みが厚すぎると変形しにくくなり、制御も困難になるためミラーの厚みは5mm以下が望ましい。また問題となる3ラインセンサー間での歪曲量の差は、歪曲発生量に比べ非常に小さいため、反射ミラーの変形量は主走査方向に比べ、副走査方向の方が小さくなる。
より具体的には、反射ミラー湾曲手段8が、反射ミラーの主走査断面内と副走査断面内の面形状の最大変形量を各々M、Sとするとき、
S<M/30 ‥‥‥(1)
なる条件を満足するように変形させている。
S<M/30 ‥‥‥(1)
なる条件を満足するように変形させている。
上記条件式(1)は反射ミラーの主走査断面内と副走査断面内の面形状の最大変形量M、Sの比に関するものである。条件式(1)を逸脱すると副走査断面内の変形量Sが大きくなり、その結果、副走査方向に反射ミラーが大きくなり、画像読取装置の大型化を招いたり、反射ミラー湾曲手段8が複雑化してしまうので良くない。
更に望ましくは上記条件式(1)を次の如く設定するのが良い。
S<M/50 ‥‥‥(1a)
図6は本発明の実施例2の画像読取装置の要部断面図である。
本実施例において前述の実施例1と異なる点は、2:1ミラー走査型の画像読取装置において、反射ミラー湾曲手段48により調整される反射ミラーを第1の反射ミラー43aに限定したことである。
同図において42は原稿台であり、その面上に原稿47が載置されている。41は照明手段(照明光源)であり、ハロゲンランプ、蛍光灯やキセノンランプによって成っている。43は反射笠であり、照明光源41からの光束を反射させ、原稿47の原稿面を効率よく照明している。43a,43b,43cは各々順に第1、第2、第3の反射ミラーであり、原稿7からの光束の光路を本体内部で折り曲げている。本実施例における第1の反射ミラー43aには、その反射面の主走査方向及び副走査方向の形状を変化させる反射ミラー湾曲手段48が設けられている。
44は結像光学系(オフアキシャル光学系)であり、副走査断面内のみを対称面とする面対称形状のオフアキシャル反射面より成る第1、第2、第3、第4のオフアキシャル光学素子44a,44b,44c,44dより構成されている。結像光学系44は原稿47の画像情報に基づく光束を読取手段45上に結像させている。また本実施例において複数のオフアキシャル光学素子のうち、第3のオフアキシャル光学素子44cの反射面Saは、変移可能な調整部材(不図示)を介して保持部材(不図示)に保持されている。
45は読取手段であり、主走査方向に複数の画素を配列したラインセンサーを複数個、副走査方向に配置して構成されている。
本実施例において照明光源41から放射された光束は直接あるいは反射笠43を介して原稿47を照明している。そして照明光源41で照明された原稿47からの反射光を第1、第2、第3の反射ミラー43a,43b,43cを介して本体内部でその光束の光路を折り曲げ、結像光学系44によりCCD45面上に結像させている。このとき第1、第2、第3の反射ミラー43a,43b,43cが副走査方向に移動している。また主走査方向を電気的に走査することで原稿47の画像情報を読み取っている。このとき第2、第3の反射ミラー43b,43cは、第1の反射ミラー43aの移動量の半分移動することで原稿47とCCD45との距離を一定としている。
本実施例において反射ミラー湾曲手段48より調整される反射ミラーを第1の反射ミラー43aに限定したのは、以下の理由による。つまり2:1ミラー走査タイプの画像読取装置の場合、第2、第3の反射ミラー43b,43cが結像光学系44との光軸上での相対的な位置関係が変化し、入射する読み取り光束の主走査方向の幅が変化するためである。このような変化が起こると、反射ミラーで面調整を行っても、調整量に対する補正量がスキャン中に変化してしまい、一定の補正量とならないためである。
このように各実施例1,2では上記の如く副走査方向に複数のラインセンサーを配置した画像読取装置において、結像光学系の各部材の製造誤差により劣化した結像性能を良好に簡易な機構で調整することができる。またこれにより色ずれの少ない画像が得られる画像読取装置の提供が可能となる。更には部品の製造誤差をより緩和することが可能となり、製造を容易に行うことができる。
尚、各実施例1,2においては非共軸光学系(オフアキシャル光学系)に本発明を適用したが、もちろん共軸光学系においても適用可能である。
ここで結像光学系の構成の意味を明確にするために、本明細書中で使用のオフアキシャル光学系、及び、その骨組みとなる基準軸について以下のように定義する。
基準軸の定義一般には物体から像面にいたる基準となる基準波長の光線の光路をその光学系における基準軸と定義する。これだけでは基準となる光線の選び方に曖昧性が残るので、通常は以下に示す2つの原則のいずれかにより基準光線、つまり基準軸を設定する。
光学系に部分的にでも対称性を有する軸が存在し、収差を対称性良くとりまとめることができる場合には、その対称性を有する軸上を通る光線を基準光線とする。
光学系に一般的に対称軸が存在しない時、あるいは部分的には対称軸が存在しても、収差を対称性良くとりまとめることができる時には、以下のようになる。つまり物体面中心(被撮影、被観察範囲の中心)から出る光線のうち、光学系の指定される面の順に光学系を通り、光学系内に定義される絞り中心を通る光線を基準光線として設定する。このようにして定義される基準軸は、折れ曲がっている形状となる事が一般的である。
オフアキシャル光学系の定義上記のように定義した基準軸が曲面と交わる点において、面法線が基準軸と一致しない曲面をオフアキシャル曲面と定義し、オフアキシャル曲面を含む光学系をオフアキシャル光学系と定義する。(但し、平面反射面によって基準軸が単純に折れ曲がっている場合も面法線が基準軸と一致しないが、その平面反射面は収差の対称性を損なわないので、オフアキシャル光学系の対象から除外する。)本発明の実施例においては、光学系の基準となる基準軸を上記のように設定したが、光学系の基準となる軸の決め方は光学設計上、収差のとりまとめ上、若しくは光学系を構成する各面形状を表現する上で都合の良い軸を採用すれば良い。
しかし、一般的には像面または観察面の中心と、絞りまたは入射瞳または射出瞳または光学系の第1面の中心若しくは最終面の中心のいずれかを通る光線の経路を光学系の基準となる基準軸に設定している。各面の順番は基準軸光線が反射を受ける順番に設定している。
従って、基準軸は設定された各面の順番に沿って反射の法則に従ってその方向を変化させつつ、最終的に像面の中心に到達する。
1、41 照明手段
2、42 原稿台
3a、3b、3c、43a,43b,43c 反射ミラー
4,44 結像光学系
4a,4b,4c,4d,44a,44b,44c,44d オフアキシャル光学素子
Sa オフアキシャル反射面
5,45 読取手段(3ラインセンサー)
6 キャリッジ
7,47 原稿
8,48 反射ミラー湾曲手段
9 調整部材
10 保持部材(鏡筒)
11 偏心コロ
31 チャート
2、42 原稿台
3a、3b、3c、43a,43b,43c 反射ミラー
4,44 結像光学系
4a,4b,4c,4d,44a,44b,44c,44d オフアキシャル光学素子
Sa オフアキシャル反射面
5,45 読取手段(3ラインセンサー)
6 キャリッジ
7,47 原稿
8,48 反射ミラー湾曲手段
9 調整部材
10 保持部材(鏡筒)
11 偏心コロ
31 チャート
Claims (4)
- 原稿面上の画像情報を照明する照明手段と、該原稿面からの光束を順次反射させる複数の反射ミラーと、該複数の反射ミラーで反射した光束を結像させる結像光学系と、該結像光学系によって該画像情報の像が形成される位置に配置した読取手段と、を有し、
該読取手段は主走査方向に複数の画素を配列したラインセンサーを複数個、副走査方向に配置して構成されており、
該原稿面と該読取手段との副走査方向の相対的位置を変えて、該画像情報を該読取手段で読み取る画像読取装置において、
該複数の反射ミラーのうち、少なくとも1つの反射ミラーには、その反射面の主走査方向及び副走査方向の形状を変化させる反射ミラー湾曲手段が設けられていることを特徴とする画像読取装置。 - 前記結像光学系は、副走査断面内のみを対称面とする面対称形状の複数のオフアキシャル反射面を有していることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記オフアキシャル反射面のうち少なくとも1つは、変移可能な調整部材を介して保持部材に保持されていることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
- 前記反射ミラー湾曲手段は、前記反射ミラーの主走査断面内と副走査断面内の面形状の最大変形量を各々M、Sとするとき、
S<M/30
なる条件を満足するように変形させていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像読取装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011114364A (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-09 | Nec Access Technica Ltd | 光学モジュール、画像読取装置および光学モジュールの組み立て方法 |
-
2006
- 2006-08-28 JP JP2006230660A patent/JP2008054201A/ja active Pending
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