JP2003287529A - 体液成分検査具 - Google Patents

体液成分検査具

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JP2003287529A
JP2003287529A JP2002088960A JP2002088960A JP2003287529A JP 2003287529 A JP2003287529 A JP 2003287529A JP 2002088960 A JP2002088960 A JP 2002088960A JP 2002088960 A JP2002088960 A JP 2002088960A JP 2003287529 A JP2003287529 A JP 2003287529A
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JP2002088960A
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Akihiko Hoshino
明彦 星野
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Nihon Medi Physics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 唾液等の体液成分を検体として臨床検査を行
う検査具であって、検体を検査具に供給するという簡易
な操作のみで、検体の粘性の低減および気泡の除去がな
された後に検体の検査が行われる体液成分検査具を提供
する。 【解決手段】 液体不浸透性の支持体12と、体液成分
検査用試薬を含有する検査部13と、粘性低減試薬を含
有し体液成分が浸透する処理部14とを有する検査具と
する。この検査具11では、唾液等を処理部に供給する
と、この検体が処理部を通り、処理部で検体の粘性の低
減および気泡の除去がなされた後に検査部に接触する。
そして、例えば検査部での発色や変色を観測することに
よって測定結果を簡単に確認できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種体液成分を検
体として臨床検査を行う際に用いられる検査具に関し、
特に、唾液、喀痰および鼻水を検体として口腔環境を確
認したり、口腔、唾液、喀痰および鼻水から得られる生
体情報により全身疾患を確認する際に用いられる検査具
に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査において検体に用いられる各種
体液成分としては、一般的に血液、尿、唾液、喀痰およ
び鼻水等が使用される。中でも唾液は、非侵襲的かつ恒
常的に採取可能であり、また血液と類似した成分を含ん
でいることから、簡易な臨床検査の検体として注目され
ている。また、感染症等の検査においては喀痰や鼻水が
検体として用いられている。
【0003】唾液、喀痰および鼻水は、粘性を有するタ
ンパク質であるムチンを含有しているため粘性があり、
また多くの気泡を含んでいる。このような唾液、喀痰お
よび鼻水の性状は、検体として取り扱いにくいだけでな
く、均一になりにくいことから反応ムラを生じ、測定結
果のばらつきを増加させる原因となっている。
【0004】一般的に唾液を検体として用いる際には、
口に含んで混合唾液を吸収した脱脂綿等を遠心分離器に
よって遠心分離し、浮遊する各成分や食片残滓等を除去
した上清が唾液検体として用いられており、この方法を
用いる唾液採取器具が知られている(商品名:SALIVETT
E、SARSTEDT社製)(臨床病理特集103号)。
【0005】しかしながら、上記の唾液採取器具では唾
液に含まれる気泡は除去できても、粘性については検査
に適当な程度までに低減することができないため、満足
な測定結果を得ることができなかった。また、遠心分離
器という特殊な機械を用いるため、家庭等で容易に検査
を行うことができるものではなかった。
【0006】唾液等を検体として家庭等で容易に検査を
行うことのできる検査具としては、唾液を検査する試薬
を含有する試薬層の側面に、濾紙やガラス繊維等の多孔
質素材からなる唾液を採取する層や、呈色反応を阻害す
る物質または要因を除去する層等を有するという多層構
造の唾液検査具が知られている(実開昭63−1395
46号公報、実開平1−61661号公報、実開平1−
118362号公報、実開平1−162663号公報、
特開昭56−24576号公報および特開昭57−12
5847号公報等)。
【0007】しかしながら、上述した唾液検査具は、い
ずれも唾液に含まれる気泡は除去できても粘性の高い検
体では濾過効率が低下し、また、濾紙の目詰まりにより
濾過できない場合があり、満足な測定結果が得られなか
った。
【0008】また、喀痰中に含まれる結核菌等の検査
や、鼻水等を検体としたインフルエンザウイルス検査に
おいては、喀痰や鼻水等を取り扱いやすい状態にするた
めに、検査前に予め、痰の粘性を低下させる去痰剤(特
開平2−273197号公報、特開平5−58911号
公報、特開2001−181206号公報および特表平
8−503703号公報等)を用いて粘性を低減する操
作が行われている。
【0009】しかしながら、この検査においては検査を
行う前に、前処理として別途試験管やビーカー内等にお
いて検体の粘性を低減させる操作を行わなければなら
ず、このような検査前における粘性低減のための複雑な
前処理工程が必要であった。
【0010】また、ムチンを精製して回収する方法とし
ては、4級アンモニウム塩を用いて分離し回収する方法
が挙げられる(特開平6−199900号公報および特
開平8−256788号公報等)。しかし、ムチンを含
有する唾液、喀痰および鼻水を検体として、検体の粘性
を低減し、かつ気泡を除去した後に検査を行うことので
きる検査具として知られているものはなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題点に
鑑み、本発明は、唾液、喀痰および鼻水等の体液成分を
検体として臨床検査を行う体液成分検査具であって、検
体の粘性を低減しかつ気泡を除去するという複雑な前処
理工程が不要であり、検体を検査具に供給するという簡
易な操作のみで、検体の粘性の低減および気泡の除去が
なされた後に検体の検査が行われる体液成分検査具を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の目的を
達成するため、液体不浸透性の支持体と、体液成分検査
用試薬を含有する検査部と、粘性低減試薬を含有し体液
成分が浸透する処理部とを有し、検査部および処理部の
一方または両方が支持体に支持されているとともに、処
理部に供給された体液成分が処理部を通って検査部に接
触することを特徴とする体液成分検査具を提供する。
【0013】この場合、処理部を通った体液成分が浸透
する展開部をさらに設け、処理部を通った体液成分が前
記展開部を経由して検査部に接触するようにしてもよ
い。
【0014】以下、本発明の体液成分検査具、ならびに
それに用いる支持体、検査部、処理部および展開部につ
いて詳しく説明する。
【0015】(支持体)支持体は、検査部および処理部
の一方または両方を支持するものである。展開部を設け
る場合、展開部は支持体に支持されていてもよく、支持
されていなくてもよい。
【0016】支持体は、液体不浸透性であればその材質
は限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポ
リエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の合成
樹脂材料や、アルミニウム、ステンレススチール等の金
属材料等を用いることができる。また、必要に応じて透
明または不透明な材料を使用することができる。支持体
の形状、構造に限定はなく、体液成分検査具の形状、構
造に応じて適宜設定され、例えばシート状等に形成され
る。支持体をシート状とする場合、支持体の厚さは任意
であるが、通常0.05〜0.5mmである。
【0017】(検査部)検査部は、唾液、喀痰および鼻
水等の検体の臨床検査を行うための体液成分検査用試薬
を含有する部分であり、例えば発色や変色を観測するこ
とによって測定結果を簡単に確認できるように構成する
ことができる。
【0018】上記体液成分検査用試薬としては、一般的
な臨床検査において用いられる試薬、例えば、唾液のp
H、唾液中のグルコース、乳酸、ケトン体、アルコー
ル、亜硝酸、メルカプタン、アミノ酸、血液、酵素、各
種薬物、各種ホルモン等の1種または2以上を検出する
ことができる呈色試薬、抗体または抗原等を用いること
ができる。例えば、唾液中の乳酸検査を行う場合は、乳
酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチ
ピリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スル
ホプロピル)−m−トルイジン等の試薬が使用できる。
【0019】検査部としては、例えば、濾紙、ガラス繊
維濾紙、布、不織布、メンブレンフィルター、織物、編
物、スポンジ等の多孔質材料に上記の試薬を含浸させた
のち乾燥させたもの、あるいは、ニトロセルロース、ア
セチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラ
チン、アルギン酸ナトリウム等のポリマーと上記の試薬
とを混合して多孔質材料等に担持させたもの等を用いる
ことができるが、これらに限定されるものではない。な
お、上記ポリマーと試薬とを混合して多孔質材料等に担
持させる場合、試薬は1箇所に担持させてもよく、試薬
の種類毎に分けて担持させてもよいが、混合すると安定
性の低下する試薬を組み合わせる場合には、試薬の種類
毎に担持させるとよい。
【0020】(処理部)処理部は、体液成分が浸透し得
る材料からなり、体液成分の粘性を低減する粘性低減試
薬を含有するものであり、検体の粘性の低減および検体
中の気泡の除去を行う部分である。すなわち、粘性低減
試薬の働きによって検体の粘性が低減される。また、体
液成分が浸透し得る材料中に体液成分が毛管現象等によ
って浸透する場合、一般に体液成分中の気泡は移動しな
いので、検体中の気泡が除去される。
【0021】上記粘性低減試薬は、体液成分の粘性、例
えば唾液、喀痰および鼻水等に含まれるムチン等による
粘性を低減できるものであれば特に制限されない。試薬
としては、例えば、ミリスチルトリメチルアンモニウム
塩、セチルトリメチルアンモニウム塩またはセチルピリ
ジニウム塩等の4級アンモニウム塩、アセチルシステイ
ン、メチルシステイン、エチルシステイン、カルボシス
テインまたはジチオスレイトール等のジスルフィド結合
還元剤、ブロムヘキシン、エブラジノン、アンブロキソ
ール、セラペプターゼ、セアプレフィルドシリンジロー
ゼ、スフェリカーゼ等の粘液溶解薬等が挙げられ、これ
らのうち1種または2種以上の試薬を使用することがで
きる。ただし、測定項目によっては粘性低減試薬が測定
値に影響を及ぼすおそれがあるので、その場合には測定
系を組む際に検討が必要であり、例えば、ジスルフィド
結合還元剤はタンパク質を分解する作用があるため、タ
ンパク質の測定に用いるのは好ましくない。
【0022】処理部としては、例えば、濾紙、ガラス繊
維濾紙、布、不織布、織物、編物、スポンジ等の多孔質
材料に上記の粘性低減試薬を含浸させたのち乾燥したも
の、あるいは、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ゼラチ
ン、アルギン酸ナトリウム等の親水性ポリマーと上記の
試薬とを混合して多孔質材料等に担持させたもの等を用
いることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0023】粘性低減試薬を含有する処理部を透過した
唾液、喀痰および鼻水等の検体は、検査部と接触する前
に粘性が低減され、また、処理部は多孔質材料等の体液
成分が浸透し得る材料からなるため、検体に含まれる気
泡も除去される。
【0024】(展開部)本発明の体液成分検査具は、処
理部を透過した体液成分を検査部へ流動させる展開部を
有していてもよい。展開部は、例えば、処理部を透過し
た検体を検査部に均一に接触させるためなどに設けられ
る。
【0025】展開部としては、例えば、濾紙、ガラス繊
維濾紙、布、不織布、織物、編物、スポンジ等の多孔質
材料が使用でき、特に、ニトロセルロース、セルロース
アセテート等の成分を含む多孔質材料からなるものが膜
の平面方向における展開性に優れているため好ましい。
また、一定サイズ以下の分子を膜の垂直方向にのみ透過
させる性質を有する材料としては、例えばTrack Etched
Membrane(ワットマン社製:「サイクロポア」等)な
どが使用でき、かかる材料によればムチン以外の成分を
膜の垂直方向に効率よく透過させることができる。
【0026】処理部を透過した検体が展開部を透過する
ことにより、検体は効率よく迅速に、また均一に広がっ
て検査部と接触することができるので、検査部の試薬と
均一に反応させることができ、発色のばらつきを抑える
ことができる。
【0027】(体液成分検査具)本発明の体液成分検査
具は、支持体、検査部、処理部および必要に応じて展開
部が、分離することなく固定されていることが適当であ
り、例えばこれらを各種接着剤を用いて固定する態様、
両面または片面の接着テープを用いて固定する態様、ハ
ウジングを使用して固定する態様等を採ることができ
る。
【0028】また、本発明の体液成分検査具は、後述す
る実施形態に示すように、具体的には例えば下記の構造
とすることができる。 支持体上に検査部が配置され、検査部の支持体側とは
反対側の面に処理部が配置されている構造(第一実施形
態)。 支持体上に検査部が配置され、検査部の支持体側とは
反対側の面に展開部が配置され、展開部の検査部側とは
反対側の面に処理部が配置されている構造(第二実施形
態)。 支持体上に展開部が配置され、展開部の支持体側とは
反対側の面に検査部および処理部が互いに離隔して配置
されている構造(第三実施形態)。 支持体上に展開部が配置され、該展開部の支持体側と
は反対側の面の一部に処理部が配置されているととも
に、該処理部が配置されていない展開部の一部に検査部
が埋設された状態で配置されている構造(第四実施形
態)。
【0029】本発明の体液成分検査具に検体を供給する
には、例えば容器に採取した検体をスポイト等によって
処理部に滴下させたり、容器に採取した検体に処理部を
浸漬させたり、検体を直接処理部に吐き付けたり、ある
いは処理部を直接舐めたりすることによって供給するこ
とができる。
【0030】なお、支持体と展開部が隣接する構造を有
する場合は、支持体付きの多孔質材料(ワットマン社
製:PuraBind Aシリーズ、Immunoporeシリーズ、ミリポ
ア社製:SPHFシリーズ、SRHFシリーズ、STHFシリーズ
等)を利用することができる。
【0031】本発明の体液成分検査具による測定項目と
しては、例えば、唾液中成分、喀痰中成分および鼻水中
に分泌される物質等の測定を挙げることができる。唾液
を検体とした場合には、グルコース、乳酸、ケトン体、
エタノール等の生化学検査項目、各種薬物、各種ホルモ
ン等で血中との相関が高いことが報告されており(臨床
検査 30(9) 1986)、特に臨床的測定意義が高い。ま
た、本発明の体液成分検査具は、喀痰では結核菌、鼻水
ではインフルエンザウイルス等の感染症検査に適してい
る。さらに、本発明の体液成分検査具は、免疫反応を用
いる測定系にも使用可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明するが、本発明は下記例に限定されるも
のではない。
【0033】[第一実施形態]図1は本発明に係る体液
成分検査具の第一実施形態を示す断面図である。本例の
体液成分検査具11では、透明なシート状の支持体12
上にシート状の検査部13が配置され、さらに検査部1
3上(支持体12側とは反対側の面)にシート状の処理
部14が配置されており、検査部13および処理部14
は接着テープ15によって支持体12に固定されてい
る。
【0034】本例では、処理部14上(検査部13とは
反対側の面)に検体が供給され、処理部14を透過した
検体が検査部13に接触し、検査部13で発色した状態
を透明な支持体12の検査部13とは反対側から観察す
る。
【0035】[第二実施形態]図2は本発明に係る体液
成分検査具の第二実施形態を示す断面図である。本例の
体液成分検査具21では、透明なシート状の支持体22
上にシート状の検査部23が配置され、この検査部23
上(支持体22側とは反対側の面)にシート状の展開部
26が配置され、さらに展開部26上(検査部23側と
は反対側の面)にシート状の処理部24が配置されてお
り、これらはハウジング(図示せず)を使用して固定さ
れている。なお、展開部26には、前述したTrack Etch
ed Membraneあるいは多孔質フィルタを用いることがで
きる。
【0036】本例では、処理部24上(展開部26とは
反対側の面)に検体が供給され、処理部24を透過した
検体が展開部26を透過して検査部23に接触し、検査
部23で発色した状態を透明な支持体22の検査部23
とは反対側から観察する。
【0037】[第三実施形態]図3は本発明に係る体液
成分検査具の第三実施形態を示すもので、図中符号Xで
示す部分は断面図、Yで示す部分は平面図である。本例
の体液成分検査具31では、シート状の白色支持体32
上にシート状の展開部36が配置され、この展開部36
上(支持体32側とは反対側の面)にシート状の検査部
33とシート状の処理部34とが互いに離隔して配置さ
れている。展開部36には片面に支持体32が予め固定
された多孔質材料を使用している。また、上記多孔質材
料と検査部33および処理部34とはハウジング(図示
せず)を使用して固定されている。
【0038】本例では、処理部34上(展開部36とは
反対側の面)に検体が供給され、処理部34を透過した
検体が展開部36を透過して検査部33に接触し、検査
部33で発色した状態を検査部33の展開部36とは反
対側から観察する。
【0039】[第四実施形態]図4は本発明に係る体液
成分検査具の第四実施形態を示す断面図である。本例の
体液成分検査具41では、シート状の白色支持体42上
にシート状の展開部46が配置され、展開部46上の一
部にシート状の処理部44が配置されている。また、展
開部46の支持体42側とは反対側の面の処理部44が
配置されていない部分には、2箇所の検査部43が所定
の距離離隔して展開部46に埋設された状態で配置され
ている。上記各部分はハウジング(図示せず)を使用し
て固定されている。
【0040】本例では、処理部44上(展開部46とは
反対側の面)に検体が供給され、処理部44を透過した
検体が展開部46を透過して2箇所の検査部43に接触
し、検査部43で発色した状態を検査部43の展開部4
6とは反対側から観察する。なお、本例は免疫反応を用
いる測定系に好適に適用することができる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を示すが、下記実施例は本発明
の範囲を限定するものではない。なお、実施例1は図1
に示した体液成分検査具についての例、実施例2は図3
に示した体液成分検査具についての例である。
【0042】[実施例1] 1)処理部の作製 N−アセチル−システイン5.0gを精製水に溶解し、
容量を200mLに調製したものを含浸液とした。この
溶液にガラス繊維濾紙(GF/D、ワットマン・ジャパ
ン社製)を浸漬し、乾燥して処理部を得た。
【0043】2)検査部の作製 検査部である唾液中乳酸試験紙を作製するために、以下
の処方で含浸液を調製した。 (処方) 乳酸オキシダーゼ(旭化成社製) 5000IU ペルオキシダーゼ(和光純薬社製) 10000IU 4−アミノアンチピリン(ナカライテスク社製) 0.1g N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン (同仁化学社製) 0.15g 0.1M pH7.0リン酸緩衝液 50mL ゼラチン(和光純薬社製) 0.6g
【0044】濾紙(No.51A、東洋濾紙社製)を上
記の含浸液に浸積して乾燥し、検査部である唾液中乳酸
試験紙を得た。
【0045】3)体液成分検査具の作製 前記の処理部および検査部を1cm角に裁断した。ま
た、支持体として透明のPETフィルム(膜厚250μ
m、東レ社製)を2cm角に裁断した。そして、支持体
上に検査部および処理部をこの順で置き、検査部、処理
部をテープで支持体に固定し、図1に示した構造を有す
る唾液中乳酸試験用の体液成分検査具を作製した。
【0046】4)検体の測定 唾液を上記体液成分検査具の処理部に滴下し、4−アミ
ノアンチピリンとN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−
3−スルホプロピル)−m−トルイジンとの酸化縮合反
応による紫色の発色を支持体であるPETフィルム側よ
り観察した。また、比較対照のため、処理部を除いて同
様の検査具を作製し、唾液を検査部に直接滴下して同様
の観察を行った。
【0047】5)測定結果 処理部を組み込んだ本発明の体液成分検査具は均一な発
色が認められた。一方、処理部を使用しない場合には、
唾液の粘性や気泡に起因する発色ムラが認められた。
【0048】[実施例2] 1)処理部の作製 臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム(特級、ナカラ
イテスク社製)3.125gを精製水に溶解し、容量を
500mLに調製したものを含浸液とした。この溶液に
ガラス繊維濾紙(GA−100、東洋濾紙社製)を浸漬
し、乾燥して処理部を得た。
【0049】2)検査部の作製 検査部である唾液中乳酸試験紙を作製するために、以下
の処方で含浸液を調製した。 (処方) 乳酸オキシダーゼ(旭化成社製) 5000IU ペルオキシダーゼ(和光純薬社製) 10000IU 4−アミノアンチピリン(ナカライテスク社製) 0.1g N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン (同仁化学社製) 0.15g 0.1M pH7.0リン酸緩衝液 50mL ヒドロキシプロピルセルロース(和光純薬社製) 0.5g
【0050】濾紙(No.51A、東洋濾紙社製)を上
記の含浸液に浸積して乾燥し、検査部である唾液中乳酸
試験紙を得た。
【0051】3)体液成分検査具の作製 支持体付き多孔質ニトロセルロース膜(PuraBind A-S
P:ワットマン社製、ニトロセルロース膜厚:125μ
m、孔径:3.0μm、膜厚100μmのポリエステル
製支持体付き)を7×22mmの大きさにカットし、支
持体および展開部とした。そして、前記の処理部を7×
10mmの大きさにカットし、また前記の検査部を7×
7mmの大きさにカットした。これらの処理部、検査
部、支持体および展開部を組み合わせて図3に示した構
造を有する唾液中乳酸試験用の体液成分検査具を作製し
た。
【0052】4)測定操作 唾液を測定直前にガラス製試験管に採取し、軽く撹拌し
て検体とした。この検体100μLをマイクロピペット
を用いて上記体液成分検査具の処理部に滴下した。
【0053】処理部における前処理が終わり検体の一部
が展開部に到達した時点を0秒とし、その時点から90
秒後の発色を、分光光度計を用いて反射率を測定するこ
とにより調べた。測定装置としては、分光光度計(U−
3210:日立社製)に専用の積分球を取り付けたもの
を使用し、560nmにおける反射率を測定した。反射
率(R)は下記クベルカムンクの式によりK/S値に換
算した。
【0054】 クベルカムンクの式:K/S=(1−R)2/2R R:反射率
【0055】5)検量線の作成 既知濃度の検体を測定し、乳酸濃度とK/S値について
検量線を作成した。これをもとに検体中の乳酸濃度を算
出した。得られた検量線を図5に示す。
【0056】6)同時再現性の検討 本発明の効果を調べるために、上記で作製した体液成分
検査具を用い、粘度の異なる5種類の検体A〜Eを各々
3重測定した。表1に各検体の平均乳酸濃度と変動係数
を示す。また、検体の粘度の指標として、検体が処理部
を通過するのに要した時間(濾過時間)を合わせて示
す。
【0057】
【表1】
【0058】同時再現性は各検体とも変動係数10%未
満と良好であり、本発明が唾液成分の検査における前処
理法として十分な効果があることが示された。また、検
体AおよびDについては非常に粘度が高かったが、比較
的粘度の低いその他の検体と比べても再現性に違いはな
く、処理部において唾液の粘性が十分に低減されたもの
と考えられた。
【0059】7)前処理済み唾液検体の展開速度 同時再現性の検討に用いた5検体について、上記で作製
した体液成分検査具を用い、処理部にて処理された唾液
の展開速度を測定した。処理部の先端から検査部までの
展開距離は、最短で5mm、最長で12mmであること
から、概ねその範囲における展開速度を測定した。結果
を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】BやEのような粘度の低い検体では比較的
展開速度が速く、AやDのような粘度の高い検体では遅
めであったが、検体Cのように粘度は低いながら展開速
度が遅い検体もあり、粘度だけが展開速度に影響してい
るとは考えがたい。また、一般的に展開距離が長いほど
粘度の影響が展開速度の差となって現れるが、本発明の
体液成分検査具では15mm展開した場合でも、大きな
差は認められなかった。したがって、本発明の体液成分
検査具は、粘性の主原因であるムチンを効果的に低減で
きることが示された。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、唾液、喀痰および鼻水
等の体液成分を検体として臨床検査を行う際に、遠心分
離機等の特殊な機械を使用することなく、また煩雑な操
作を要することなく、迅速、簡単かつ安価に検体の粘性
を低減することが可能であり、また、検体の粘性を低減
しかつ気泡を除去するという複雑な前処理工程が不要
で、検体を検査具に供給するという簡易な操作のみで、
検体の粘性の低減および気泡の除去がなされた後に検体
の検査が行われる体液成分検査具を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る体液成分検査具の第一実
施形態を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明に係る体液成分検査具の第二実
施形態を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る体液成分検査具の第三実
施形態を示す断面図および平面図である。
【図4】図4は、本発明に係る体液成分検査具の第四実
施形態を示す断面図である。
【図5】図5は、実施例2における乳酸濃度とK/Sに
ついての検量線である。
【符号の説明】
11、21、31、41 体液成分検査具 12、22、32、42 支持体 13、23、33、43 検査部 14、24、34、44 処理部 15 接着テープ 26、36、46 展開部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体不浸透性の支持体と、体液成分検査
    用試薬を含有する検査部と、粘性低減試薬を含有し体液
    成分が浸透する処理部とを有し、検査部および処理部の
    一方または両方が支持体に支持されているとともに、処
    理部に供給された体液成分が処理部を通って検査部に接
    触することを特徴とする体液成分検査具。
  2. 【請求項2】 支持体上に検査部が配置され、該検査部
    の支持体側とは反対側の面に処理部が配置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の体液成分検査具。
  3. 【請求項3】 処理部を通った体液成分が浸透する展開
    部をさらに備え、処理部を通った体液成分が前記展開部
    を経由して検査部に接触することを特徴とする請求項1
    に記載の体液成分検査具。
  4. 【請求項4】 支持体上に検査部が配置され、該検査部
    の支持体側とは反対側の面に展開部が配置され、該展開
    部の検査部側とは反対側の面に処理部が配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の体液成分検査具。
  5. 【請求項5】 支持体上に展開部が配置され、該展開部
    の支持体側とは反対側の面に検査部および処理部が互い
    に離隔して配置されていることを特徴とする請求項3に
    記載の体液成分検査具。
  6. 【請求項6】 支持体上に展開部が配置され、該展開部
    の支持体側とは反対側の面の一部に処理部が配置されて
    いるとともに、該処理部が配置されていない展開部の一
    部に検査部が埋設された状態で配置されていることを特
    徴とする請求項3に記載の体液成分検査具。
  7. 【請求項7】 粘性低減試薬が、4級アンモニウム塩、
    ジスルフィド結合還元剤および粘液溶解薬より選択され
    た1種または2種以上の試薬であることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の体液成分検査具。
  8. 【請求項8】 4級アンモニウム塩が、ミリスチルトリ
    メチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム
    塩およびセチルピリジニウム塩より選択された1種また
    は2種以上の塩であることを特徴とする請求項7に記載
    の体液成分検査具。
  9. 【請求項9】 ジスルフィド結合還元剤が、アセチルシ
    ステイン、メチルシステイン、エチルシステイン、カル
    ボシステインおよびジチオスレイトールより選択された
    1種または2種以上の還元剤であることを特徴とする請
    求項7に記載の体液成分検査具。
  10. 【請求項10】 粘液溶解薬が、ブロムヘキシン、エブ
    ラジノン、アンブロキソール、セラペプターゼ、セアプ
    レフィルドシリンジローゼおよびスフェリカーゼより選
    択された1種または2種以上の溶解薬であることを特徴
    とする請求項7に記載の体液成分検査具。
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